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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142490
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】用紙受付装置
(51)【国際特許分類】
   G07C 13/00 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
G07C13/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054643
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000230858
【氏名又は名称】日本金銭機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】冨吉 哲也
(72)【発明者】
【氏名】川原 豊
【テーマコード(参考)】
3E138
【Fターム(参考)】
3E138AA04
3E138EA04
3E138KA07
(57)【要約】
【課題】投票券やマークカードなどのような、サイズが異なる2種類の用紙を受け付けることができる用紙受付装置を提供する。
【解決手段】幅が狭い第1の用紙を受け付けるための第1の用紙挿入口107Xと、幅が広い第2の用紙を受け付けるための第2の用紙挿入口107Yと、第1の用紙と第2の用紙とを搬送するための共通搬送装置1330と、第1の用紙と第2の用紙とを読み取る共通読み取りセンサ121と、共通搬送装置と共通読み取りセンサとを制御するための制御部110と、を備える用紙受付装置100が提供される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅が狭い第1の用紙を受け付けるための第1の用紙挿入口と、
幅が広い第2の用紙を受け付けるための第2の用紙挿入口と、
前記第1の用紙と前記第2の用紙とを搬送するための共通搬送装置と、
前記第1の用紙と前記第2の用紙とを読み取る共通読み取りセンサと、
前記共通搬送装置と前記共通読み取りセンサとを制御するための制御部と、を備える用紙受付装置。
【請求項2】
金銭受付部と、
前記第2の用紙挿入口を開閉するためのシャッタとをさらに備え、
前記制御部は、
金銭を受け付けていない場合は、前記シャッタを閉めて、前記第2の用紙を前記第2の用紙挿入口に挿入できないようにし、
金銭を受け付けた場合は、前記シャッタを開けて、前記第2の用紙を前記第2の用紙挿入口に挿入できるようにする、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項3】
前記第1の用紙挿入口と前記第2の用紙挿入口とが上下に並んで配置され、
前記第1の用紙挿入口から前記共通搬送装置までの第1の単独経路と、前記第2の用紙挿入口から前記共通搬送装置までの第2の単独経路とが、上下方向に並んだ位置に形成される、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項4】
前記共通読み取りセンサよりも下流側に配置される孔開けパンチをさらに備え、
前記第1の用紙挿入口と前記第2の用紙挿入口の左右いずれかの端部の左右方向の位置が一致するように構成され、
前記孔開けパンチは、前記搬送経路のうちの、前記左右いずれかの端部側に配置される、請求項3に記載の用紙受付装置。
【請求項5】
前記第1の単独経路および前記第2の単独経路と上下方向に並んだ位置に、前記第1の用紙および前記第2の用紙をリジェクトするための共通リジェクト経路が設けられる、請求項3に記載の用紙受付装置。
【請求項6】
前記第1の用紙挿入口を開閉するための第2のシャッタをさらに備え、
前記制御部は、
金銭を受け付けていない場合は、当該第2のシャッタを開けて、前記第1の用紙を前記第1の用紙挿入口に挿入できるようにして、
金銭を受け付けた場合は、当該第2のシャッタを閉めて、前記第1の用紙を前記第1の用紙挿入口に挿入できないようにする、請求項2に記載の用紙受付装置。
【請求項7】
前記第1の用紙挿入口は、複数枚の前記第1の用紙を重ねられた状態でまとめて取り込み、
前記第2の用紙挿入口は、複数枚の前記第2の用紙を重ねられた状態でまとめて取り込む、請求項1に記載の用紙受付装置。
【請求項8】
前記第1の用紙は、競技の投票券であり、
前記第2の用紙は、投票内容を指定するためのマークカードである、請求項1に記載の用紙受付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投票券やマークカードなどの用紙を自動的に受け付けるための装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に関して、投票券の購入や払戻しを行うための装置が知られている。たとえば、特開2019-144736号公報(特許文献1)には、投票券自動発払装置、そのプログラム、投票券エラー報知方法が開示されている。特許文献1によると、報知部は、投入された投票券に係わるリカバリ動作が実行された場合、操作終了と見做せる状態となるまでの間、投票券のセット方法について報知する。操作終了と見做せる状態とは、例えば投票または精算により残金がゼロとなったとき、あるいは利用者を検知しなくなったときである。投票券のセット方法についての報知は、例えば、各種表示画面の表示の際に注意用画面を表示することにより行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-144736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、投票券やマークカードなどのような、サイズが異なる2種類の用紙を受け付けることができる用紙受付装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に従うと、幅が狭い第1の用紙を受け付けるための第1の用紙挿入口と、幅が広い第2の用紙を受け付けるための第2の用紙挿入口と、第1の用紙と第2の用紙とを搬送するための共通搬送装置と、第1の用紙と第2の用紙とを読み取る共通読み取りセンサと、共通搬送装置と共通読み取りセンサとを制御するための制御部と、を備える用紙受付装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、投票券やマークカードなどのような、サイズが異なる2種類の用紙を受け付けることができる用紙受付装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1の実施の形態にかかる用紙受付装置としての自動販売機の外観を示す正面イメージ図である。
図2】第1の実施の形態にかかる用紙受付装置としての両用ユニットの構造を示す側面断面図である。
図3】第1の実施の形態にかかる孔開け用のパンチの(A)平面図と(B)側面図と(C)A-A正面断面図とである。
図4】第1の実施の形態にかかる自動販売機の全体構成を示すブロック図である。
図5】第1の実施の形態にかかる制御処理を示すフローチャートである。
図6】第2の実施の形態にかかる自動販売機の全体構成を示すブロック図である。
図7】第2の実施の形態にかかる制御処理を示すフローチャートである。
図8】第4の実施の形態にかかる用紙受付装置としての両用ユニットの構造を示す側面断面図である。
図9】第4の実施の形態にかかる自動販売機の全体構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
<自動販売機の概略構成>
【0009】
まず、図1を参照して、本実施の形態にかかる用紙受付装置としての自動販売機100は、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に関して、投票券の購入および払戻しができるものである。本実施の形態においては、自動販売機100は、正面視において長方形の筐体109内に各種のユニットを搭載するものである。自動販売機100は、投票券の購入のための金銭を紙幣投入口102および硬貨投入口103から受け付けて、1または複数のマークカードをカード挿入口107Yから受け付けて、マークカードの内容を読み取って、指定された内容の投票券を印刷して排出口106から排出する。また、自動販売機100は、的中した投票券を券挿入口107Xから受け付けて、当該投票券を読み取って払い戻しを行う。払戻金は、利用者の操作に応じて、そのまま次の投票券の購入に使用される場合もあれば、現金化して紙幣排出口104と硬貨排出口105から払い戻される場合もある。なお、読み取り不能なマークカードや的中していない投票権は、リジェクト口108から排出される。
【0010】
なお、以下では、投票券やマークカードを受け付けたり、読み取ったり、収容したり、リジェクトしたりするための両用ユニット101の構成について説明する。なお、両用ユニット101のことを用紙受付装置と呼んでもよい。
<両用ユニット101の構成>
【0011】
図2を参照しながら、本実施の形態にかかる自動販売機100の両用ユニット101のハードウェア構成について説明する。
【0012】
利用者から投票券を受け付けるための券挿入口107Xの内側には、券待機部130Xが設けられる。より詳細には、券挿入口107Xに複数枚数の投票券が載置されると、引き込みローラ131Xによって、当該複数枚の投票券がまとめて券待機部130Xに引き込まれる。
【0013】
また、利用者からマークカードを受け付けるためのカード挿入口107Yの内側には、カード待機部130Yが設けられる。より詳細には、カード挿入口107Yに複数枚数のマークカードが載置されると、引き込みローラ131Yによって、当該複数枚のマークカードがまとめてカード待機部130Yに引き込まれる。
【0014】
特に、本実施の形態においては、券挿入口107Xには、券シャッタ127Xが設けられており、カード挿入口107Yには、カードシャッタ127Yが設けられる。これによって、投票券の購入時には、カードシャッタ127Yが開いてマークカードが受け付け可能となり、券シャッタ127Xが閉じる。逆に、投票券の払い戻し時には、券シャッタ127Xが開いて投票券が受け付け可能になり、カードシャッタ127Yが閉じる。
【0015】
なお、券シャッタ127Xは、後述するソレノイド142Xや電磁石やステッピングモータなどによって開閉される。カードシャッタ127Yも、後述するソレノイド142Yや電磁石やステッピングモータによって開閉される。
【0016】
特に本実施の形態においては、図1に示すように、券挿入口107Xとカード挿入口107Yとは、上下方向に並んで配置される。つまり、正面視および平面視において、左右方向の位置が重なるように構成されている。より詳細には、券挿入口107Xの右端部と、カード挿入口107Yの右端部との左右方向の位置が一致するように構成されている。後述する通り、投票券の右端部にパンチ穴を開けるためである。
【0017】
図2に戻って、券待機部130Xに蓄積された複数の投票券は、引き抜きローラ132Xによって、1枚ずつが引っ張り出されて、券搬送装置1331Xに送られる。券搬送装置1331Xは、投票券を1枚ずつ後方へ搬送していく。投票券は、主搬送装置1330に送られてから、最終的に、投票券収納部138まで送り届けられる。
【0018】
カード待機部130Yに蓄積された複数のマークカードは、引き抜きローラ132Xによって、1枚ずつが引っ張り出されて、カード搬送装置1331Yに送られる。カード搬送装置1331Yは、マークカードを1枚ずつ後方へ搬送していく。マークカードは、主搬送装置1330に送られてから、最終的に、カード収納部139まで送り届けられる。
【0019】
主搬送装置1330による搬送経路上には、上方に、上読み取りセンサ121すなわち上CIS(Contact Image Sensor)が配置される。上読み取りセンサ121は、投票券またはマークカードの上面を読み取って、当該画像データを後述する制御部に入力する。搬送装置1330による搬送経路上には、下方に、下読み取りセンサ122すなわち下CIS(Contact Image Sensor)が配置される。下読み取りセンサ122は、投票券またはマークカードの下面を読み取って、当該画像データを後述する制御部に入力する。つまり、本実施の形態においては、利用者が、投票券の表面を上向きにした状態で券挿入口107Xに挿入しても、投票券の表面を下向きにした状態で券挿入口107Xに挿入しても、マークカードの表面を上向きにした状態でカード挿入口107Yに挿入しても、マークカードの表面を下向きにした状態でカード挿入口107Yに挿入しても、必要な情報を読み取ることができるように構成されている。
【0020】
上下の読み取りセンサ121,122の下流には、収納部切り替えゲート135が配置される。収納部切り替えゲート135は、上下の読み取りセンサ121,122の読み取り結果や、券シャッタ127Xやカードシャッタ127Yの開閉状態や、投票券の通過やマークカードの通過を検知するその他のセンサの検知結果に基づいて、投票券を上後方の投票券搬送装置1332へと送り出したり、マークカードを後方のマークカード搬送装置1333に送り出したりする。
【0021】
投票券搬送装置1332には、パンチユニット145と、パンチ孔検知センサ146とが配置される。パンチユニット145は、搬送経路の右端に配置される。図3に示すように、パンチユニット145は、左側が切りかかれた形状になっており、孔開けピン145Xによって、投票券の右端部に、下方から上方に向けて孔をあけるための装置である。
【0022】
より詳細には、本実施の形態においては、券挿入口107Xに投票券が投入される場合、投票券は、券搬送装置1331Xを搬送されていき、主搬送装置1330に至っても、経路の右端部に沿って後方へ搬送されていく。これによって、パンチユニット145の孔開けピン145Xの直上を投票券が通る構成となっている。その結果、孔開けピン145Xによって、確実に投票券にパンチ孔が形成される。
【0023】
パンチユニット145の下流には、パンチ孔を確認するためのパンチ孔検知センサ146が配置される。投票券搬送装置1332によって送られた投票券は、羽根車137を通って、投票券収納部138に収納される。
【0024】
一方、マークカード搬送装置1333によって送られたマークカードは、羽根車137を通って、マークカード収納部139に収納される。
【0025】
なお、上下の読み取りセンサ121,122に読み取られた結果、読み取り不能な投票券やマークカードや、その他の取り扱い不能な投票券やマークカードは、主搬送装置1330によって前方に向けて逆搬送される。そして、リジェクト切り替えゲート136によって、前上方のリジェクト搬送装置1334に送られる。そして、リジェクト口108から外部へと排出される。
【0026】
そして本実施の形態においては、図1に示すように、券挿入口107Xとカード挿入口107Yとリジェクト口108とが、上下方向に並んで配置される。言い換えれば、両者は、左右方向すなわち水平方向の位置が略同じになるように構成されている。より詳細には、正面視および平面視において、券挿入口107Xの右端部とカード挿入口107Yの右端部とリジェクト口108の右端部の位置が一致するように構成されている。
【0027】
また、図1および図2に示すように、両用ユニット101の各搬送装置の経路の左右方向の位置も同じである。より詳細には、主搬送装置1330と、券搬送装置1331Xとマークカード搬送装置1333とは、前後方向に1直線状となるように配置される。券搬送装置1331Xと、カード搬送装置1331Yと、リジェクト搬送装置1334とは、上下方向に並んで配置され、それらの左右方向の位置が同じように配置される。投票券搬送装置1332とマークカード搬送装置1333とは、上下方向に並んで配置され、左右方向の位置が同じように配置される。そして、正面視と平面視において、券搬送装置1331Xと、カード搬送装置1331Yと、リジェクト搬送装置1334と、主搬送装置1330と、投票券搬送装置1332と、マークカード搬送装置1333とは、それらの搬送経路の右端部の左右方向の位置が一致するように構成されている。
<自動販売機の制御処理>
【0028】
次に、図4図2を参照しながら、本実施の形態にかかる制御部による制御処理について説明する。制御部110は、自動販売機100の内部の制御基板に搭載される、制御部110は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)111と、メモリ112と、タイマ113を含む。CPU111は、メモリ112に格納されるプログラムを実行することによって、図示しない通信インターフェイスを介して、各種のセンサの検知結果や測定結果や画像データなどを取得しながら、当該取得値に応じて各種のデバイスやユニットに適切な制御命令を送信するものである。
【0029】
CPU111は、通常、利用者によって操作されていない状態や金銭が投入されていない状態では、券挿入口107Xの券シャッタ127Xを開けて、カード挿入口107Yのカードシャッタ127Yを閉じている。これによって、利用者は、小さい券すなわち投票券を券挿入口107Xに入れられるが、大きい券すなわちマークカードは券挿入口107Xにもマークカード挿入口107Yにも投入することができない。
【0030】
CPU111は、紙幣検知部152による検知結果に基づいて、紙幣投入口102に投入された紙幣の種類や枚数をメモリ112に記憶する。CPU111は、硬貨検知部153による検知結果に基づいて、硬貨投入口103に投入された硬貨の種類や枚数をメモリ112に記憶する。
【0031】
CPU111は、金銭を受け付けた状態、あるいは払戻金を受け付けた状態では、券挿入口107Xの券シャッタ127Xを閉じて、カード挿入口107Yのカードシャッタ127Yを開放する。これによって、利用者は、マークカードをカード挿入口107Yに入れることができる。なお、マークカードは幅が大きいため、利用者は、マークカードを券挿入口107Xに入れることはできない。
【0032】
ここで、券シャッタ127Xおよびカードシャッタ127Yの制御をまとめる。CPU111は、メモリ112のプログラムに従って、図5に示す処理を実行する。
【0033】
CPU111は、金額が投入された場合や(ステップS102にてYESである場合)、的中した投票券からの払戻金によって新たな投票券を購入する場合(ステップS104)、ソレノイド142Yを操作して、カードシャッタ127Yを開放する(ステップS106)。CPU111は、同時に、ソレノイド142Xを操作して、券シャッタ127Xを閉じる(ステップS108)。これによって、利用者は、マークカードの挿入が可能になる。なお、投票券を券挿入口107Xに挿入することはできなくなる。
【0034】
投票券の購入が終わると(ステップS110)、CPU111は、ソレノイド142Yを操作して、カードシャッタ127Yを閉じる(ステップS112)。CPU111は、同時に、ソレノイド142Xを操作して、券シャッタ127Xを開放する(ステップS114)。つまり、マークカードの挿入が防止され、券挿入口107Xへの投票券のみの挿入が可能になる。このようにして、両用ユニットが待機状態となる(ステップS116)。
【0035】
図4および図2に戻って、券挿入口107Xに複数枚数の投票券が載置されると、CPU111は、引き込みローラ131Xを駆動させて、当該複数枚の投票券をまとめて券待機部130Xに引き込む。
【0036】
CPU111は、引き抜きローラ132Xを駆動することによって、券待機部130Xに蓄積された複数の投票券から1枚ずつ引っ張り出して、券搬送装置1331Xに送っていく。CPU111は、券搬送装置1331Xを駆動させて、投票券を1枚ずつ後方へ搬送していき、最終的に、投票券収納部138まで送り届ける。
【0037】
CPU111は、上読み取りセンサ121または下読み取りセンサ122からの投票券の画像データを解析して、的中しているか否かを判断したり、払戻金を計算したりする。CPU111は、タッチパネル115を介して、払い戻し命令を受け付けると、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したり、払戻金による新たなマークカードの投票の入力を受け付けたりする。
【0038】
CPU111は、収納部切り替えゲート135を制御することによって、投票券を後上方の投票券搬送装置1332へと送り出す。
【0039】
そして、CPU111は、投票券搬送装置1332上のパンチユニット145に、払い戻しが完了した投票券にパンチ穴を開けさせる。CPU111は、パンチ孔検知センサ146を介してパンチ穴が開いていることを確認してから、投票券搬送装置1332によって投票券を投票券収納部138に送り込む。
【0040】
一方、カード挿入口107Yに複数枚数のマークカードが載置されると、CPU111は、引き込みローラ131Yを駆動させて、当該複数枚のマークカードをまとめてカード待機部130Yに引き込む。
【0041】
CPU111は、引き抜きローラ132Yを駆動することによって、カード待機部130Yに蓄積された複数のマークカードから1枚ずつ引っ張り出して、カード搬送装置1331Yに送っていく。CPU111は、カード搬送装置1331Yを駆動させて、マークカードを1枚ずつ後方へ搬送していく。
【0042】
CPU111は、上読み取りセンサ121または下読み取りセンサ122からのマークカードの画像データを解析して、マークカードに記入されている投票内容を特定したり、投票金額を計算したりする。CPU111は、投票内容に従って印刷部157に新たな投票券への印刷を実行させて、投票券排出部156を介して投票券を発行させる。CPU111は、払戻金や投入金額や投票金額などに基づいて釣銭を計算して、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したりする。
【0043】
CPU111は、収納部切り替えゲート135を制御することによって、マークカードを後方のマークカード搬送装置1333に送り出す。CPU111は、マークカード搬送装置1333を駆動させて、マークカードをマークカード収納部139に送り込む。
【0044】
なお、上下の読み取りセンサ121,122の画像データに基づいて、CPU111は、読み取り不能な投票券や読み取り不能なマークカードを、主搬送装置1330によって前方に搬送する。CPU111は、リジェクト切り替えゲート136を切り替えて、前に送られてきた投票券やマークカードをリジェクト搬送装置1334に渡す。CPU111は、リジェクト搬送装置1334を駆動することによって、それらの投票券やマークカードをリジェクト口108から外部へと排出する。
[第2の実施の形態]
【0045】
上記の実施の形態においては、券挿入口107Xとカード挿入口107Yの両方にシャッタ127X,127Yが設けられるものであった。しかしながら、片方のみにシャッタが設けられてもよい。好ましくは、図6に示すように、大きい方の挿入口すなわちカード挿入口107Yにカードシャッタ127Yが設けられて、券挿入口107Xにはシャッタが無い構成であっても良い。
【0046】
本実施の形態においては、CPU111は、メモリ112のプログラムに従って、図7に示す処理を実行する。
【0047】
CPU111は、金額が投入された場合や(ステップS102にてYESである場合)、的中した投票券からの払戻金によって新たな投票券を購入する場合(ステップS104)、ソレノイド142Yを操作して、カードシャッタ127Yを開放する(ステップS106)。これによって、利用者は、マークカードの挿入が可能になる。
【0048】
投票券の購入が終わると(ステップS110)、CPU111は、ソレノイド142Yを操作して、カードシャッタ127Yを閉じる(ステップS112)。つまり、マークカードの挿入が防止され、券挿入口107Xへの投票券のみの挿入が可能になる。このようにして、両用ユニットが待機状態となる(ステップS116)。
[第3の実施の形態]
【0049】
上記の実施の形態においては、パンチユニット145によって払い戻し済みの投票券の右端にパンチ穴を開けるものであった。しかしながら、投票券の左端部や前端部やその他の位置にパンチ孔をあける構成を採用しても良い。
[第4の実施の形態]
【0050】
上記の実施の形態においては、パンチユニット145によって払い戻し済みの投票券にパンチ穴を開けるものであったが、このような形態に限られない。図8および図9に示すように、パンチユニット145の代わりに印字ユニット147を利用してもよい。
【0051】
より詳細には、本実施の形態においては、CPU111は、上読み取りセンサ121または下読み取りセンサ122からの画像データを解析して、投票券の内容を読み取る。たとえば、CPU111は、画像データを解析することによって、的中しているか否かを判断したり、払戻金を計算したりする。CPU111は、タッチパネル115を介して、払い戻し命令を受け付けると、紙幣排出部154を介して紙幣排出口104から紙幣を排出したり、硬貨排出部155を介して硬貨排出口105から硬貨を排出したり、払戻金によるマークカードの投票の入力を受け付けたりする。
【0052】
そして、CPU111は、投票券搬送装置1332上の印字ユニット147に、払い戻しが完了した投票券に処理済みの文字や画像を印刷する。
【0053】
CPU111は、収納部切り替えゲート135を制御することによって、投票券を後上方の投票券搬送装置1332へと送り出す。CPU111は、投票券搬送装置1332によって投票券を投票券収納部138に送り込む。
[第5の実施の形態]
【0054】
上記の実施の形態においては、2種類のサイズの用紙として、競馬、競輪、競艇、オートレース等の公営競技に利用される投票券とマークカードとを受け付け可能な両用ユニット101について説明したが、そのような形態には限られない。上記の技術は、金銭を入れた際に大きいサイズの用紙が受け付け可能となる、その他の両用ユニットにも適用可能なものである。
[第6の実施の形態]
【0055】
上記の実施形態においては、券挿入口107Xのシャッタ127Xや、カード挿入口107Yのシャッタ127Yが、ソレノイド142X,142Yによってスライドさせられるものであったが、このような形態には限られない。券挿入口107Xのシャッタ127Xや、カード挿入口107Yのシャッタ127Yは、電磁石や、ステッピングモータなど、他の装置によって閉じられても良い。
[第6の実施の形態]
【0056】
上記の実施の形態においては、制御部110が、投票券を受け付けるための搬送装置1330,1331X,1331Y,1332,1333,1334やシャッタ127X,127Yや上下の読み取りセンサ121,122を制御するだけでなく、紙幣検知部152や紙幣排出部154や投票券の印刷部157なども制御するものであった。しかしながら、紙幣検知部152や紙幣排出部154などが別の制御装置によって制御されたり、投票券の印刷部157が別の制御装置によって制御されたりしてもよい。
【0057】
あるいは、紙幣検知部152や紙幣排出部154などの精算機能が、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能を有する両用ユニット101とは異なる別のユニットで構成されても良い。同様に、投票券の印刷部157や投票券の排出部156などが、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能を有する両用ユニット101とは異なる別のユニットで構成されても良い。
【0058】
あるいは、投票券やマークカードの受け入れや読み取りなどの機能や、紙幣検知部152や紙幣排出部154などの精算機能や、投票券の印刷部157や投票券の排出部156の機能などが、有線LANや無線LANによって互いに接続される別々の装置やサーバによって実現されても良いし、それらのいずれかの機能がインターネット上のクラウドサーバなどによって実現されても良い。
[まとめ]
【0059】
上記の実施の形態においては、幅が狭い第1の用紙を受け付けるための第1の用紙挿入口と、幅が広い第2の用紙を受け付けるための第2の用紙挿入口と、第1の用紙と第2の用紙とを搬送するための共通搬送装置と、第1の用紙と第2の用紙とを読み取る共通読み取りセンサと、共通搬送装置と共通読み取りセンサとを制御するための制御部と、を備える用紙受付装置が提供される。
【0060】
好ましくは、用紙受付装置は、金銭受付部と、第2の用紙挿入口を開閉するためのシャッタとをさらに備える。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、シャッタを閉めて、第2の用紙を第2の用紙挿入口に挿入できないようにし、金銭を受け付けた場合は、シャッタを開けて、第2の用紙を第2の用紙挿入口に挿入できるようにする。
【0061】
好ましくは、第1の用紙挿入口と第2の用紙挿入口とが上下に並んで配置される。第1の用紙挿入口から共通搬送装置までの第1の単独経路と、第2の用紙挿入口から共通搬送装置までの第2の単独経路とが、上下方向に並んだ位置に形成される。
【0062】
好ましくは、用紙受付装置は、共通読み取りセンサよりも下流側に配置される孔開けパンチをさらに備える。第1の用紙挿入口と第2の用紙挿入口の左右いずれかの端部の左右方向の位置が一致するように構成される。孔開けパンチは、搬送経路のうちの、左右いずれかの端部側に配置される。
【0063】
好ましくは、第1の単独経路および第2の単独経路と上下方向に並んだ位置に、第1の用紙および第2の用紙をリジェクトするための共通リジェクト経路が設けられる。
【0064】
好ましくは、用紙受付装置は、第1の用紙挿入口を開閉するための第2のシャッタをさらに備える。制御部は、金銭を受け付けていない場合は、当該第2のシャッタを開けて、第1の用紙を第1の用紙挿入口に挿入できるようにして、金銭を受け付けた場合は、当該第2のシャッタを閉めて、第1の用紙を第1の用紙挿入口に挿入できないようにする。
【0065】
好ましくは、第1の用紙挿入口は、複数枚の第1の用紙を重ねられた状態でまとめて取り込み、第2の用紙挿入口は、複数枚の第2の用紙を重ねられた状態でまとめて取り込む。
【0066】
好ましくは、第1の用紙は、競技の投票券である。第2の用紙は、投票内容を指定するためのマークカードである。
【0067】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
100 :自動販売機
101 :両用ユニット
102 :紙幣投入口
103 :硬貨投入口
104 :紙幣排出口
105 :硬貨排出口
106 :投票券排出口
107X :投票券挿入口
107Y :マークカード挿入口
108 :リジェクト口
109 :筐体
110 :制御部
111 :CPU
112 :メモリ
113 :タイマ
115 :タッチパネル
121 :上読み取りセンサ
122 :下読み取りセンサ
127X :券シャッタ
127Y :カードシャッタ
130X :券待機部
130Y :カード待機部
131X :引き込みローラ
131Y :引き込みローラ
132X :引き抜きローラ
132Y :引き抜きローラ
133 :搬送装置
135 :収納部切り替えゲート
136 :リジェクト切り替えゲート
137 :羽根車
138 :投票券収納部
139 :マークカード収納部
142X :ソレノイド
142Y :ソレノイド
145 :パンチユニット
145X :ピン
146 :パンチ孔検知センサ
147 :印字ユニット
152 :紙幣検知部
153 :硬貨検知部
154 :紙幣排出部
155 :硬貨排出部
156 :投票券排出部
157 :印刷部
1330 :主搬送装置
1331X :券搬送装置
1331Y :カード搬送装置
1332 :投票券搬送装置
1333 :マークカード搬送装置
1334 :リジェクト搬送装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9