IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社大野きのこファームの特許一覧

特開2024-142485コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム
<>
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図1
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図2
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図3
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図4
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図5
  • 特開-コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142485
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コンテナユニット及びコンテナユニットを用いた菌床給水システム
(51)【国際特許分類】
   A01G 18/69 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
A01G18/69
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054637
(22)【出願日】2023-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-04-18
(71)【出願人】
【識別番号】524021361
【氏名又は名称】株式会社大野きのこファーム
(74)【代理人】
【識別番号】110000316
【氏名又は名称】弁理士法人ピー・エス・ディ
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 隆幸
【テーマコード(参考)】
2B011
【Fターム(参考)】
2B011AA04
2B011CA03
2B011CA11
(57)【要約】
【課題】 複数のコンテナを用いて、それぞれのコンテナへの吸水が自動的に行われ、菌床に十分な水が吸収されるようにしたコンテナユニットを提供する。
【解決手段】 コンテナユニットは、内空間をそれぞれ有する最上段コンテナ、1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナを備える。コンテナユニットの少なくとも最上段コンテナ及び1つ又は複数の中間コンテナの各々は、内空間に供給された水を排出する排水部と、互いに積み重ねられたときに外部への漏水を防止する止水部とを有し、最上段コンテナは、少なくとも給水時に一定量の水を収容することができる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の菌床に吸水させるためのコンテナユニットであって、
内空間をそれぞれ有する最上段コンテナ、1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナを備え、
少なくとも前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、内空間に供給された水を排出する排水部と、互いに積み重ねられたときに外部への漏水を防止する止水部とを有し、
前記最上段コンテナは、少なくとも給水時に一定量の水を収容することができる、
コンテナユニット。
【請求項2】
前記内空間に収容された菌床が水を吸収することによって前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナの水が減少したときに、その減少量に応じて、前記最上段コンテナに収容された水が前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナに供給される、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項3】
前記最上段コンテナの前記排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口と、
前記1つ又は複数の排水口に立設された、前記最上段コンテナの前記内空間の深さより短い1つ又は複数の排水路と
を有する、請求項2に記載のコンテナユニット。
【請求項4】
前記1つ又は複数の排水路は取り外し可能である、
請求項3に記載のコンテナユニット。
【請求項5】
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々の前記排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口を有する、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項6】
前記最上段コンテナ及び前記複数の中間コンテナの前記排水部は、底面全体又はその一部に設けられた格子状体を有する、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項7】
前記最上段コンテナは、前記格子状体を覆う止水シートを有する、
請求項6に記載のコンテナユニット。
【請求項8】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、下方に向かってテーパ状に縮径する下部傾斜部を有し、
前記下部傾斜部に止水部材が配置された、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項9】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、下方に向かってテーパ状に縮径する下部傾斜部を有し、
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々及び前記最下段コンテナは、積み重ねられたときに前記下部傾斜部に対向する、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有し、
前記下部傾斜部又は前記上部傾斜部の少なくとも一方に止水部材が配置された、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項10】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、台座を下部に有し、
前記止水部は、前記台座に取り付けることができる止水ブーツである、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項11】
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々及び前記最下段コンテナは、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有し、
前記止水ブーツは、前記最上段コンテナ、前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナが積み重ねられたときに前記上部傾斜部に対向する傾斜部を有する、
請求項10に記載のコンテナユニット。
【請求項12】
請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の複数のコンテナユニットと、
前記複数のコンテナユニットのうちの1つのコンテナユニットに水を供給する給水部と、
前記1つのコンテナユニットからオーバーフローする水を、前記1つのコンテナユニットから前記複数のコンテナユニットのうちの他のコンテナユニットに供給する1つ又は複数の連通路と
を備える菌床給水システム。
【請求項13】
前記複数のコンテナユニットは、複数の連通路を介してカスケード状に連通されることによって、順次給水される、
請求項12に記載の菌床給水システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎茸などのきのこ類の栽培に関し、より具体的には、菌床を内部に収容して水を吸収させるために用いられるコンテナユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
椎茸などのきのこ類の栽培方法として、従来から、菌床栽培が行われている。菌床栽培は、おがくずなどの木質基材にふすまなどの栄養源を混ぜた人工の培地である「菌床」を用いて、きのこ類を栽培する方法である。菌床は、一般的に、次のようにして作製される。まず、おがくず、ふすま、水などの材料を練った混錬物を樹脂袋に詰める。これを高圧殺菌し、冷却後、混錬物に種菌を植え付ける。樹脂袋を圧着によって閉じた後、90~100日間培養する。このようにして作製される菌床の寸法は、典型的には、縦20cm~22cm、横12cm~13cm、高さ15cm、重さ2kg程度である。
【0003】
菌床は、複数回用いられることが一般的である。最初の栽培時には、きのこ類は、菌床にもともと含まれる水分を利用して生長する。したがって、樹脂袋を開封して30日程度、適切な温度及び湿度の環境で栽培することによって、きのこ類を収穫することができる。もともと菌床が保持していた水分は最初の栽培時になくなるため、収穫後の菌床を水に浸漬して水分を吸収させ、2回目の栽培及び収穫を行う。水分がなくなった菌床を水に浸漬させて菌に刺激を与えることで、椎茸の生長を開始させることができる。収穫後に菌床に水分を吸収させ、きのこ類を栽培し、収穫するサイクルは、商品として出荷できるきのこ類が収穫できなくなるまで、繰り返される。
【0004】
菌床に水分を吸収させるために用いられる装置として、従来、例えば特許文献1及び特許文献2の装置が提案されている。特許文献1は、水と複数の菌床とを収容する浸漬槽と、収容された菌床の最上面に位置する蓋体と、蓋体の位置を規制する規制手段とを有するシイタケ菌床浸漬装置を提案する。特許文献1によれば、注水時に規制手段が蓋体を浮き上がらないように規制することによって、菌床全体が完全に水中に沈むため、菌床に十分な水分を与えることができるとされている。
【0005】
特許文献2は、複数の菌床を収容する槽と、槽の上部開口部用の上下動可能なスライド蓋と、上部開口部とスライド蓋との間に配置されたシール材とを備えたきのこ菌床用加圧式水槽を提案する。特許文献2によれば、供給された水道水で槽がいっぱいになると、スライド蓋が押し上げられてシール材と密着し、上部開口部からの漏水を防止するようになっている。そのままさらに水道水を供給することによって、きのこの菌床に水を加圧しながら浸透させることができる
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3187792号公報
【特許文献2】特開平8-256595号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の特許文献1及び特許文献2を含む従来技術においては、複数の菌床を収容した水槽に満水になるまで水を供給し、菌床に水を吸収させる。菌床が吸収した結果、水槽内の水が減少したら、再び水槽を満水にする作業を繰り返す。
【0008】
しかしながら、従来技術においては、1つの水槽に多数の菌床(典型的には、40~50個の菌床)を詰めて給水し、菌床が水分を吸収して水が少なくなったら水を追加するという作業を複数回繰り返す必要がある。従来、特許文献1及び特許文献2に示されるように、複数の菌床を多段に収容可能となるように深い水槽が用いられるため、重量のある菌床(典型的には、1個あたり2~3kg)を深い水槽の内部に収容する作業や水を追加する作業は、重労働でありかつ煩雑である。
【0009】
作業を容易にすることを目的として、浅いコンテナに菌床を1段だけ収容して水を張ることが行われる場合もあるが、何度か水を追加する必要があることには変わりなく、スペース及び作業の効率化のために複数のコンテナを重ねる必要があり、水を追加するたびにコンテナの積み下ろしを行うことになるため、依然として重労働である。
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、各々が菌床を1段からせいぜい2段だけ収容した複数のコンテナを用いて、それぞれのコンテナへの吸水が自動的に行われ、菌床に十分な水が吸収されるようにしたコンテナユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、複数の菌床に吸水させるためのコンテナユニットを提供する。コンテナユニットは、内空間をそれぞれ有する最上段コンテナ、1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナを備える。少なくとも最上段コンテナ及び1つ又は複数の中間コンテナの各々は、内空間に供給された水を排出する排水部と、互いに積み重ねられたときに外部への漏水を防止する止水部とを有する。最上段コンテナは、少なくとも給水時に一定量の水を収容することができる。このコンテナユニットにおいては、内空間に収容された菌床が水を吸収することによって1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナの水が減少したときに、その減少量に応じて、最上段コンテナに収容された水が1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナに自動的に供給されるようになっている。
【0012】
最上段コンテナの排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口と、1つ又は複数の排水口に立設された、最上段コンテナの内空間の深さより短い1つ又は複数の排水路とを有することが好ましく、1つ又は複数の排水路は取り外し可能であることがさらに好ましい。また、1つ又は複数の中間コンテナの各々の排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口を有することが好ましい。別の実施形態においては、最上段コンテナ及び複数の中間コンテナの排水部は、底面全体又はその一部に設けられた格子状体を有するものとすることができ、最上段コンテナは、格子状体を覆う止水シートを有することが好ましい。
【0013】
一実施形態においては、最上段コンテナ及び1つ又は複数の中間コンテナの各々は、下方に向かってテーパ状に縮径する下部傾斜部を有し、下部傾斜部に止水部材が配置されることが好ましい。別の実施形態においては、1つ又は複数の中間コンテナの各々及び最下段コンテナは、積み重ねられたときに下部傾斜部に対向する、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有し、さらに、下部傾斜部又は上部傾斜部の少なくとも一方に止水部材が配置されることが好ましい。
【0014】
さらに別の実施形態においては、最上段コンテナ及び1つ又は複数の中間コンテナの各々は、台座を下部に有し、止水部は、台座に取り付けることができる止水ブーツであることが好ましい。この形態において、1つ又は複数の中間コンテナの各々及び最下段コンテナは、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有することが好ましく、止水ブーツは、最上段コンテナ、1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナが積み重ねられたときに上部傾斜部に対向する傾斜部を有することが好ましい。
【0015】
本発明は、別の態様において、上記の複数のコンテナユニットと、複数のコンテナユニットのうちの1つのコンテナユニットに水を供給する給水部とを有する菌床給水システムを提供する。このシステムにおいては、1つのコンテナユニットからオーバーフローする水を、1つのコンテナユニットから複数のコンテナユニットのうちの他のコンテナユニットに供給する1つ又は複数の連通路とを備える。複数のコンテナユニットは、複数の連通路を介してカスケード状に連通されることによって、順次給水されるようにすることもできる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、最上段コンテナが、(1)給水時に一定量の水を貯留することで、2段目以降のコンテナの菌床が給水時に浮き上がらないように重しになる、(2)2段目以降のコンテナの菌床が吸水して水が減ったときに、2段目以降のコンテナに供給する水を貯留するように機能するため、下段の複数のコンテナへの給水が自動的に行われ、菌床に十分な水が吸収される。したがって、菌床に水を吸収させる作業にかかる人手を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態による、複数の菌床と水とを収容した状態のコンテナユニットの分解斜視図を示す。
図2図1に示されるコンテナユニットの各々のコンテナの斜視図であり、(a)は最上段コンテナ、(b)は複数の中間コンテナのうちの1つ、(c)は最下段コンテナを示す。
図3図1に示されるコンテナユニットの止水構造を示す図であり、(a)はコンテナユニットの斜視図、(b)はコンテナユニットの横断面である。
図4】本発明の別の実施形態によるコンテナユニットの複数の中間コンテナのうちの1つの側面図を示し、このコンテナは、図3に示される中間コンテナの止水部とは別の形態の止水部を有する。
図5】本発明のさらに別の実施形態によるコンテナユニットの最上段コンテナの斜視図を示し、このコンテナは、排水部が格子状体であり、さらに給水時に格子状体を覆う止水シートを有する。
図6】本発明の一実施形態によるコンテナユニットを複数用いた菌床給水システムの概略的な模式図を示し、(a)は、1つのコンテナユニットから複数のコンテナユニットに放射状に水を供給する構成であり、(b)は、1つのコンテナユニットから複数のコンテナユニットにカスケード状に水を供給する構成である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態による、複数の菌床Mと水Wとを収容した状態のコンテナユニット1の分解斜視図である。また、図2は、図1に示されるコンテナユニット1の各々のコンテナの斜視図であり、図2(a)は最上段コンテナ2、図2(b)は中間コンテナのうちの1つのコンテナ4、(c)は最下段コンテナ6を示す。さらに、図3は、図1に示されるコンテナユニット1の止水構造を示す図であり、図3(a)はコンテナユニット1の斜視図、図3(b)はコンテナユニット1の横断面である。
【0020】
(コンテナユニットの概要)
図1に示されるコンテナユニット1は、最も上に配置される最上段コンテナ2と、最も下に配置される最下段コンテナ6と、最上段コンテナ2と最下段コンテナ6との間に配置される3つの中間コンテナ4とを含む。中間コンテナ4の数は、3つに限定されるものではなく、1つ又は2つとすることも4つ以上とすることもできる。中間コンテナ4の数は、作業性及び生産性を考慮して決定される。
【0021】
3つの中間コンテナ4及び最下段コンテナ6には菌床Mが1段ずつ収容され、最上段コンテナ2には菌床Mは収容されない。図1においては、菌床Mが各コンテナに1段だけ収容されているが、これに限定さされるものではなく、各コンテナに2段以上の菌床Mが収容されてもよい。ただし、1つのコンテナに収容する段数が多すぎると、菌床Mが収容されたときの各コンテナの重量が大きくなり、作業性が悪化する。中間コンテナ4及び最下段コンテナ6の重量は、限定されるものではないが、作業性の観点から、菌床M及び水Wを収容したときに30kg~35kgを下回る程度であることが好ましい。
【0022】
菌床Mへの吸水作業の開始の際に最上段コンテナ2に給水を始め、それが満水になってもさらに給水を続けると、排水部を通って水が下の3つの中間コンテナ4に順次流れ、中間コンテナ4の水は、それらの排水部を通って最下段コンテナ6に達する。さらに給水を続けると、最下段コンテナ6から順に満水になっていき、やがてコンテナユニット1全体が満水になる。上下のコンテナの間には止水部が設けられているので、コンテナ間からの漏水は発生しない。
【0023】
給水中に一定量の水を貯留することができる最上段コンテナ2は、その下の中間コンテナ4に収容された菌床Mが浮き上がるのを防止するため、給水中に菌床M全体が完全に水中に沈み、十分な水を菌床Mに吸収させることができる。すなわち、最上段コンテナ2は、少なくとも給水時に一定量の水を貯留することで、下段の中間コンテナ4に収容された菌床Mが給水時に流れ込んできた水に浮き上がらないように、重しとして機能する。
【0024】
また、本発明に係るコンテナユニット1においては、複数のコンテナ4、6への給水が自動的に行われるため、効率的かつ容易に、菌床に吸水させることができる。すなわち、コンテナユニット1全体が満水になった後、時間が経過するにつれて中間コンテナ4及び最下段コンテナ6の菌床Mが水を吸収し、それぞれのコンテナの水が減少する。そうすると、その減少量に相当する水が、最上段コンテナ2から排水部の排水口を通って下段のコンテナに自動的に供給される。最上段コンテナ2の水がなくなったら、必要に応じて給水を行えばよい。すなわち、コンテナユニット1においては、最上段コンテナ2が、他のコンテナ4、6に自動的に供給するための水を貯留させておく給水タンクとして機能する。
【0025】
<最上段コンテナ>
図2(a)は、コンテナユニット1の最も上に配置される最上段コンテナ2の斜視図である。最上段コンテナ2は、底部21と、底部21の縁部から立ち上がる側部22~25とを有し、上面は開放されている。底部21、側部22~25の材質は、限定されるものではないが、軽量化、耐久性及び形状自由度の観点から、樹脂であることが好ましい。
【0026】
最上段コンテナ2は、底部21及び側部22~25によって画定される内空間20を有し、内空間20は、一定量の水Wを収容することができる。内空間20の容積は、例えば、下段のコンテナ4、6に収容される菌床Mの大きさ、数及び段数、菌床Mの吸水量及び吸水速度、収容される水Wの量などの条件に応じて、適宜設定することができる。
【0027】
最上段コンテナ2は、図2に示されるように中空の直方体形状であることが好ましいが、これに限定されるものではなく、底面が円形又は多角形の形状、すなわち中空の円柱形状又は多角柱形状とすることもできる。以下においては、最上段コンテナ2、中間コンテナ4及び最下段コンテナ6は、いずれも上面が開放された中空の直方体形状を有するものとして説明する。
【0028】
底部21は、四角形状の底面21aを有する。底部21は、その縁部に、外周側にテーパ面が形成されるように下方に向かってテーパ状に縮径する傾斜部(下部傾斜部)21bを有する。この傾斜部21bは、後述されるように、下段の中間コンテナ4の上部に形成されることが好ましい傾斜部42a~45aのテーパ面に対応する角度及び幅で形成される。傾斜部21bと下の中間コンテナ4の傾斜部42a~45aとが、後述される止水部材42b~45bを介して当接することによって、コンテナ間からの漏水を防止することができる。すなわち、傾斜部21bは、止水部として機能する。底面21aの4つの縁部からは、いずれも長方形状を有する側部22~25が立ち上がる。
【0029】
最上段コンテナ2は、排水部26をさらに有する。排水部26は、内空間20に供給された水を排出する。排水部26は、底面21aに設けられた排水口26aと、排水口26aの上に立設された排水路26bとを有する。排水路26bとして、例えば樹脂パイプなどを用いることができる。排水部26の数は、1つに限定されるものではなく、例えば、収容される菌床Mの吸水量及び吸水速度、コンテナの数、最上段コンテナ2への給水量などの条件に応じて、適宜必要な数を設ければよい。排水口26aの口径についても、同様である。排水部26は、図2(a)の位置に限定されるものではなく、例えば、底面21aの中央部や、側部のコーナー部分、例えば 側部24と25が交差する部分の内角側に設けることもできる。
【0030】
排水路26bの高さは、給水時に最上段コンテナ2にできるだけ多くの水Wを収容できるようにする観点から、最上段コンテナ2の内空間20の深さより若干短い程度に設定されることが好ましい。こうした排水路26bを排水口26aの上に設けることによって、給水時に一定量の水Wを最上段コンテナ2に貯留させることができ、このことによって、最上段コンテナ2が、下段の中間コンテナ4に収容された菌床Mが給水時に流れ込んできた水に浮き上がらないように、重しとして機能する。
【0031】
排水路26bは、取り外し可能である。すなわち、コンテナユニット1に給水を行う際には排水路26bを取り付けておき、コンテナユニット1全体が満水になった後に排水路26bを取り外すことによって、最上段コンテナ2は、給水時に菌床Mの浮きを防止する重しとして機能するだけでなく、満水後には、菌床Mの吸水による減少量に応じて水Wを自動的に下段のコンテナ4、6に供給するための給水タンクとして機能する。
【0032】
排水路26bは、必ずしも設ける必要はない。すなわち、最上段コンテナ2への給水量と、最上段コンテナ2の排水口26aからの排水量とのバランスを勘案して、給水中に最上段コンテナ2に一定量の水が貯留するようにできれば、最上段コンテナ2を下段の中間コンテナ4における菌床Mの浮きを防止する重しとすることができる。最上段コンテナ2への給水量と、最上段コンテナ2の排水口26aからの排水量とのバランスは、最上段コンテナ2への給水量を最上段コンテナ2からの排水量より多くするか、排水口26aの径を適切に設計することによって、調整することができる。
【0033】
<中間コンテナ>
図2(b)は、コンテナユニット1の中間部分に配置される中間コンテナ4の斜視図である。中間コンテナ4は、底部41と、底部41の縁部から立ち上がる側部42~45とを有し、上面は開放されている。底部41、側部42~45の材質は、限定されるものではないが、軽量化、耐久性及び形状自由度の観点から、樹脂であることが好ましい。
【0034】
中間コンテナ4は、底部41及び側部42~45によって画定される内空間40を有し、内空間40は、複数の菌床M及び一定量の水を収容することができる。内空間40の容積は、収容される菌床Mの大きさ、数及び段数、菌床Mの吸水量及び吸水速度、収容される水の量などの条件に応じて、適宜設定することができる。
【0035】
底部41は、四角形状の底面41aを有する。底部41は、その縁部に、外周側にテーパ面が形成されるように下方に向かってテーパ状に縮径する傾斜部(下部傾斜部)41bを有する。傾斜部41bは、下段のコンテナの上部に形成されることが好ましい傾斜部のテーパ面に対応する角度及び幅で形成される。傾斜部41bと下の中間コンテナ4の傾斜部42a~45a又は最下段コンテナ6の傾斜部62a~65aとが、後述される止水部材42b~45b、62b~65bを介して当接することによって、コンテナ間からの漏水を防止することができる。すなわち、傾斜部41bは、止水部として機能する。底面41aの4つの縁部からは、いずれも長方形状を有する側部42~45が立ち上がる。
【0036】
中間コンテナ4は、排水部46をさらに有する。排水部46は、内空間40に供給された水を排出する。排水部46は、底面41aに設けられた排水口46aを有する。排水部46の数は、1つに限定されるものではなく、収容される菌床Mの吸水量及び吸水速度、コンテナの数、最上段コンテナ2への給水量などの条件に応じて、適宜必要な数を設ければよい。排水口46aの口径についても、同様である。
【0037】
本実施形態のコンテナユニット1は、3つの中間コンテナ4を有するが、3つの中間コンテナ4の排水口46aの位置は、上下方向に一致する位置ではないことが好ましい。すなわち、中間コンテナ4における排水口46aの位置は、図1に示されるように、その上のコンテナの排水口(例えば、排水口26a)の位置の真下ではなく、真下から離れた位置であることが好ましい。例えば、図2(a)に示されるように最上段コンテナ2の排水口26aが側部25の近くに位置する場合には、その下の中間コンテナ4の排水口46aは、側部43の近くに位置するように配置され、さらにその下の中間コンテナ4の排水口46aは、側部45の近くに位置するように配置されることが好ましい。
【0038】
側部42~45は、その上部に、内空間40側にテーパ面が形成されるように上方に向かってテーパ状に拡径する傾斜部(上部傾斜部)42a~45aを有する。傾斜部42a~45aは、積み重ねられたときに上段のコンテナ(最上段コンテナ2又は中間コンテナ4)の傾斜部(下部傾斜部)21b、41bに対向するように形成された傾斜部である。
【0039】
傾斜部42a~45aには、図2(b)及び図3に示されるように、好ましくはこれらの傾斜部42a~45aのテーパ面の大きさに対応する大きさの止水部材42b~45bが配置される。傾斜部42a~45aは、コンテナが積み重ねられたときに、図3に示されるように、上段の傾斜部(下部傾斜部)21b、41bと止水部材42b~45bを介して当接する。すなわち、傾斜部42a~45a及び止水部材42b~45bは、止水部として機能する。したがって、最上段コンテナ2と3つの中間コンテナ4とが積み重ねられたときに、コンテナ間からの漏水を防止することができる。
【0040】
止水部材42b~45bの材質は、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムなどを、使用環境に応じて適宜選択すればよい。
【0041】
図2(b)及び図3においては、傾斜部42a~45aにのみ止水部材42b~45bが配置されているが、これに限定されるものではない。止水部材は、傾斜部21b、41bにのみ配置されてもよく、傾斜部21b、41bと傾斜部42a~45aとの両方に配置されてもよい。すなわち、上段のコンテナの底部に設けられた下部傾斜部、下段のコンテナの上部に設けられた上部傾斜部、及び、下部傾斜部若しくは上部傾斜部又はその両方に設けられた止水部材は、協働してコンテナユニット1の止水部として機能する。
【0042】
<最下段コンテナ>
図2(c)は、コンテナユニット1の最も下に配置される最下段コンテナ6の斜視図である。最下段コンテナ6は、底部61と、底部61の縁部から立ち上がる側部62~65とを有し、上面は開放されている。底部61は、四角形状の底面61aを有する。底部61、側部62~65の材質は、限定されるものではないが、軽量化、耐久性及び形状自由度の観点から、樹脂であることが好ましい。
【0043】
最下段コンテナ6は、底部61及び側部62~65によって画定される内空間60を有し、内空間60は、複数の菌床M及び一定量の水を収容することができる。内空間60の容積は、収容される菌床Mの大きさ、数及び段数、菌床Mの吸水量及び吸水速度、収容される水の量などの条件に応じて、適宜設定することができる。最下段コンテナ6は、すべての菌床Mの吸水が終了した後にコンテナユニット1から菌床Mを取り出すときに、内部の水をすべて排水するための排水部66を有する。排水部66は、好ましくは側部62~65のうちの1つに設けられた排水口66aと、排水口66aに取り付けられた排水バルブ66bとを有する。
【0044】
側部62~65は、その上部に、内空間60側にテーパ面が形成されるように上方に向かってテーパ状に拡径する傾斜部(上部傾斜部)62a~65aを有する。傾斜部62a~65aは、積み重ねられたときに上段の中間コンテナ4の傾斜部41bに対向するように形成された傾斜部である。
【0045】
傾斜部62a~65aには、図2(c)及び図3に示されるように、好ましくはこれらの傾斜部62a~65aのテーパ面の大きさに対応する大きさの止水部材62b~65bが配置される。傾斜部62a~65aは、コンテナが積み重ねられたときに、図3に示されるように、上段の傾斜部(下部傾斜部)41bと止水部材42b~45bを介して当接する。すなわち、傾斜部62a~65a及び止水部材62b~65bは、止水部として機能する。したがって、最上段コンテナ2と3つの中間コンテナ4とが上に積み重ねられたときに、コンテナ間からの漏水を防止することができる。
【0046】
止水部材62b~65bの材質は、特に限定されるものではなく、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムなどを、使用環境に応じて適宜選択すればよい。
【0047】
図2(c)及び図3においては、傾斜部62a~65aにのみ止水部材62b~65bが配置されているが、これに限定されるものではない。止水部材は、傾斜部41bにのみ配置されてもよく、傾斜部41bと傾斜部62a~65aとの両方に配置されてもよい。すなわち、上段のコンテナの底部に設けられた下部傾斜部、下段のコンテナの上部に設けられた上部傾斜部、及び、下部傾斜部若しくは上部傾斜部又はその両方に設けられた止水部材は、協働してコンテナユニット1の止水部として機能する。
【0048】
<止水部の別の実施形態>
ここで、止水部の別の実施形態を説明する。図4は、中間コンテナ4のうちの1つを示し、中間コンテナ4を側部42の方向から見た側面図である。このコンテナは、図2に示される中間コンテナ4の底部とは別の形態の底部41’を有する。
【0049】
底部41’は、図4(b)に示されるように、中間コンテナ4の下面に設けられた、下面から下方に向かって延びる台座41’dと、台座41’dの外側に取り付けられる止水ブーツ41’eとを有する。台座41’dは、中間コンテナ4の底面から4つの壁が下方に延びる形態とすることができる。すなわち、4つの壁で囲まれた内側は、中空である。あるいは、台座41’dは、中実の立方体又は直方体が下面に設けられた形態とすることもできる。
【0050】
止水ブーツ41’eは、傾斜部41’ebをそれぞれが有する4つの棒状の枠41’eaが、傾斜部41’ebが外方かつ斜め下方を向くように、互いに端部で連結された枠状部材である。4つの枠41’eaで囲まれた内側には空間41’ecが形成される。この空間41’ecに台座41’dを挿入して、止水ブーツ41’eを台座41’dに取り付けることによって、底部41’には、台座41’dの外側に斜め下方を向く傾斜面を有する傾斜部41’ebが配置される。傾斜部41’ebが、例えばその下の中間コンテナ4の傾斜部42a~45aと当接することによって、コンテナ間からの漏水を防止することができる。すなわち、傾斜部41’ebは、止水部として機能する。
【0051】
止水ブーツ41’eの材質は、限定されるものではないが、例えば、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴムなどとすることができる。
【0052】
なお、図4に示される形態の底部41’を有するコンテナを用いる場合、その下に配置されるコンテナの上部には、必ずしも傾斜部が形成されなくてもよい。すなわち、下のコンテナの上端部を傾斜部ではなく平坦に形成し、傾斜部41’ebが、下のコンテナの平坦部の内側の角に当接することによって、止水機能を発揮させることもできる。また、図4は、中間コンテナ4を例として説明したが、最上段コンテナ2の底部21を同様の構造に、すなわち、底部21の下面に形成された台座と、台座に取り付ける止水ブーツとを有する構造とすることもできる。
【0053】
図5は、最上段コンテナ2の別の実施形態を示す斜視図である。具体的には、図5に示される最上段コンテナ2は、底面21a全体を格子状体26d’とし、格子状体26d’の上を止水シート26’eで覆うことによって、格子状体26d’及び止水シート26’eを有する排水部26’を構成することができる。止水シート26’eには、図2(a)に示されるような排水路26bと同様の排水路を立てることができる排水口26’fを設ける。なお、止水シート26’eと排水路とが一体となったものを用いることもできる。この実施形態においては、格子状体26d’に止水シート26’eを被せ、排水路(例えば、排水路26b)を立てた状態で給水することによって、一定量の水を最上段コンテナ2に収容しながら下のコンテナに流出させることができる。コンテナユニット1全体が満水になった後に、止水シート26’eの一部をまくっておくか、又は、止水シート26’e若しくは排水路を除去しておけば、下段のコンテナ4、6の水が減少したときに、その量に相当する水が排水口26’f又は格子状体26’dの格子間を通って下段のコンテナに自動的に供給される。
【0054】
図5は、最上段コンテナ2を例として説明したが、中間コンテナ4の底部41を同様の構造、すなわち、底面41a全体を格子体とすることもできる。中間コンテナ4においては、格子体を止水シートで覆う必要はない。底面41a全体を格子状体とすることによって、軽量化が可能である。
【0055】
(菌床給水システム)
図6は、本発明に係るコンテナユニット1を複数用いた菌床給水システムの概略的な模式図を示し、複数のコンテナユニット1に給水を行うための実施例を示す。図6(a)は、複数のコンテナユニット1のうちの1つに給水を行い、そのコンテナユニット1から他の複数のコンテナユニット1に放射状に同時に水を供給する構成であり、図6(b)は、複数のコンテナユニット1のうちの1つに給水を行い、そのコンテナユニット1から他の複数のコンテナユニット1にカスケード状に順次、水を供給する構成である。
【0056】
図6(a)に示される放射状の構成においては、最初に、給水部(図示せず)から給水路81を介して1つのコンテナユニット1A(図において最も上に示されるコンテナユニット)に水を供給する。そのコンテナユニット1Aにおいては、すでに説明したように、最上段コンテナ2に給水し満水になってもさらに給水を続けると、排水部26を通って水が下の3つの中間コンテナ4に順次流れ、中間コンテナ4の水は、その排水部46を通って最下段コンテナ6に達する。さらに給水を続けると、最下段コンテナ6から順に満水になり、やがてコンテナユニット1全体が満水になる。
【0057】
コンテナユニット1が満水になってもさらに給水を続けると、コンテナユニット1Aからオーバーフローする水は、この例では3つの連通路82B、82C、82Dを介して、それぞれ3つのコンテナユニット1B、1C、1Dに供給される。さらに給水部から給水路81を介してコンテナユニット1Aに給水を続け、3つのコンテナユニット1B、1C、1Dが、それぞれ上述のとおり最上段コンテナ2まで満水になったときに、コンテナユニット1Aへの給水を停止する。その後、コンテナユニット1A~1Dのそれぞれの排水路26bを取り外す。各コンテナユニット1A~1Dのそれぞれにおいては、菌床Mの吸水状態に応じて、水が自動的に下段のコンテナに供給される。
【0058】
図6(b)に示されるカスケード状の構成においても同様に、最初に、給水部(図示せず)から給水路81’を介して1つのコンテナユニット1A(図において最も上に示されるコンテナユニット)に水を供給する。そのコンテナユニット1Aが満水になるまでの過程は、図6(a)に示される放射状の構成の場合と同様である。
【0059】
最上段コンテナ2が満水になり、さらに給水を続けると、コンテナユニット1Aからオーバーフローする水は、この例では連通路82’Bを介して、コンテナユニット1Bに供給される。さらに給水部から給水路81’を介してコンテナユニット1Aに給水を続け、コンテナユニット1Bが満水になると、コンテナユニット1Bからオーバーフローする水は、連通路82’Cを介してコンテナユニット1Cに供給される。同様に、コンテナユニット1Cが満水になってオーバーフローする水は、連通路82’Dを介してコンテナユニット1Dに供給される。最終的にコンテナユニット1Dが満水になったときに、コンテナユニット1Aへの給水を停止する。その後、コンテナユニット1A~1Dのそれぞれの排水路26bを取り外す。各コンテナユニット1A~1Dにおいては、菌床Mの吸水状態に応じて、水が自動的に下段のコンテナに供給される。
【符号の説明】
【0060】
1 コンテナユニット
2 最上段コンテナ
20 内空間
21 底部
21a 底面
21b 傾斜部
22、23、24、25 側部
26、26’ 排水部
26a 排水口
26b 排水路
26’d 格子状体
26’e 止水シート
26’f 排水口
4 中間コンテナ
40 内空間
41、41’ 底部
41a 底面
41b 傾斜部
41’d 台座
41’e 止水ブーツ
41’ea 枠
41’eb 傾斜部
41’ec 内空間
42、43、44、45 側部
42a、43a、44a、45a 傾斜部
42b、43b、44b、45b 止水部材
46 排水部
46a 排水口
6 最下段コンテナ
60 内空間
61 底部
61a 底面
62、63、64、65 側部
62a、63a、64a、65a 傾斜部
62b、63b、64b、65b 止水部材
66 排水部
66a 排水口
66b 排水バルブ
8、8’ 菌床給水システム
81、81’ 給水路
82、82’ 連通路
M 菌床
W 水



図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2024-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の菌床に吸水させるためのコンテナユニットであって、
内空間をそれぞれ有する最上段コンテナ、1つ又は複数の中間コンテナ及び最下段コンテナを備え、
少なくとも前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、内空間に供給された水を排出する排水部と、互いに積み重ねられたときに外部への漏水を防止する止水部とを有し、
前記最上段コンテナは、少なくとも給水時に一定量の水を収容することができ、
前記最上段コンテナの前記排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口と、前記1つ又は複数の排水口に立設された、前記最上段コンテナの前記内空間の深さより短い1つ又は複数の排水路とを有する、
コンテナユニット。
【請求項2】
前記内空間に収容された菌床が水を吸収することによって前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナの水が減少したときに、その減少量に応じて、前記最上段コンテナに収容された水が前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナに供給される、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項3】
前記1つ又は複数の排水路は取り外し可能である、
請求項に記載のコンテナユニット。
【請求項4】
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々の前記排水部は、底面に設けられた1つ又は複数の排水口を有する、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項5】
前記最上段コンテナ及び前記複数の中間コンテナの前記排水部は、底面全体又はその一部に設けられた格子状体を有する、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項6】
前記最上段コンテナは、前記格子状体を覆う止水シートを有する、
請求項に記載のコンテナユニット。
【請求項7】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、下方に向かってテーパ状に縮径する下部傾斜部を有し、
前記下部傾斜部に止水部材が配置された、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項8】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、下方に向かってテーパ状に縮径する下部傾斜部を有し、
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々及び前記最下段コンテナは、積み重ねられたときに前記下部傾斜部に対向する、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有し、
前記下部傾斜部又は前記上部傾斜部の少なくとも一方に止水部材が配置された、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項9】
前記最上段コンテナ及び前記1つ又は複数の中間コンテナの各々は、台座を下部に有し、
前記止水部は、前記台座に取り付けることができる止水ブーツである、
請求項1に記載のコンテナユニット。
【請求項10】
前記1つ又は複数の中間コンテナの各々及び前記最下段コンテナは、上方に向かってテーパ状に拡径する上部傾斜部を有し、
前記止水ブーツは、前記最上段コンテナ、前記1つ又は複数の中間コンテナ及び前記最下段コンテナが積み重ねられたときに前記上部傾斜部に対向する傾斜部を有する、
請求項に記載のコンテナユニット。
【請求項11】
請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の複数のコンテナユニットと、
前記複数のコンテナユニットのうちの1つのコンテナユニットに水を供給する給水部と、
前記1つのコンテナユニットからオーバーフローする水を、前記1つのコンテナユニットから前記複数のコンテナユニットのうちの他のコンテナユニットに供給する1つ又は複数の連通路と
を備える菌床給水システム。
【請求項12】
前記複数のコンテナユニットは、複数の連通路を介してカスケード状に連通されることによって、順次給水される、
請求項11に記載の菌床給水システム。