IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-142523運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム
<>
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図1
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図2
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図3
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図4
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図5
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図6
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図7
  • 特開-運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142523
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20241003BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054681
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅清
(72)【発明者】
【氏名】小島 康
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良樹
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181CC04
5H181CC11
5H181CC24
5H181CC27
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL04
5H181LL07
(57)【要約】
【課題】本開示は、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができる運転評価装置などを提供する。
【解決手段】運転評価装置100は、車両10による車線変更の開始を検出する車線変更検出部101と、車両10の周囲の他の車両20による動作を検出する動作検出部102と、車両10の操作履歴に応じて車両10の運転者の運転技能の評価値を算出する評価部103と、を備え、評価部103は、車線変更の開始が検出された後に他の車両20の動作が変化したことが検出された場合、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両による車線変更の開始を検出する車線変更検出部と、
前記車両の周囲の他の車両による動作を検出する動作検出部と、
前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出する評価部と、を備え、
前記評価部は、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる
運転評価装置。
【請求項2】
前記他の車両は、前記車両による車線変更先の車線において、前記車両よりも後方を走行しており、
前記動作の変化は、前記他の車両の減速または操舵角の変更である
請求項1に記載の運転評価装置。
【請求項3】
前記他の車両は、前記車両による車線変更先の車線において、前記車両よりも前方を走行しており、
前記動作の変化は、前記他の車両の加速または操舵角の変更である
請求項1に記載の運転評価装置。
【請求項4】
前記動作の変化は、前記他の車両による警告音の発生である
請求項1に記載の運転評価装置。
【請求項5】
さらに、
前記車両の周囲環境を検出する環境検出部を備え、
前記評価部は、さらに、前記周囲環境に応じた値を、前記評価値として算出する
請求項1から4のいずれか1項に記載の運転評価装置。
【請求項6】
前記環境検出部は、前記車両が車線変更せざるを得ない環境を、前記周囲環境として検出し、
前記評価部は、前記車線変更の開始が検出されたときに、前記車両が車線変更せざるを得ない環境が前記周囲環境として検出された場合、前記評価値を上昇させる
請求項5に記載の運転評価装置。
【請求項7】
前記環境検出部は、車線変更が禁止されている道路を、前記周囲環境として検出し、
前記評価部は、前記車線変更の開始が検出されたときに、車線変更が禁止されている道路が前記周囲環境として検出された場合、前記評価値をさらに低下させる
請求項5に記載の運転評価装置。
【請求項8】
さらに、
前記評価値を前記運転者に提示する提示部を備える
請求項1から4のいずれか1項に記載の運転評価装置。
【請求項9】
前記提示部は、前記評価値の低下幅が閾値を超える場合、前記評価値を算出したときに前記評価値を前記運転者に提示し、前記低下幅が前記閾値以下の場合、所定のタイミングで前記評価値を前記運転者に提示する
請求項8に記載の運転評価装置。
【請求項10】
車両による車線変更の開始を検出し、
前記車両の周囲の他の車両による動作を検出し、
前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出し、
前記評価値の算出では、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる
運転評価方法。
【請求項11】
請求項10に記載の運転評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、運転評価装置、運転評価方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自車両が車線変更する間において、自車両または他の車両が急減速を行った場合の衝突リスクを計算する装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-118916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができる運転評価装置などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る運転評価装置は、車両による車線変更の開始を検出する車線変更検出部と、前記車両の周囲の他の車両による動作を検出する動作検出部と、前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出する評価部と、を備え、前記評価部は、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【0006】
また、本開示の一態様に係る運転評価方法は、車両による車線変更の開始を検出し、前記車両の周囲の他の車両による動作を検出し、前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出し、前記評価値の算出では、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【0007】
また、本開示の一態様に係るプログラムは、本開示の一態様に係る運転評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一態様に係る運転評価装置等によれば、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る運転評価装置を備える車両の外観を示す図である。
図2図2は、実施の形態に係る車両が備える運転評価装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、実施の形態に係る車線変更の後に他の車両による動作の変化の一例を説明するための図である。
図4図4は、実施の形態に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、実施の形態の変形例に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、変形例(2)に係る運転評価装置の構成を示すブロック図である。
図7図7は、変形例(2)に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図8は、変形例(3)に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の基礎となった知見)
上記従来技術では、最大限速度で急停止した場合にでも自車両と他の車両とが衝突しない速度を安全速度として算出し、また、自車両が最大限速度で急停止した場合に衝突する他の車両を判定する。つまり、従来技術では、自車両に衝突するか否かについての判定を行っており、自車両に衝突しない速度であるが、衝突する速度に近い速度で他の車両が走行している場合は、リスクとして考慮されていない。よって、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができない恐れがある。1つの重大な事故が発生するのに、29の軽微な事故と、300の事故未遂とが発生するというハインリッヒの法則が知られている。このため、衝突するという重大な事故の発生に至るまでの事故未遂を抑制することが、衝突の回避に有効である。言い換えると、事故未遂が発生したことを正しく評価する仕組みが必要であると考えられる。
【0012】
そこで、本発明者らは、鋭意検討の上、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができる運転評価装置などを見出すに至った。
【0013】
本開示の第1態様に係る運転評価装置は、車両による車線変更の開始を検出する車線変更検出部と、前記車両の周囲の他の車両による動作を検出する動作検出部と、前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出する評価部と、を備え、前記評価部は、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【0014】
車両による車線変更の開始が検出された後に他の車両の動作が変化したことが検出された場合、車両の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0015】
本開示の第2態様に係る運転評価装置は、第1態様に係る運転評価装置であって、前記他の車両は、前記車両による車線変更先の車線において、前記車両よりも後方を走行しており、前記動作の変化は、前記他の車両の減速または操舵角の変更である。
【0016】
車両による車線変更の開始が検出された後に、車線変更先の車線で車両よりも後方を走行している他の車両が減速または操舵角の変更が検出された場合、車両の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0017】
本開示の第3態様に係る運転評価装置は、第1態様または第2態様に係る運転評価装置であって、前記他の車両は、前記車両による車線変更先の車線において、前記車両よりも前方を走行しており、前記動作の変化は、前記他の車両の加速または操舵角の変更である。
【0018】
車両による車線変更の開始が検出された後に、車線変更先の車線で車両よりも前方を走行している他の車両が加速または操舵角の変更が検出された場合、車両の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0019】
本開示の第4態様に係る運転評価装置は、第1態様から第3態様のいずれか1つの態様に係る運転評価装置であって、前記動作の変化は、前記他の車両による警告音の発生である。
【0020】
車両による車線変更の開始が検出された後に他の車両から警告音が発生したことが検出された場合、車両の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0021】
本開示の第5態様に係る運転評価装置は、第1態様から第4態様のいずれか1つの態様に係る運転評価装置であって、さらに、前記車両の周囲環境を検出する環境検出部を備え、前記評価部は、さらに、前記周囲環境に応じた値を、前記評価値として算出する。
【0022】
これによれば、周囲環境に応じて評価値を算出するため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0023】
本開示の第6態様に係る運転評価装置は、第5態様に係る運転評価装置であって、前記環境検出部は、前記車両が車線変更せざるを得ない環境を、前記周囲環境として検出し、前記評価部は、前記車線変更の開始が検出されたときに、前記車両が車線変更せざるを得ない環境が前記周囲環境として検出された場合、前記評価値を上昇させる。
【0024】
これによれば、やむを得ずに車線変更せざるを得ない環境であったことが判明すれば、評価値を上昇させる(元に戻す)ため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0025】
本開示の第7態様に係る運転評価装置は、第5態様に係る運転評価装置であって、前記環境検出部は、車線変更が禁止されている道路を、前記周囲環境として検出し、前記評価部は、前記車線変更の開始が検出されたときに、車線変更が禁止されている道路が前記周囲環境として検出された場合、前記評価値をさらに低下させる。
【0026】
これによれば、車線変更が禁止されている環境であったことが判明すれば、評価値をさらに低下させるため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0027】
本開示の第8態様に係る運転評価装置は、第1態様から第7態様のいずれか1つの態様に係る運転評価装置であって、さらに、前記評価値を前記運転者に提示する提示部を備える。
【0028】
このため、評価値を運転者に知らせることで、衝突のリスクが高い運転行為が運転者に行われたことを運転者に認識させることができる。よって、衝突のリスクが低い運転行為を運転者に促すことができる。
【0029】
本開示の第9態様に係る運転評価装置は、第8態様に係る運転評価装置であって、前記提示部は、前記評価値の低下幅が閾値を超える場合、前記評価値を算出したときに前記評価値を前記運転者に提示し、前記低下幅が前記閾値以下の場合、所定のタイミングで前記評価値を前記運転者に提示する。
【0030】
これによれば、低下幅が閾値を超えるような衝突のリスクが高い運転行為が行われたことを即時に運転者に知らせるため、衝突のリスクが高い運転行為が運転者に行われたことを即時に運転者に認識させることができる。よって、衝突のリスクが低い運転行為を即時に運転者に促すことができる。
【0031】
本開示の第10態様に係る運転評価方法は、車両による車線変更の開始を検出し、前記車両の周囲の他の車両による動作を検出し、前記車両の操作履歴に応じて前記車両の運転者の運転技能の評価値を算出し、前記評価値の算出では、前記車線変更の開始が検出された後に前記動作が変化したことが検出された場合、前記車両を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【0032】
車線変更の開始が検出された後に他の車両の動作が変化したことが検出された場合、車両の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0033】
本開示の第11態様に係るプログラムは、第10態様に係る運転評価方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0034】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、装置、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は非一時的な記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0035】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0036】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0037】
(実施の形態)
[1.構成]
図1は、実施の形態に係る運転評価装置を備える車両の外観を示す図である。図2は、実施の形態に係る車両が備える運転評価装置の構成を示すブロック図である。
【0038】
運転評価装置100は、車両10に備えられ、車両10の運転者の運転技能を評価する。運転評価装置100は、車線変更検出部101と、動作検出部102と、評価部103と、提示部104とを備える。
【0039】
車線変更検出部101は、車両10による車線変更の開始を検出する。具体的には、車線変更検出部101は、車両10が備えるカメラ(図示せず)からの動画像を取得し、動画像に基づいて車両10による車線変更の開始を検出する。ここで、カメラは、車両10の進行方向の前方または後方を撮影するカメラである。例えば、車線変更検出部101は、動画像に基づいて、車両10が走行している車線を特定し、車両10が車線を規定する道路上のラインを跨いだときに、車線変更が開始されたと判定(つまり、車線変更の開始を検出)してもよい。なお、ここで言う車線変更とは、道路上のラインで区分されている2本の車線のうちの一方の車線から他方の車線へ移動する車両10による動作である。車線変更における2本の車線は、進行方向に並行して延びる車線であってもよい。また、2本の車線のうちの一方の車線は、他方の車線へ所定距離前方で合流する車線であってもよい。
【0040】
また、車線変更検出部101は、カメラの動画像に基づいて車線変更の開始を判断することに限らずに、車両10から車両10のステアリングの操舵角の情報を取得し、操舵角が所定の角度の範囲内に変更された場合に、車線変更が開始されたと判定(つまり、車線変更の開始を検出)してもよい。また、車線変更検出部101は、さらに、車両10の位置情報と道路地図情報とを取得し、車両10が道路地図情報において直線道路に位置している場合において、操舵角が所定の角度の範囲内に変更された場合に、車線変更が開始されたと判定(つまり、車線変更の開始を検出)してもよい。
【0041】
また、車線変更検出部101は、車両10から車両10が備える方向指示器の動作情報を取得し、動作情報に基づいて方向指示器の動作が検出された場合に、車線変更が開始されたと判定(つまり、車線変更の開始を検出)してもよい。また、車線変更検出部101は、さらに、車両10の位置情報と道路地図情報とを取得し、車両10が道路地図情報において直線道路に位置している場合において、動作情報に基づいて方向指示器の動作が検出された場合に、車線変更が開始されたと判定(つまり、車線変更の開始を検出)してもよい。
【0042】
動作検出部102は、車両10の周囲の他の車両による動作を検出する。具体的には、動作検出部102は、車両10が備えるカメラ(図示せず)からの動画像を取得し、動画像に基づいて車両10の周囲の他の車両による動作を検出する。ここで、カメラは、車両10の進行方向の後方を含む周囲を撮影するカメラである。このカメラは、車線変更検出部101が動画像に基づいて車線変更を検出する場合に用いられるカメラと同じであってもよいし、異なっていてもよい。カメラは、車両10の後方のみを撮影するカメラであってもよいし、車両10の後方を含む360度の周囲を撮影するカメラであってもよい。カメラは、2台以上のカメラの組み合わせで構成されてもよい。動作検出部102は、動画像の中から車両10の周囲の他の車両の速度(相対速度または絶対速度)を算出してもよいし、他の車両の操舵角を算出してもよい。
【0043】
また、動作検出部102は、車両10のボディの外側に配置され、車両10の外で発生した車両10の周囲の音を収音するマイクロフォン(図示せず)からの音声信号を取得し、音声信号に基づいて他の車両による警告音が発生したか否かを判定してもよい。つまり、動作検出部102は、他の車両による警告音の発生を他の車両による動作として検出してもよい。なお、警告音は、例えば、他の車両のクラクションによる音である。
【0044】
評価部103は、車両10の操作履歴に応じて車両10の運転技能の評価値を算出する。車両10の操作履歴は、運転者による車両10に対する操作履歴であって、ステアリングの操舵角、走行速度、アクセル開度、ブレーキの踏み込み量(ブレーキの制動力)などを含む。評価部103は、操作履歴に基づいて、車両10の加速度を算出し、加速度が所定の加速度の範囲から外れた場合、評価値を低下させるように評価値を算出してもよい。評価部103は、操作履歴に基づいて、ステアリングの操舵角の変化量が所定の変化量の範囲を超えた場合、評価値を低下させるように評価値を算出してもよい。
【0045】
また、評価部103は、車線変更の開始が車線変更検出部101により検出された後に、他の車両による動作が変化したことが動作検出部102により検出された場合、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。評価部103は、例えば、操作履歴に応じて算出した評価値を低下させることで、新たに評価値を算出してもよい。また、評価部103は、基準となる評価値を低下させることで、新たに評価値を算出してもよい。
【0046】
図3は、実施の形態に係る車線変更の後に他の車両による動作の変化の一例を説明するための図である。
【0047】
図3に示されるように、車両10が左側の車線31を走行しており、他の車両20が右側の車線32を走行している。車線31は、車線32に隣接する車線であり、進行方向が互いに同じ車線である。この図では、車両10が車線31から車線32への車線変更を行ったときに、他の車両20が車両10に衝突しないように減速した場合が示されている。
【0048】
このように、他の車両20が車両10による車線変更先の車線32において、車両10よりも後方を走行しており、かつ、車両10の車線変更が開始されたときに他の車両20が減速した場合、評価部103は、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させてもよい。この場合、他の車両による動作の変化は、他の車両20の減速である。なお、他の車両による動作の変化は、他の車両20の減速に限らずに、他の車両20の操舵角の変更であってもよい。操舵角の変更は、例えば、車両10との接触を避けるため動作であり、例えば、車線変更であってもよいし、車線変更しない程度の変更であってもよい。
【0049】
提示部104は、評価部103により算出された評価値を運転者に提示する。提示部104は、評価値が高評価の数値範囲に含まれる場合、運転者を褒める提示を行ってもよいし、運転者を褒める提示を行わずに何もしなくてもよい。また、提示部104は、評価値が低評価の数値範囲に含まれる場合、運転者に注意深い運転を促す提示を行ってもよい。提示部104は、車両10に同乗者がいるか否かで、提示方法を切り替えてもよい。例えば、提示部104は、車両10に同乗者がいる場合、即時に評価値を提示せずに同乗者がいないタイミングで評価値を提示してもよいし、運転者が所持するスマートフォンなどの携帯端末へ評価値を提示してもよい。このように、提示部104は、車両10に同乗者がいる場合、同乗者に運転者に対する運転技能の評価値を認識させないように、運転者に評価値を提示してもよい。また、提示部104は、同様の評価値が所定期間(例えば30分間、1時間など)連続する場合、評価値が算出される度に算出された評価値を提示しなくてもよい。例えば、提示部104は、評価値の変動が所定の割合(例えば10%、20%等)を超える場合に、当該評価値を運転者へ提示してもよい。
【0050】
なお、提示部104は、車両10が備えるディスプレイで実現され、評価値を表示してもよいし、車両10が備えるスピーカで実現され、評価値を音声で提示してもよい。また、提示部104は、評価値を示す情報を、運転者が所持するスマートフォンなどの携帯端末に通知し、携帯端末に評価値を提示させてもよい。この場合の提示部104は、携帯端末と直接通信可能な通信インタフェース、または、携帯端末が接続されているネットワーク(例えばインターネット)に通信接続可能な通信インタフェースにより実現されてもよい。
【0051】
[2.動作]
図4は、実施の形態に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0052】
運転評価装置100は、自車(車両10)による車線変更の開始を検出したか否かを判定する(S11)。ステップS11の処理は、車線変更検出部101による処理である。
【0053】
運転評価装置100は、車線変更の開始を検出した場合(S11でYes)、車線変更後の車線を走行する後続車両(他の車両20)があるか否かを判定する(S12)。ステップS12の処理は、動作検出部102による処理である。
【0054】
運転評価装置100は、車線変更後の車線を走行する後続車両がある場合(S12でYes)、後続車両が減速したか否かを判定する(S13)。ステップS13の処理は、動作検出部102による処理である。
【0055】
運転評価装置100は、後続車両が減速したと判定した場合(S13でYes)、評価値を算出する(S14)。具体的には、運転評価装置100は、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。ステップS14の処理は、評価部103による処理である。
【0056】
なお、運転評価装置100は、車線変更の開始を検出していない場合(S11でNo)、車線変更後の車線を走行する後続車両がない場合(S12でNo)、及び、後続車両が減速していない場合(S13でNo)のいずれか1つを満たす場合、ステップS11に戻る。
【0057】
運転評価装置100は、ステップS14の後、算出された評価値を運転者に提示する(S15)。ステップS15の処理は、提示部104による処理である。
【0058】
[3.効果など]
本実施の形態に係る運転評価装置100は、車線変更検出部101と、動作検出部102と、評価部103とを備える。車線変更検出部101は、車両10による車線変更の開始を検出する。動作検出部102は、車両10の周囲の他の車両20による動作を検出する。評価部103は、車両10の操作履歴に応じて車両10の運転者の運転技能の評価値を算出する。評価部103は、車線変更の開始が検出された後に他の車両20の動作が変化したことが検出された場合、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。
【0059】
車両10による車線変更の開始が検出された後に他の車両20の動作が変化したことが検出された場合、車両10の車線変更が他の車両20の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両10と他の車両20とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0060】
本実施の形態に係る運転評価装置100において、他の車両20は、車両10による車線変更先の車線32において、車両10よりも後方を走行している。他の車両20の動作の変化は、他の車両20の減速または操舵角の変更である。
【0061】
車両10による車線変更の開始が検出された後に、車線変更先の車線32で車両10よりも後方を走行している他の車両20が減速または操舵角の変更したことが検出された場合、車両10の車線変更が他の車両20の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両10と他の車両20とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0062】
本実施の形態に係る運転評価装置100は、さらに、評価値を運転者に提示する提示部104を備える。
【0063】
このため、評価値を運転者に知らせることで、衝突のリスクが高い運転行為が運転者に行われたことを運転者に認識させることができる。よって、衝突のリスクが低い運転行為を運転者に促すことができる。
【0064】
[4.変形例]
(1)
上記実施の形態では、図3において、他の車両20は、車両10よりも後方を走行している例を説明したが、これに限らない。他の車両20は、車両10よりも前方を走行していてもよい。この場合、他の車両20の動作の変化は、他の車両20の加速または操舵角の変更であってもよい。
【0065】
また、他の車両の動作の変化は、他の車両による警告音の発生でもよい。この場合の他の車両は、車両10の周囲を、車両10と同じ進行方向に走行する車両であれば、車両10の前方または後方を走行していなくてもよく、車両10の側方を走行していてもよい。
【0066】
つまり、運転評価装置100は、図5に示す動作を行ってもよい。
【0067】
図5は、実施の形態の変形例に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0068】
運転評価装置100は、自車(車両10)による車線変更の開始を検出したか否かを判定する(S21)。ステップS21の処理は、車線変更検出部101による処理である。
【0069】
運転評価装置100は、車線変更の開始を検出した場合(S21でYes)、車両10の周囲に他の車両があるか否かを判定する(S22)。ステップS22の処理は、動作検出部102による処理である。
【0070】
運転評価装置100は、車両10の周囲に他の車両がある場合(S22でYes)、周囲の他の車両の動作が変化したか否かを判定する(S23)。ステップS23の処理は、動作検出部102による処理である。
【0071】
運転評価装置100は、他の車両の動作が変化したと判定した場合(S23でYes)、評価値を算出する(S24)。具体的には、運転評価装置100は、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。ステップS24の処理は、評価部103による処理である。
【0072】
なお、運転評価装置100は、車線変更の開始を検出していない場合(S21でNo)、車両10の周囲に他の車両がない場合(S22でNo)、及び、周囲の他の車両の動作が変化していない場合(S23でNo)のいずれか1つを満たす場合、ステップS21に戻る。
【0073】
運転評価装置100は、ステップS24の後、算出された評価値を運転者に提示する(S25)。ステップS25の処理は、提示部104による処理である。
【0074】
変形例(1)に係る運転評価装置100において、他の車両は、車両10による車線変更先の車線32において、車両10よりも前方を走行している。他の車両の動作の変化は、他の車両の加速または操舵角の変更である。
【0075】
車両10による車線変更の開始が検出された後に、車線変更先の車線で車両10よりも前方を走行している他の車両が加速または操舵角の変更が検出された場合、車両10の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両10と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0076】
また、変形例(1)に係る運転評価装置100において、他の車両の動作の変化は、他の車両による警告音の発生である。
【0077】
車両10による車線変更の開始が検出された後に他の車両から警告音が発生したことが検出された場合、車両10の車線変更が他の車両の運転者の運転に影響を及ぼしたと考えられる。つまり、車両10と他の車両とが衝突するリスクが高まったと考えられる。このように、衝突するリスクが高まる車線変更という運転行為が行われたことにより運転者の運転技能の評価値を低下させるため、当該運転行為に応じた評価ができる。よって、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0078】
(2)
変形例(2)に係る運転評価装置100Aは、図6に示すように、実施の形態の運転評価装置100の構成に、さらに、環境検出部105を備える構成である。図6は、変形例(2)に係る運転評価装置の構成を示すブロック図である。
【0079】
環境検出部105は、車両10の周囲環境を検出する。具体的には、環境検出部105は、カメラからの動画像に基づいて、車両10が走行中の道路が、車両10が車線変更せざるを得ない環境であることを周囲環境として検出する。例えば、車両10が車線変更せざるを得ない環境の道路は、車両10の所定距離前方において、車線減少している区間を有する道路である。車線減少している区間は、道路が2車線から1車線に減少している区間であってもよいし、3車線から2車線に減少している区間であってもよい。また、車線減少している区間は、道路工事や交通事故のための交通整理などにより一時的に車線が減少している区間であってもよい。また、車両10が車線変更せざるを得ない環境の道路は、車両10の所定距離前方において、主要な車線に合流する区間を有する道路であってもよい。
【0080】
また、環境検出部105は、車両10の位置情報と道路地図情報とを取得し、車両10が道路地図情報において車線減少している区間の所定距離後方に位置している場合に、車両10が車線変更せざるを得ない環境であると判定してもよい。
【0081】
また、環境検出部105は、カメラからの動画像に基づいて、車線変更が禁止されている道路を周囲環境として検出してもよい。環境検出部105は、車両10の位置情報と道路地図情報とを取得し、車両10が道路地図情報において車線変更が禁止されている道路を、車両10が車線変更せざるを得ない環境であると判定してもよい。
【0082】
そして、評価部103は、検出された周囲環境に応じた値を、評価値として算出してもよい。例えば、評価部103は、実施の形態または変形例(1)で算出された評価値を、周囲環境に応じて補正することで評価値を算出してもよいし、実施の形態のステップS11~S13の結果、または、変形例(1)のステップS21~S23の結果と、検出した周囲環境とに基づいて評価値を算出してもよい。これによれば、周囲環境に応じて評価値の算出を行うため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0083】
例えば、評価部103は、車線変更の開始が検出されたときに、車両10が車線変更せざるを得ない環境が周囲環境として検出された場合、評価値を上昇させてもよい。つまり、評価部103は、評価値を低下させずに元の評価値に戻してもよい。言い換えると、評価部103は、実施の形態において、評価値を低下させるためのステップS11~S13(またはステップS21~S23)の条件を満たした(ステップS11~S13でYesまたはステップS21~S23でYes)としても、評価値を低下させなくてもよい。
【0084】
これによれば、やむを得ずに車線変更せざるを得ない環境であったことが判明すれば、評価値を上昇させる(元に戻す)ため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0085】
また、例えば、評価部103は、車線変更の開始が検出されたときに、車線変更が禁止されている道路が周囲環境として検出された場合、評価値をさらに低下させてもよい。
【0086】
これによれば、車線変更が禁止されている環境であったことが判明すれば、評価値をさらに低下させるため、運転者の運転技能を正しく評価することができる。
【0087】
図7は、変形例(2)に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0088】
運転評価装置100Aは、自車(車両10)による車線変更の開始を検出したか否かを判定する(S31)。ステップS31の処理は、車線変更検出部101による処理である。
【0089】
運転評価装置100Aは、車線変更の開始を検出した場合(S31でYes)、車両10の周囲に他の車両があるか否かを判定する(S32)。ステップS32の処理は、動作検出部102による処理である。
【0090】
運転評価装置100Aは、車両10の周囲に他の車両がある場合(S32でYes)、周囲の他の車両の動作が変化したか否かを判定する(S33)。ステップS33の処理は、動作検出部102による処理である。
【0091】
運転評価装置100Aは、他の車両の動作が変化したと判定した場合(S33でYes)、車両10の周囲環境を検出する(S34)。ステップS34の処理は、環境検出部105による処理である。
【0092】
なお、運転評価装置100Aは、車線変更の開始を検出していない場合(S31でNo)、車両10の周囲に他の車両がない場合(S32でNo)、及び、周囲の他の車両の動作が変化していない場合(S33でNo)のいずれか1つを満たす場合、ステップS31に戻る。
【0093】
運転評価装置100Aは、検出した周囲環境に応じた値を、評価値として算出する(S35)。ステップS35の処理は、評価部103による処理である。
【0094】
運転評価装置100Aは、ステップS35の後、算出された評価値を運転者に提示する(S36)。ステップS36の処理は、提示部104による処理である。
【0095】
(3)
変形例(3)では、条件に応じて提示方法を切り替える例について説明する。変形例(3)は、実施の形態に係る運転評価装置100を用いて実現できる。
【0096】
図8は、変形例(3)に係る運転評価装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【0097】
運転評価装置100は、自車(車両10)による車線変更の開始を検出したか否かを判定する(S41)。ステップS41の処理は、車線変更検出部101による処理である。
【0098】
運転評価装置100は、車線変更の開始を検出した場合(S41でYes)、車線変更後の車線を走行する後続車両(他の車両20)があるか否かを判定する(S42)。ステップS42の処理は、動作検出部102による処理である。
【0099】
運転評価装置100は、車線変更後の車線を走行する後続車両がある場合(S42でYes)、後続車両が減速したか否かを判定する(S43)。ステップS43の処理は、動作検出部102による処理である。
【0100】
運転評価装置100は、後続車両が減速したと判定した場合(S43でYes)、評価値を算出する(S44)。具体的には、運転評価装置100は、車両10を運転している運転者の運転技能の評価値を低下させる。ステップS44の処理は、評価部103による処理である。
【0101】
なお、運転評価装置100は、車線変更の開始を検出していない場合(S41でNo)、車線変更後の車線を走行する後続車両がない場合(S42でNo)、及び、後続車両が減速していない場合(S43でNo)のいずれか1つを満たす場合、ステップS41に戻る。
【0102】
運転評価装置100は、ステップS44の後、提示方法が第1方法であるか第2方法であるかを判定する(S45)。具体的には、運転評価装置100は、評価値の低下幅が閾値を超えるか否かを判定し、評価値の低下幅が閾値を超える場合、提示方法が第1方法であると判定し、閾値を超えない場合(閾値以下である場合)、提示方法が第2方法であると判定する。
【0103】
ここで、評価値の低下幅とは、例えば、前回算出した評価値と、ステップS44で算出された評価値との差分であり、ステップS44で算出された評価値が前回算出された評価値よりも低い場合の差分である。このため、評価値が前回算出された評価値よりも高いあるいは同じである場合、低下幅は算出されなくてもよい。なお、評価値の低下幅とは、前回算出された評価値を基準とした低下幅に限らずに、基準値に対する低下幅であってもよい。また、評価値の低下幅とは、ステップS41~S43の条件がYesの場合に、評価値を低下させる処理における低下幅であってもよい。評価値の低下幅が閾値を超える場合、評価の対象となった運転行為の評価が規定の評価よりも低いことを意味する。つまり、低評価な運転行為が運転者によって行われたことを意味する。
【0104】
運転評価装置100は、提示方法が第1方法であると判定した場合(S45で第1方法)、第1方法で評価値を運転者に提示する(S46)。具体的には、運転評価装置100は、評価値を算出したときに当該評価値を運転者に提示する。つまり、第1方法では、評価値は、算出されたときに提示される。
【0105】
運転評価装置100は、提示方法が第2方法であると判定した場合(S45で第2方法)、第2方法で評価値を運転者に提示する(S47)。具体的には、運転評価装置100は、評価値を所定のタイミングで運転者に提示する。つまり、第2方法では、評価値は、所定のタイミングで提示される。所定のタイミングは、例えば、所定時間(2時間、5時間、1日など)毎の定期的なタイミングであってもよいし、運転者による車両10の運転が終わったと判定されたタイミングであってもよい。第2方法の場合、評価値が複数算出されている場合には、複数の評価値は、まとめて提示されてもよい。また、この場合、複数の評価値は、各評価値が算出された時刻とともに提示されてもよい。
【0106】
なお、例えば、評価値を加点方式で算出するか、減点方式で算出するかが切り替えられてもよい。加点方式及び減点方式の切り替えは、メモリに予め設定されている切替情報に基づいて行われる。つまり、切替情報が加点方式を示す場合、加点方式で評価値が算出され、切替情報が減点方式を示す場合、減点方式で評価値が算出される。また、切替情報が加点方式を示すか減点方式を示すかは、運転者を含むユーザにより設定されてもよいし、運転評価装置100に通信可能に接続される外部装置(サーバ)からの情報を運転評価装置100が受信することで設定されてもよい。
【0107】
加点方式では、評価値の上昇幅が閾値以下の場合(例えば、閾値以下の点数が加点された場合)、評価値の提示が行われず、評価値の上昇幅が閾値を超える場合、評価値の提示や運転者へのフィードバックの提示(例えば、運転者を褒めるメッセージの提示)が行われてもよい。
【0108】
減点方式では、評価値の低下幅が閾値を超える場合(例えば、閾値を超える点数が減点された場合)、評価値の提示や運転者へのフィードバックの提示(例えば、運転者に注意深い運転を促すメッセージの提示)を行い、評価値の低下幅が閾値以下の場合、評価値の提示が行われなくてもよい。
【0109】
例えば、運転評価装置100がBtoB向けに販売する装置である場合に減点方式に設定され、BtoC向けに販売する装置である場合に加点方式に設定されてもよい。また、例えば、車両10が乗用車とタクシーとで利用形態が切り替わる場合において、乗用車として利用される場合に加点方式に設定され、タクシーとして利用される場合に減点方式に設定されてもよい。また、例えば、車両10が社用車と私用車とで利用形態が切り替わる場合において、社用車として利用される場合に減点方式に設定され、私用車として利用される場合に加点方式に設定されてもよい。また、例えば、車両10が複数の運転者に利用される場合において、運転が上手な運転者に利用される場合に減点方式に設定され、初心者など運転が不得手な運転者に利用される場合に加点方式に設定されてもよい。
【0110】
(4)
上記実施の形態では、運転評価装置100は、提示部104を備えるとしたが、提示部104を備えていなくてもよい。この場合、運転評価装置100は、評価部103により算出された評価値を記憶する記憶部を有していてもよい。また、運転評価装置100は、評価部103により算出された評価値を出力する出力部を有していてもよい。出力部は、例えば、運転評価装置100と通信可能に接続されたサーバなどの情報処理装置に、評価値を出力してもよい。そして、情報処理装置は、評価値に基づいて運転者の自動車保険の保険料を算出してもよい、保険料は、評価値が大きいほど(つまり、運転者の運転技能が高いほど)、安く算出されてもよい。
【0111】
(5)
上記実施の形態では、運転評価装置100は、車両10に備えられるとしたが、車線変更の検出のための情報(例えば、カメラの動画像、ステアリングの操舵角、方向指示器の動作情報等)と、車両10の周囲の他の車両の動作の検出のための情報(例えば、カメラの動画像)とを取得できれば、車両10に備えられていなくてもよい。運転評価装置100は、車両10と通信可能に接続されるサーバなどの情報処理装置で実現されてもよい。
【0112】
以上、一つ又は複数の態様に係る運転評価装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0113】
また、例えば、上記実施の形態において、運転評価装置100、100Aが備える各装置の処理部の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の非一時的な記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0114】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0115】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウス等から構成されるコンピュータシステムである。そのRAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0116】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0117】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、その装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0118】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0119】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0120】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0121】
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラム又はデジタル信号を、ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0122】
本開示は、車線変更するときの運転者の運転技能を正しく評価することができる運転評価装置等として有用である。
【符号の説明】
【0123】
10 車両
20 他の車両
31、32 車線
100、100A 運転評価装置
101 車線変更検出部
102 動作検出部
103 評価部
104 提示部
105 環境検出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8