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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142532
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】移動体
(51)【国際特許分類】
   B63B 35/32 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B63B35/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054691
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】519298514
【氏名又は名称】炎重工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】古澤 洋将
(72)【発明者】
【氏名】山本 克己
(57)【要約】
【課題】岸壁付近に滞留する浮遊物を回収可能な移動体を提供する。
【解決手段】水上又は水中から浮遊体を回収する移動体であって、回収した前記浮遊体を貯蔵する浮遊体貯蔵部と、前記浮遊体を水上又は水中から回収し、回収した前記浮遊体を前記浮遊体貯蔵部に搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアが設けられる側に、水流を発生させる水流発生部と、を備える移動体。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上又は水中から浮遊体を回収する移動体であって、
回収した前記浮遊体を貯蔵する浮遊体貯蔵部と、
前記浮遊体を水上又は水中から回収し、回収した前記浮遊体を前記浮遊体貯蔵部に搬送するベルトコンベアと、
前記ベルトコンベアが設けられる側に、水流を発生させる水流発生部と、
を備える、
移動体。
【請求項2】
前記水流発生部は、前記ベルトコンベアに向かって流れる前記水流を発生させる吸い込みポンプである、
請求項1に記載の移動体。
【請求項3】
前記水流発生部は、外に向かって流れる前記水流を発生させる吐き出しポンプである、
請求項1に記載の移動体。
【請求項4】
前記浮遊体貯蔵部は、前記ベルトコンベアで搬送された前記浮遊体を第1側と第2側に振り分ける凸部を有する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項5】
受電部と、
前記受電部により充電される充電池と、
前記充電池から電力が供給される推進部と、を更に備える
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の移動体。
【請求項6】
前記受電部は、非接触方式により給電される、
請求項5に記載の移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、双胴船の船首両側にネツト状扉を開閉自在に設け、船中央部に船尾方向へ上向き傾斜を有するネツトコンベアを設け、船尾部に着脱自在な貯槽を設けて成るゴミ回収船が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62-187998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
水中又は水上に浮遊する浮遊物を回収する際に、岸壁付近に滞留する浮遊物を回収することが求められている。
【0005】
本開示は、岸壁付近に滞留する浮遊物を回収可能な移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、水上又は水中から浮遊体を回収する移動体であって、回収した前記浮遊体を貯蔵する浮遊体貯蔵部と、前記浮遊体を水上又は水中から回収し、回収した前記浮遊体を前記浮遊体貯蔵部に搬送するベルトコンベアと、前記ベルトコンベアが設けられる側に、水流を発生させる水流発生部と、を備える移動体である。
【発明の効果】
【0007】
本開示の移動体によれば、岸壁付近に滞留する浮遊物を回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る移動体システムの斜視図である。
図2図2は、第1実施形態に係る移動体システムが備える移動体の斜視図である。
図3図3は、第1実施形態に係る移動体システムが備える移動体の使用状態を示す側面図である。
図4図4は、第1実施形態に係る移動体システムが備える移動体における本体部の斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る移動体システムが備える移動体における本体部の平面図である。
図6図6は、第1実施形態に係る移動体システムが備える桟橋の斜視図である。
図7図7は、第1実施形態に係る移動体システムが備える桟橋における浮体の平面図である。
図8図8は、第1実施形態に係る移動体システムの使用状態を示す上面図である。
図9図9は、第1実施形態に係る移動体システムが備える移動体の構成の概要を示す図である。
図10図10は、第2実施形態に係る移動体システムの使用状態を示す上面図である。
図11図11は、第2実施形態に係る移動体システムの使用状態を示す上面図である。
図12図12は、第3実施形態に係る移動体システムの使用状態を示す上面図である。
図13図13は、第3実施形態に係る移動体システムの使用状態を示す上面図である。
図14図14は、第4実施形態に係る移動体システムが備える移動体の使用状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本実施例に係る桟橋及び移動体システムの具体例を、以下に図面を参照しながら説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0010】
なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に関して、実質的に同一の又は対応する機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する場合がある。また、理解を容易にするために、図面における各部の縮尺は、実際とは異なる場合がある。
【0011】
平行、直角、直交、水平、垂直、上下、左右などの方向には、実施形態の効果を損なわない程度のずれが許容される。角部の形状は、直角に限られず、弓状に丸みを帯びてもよい。平行、直角、直交、水平、垂直には、それぞれ略平行、略直角、略直交、略水平、略垂直が含まれてもよい。
【0012】
例えば、略平行は、2つの線あるいは2つの面が互いに完全に平行でなくても、製造上許容される範囲内で互いに平行として扱うことができることを意味する。他の略直角、略直交、略水平及び略垂直についても、略平行と同様に、2つの線又は2つの面の相互の位置関係が製造上許容される範囲内であればそれぞれに該当することが意図される。
【0013】
≪第1実施形態≫
第1実施形態に係る移動体システムについて説明する。図1は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1の斜視図である。
【0014】
なお、図面には、説明の便宜のために、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸(XYZ軸)からなる仮想三次元座標系(XYZ直交座標系)が設定される場合がある。図面の紙面に対して垂直な座標軸について、座標軸の丸の中に黒丸印を示す場合、当該座標軸が紙面に対して手前側に向いていることを表している。また、座標軸の丸の中にバツ印を示す場合、当該座標軸が紙面に対して奥側に向いていることを表している。
【0015】
ただし、当該座標系は、説明のために定めるものであって、本実施形態に係る移動体システム、移動体及び桟橋等の姿勢について限定するものではない。
【0016】
なお、以下の図面では、X軸方向及びY軸方向のそれぞれは、水平方向とする。Z軸は、垂直方向とする。
【0017】
また、Z軸方向に沿って、対象を+Z側からZ軸の反対向きに見る図を平面図という。Z軸方向に沿って、対象を+Z側からZ軸の反対向きに見ることを平面視という。
【0018】
なお、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向、という場合がある。+Y側からY軸の反対向きに見ることを基準として、対象に対して、+X側を左側、-X側を右側、+Y側を前側、-Y側を後ろ側、+Z側を上側、-Z側を下側、という場合がある。
【0019】
<移動体システム1>
移動体システム1は、移動体10と、桟橋20と、を備える。移動体システム1において、移動体10は、移動体10が使用されない場合、桟橋20に戻って接舷される。なお、本開示において、移動体10が桟橋20に接舷されるとは、後述する桟橋20における浮体22の接舷部22p(例えば、図6参照)に移動体10が位置している状態を表す。
【0020】
なお、移動体10が桟橋20に接舷される場合、移動体10は、ロープ等により桟橋20に係留されていてよいし、錨により停泊していてもよい。また、移動体10は、固定部材により動かないように固定されてもよいし、固定はせずに、後述するゲートより移動体10が桟橋20から離脱するのを防止するようにしてもよい。
【0021】
また、移動体10が桟橋20に接舷される場合、移動体10は桟橋20に接触していてもよいし、桟橋20から離れていてもよい。
【0022】
移動体10は、モータにより推進される。したがって、移動体10は、モータに電力を供給する充電池を有する。移動体10は桟橋20から電力が供給される。桟橋20から供給された電力により、移動体10が備える充電池が充電される。
【0023】
移動体システム1が備える移動体10及び桟橋20のそれぞれの詳細について説明する。
【0024】
<移動体10>
移動体10は、水上を自律航行可能な移動体である。移動体10は、例えば、船である。なお、移動体10は、船に限らず、例えば、筏、ボート、フロート、ブイ等でもよい。移動体10は、充電池を備える。移動体10は、充電池に貯められた電力によりモータを駆動して推進される。
【0025】
図2は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える移動体10の斜視図である。図3は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える移動体10の使用状態を示す側面図である。
【0026】
移動体10は、自律航行可能な移動体である。移動体10は、水上又は水中における浮遊物を回収する。浮遊物は、例えば、ペットボトル容器、空き缶、ビニル袋等のゴミである。移動体10は、回収した浮遊物を移動体10の内部に貯蔵する。移動体10が桟橋20に戻ったときに、移動体10に貯蔵された浮遊物が外部に搬送される。
【0027】
移動体10は、屋根11と、本体部12と、ベルトコンベア13と、水流発生部14a及び水流発生部14bと、受電部15と、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dと、を備える。
【0028】
移動体10は、海、湖、池等の水面SLに浮かべられる。移動体10が水面SLに浮かべられると、ベルトコンベア13の一部は、水面SLより下の水中UWに位置する。ベルトコンベア13の一部が水面SLより下の水中UWに位置することにより、ベルトコンベア13は水面SLに浮かぶ浮遊物又は水中UWを漂う浮遊物を回収できる。
【0029】
また、移動体10が水面SLに浮かべられると、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、水面SLより下の水中UWに位置する。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれが水面SLより下の水中UWに位置することにより、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれが推進力を発生できる。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれが推進力を発生することにより、移動体10は移動する。
【0030】
さらに、移動体10が水面SLに浮かべられると、水流発生部14aは、水面SLより下の水中UWに位置する。水流発生部14aは、例えば、矢印Fに示す向きに水流を発生させる。なお、水流発生部14aは、例えば、矢印Fに示す向きとは逆向きに水流を発生させてもよい。
【0031】
移動体10が備える各要素について詳細を説明する。
【0032】
[屋根11]
屋根11は、移動体10を風雨から保護する。また、屋根11は、貯蔵したゴミ等の浮遊物が飛ばされることを防止する。屋根11は、本体部12の上部に、本体部12の上部を覆うように設けられる。
【0033】
[本体部12]
本体部12について説明する。図4は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える移動体10における本体部12の斜視図である。図5は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える移動体10における本体部12の平面図である。なお、図4及び図5のそれぞれにおいて、本体部12に設けられるベルトコンベア13、水流発生部14a、水流発生部14b、受電部15、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dについても表示している。
【0034】
本体部12は、水上に浮くための船体である。本体部12における前側に、ベルトコンベア13が設けられる。また、本体部12における前側における下側に、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが設けられる。本体部12における後ろ側に、受電部15が設けられる。さらに、本体部12における左側に推進部16a及び推進部16bのそれぞれが設けられる。本体部12における右側に推進部16c及び推進部16dのそれぞれが設けられる。
【0035】
本体部12は、浮遊物貯蔵部12sを備える。浮遊物貯蔵部12sは、貯蔵部12s1と、貯蔵部12s2と、を有する。本体部12は、浮遊物貯蔵部12sにおける前側に、壁部12b1及び壁部12b2を備える。壁部12b1は、貯蔵部12s1に貯蔵した浮遊物が本体部12の前側から落下するのを防止する。同様に、壁部12b2は、貯蔵部12s2に貯蔵した浮遊物が本体部12の前側から落下するのを防止する。
【0036】
浮遊物貯蔵部12sは、貯蔵部12s1と貯蔵部12s2との間に、ベルトコンベア13から搬送された浮遊物を、本体部12を正面から見て、左側(第1側)の貯蔵部12s1と右側(第2側)の貯蔵部12s2に振り分ける凸部12pを有する。凸部12pの断面は、三角形状の形状を有する。
【0037】
凸部12pは、上部における左側に傾斜面12p1と、右側に傾斜面12p2と、を有する。また、凸部12pは、傾斜面12p1と傾斜面12p2との間に、曲面12p3を有する。
【0038】
傾斜面12p1は、正面視において左側に傾斜する。言い換えると、傾斜面12p1は、貯蔵部12s1側に傾斜して設けられる。傾斜面12p2は、正面視において右側に傾斜する。言い換えると、傾斜面12p2は、貯蔵部12s2側に傾斜して設けられる。
【0039】
凸部12pを有することにより、浮遊物貯蔵部12sは、ベルトコンベア13により回収した浮遊物を、貯蔵部12s1及び貯蔵部12s2のそれぞれに、振り分けることができる。例えば、ベルトコンベア13により搬送され、傾斜面12p1に落下した浮遊物は、貯蔵部12s1に落下する。また、ベルトコンベア13により搬送され、傾斜面12p2に落下した浮遊物は、貯蔵部12s2に落下する。さらに、ベルトコンベア13により搬送され、曲面12p3に落下した浮遊物は、傾斜面12p1及び傾斜面12p2のいずれかに振り分けられる。
【0040】
凸部12pは、曲面12p3を有することにより、ベルトコンベア13により搬送された浮遊物が、凸部12pの上側で留まることなく、貯蔵部12s1及び貯蔵部12s2のいずれかに振り分けられる。
【0041】
移動体10は、凸部12pを有することにより、ベルトコンベア13により搬送された浮遊物を貯蔵部12s1及び貯蔵部12s2のそれぞれに、振り分けできる。移動体10は、ベルトコンベア13により搬送された浮遊物を貯蔵部12s1及び貯蔵部12s2のそれぞれに振り分けることによって、多くの浮遊物をバランスよく浮遊物貯蔵部12sに貯蔵できる。
【0042】
本体部12は、平面視で、後ろ側に側部12S1と、右側に側部12S2と、左側に側部12S3を有する。側部12S1、側部12S2及び側部12S3のそれぞれは、XY平面に対して略垂直に設けられる。後述するように、側部12S1は、桟橋20における接舷端部22S1に接触又は接近する。側部12S3は、桟橋20における接舷端部22S3に接触又は接近する。
【0043】
また、本体部12は、平面視で前側に、傾斜部12S4と、傾斜部12S5とを備える。傾斜部12S4及び傾斜部12S5のそれぞれは、XY平面に対して略垂直に設けられる。傾斜部12S4及び傾斜部12S5のそれぞれは、YZ平面に対して傾斜して設けられる。傾斜部12S4及び傾斜部12S5のそれぞれが傾斜して設けられることにより、水面を流れてくる浮遊物をベルトコンベア13により回収できる。
【0044】
[ベルトコンベア13]
ベルトコンベア13は、水上又は水中における浮遊物を回収する。そして、ベルトコンベア13は、ベルトを回転させることにより、浮遊物を水上又は水中から取り上げる。さらに、ベルトコンベア13は、取り上げた浮遊物を本体部12における浮遊物貯蔵部12sに搬送する。ベルトコンベア13は、水上又は水中から浮遊物を取り上げて、浮遊物貯蔵部12sに搬送することにより、浮遊物を回収する。
【0045】
[水流発生部14a及び水流発生部14b]
水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、浮遊物を回収するために水流を発生させる。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、本体部12におけるベルトコンベア13側、すなわち、本体部12における前側、に設けられる。
【0046】
水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、例えば、ベルトコンベア13から離れる水流を発生させる吐き出しポンプである。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、図3に示すように、ベルトコンベア13の前方に水流を発生させる。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが吐き出しポンプの場合、例えば、岸壁に向かって水流を発生させることにより、岸壁に当たって水面を戻る水流を発生させ、ベルトコンベア13により浮遊物を回収できる。また、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが水流を発生させることにより、水中UWの浮遊物を水面SLに浮上させる。
【0047】
水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、図3及び図4のそれぞれに示すように、上側に傾けて設けられる。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが、上側に傾けて設けられることにより、斜め方向に水流を発生させる。また、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、図5に示すように、上面視でベルトコンベア13側に傾けて上側に傾けて設けられる。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが、ベルトコンベア13側に傾けて設けられることにより、ベルトコンベア13側に向かう水流を発生させる。
【0048】
なお、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、例えば、ベルトコンベア13に向かう水流を発生させる吸い込みポンプでもよい。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが、本体部12側に向かって水を吸い込むことにより、移動体10は、ベルトコンベア13に向かう水流を発生できる。ベルトコンベア13に向かう水流を発生させることにより、ベルトコンベア13は、浮遊物を回収できる。また、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれを回転させて、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれが水流を発生させる方向を変更できるようにしてもよい。また、複数の水流発生部を備えて、複数の水流発生部を切り替えて水流を発生させる方向を変更できるようにしてもよい。
【0049】
なお、図面において、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、直方体により簡略的に記載している。水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、例えば、水流を発生させるスクリューと、スクリューを回転させるモータと、を備える。なお、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれは、スクリューが設けられ、水が流れる流路を内部に備えていてもよい。
【0050】
[受電部15]
受電部15は、桟橋20に設けられる充電部25(図6参照)から電力を受電する。受電部15が充電部25から受電した電力は、充電池17(図9参照)に充電される。
【0051】
受電部15は、本体部12における後ろ側、より詳しくは、側部12S1の近傍に設けられる。
【0052】
なお、移動体10において、受電部15は、本体部12における後ろ側に設けているが、受電部15の場所は、本体部12における後ろ側に限らない。例えば、受電部15は、本体部12の左側又は右側、言い換えると、側部12S2又は側部12S3の近くに、設けてもよい。
【0053】
[推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16d]
推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、移動体を移動させるための水流を発生させる。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、いわゆる電動船外機である。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、充電池17に蓄電された電力により動作する。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、モータに接続されたスクリューを備える。
【0054】
推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、回転可能に本体部12に取り付けられ、スクリューによって推進力を発生させる方向を変更するようにしてもよい。例えば、移動体10は、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれが発生させる推進力の向きと、推進力の大きさを制御することにより、移動する方向及び速度を制御するようにしてもよい。移動体10は4つの推進部、すなわち、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16d、を備える。そして、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれにおける出力のバランスを変えることにより、移動体10は、360度どちらにも進むことができる。また、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれにおける出力を制御することにより、移動体10は、その場にとどまったままで回転できる。
【0055】
また、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、推進力を発生させる方向が固定されていてもよい。例えば、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれにおいて、推進力を発生させる方向が固定されている場合、例えば、推進部16a及び推進部16cのそれぞれは、X軸方向に推進力を発生させるようにしてもよい。そして、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、Y軸方向に推進力を発生させるようにしてもよい。移動体10は、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのいずれかを選択して動作させることにより、移動する方向及び速度を制御するようにしてもよい。
【0056】
なお、図面において、推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、直方体により簡略的に記載している。推進部16a、推進部16b、推進部16c及び推進部16dのそれぞれは、例えば、水流を発生させるスクリューと、スクリューを回転させるモータと、を備える。
【0057】
<桟橋20>
桟橋20は、移動体10を接舷させる。桟橋20は、移動体10を保管する。また、桟橋20において、移動体10の保守が行われる。さらに、桟橋20において、移動体への人の昇降が行われる。また、桟橋20において、物の搬入及び搬出が行われる。
【0058】
図6は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える桟橋20の斜視図である。図7は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える桟橋20における浮体22の平面図である。
【0059】
桟橋20は、屋根21と、浮体22と、ゲート23a及びゲート23bと、充電部25と、を備える。
【0060】
[屋根21]
屋根21は、接舷する移動体10を日差し及び雨から守るために設けられる。屋根21は、浮体22を覆うように、複数の柱により浮体22から離れて設けられる。屋根21は、複数のソーラパネル21sを備える。ソーラパネル21sにおいて発電された電力は、例えば、充電池に貯められて、充電部25から移動体10に供給される。
【0061】
なお、充電部25から移動体10に供給される電力は、ソーラパネル21sが発生する電力に限らず、例えば、桟橋20が接岸している陸から電力線を介して供給されてもよい。また、桟橋20に充電池を備えてもよい。
【0062】
[浮体22]
浮体22は、水上に浮くように設けられる。浮体22は、上面視で、U字状の形状を有する。浮体22は、上面視で矩形状の基部22aと、基部22aから+Y側に突出する突部22b1及び突部22b2と、を有する。浮体22は、基部22a、突部22b1及び突部22b2に囲まれる空間である接舷部22pを有する。桟橋20は、接舷部22pに移動体10を接舷させる。
【0063】
浮体22は、接舷部22pに、基部22aにおける+Y側に、接舷端部22S1を有する。また、浮体22は、突部22b1における-X側に、接舷端部22S2を有する。さらに、浮体22は、突部22b2における+X側に、接舷端部22S3を有する。
【0064】
接舷端部22S1と、接舷端部22S3とは、上面視において、移動体10における側面と略同一の形状を有する。言い換えると、接舷端部22S1及び接舷端部22S3は、移動体10における側部12S1及び側部12S3と上面視において、略同一の形状を有する。例えば、移動体10における側部12S1と側部12S3と間にある角部に対応して、桟橋20は、接舷端部23S1と接舷端部23S3との間に隅部を有するとよい。
【0065】
[ゲート23a及びゲート23b]
ゲート23a及びゲート23bは、桟橋20において移動体10を接舷する場合に、移動体10が桟橋20から離れて、接舷部22pから離脱することを防止する。ゲート23aは、浮体22における突部22b1に設けられる。ゲート23bは、浮体22における突部22b2に設けられる。
【0066】
[充電部25]
充電部25は、移動体10に、充電池に充電するための電力を供給する。充電部25は、移動体10における受電部15を介して、移動体10が備える充電池に電力を供給する。充電部25は、例えば、非接触方式により、桟橋20から移動体10に電力を供給する。なお、充電部25は、コネクタ等による接触方式により、移動体10に電力を供給するようにしてもよい。
【0067】
充電部25は、例えば、高さ方向(Z軸方向)に調整可能に設けられるようにしてもよい。言い換えると、充電部25は、高さを調整できるようにしてもよい。充電部25が高さ方向に調整可能に設けられることにより、例えば、移動体10に貯蔵される浮遊物の量により、移動体10が沈む深さが変わっても、充電部25と受電部15との位置合わせができる。
【0068】
充電部25は、接舷端部22S1の近傍に設けられる。充電部25は、移動体10が桟橋20に接舷したときに、受電部15に対向する位置に設けられる。
【0069】
なお、充電部25は、移動体10に設けられる受電部15の設置位置にあわせて、例えば、接舷端部22S2又は接舷端部22S3の近傍に設けられてもよい。
【0070】
次に、移動体10が桟橋20に接舷する状態について説明する。図8は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1において、桟橋20に移動体10が接舷する状態を示す上面図である。
【0071】
移動体10は、移動体10における側部12S1が、桟橋20における接舷端部22S1に接触又は接近するように、桟橋20に接舷する。また、移動体10は、移動体10における側部12S3が、桟橋20における接舷端部22S3に接触又は接近するように、桟橋20に接舷する。
【0072】
移動体システム1において、移動体10における側部12S1及び側部12S3と、桟橋20における接舷端部22S1及び接舷端部22S2とは、上面視で同形状を有する。側部12S1が接舷端部22S1に接触又は接近し、側部12S3が接舷端部22S3に接触又は接近するように、移動体10が桟橋20に接舷すると、充電部25は、受電部15と対向するようになっている。
【0073】
したがって、側部12S1が接舷端部22S1に接触又は接近し、側部12S3が接舷端部22S3に接触又は接近するように、移動体10が桟橋20に接舷することにより、充電部25と受電部15との位置合わせができる。
【0074】
充電部25と受電部15が離れた状態で、移動体10と桟橋20とが接舷すると、充電部25から受電部15に電力を供給できない場合がある。例えば、充電部25から受電部15に接触方式により給電する場合、充電部25と受電部15との間で、ケーブルの長さが足りずにコネクタの接続ができない場合がある。また、例えば、充電部25から受電部15に非接触方式により給電する場合、充電部25と受電部15とが離れていると、電力の伝送効率が落ちる場合がある。
【0075】
例えば、移動体10が自律航行を行う場合、移動体10において制御可能な位置精度は、全球測位衛星システム等の精度により、充電部25と受電部15との位置合わせを行うためには、精度が不足する場合がある。
【0076】
本実施形態に係る移動体システムによれば、桟橋における浮体が移動体の一部と上面視で同形状となる接舷端部を有することから、当該接舷端部に、移動体を接触又は接近させることにより、充電部と受電部との位置合わせができる。
【0077】
<移動体の構成>
本実施形態に係る移動体システムが備える移動体の機能について説明する。図9は、第1実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム1が備える移動体10の機能の概要について説明する図である。移動体10は、自律航行を行うために、制御部30を備える。制御部30が備える機能の概要について説明する。なお、図9は、移動体10が備える制御部30に接続する要素の一部も示す。
【0078】
制御部30は、演算部31と、慣性計測部32と、衛星測位部33と、駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34dと、駆動回路部35と、駆動回路部36a及び駆動回路部36bと、を備える。また、移動体10は、充電池17への充放電を制御する充電制御回路18を備える。各構成について詳細を以下に説明する。
【0079】
[演算部31]
演算部31は、移動体10の動作を制御する。演算部31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を備えるマイクロプロセッシングユニットにより構成される。演算部31は、CPUがROMに記録されているプログラムをRAMに展開して実行することにより処理を行う。
【0080】
演算部31は、慣性計測部32と、衛星測位部33と、に接続する。そして、演算部31は、慣性計測部32及び衛星測位部33から入力される計測結果に基づいて、移動体10の動作状態を監視する。例えば、演算部31は、慣性計測部32から入力される計測結果に基づいて、移動体10の速度及び移動体10の進行方向を監視する。また、演算部31は、衛星測位部33から入力される計測結果に基づいて、移動体10の位置、速度等を監視する。
【0081】
演算部31は、慣性計測部32及び衛星測位部33から入力される計測結果に基づいて、移動体10を自律航行させる。なお、移動体10は、例えば、操作部を備え、操作部における操作に基づいて手動航行を行ってもよい。また、移動体10は、例えば、無線コントローラ等を用いて、遠隔操作による手動航行を行ってもよい。
【0082】
[慣性計測部32]
慣性計測部32は、移動体10について運動状態を計測する。慣性計測部32は、例えば、三軸方向の加速度、三軸方向周りの角加速度及び三軸方向の方位の測定等を行う。
【0083】
慣性計測部32は、測定した結果を演算部31に出力する。演算部31は、慣性計測部32で測定した結果を用いて、自律航行のための制御を行う。
【0084】
[衛星測位部33]
衛星測位部33は、移動体10の位置を測定する。すなわち、衛星測位部33は、衛星測位システムを用いて測位を行う。衛星測位部33は、例えば、全球測位衛星システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)における受信機である。衛星測位部33は、衛星から送信された測位信号をアンテナ19により受信して測位を行う。
【0085】
衛星測位部33は、測位した結果を演算部31に出力する。演算部31は、衛星測位部33で測定した結果を用いて、自律航行のための制御を行う。
【0086】
[駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34d]
駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c、駆動回路部34dは、それぞれ、推進部16a、推進部16b、推進部16c、推進部16dが備えるモータを駆動する。駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34dのそれぞれは、いわゆる、モータドライバである。
【0087】
駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34dのそれぞれは、演算部31に接続される。駆動回路部34aは、演算部31からの指令に基づいて、推進部16aにおけるモータMOTORaを駆動する。駆動回路部34bは、演算部31からの指令に基づいて、推進部16bにおけるモータMOTORbを駆動する。駆動回路部34cは、演算部31からの指令に基づいて、推進部16cにおけるモータMOTORcを駆動する。駆動回路部34dは、演算部31からの指令に基づいて、推進部16dにおけるモータMOTORdを駆動する。
【0088】
駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34dのそれぞれは、例えば、パルス幅変調により、モータに供給する電力を調整する。駆動回路部34a、駆動回路部34b、駆動回路部34c及び駆動回路部34dのそれぞれは、モータに供給する電力を調整することにより、モータに接続されるスクリュープロペラの回転速度を制御する。スクリュープロペラの回転速度を制御することにより、移動体10における航行する速度と進行方向を制御する。
【0089】
なお、推進部12a、推進部12b、推進部12c及び推進部12dのそれぞれは、充電池17から電力が供給される。
【0090】
[駆動回路部35]
駆動回路部35は、ベルトコンベア13が備えるモータを駆動する。駆動回路部35は、いわゆる、モータドライバである。
【0091】
駆動回路部35は、演算部31に接続される。駆動回路部35は、演算部31からの指令に基づいて、ベルトコンベア13におけるモータMOTOR1を駆動する。ベルトコンベア13のモータMOTOR1が駆動されることにより、水面に浮かぶ浮遊物を回収するとともに、浮遊物貯蔵部12sに浮遊物を搬送する。
【0092】
[駆動回路部36a及び駆動回路部36b]
駆動回路部36a、駆動回路部36bは、それぞれ、水流発生部14a、水流発生部14bが備えるモータを駆動する。駆動回路部36a及び駆動回路部36bのそれぞれは、いわゆる、モータドライバである。
【0093】
駆動回路部36a及び駆動回路部36bのそれぞれは、演算部31に接続される。駆動回路部36aは、演算部31からの指令に基づいて、水流発生部14aにおけるモータMOTOR2aを駆動する。駆動回路部36bは、演算部31からの指令に基づいて、水流発生部14bにおけるモータMOTOR2bを駆動する。
【0094】
駆動回路部36a及び駆動回路部36bのそれぞれは、例えば、パルス幅変調により、モータに供給する電力を調整する。駆動回路部36a及び駆動回路部36bのそれぞれは、モータに供給する電力を調整することにより、モータに接続されるポンプの回転速度を制御する。ポンプの回転速度を制御することにより、水流発生部14a及び水流発生部14bのそれぞれにおいて発生させる水流の速度及び量を制御する。
【0095】
[充電制御回路18]
充電制御回路18は、受電部15から充電池17への充電を制御する。充電制御回路18は、演算部31に接続する。充電制御回路18は、演算部31からの指令に基づいて、受電部15から充電池17への充電を制御する。
【0096】
≪第2実施形態≫
第2実施形態に係る移動体システムについて説明する。図10及び図11のそれぞれは、第2実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム2の使用状態を示す上面図である。
【0097】
<移動体システム2>
移動体システム2は、移動体110と、桟橋120と、を備える。なお、図10及び図11において、移動体110及び桟橋120について、詳細な図示は省略している。移動体110及び桟橋120の詳細については、移動体システム1の説明を参照することとして、移動体システム2において、移動体システム1と異なる点を中心に説明する。
【0098】
図10は、移動体110が桟橋120に接舷する前の状態を示す。図11は、移動体110が桟橋120に接舷した状態を示す。
【0099】
移動体システム2における桟橋120は、平面視でL字状の形状を有する。桟橋120における接舷端部120S1及び接舷端部120S2は、移動体110の側部112S1及び側部112S2と平面視で同形状となる接舷端部となる。
【0100】
図10における矢印で示すように、移動体110は、桟橋120に接近する。そして、例えば、移動体110は、浮体112の一部を接舷端部122S1又は接舷端部122S2に接触させながら、最終的に、図11に示すように、移動体110は、桟橋120に接舷される。移動体110が浮体112の一部を接舷端部122S1又は接舷端部122S2に接触させながら移動することにより、自律航行における位置精度が十分でない場合でも、最終的に図11のように移動体110を桟橋120に接舷できる。
【0101】
移動体システム2において、桟橋120に移動体110が接舷すると、移動体110における受電部115と、桟橋120における充電部125とを、位置合わせできる。
【0102】
なお、移動体110は、移動体110が浮体112の一部を接舷端部122S1又は接舷端部122S2に接触した際の衝撃を抑えるために、例えば、角部又は側部にローラ又は緩衝部材を備えてもよい。
【0103】
また、移動体システム2における桟橋120は、移動体110が接舷した後に、移動体110を桟橋120に固定する固定部材126a及び固定部材126bを備える。固定部材126a及び固定部材126bのそれぞれは、浮体122に対して回転可能になっている。固定部材126a及び固定部材126bのそれぞれは、例えば、モータにより回転するようにしてもよい。
【0104】
移動体システム2における桟橋120が、移動体110が接舷した後に、移動体110を桟橋120に固定する固定部材126a及び固定部材126bを備えることにより、移動体110を桟橋120に固定できる。
【0105】
≪第3実施形態≫
第3実施形態に係る移動体システムについて説明する。図12及び図13のそれぞれは、第3実施形態に係る移動体システムの一例である移動体システム3の使用状態を示す上面図である。
【0106】
<移動体システム3>
移動体システム3は、移動体210と、桟橋220と、を備える。なお、図12及び図13において、移動体210及び桟橋220について、詳細な図示は省略している。移動体210及び桟橋220の詳細については、移動体システム1の説明を参照することとして、移動体システム3において、移動体システム1と異なる点を中心に説明する。
【0107】
図12は、移動体210が桟橋220に接舷する前の状態を示す。図13は、移動体210が桟橋220に接舷した状態を示す。
【0108】
移動体システム3における桟橋220は、平面視で円弧状の形状を有する接舷端部222S1を有する。桟橋220における接舷端部220S1は、移動体210の側部212S1と平面視で同形状となる接舷端部となる。
【0109】
また、移動体システム3における桟橋220は、移動体210が接舷した後に、移動体210を桟橋220に固定する固定部材226a及び固定部材226bを備える。固定部材226a及び固定部材226bのそれぞれは、浮体222に対して回転可能になっている。固定部材226a及び固定部材226bのそれぞれは、例えば、モータにより回転するようにしてもよい。
【0110】
移動体システム3において、桟橋220に移動体210が接舷すると、移動体210における受電部と、桟橋220における充電部とを、位置合わせできる。
【0111】
また、移動体システム3における桟橋220が、移動体210が接舷した後に、移動体210を桟橋220に固定する固定部材226a及び固定部材226bを備えることにより、移動体210を桟橋220に固定できる。
【0112】
≪第4実施形態≫
第4実施形態に係る移動体システムについて説明する。図14は、第4実施形態に係る移動体システムが備える移動体の一例である移動体310の使用状態を示す側面図である。
【0113】
<移動体310>
移動体310は、移動体10における水流発生部14a及び水流発生部14bに換えて、水流発生部314を備える。水流発生部314は、ベルトコンベア13の前方において、矢印Fに示すように垂直方向に水流を発生させる。水流発生部314がベルトコンベア13の前方において、垂直方向に水流を発生させることにより、ベルトコンベア13において、例えば、岸壁の隅に滞留する浮遊物を回収できる。
【0114】
水流発生部314は、例えば、吐き出しポンプである。なお、図面において、水流発生部314は、直方体により簡略的に記載している。水流発生部314は、例えば、水流を発生させるスクリューと、スクリューを回転させるモータと、を備える。なお、水流発生部314は、スクリューが設けられ、水が流れる流路を内部に備えていてもよい。
【0115】
なお、水流発生部314において、矢印Fと逆方向に水流を発生させてもよい。例えば、水流発生部314は、吸い込みポンプでもよい。また、水流発生部314は、垂直方向に水流を発生する場合に限らず、例えば、ベルトコンベア13側又はベルトコンベア13と反対側に水流を発生させるように、水流を発生させる角度を変更できるようにしてもよい。水流を発生させる角度を変更する場合、水流発生部314を回転させてもよいし、複数の水流発生部を備えてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1、2、3 移動体システム
10、110、210、310 移動体
11 屋根
12 本体部
12s 浮遊物貯蔵部
12s1、12s2 貯蔵部
12p 凸部
12S1、12S2、12S3 側部
12S4、12S5 傾斜部
13 ベルトコンベア
14a、14b、314 水流発生部
15、115 受電部
16a、16b、16c、16d 推進部
17 充電池
18 充電制御回路
20、120、220 桟橋
21 屋根
22、122、222 浮体
22p 接舷部
22S1、22S2、22S3、120S1、120S2、220S1 接舷端部
25、125 充電部
126a、126b、226a、226b 固定部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14