IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 公立大学法人会津大学の特許一覧

特開2024-1425893次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム
<>
  • 特開-3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム 図1
  • 特開-3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム 図2
  • 特開-3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム 図3
  • 特開-3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム 図4
  • 特開-3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142589
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】3次元モデルデータ編集装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 30/10 20200101AFI20241003BHJP
【FI】
G06F30/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054792
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
(74)【代理人】
【識別番号】110003421
【氏名又は名称】弁理士法人フィールズ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 廉太郎
【テーマコード(参考)】
5B146
【Fターム(参考)】
5B146AA07
5B146DL02
5B146DL05
5B146DL08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータに対して、その対象物体を活用するための情報を記録する3次元モデルデータ編集装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶する3次元モデルデータ編集方法は、対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得することと、対象物体の知識情報を対象物体の3次元モデルデータと関連付けて記録することと、を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶する3次元モデルデータ編集装置において、
前記対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得する取得手段と、
前記対象物体の前記知識情報を前記対象物体の前記3次元モデルデータと関連付けて記録する記録手段とを備えることを特徴とする3次元モデルデータ編集装置。
【請求項2】
前記知識情報は、前記対象物体を識別する名称の情報、及び前記対象物体が有する特徴の理由の情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の3次元モデルデータ編集装置。
【請求項3】
前記知識情報は、さらに、前記対象物体と関連する他の物体及びその特徴の情報、前記対象物体と関連する他の物体が前記対象物体に期待する特徴の情報、及び前記対象物体固有の特徴の情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の3次元モデルデータ編集装置。
【請求項4】
前記対象物体は、所定の立体構造物を構成する複数の部品それぞれと、前記複数の部品のうちの少なくとも2つを組み合わせた合成部品とを含むことを特徴とする請求項3に記載の3次元モデルデータ編集装置。
【請求項5】
対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶するコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラムにおいて、
前記対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得するステップと、
前記対象物体の前記知識情報を前記対象物体の前記3次元モデルデータと関連付けて記録するステップとを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶するコンピュータ装置である3次元モデルデータ編集装置及び当該コンピュータ装置によって実行されるコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
3次元CAD装置のようなコンピュータ装置により設計、編集された立体構造物の3次元モデルデータは、立体構造物を定義づけるデータとして、"形状”、"外観”、"シーン”、"アニメーション"などの情報を含む。"形状”の情報は、例えば、3次元モデルの形、大きさ、部分構造を用いた構成などを含み、"外観”の情報は、例えば、色、テクスチャ、材質などの情報を含み、"シーン”の情報は、例えば、光源、カメラなど3次元モデル以外の物体の情報を含み、"アニメーション"の情報は、例えば、3次元モデルの動き、骨格や変形の情報を含む。
【0003】
3次元モデルデータを作成、編集するCAD装置の発明については、多くの提案がなされているが、特許文献1に開示される設計支援装置は、重複設計の発生を抑制して設計業務の効率向上を図るために、作成済みの製品を構成する部品の属性を含む設計情報を部品識別情報に対応づけて記憶されたカタログ情報を作成し、そのカタログ情報から、設計中の部品の部品識別情報に対応付けられた設計情報を読み出す構成について開示している。
【0004】
特許文献2に開示される3次元CADデータ差異部品表生成装置は、設計済みの製品で構成した部品を流用して新製品に適用する場合に、製品に用いる部品を変更する変更点管理における部品の変更箇所の目視を用意にする差異部品表を生成する構成について開示している。
【0005】
特許文献3は、CADよる図形編集や図形にかかるデータ参照の効率を上げ、且つ誤操作が起こりにくくするために、相互に関連する複数の基本図形により一定の意味が生じる意味図形部を設定し、その意味データを設定し、意味図形部を単位として情報処理の操作対象を設定する構成について開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2021-157506号公報
【特許文献2】特開2010-20362号公報
【特許文献3】特開平8-6982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータは、CAD装置などによってその3次元モデルデータの設計、編集又は描画に必要な情報であって、すなわち、それは、その立体構造物の形状、材質、色など形状や構造それ自体の情報であって、対象物体それ自体をユーザが実社会でどのように活用するかといった対象物体を活用する場面におけるその対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報は含まれていない。
【0008】
3次元モデルデータによって特定される実際の対象物体を高度に利用するには、設計上の構造データのみならず、実際の物としてユーザが活用するための情報が必要であるが、対象物体の立体構造をデータ化したのみの3次元モデルデータには、このような対象物体を活用するための情報は系統的に付加されていない。
【0009】
3次元モデルデータの実際の物としての説明資料データや取り扱い資料データは、設計・編集用の3次元モデルの構造データとは別途作成される場合があるが、それらは、CAD装置など設計、編集される3次元モデルデータと関連付けられていない。そのため、例えば、既存の3次元モデルデータを流用した新しい対象物体についての3次元モデルデータを設計、開発する場合、CAD装置を用いた設計、編集などにおいては、整合性の維持を目的とした設計支援処理など、対象物体を活用するための情報を考慮した設計支援を行うことが困難である。
【0010】
そこで、本発明の目的は、対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータに対して、その対象物体を活用するための情報を記録する3次元モデルデータ編集装置及びそれにより実行されるコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明の3次元モデルデータ編集装置は、対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶する3次元モデルデータ編集装置において、前記対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得する取得手段と、前記対象物体の前記知識情報を前記対象物体の前記3次元モデルデータと関連付けて記録する記録手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明のコンピュータプログラムは、対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータを記憶するコンピュータ装置に実行させるコンピュータプログラムにおいて、前記対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得するステップと、前記対象物体の前記知識情報を前記対象物体の前記3次元モデルデータと関連付けて記録するステップとを前記コンピュータ装置に実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、対象物体の立体構造をデータ化して作成された3次元モデルデータに、その対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報を付加し、3次元モデルデータと関連付けて系統的に記録することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態における3次元モデルデータ編集装置の構成例を示すブロック図である。
図2】3次元モデルデータ編集装置10のデータ記憶部11に格納されるデータ構成例を示す図である。
図3】3次元モデルデータに関連付けられて記憶する知識情報について説明するための図である。
図4】知識情報を構成する要素データを示す図である。
図5】本発明の実施の形態における3次元モデル編集処理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態における3次元モデルデータ編集装置の構成例を示すブロック図である。3次元モデルデータ編集装置10は、例えば、専用の3次元CAD装置又は汎用的なコンピュータ装置で構成することができ、本実施の形態における3次元モデルデータ編集処理を実行するためのコンピュータプログラムや各種データを格納するデータ記憶ユニット、コンピュータプログラムを実行する演算処理ユニット(CPU)などを備えるコンピュータ装置である。3次元編集モデルデータ編集装置10は、スタンドアローン装置であってもよく、また、通信ネットワーク上のサーバ装置であってもよく、サーバ装置の場合、通信ネットワークを介して通信可能に接続する端末装置(図示せず)とのデータ送受信により、データの編集処理や記録処理を実行する。なお、端末装置は、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータ装置であり、通信ネットワークは、例えばインターネットや携帯電話通信網などの商用通信回線が使用可能である。
【0017】
図1において、3次元モデルデータ編集装置10は、3次元モデルデータを取得し記憶するデータ記憶部11、このデータ記憶部11に記憶、格納される3次元モデルデータをコンピュータプログラムに従って編集処理する演算処理部12を備え、さらに、汎用的なコンピュータ装置として、通信ネットワークに接続して通信を行うための通信機能部14、ディスプレイに各種データを表示するための表示制御部16、外部装置と接続してデータの入出力を行うための入出力部(I/O)18を備える。
【0018】
図2は、3次元モデルデータ編集装置10のデータ記憶部11に格納されるデータ構成例を示す図である。データ記憶部11は、対象物体を識別する対象物体IDとともに、対象物体の立体構造をデータ化して作成された形状・構造データである3次元モデルデータを記憶するとともに、さらに、その対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報が生成され、3次元モデルデータと関連付けられてデータ記憶部11に記憶される。3次元モデルデータと知識情報は、互いにリンクされて(紐付けられて)記録され、対象物体の3次元モデルデータへのアクセス処理に対して、対応する知識データにもアクセス可能、参照可能にデータ記憶部11に保存される。
【0019】
知識情報は、対象物体を活用するための情報であって、3次元CAD装置による3次元モデルデータの編集、設計、描画処理のためのデータではなく、具体的には、実社会において、ユーザがその対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である。
【0020】
例えば、対象物体が3次元CAD装置により設計される工業製品である場合、対象物体を活用するための知識情報は、3次元CAD装置による設計、編集処理の際も、設計者はその知識情報を暗黙的に意識して設計しているが、その知識情報が記録されていないと、3次元モデルデータで表される形状、構造のデータのみからでは、その知識情報を汲み取ることができない。そこで、この知識情報を3次元モデルデータと関連付けて記憶することで、例えば、3次元CAD装置により設計、編集される3次元モデルデータの設計者の暗黙知を顕在化させることで、その設計の意味や意図を把握することができるようになる。それにより、品質管理を向上させ、知識の継承を効率よく実施することができる。また、知識情報を明示的に記録することで、例えば、別の設計者による将来的な対象物体の改良、変更作業にも、その知識情報が継承され、設計、編集処理が効率化される。
【0021】
このように、3次元モデルデータに知識情報を系統的に付加し、3次元モデルデータで表される形状や構造に加えて、その対象物体の知識情報を3次元モデルデータと一体的に記録することで、3次元モデルデータも有効的に利用できるようになる。
【0022】
図3は、3次元モデルデータに関連付けられて記憶するその知識情報を構成する要素データを示す図である。知識情報は、3次元モデルデータの対象となっている対象物体それ自体のそれを活用する場面における対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報であって、知識情報を項目分けした知識要素として、好ましくは、(1)ラベル、(2)意図(目的、効果)、(3)事前条件、(4)事後条件、(5)不変条件の5項目が設定される。
【0023】
具体的には、(1)ラベルは、対象物体sを識別する名称の情報、(2)意図(目的、効果)は、対象物体sが有する特徴(特性、性質)の理由(目的、効果)の情報(各特徴により想定される操作(取扱)の方法又は変更の方法などの情報を含む)、(3)事前条件は、対象物体sと関連する他の物体及びその特徴(特性、性質)の情報、(4)事後条件は、対象物体sと関連する他の物体が対象物体sに期待する特徴(特性、性質)の情報、(5)不変条件は、対象物体s固有の特徴(特性、性質)の情報を含む。なお、(1)ラベル、(2)意図(目的、効果)は必須項目であり、(3)事前条件、(4)事後条件、(5)不変条件の項目は任意の情報としてもよい。各知識要素について、以下に具体的に説明する。
【0024】
図4は3次元モデルデータに関連付けられて記憶する知識情報について説明するための図であり、図4において、対象物体は立体構造物である水筒を構成する複数の部品それぞれと、後述するように、複数の部品のうちの少なくとも2つを組み合わせた合成部品とを含み、水筒を構成する各部品(後述する合成部品も含む)ごとに、その3次元モデルデータ、すなわち各部品の形状・構造データが作成されている。
【0025】
図4の例では、水筒は、コップ<s1>、内部せん<s2>、内部せんパッキン<s3>、外部せん<s4>、外部せんパッキン<s5>、本体内側<s6>、ボディリング<s7>、本体<s8>、底カバー<s9>の各部品で構成され、各部品の3次元モデルデータが作成される。3次元モデルデータは、例えば3次元CAD装置などで作成される。また、複数の部品を組み合わせた合成部品として、例えば、合成データとして、内部せん<s2>、内部せんパッキン<s3>、外部せん<s4>、外部せんパッキン<s5>により構成される中せん<s10>が定義される。
【0026】
このとき、水筒の各部品の知識情報は、例えば以下の通りである。
【0027】
<s1>
ラベル:コップ
意図:グリップ性を高め、安定した形状で、回しやすく、本体を取り出しやすくする
事前条件:本体<s8>と合う構造
事後条件:回して着脱できる構造
不変条件:硬さの異なる素材を用いて底面が広い形状となっている
【0028】
<s2>
ラベル:内部せん
意図:回しやすい、注ぎやすい、手入れしやすい
事前条件:外部せん<s4>と合う構造
事後条件:回して着脱できる構造
不変条件:軽く緩めると注げること
【0029】
<s3>
ラベル:内部せんパッキン
意図:漏れを防ぐ
事前条件:内部せん<s2>と合う構造
事後条件:溝に嵌めて固定
不変条件:ゴム製パッキン
【0030】
<s4>
ラベル:内部せんパッキン
意図:手入れしやすい
事前条件:本体内側<s6>と合う構造
事後条件:まして着脱できる構造
不変条件:内部せんと一緒に回らないこと
【0031】
<s5>
ラベル:外部せんパッキン
意図:漏れを防ぐ
事前条件:外部せん<s4>と合う構造
事後条件:溝に嵌めて固定
不変条件:ゴム製パッキン
【0032】
<s6>
ラベル:本体内側
意図:口が広く手入れしやすい
事前条件:外部せん<s4>と合う構造
事後条件:ネジ溝で固定
不変条件:18-8ステンレス製
【0033】
<s7>
ラベル:ボディリング
意図:倒れた場合のダメージ軽減
事前条件:本体<s8>と合う構造
事後条件:嵌めて装着
不変条件:シリコーン製
【0034】
<s8>
ラベル:本体
意図:高い保温性能
事前条件:コップ<s1>と合う構造
事後条件:ネジ溝で固定
不変条件:ステンレス製真空二重構造
【0035】
<s9>
ラベル:底カバー
意図:落とした時の衝撃をやわらげ、底部が傷つくのも防止
事前条件:本体<s8>と合う構造
事後条件:底に嵌めて固定
不変条件:シリコーン製
【0036】
<s10>
ラベル:中せん
意図:ダブルスクリュー構造で、内部せんを開ける際、外部せんが一緒に回らない構造
事前条件:本体内側<s6>と合う構造
事後条件:回して着脱
不変条件:内部せんと外部せんとの間に隙間がある
【0037】
なお、合成部品<s10>は、次式
<s10>=(<s2>x<s3>)+(<s4>x<s5>)
として表現することができる。
【0038】
上式における演算子xは、部品同士の包含関係を定義し、<s2>x<s3>は<s2>に<s3>が含まれること、<s4>x<s5>は<s4>に<s5>が含まれることを表現する。また、上式における演算子+は、部品同士の合成を定義し、(<s2>x<s3>)+(<s4>x<s5>)は、<s10>は、<s2>x<s3>)と<s4>x<s5>との合成により構成されることを表現する。
【0039】
さらに、上式には含まれないが、演算子vを定義してもよく、演算子vは、部品同士の代替関係を定義する。例えば、<s1>x(<s2>v<s3>)と表される場合、<s1>に<s2>又は<s3>が含まれることを表現する。このように、複数の部品を演算子により組み合わせることで、必要とされるさまざまな合成部品が定義され、合成部品についての知識情報を設定することができる。
【0040】
図5は、本発明の実施の形態における3次元モデルデータ編集装置により知識情報を記録する編集処理のフローチャートである。3次元モデルデータ編集装置は、対象物体を活用するための対象物体それ自体の性質又は振る舞いについての情報である知識情報を取得する(S100)。知識情報の取得手段として、例えば、3次元モデルデータ編集装置に知識情報が直接入力されること、または、外部機器から入出力部を介して知識情報が入力されること、通信部にて知識情報が受信されることにより知識情報は取得される。
【0041】
知識情報が取得されると、3次元モデルデータ編集装置は、取得された対象物体の知識情報を、対応する対象物体の3次元モデルデータと関連付けて記録する(S102)。
【0042】
対象物体の3次元モデルデータは、3次元CAD装置により設計、編集されたデータの例に限らず、例えば、文化的価値を有する文化財としての既存の立体構造物をCTスキャンして作成された3次元モデルデータであってもよい。立体構造物である文化財の3次元モデルデータに知識情報を関連付けて記録することで、文化財のデジタルデータの効率的な保存管理、知識の継承が可能となる。
【0043】
知識情報は、対象物体を実社会(実空間)で活用するための情報である例に限らず、例えば、対象物体が仮想空間上のモノとなり、その仮想空間内のモノとして活用するための情報であってもよい。
【0044】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る各種変形、修正を含む要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0045】
10:3次元モデルデータ編集装置、11:データ記憶部、12:演算処理部、14:通信制御部、16:表示制御部、18:入出力部(I/O)
図1
図2
図3
図4
図5