(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142590
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】インパクト工具
(51)【国際特許分類】
B25B 21/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B25B21/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054794
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】工機ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 清志
(72)【発明者】
【氏名】中澤 茉奈美
(72)【発明者】
【氏名】村上 卓宏
(72)【発明者】
【氏名】北山 崇
(57)【要約】
【課題】耐久性を向上する。
【解決手段】インパクト工具1では、正面視で、ハンマ44の中心軸CAからハンマ爪46-1~3の爪内側面46Aまでの最小寸法R1が、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2以下に設定されている。具体的には、ハンマカム溝44Bの径方向外側に配置されたハンマ爪46-1、46-2では、爪内側面46Aが、ハンマカム溝44Bの内周面と連続するように形成されている。このため、ハンマ爪46-1~3における係合面46Bの長手方向の長さを長くすることができる。これにより、アンビル48との係合時にアンビル爪48Bと当接する係合面46Bの面積を大きくすることができる。したがって、ハンマ爪46-1~3の耐摩耗性を向上することができると共に、ひいては、インパクト工具1の耐久性を向上することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの駆動によって回転するスピンドル軸部を有するスピンドルと、
前記スピンドル軸部が挿通される挿通孔を有する筒状に形成され、軸方向一方側端面にハンマ爪を有するハンマと、
前記ハンマの軸方向一方側に設けられ、前記ハンマの周方向において前記ハンマ爪と係合して前記ハンマと一体回転するアンビルと、
前記スピンドル及び前記ハンマを一体回転可能に連結し、作動することで前記ハンマの前記スピンドル及び前記アンビルに対する軸方向の相対移動を許容して前記ハンマ爪と前記アンビルとの係合状態を一旦解除し前記ハンマ爪を前記アンビルに再び係合させることで前記アンビルに打撃力を付与する連結機構と、
を備え、
前記連結機構は、
前記スピンドル軸部の外周面に形成されたスピンドルカム溝と、
前記挿通孔の内周面に形成され、前記ハンマの周方向に延在されると共に、前記ハンマの軸方向一方側へ開放されたハンマカム溝と、
前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部に配置されて前記スピンドルと前記ハンマとを一体回転可能に連結し、前記連結機構の作動時に前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部を転動するボールと、
を含んで構成されており、
前記ハンマ爪の側面における最内周部が前記ハンマカム溝の内周面と連続するように形成されているインパクト工具。
【請求項2】
モータの駆動によって回転するスピンドル軸部を有するスピンドルと、
前記スピンドル軸部が挿通される挿通孔を有する筒状に形成され、軸方向一方側端面にハンマ爪を有するハンマと、
前記ハンマの軸方向一方側に設けられ、前記ハンマの周方向において前記ハンマ爪と係合して前記ハンマと一体回転するアンビルと、
前記スピンドル及び前記ハンマを一体回転可能に連結し、作動することで前記ハンマの前記スピンドル及び前記アンビルに対する軸方向の相対移動を許容して前記ハンマ爪と前記アンビルとの係合状態を一旦解除し前記ハンマ爪を前記アンビルに再び係合させることで前記アンビルに打撃力を付与する連結機構と、
を備え、
前記連結機構は、
前記スピンドル軸部の外周面に形成されたスピンドルカム溝と、
前記挿通孔の内周面に形成され、前記ハンマの周方向に延在されると共に、前記ハンマの軸方向一方側へ開放されたハンマカム溝と、
前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部に配置されて前記スピンドルと前記ハンマとを一体回転可能に連結し、前記連結機構の作動時に前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部を転動するボールと、
を含んで構成されており、
前記ハンマの軸方向視で、前記ハンマの中心軸から前記ハンマ爪までの最小寸法が、前記中心軸から前記ハンマカム溝の内周面までの最大寸法以下に設定されているインパクト工具。
【請求項3】
前記ハンマには、複数の前記ハンマ爪が設けられており、
前記ハンマ爪は、前記ハンマの軸方向視で、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの径方向外側に隣接する位置、又は、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されている請求項2に記載のインパクト工具。
【請求項4】
前記ハンマには、3箇所の前記ハンマ爪が設けられており、
前記ハンマの軸方向視で、2箇所の前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの径方向外側に隣接しており、他の1箇所の前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されている請求項3に記載のインパクト工具。
【請求項5】
全ての前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されており、
前記最小寸法が、前記最大寸法よりも小さく設定されている請求項3に記載のインパクト工具。
【請求項6】
前記最小寸法が、前記挿通孔の内径と一致している請求項5に記載のインパクト工具。
【請求項7】
前記ハンマ爪における側面の最外周部が、前記ハンマの外周面と面一に形成されている請求項1~請求項6の何れか1項に記載のインパクト工具。
【請求項8】
前記ハンマの軸方向一方側部分の外周面には、前記ハンマの軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側へ傾斜する傾斜面が形成されており、前記最外周部が前記傾斜面と面一に形成されている請求項7に記載のインパクト工具。
【請求項9】
前記ハンマの外周面の直径が一定に設定されている請求項7に記載のインパクト工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インパクト工具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のインパクト工具では、遊星歯車機構からなる伝達機構によってモータの駆動力が打撃機構に伝達されて、打撃機構に取付けられたドライバ等の先端工具に回転力及び打撃力が付与される。具体的には、打撃機構は、モータの駆動力によって回転するスピンドルと、カム機構によってスピンドルに連結されたハンマと、ハンマの打撃爪によってハンマと一体回転可能に連結されたアンビルと、を含んで構成されている。
【0003】
そして、先端工具から反トルクがスピンドルに作用すると、ハンマスプリングの付勢力に抗してカム機構が作動する。具体的には、打撃爪とアンビルの被打撃爪との係合状態が一旦解除され、打撃爪とアンビルとが再度係合することで、アンビルに打撃力が付与される。これにより、先端工具に打撃力が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、近年、インパクト工具等では、性能向上を図るために高出力化する傾向にある。一方、インパクト工具では、上述のように、打撃機構において、ハンマの打撃爪とアンビルの被打撃爪とが、ハンマ及びアンビルの回転方向に係合することで、アンビルに回転力が付与され、打撃爪と被打撃爪との間で係脱が行われることでアンビルに打撃力が付与される。このため、インパクト工具の高出力化に伴い、打撃爪が摩耗すると、インパクト工具の耐久性が低下する可能性がある。よって、インパクト工具では、耐久性を向上できる構造にすることが望ましい。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、耐久性を向上することができるインパクト工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、モータの駆動によって回転するスピンドル軸部を有するスピンドルと、前記スピンドル軸部が挿通される挿通孔を有する筒状に形成され、軸方向一方側端面にハンマ爪を有するハンマと、前記ハンマの軸方向一方側に設けられ、前記ハンマの周方向において前記ハンマ爪と係合して前記ハンマと一体回転するアンビルと、前記スピンドル及び前記ハンマを一体回転可能に連結し、作動することで前記ハンマの前記スピンドル及び前記アンビルに対する軸方向の相対移動を許容して前記ハンマ爪と前記アンビルとの係合状態を一旦解除し前記ハンマ爪を前記アンビルに再び係合させることで前記アンビルに打撃力を付与する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記スピンドル軸部の外周面に形成されたスピンドルカム溝と、前記挿通孔の内周面に形成され、前記ハンマの周方向に延在されると共に、前記ハンマの軸方向一方側へ開放されたハンマカム溝と、前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部に配置されて前記スピンドルと前記ハンマとを一体回転可能に連結し、前記連結機構の作動時に前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部を転動するボールと、を含んで構成されており、前記ハンマ爪の側面における最内周部が前記ハンマカム溝の内周面と連続するように形成されているインパクト工具である。
【0008】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、モータの駆動によって回転するスピンドル軸部を有するスピンドルと、前記スピンドル軸部が挿通される挿通孔を有する筒状に形成され、軸方向一方側端面にハンマ爪を有するハンマと、前記ハンマの軸方向一方側に設けられ、前記ハンマの周方向において前記ハンマ爪と係合して前記ハンマと一体回転するアンビルと、前記スピンドル及び前記ハンマを一体回転可能に連結し、作動することで前記ハンマの前記スピンドル及び前記アンビルに対する軸方向の相対移動を許容して前記ハンマ爪と前記アンビルとの係合状態を一旦解除し前記ハンマ爪を前記アンビルに再び係合させることで前記アンビルに打撃力を付与する連結機構と、を備え、前記連結機構は、前記スピンドル軸部の外周面に形成されたスピンドルカム溝と、前記挿通孔の内周面に形成され、前記ハンマの周方向に延在されると共に、前記ハンマの軸方向一方側へ開放されたハンマカム溝と、前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部に配置されて前記スピンドルと前記ハンマとを一体回転可能に連結し、前記連結機構の作動時に前記スピンドルカム溝及び前記ハンマカム溝の内部を転動するボールと、を含んで構成されており、前記ハンマの軸方向視で、前記ハンマの中心軸から前記ハンマ爪までの最小寸法が、前記中心軸から前記ハンマカム溝の内周面までの最大寸法以下に設定されているインパクト工具である。
【0009】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハンマには、複数の前記ハンマ爪が設けられており、前記ハンマ爪は、前記ハンマの軸方向視で、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの径方向外側に隣接する位置、又は、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されているインパクト工具である。
【0010】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハンマには、3箇所の前記ハンマ爪が設けられており、前記ハンマの軸方向視で、2箇所の前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの径方向外側に隣接しており、他の1箇所の前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されているインパクト工具である。
【0011】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、全ての前記ハンマ爪が、前記ハンマカム溝に対して前記ハンマの周方向にずれた位置に配置されており、前記最小寸法が、前記最大寸法よりも小さく設定されているインパクト工具である。
【0012】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記最小寸法が、前記挿通孔の内径と一致しているインパクト工具である。
【0013】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハンマ爪における側面の最外周部が、前記ハンマの外周面と面一に形成されているインパクト工具である。
【0014】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハンマの軸方向一方側部分の外周面には、前記ハンマの軸方向一方側へ向かうに従い径方向内側へ傾斜する傾斜面が形成されており、前記最外周部が前記傾斜面と面一に形成されているインパクト工具である。
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記ハンマの外周面の直径が一定に設定されているインパクト工具である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、耐久性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本実施形態に係るインパクト工具を示す縦断面図である。
【
図2】
図1に示されるインパクト工具の上部を拡大して示す縦断面図である。
【
図3】
図2に示されるハンマの右斜め前方から見た斜視図である。
【
図4】
図3に示されるハンマの前側から見た正面図である。
【
図5】
図4に示されるハンマの下側から見た断面図(
図4の5-5線断面図)である。
【
図7】
図3に示されるハンマのハンマ爪を2箇所に変更したハンマの変形例を示す斜視図である。
【
図8】
図7に示されるハンマの前側から見た正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を用いて、本実施形態に係るインパクト工具1について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP、矢印FR、矢印RHは、それぞれインパクト工具1の上側、前側、右側を示している。以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、インパクト工具1の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0019】
図1及び
図2に示されるように、インパクト工具1は、インパクト工具1の前端部に取付けられるドライバビット等の先端工具70に回転力及び打撃力を付与して、締付加工等を行う工具として構成されている。
【0020】
インパクト工具1は、インパクト工具1の外郭を構成するハウジング10と、ハウジング10に収容されたモータ20と、モータ20の駆動力を先端工具70に伝達する駆動力伝達機構30と、を含んで構成されている。以下、インパクト工具1の各構成について説明する。
【0021】
(ハウジング10について)
ハウジング10は、右側から見て、中空の略I字形状に形成されている。具体的には、ハウジング10は、ハウジング10の上端部を構成し且つ前後方向に延在されたアッパハウジング部10Aと、アッパハウジング部10Aの前後方向中間部から下側へ延出されたハンドル部10Bと、ハウジング10の下端部を構成するロアハウジング部10Cと、を含んで構成されている。なお、ハウジング10は、複数のハウジング部材によって構成されており、これらハウジング部材を互いに組付けることで、ハウジング10が形成されている。
【0022】
ハンドル部10Bの上端部には、トリガ12が設けられており、トリガ12は、ハンドル部10Bから前側へ突出すると共に、後側へ引き操作可能に構成されている。ハンドル部10Bには、トリガ12の後側において、スイッチ機構14が設けられている。スイッチ機構14は、図示しないスイッチを有しており、トリガ12が引き操作されることで、スイッチがオフからオンに切替る。
【0023】
ロアハウジング部10Cには、コントローラ16が設けられている。コントローラ16には、スイッチ機構14のスイッチが電気的に接続されており、トリガ12の操作状態に対応する出力信号がスイッチからコントローラ16に出力される。また、ロアハウジング部10Cには、バッテリ18が着脱可能に装着されている。バッテリ18は、コントローラ16に電気的に接続されており、バッテリ18によって、後述するモータ20に電力が供給される。
【0024】
(モータ20について)
モータ20は、アッパハウジング部10Aの後端部に収容されると共に、コントローラ16に電気的に接続されている。モータ20は、前後方向を軸方向とする駆動軸21と、駆動軸21に一体回転可能に連結されたロータ22と、ロータ22の径方向外側に配置された略円筒状のステータ23と、を含んで構成されている。
【0025】
駆動軸21の後端部は、ハウジング10に固定された後側モータ軸受24によって回転可能に支持されている。一方、駆動軸21の前端側部分は、前側モータ軸受26によって回転可能に支持されており、前側モータ軸受26は、アッパハウジング部10A内に収容されたギヤケース25に固定されている。ギヤケース25は、前後方向を軸方向とする略段付円筒状に形成されており、前側モータ軸受26がギヤケース25の略中央部に嵌入されている。駆動軸21の前端部は、前側モータ軸受26よりも前側へ突出して、ギヤケース25内に配置されている。
【0026】
(駆動力伝達機構30について)
駆動力伝達機構30は、先端工具70に回転力及び打撃力を付与する回転打撃機構40と、モータ20の回転力を減速して回転打撃機構40に伝達する減速機構32と、を含んで構成されている。
【0027】
(減速機構32について)
減速機構32は、遊星歯車機構として構成されて、ギヤケース25内に配置されている。具体的には、減速機構32は、モータ20の駆動軸21の前端部に固定されたサンギヤ33と、サンギヤ33の径方向外側に設けられたリング状のリングギヤ34と、サンギヤ33及びリングギヤ34の間に設けられた複数(本実施の形態では、3個)のプラネタリギヤ35と、を含んで構成される。
【0028】
リングギヤ34は、ダンパを介してギヤケース25に保持されており、リングギヤ34の内周面には内歯が形成されている。プラネタリギヤ35は、後述するスピンドル42の後端側部分に形成されたキャリア部42Aに回転可能に支持されている。具体的には、プラネタリギヤ35は、キャリア部42Aに設けられたシャフト36に回転可能に支持されると共に、サンギヤ33及びリングギヤ34の内歯に噛合されている。これにより、サンギヤ33が回転すると、プラネタリギヤ35がシャフト36の軸回りに自転しつつサンギヤ33の軸回りに公転して、スピンドル42が回転する構成になっている。すなわち、減速機構32によって減速されたモータ20の回転力がスピンドル42に伝達されて、回転打撃機構40が作動する構成になっている。
【0029】
(回転打撃機構40について)
回転打撃機構40は、スピンドル42と、ハンマ44と、アンビル48と、を含んで構成されている。また、回転打撃機構40は、スピンドル42及びハンマ44を連結する連結機構50を有している。
【0030】
スピンドル42は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、モータ20の駆動軸21と同軸上に配置されている。具体的には、前述したサンギヤ33がスピンドル42の後端部内に挿入されており、スピンドル42の後端部が、ギヤケース25に設けられた軸受60によって、回転可能に支持されている。スピンドル42の外周部における後端側部には、前述したキャリア部42Aが形成されている。キャリア部42Aは、前後一対のフランジによって構成されており、シャフト36がキャリア部42Aに架け渡されている。また、プラネタリギヤ35は、キャリア部42A内に配置されており、スピンドル42の外周部には、スピンドル42の内部とキャリア部42Aの内部とを連通し且つプラネタリギヤ35を配置するための連通部が形成されている。
【0031】
スピンドル42におけるキャリア部42Aよりも前側部分は、スピンドル軸42Bとして構成されている。スピンドル軸42Bの前部の外周面には、連結機構50を構成する一対のスピンドルカム溝42Cが形成されている。一対のスピンドルカム溝42Cは、スピンドル軸42Bの径方向外側から見て、略V字形状に延在されている。スピンドルカム溝42Cは、その長手方向から見た断面視で、スピンドル軸42Bの径方向外側へ開放された略半円状に形成されている。
【0032】
スピンドルカム溝42Cの前端部内には、連結機構50を構成するボールとしての鋼球52の略半分が挿入されている。連結機構50の作動時には、鋼球52が、スピンドルカム溝42C内を転動するようになっている。
【0033】
図3~
図5にも示されるように、ハンマ44は、前後方向を軸方向とする略円筒状に形成されており、ハンマ44の中心部には、挿通孔44Aが前後方向に貫通している。ハンマ44は、スピンドル42と同軸上に配置されている。すなわち、ハンマ44の中心軸CAが、スピンドル42及び駆動軸21の中心軸と一致している。ハンマ44は、スピンドル軸42Bの前部内に回転可能に外挿されている。
【0034】
ハンマ44の挿通孔44Aの内周面には、連結機構50を構成する一対のハンマカム溝44Bが形成されている。ハンマカム溝44Bは、前側から見てハンマ44の周方向に沿って延在すると共に、前方側へ開放されている。また、ハンマカム溝44Bの後端部は、ハンマ44の径方向内側から見て、前側へ開放された略V字形状に形成されている。一対のハンマカム溝44Bは、ハンマ44の周方向に180度離間して配置されている。そして、鋼球52の半分が、ハンマカム溝44B内に転動可能に挿入されると共に、ハンマカム溝44Bの後端部に位置している。これにより、後述するハンマスプリング54を含む連結機構50によって、ハンマ44及びスピンドル42が、一体回転可能に連結されている。また、連結機構50の作動時には、鋼球52が、スピンドルカム溝42C及びハンマカム溝44B内を転動して、ハンマ44がスピンドル42に対して相対回転すると共に前後方向に相対移動する構成になっている。
【0035】
ハンマ44における一対のハンマカム溝44Bの間の部分は、カム溝境界部44Cとして構成されている。すなわち、ハンマ44には、2箇所のカム溝境界部44Cが形成されており、カム溝境界部44Cは、前側から見た正面視で、ハンマ44の中心線側へ凸となる略V字形状に形成されている。
【0036】
ハンマ44の後面には、径方向中間部において、後側へ開放された収容溝部44Dが形成されている。収容溝部44Dは、ハンマ44の周方向に沿って延在されると共にハンマ44の周方向全周に亘って形成されている。そして、収容溝部44Dには、圧縮スプリングとして構成されたハンマスプリング54(広義には、ハンマ付勢部材として把握される要素である)が収容されており、ハンマスプリング54によってハンマ44が前側に付勢している。これにより、連結機構50の非作動状態では、鋼球52がスピンドルカム溝42Cの前端部及びハンマカム溝44Bの後端部内に保持されている。なお、ハンマスプリング54は、連結機構50の一部を構成しており、ハンマスプリング54の後端部が、スピンドル42とハンマ44との間に配置された係止プレート56によって係止されている。
【0037】
ハンマ44の前部の外周面には、傾斜面44Eが形成されており、傾斜面44Eは、前側へ向かうに従い径方向内側へ傾斜している。傾斜面44Eの前後方向の長さは、ハンマ44の前後方向の全長の1/2以上に設定されている。
【0038】
ハンマ44の前面(軸方向一方側端面)には、複数(本実施の形態では、3箇所)のハンマ爪46-1~3が一体に設けられている。ハンマ爪46-1~3は、前後方向を厚み方向とし、正面視でハンマ44の径方向内側へ凸となる略扇形ブロック状に形成されて、ハンマ44から前側へ突出している。具体的には、ハンマ爪46-1~3の側面は、ハンマ爪46-1~3におけるハンマ44の径方向内側の側面を構成する最内周部としての爪内側面46Aと、ハンマ爪46-1~3におけるハンマ44の周方向両側の側面を構成する一対の係合面46Bと、ハンマ爪46-1~3におけるハンマ44の径方向外側の側面を構成する最外周部としての爪外側面46Cと、を含んで構成されている。係合面46Bは、正面視でハンマ44の径方向外側へ向かうに従い互いに離間する方向に傾斜している。爪外側面46Cは、ハンマ44の傾斜面44Eと面一に形成されている。なお、爪外側面46Cとハンマ爪46-1~3の前面との境界部には、面取部46Dが形成されている。
【0039】
ハンマ爪46-1~3は、ハンマ44の周方向に等間隔(120度毎)に配置されている。具体的には、2箇所のハンマ爪46-1、46-2が、正面視で、ハンマカム溝44Bの径方向外側に隣接して配置されており、他の1箇所のハンマ爪46-3が、一対のハンマカム溝44Bに対してハンマ44の周方向にずれた位置に配置されている。具体的には、ハンマ爪46-3では、爪内側面46Aが、カム溝境界部44Cの径方向外側に隣接して配置されている(
図4参照)。すなわち、本発明における、「ハンマ爪が、ハンマカム溝に対してハンマの周方向にずれた位置に配置されている」とは、ハンマ44の径方向において、ハンマ爪の側面である爪内側面46Aが、カム溝境界部44Cと重なる位置に配置されていることをいう。
【0040】
ハンマ爪46-1、46-2の爪内側面46Aは、正面視で、中心軸CA側へ凸となる略円弧状に形成されている(
図4のa部拡大を参照)。そして、正面視で、中心軸CAからハンマ爪46-1、46-2(の爪内側面46A)までの最小寸法R1が、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2と、同じに設定されている。これにより、ハンマ爪46-1、46-2では、爪内側面46Aが、ハンマカム溝44Bの内周面と連続するように形成されている。
【0041】
さらに、ハンマ爪46-3の爪内側面46Aは、正面視で、中心軸CAを中心とする略円弧状に形成されており(
図4のb部拡大を参照)、中心軸CAからハンマ爪46-3の爪内側面46Aまでの最小寸法R1(ハンマ爪46-3の爪内側面46Aの半径)が、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2と、同じに設定されている。すなわち、ハンマ爪46-3の爪内側面46Aが、ハンマカム溝44Bの内周面と面一となる位置に配置されている。以上により、ハンマ44では、ハンマ爪46-1~3の爪内側面46Aが、正面視で、中心軸CAを中心とし且つ半径を最大寸法R2とする架空円CR(
図4参照)に接するように形成されている。
【0042】
図2に示されるように、アンビル48は、前側へ開放された略段付き円筒状に形成されて、ハンマ44の前側に配置されている。具体的には、アンビル48の後端部には、他の部分よりも小径の連結軸48Aが形成されており、連結軸48Aがスピンドル軸42Bの前端部に回転可能に挿入されている。アンビル48の長手方向中間部は、アッパハウジング部10Aの前端部に保持されたスリーブ58によって回転可能に保持されている。そして、先端工具70がアンビル48の内部に前側から相対移動不能に取付けられる。
【0043】
アンビル48の後端側部分の外周部には、3箇所のアンビル爪48Bが設けられている。アンビル爪48Bは、前後方向を厚み方向とする略矩形プレート状に形成されて、アンビル48の径方向外側へ突出している。アンビル爪48Bは、アンビル48の周方向に等間隔(120度毎)に配置されると共に、ハンマ44のハンマ爪46-1~3の間に配置されている。すなわち、正面視で、ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとがハンマ44の周方向に交互に配置されている。
【0044】
そして、ハンマ44の回転時には、ハンマ爪46-1~3の係合面46Bが、回転方向において隣り合うアンビル爪48Bの側面に略全面で当接し、ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとがハンマ44の周方向に係合する。これにより、ハンマ44からアンビル48に回転力が付与されて、アンビル48が先端工具70と共に回転する構成になっている。また、詳細については後述するが、先端工具70を回転させるための回転力(トルク)が所定値を超えるときには、連結機構50が作動して、ハンマ44からアンビル48に打撃力が付与されるようになっている。
【0045】
(作用効果)
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0046】
上記のように構成されたインパクト工具1では、作業者のトリガ12への引き操作によってモータ20が駆動すると、モータ20の回転力が減速機構32によってスピンドル42のキャリア部42Aに伝達されて、スピンドル42が中心軸CA回りに回転する。スピンドル42の回転力は、連結機構50(鋼球52、スピンドルカム溝42C、ハンマカム溝44B)によってハンマ44に伝達される。すなわち、ハンマ44がスピンドル42と一体回転する。ハンマ44が回転すると、ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとの係合によって、アンビル48がハンマ44と共に回転する。これにより、先端工具70がアンビル48と共に回転して、加工材に対して締付加工を施すことができる。
【0047】
締付加工時における先端工具70を回転させるために必要となる回転力(トルク)が低い場合には、ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとの係合状態が維持される。一方、例えば、締付加工の終期において、先端工具70を回転させるための回転力(トルク)が所定値より高くなると、先端工具70及びアンビル48の回転が停止する。一方、減速機構32によるスピンドル42へのモータ20の駆動力伝達は継続しているため、回転打撃機構40の連結機構50が作動する。
【0048】
具体的には、連結機構50の鋼球52が、ハンマカム溝44B内及びスピンドルカム溝42C内を転動して、ハンマ44が、ハンマスプリング54の付勢力に抗して、スピンドル42及びアンビル48に対して後側へ相対移動する。このときには、ハンマ爪46-1~3の係合面46Bがアンビル爪48Bの側面を摺動しながら、ハンマ44がアンビル48に対して後側へ移動する。そして、ハンマ44の後側へ移動量が、前後方向におけるハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとのラップ量を超えると、ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとの係合状態が解除される。
【0049】
ハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとの係合状態の解除後には、ハンマ爪46-1~3がアンビル爪48Bを乗り越えるように回転すると共に、ハンマスプリング54の付勢力によってハンマ44が前側へ瞬時に押し出される。これにより、ハンマ爪46-1~3が次のアンビル爪48Bに係合する。その結果、ハンマ44からアンビル48に回転打撃力が付与される。したがって、先端工具70からネジ等の締付部材に対して良好な締付力を付与することができる。
【0050】
このように、回転打撃機構40における連結機構50の作動時には、ハンマ44の回転方向におけるハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとの係合が一旦解除され、ハンマ44のアンビル48に対する相対回転及び相対移動後にハンマ爪46-1~3がアンビル爪48Bに係合することで、アンビル48に回転打撃力が付与される。すなわち、ハンマ爪46-1~3及びアンビル爪48Bの係合と係合解除とが交互に繰り返し行われる。このため、ハンマ爪46-1~3が摩耗する可能性がある。この場合には、アンビル48(先端工具70)に対する回転打撃力を良好に付与することができなくなり、インパクト工具1の耐久性が低下する虞がある。
【0051】
ここで、インパクト工具1では、正面視で、ハンマ44の中心軸CAからハンマ爪46-1~3の爪内側面46Aまでの最小寸法R1が、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2以下に設定されている。具体的には、ハンマカム溝44Bの径方向外側に配置されたハンマ爪46-1、46-2では、爪内側面46Aが、ハンマカム溝44Bの内周面と連続するように形成されている。つまり、ハンマカム溝44Bの前側開口部において、ハンマカム溝44Bの内周面に接続されている。このため、
図6に示される比較例のハンマ100のように、仮に、ハンマ爪46-1~3が、正面視で、ハンマカム溝44Bの内周面に対してハンマ44の径方向外側に一段下がった位置に配置される構造(すなわち、最小寸法R1が最大寸法R2よりも大きくなる構造)と比べて、ハンマ爪46-1~3における係合面46Bの長手方向の長さを長くすることができる。これにより、比較例のハンマ100と比べて、アンビル48との係合時にアンビル爪48Bと当接する係合面46Bの面積を大きくすることができる。したがって、ハンマ爪46-1~3の耐摩耗性を向上することができると共に、ひいては、インパクト工具1の耐久性を向上することができる。
【0052】
また、本実施形態では、3箇所のハンマ爪46-1~3が、ハンマ44に設けられると共に、ハンマ44の周方向に等間隔に配置されている。このため、ハンマ44及びアンビル48の回転時におけるアンビル48からハンマ44に作用する反力を分散することができる。これにより、ハンマ爪46-1~3の耐摩耗性を一層向上することができると共に、インパクト工具1の耐久性を一層向上することができる。
【0053】
また、ハンマ爪46-1~3におけるハンマ44の径方向外側の側面を構成する爪外側面46Cが、ハンマ44の径方向外側の外周面と面一に形成されている。このため、ハンマ爪46-1~3の爪外側面46Cが、ハンマ44の外周面に対して径方向内側に一段下がった位置に配置される構成と比べて、アンビル48との係合時にアンビル爪48Bと当接する係合面46Bの面積を大きくすることができる。したがって、ハンマ爪46-1~3の耐摩耗性をより一層向上することができると共に、ひいては、インパクト工具1の耐久性をより一層向上することができる。
【0054】
また、ハンマ44の前部の外周面には、傾斜面44Eが形成されており、傾斜面44Eは、前側へ向かうに従い径方向内側へ傾斜している。そして、ハンマ爪46-1~3の爪外側面46Cが傾斜面44Eと面一に配置されている。これにより、回転打撃機構40の前後方向中間部における径寸法を小さくすることができる。その結果、回転打撃機構40を覆うアッパハウジング部10Aの前部の直径を小さく設定することができる。これにより、例えば、壁部等によって囲まれた領域の隅部に締付加工を施す場合には、アッパハウジング部10Aと当該壁部との干渉を抑制しつつ、締付加工を施すことができる。したがって、インパクト工具1の作業性を向上することができる。
【0055】
なお、本実施の形態では、3箇所のハンマ爪46-1~3がハンマ44に設けられているが、ハンマ44に設けるハンマ爪の個数は任意に設定することができる。例えば、
図7及び
図8に示されるように、一対のハンマ爪46-4をハンマ44に設けてもよい。さらに、この場合には、正面視で、一対のハンマ爪46-4を、一対のハンマカム溝44Bの間に配置すると共に、ハンマ爪46-4における挿通孔44A側(ハンマ44の径方向内側)の端部を、カム溝境界部44Cに配置してもよい。すなわち、正面視で、ハンマ44の中心軸CAからハンマ爪46-4の爪内側面46Aまでの最小寸法R1を、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2よりも小さく設定してもよい。これにより、ハンマ爪46-1~3における挿通孔44A側の端部を、本実施形態と比べて、より径方向内側に配置することができる。その結果、係合面46Bにおける長手方向の長さを本実施の形態と比べて、より長く設定することができると共に、ハンマ爪46-4の耐摩耗性を効果的に向上することができる。
【0056】
また、
図7及び
図8に示されるハンマ爪46-4では、正面視で、ハンマ44の中心軸CAからハンマ爪46-4の爪内側面46Aまでの最小寸法R1が、ハンマ44の挿通孔44Aの内径と一致している。すなわち、正面視で爪内側面46Aが挿通孔44Aの内周面に接するように配置されると共に、爪内側面46Aが挿通孔44Aの内周面に面一に配置されている。これにより、係合面46Bにおける長手方向の長さを、より一層長く設定することができると共に、ハンマ爪46-4の耐摩耗性をより効果的に向上することができる。
【0057】
また、図示は省略するが、
図7及び
図8に示されるハンマ爪46-4の形状を、本実施形態のハンマ爪46-3に適用してもよい。すなわち、正面視で、ハンマ爪46-3における挿通孔44A側(ハンマ44の径方向内側)の端部を、カム溝境界部44Cに配置して、ハンマ44の中心軸CAからハンマ爪46-3の爪内側面46Aまでの最小寸法R1を、中心軸CAからハンマカム溝44Bの内周面までの最大寸法R2よりも小さく設定してもよい。
【0058】
また、本実施の形態では、傾斜面44Eがハンマ44の前部における外周面に形成されているが、ハンマ44において傾斜面44Eを省略してもよい。すなわち、
図5において2点鎖線にて示されるように、ハンマ44の外周面の径寸法を一定にして、ハンマ44の外側面をハンマ44の外周面と面一に配置してもよい。この場合には、ハンマ爪46-1~3の爪外側面46Cが、本実施の形態と比べて、ハンマ44の径方向外側に位置するため、ハンマ爪46-1~3の前後長さを本実施の形態と比べて小さくしつつ、ハンマ爪46-1~3の係合面46Bの面積を確保することができる。これにより、前後方向におけるハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとのラップ量を、本実施の形態と比べて小さくすることができる。よって、インパクト工具1の操作性を維持しつつ、インパクト工具1を高出力化することができる。
【0059】
すなわち、例えば、ハンマスプリング54のバネ荷重を高くすることで、連結機構50の作動時におけるアンビル48に対する打撃力が高くなり、インパクト工具1を高出力化することができる。しかしながら、この場合には、ハンマ爪46-1~3をハンマスプリング54のバネ荷重に抗してアンビル爪48Bを乗り越えさせるため、インパクト工具1を支持する作業者の操作性が低下する可能性がある。これに対して、上述のように、前後方向におけるハンマ爪46-1~3とアンビル爪48Bとのラップ量を本実施の形態と比べて小さくすることで、ハンマ44のアンビル48及びスピンドル42に対する後側への相対移動量を小さくすることができる。このため、ハンマスプリング54のバネ荷重を高くしても、連結機構50の作動時において、インパクト工具1を支持する作業者に対する操作性の低下を抑制できる。したがって、ハンマ44において傾斜面44Eを省略することで、インパクト工具1の操作性を維持しつつ、インパクト工具1を高出力化することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 インパクト工具
20 モータ
42 スピンドル
42B スピンドル軸
42C スピンドルカム溝
44 ハンマ
44A 挿通孔
44B ハンマカム溝
44E 傾斜面
46-1 ハンマ爪
46-2 ハンマ爪
46-3 ハンマ爪
46-4 ハンマ爪
46A 爪内側面(最内周部)
46C 爪外側面(最外周部)
50 連結機構
52 鋼球(ボール)
CA ハンマの中心軸
R1 中心軸からハンマ爪までの最小寸法
R2 中心軸からハンマカム溝の内周面までの最大寸法