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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142541
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】測定装置及び測定システム
(51)【国際特許分類】
   G08C 17/00 20060101AFI20241003BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20241003BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20241003BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20241003BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G08C17/00 Z
G08C15/00 D
H01M10/48 P
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054702
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】510216728
【氏名又は名称】大作商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】大作 一平
【テーマコード(参考)】
2F073
5G064
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AA19
2F073AA32
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC08
2F073CC12
2F073CD11
2F073DD02
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE08
2F073DE13
2F073EE01
2F073FF01
2F073FG01
2F073FG02
2F073GG01
2F073GG05
5G064AA01
5G064AA04
5G064AC09
5G064CB08
5G064DA11
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503FA06
5G503GD05
5H030AS08
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
5H030FF52
(57)【要約】
【課題】車両ごとのバッテリを迅速かつ確実に取得できる測定装置及び測定システムを提供する。
【解決手段】測定装置100はバッテリ500に接続されている。測定装置100は、バッテリ500を測定する測定部10と、外部通信部110と無線通信可能かどうかを判断する制御部50と、前記制御部50が前記外部通信部110との通信が可能であると判断した場合に、前記測定部10による前記バッテリ500の測定結果を前記外部通信部110に送信する内部通信部20と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、当該車両のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
外部通信部と無線通信可能かどうかを判断する制御部と、
前記制御部が前記外部通信部との通信が可能であると判断した場合に、前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する内部通信部と、
を備える測定装置。
【請求項2】
車両が前記外部通信部と通信可能な領域内に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に自動で送信する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
少なくとも車両が駐車される駐車場又は営業所内に前記通信可能な領域が設定され、
車両が前記通信可能な領域に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に自動で送信する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
無人搬送車に搭載され、当該無人搬送車のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
前記測定部による前記バッテリの測定結果を外部通信部に送信する内部通信部と、
を備え、
前記内部通信部は連続的又は断続的に前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する、測定装置。
【請求項5】
前記無人搬送車は所定の敷地内を自動で移動する、請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
複数の車両の各々に設置された請求項1に記載の測定装置又は複数の無人搬送車の各々に設置された請求項4に記載の測定装置と、
前記測定装置と通信可能な外部装置と、
を備え、
前記外部装置は、前記測定装置による各バッテリの測定結果の履歴を識別情報と関連付けて記憶する外部記憶部を有する、測定システム。
【請求項7】
複数の車両の各々に設置された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定装置と、
前記測定装置と通信可能な外部装置と、
を備え、
外部装置からの指令を受けた場合に、前記外部通信部と通信可能な内部通信部が搭載されている車両のバッテリに対する測定部による測定結果を、内部通信部が外部通信部に送信する、測定システム。
【請求項8】
常時動作するモードとタイマー動作モードとを切り替え可能になっている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項9】
外部装置から測定及ぶ通信に関するスケジュールを受信し、
当該スケジュールに従って、測定部がバッテリを測定し、かつ外部装置との通信を試みる、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリに接続された測定装置及び測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両のバッテリを測定するためのバッテリテスタが提供されている(例えば特許文献1参照)。従来の態様は、バッテリテスタを用いて1又は複数の車両のバッテリを測定することが行われている。つまり、例えば1台のバッテリテスタをユーザが購入し、当該バッテリテスタを用いて、管理している1又は複数の車両のバッテリを測定することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-72838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、従来の発想とは異なり、バッテリテスタ等の測定装置を車両に搭載し、当該測定装置を用いて車両のバッテリを測定するものである。このような態様を採用することで、車両ごとのバッテリを迅速かつ確実に取得できるという、従来の態様と比較して優れた効果を得られるものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[概念1]
本発明による測定装置は、
車両に搭載され、当該車両のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
外部通信部と無線通信可能かどうかを判断する制御部と、
前記制御部が前記外部通信部との通信が可能であると判断した場合に、前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する内部通信部と、
を備てもよい。
【0006】
[概念2]
概念1による測定装置において、
車両が前記外部通信部と通信可能な領域内に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信してもよい。
【0007】
[概念3]
概念2による測定装置において、
少なくとも車両が駐車される駐車場又は営業所内に前記通信可能な領域が設定され、
車両が前記通信可能な領域に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に自動で送信してもよい。
【0008】
[概念4]
本発明による測定装置は、
無人搬送車に搭載され、当該無人搬送車のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
前記測定部による前記バッテリの測定結果を外部通信部に送信する内部通信部と、
を備え、
前記内部通信部は連続的又は断続的に前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信してもよい。
【0009】
[概念5]
概念4による測定装置は、
前記無人搬送車は所定の敷地内を自動で移動してもよい。
【0010】
[概念6]
本発明による測定システムは、
複数の車両の各々に設置された概念1乃至3のいずれか1つに記載の測定装置又は複数の無人搬送車の各々に設置された概念4又は5に記載の測定装置と、
前記測定装置と通信可能な外部装置と、
を備え、
前記外部装置は、前記測定装置による各バッテリの測定結果の履歴を記憶する外部記憶部を有してもよい。
【0011】
[概念7]
本発明による測定システムは、
複数の車両の各々に設置された概念1乃至3のいずれか1つに記載の測定装置又は複数の無人搬送車の各々に設置された概念4又は5に記載の測定装置と、
前記測定装置と通信可能な外部装置と、
を備え、
外部装置からの指令を受けた場合に、前記外部通信部と通信可能な内部通信部が搭載されている車両のバッテリに対する測定部による測定結果を、内部通信部が外部通信部に送信してもよい。
【0012】
[概念8]
概念1乃至5のいずれか1つの測定装置において、
常時動作するモードとタイマー動作モードとを切り替え可能になってもよい。
【0013】
[概念9]
概念1乃至5及び8のいずれか1つの測定装置において、
外部装置から測定及ぶ通信に関するスケジュールを受信し、
当該スケジュールに従って、測定部がバッテリを測定し、かつ外部装置との通信を試みてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明のようにバッテリテスタ等の測定装置を車両に搭載し、当該測定装置を用いて車両のバッテリを測定することで、車両ごとのバッテリを迅速かつ確実に取得できるという、従来の態様と比較して優れた効果を得られるものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施の形態による測定システムの構成の一例を示した概略図。
図2】本発明の第1の実施の形態において、通信可能な領域が車両の駐車される駐車場又は営業所内に設定されている態様を示した概略図。
図3】バッテリに接続された測定装置を示した概略図。
図4】本発明の第1の実施の形態による測定装置の一例を示した概略図。
図5】本発明の第2の実施の形態による測定システムの構成の一例を示した概略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
第1の実施の形態
図1に示すように、本実施の形態の測定装置100はバッテリ500に接続されており(図3も参照)、例えばバッテリテスタである。測定装置100は、バッテリ500の電流、電圧等を測定する測定部10と、外部通信部110と無線通信可能かどうかを判断する制御CPU等からなる制御部50と、制御部50が外部通信部110との通信が可能であると判断した場合に、測定部10によるバッテリ500の測定結果を外部通信部110に送信する内部通信部20と、を有してもよい。外部通信部110に送信された車両90に搭載されたバッテリ500の情報は、車両90を識別するための識別情報(例えば識別番号、識別記号等)と関連付けられて外部記憶部160に記憶されるようにしてもよい。この場合には、バッテリ500の各々がその状態(バッテリから出力される電圧値や電流値)とともに外部記憶部160に記憶されることになる。本実施の形態のバッテリテスタ等からなる測定装置100は、車両90に搭載されている点が特徴となる。また、制御部50によって内部通信部20による外部通信部110との通信可能かどうかが判断され、通信が可能な場合に、測定部10による測定結果を内部通信部20が外部通信部110に自動で送信することも特徴となる。このような態様を採用することで、バッテリテスタを車両90に持参して電圧や電流等を測定する必要がなくなり、内部通信部20が外部通信部110と通信可能な場合に、車両90に搭載されたバッテリ500の状況を把握することができる点で有益である。外部記憶部160はセンター等の外部施設200に設置されてもよい。
【0017】
測定装置100が設置される車両90は、運送用トラック、タクシー等の産業・商業用車両90であってもよい。但し、このような態様に限られることはなく、一般的な乗用車(自家用車)に測定装置100が設置されてもよい。車両90が例えばWi-Fi(登録商標)等からなる外部通信部110と通信可能な領域内に入った場合に、内部通信部20が測定部10によるバッテリ500の測定結果を外部通信部110に自動で送信するようにしてもよい。このような態様を採用した場合には、所定の場所に車両90が入った時点で、車両90に搭載されたバッテリ500の状況を外部通信部110が受信し、センター等に設置された外部装置150で確認できる点で有益である。外部装置150は、ユーザが管理するユーザ端末であってもよい。
【0018】
Wi-Fiが車両90の駐車される駐車場又は営業所に設置され、通信可能な領域(図2では「通信可能エリア」として示している。)が車両90の駐車される駐車場又は営業所内であってもよい。この場合には、車両90が駐車場又は営業所に入った場合に、内部通信部20が測定部10によるバッテリ500の測定結果を外部通信部110に自動で送信するようにしてもよい。このような態様を採用した場合には、例えば一日の営業を終了したタクシー等や目的地から戻ってきた運送用トラック等の車両90が営業所や駐車場等の所定の場所に入った時点で、バッテリ500の状況を外部通信部110が受信し、センター等に設置された外部装置150で確認できる点で有益である。また、予め定まった時刻になったタイミング(例えば午前0時といった定まった時刻)で、通信可能な領域にある車両に搭載されている測定装置100の内部通信部20と外部通信部110とが自動で通信し、測定部10によるバッテリ500の測定結果を外部通信部110に自動で送信するようにしてもよい。この場合には、例えば、所定の時刻になったタイミングで、内部通信部20が外部通信部110との通信を図り、通信可能な場合に、測定部10による測定結果が内部通信部20から外部通信部110に送信されることになる。
【0019】
複数の車両の各々に設置された測定装置100と、外部装置150とは、Wi-Fi及びインターネット等を介して通信可能となっており、外部装置150の外部記憶部160では、各車両90に搭載されたバッテリ500の測定結果の履歴を記憶してもよい。測定結果の履歴は、電流値、電圧値、測定日時等を含んでもよい。図4のWifi 通信部は内部通信部20の一例であり、測定用FETは測定部10の一例である。図4のA/Dは、AC/DCコンバータを示している。
【0020】
内部通信部20は通信可能となった時点における電圧、電流等の測定部10によるバッテリ500の測定結果を自動で外部通信部110に送信するようにしてもよい。このような態様を採用した場合には、簡易な構成で、最新のバッテリ500の状況をセンター等に設置された外部装置150で確認できる点で有益である。また、このような態様とは異なり、通信できなかった期間の測定部10による測定結果の履歴を内部記憶部60が記憶しており、内部通信部20は通信可能となった時点において、制御部50が内部記憶部60に記憶された測定結果の履歴を読み出して、当該測定結果の履歴を外部通信部110に送信するようにしてもよい。測定結果の履歴は、時間毎のバッテリ500の電圧、電流等が含まれてもよい。このような態様を採用した場合には、バッテリ500がどのような変化を行ったかの履歴を情報として保持することができる点で有益である。バッテリ500の履歴情報はグラフで表示されてもよく、例えば時間を横軸とし、電圧を縦軸としたグラフが、ユーザ端末300の表示部(例えば表示画面)で表示されるようにしてもよい。
【0021】
車両90が駐車場や営業所に停車しており、内部通信部20が外部通信部110と通信可能となっている状態においては、内部通信部20は継続的又は断続的に外部通信部110に対して測定結果を送信するようにしてもよい。このような態様を採用した場合には、例えば翌日に駐車場や営業所から車両90が出ていく直前までの車両90のバッテリ500の状態を把握することができる点で有益である。
【0022】
外部装置150(ユーザ端末300を含む。)からの指令に基づいて、車両90のバッテリ500に関する情報が内部通信部20から外部通信部110に対して送信されるようにしてもよい。この際には、外部装置150からバッテリの測定についての指令が入力され、当該指令が外部通信部110と通信可能な内部通信部20に送信され、当該内部通信部20が搭載されている1又は複数の車両90のバッテリ500に対する測定部10による電圧や電流の測定や、測温部40による温度測定が行われ、その測定結果が内部通信部20を介して外部通信部110に送信され、外部通信部110から外部装置150(ユーザ端末300を含む。)に送信されることになる。このような態様を採用する場合には、センターやユーザ等の指定したタイミングで、駐車場や営業所等に止められた1又は複数の車両90に搭載されたバッテリ500の状(電流や電圧等)を一括して把握できる点で有益である。
【0023】
本実施の形態で示す車両に予め搭載された測定装置100を採用する場合には、例えば建設機器等のショベルカー、ブルドーザー等の車両90が山間部等の遠隔地で作業をしている場合であっても、Wi-Fi等の外部通信部110を適宜の場所に設置するだけで、各車両90に設定されているバッテリ500の状況を随時把握することができる点で有益である。
【0024】
測定装置100から送信された車両90に搭載されたバッテリ500の状況は、車両90の識別情報とともに、内部通信部20が外部通信部110と通信可能な状態において、所定のスケジュールで、クラウド等の所定のサーバに送信されるようにしてもよい。例えば1分毎といった短い間隔で測定装置100による測定結果を内部通信部20が外部通信部110に送信してもよいし、24時間に1時間の間隔(23時間は測定せず、1時間だけ測定を行う態様)で測定装置100による測定結果を内部通信部20が外部通信部110に送信してもよい。当該所定のサーバは外部装置150と通信可能となっており、外部装置150では、車両90の識別情報とともに当該車両90のバッテリ500の状況を把握できるようにしてもよい。外部記憶部160では、車両90の識別情報に関連づけされたバッテリ500の状況を、例えば1か月といった一定期間の間、ログデータとして記憶してもよい。一定程度古い情報(例えば2日以上前のログデータ)は内部記憶部60から自動で削除されるようにしてもよい。
【0025】
測定装置100による測定のタイミングは、スマートフォン、タブレット、パソコン等からなるユーザ端末300から適宜変更することができるようになってもよい。この場合には、ユーザの選択するタイミングで車両90に搭載されたバッテリ500の状況を把握できる点で有益である。内部通信部20が外部通信部110に通信接続されておらず、所定のタイミングで送信ができない場合には、通信可能となったタイミングで、バッテリ500の状況を内部通信部20が外部通信部110に送信できるようにしてもよい。
【0026】
外部装置150は、所定の値よりもバッテリ500の電圧や電流が下がった場合には、警報を通知する監視部170を有してもよい。このような態様を採用した場合には、バッテリ500の電圧や電流が下がってしまっている異常な状態を迅速かつ確実に把握できる点で有益である。
【0027】
測定装置100は温度を測定する測温部40を有してもよい。測温部40での測定結果は、車両90の識別情報とともに、内部通信部20が外部通信部110と通信可能な状態において、所定の間隔(例えば1分間隔)で、クラウド等の所定のサーバに送信されるようにしてもよい。監視部170は、測温部40によって測定された温度が所定の温度よりも下がった場合や、測温部40によって測定された温度が所定の温度よりも上がった場合に、警報を通知してもよい。このような態様を採用した場合には、温度が異常な状態になっていることを迅速かつ確実に把握できる点で有益である。
【0028】
測定装置100は監視を強化する第一モード(監視優先モード)と、監視を弱める第二 モード(省エネモード)とを切り替え可能となってもよい。第一モードでは、常時ON状 態となり、バッテリの測定結果(例えば電圧や温度)を例えば1分間隔で取得しクラウ ドに送信するようにしてもよい。第二モードではデフォルトは節電状態となっており、 内部通信部20が外部通信部110と通信可能な状態となった場合にのみ、測定部40 による測定結果を内部通信部20が外部通信部110に送信するようにしてもよい。こ のような態様を採用する場合には、ユーザのニーズに合わせてバッテリ500の状態を 把握できるようになる点で有益である。
【0029】
第二モードでは、比較的長い期間のインターバルをおき、バッテリ500の測定を行ってもよく、例えば前述したように、24時間に1時間の間隔(23時間は測定せず、1時間だけ測定を行う態様)で測定装置100による測定結果を内部通信部20が外部通信部110に送信してもよい。
【0030】
所定の時刻が来たタイミングで測定装置100によるバッテリ500の測定を行う態様において、当該所定の時刻に外部通信部110と通信できない場合には、次のタイミングで外部通信部110と通信するようにしてもよい。この場合には、過去に通信すべきであった測定結果と本来通信すべき測定結果とをまとめて送信するようにしてもよい。
【0031】
第2の実施の形態
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0032】
本実施の形態のテスタ等からなる測定装置100はAGV(Automatic Guided Vehicle)等の無人搬送車95に搭載されたバッテリ500に接続されてもよい。この測定装置100は、バッテリ500の電流や電圧等を測定する測定部10と、測定部10によるバッテリ500の測定結果を外部装置150に送信する内部通信部20と、を有してもよい。内部通信部20は連続的又は断続的にバッテリ500の測定結果を外部装置150に送信するようにしてもよい。一例としては、1分等の所定の間隔で内部通信部20が外部装置150と通信を行い、無人搬送車95に搭載されたバッテリ500の状況を送信するようにしてもよい。第1の実施の形態で採用したあらゆる構成を第2の実施の形態でも採用することができる。第1の実施の形態で説明した部材に対しては同じ符号を付して説明する。
【0033】
AGV等の無人搬送車95は工場等の所定の敷地内を移動する車両90であってもよい。この場合、内部通信部20が連続的又は断続的にバッテリ500の測定結果を外部装置150に送信することによって、無人搬送車95に搭載されたバッテリ500の減り具合を連続的又は断続的にセンター等で把握することができるようになる。AGV等の無人搬送車95は予め定まった経路を移動することが一般的であるが(図5参照)、AGV等の無人搬送車95のバッテリ500の電圧が下がってしまって無人搬送車95が移動できなくなってしまうと、当該経路を塞いでしまい、例えば工場内での運送が停止してしまうことになる。このため、バッテリ500を常時観察し、無人搬送車95が停止してしまうリスクがないかを把握できることは非常に有益である。
【0034】
また、バッテリ500の減り具合を経時的に把握できることで、採用している無人搬送車95の経路が妥当なものであるかも検証することができる点で有益である。無人搬送車95が工場内等の敷地内を移動する際、別の無人搬送車95の往来や人の往来等によって停車することがあるが、その頻度が高くなるとバッテリ500の減りが早くなってしまう。このため、バッテリ500の減りが想定よりも早い場合には、別の経路を採用する等して、経路を変更し、ひいては無人搬送車95による搬送効率を高めることを期待できる点でも有益である。
【0035】
複数の無人搬送車95の各々に設置された測定装置100と、外部装置150とは、Wi-Fiやインターネット等を介して通信可能となっており、外部装置150の外部記憶部160では、各車両90に搭載されたバッテリ500の測定結果の履歴を記憶してもよい。この際には、第1の実施の形態で説明したように、車両90に搭載されたバッテリ500の情報(例えば所定の時刻における電圧値や電流値等)は、車両90を識別するための識別情報(例えば識別番号、識別記号等)と関連付けられて外部記憶部160に記憶されるようにしてもよい。
【0036】
変形例
第1の実施の形態及び第2の実施の形態の各々において、第三モード(常時動作モード)と、第四モード(タイマー動作モード)とを切り替え可能となってもよい。この場合には、後述するような異なる目的のために用いられる測定装置100を、1台で提供することができる点で有益である。
【0037】
第三モード(常時動作モード)は、一例として、AGV(第2の実施の形態参照)やロボット等の産業用バッテリに搭載する際に使用するモードである。第四モード(タイマー動作モード)は、一例として、自動車用(レンタカー,バス,トラック,緊急自動車等を含む。)に搭載する際に使用するモードである。
【0038】
測定装置100が時計機能を持ち、センター等の外部装置150から試験スケジュール(測定及び通信に関するスケジュール)を受信するようにしてもよい。この試験スケジュールでは、試験実施時間及び通信実施時間が決められていてもよい。測定装置100の時計機能は、外部装置150と通信実施時に同期を行うようにしてもよい。測定装置100での測定結果は内部記憶部60で記憶され、外部装置150と通信時に、測定結果が外部装置150に送信されるようにしてもよい。なお、測定装置100が時計機能を持つ態様、測定装置100が外部装置150から送信されてくるスケジュールに従って測定及び通信する態様は、第三モード及び第四モードとは関係なく、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の各々で採用されてもよい。
【0039】
第四モード(タイマー動作モード)では、試験実施時間及び通信実施時間以外はスリープモードに状態遷移するようになっている。このような態様を採用することで、バッテリ500の消耗を極力抑えることができる。このため、第四モード(タイマー動作モード)と設定できることで、測定装置100の消費電流を削減し、例えば数か月利用しない期間(観光バス等の閑散期)に対応しながらも、きちんとバッテリ500の状態を把握することができ、必要に応じてのバッテリ500の交換の実施又は延期の判断が簡易に実施することが可能となる。なお第1の実施の形態で第四モード(タイマー動作モード)が用いられる場合には、通信実施時間であり、かつ内部通信部20と通信可能である場合に限り、電圧等のバッテリ500の情報を、内部通信部20を介して外部装置150に送信することになる。
【0040】
第三モード(常時動作モード)では、常時電圧等のバッテリ500の情報をモニターし、外部装置150に送信することになる。この際、温度情報及びGPS位置情報を送信するようにしてもよい。第1の実施の形態で用いられる場合、内部通信部20と通信可能である場合に限り、電圧等のバッテリ500の情報を外部装置150に送信することになる。第2の実施の形態で用いられる場合には、送信されてくるバッテリ500の情報を外部装置150が解析することで、AGVラインの充電間隔の適正を算出するようにしてもよい。
【0041】
上述した各実施の形態の記載及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した各実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。また、出願当初の請求項の記載はあくまでも一例であり、明細書、図面等の記載に基づき、請求項の記載を適宜変更することもできる。
【符号の説明】
【0042】
10 測定部
20 内部通信部
50 制御部
90 車両
95 無人搬送車
100 測定装置
110 外部通信部
150 外部装置
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
[概念9]
概念1乃至5及び8のいずれか1つの測定装置において、
外部装置から測定及通信に関するスケジュールを受信し、
当該スケジュールに従って、測定部がバッテリを測定し、かつ外部装置との通信を試みてもよい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、当該車両のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
外部通信部と無線通信可能かどうかを判断する制御部と、
前記制御部が前記外部通信部との通信が可能であると判断した場合に、インターネットを介して外部装置に前記測定部による前記バッテリの測定結果を送信するために、前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する内部通信部と、
を備える測定装置。
【請求項2】
車両が前記外部通信部と通信可能な領域内に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に自動で送信する、請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
少なくとも車両が駐車される駐車場又は営業所内に前記通信可能な領域が設定され、
車両が前記通信可能な領域に入った場合に、前記内部通信部が前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に自動で送信する、請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
無人搬送車に搭載され、当該無人搬送車のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
インターネットを介して外部装置に前記測定部による前記バッテリの測定結果を送信するために、前記バッテリの測定結果を外部通信部に送信する内部通信部と、
を備え、
前記内部通信部は連続的又は断続的に前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する、測定装置。
【請求項5】
前記無人搬送車は所定の敷地内を自動で移動する、請求項4に記載の測定装置。
【請求項6】
複数の車両の各々に設置された請求項1に記載の測定装置又は複数の無人搬送車の各々に設置された請求項4に記載の測定装置と、
前記測定装置とインターネットを介して通信可能な前記外部装置と、
を備え、
前記外部装置は、前記測定装置による各バッテリの測定結果の履歴を識別情報と関連付けて記憶する外部記憶部を有する、測定システム。
【請求項7】
複数の車両の各々に設置された請求項1乃至3のいずれか1項に記載の測定装置と、
前記測定装置とインターネットを介して通信可能な前記外部装置と、
を備え、
インターネットを介して前記外部装置からの指令を受けた場合に、前記外部通信部と通信可能な内部通信部が搭載されている車両のバッテリに対する測定部による測定結果を、内部通信部が外部通信部に送信する、測定システム。
【請求項8】
車両に搭載され、当該車両のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
外部通信部と無線通信可能かどうかを判断する制御部と、
前記制御部が前記外部通信部との通信が可能であると判断した場合に、前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する内部通信部と、
を備え、
常時動作するモードとタイマー動作モードとを切り替え可能になっている測定装置。
【請求項9】
車両に搭載され、当該車両のバッテリに接続された測定装置であって、
前記バッテリを測定する測定部と、
外部通信部と無線通信可能かどうかを判断する制御部と、
前記制御部が前記外部通信部との通信が可能であると判断した場合に、前記測定部による前記バッテリの測定結果を前記外部通信部に送信する内部通信部と、
を備え、
外部装置から測定及通信に関するスケジュールを受信し、
当該スケジュールに従って、測定部がバッテリを測定し、かつ外部装置との通信を試みる測定装置。