(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142562
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】配線ボックス及び配線ボックス装置
(51)【国際特許分類】
H02G 3/10 20060101AFI20241003BHJP
H02G 3/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H02G3/10
H02G3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054741
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121429
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100094190
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 清路
(72)【発明者】
【氏名】松田 翔平
【テーマコード(参考)】
5G357
5G361
【Fターム(参考)】
5G357CA06
5G357CB03
5G357CC01
5G357CC05
5G357CD01
5G357CE01
5G357CF02
5G361AA02
5G361AC01
5G361AD01
(57)【要約】
【課題】デザインの異なる複数種類の化粧プレートに対応してこれを支障なく取り付けることができる配線ボックスを提供する。
【解決手段】配線ボックス10は、底壁11と側壁12とを備え、底壁11と対向する開口14が形成された有底四角箱状を成し、化粧プレートが開口14に取り付けられる。配線ボックス10は、長方形状を成し対向する短辺の間隔及び長辺の間隔が同一であって角部の形状のみが異なる2種類の化粧プレートに対応すべく、2種類の化粧プレートのうち角部51aがより外側に張り出した第1化粧プレート50Aの外形状に沿った外形状を有するとともに、角部51bの外面52bが第1化粧プレート50Aの角部51aの外面52aよりも内側に位置する第2化粧プレート50Bの角部51bの外面52bの外形状よりも内側に、側壁12の内面16が位置する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、当該底壁から立設する側壁とを備え、前記底壁と対向する開口が形成された有底四角箱状を成し、配線器具とともに当該配線器具の周囲を覆う化粧プレートが前記開口に取り付けられる配線ボックスであって、
同じ大きさの四角形状であって角部の形状のみが異なる2種類の前記化粧プレートに対応すべく、
前記2種類の化粧プレートのうち前記角部がより外側に張り出した第1化粧プレートの外形状に沿った外形状を有するとともに、
前記角部が前記第1化粧プレートの角部よりも内側に位置する第2化粧プレートの前記角部の外面よりも内側に、前記側壁の内面が位置することを特徴とする配線ボックス。
【請求項2】
同じ大きさの四角形状であって角部の形状のみが異なる2種類の化粧プレートと、
請求項1に記載の配線ボックスと、
を備えたことを特徴とする配線ボックス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の壁表に設置され、前面側に化粧プレートが取り付けられる配線ボックス及び配線ボックス装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物壁の壁外に露出した状態で設置される配線ボックスとして、例えば、特許文献1等に記載のものが知られており、配線ボックスには、その前面側を覆って化粧する化粧プレートが取り付けられる。この配線ボックスは、美観を良くするために、外形状が化粧プレートの外形状とおおよそ一致している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、化粧プレートは、規格により縦横の外側寸法は定められているものの、角部の形状は定められておらず、したがって異なるデザインが存在するため、選択する化粧プレートによっては、外形状が一致しないことがある。不一致の組合わせで設置すると、配線ボックスに対して化粧プレートの角部が外方に張り出して見栄えが悪く、逆に、化粧プレートの角部が配線ボックスの側壁の角部の内面よりも内側に位置してしまうと、配線ボックスの開口全体を覆うことができず、
図7(b)に示すように、開口の一部の角部において、配線ボックスの側壁の内面と化粧プレートの角部の外面との間にハッチングで示す隙間Sを生じ、そこから内部に塵埃等の異物が侵入するという不具合を生じた。このため、そのようなときは、化粧プレートのデザインに合わせた別の配線ボックスを用意する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、デザインの異なる複数種類の化粧プレートに対応してこれらを支障なく取り付けることができる配線ボックス及び配線ボックス装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の配線ボックスは、
底壁と、当該底壁から立設する側壁とを備え、前記底壁と対向する開口が形成された有底四角箱状を成し、配線器具とともに当該配線器具の周囲を覆う化粧プレートが前記開口に取り付けられるものであって、
同じ大きさの四角形状であって角部の形状のみが異なる2種類の前記化粧プレートに対応すべく、
前記2種類の化粧プレートのうち前記角部がより外側に張り出した第1化粧プレートの外形状に沿った外形状を有するとともに、
前記角部が前記第1化粧プレートの角部よりも内側に位置する第2化粧プレートの前記角部の外面よりも内側に、前記側壁の内面が位置する。
ここで、2種類の化粧プレートとは、外形状が互いに異なるという意味の化粧プレートであり、外形状が異なる3種類以上の化粧プレートも含まれる。
【0007】
請求項2の配線ボックス装置は、
同じ大きさの四角形状であって角部の形状のみが異なる2種類の化粧プレートと、
請求項1に記載の配線ボックスと、
を備えている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、同じ大きさの四角形状であって角部の形状のみが異なる2種類の化粧プレートに対して、配線ボックスの外形状は、角部が相対的により外側に突き出た第1化粧プレートの外形状に沿って形成されているので、配線ボックスに対して第1化粧プレートの角部が外方に飛び出して見栄えが低下するのを防止できる。
【0009】
そして、配線ボックスの側壁の内面は、第2化粧プレートの角部の外面よりも内側に位置するので、角部において配線ボックスの側壁の開口側端面と第2化粧プレートの裏面側端面とは角部の周囲に沿って連続して当接し、配線ボックスの角部の側壁の内面と第2化粧プレートの角部の外面との間に隙間は生じない。このため、配線ボックスの開口は2種類のいずれの化粧プレートによっても全体が覆われて、外部から配線ボックスの内部空間に塵埃等の異物が侵入するのを防止できる。
【0010】
これらのことから、デザインの異なる複数種類の化粧プレートに対応してこれらを支障なく配線ボックスに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態の配線ボックス装置の分解斜視図である。
【
図2】
図1の配線ボックスを示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【
図3】
図1の器具枠を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【
図4】
図1の化粧プレートを示し、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。
【
図5】壁面に固定した配線ボックスに化粧プレートを配置した状態を示す縦断面図である。
【
図6】(a)は第1化粧プレートの正面図、(b)は第2化粧プレートの正面図である。
【
図7】配線ボックスと2種類の化粧プレートとの角部における位置関係を説明する説明図であり、(a)は本発明の配線ボックスの場合を示し、(b)は従来の通常の配線ボックスの場合を示す。
【
図8】(a)は第1化粧プレートを取り付けた配線ボックス装置の斜視図、(b)は第2化粧プレートを取り付けた配線ボックス装置の斜視図である。
【
図9】本発明の別の配線ボックス装置の分解斜視図である。
【
図10】
図9の別の器具枠を示し、(a)は斜視図、(b)は縦断面図である。
【
図11】本発明の別の実施形態の配線ボックスを示し、(a)は外形状が正方形のもの、(b)は横長矩形状のものを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態の配線ボックスを図に基づいて説明する。
配線ボックスは、建物壁の表側に露出した状態で設置される。
図1に示すように、配線ボックス10は、配線器具30が固定された器具枠40が開口14側に取り付けられ、その前面側に配線ボックス10の開口14及び器具枠40を覆って化粧する化粧プレート50が取り付けられる。
【0013】
詳細には、配線ボックス10は、
図2に示すように、底壁11と、底壁11から立設する側壁12とを備え、底壁11と対向する開口14を形成する有底四角箱状を成し、開口14は縦長矩形状に形成されている。なお、配線ボックス10の外形状については後述する。配線ボックス10の内側には配線器具30が収容される内部空間18が形成されている。底壁11には建築物の壁面に固定するためのビスが挿通される壁固定孔19が複数設けられている。上面側及び下面側の各側壁12の中央には内周面に雌ネジを有する貫通孔20が形成されている。貫通孔20は、ケーブル70を挿通するときに使用される電線管コネクタ71が取り付けられ、ケーブル70が挿通されず電線管コネクタ71が取り付けられないときは、塵埃等の異物侵入防止のためのキャップ72が取り外し自在に取着され、あるいは図示しないが打ち抜いて開孔するノックが形成されて閉塞されている。電線管コネクタ71は、ケーブル70が貫通孔20の周縁で擦れて傷付くのを防止するとともに、貫通孔20の内周面とケーブル70との隙間から塵埃等が侵入するのを防止する。
【0014】
上面側及び下面側の各側壁12の内面16における開口14側の端部には、内部空間18側に突出するボス部21が上下方向に対向して一対設けられており、それぞれの中央には器具枠40を配線ボックス10に固定するための固定孔22が形成されている。固定孔22は、内周面に雌ネジが形成され、器具枠40に設けられたビス通孔42を挿通した器具枠固定ビス43が壁表側から取着される。
【0015】
器具枠40は、
図3に示すように、縦長矩形板状に形成され、中央部に形成された開口41に配線器具30が挿入され取付けられており、配線ボックス10の開口14に縦長向きに取り付けられる。配線器具30は表面側に所定厚突出し、裏面側から突出した部分は配線ボックス10内に収容される。器具枠40の上部及び下部の幅方向中間部には、器具枠固定ビス43が挿通される長孔からなるビス通孔42が上下に一対形成されている。上部のビス通孔42の真上の端部及び下部のビス通孔42の真下の端部には、表面側に台形状に切起こし成形された突出平面部44が設けられており、その中央には、化粧プレート50を固定するための固定孔45が形成されている。固定孔45の内周面は、化粧プレート50を取り付けるためのビス55が取着されるよう雌ネジに形成されている。
【0016】
化粧プレート50は、
図4に示すように、全体が矩形枠状に形成され、矩形枠板状の化粧プレート本体53の外周縁に沿って裏面側に向けて一定高さのフランジ54が立設されている。化粧プレート本体53の上端部及び下端部の幅方向中間部には、ビス55が挿通されるビス挿通孔56が形成されている。これら上下一対のビス挿通孔56,56の間隔は、器具枠40の上下一対の固定孔45,45の間隔と同一に形成されている。化粧プレート本体53の中央部には配線器具30の前面側が挿入される開口57が形成されており、その開口57は配線器具30の外形と同一の大きさ、形状に形成され、設置後は、配線器具30の前面のみが壁表側に僅かな高さだけ露出する。化粧プレート50は、後述するように外形状の異なる複数種類が存在する。
【0017】
上記のように構成された本実施形態の配線ボックス10は、次のようにして
図5に示すように建物の壁表面Wに設置し、化粧プレート50を取り付けることができる。なお、
図5は、
図2(b)のA-A切断線で切断した位置の断面図である。
【0018】
最初に、直状管73を壁面に沿って固定する。次いで、直状管73の端部外面に接着剤を塗布してここに電線管コネクタ71を接続し固定する。次に、貫通孔20を閉塞しているキャップ72を取り外し、あるいは図示しないが貫通孔20に設けられたノックを打ち抜いて、その開孔に電線管コネクタ71を取り付ける。そして、配線ボックス10の底壁11の壁固定孔19にビスを挿通し壁表面Wに取着して配線ボックス10を壁表側に露出する状態で固定する。その後、ケーブル70を直状管73内に配線し、配線ボックス10の内部空間18内に引き出す。そして、ケーブル70の端部を配線ボックス10の開口14から壁表側に引き出して配線器具30に接続する。なお、上記手順で、壁面への直状管73の固定と配線ボックス10の固定とは逆の順であってもよい。
【0019】
続いて、配線器具30が取り付けられている器具枠40を配線ボックス10の前面に当接し、配線器具30とケーブル70の端部とを配線ボックス10の内部空間18内に収容する。そして、器具枠40のビス通孔42に器具枠固定ビス43を挿通し、配線ボックス10のボス部21の固定孔22にねじ込み、器具枠40を取り付ける。
【0020】
この後、器具枠40の前面側から化粧プレート50を配線ボックス10の開口14側にあてがって化粧プレート50のフランジ54の端面54aを配線ボックス10の側壁12の開口14側の端面13に当接し、上下一対のビス挿通孔56,56にビス55を挿通して器具枠40の上下一対の固定孔45,45にねじ込んで化粧プレート50を取り付ける。これにより、配線器具30の前面部のみが露出した状態で配線ボックス10及び器具枠40の前面側が化粧プレート50で覆われる。
このようにして、配線ボックス10に化粧プレート50を取り付けたものは、配線ボックス装置1を構成する。
【0021】
次に、配線ボックス10及び2種類の化粧プレート50のそれぞれの外形状、及びこれらの角部相互の位置関係について説明する。
化粧プレート50の外形すなわち輪郭は、長方形状をなし、規格により縦横の外側寸法が定められており、対向する短辺の間隔及び長辺の間隔は複数種類の化粧プレート50間で共通し同一である。しかし、角部51の形状については規格が定められていない。このため、化粧プレート50は、この部分の形状、デザインが異なる複数種類が存在する。ここでは、角部51の外形状のみが異なる2種類の化粧プレート50について説明する。
【0022】
第1化粧プレート50Aは、
図6(a)に示すように、角部51aの外面52aが曲率半径R1mmに形成されており、角部51aは角ばった形状になっている。これに対して、第2化粧プレート50Bは、
図6(b)に示すように、角部51bの外面52bが曲率半径R12mmに形成されており、角部51bの外面52bは第1化粧プレート50Aの角部51aの外面52aより内部側に位置する。
【0023】
一方、これら2種類の化粧プレート50が取り付けられる配線ボックス10は、外形状は、外観上、全体的に化粧プレート50の外形状とほぼ一致するものに形成されている。配線ボックス10は、第1化粧プレート50Aとの間では、対向する短辺の間隔及び長辺の間隔は同一に形成されているとともに、
図7(a)の拡大図に示すように、角部15の形状、大きさも同一に形成されている。ここで、
図7(a)の拡大図は、配線ボックス10の角部15に対する2種類の化粧プレート50の角部51の位置を示している。
【0024】
これに対して、第2化粧プレート50Bとの間では、配線ボックス10は、対向する短辺の間隔及び長辺の間隔は第1化粧プレート50A及び第2化粧プレート50Bと同一に形成されているが、配線ボックス10の角部15の外面17の曲率(1/R)はかなり小さく角ばっており、第2化粧プレート50Bの外面52bより外側にはみ出している。しかし、配線ボックス10の側壁12の角部15における内面16は、
図7(a)に示すように、曲率半径Rが2mmに形成されていて、第2化粧プレート50Bの角部51bの外面52bより内側に位置している。但し、配線ボックス10の角部15の内面16の曲率半径Rは、2mmに限定されるものではなく、内面16が第2化粧プレート50Bの角部51bの外面52bより内側に位置する大きさのものであればよい。
【0025】
これら2種類の化粧プレート50を配線ボックス10に取り付けると、
図8に示した外観になる。
図8(a)は、配線ボックス10に第1化粧プレート50Aを取り付けた状態を、
図8(b)は、第2化粧プレート50Bを取り付けた状態を示す。
【0026】
次に、本実施形態の配線ボックス10の作用を説明する。
配線ボックス10に取り付けられた状態で化粧プレート50の角部51が配線ボックス10の外面17から外方に突き出していると、見栄えが良くない。しかし、本実施形態の配線ボックス10の角部15の外形状は、第1化粧プレート50Aに沿って形成されているので、外観は損なわれず、そして、角部51bの外面52bが第1化粧プレート50Aの外面52aよりも内側に位置する第2化粧プレート50Bとの間でも当然外観は損なわれない。
【0027】
また、角部15において、従来の通常の配線ボックス10の場合は、側壁12の板厚は角部15を含めて全体がほぼ一定に形成されており、この配線ボックス10に第2化粧プレート50Bが取り付けられた場合、
図7(b)に示すように、側壁12の角部15の内面16と第2化粧プレート50Bの角部51bの外面52bとの間にはハッチングで示す隙間Sを生じ、外部から塵埃等の異物が内部空間18内に侵入する。しかし、本実施形態の配線ボックス10は、
図7(a)に示すように、側壁12の角部15における内面16は、第2化粧プレート50Bの角部51bの外面52bよりも内側に位置するので、角部において、配線ボックス10の側壁12の開口14側の端面13と第2化粧プレート50Bのフランジ54の裏面側の端面54aとは角部の周囲に沿って連続して面で当接しており、配線ボックス10の側壁12の内面16と第2化粧プレート50Bの外面52bとの間には隙間Sを生じない。このため、外部から配線ボックス10の内部空間18に塵埃等が侵入するのが防止される。
【0028】
これらのことから、本実施形態の配線ボックス10は、長方形状を成し対向する短辺の間隔及び長辺の間隔が共通し角部の形状のみが異なる第1化粧プレート50A及び第2化粧プレート50Bに対応してこれらを支障なく取り付けることができる。
【0029】
ところで、上記実施形態の化粧プレート50は、化粧プレート50の上下一対のビス挿通孔56,56にビス55を挿通し、器具枠40の上下一対の固定孔45,45にねじ込んで配線ボックス10に取り付けるものを示しているが、化粧プレート50はこれに限られるものではなく、例えば、図示しないが、配線ボックス10の開口14側の周辺部4箇所に開口14の内方に向けて被係合片を突設するとともに、化粧プレート50の裏面の周辺部において被係合片と対向する4箇所に、
図9に示すような、先端に係合爪58aを有し被係合片と係合する係合片58を突設し、この係合片58を配線ボックス10の被係合片に係合することにより取り付けるものとしてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、化粧プレート50は、配線ボックス10に直接取り付ける例を示しているが、化粧プレート取付枠60を介して取り付けることもできる。
図9は、化粧プレート50が、器具枠40の表面側に取り付けられる化粧プレート取付枠60を用いて配線ボックス10に取り付けられる例を示す。
【0031】
図9において、化粧プレート取付枠60は、矩形枠板状に形成され、外形状は角部も含めて化粧プレート50の外形状と一致する形状、大きさに形成されている。化粧プレート取付枠60は、中央に配線器具30を挿入可能な矩形状の開口61が形成され、外周縁に配線ボックス10の側壁12の開口14側の端面13に当接するフランジ62が形成されている。化粧プレート取付枠60の幅方向中間の上端部及び下端部にはビス64が挿通されるビス挿通孔63が上下に一対設けられており、上下一対のビス挿通孔63,63の間隔は、器具枠40の上下一対の固定孔45,45の間隔と同一に形成されている。なお、器具枠40の上下一対の固定孔45,45は、前述の例では、化粧プレート50のビス挿通孔56に挿通されたビス55が取着されるが、
図9に示す器具枠40では、化粧プレート取付枠60のビス挿通孔63に挿通されたビス64が取着される。化粧プレート取付枠60の周縁部4箇所には被係合孔65が設けられている。
【0032】
図9に示す化粧プレート50は、
図4に示した化粧プレート50の上下一対の挿通孔56,56に代えて、裏面における化粧プレート取付枠60の被係合孔65と対応する位置の4箇所に、化粧プレート取付枠60側に突出する係合片58が形成され、その先端には化粧プレート取付枠60の被係合孔65と係合する係合爪58aが形成されている。
【0033】
このような構成において、化粧プレート取付枠60は、上下一対のビス挿通孔63,63にビス64を挿通し、器具枠40の上下一対の固定孔45,45にねじ込んで器具枠40に取り付けられる。その後、化粧プレート50が化粧プレート取付枠60に押し付けられ、裏面側の係合爪58aが化粧プレート取付枠60の被係合孔65に係合して取り付けられる。これにより、化粧プレート50は、配線器具30の前面部のみが露出した状態で取り付けられる。
【0034】
この実施形態では、化粧プレート取付枠60は、外形状が角部も含めて化粧プレート50の外形と同一の形状、大きさに形成されているので、化粧プレート取付枠60を介さずに直接化粧プレート50を取り付ける場合と同様に、取付後の外観は損なわれず、また、角部において外部から塵埃等が侵入することがない。
【0035】
なお、この実施形態の化粧プレート取付枠60は、
図10に示す形態のものであってもよい。すなわち、この化粧プレート取付枠60は、外周縁に配線ボックス10の側壁12の開口14側の端面13に当接するフランジ62は形成されておらず、外形は化粧プレート50より一回り小さく形成されており、化粧プレート本体53の裏面とフランジ54の内面とで囲まれた矩形皿状の凹部空間59内に収まるものであって、化粧プレート50のフランジの端面54aは配線ボックス10の側壁12の開口14側の端面13に当接する。
【0036】
ところで、上記各実施形態の配線ボックス10及び化粧プレート50の外形状は、長方形に形成されているが、本発明を実施する場合には、正方形に形成されたものとしてもよい。
図11(a)は、外形状が正方形である配線ボックス10を示し、化粧プレート50も配線ボックス10と同じ大きさの正方形の外形状に形成されている。なお、
図11(a)の配線ボックス10は、器具枠40が水平方向に2個並設されるものを示しているが、器具枠40が1個あるいは3個以上並設されるものであってもよい。
【0037】
また、上記各実施形態の外形状が長方形である配線ボックス10は、上下一対のボス部21,21の対向方向を長辺方向とした例を示しているが、これに限られるものではなく、
図11(b)に示すように、上下一対のボス部21,21の対向方向を短辺方向とした横長矩形状のものとしてもよい。この場合、一対のボス部21,21の対向方向と直交する方向が長辺であり、一対を一組とする複数組のボス部21を長辺に沿って水平方向に並設することができ、
図11(b)の配線ボックス10では、3組のボス部21が長辺に沿って並設され、3個の器具枠40を並設できる。
【0038】
加えて、上記実施形態の配線ボックス10の角部15の外面17は、第1化粧プレート50Aの角部51aの外面52aに沿って形成されているが、これに限られるものではなく、第1化粧プレート50Aの角部51aの外面52aより外方に突き出たものであってもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、2種類の化粧プレート50について説明しているが、本発明は、角部51のデザインが異なる3種類以上の化粧プレート50が用いられる場合にも適用される。この場合、配線ボックス10の角部15は、角部51の曲率半径Rが最も小さい化粧プレート50の角部51の外形状に合わせて形成され、あるいはその化粧プレート50の角部51の外面52より外方に僅かに突き出たものに形成される。
【0040】
更に、上記実施形態の配線ボックス10及び各化粧プレート50は、角部がR(アール)の形状に形成されているが、斜めの直線で面取りされた形状に形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1:配線ボックス装置、10:配線ボックス、11:底壁、12:側壁、14:開口、15:角部、16:内面、17:外面、30:配線器具、50:化粧プレート、50A:第1化粧プレート、50B:第2化粧プレート、51、51a、51b:角部、52、52a、52b:外面。