(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142546
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】吊り物の昇降装置および吊り物の昇降システム
(51)【国際特許分類】
A63J 1/02 20060101AFI20241003BHJP
F21V 21/16 20060101ALI20241003BHJP
F21V 21/36 20060101ALI20241003BHJP
F16H 19/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A63J1/02
F21V21/16 310
F21V21/36 110
F21V21/36 170
F16H19/02 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054710
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】二宮 優樹
(72)【発明者】
【氏名】伊丹 和章
(72)【発明者】
【氏名】大野 貴之
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA60
3J062AB11
3J062AC07
3J062BA35
3J062CA02
(57)【要約】
【課題】 揺れ、振動などが検出された場合に、種々の運用場面に応じて、選択的にバトン装置の昇降を続けさせたり、停止させたりすることができる吊り物の昇降装置の提供。
【解決手段】 吊り物100の昇降装置1は、吊りワイヤ15が接続されたバトン装置2と、バトン装置2に設けられた振動検出センサ41と、吊りワイヤ15を巻き上げ、または繰り出して、バトン装置2を昇降する電動巻上機3と、運用場面に応じた異なる閾値Pn,P1-P3が設定された複数の昇降モードを有し、振動検出センサ41から入力される検出値αが閾値Pn,P1-P3以上の場合に電動巻上機3の駆動を停止する制御装置51と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊りワイヤが接続されたバトン装置と、
前記バトン装置に設けられた振動検出センサと、
前記吊りワイヤを巻き上げ、または繰り出して、前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、
運用場面に応じた異なる閾値が設定された複数の昇降モードを有し、前記振動検出センサから入力される検出値が前記閾値以上の場合に前記電動巻上機の駆動を停止する制御装置と、
を備えたことを特徴とする吊り物の昇降装置。
【請求項2】
前記複数の昇降モードは、最も小さな第1の閾値が設定された高感度昇降モードと、前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値が設定された中感度昇降モードと、前記第2の閾値よりも大きな第3の閾値が設定された低感度昇降モードと、を有することを特徴とする請求項1に記載の吊り物の昇降装置。
【請求項3】
前記複数の昇降モードをユーザが選択的に設定するモード設定部を有することを特徴とする請求項2に記載の吊り物の昇降装置。
【請求項4】
告知部を有し、
前記制御装置は、前記振動検出センサから入力される検出値が前記閾値以上の場合に前記告知部を駆動することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の吊り物の昇降装置。
【請求項5】
振動検出センサが設けられたバトン装置と、
前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、
前記バトン装置の昇降を操作する操作部と、
運用場面に応じて異なる閾値が設定された複数の昇降モードを選択設定するモード設定部と、
前記振動検出センサから検出値が入力されるデータ管理・解析部と、
前記電動巻上機を駆動制御する昇降制御部と、
を備え、
前記データ管理・解析部は、前記振動検出センサから入力される検出値が選択された前記昇降モードの前記閾値以上の場合に、前記昇降制御部が前記電動巻上機の駆動を停止制御することを特徴とする吊り物の昇降システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り物の昇降装置および吊り物の昇降システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ局などのスタジオ、劇場、舞台などに設置される吊り物の昇降装置が周知である。この昇降装置は、照明器具、音響装置、舞台幕、看板などの吊り物を昇降させるための舞台設備である。従来の昇降装置は、ワイヤに吊り下げられた照明用、音響用、美術用、幕用などのバトン装置を巻上機によって昇降する。なお、巻上機は、ワイヤを巻き取り、または繰り出すことによりバトン装置を昇降するための手動または電動の装置である。
【0003】
このような昇降装置には、ウインチなどの電動巻上機によるバトン装置の昇降を自動で停止させる機能を備えたものが知られている。この昇降装置は、バトン装置の揺れ、振動などを検出するセンサが設けられる。センサは、昇降中のバトン装置に揺れ、振動などによって生じる異常な状態を検出する。
【0004】
そして、昇降装置は、バトン装置の揺れ、振動などをセンサが検出したとき、電動巻上機によるバトン装置の昇降を停止する。これにより、昇降装置は、吊り物またはバトン装置が障害物と接触、衝突したときの被害を軽減することができる。なお、障害物とは、人間、美術セット、他のバトン装置、他の吊り物などである。
【0005】
ところで、従来の昇降装置は、バトン装置の昇降を停止する際のセンサの判定基準値が一定である。そのため、従来の昇降装置は、バトン装置に揺れ、振動などが生じたときに、種々の運用場面に対応して、バトン装置の昇降を続けさせたり、緊急停止させたりすることができないという問題がある。
【0006】
即ち、昇降装置は、番組の撮影中、劇場、舞台などの公演中に、例えば、複数台の照明器具などを吊るしてバトン装置の昇降を行わないで運用したり、演出などによって、美術セットなど吊りしてバトン装置の昇降を行う運用をしたりと、種々の運用場面がある。また、昇降装置は、スタジオ、劇場、舞台などの設営中または保守点検中に、バトン装置を昇降させたりもする。
【0007】
そのため、従来の昇降装置は、バトン装置の昇降を停止する揺れ、振動などのセンサの判定基準値が一定(1つの判断値のみ)であると、種々の運用場面での対応が難しいという課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の実施形態によれば、揺れ、振動などが検出された場合に、種々の運用場面に応じて、バトン装置の昇降を続けさせたり、停止させたりすることができる吊り物の昇降装置および吊り物の昇降システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
実施形態に係る吊り物の昇降装置は、吊りワイヤが接続されたバトン装置と、前記バトン装置に設けられた振動検出センサと、前記吊りワイヤを巻き上げ、または繰り出して、前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、運用場面に応じた異なる閾値が設定された複数の昇降モードを有し、前記振動検出センサから入力される検出値が前記閾値以上の場合に前記電動巻上機の駆動を停止する制御装置と、を備える。
【0011】
実施形態に係る吊り物の昇降システムは、振動検出センサが設けられたバトン装置と、前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、前記バトン装置の昇降を操作する操作部と、運用場面に応じて異なる閾値が設定された複数の昇降モードを選択設定するモード設定部と、前記振動検出センサから検出値が入力されるデータ管理・解析部と、前記電動巻上機を駆動制御する昇降制御部と、を備え、前記データ管理・解析部は、前記振動検出センサから入力される検出値が選択された前記昇降モードの前記閾値以上の場合に、前記昇降制御部が前記電動巻上機の駆動を停止制御する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施形態の吊り物の昇降装置および吊り物の昇降システムは、揺れ、振動などが検出された場合に、種々の運用場面に応じて、バトン装置の昇降を続けさせたり、停止させたりすることができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】照明器具を吊り下げる昇降装置の構成を示す正面図
【
図3】照明バトンのフロントパネルを外した状態のバトン装置を示す分解斜視図
【
図4】照明バトンの一方の側部(右側部)を右斜め上方から見た斜視図
【
図5】照明バトンの一方の側部(右側部)を右斜め下方から見た分解斜視図
【
図6】照明バトンの一方の側部(右側部)を右斜め下方から見た斜視図
【
図7】照明バトンのフロントパネルを外した状態の正面図
【
図8】変形例の照明バトンのフロントパネルを外した状態の正面図
【
図9】昇降装置のバトン装置、巻上機、制御装置および操作パネルの構成を示すブロック図
【
図10】制御装置がバトン装置の昇降中に実行する制御例を示すフローチャート
【
図11】選択モード、運用場面、検知レベルおよび判定閾値を示す表
【
図12】制御装置が選択されたモードから判断閾値の設定を実行する制御例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
実施形態に係る吊り物の昇降装置は、吊りワイヤが接続されたバトン装置と、前記バトン装置に設けられた振動検出センサと、前記吊りワイヤを巻き上げ、または繰り出して、前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、運用場面に応じた異なる閾値が設定された複数の昇降モードを有し、前記振動検出センサから入力される検出値が前記閾値以上の場合に前記電動巻上機の駆動を停止する制御装置と、を備える。
【0015】
また、前記複数の昇降モードは、最も小さな第1の閾値が設定された高感度昇降モードと、前記第1の閾値よりも大きな第2の閾値が設定された中感度昇降モードと、前記第2の閾値よりも大きな第3の閾値が設定された低感度昇降モードと、を有する。
【0016】
また、前記複数の昇降モードをユーザが選択的に設定するモード設定部を有する。
【0017】
また、告知部を有し、前記制御装置は、前記振動検出センサから入力される検出値が前記閾値以上の場合に前記告知部を駆動する。
【0018】
また、実施形態に係る吊り物の昇降システムは、振動検出センサが設けられたバトン装置と、前記バトン装置を昇降する電動巻上機と、前記バトン装置の昇降を操作する操作部と、運用場面に応じて異なる閾値が設定された複数の昇降モードを選択設定するモード設定部と、前記振動検出センサから検出値が入力されるデータ管理・解析部と、前記電動巻上機を駆動制御する昇降制御部と、を備え、前記データ管理・解析部は、前記振動検出センサから入力される検出値が選択された前記昇降モードの前記閾値以上の場合に、前記昇降制御部が前記電動巻上機の駆動を停止制御する。
【0019】
以下に図面を参照しながら、一態様の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の
説明に用いる図においては、各構成要素を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、
構成要素毎に縮尺を異ならせてあるものである。そのため、本発明の実施形態は、図面に記載された構成要素の数量、構成要素の形状、構成要素の大きさの比率、および各構成要素の相対的な位置関係のみに限定されるものではない。
【0020】
図1に示す、本実施形態の昇降装置1は、吊り物である照明器具100を鉛直上下方向に昇降する照明昇降機構を例示する。なお、昇降装置1は、音響装置、看板、舞台幕などの種々の吊り物を昇降する各種昇降機構にも適用できる。
【0021】
昇降装置1は、バトン装置2と、電動巻上機3と、を有する。バトン装置2は、複数台の照明器具100を保持する。バトン装置2は、複数台の照明器具100が設置されて支持する。バトン装置2は、複数台の照明器具100を纏めて鉛直上下方向に昇降移動する照明バトン装置である。
【0022】
バトン装置2は、ここでは照明バトンとしてのバトンユニット10と、吊りパイプ20と、を有する。バトン装置2は、ここでは2本の吊りワイヤ15が接続されている。バトン装置2は、2本の吊りワイヤ15が電動巻上機3に巻き上げられることによって上昇移動する。また、バトン装置2は、2本の吊りワイヤ15が電動巻上機3から繰り出されることによって下降移動する。
【0023】
電動巻上機3は、グリッド4に固定して設置される電動ウインチなどの昇降機である。なお、グリッド4は、テレビ局のスタジオ、ホール、劇場などの建物の天井に設けられた井桁状の簀の子、ぶどう棚などである。グリッド4には、バトン装置2に接続された2本の吊りワイヤ15を垂直方向から電動巻上機3に向けて延設させる2つのプーリ(方向変換滑車)5が設置される。
【0024】
バトン装置2は、グリッド4から下方に垂設されたケーブル12が接続される。ケーブル12は、複数台の照明器具100の給電線、複数台の照明器具100を点灯制御などする制御線が含まれた複合ケーブルである。
【0025】
バトン装置2は、
図2に示すように、照明バトンとしてのバトンユニット10と、吊りパイプ20と、を有する。バトンユニット10は、中央上部にケーブル用カゴ11が設けられている。
図1に示したケーブル12は、折り畳んだ状態でケーブル用カゴ11内に収容される。
【0026】
ケーブル12は、バトン装置2の鉛直下方への移動に伴いケーブル用カゴ11から引き出される。また、ケーブル12は、バトン装置2の鉛直上方への移動に伴いケーブル用カゴ11に折り畳まれて収容される。
【0027】
バトンユニット10は、ここでは両側上部のそれぞれに、ワイヤ接続部材であるワイヤ接続金物13が締結される。即ち、バトンユニット10は、2つのワイヤ接続金物13が固定された構成である。2つのワイヤ接続金物13には、吊りワイヤ15が接続される。なお、吊りワイヤ15は、例えば、ターンバックルが設けられたワイヤホルダ14内にて留められている。
【0028】
吊りパイプ20は、バトンユニット10の下方において、ここでは3つのパイプホルダ21によって保持される。吊りパイプ20は、両端にエンドキャップであるパイプエンド22が装着される。なお、
図1に示した複数台の照明器具100は、図示しないクランプなどによって、吊りパイプ20の長手方向に並べて固定される。
【0029】
バトンユニット10は、
図3に示すように、フロントパネル31と、バックパネル32と、上部パネル33と、下部パネル34と、サイドカバーである2つのサイドパネル35と、を有する。バトンユニット10は、これらのパネル31~35が図示しないビスなどにより組付けられることにより、中空の横長な略直方体形状となっている。
【0030】
上部パネル33および下部パネル34は、中途に配置された2つの支持金具36と、両側に組付けられる2つのサイドパネル35によって、上下方向に所定の距離を有して離間するように保持される。
【0031】
そして、バトンユニット10は、上部パネル33および下部パネル34の縁辺部分に、フロントパネル31およびバックパネル32が組付けられる。なお、フロントパネル31には、複数台の照明器具100の給電用コードおよび制御用コードのプラグが接続される複数のコンセント16が設けられる。
【0032】
バトンユニット10は、両側部分に設けられた吊り部材(吊り金物)である2つの吊りアーム37を有する。2つの吊りアーム37は、
図4に示すように、ワイヤ接続金物13の鉛直下方側の直線上に設けられる。2つの吊りアーム37は、下部パネル34の長手方向に沿って形成された孔部である長孔38に挿通して、下部パネル34から下方に延出する。なお、2つの吊りアーム37は、下部パネル34の長孔38への挿通により、下部パネル34とは非接触状態に配設される。
【0033】
そして、2つの吊りアーム37は、下端部分が吊りパイプ20を保持するパイプ保持部材のパイプホルダ21と締結される。なお、2つの吊りアーム37には、揺れ、振動などを検出するセンサユニット41がそれぞれ固定される。センサユニット41は、上部パネル33と下部パネル34との間の吊りアーム37の中途位置に固定される。
【0034】
そのため、センサユニット41は、ワイヤ接続金物13の鉛直下方側であって、パイプホルダ21の鉛直上方側の直線上に配置される。即ち、センサユニット41は、上部パネル33と下部パネル34との間のバトンユニット10の内部に配置される。
【0035】
バトンユニット10の両端部分の構造を、
図5および
図6に基づいて、より具体的に説明する。なお、ここでは、バトンユニット10の右側部のみを例示して説明する。
【0036】
図5および
図6に示すように、吊りワイヤ15と、この吊りワイヤ15が接続されるワイヤ接続金物13と、吊りアーム37と、吊りパイプ20を保持するパイプホルダ21と、センサユニット41とが直線上に配置される。
【0037】
ワイヤ接続金物13と吊りアーム37は、上部パネル33を挟むように4セットのボルト26aおよびナット26bによって締結される。即ち、ワイヤ接続金物13は、上部パネル33の上面に締結される。吊りアーム37は、上部パネル33の下面に締結される。
【0038】
ワイヤ接続金物13は、上部が断面矩形凹状であって、下部が断面T字状の金物である。吊りアーム37は、上部が断面T字状の金物である。なお、ワイヤ接続金物13の矩形状の下面部、吊りアーム37の矩形状の上面部、上部パネル33には、所定の4か所にボルト26aを通すためのボルト孔13a,37b,26bが形成されている。
【0039】
吊りアーム37は、下部側に2つのボルト孔37aが穿孔されている。2つのボルト孔37aは、吊りアーム37の長手方向に沿った上下方向に並設するように形成される。吊りアーム37は、下部パネル34の長孔38に挿通された後、下部パネル34から下方に延出する板状の下端部分がパイプホルダ21の上方に延設した2つの板体に挟まれるように配置される。なお、パイプホルダ21は、吊りパイプ20が配置されるリング体と、このリング体から延設された2つの板体と、を有する。
【0040】
パイプホルダ21の2つの板体には、2つのボルト孔21aが穿孔されている。これら、2つのボルト孔21aは、吊りアーム37の2つのボルト孔37aと一致するように、板体の長手方向に沿った上下方向に並設するように形成される。
【0041】
吊りアーム37とパイプホルダ21は、それぞれのボルト孔37a,21aが合わせられて、ボルト孔37a,21aにボルト25aが通される。吊りアーム37とパイプホルダ21は、2セットのボルト25aおよびナット25bによって締結される。
【0042】
吊りアーム37は、上部パネル33と下部パネル34との間に位置する中途部にセンサユニット41が固定される。吊りアーム37は、平板状のセンサ保持板42が固定される。吊りアーム37の中途部には、穿孔された複数、ここでは5つのビス孔37cを有する。
【0043】
センサ保持板42は、複数、ここでは5つのビス孔42aを有する。5つのビス孔42aは、吊りアーム37の5つのビス孔37cと一致するセンサ保持板42の位置に穿孔される。センサ保持板42は、吊りアーム37の中途部に面接触するように配置される。センサ保持板42は、複数、ここでは5つの固定ビス27が5つのビス孔42a,37cに螺着して吊りアーム37に固定される。
【0044】
センサ保持板42には、センサユニット41が面接触するように固定される。センサユニット41は、加速度センサ43などの電子部品が実装されたセンサ基板である。ここでの加速度センサ43は、バトン装置2のバトンユニット10の揺れ、振動、衝撃などを検出する、例えば、3軸加速度センサである。
【0045】
即ち、センサユニット41は、検知部である振動検出センサを構成する。なお、センサユニット41は、加速度センサ43の他、ジャイロセンサなどが実装されていてもよい。
【0046】
センサユニット41は、複数、ここでは4つのビス孔42bを有する。4つのビス孔42bは、センサユニット41の四隅に穿孔される。センサ保持板42は、複数、ここでは4つのビス孔42bを有する。4つのビス孔42bは、センサユニット41の4つのビス孔41aと一致するセンサ保持板42の四隅の位置に穿孔される。
【0047】
センサユニット41は、複数、ここでは4つの固定ビス28が4つのビス孔41a,42bに螺着してセンサ保持板42に固定される。これにより、センサユニット41は、上部パネル33と下部パネル34との間において、吊りアーム37の中途位置に固定される。こうして、センサユニット41は、バトンユニット10の内部に設置される。なお、サイドパネル35は、上部パネル33と下部パネル34の側部と、図示しないビスにより固定される。
【0048】
以上に説明した、バトン装置2のバトンユニット10は、
図7に示すように、吊りパイプ20を保持するパイプホルダ21、パイプホルダ21に締結する吊りアーム37、および吊りワイヤ15が接続されたワイヤ接続金物13が直線上に配置される。
【0049】
そして、バトン装置2のバトンユニット10は、吊りアーム37の中途にセンサユニット41が固定された構成である。即ち、吊りアーム37に固定されたセンサユニット41も、パイプホルダ21およびワイヤ接続金物13と直線上の位置に設置される。
【0050】
このように、バトン装置2のバトンユニット10は、下方から吊りパイプ20を保持するパイプホルダ21、吊りアーム37、吊りワイヤ15が接続されるワイヤ接続金物13およびセンサユニット41が直線上に配置される。即ち、バトンユニット10は、少なくとも2組の直線上に配置されるパイプホルダ21、吊りアーム37、ワイヤ接続金物13およびセンサユニット41を有する構成となる。
【0051】
なお、バトン装置2のバトンユニット10は、
図8に示すように、センサユニット41をパイプホルダ21と直線上の支持金具36にも設置してもよい。即ち、バトンユニット10は、3組の直線上に配置されるパイプホルダ21およびセンサユニット41を有する構成となる。
【0052】
以上に説明したように、本実施形態の昇降装置1のバトン装置2は、吊りパイプ20を保持するパイプホルダ21、このパイプホルダ21と締結される吊りアーム37、この吊りアーム37の中途に設けられるセンサユニット41、および吊りワイヤ15が接続されるワイヤ接続金物13が直線上に配置された構成を有する。
【0053】
また、センサユニット41が設けられる吊りアーム37は、バトンユニット10の下部パネル34の長孔38に挿通して、下部パネル34から下方に延設した下端部分にパイプホルダ21が締結される。そして、吊りアーム37は、下部パネル34の長孔38によって、下部パネル34とは非接触の構造である。
【0054】
これにより、昇降装置1は、バトン装置2と障害物との接触、衝突などがセンサユニット41に直接的に伝わり、センサユニット41の振動などの検知感度が向上する。即ち、昇降装置1は、吊りパイプ20を保持するパイプホルダ21が締結される吊りアーム37とセンサユニット41がバトン装置2の鉛直上下方向である昇降方向に対して直線上に設置することにより、センサユニット41による振動の検出感度が向上する構造となっている。
【0055】
以上のように構成された本実施形態の吊り物の昇降装置1は、吊りパイプ20を支える吊りアーム37にセンサユニット41を設けた構造によって、照明器具100、吊りパイプ20またはバトンユニット10が障害物と接触、衝突などした場合に、吊りアーム37から直接的に振動などがセンサユニット41に伝わり易くなる。そのため、昇降装置1は、障害物との接触時、衝突時などにおけるセンサユニット41の振動検出値が大きくなり、センサ検知感度が向上する。
【0056】
ところで、昇降装置1は、
図9に示すように、制御装置51と、この制御装置51と図示しない制御線によって接続された操作パネル55と、を有する吊り物の昇降システムが構成される。
【0057】
バトン装置2の2つのセンサユニット41は、制御装置51と制御信号を授受する図示しない制御線によって接続される。バトン装置2を昇降する電動巻上機3は、制御装置51と制御信号を授受する図示しない制御線によって接続される。
【0058】
制御装置51は、処理実行部52を有する。処理実行部52は、データ管理・解析部53と、昇降制御部54と、を有する。データ管理・解析部53には、検知部である2つのセンサユニット41から検出信号が入力される。
【0059】
処理実行部52のデータ管理・解析部53は、2つのセンサユニット41の加速度センサ43によって検出された加速度に基づいて、バトン装置2の異常を検出する。このとき、昇降制御部54は、電動巻上機3の駆動を制御して、バトンユニット10の昇降を停止する。
【0060】
操作パネル55は、操作部56と、モード設定部57と、告知部58と、を有するバトン装置2の昇降を操作する操作装置である。操作部56は、制御装置51の処理実行部52と制御信号を授受する図示しない制御線によって接続される。なお、操作部56には、図示しない昇ボタン、降ボタン、緊急停止ボタンなどが設けられる。
【0061】
操作部56の昇ボタンは、バトン装置2を上昇する際にユーザが押下する操作ボタンである。操作部56の降ボタンは、バトン装置2を下降する際にユーザが押下する操作ボタンである。操作部56の緊急停止ボタンは、バトン装置2の昇降を緊急停止する際にユーザが押下する操作ボタンである。
【0062】
なお、昇降装置1は、ユーザが操作部56の昇ボタンまたは降ボタンを押下し続けないと、バトン装置2が昇降しない構成となっている。即ち、昇降装置1は、ユーザが操作部56の昇ボタンまたは降ボタンから手を放して押下をやめると、バトン装置2の昇降が停止する構成である。
【0063】
モード設定部57には、後述する複数の昇降モードをユーザが選択して設定操作できる図示しないモード選択ボタンなどが設けられる。モード設定部57は、制御装置51のデータ管理・解析部53と制御信号を授受する図示しない制御線によって接続される。
【0064】
告知部58は、制御装置51の処理実行部52と制御信号を授受する図示しない制御線によって接続される。告知部58は、バトン装置2の異常を検知した際に、制御装置51の処理実行部52によって駆動制御される、例えば、警告灯または警報ブザーの警報装置である。
【0065】
以下に、昇降装置1の電動巻上機3の駆動により、バトン装置2が鉛直上下方向に昇降操作されるときに、制御装置51が実行する制御例について説明する。制御装置51は、ユーザにより操作パネル55の操作部56の昇ボタンまたは降ボタンが押下されて、バトン装置2を昇降する電動巻上機3の駆動が開始すると、
図10のフローチャートに示すステップSのルーチンに従った制御例を実行する。なお、制御装置51は、バトン装置2の下降と上昇への移動を問わず、
図10に示す制御例を実行する。
【0066】
先ず、制御装置51は、処理実行部52のデータ管理・解析部53に加速度センサ43が検出した加速度αが入力される(ステップS1)。そして、制御装置51のデータ管理・解析部53は、入力された加速度αが判定閾値Pn未満(α<Pn)であるか否かを判定する(ステップS2)。
【0067】
ここでの判定閾値Pnは、例えば、バトン装置2のバトンユニット10、吊りパイプ20、吊りパイプ20に保持された吊り物の照明器具100などがスタッフなどの人間、美術セット、他のバトン、他の吊り物などの障害物と接触、衝突などして衝撃が加えられた際に生じる所定の加速度値が設定される。なお、判定閾値Pnは、バトン装置2の運用場面に対してユーザが選択する後述の複数のモードに応じた値に変更される。また、判定閾値Pnは、ユーザによって所望の設定値に変更できるようにしてもよい。
【0068】
制御装置51のデータ管理・解析部53は、入力された加速度αが判定閾値Pn未満(α<Pn)である場合(ステップS2:YES)、ステップS5の判定ルーチンに進む。
【0069】
一方、制御装置51のデータ管理・解析部53は、加速度αが判定閾値Pn以上(α≧Pn)である場合(ステップS2:NO)、電動巻上機3の緊急停止を実行する(ステップS3)。このとき、処理実行部52の昇降制御部54には、データ管理・解析部53から電動巻上機3が停止させる制御信号が入力される。
【0070】
これにより、昇降制御部54は、電動巻上機3を緊急停止する。即ち、制御装置51は、バトン装置2または照明器具100が障害物と接触、衝突などしたと判断され、バトン装置2の昇降が緊急停止される。
【0071】
そして、制御部45の処理実行部52は、告知部58を駆動し(ステップS4)、本制御を終了する。こうして、制御装置51は、処理実行部52が告知部58である、例えば、警告灯の点灯または警報ブザーが鳴動して、ユーザにバトン装置2の異常を警告する。そして、制御装置51は、
図10の制御を終了する。
【0072】
制御装置51のデータ管理・解析部53は、ステップS2において、加速度αが判定閾値Pn未満の場合、バトン装置2の昇降移動が終了されたか否かを判定する(ステップS5)。なお、バトン装置2の昇降移動の終了状態は、ユーザが操作パネル55の操作部56の昇ボタンまたは降ボタンの押下をやめて、電動巻上機3の駆動が停止された状態である。
【0073】
制御装置51は、バトン装置2の昇降移動が終了された場合(ステップS5:YES)、本制御例を終了する。一方、制御装置51は、バトン装置2の昇降移動が終了されていない場合(ステップS5:NO)、ステップS1に戻り、以降の処理を繰り返し実行する。なお、バトン装置2の昇降移動の終了されていない状態は、ユーザが操作パネル55の操作部56の昇ボタンまたは降ボタンを押下し続け、電動巻上機3が駆動している状態である。
【0074】
このように昇降装置1は、バトン装置2または照明器具100が障害物と接触、衝突などして、センサユニット41が検出する加速度αが判断閾値Pn以上である場合にバトン装置2の昇降を緊急停止する。
【0075】
なお、昇降装置1は、センサユニット41が検出する加速度αに基づき、バトン装置2の昇降を緊急停止する判設基準となる判断閾値Pnの大きさを、バトン装置2の運用場面に応じて変更することができる。即ち、昇降装置1は、バトン装置2の運用場面に応じて、バトン装置2または照明器具100が障害物と接触、衝突などして衝撃を検出した際にバトン装置2の昇降を緊急停止する感度を変更することができる。
【0076】
ユーザは、操作パネル55のモード設定部57に設けられた、図示しないモード選択ボタンなどによって、
図11に示す、ここでは3つの選択モードによって、昇降装置1のバトン装置2の昇降を緊急停止する感度を変更することができる。具体的に説明すると、昇降装置1は、高感度昇降モード、中感度昇降モードおよび低感度昇降モードの3つの選択モードを有する。
【0077】
高感度昇降モードは、舞台の公演中、テレビの撮影中などでバトン装置2を昇降する場面、重量物などが取り付けられたバトン装置2を昇降する場面、美術セットなどの近傍でのバトン装置2を昇降する場面などのときに選択される。高感度昇降モードは、検知レベルが高く設定される。そのため、高感度昇降モードは、バトン装置2に小さな揺れ、振動などが生じた場合、バトン装置2の昇降を緊急停止する判定基準の小さな判定閾値P1が設定される。即ち、高感度昇降モードは、バトン装置2の揺れ、振動などを検知する感度が最も高い感度レベルのモードである。
【0078】
中感度昇降モードは、通常時、舞台セットの設営時などでバトン装置2を昇降する場面、準備中などでのバトン装置2を昇降する場面などのときに選択される。中感度昇降モードは、検知レベルが高感度モードよりも低く設定される。そのため、中感度昇降モードは、バトン装置2に揺れ、振動などが生じた場合、バトン装置2の昇降を緊急停止する判定基準が判定閾値P1よりも大きい判定閾値P2(P1<P2)が設定される。即ち、中感度昇降モードは、バトン装置2の揺れ、振動などを検知する感度が通常(中間)の感度レベルモードである。
【0079】
低感度昇降モードは、美術セットなどを回避しながらバトン装置2を昇降する場面、保守点検時のバトン装置2を昇降する場面、暫くバトン装置2の昇降を行わないなどのときに選択される。低感度昇降モードは、検知レベルが中感度モードよりも低く設定される。そのため、低感度昇降モードは、バトン装置2に多少の揺れ、振動などが生じた場合でも、バトン装置2の昇降をし続けられ、大きな揺れ、振動などが生じた場合にのみバトン装置2の昇降を緊急停止する。この低感度昇降モードは、判定基準が判定閾値P2よりも大きい判定閾値P3(P2<P3)が設定される。即ち、低感度昇降モードは、バトン装置2の揺れ、振動などを検知する感度が最も低い感度レベルのモードである。
【0080】
このように、高感度昇降モードの判定閾値P1が最も小さく、次いで中感度昇降モードの判定閾値P2、低感度モードの判定閾値P3が最も大きく(P1<P2<P3)設定される。
【0081】
以下に、昇降装置1は、ユーザが操作パネル55のモード設定部57の図示しないモード選択ボタンにより、高感度昇降モード、中感度昇降モードまたは低感度昇降モードを選択操作した際に、制御装置51が
図12のフローチャートに示すステップSのルーチンに従った制御例を実行する。なお、制御装置51は、例えば、電源が投入されたときにも、
図12のフローチャートに従った制御例を実行するようにしてもよい。
【0082】
制御装置51は、処理実行部52のデータ管理・解析部53に操作パネル55のモード設定部57からユーザが図示しないモード選択ボタンにより選択したモード選択信号が入力される。
【0083】
制御装置51のデータ管理・解析部53は、入力されたモード選択信号から高感度昇降モードが選択されたか否かを判定する(ステップS11)。データ管理・解析部53は、高感度昇降モードが選択されている場合(ステップS11:YES)、判定閾値PnをP1に設定し(ステップS12)、本制御例を終了する。
【0084】
これにより、昇降装置1は、センサユニット41が検出する加速度αに基づき、バトン装置2の昇降を緊急停止する判設基準が判断閾値P1の高感度昇降モードを実行する。
【0085】
一方、データ管理・解析部53は、高感度昇降モードが選択されていない場合(ステップS11:NO)、入力されたモード選択信号から中感度昇降モードが選択されたか否かを判定する(ステップS13)。データ管理・解析部53は、中感度昇降モードが選択されている場合(ステップS13:YES)、判定閾値PnをP2に設定し(ステップS14)、本制御例を終了する。
【0086】
これにより、昇降装置1は、センサユニット41が検出する加速度αに基づき、バトン装置2の昇降を緊急停止する判設基準が判断閾値P2の中感度昇降モードを実行する。
【0087】
一方、データ管理・解析部53は、中感度昇降モードが選択されていない場合(ステップS13:NO)、入力されたモード選択信号から低感度昇降モードが選択されたか否かを判定する(ステップS15)。データ管理・解析部53は、低感度昇降モードが選択されている場合(ステップS15:YES)、判定閾値PnをP3に設定し(ステップS16)、本制御例を終了する。
【0088】
これにより、昇降装置1は、センサユニット41が検出する加速度αに基づき、バトン装置2の昇降を緊急停止する判設基準となる判断閾値P3の低感度昇降モードを実行する。
【0089】
一方、データ管理・解析部53は、低感度昇降モードが選択されていない場合(ステップS15:NO)、ステップS14に進み、判定閾値PnをP2に設定する。即ち、昇降装置1は、高感度昇降モード、中感度昇降モードまたは低感度昇降モードのいずれも選択されていない場合、通常モードである中感度昇降モードを実行する。
【0090】
このように、昇降装置1は、ユーザが選択したモードに応じて、
図10のフローチャートの制御例にて説明した、センサユニット41が検出する加速度αに基づき、バトン装置2の昇降を緊急停止する判設基準の判断閾値Pnを選択モードに対応した判断閾値P1,P2,P3のいずれかに設定変更する。
【0091】
以上の説明により、本実施形態の昇降装置1は、センサユニット41を用いた衝撃検出機能において、バトン装置2または照明器具100の揺れ、振動などを検知して、バトン装置2の昇降を緊急停止する判定基準を、複数、ここでは3段階の感度レベルを設定することができる。これにより、昇降装置1は、バトン装置2の昇降を緊急停止する判定基準を種々の運用場面での使用に対応して選択的に変更することができる。
【0092】
即ち、昇降装置1は、センサユニット41が検出する加速度αからバトン装置2の昇降を停止する際の判定基準値を運用場面に応じてユーザが選択的に変更することができる。そのため、昇降装置1は、バトン装置2に揺れ、振動などが生じたときに、種々の運用場面に対応して、バトン装置2の昇降を続けさせたり、緊急停止させたりすることができる。
【0093】
昇降装置1は、テレビ番組の撮影中、公演の舞台中において、演出などによって、バトン装置2に吊るした照明器具100、美術セットなどの吊り物を昇降させる運用場面がある。この場合、昇降装置1は、吊り物の下にスタッフ、演者などがいることがあるため、小さな揺れ、振動などを検出した場合でも、直ぐにバトン装置2の昇降を緊急停止できる高感度昇降モードが選択される。また、昇降装置1は、吊り物が重量物であったり、美術セットの近傍にバトン装置2を昇降したりする場合においても、この高感度昇降モードが選択される。
【0094】
昇降装置1は、美術セットなどを回避するため、スタッフにより、バトン装置2を人的に動かしたり、保守点検したりするときに、ある程度の大きな揺れ、振動などが検出されても、バトン装置2の昇降を停止しないようにする低感度モードが選択される。また、昇降装置1は、バトン装置2の昇降を暫く行わない場合においても、この低感度昇降モードが選択される。なお、昇降装置1は、通常の運用場面においては、中感度昇降モードが選択される。
【0095】
以上に記載した吊り物の昇降装置1は、揺れ、振動などが検出された場合に、種々の運用場面に応じて、選択的にバトン装置の昇降を続けさせたり、停止させたりすることができる構成となる。
【0096】
昇降装置1は、高感度昇降モード、中感度昇降モードおよび低感度昇降モードの3つの選択モードを有する構成を説明したが、これに限定されることなく、運用場面に応じた2つの選択モード以上を備える構成であってもよい。
【0097】
なお、センサユニット41は、加速度センサ43を実装した基板を例示したが、これに限定されることなく、一般販売されている種々の振動検出センサを用いても良い。さらに、吊りパイプ20を支える金具のパイプホルダ21、センサユニット41が配置される金具の吊りアーム37の形態は、一例として示しており、これらの形態に限られるものではない。
【0098】
また、制御装置51は、昇降装置1の電動巻上機3を駆動制御するためのプログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)を有した構成である。
【0099】
なお、動作回路としては、CPU(Central Processing Unit)に代えて、または、これと共に、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。制御装置となるセンサユニット41は、ROMに格納されたプログラムをCPUにより実行するものである。
【0100】
以上に本発明のいくつかの実施形態を説明したが、この実施形態は、一例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0101】
1…昇降装置
2…バトン装置
3…電動巻上機
4…グリッド
5…プーリ(方向変換滑車)
10…バトンユニット
11…ケーブル用カゴ
12…ケーブル
13…ワイヤ接続金物
13a,21a,26b,37b,…ボルト孔
14…ワイヤホルダ
15…吊りワイヤ
16…コンセント
20…吊りパイプ
21…パイプホルダ
22…パイプエンド
25a,26a…ボルト
25b,26b…ナット
27,28…固定ビス
31…フロントパネル
32…バックパネル
33…上部パネル
34…下部パネル
35…サイドパネル
36…支持金具
37…吊りアーム
37a,21a…ボルト孔
37c,41a,42b…ビス孔
38…長孔
41…センサユニット
42…センサ保持板
43…加速度センサ
51…制御装置
52…処理実行部
53…データ管理・解析部
54…昇降制御部
55…操作パネル
56…操作部
57…モード設定部
58…告知部
100…照明器具
Pn,P1,P2,P3…判断閾値
α…加速度