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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142522
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】カーシェアリング管理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054680
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 啓介
(72)【発明者】
【氏名】物延 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】福田 祥也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 三樹矢
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】 共用車両の利用率の向上が図れるカーシェアリング管理装置を提供する。
【解決手段】 複数の駐車管理装置20から受信した駐車設備2に駐車されている自動運転車3の種類と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する記憶部13aと、複数の駐車設備2の位置情報を記憶した記憶部13bと、予約受付部12aと、回送指示部12bと、を含み、予約受付部12aは、ユーザの端末4から、ユーザが指定した駐車設備2である利用駐車設備の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、車両検索エリア内の駐車設備2に駐車されている予約可能な自動運転車3の中からユーザが指定した自動運転車3である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付け、回送指示部12bは、特定自動運転車が利用駐車設備にない場合には、特定自動運転車が駐車されている駐車設備2から特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させることを指示する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、
前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、
前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、
前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、
前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、
前記予約受付部は、
前記ユーザの端末から、ユーザが乗車の利用に指定した前記駐車設備である利用駐車設備の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記利用駐車設備を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、
前記回送指示部は、
前記特定自動運転車が前記利用駐車設備に駐車されていない場合は、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成された、
カーシェアリング管理装置。
【請求項2】
自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、
前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、
前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、
前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、
前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、
前記予約受付部は、
前記ユーザの端末から、ユーザが乗車の利用候補に指定した複数の前記駐車設備である複数の利用候補駐車設備の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記複数の利用候補駐車設備の各々の位置を点とした場合のこれらの点の重心を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、
前記回送指示部は、
前記特定自動運転車が前記利用候補駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成された、
カーシェアリング管理装置。
【請求項3】
自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、
前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、
前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、
前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、
前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、
前記予約受付部は、
前記ユーザの端末から、前記端末の現在位置の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記利用駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類と、前記端末の現在位置を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、
前記回送指示部は、
前記特定自動運転車が前記端末の現在位置を基点にして設定され前記車両検索エリアより小さい所定エリア内に存在する前記駐車設備である近距離駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成された、
カーシェアリング管理装置。
【請求項4】
自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、
前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、
前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、
前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、
前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、
前記予約受付部は、
前記ユーザの端末から、ユーザが指定した地図上の位置である特定位置の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記特定位置を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、
前記回送指示部は、
前記特定自動運転車が前記特定位置を基点にして設定され前記車両検索エリアより小さい所定エリア内に存在する前記駐車設備である近距離駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成された、
カーシェアリング管理装置。
【請求項5】
前記回送指示部は、
前記利用駐車設備の駐車枠に空きがない場合は、前記利用駐車設備に駐車されている一の前記自動運転車を駐車枠に空きのある前記駐車設備である退避用駐車設備へ自動走行させることを、前記利用駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記一の自動運転車に指示するように構成された、
請求項1~4のいずれか1項に記載のカーシェアリング管理装置。
【請求項6】
前記回送指示部は、
前記一の前記自動運転車として、前記利用駐車設備に駐車されている複数の前記自動運転車のうち、最後に駐車された時刻から最も時間が経過している前記自動運転車を選択するようにした、
請求項5に記載のカーシェアリング管理装置。
【請求項7】
前記駐車管理装置は、
前記自動運転車と通信可能に構成され、前記駐車設備内の前記自動運転車を前記駐車設備の外の所定の停止場所へ出庫させる場合には前記自動運転車に自動走行による出庫の指示を送信し、前記駐車設備の外の所定の停止場所で停止している前記自動運転車を前記駐車設備へ入庫させる場合には前記自動運転車に自動走行による入庫の指示を送信するように構成された、
請求項1~4のいずれか1項に記載のカーシェアリング管理装置。
【請求項8】
前記車両検索エリアは、現在時刻からユーザが指定した利用開始時刻までの時間に基づいて決定される、
請求項1~4のいずれか1項に記載のカーシェアリング管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーシェアリングシステムに用いられるカーシェアリング管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザが1台の車両を利用するカーシェアリングシステムが普及している。例えば、特許文献1には、特定のステーションにユーザの利用が集中することによる共用車両の偏在を緩和する技術が提案されている。具体的には、各ステーションにおける利用可能な状態で待機している共用車両の分布に基づき、所定のエリアにおける共用車両の偏在性の強さを示す偏在度を算出し、当該算出した偏在度が所定閾値以上である場合には、偏在度を低下させる処理を実行するカーシェアリングシステムが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、所定地域の天気情報および時間情報の少なくとも1つを含む環境パラメータと、ユーザの共用車両に関する利用履歴とが関連づけて記憶された対応情報に基づいて、ユーザが利用する共用車両の需要予測を所定エリア毎に行い、当該需要予測に基づいて共用車両の配置案を出力するカーシェアリングシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-95750号公報
【特許文献2】特開2019-168827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1では、所定エリアにおける共用車両の偏在を緩和することができる。また、特許文献2では、需要予測に基づいて共用車両を配置することで特定エリアに共用車両が偏在することを抑制することができる。しかしながら、いずれの特許文献1,2の場合でも、ユーザが共用車両の利用予約を行う際に、ユーザが共用車両への乗車に利用するステーションに、ユーザの希望する共用車両が無かった場合には、ユーザは共用車両の利用を断念せざるを得なくなる虞があり、共用車両の利用率の向上を図る上で、改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、共用車両の利用率の向上を図ることができるカーシェアリング管理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様に係るカーシェアリング管理装置は、自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、前記予約受付部は、前記ユーザの端末から、ユーザが乗車の利用に指定した前記駐車設備である利用駐車設備の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記利用駐車設備を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、前記回送指示部は、前記特定自動運転車が前記利用駐車設備に駐車されていない場合は、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成されている。
【0008】
この構成によれば、ユーザが乗車の利用に指定した利用駐車設備に、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車が駐車されていない場合には、特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、利用駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0009】
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、自動運転車の種類とは、車種(普通乗用車、軽四輪乗用車等)、製造メーカ、車名、車体の色および乗車可能人数の情報のうち少なくとも車種を含む情報に基づく分類である。
【0010】
本発明の第2態様に係るカーシェアリング管理装置は、自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、前記予約受付部は、前記ユーザの端末から、ユーザが乗車の利用候補に指定した複数の前記駐車設備である複数の利用候補駐車設備の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記複数の利用候補駐車設備の各々の位置を点とした場合のこれらの点の重心を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、前記回送指示部は、前記特定自動運転車が前記利用候補駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成されている。
【0011】
この構成によれば、ユーザが乗車の利用候補に指定した利用候補駐車設備に、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車が駐車されていない場合には、一の利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、利用候補駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0012】
本発明の第3態様に係るカーシェアリング管理装置は、自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、前記予約受付部は、前記ユーザの端末から、前記端末の現在位置の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記利用駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類と、前記端末の現在位置を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、前記回送指示部は、前記特定自動運転車が前記端末の現在位置を基点にして設定され前記車両検索エリアより小さい所定エリア内に存在する前記駐車設備である近距離駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成されている。
【0013】
この構成によれば、ユーザの現在位置(ユーザの端末の現在位置)に近い所定エリア内に存在する近距離駐車設備に、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車が駐車されていない場合には、一の近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、近距離駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0014】
本発明の第4態様に係るカーシェアリング管理装置は、自動走行が可能な共用車両である複数の種類の自動運転車を駐車する複数の駐車設備の各々に備えられて駐車状況を管理する複数の駐車管理装置と通信を行うカーシェアリング管理装置であって、前記複数の駐車管理装置の各々から随時受信した前記駐車設備に駐車されている前記自動運転車の種類および台数と駐車枠の空き状況とを含む駐車車両情報を記憶する駐車車両情報記憶部と、前記複数の駐車設備の各々の位置情報を記憶した駐車設備位置情報記憶部と、前記自動運転車を利用するユーザの端末と通信して予約を受け付ける予約受付部と、前記自動運転車の回送の指示を行う回送指示部と、を含み、前記予約受付部は、前記ユーザの端末から、ユーザが指定した地図上の位置である特定位置の情報と、ユーザが指定した利用開始時刻に関する情報と、前記特定位置を基点にして設定される車両検索エリア内に存在する前記駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の種類の中からユーザが指定した種類の前記自動運転車である特定自動運転車の情報と、を受信して予約を受け付けるよう構成され、前記回送指示部は、前記特定自動運転車が前記特定位置を基点にして設定され前記車両検索エリアより小さい所定エリア内に存在する前記駐車設備である近距離駐車設備に駐車されていない場合は、一の前記近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備から前記特定自動運転車を前記利用駐車設備へ自動走行させることを、前記特定自動運転車が駐車されている前記駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記特定自動運転車に指示するように構成されている。
【0015】
この構成によれば、ユーザが指定した地図上の特定位置に近い所定エリア内に存在する近距離駐車設備に、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車が駐車されていない場合には、一の近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、近距離駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0016】
また、前記回送指示部は、前記利用駐車設備の駐車枠に空きがない場合は、前記利用駐車設備に駐車されている一の前記自動運転車を駐車枠に空きのある前記駐車設備である退避用駐車設備へ自動走行させることを、前記利用駐車設備の前記駐車管理装置を介してまたは直接、前記一の自動運転車に指示するように構成されていてもよい。この構成により、利用駐車設備の駐車枠に空きをつくり、特定自動運転車を利用駐車設備に駐車させることができる。
【0017】
この場合において、前記回送指示部は、前記一の前記自動運転車として、前記利用駐車設備に駐車されている複数の前記自動運転車のうち、最後に駐車された時刻から最も時間が経過している前記自動運転車を選択するようにしてもよい。
【0018】
また、前記駐車管理装置は、前記自動運転車と通信可能に構成され、前記駐車設備内の前記自動運転車を前記駐車設備の外の所定の停止場所へ出庫させる場合には前記自動運転車に自動走行による出庫の指示を送信し、前記駐車設備の外の所定の停止場所で停止している前記自動運転車を前記駐車設備へ入庫させる場合には前記自動運転車に自動走行による入庫の指示を送信するように構成されていてもよい。
【0019】
また、前記車両検索エリアは、現在時刻からユーザが指定した利用開始時刻までの時間に基づいて決定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上に説明した構成を有し、共用車両の利用率の向上を図ることができるカーシェアリング管理装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本実施形態のカーシェアリング管理装置を含むカーシェアリングシステムの一例を示すブロック図である。
図2図2は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際にユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図3図3は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際のカーシェアリング管理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図4図4は、特定自動運転車をこの特定自動運転車が駐車されている駐車設備から利用駐車設備へ移動させることを示す概念図である。
図5図5は、利用駐車設備に駐車されている1台の自動運転車を退避用駐車設備へ移動させ、特定自動運転車をこの特定自動運転車が駐車されている駐車設備から利用駐車設備へ移動させることを示す概念図である。
図6図6は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際にユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図7図7は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際のカーシェアリング管理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際にユーザ端末に表示される画面の一例を示す図である。
図9図9は、ユーザが自動運転車の利用予約を行う際のカーシェアリング管理装置の制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0023】
(実施形態)
図1は、本実施形態のカーシェアリング管理装置を含むカーシェアリングシステムの一例を示すブロック図である。
【0024】
図1に示すカーシェアリングシステム10は、カーシェアリング管理装置1と、複数の駐車設備2と、複数の自動運転車3とを備えている。このカーシェアリングシステム10では、ユーザ端末4とカーシェアリング管理装置1との通信によって自動運転車3の利用予約が行われる。
【0025】
ユーザ端末4は、カーシェアリングシステム10の利用者として予め登録されたユーザのスマートフォン等の端末である。ユーザ端末4は、通信部41、制御部42、入力部43、表示部44、およびGPS受信機45等を備えている。通信部41は、カーシェアリング管理装置1等の外部装置と通信が可能である。入力部43はユーザの操作を受け付け、操作による情報を入力する。表示部44はディスプレイである。スマートフォンの場合、入力部43および表示部44はタッチパネルディスプレイによって構成されている。GPS受信機45は、GPS衛星(不図示)から送信される電波を受信し、ユーザ端末4の現在位置を測定する。制御部42は、ユーザ端末4全体の制御を行う。また、制御部42は、GPS受信機45からユーザ端末4の現在位置の情報を取得できる。なお、ユーザ端末4としては、スマートフォンの他、タブレット端末、ノートパソコン等を用いることができる。なお、多数のユーザおよびユーザ端末4が存在するが、図1では、代表して1つのユーザ端末4を図示している。以下では、入力部43および表示部44はタッチパネルディスプレイによって構成され、タッチパネルディスプレイのタッチ操作によって、このタッチ操作に基づく信号が入力部43から制御部42へ入力されるものとする。
【0026】
各駐車設備2は、駐車管理装置20と、自動運転車3を駐車するためのスペースである複数の駐車枠23とを備える。駐車設備2が、例えば、エレベータ式等の機械式駐車設備の場合には、駐車塔内にパレットが格納される複数の格納部を備え、自動運転車3が駐車されたときには、自動運転車3はパレット上に載置された状態で、パレットが格納部に格納される。この場合、各格納部が駐車枠23である。
【0027】
駐車管理装置20は、通信部21および制御部22を有する。通信部21は、カーシェアリング管理装置1の通信部11および自動運転車3の通信部31と通信が可能である。駐車管理装置20の制御部22は、マイクロコントローラ等で構成され、駐車設備2における駐車状況を随時把握し、駐車状況を示す情報である駐車車両情報を随時記憶するとともにカーシェアリング管理装置1へ随時送信する。駐車車両情報には、現在駐車設備2内に駐車されている自動運転車3である車両の種類、自動車登録番号等の各車両の識別情報、各車両の予約情報、各車両の最後に駐車された時刻(最後の利用時刻)、現在の駐車台数、駐車枠の空き状況等が含まれる。なお、車両の種類とは、車種(普通乗用車、軽四輪乗用車等)、製造メーカ、車名、車体の色および乗車可能人数の情報のうち少なくとも車種を含む情報に基づく分類であり、本例における車両の種類とは、車種、製造メーカ、車名、車体の色および乗車可能人数の情報に基づく分類であるものとする。また、車両の予約情報には、車両の利用予約の有無の情報および予約がある場合には利用開始時刻の情報等が含まれる。制御部22は、駐車車両情報が更新されるたびに、最新の駐車車両情報を当該駐車設備2の識別情報(あるいは当該駐車設備2の駐車管理装置20の識別情報)とともに、通信部21を介して、カーシェアリング管理装置1へ送信する。また、制御部22は、駐車設備2が機械式駐車設備の場合、駐車塔の入出庫口の扉の開閉およびパレットの搬送等の制御を行う。
【0028】
各自動運転車3は、自動走行が可能な共用車両であり、外部装置と無線通信可能な通信部31および自動運転制御部32を有する車両制御装置30を備えている。自動運転制御部32には、車両を自動走行(自律走行)させる機能が備えられている。
【0029】
カーシェアリング管理装置1は、カーシェアリングシステム10のサーバとして機能するコンピュータであり、各駐車設備2の駐車管理装置20およびユーザ端末4とそれぞれ相互に通信可能な通信部11と、カーシェアリングシステム10を管理運営するために予約受付部12aおよび回送指示部12b等として機能する制御部12と、通信部11により受信した情報などを記憶する記憶部13とを備える。制御部12は、ユーザ端末4および各駐車設備2の駐車管理装置20から、通信部11を介して受信した情報を、適宜記憶部13に記憶させることできる。記憶部13には、各駐車設備2の駐車管理装置20から受信した駐車車両情報を駐車設備2の識別情報と関連付けて記憶する駐車車両情報記憶部13aと、各駐車設備2の位置情報と駐車設備2の識別情報とが関連付けられてなる駐車設備位置情報が予め記憶された駐車設備位置情報記憶部13bとが含まれている。
【0030】
上記のようにカーシェアリング管理装置1と駐車管理装置20とは、各々の通信部11,21によって互いに通信が可能に構成されている。また、駐車管理装置20と自動運転車3(車両制御装置30)とは、各々の通信部21,31によって互いに無線通信が可能に構成されている。
【0031】
次に、図1に示すカーシェアリングシステム10において、ユーザがユーザ端末4を用いて自動運転車3の利用予約を行う場合について説明する。
【0032】
ユーザは自動運転車3の利用予約を行う際、ユーザ端末4を操作して予約サイトにログインし、カーシェアリング管理装置1と通信を開始させて、カーシェアリング管理装置1から送信されてきたカーシェアリングの予約画面を表示部44に表示させる。予約画面には、例えば、自動運転車3の利用開始時刻の入力欄が表示されるとともに、乗車する際に利用を希望する駐車設備に関する情報の入力方法が表示される。この入力方法として、例えば、以下の(1)~(4)の方法がある。
(1)ユーザが1つの駐車設備を指定する方法
(2)ユーザが複数の駐車設備を指定する方法
(3)ユーザの現在位置を基準にする方法
(4)ユーザが地図上の任意の位置を指定する方法
なお、(1)~(4)のうちの少なくとも1つの方法が実施可能であればよいが、ユーザの利便性を考慮すれば、複数の方法を実施可能に構成されることが好ましい。
【0033】
ユーザは、ユーザ端末4を操作して表示部44に表示された予約画面に利用開始時刻を入力し、乗車する際に利用を希望する駐車設備に関する情報の入力方法を上記(1)~(4)の中から1つを選択する。なお、ここでは、予約画面で、利用開始時刻に関する情報として、利用開始時刻を入力するようにしているが、現在時刻から利用開始時刻までの時間である待機時間を入力するようにしてもよい。
【0034】
<(1)の方法を選択した場合>
ユーザが(1)の1つの駐車設備を指定する方法を選択した場合、例えば、図2に示すように、複数の駐車設備2(2a~2g)の位置が表示された地図がユーザ端末4の表示部44に表示される。ここで、ユーザが、表示部44に表示された1つの駐車設備、例えば、駐車設備2aをタッチ操作し、決定ボタンB1をタッチ操作すると、ユーザが乗車する際に利用を希望する利用駐車設備として駐車設備2aが指定される。そしてこの指定した利用駐車設備2aの識別情報と利用開始時刻の情報とが、ユーザ端末4からカーシェアリング管理装置1へ送信される。
【0035】
図3は、この場合のカーシェアリング管理装置1の制御部12の処理の一例を示すフローチャートである。
【0036】
制御部12は、ステップS11で、前述のようにユーザ端末4から送信された利用駐車設備2aの識別情報と利用開始時刻の情報とを通信部11を介して取得する。
【0037】
次に、制御部12は、ステップS12で、利用駐車設備2aの識別情報と利用開始時刻の情報とを用いて車両検索エリアを決定する。ここでは、記憶部13bの駐車設備位置情報を参照して利用駐車設備2aの識別情報から利用駐車設備2aの位置情報を取得し、利用駐車設備2aの位置情報と、現在時刻から利用開始時刻までの時間である待機時間とに基づいて、車両検索エリアを決定する。具体的には、図2に示す利用駐車設備2aの位置C1を基点(中心)として、待機時間内に自動運転車を所定速度で移動可能な範囲を車両検索エリアD1として決定する。この車両検索エリアD1は、例えば、公道の渋滞等を加味して自動運転車が平均時速V(例えば20km/h程度)で走行すると想定し、位置C1を中心として半径がV×待機時間である円内として求めることができる。
【0038】
続いて、制御部12は、記憶部13bの駐車設備位置情報を参照して、車両検索エリアD1内に存在する駐車設備2を検索し、さらに記憶部13aの駐車車両情報を参照して、検索した駐車設備2(図2の場合、駐車設備2a~2f)において駐車されている予約可能な自動運転車の一覧を作成し、この一覧をユーザ端末4へ送信する。なお、予約可能な自動運転車の一覧は、例えば、車種、製造メーカ、車体の色および乗車可能人数等を含む車両の種類ごとに区別された一覧である。この一覧には、車両の撮影画像が含まれてもよい。なお、上記一覧には、現時点で予約済みの自動運転車は含まれない。
【0039】
次に、ユーザは、ユーザ端末4に表示された予約可能な自動運転車の一覧から、利用したい車両の種類を選択すると、選択した種類の自動運転車である特定自動運転車の情報がユーザ端末4からカーシェアリング管理装置1へ送信される。
【0040】
次に、制御部12は、ステップS13で、前述のようにユーザ端末4から送信された特定自動運転車の情報を通信部11を介して取得する。続いて、制御部12は、ステップS14で、予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信する。また、このとき、制御部12は、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ、特定自動運転車の予約を受け付けた旨および利用開始時刻を示す情報である予約受付情報を送信する。
【0041】
次に、制御部12は、ステップS15で、記憶部13aの駐車車両情報を参照して特定自動運転車が有る駐車設備を把握し、特定自動運転車がユーザに指定された利用駐車設備2aに有るか否か(駐車されているか否か)を判定し、無い場合には、ステップS16で利用駐車設備2aに駐車枠23の空きが有るか否かを判定する。
【0042】
制御部12は、ステップS16で利用駐車設備2aに駐車枠23の空きが有る場合には、ステップS17で、特定自動運転車を利用駐車設備2aへ移動(自動走行)させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ送信する。また、制御部12は、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。
【0043】
図4は、特定自動運転車をこの特定自動運転車が駐車されている駐車設備から利用駐車設備2aへ移動させることを示す概念図である。図4では、図2の駐車設備2fに駐車されていた特定自動運転車3aを、駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させることを示している。本例では、各駐車設備2の車両の入出庫口24の外側に一時停止場所25(25a、25f等)が設けられている。
【0044】
前述のように、駐車設備2fの駐車管理装置20は、カーシェアリング管理装置1から特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させる指示を受信すると、特定自動運転車3aを載置したパレットを格納部から入出庫口24の内側の入出庫室へ搬送し、入出庫口24の扉を開き、特定自動運転車3aの車両制御装置30へ利用駐車設備2aの一時停止場所25aまで自動走行させるための自動走行情報を送信する。自動走行情報には、自動運転を開始させる自動運転開始信号と、自動運転補助情報とが含まれる。自動運転補助情報は、例えば、一時停止場所25f,25aを含む走行経路の情報等である。特定自動運転車3aの車両制御装置30は、自動走行情報を受信すると、特定自動運転車3aを駐車設備2fの内部の入出庫室から一時停止場所25fまで走行させて一時停止させて、出庫した旨を駐車設備2fの駐車管理装置20へ送信した後、駐車管理装置20との通信を終了する。駐車設備2fの駐車管理装置20は、出庫した旨を受信すると入出庫口24の扉を閉じて、空になったパレットを所定の駐車枠23まで搬送させる。なお、上記の自動走行情報は、特定自動運転車3aを駐車設備2fの内部の入出庫室のパレット上の所定位置から一時停止場所25fまで自動走行させて出庫させるための第1の自動走行情報(出庫の指示)と、特定自動運転車3aを駐車設備2fの一時停止場所25fから駐車設備2aの一時停止場所25aまで自動走行させるための第2の自動走行情報とに分けて送信されてもよい。
【0045】
特定自動運転車3aの車両制御装置30は、駐車設備2fの駐車管理装置20との通信を終了した後、特定自動運転車3aを利用駐車設備2aの一時停止場所25aまで自動走行させて停止させ、特定自動運転車3aが到着した旨を利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ送信する。利用駐車設備2aの駐車管理装置20は、到着した旨を受信すると、空のパレットを格納部から入出庫室へ搬送して入出庫口24の扉を開き、特定自動運転車3aの車両制御装置30へ一時停止場所25aから入出庫室まで自動走行させるための自動走行情報を送信する。この自動走行情報は、特定自動運転車3aを一時停止場所25aから駐車設備2aの内部の入出庫室のパレット上の所定位置まで自動走行させて入庫させるための情報(入庫の指示)である。特定自動運転車3aの車両制御装置30は、上記自動走行情報を受信すると、特定自動運転車3aを利用駐車設備2aの入出庫室のパレット上の所定位置まで走行させて停車し、自動走行が終了した旨を利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ送信する。利用駐車設備2aの駐車管理装置20は、自動走行が終了した旨を受信すると、入出庫口24の扉を閉じて、特定自動運転車3aが載置されたパレットを所定の駐車枠23まで搬送させる。
【0046】
また、制御部12は、ステップS16で利用駐車設備2aに駐車枠23の空きが無い場合には、ステップS18で、利用駐車設備2aに駐車されている1台の自動運転車3を駐車枠23に空きのある別の駐車設備2である退避用駐車設備、例えば退避用駐車設備2dへ移動(自動走行)させる指示を、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ送信し、退避用駐車設備2dの駐車管理装置20へ上記1台の自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。さらに、制御部12は、特定自動運転車を利用駐車設備2aへ移動(自動走行)させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2fの駐車管理装置20へ送信し、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。このステップS18において、制御部12は、利用駐車設備2aから退避用駐車設備2dへ移動させる1台の自動運転車3として、記憶部13aの駐車車両情報を参照し、利用駐車設備2aに駐車されている自動運転車3の中から現在利用予約されていない自動運転車3を選択する。より好ましくは、現在利用予約されていない自動運転車3のうち最後に駐車された時刻(最後の利用時刻)から最も時間が経過している自動運転車3を選択する。つまり、需要の少ない自動運転車3を選択する。また、制御部12は、記憶部13aの駐車車両情報および記憶部13bの駐車設備位置情報を参照し、退避用駐車設備2dとして、例えば、駐車枠23に空きのある駐車設備2のうち、利用駐車設備2aに最も近い駐車設備2を選択する。ステップS18の処理によって、利用駐車設備2aの駐車枠23に空きをつくり、特定自動運転車を利用駐車設備2aに駐車させることができる。
【0047】
図5は、利用駐車設備2aに駐車されている1台の自動運転車3を退避用駐車設備2dへ移動させ、特定自動運転車3aをこの特定自動運転車3aが駐車されている駐車設備から利用駐車設備2aへ移動させることを示す概念図である。図5では、利用駐車設備2aから1台の自動運転車3bを退避用駐車設備2dへ移動させるとともに、駐車設備2fから特定自動運転車3aを利用駐車設備2aへ移動させることを示している。利用駐車設備2aから1台の自動運転車3bを退避用駐車設備2dへ移動させることにより、利用駐車設備2aに駐車枠23の空きを作り、この空いた駐車枠23に特定自動運転車3aを格納することができる。
【0048】
図5の場合に、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させる処理は、図4の場合と同様にして行うことができる。また、自動運転車3bを利用駐車設備2aから退避用駐車設備2dへ移送させる処理も、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させる処理と同様にして行うことができる。
【0049】
上記において、カーシェアリングの予約画面をユーザ端末4へ送信させる処理、およびステップS11~S14の処理は、制御部12の予約受付部12aによる処理である。また、ステップS16~S18の処理は、制御部12の回送指示部12bによる処理である。
【0050】
上記では、ユーザが乗車の利用に指定した利用駐車設備2aに、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車3aが駐車されていない場合には、特定自動運転車3aを利用駐車設備2aへ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、利用駐車設備2aに希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0051】
<(2)の方法を選択した場合>
ユーザが乗車する際に利用を希望する駐車設備に関する情報の入力方法として、前述の(2)の複数の駐車設備を指定する方法を選択した場合、例えば、図2と同様の図6に示すような複数の駐車設備2(2a~2g)の位置が表示された地図がユーザ端末4の表示部44に表示される。ここで、ユーザが、表示部44に表示された複数の駐車設備のうち、例えば、駐車設備2aと駐車設備2cとをタッチ操作し、決定ボタンB1をタッチ操作すると、ユーザが乗車する際に利用を希望する利用候補駐車設備として駐車設備2aと駐車設備2cとが指定される。そしてこの指定した利用候補駐車設備2a、2cの識別情報と利用開始時刻の情報とが、ユーザ端末4からカーシェアリング管理装置1へ送信される。
【0052】
図7は、この場合のカーシェアリング管理装置1の制御部12の処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
制御部12は、ステップS21で、前述のようにユーザ端末4から送信された利用候補駐車設備2a、2cの識別情報と利用開始時刻の情報とを通信部11を介して取得する。
【0054】
次に、制御部12は、ステップS22で、利用候補駐車設備2a、2cの識別情報と利用開始時刻の情報とを用いて車両検索エリアを決定する。ここでは、記憶部13bの駐車設備位置情報を参照して利用候補駐車設備2a、2cの識別情報から利用候補駐車設備2a、2cの位置情報を取得し、利用候補駐車設備2a、2cの位置情報と、現在時刻から利用開始時刻までの時間である待機時間とに基づいて、車両検索エリアを決定する。具体的には、図6に示す利用候補駐車設備2a、2cの位置の重心C2を基点(中心)として、待機時間内に自動運転車を所定速度で移動可能な範囲を車両検索エリアD2として決定する。この車両検索エリアD2は、前述の車両検索エリアD1を求める場合と同様にして求めることができる。なお、複数の駐車設備2の位置の重心C2は、例えば、複数の駐車設備2のそれぞれの位置を二次元直交座標系の点あるいは経度および緯度で表した点とし、複数の点の重心として算出することができる。例えば、複数の各点の位置が二次元直交座標系のX座標およびY座標で表される場合には、複数の点のX座標の平均値を複数の点の重心のX座標値として算出でき、複数の点のY座標の平均値を重心のY座標値として算出できる。なお、各点の位置が経度および緯度で表される場合も、X座標およびY座標で表される場合と同様にして重心の位置を算出しても実用上問題ない。
【0055】
続いて、制御部12は、記憶部13bの駐車設備位置情報を参照して、車両検索エリアD2内に存在する駐車設備2を検索し、さらに記憶部13aの駐車車両情報を参照して、検索した駐車設備2(図6の場合、駐車設備2a~2f)において駐車されている予約可能な自動運転車の一覧を作成し、この一覧をユーザ端末4へ送信する。
【0056】
次に、ユーザは、ユーザ端末4に表示された予約可能な自動運転車の一覧から、利用したい車両の種類を選択すると、選択した種類の自動運転車である特定自動運転車の情報がユーザ端末4からカーシェアリング管理装置1へ送信される。
【0057】
次に、制御部12は、ステップS23で、前述のようにユーザ端末4から送信された特定自動運転車の情報を通信部11を介して取得する。
【0058】
次に、制御部12は、ステップS24で、記憶部13aの駐車車両情報を参照して特定自動運転車が有る駐車設備を把握し、特定自動運転車がユーザに指定された利用候補駐車設備2a、2cに有るか否か(駐車されているか否か)を判定する。特定自動運転車が利用候補駐車設備2a、2cのいずれかに有る場合には、制御部12は、ステップS25で、特定自動運転車が有る1つの利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。
【0059】
また、制御部12は、特定自動運転車が利用候補駐車設備2a、2cのどちらにも無い場合には、ステップS26で利用候補駐車設備2a、2cに駐車枠23の空きが有るか否かを判定する。利用候補駐車設備2a、2cのいずれかに駐車枠23の空きが有る場合には、制御部12は、ステップS27で、駐車枠23の空きが有る1つの利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。なお、駐車枠23の空きが有る利用候補駐車設備が複数ある場合には、例えば、特定自動運転車が有る駐車設備に最も近い利用候補駐車設備を利用駐車設備に決定するようにしてもよい。
【0060】
続いて、制御部12は、ステップS28で、特定自動運転車を利用駐車設備2へ移動させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ送信し、利用駐車設備2の駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。例えば、図4の場合と同様、特定自動運転車3aが有る駐車設備2を駐車設備2fとし、利用駐車設備2が駐車設備2aとすれば、駐車設備2f、2aの駐車管理装置20および特定自動運転車3aの車両制御装置30は、図4の場合と同様の処理を行うことで、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させることができる。
【0061】
また、制御部12は、ステップS26で利用候補駐車設備2a、2cに駐車枠23の空きが無い場合には、ステップS29で、利用候補駐車設備2a、2cのいずれか1つをユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。ここで、例えば、特定自動運転車が有る駐車設備に最も近い利用候補駐車設備を利用駐車設備に決定するようにしてもよい。以下では、利用候補駐車設備2aを利用駐車設備2aに決定したものとする。
【0062】
次に、制御部は、ステップS30で、利用駐車設備2aに駐車されている1台の自動運転車3を駐車枠23に空きのある別の駐車設備2である退避用駐車設備、例えば退避用駐車設備2dへ移動させる指示を、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ送信し、退避用駐車設備2dの駐車管理装置20へ上記1台の自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。さらに、制御部12は、特定自動運転車を利用駐車設備2aへ移動させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2fの駐車管理装置20へ送信し、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。このステップS30は、図3のステップS18と同様の処理であり、詳細は省略する。ステップS30の処理によって、利用駐車設備2aの駐車枠23に空きをつくり、特定自動運転車を利用駐車設備2aに駐車させることができる。
【0063】
例えば、図5の場合と同様、特定自動運転車3aが有る駐車設備2を駐車設備2fとすれば、駐車設備2f、2aの駐車管理装置20および特定自動運転車3aの車両制御装置30は、図5図4)の場合と同様の処理を行うことで、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させることができる。また、利用駐車設備2aに駐車されている自動運転車3bを利用駐車設備2aから退避用駐車設備2dへ移動させる処理も、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させる処理と同様にして行うことができる。
【0064】
上記において、カーシェアリングの予約画面をユーザ端末4へ送信させる処理、およびステップS21~S23,S25,S27,S29の処理は、制御部12の予約受付部12aによる処理である。また、ステップS24,S26,S28,S30の処理は、制御部12の回送指示部12bによる処理である。
【0065】
上記では、ユーザが乗車の利用候補に指定した複数の利用候補駐車設備2a、2cに、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車3aが駐車されていない場合には、一の利用候補駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備2aに決定し、特定自動運転車3aを利用駐車設備2aへ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリア内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、利用候補駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0066】
<(3)の方法を選択した場合>
ユーザが乗車する際に利用を希望する駐車設備に関する情報の入力方法として、前述の(3)のユーザの現在位置を基準にする方法を選択した場合には、ユーザ端末4の制御部42は、GPS受信機45からユーザ端末4の現在位置の情報を取得し、このユーザ端末4の現在位置の情報とユーザによって入力された利用開始時刻の情報とを、通信部41を介してカーシェアリング管理装置1へ送信する。また、この場合、制御部42は、例えば、図8に示すような複数の駐車設備2(2a~2g)の位置が表示された地図にユーザ端末4の現在位置C3が示された情報を表示部44に表示させる。なお、ここでは、図8のような地図が表示部44に表示されるものとしたが、表示されなくても構わない。
【0067】
図9は、この場合のカーシェアリング管理装置1の制御部12の処理の一例を示すフローチャートである。
【0068】
制御部12は、ステップS41で、前述のようにユーザ端末4から送信されたユーザ端末4の現在位置の情報と利用開始時刻の情報とを通信部11を介して取得する。
【0069】
次に、制御部12は、ステップS42で、ユーザ端末4の現在位置の情報と利用開始時刻の情報とを用いて車両検索エリアを決定する。ここでは、ユーザ端末4の現在位置の情報と、現在時刻から利用開始時刻までの時間である待機時間とに基づいて、車両検索エリアを決定する。具体的には、図8に示すユーザ端末4の現在位置C3を基点(中心)として、待機時間内に自動運転車を所定速度で移動可能な範囲を車両検索エリアD3として決定する。この車両検索エリアD3は、前述の車両検索エリアD1を求める場合と同様にして求めることができる。
【0070】
続いて、制御部12は、記憶部13bの駐車設備位置情報を参照して、車両検索エリアD3内に存在する駐車設備2を検索し、さらに記憶部13aの駐車車両情報を参照して、検索した駐車設備2(図8の場合、駐車設備2a~2f)において駐車されている予約可能な自動運転車の一覧を作成し、この一覧をユーザ端末4へ送信する。
【0071】
次に、ユーザは、ユーザ端末4に表示された予約可能な自動運転車の一覧から、利用したい車両の種類を選択すると、選択した種類の自動運転車である特定自動運転車の情報がユーザ端末4からカーシェアリング管理装置1へ送信される。
【0072】
次に、制御部12は、ステップS43で、前述のようにユーザ端末4から送信された特定自動運転車の情報を通信部11を介して取得する。
【0073】
次に、制御部12は、ステップS44で、記憶部13aの駐車車両情報を参照して特定自動運転車が有る駐車設備を把握し、特定自動運転車が近距離駐車設備に有るか否か(駐車されているか否か)を判定する。ここで、ユーザ端末4の現在位置C3を基点(中心)として、例えば徒歩10分以内に到達可能な所定エリアE3内に存在する駐車設備2を近距離駐車設備とする。所定エリアE3は、車両検索エリアD3よりも小さいエリアである。ここでは、例えば、2つの駐車設備2a、2cを近距離駐車設備とする。特定自動運転車が近距離駐車設備2a、2cのいずれかに有る場合には、制御部12は、ステップS45で、特定自動運転車が有る1つの近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。
【0074】
また、制御部12は、特定自動運転車が近距離駐車設備2a、2cのどちらにも無い場合には、ステップS46で近距離駐車設備2a、2cに駐車枠23の空きが有るか否かを判定する。近距離駐車設備2a、2cのいずれかに駐車枠23の空きが有る場合には、制御部12は、ステップS47で、駐車枠23の空きが有る1つの近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。なお、駐車枠23の空きが有る近距離駐車設備が複数ある場合には、例えば、特定自動運転車が有る駐車設備に最も近い近距離駐車設備を利用駐車設備に決定するようにしてもよい。
【0075】
続いて、制御部12は、ステップS48で、特定自動運転車を利用駐車設備2へ移動させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ送信し、利用駐車設備2の駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。例えば、図4の場合と同様、特定自動運転車3aが有る駐車設備2を駐車設備2fとし、利用駐車設備2が駐車設備2aとすれば、駐車設備2f、2aの駐車管理装置20および特定自動運転車3aの車両制御装置30は、図4の場合と同様の処理を行うことで、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させることができる。
【0076】
また、制御部12は、ステップS46で近距離駐車設備2a、2cに駐車枠23の空きが無い場合には、ステップS49で、近距離駐車設備2a、2cのいずれか1つをユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、この利用駐車設備において予約を受け付けた旨をユーザ端末4へ送信し、特定自動運転車が有る駐車設備2の駐車管理装置20へ予約受付情報を送信する。ここで、例えば、特定自動運転車が有る駐車設備に最も近い近距離駐車設備を利用駐車設備に決定するようにしてもよい。以下では、近距離駐車設備2aを利用駐車設備2aに決定したものとする。
【0077】
次に、制御部は、ステップS50で、利用駐車設備2aに駐車されている1台の自動運転車3を駐車枠23に空きのある別の駐車設備2である退避用駐車設備、例えば退避用駐車設備2dへ移動させる指示を、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ送信し、退避用駐車設備2dの駐車管理装置20へ上記1台の自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。さらに、制御部12は、特定自動運転車を利用駐車設備2aへ移動させる指示を、特定自動運転車が有る駐車設備2fの駐車管理装置20へ送信し、利用駐車設備2aの駐車管理装置20へ特定自動運転車を移動させる旨の情報を送信する。このステップS50は、図3のステップS18と同様の処理であり、詳細は省略する。ステップS50の処理によって、利用駐車設備2aの駐車枠23に空きをつくり、特定自動運転車を利用駐車設備2aに駐車させることができる。
【0078】
例えば、図5の場合と同様、特定自動運転車3aが有る駐車設備2を駐車設備2fとすれば、駐車設備2f、2aの駐車管理装置20および特定自動運転車3aの車両制御装置30は、図5図4)の場合と同様の処理を行うことで、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させることができる。また、利用駐車設備2aに駐車されている自動運転車3bを利用駐車設備2aから退避用駐車設備2dへ移送させる処理も、特定自動運転車3aを駐車設備2fから利用駐車設備2aへ移動させる処理と同様にして行うことができる。
【0079】
上記において、カーシェアリングの予約画面をユーザ端末4へ送信させる処理、およびステップS41~S43,S45,S47,S49の処理は、制御部12の予約受付部12aによる処理である。また、ステップS44,S46,S48,S50の処理は、制御部12の回送指示部12bによる処理である。
【0080】
上記では、ユーザの現在位置(ユーザ端末4の現在位置)に近い所定エリアE3内に存在する近距離駐車設備2a、2cに、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車3aが駐車されていない場合には、一の近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備2aに決定し、特定自動運転車3aを利用駐車設備2aへ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリアD3内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、近距離駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0081】
<(4)の方法を選択した場合>
ユーザが乗車する際に利用を希望する駐車設備に関する情報の入力方法として、前述の(4)のユーザが地図上の任意の位置を指定する方法を選択した場合、例えば、前述の図8に示すような複数の駐車設備2(2a~2g)の位置が表示された地図がユーザ端末4の表示部44に表示される。ここで、ユーザが、表示部44に表示された地図上で任意の位置をタッチ操作し、決定ボタンB1をタッチ操作すると、タッチした地図上の位置が指定される。例えば、タッチした地図上の位置が特定位置C3であったとすると、ユーザ端末4の制御部42は、特定位置C3の情報(位置情報)とユーザによって入力された利用開始時刻の情報とを、通信部41を介してカーシェアリング管理装置1へ送信する。
【0082】
カーシェアリング管理装置1の制御部12は、前述のようにユーザ端末4から送信された特定位置C3の情報と利用開始時刻の情報とを通信部11を介して取得する。この後、制御部12では、図9のステップS42~S52の説明において、「ユーザ端末4の現在位置C3」を「特定位置C3」に置き換えた説明と同様の処理が行われる。
【0083】
この場合、ユーザが指定した地図上の特定位置C3に近い所定エリアE3内に存在する近距離駐車設備に、ユーザが指定する種類の自動運転車である特定自動運転車が駐車されていない場合には、一の近距離駐車設備をユーザが乗車に利用する利用駐車設備に決定し、特定自動運転車を利用駐車設備へ自動走行させるようにしている。つまり、ユーザは、車両検索エリアD3内に存在する複数の駐車設備に駐車されている予約可能な自動運転車の中から希望する種類の自動運転車を選択して指定できるので、近距離駐車設備に希望する種類の自動運転車が無いことによってユーザが自動運転車の利用を断念することを回避でき、共用車両である自動運転車の利用率の向上を図ることができる。
【0084】
なお、本実施形態において、カーシェアリング管理装置1は、駐車管理装置20へ予約受付情報を送信したときに、記憶部13aに記憶している駐車車両情報のなかの上記予約受付情報に対応する予約情報を更新するようにしてもよい。また、駐車管理装置20では、カーシェアリング管理装置1から予約受付情報を受信すると、制御部22に記憶している駐車車両情報のなかの上記予約受付情報に対応する予約情報を更新する。
【0085】
なお、本実施形態において、駐車設備は、エレベータ式、垂直循環式、平面往復式、水平循環式等、あらゆる方式の機械式駐車設備であってもよいし、このような機械式駐車設備に限らず、平面駐車場や立体駐車場であってもよい。また、例えば、平面駐車場等の場合には、自動運転車3を自動走行させる指示を、カーシェアリング管理装置1から直接、自動運転車3へ送信するようにしてもよい。
【0086】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造および/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、共用車両の利用率の向上を図ることができるカーシェアリング管理装置等として有用である。
【符号の説明】
【0088】
1 カーシェアリング管理装置
2 駐車設備
3 自動運転車
4 ユーザ端末
12 制御部
12a 予約受付部
12b 回送指示部
13 記憶部
13a 駐車車両情報記憶部
13b 駐車設備位置情報記憶部
20 駐車管理装置
図1
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図9