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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142613
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241003BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
G09F9/00 302
G09F9/30 308A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054824
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 誠
(72)【発明者】
【氏名】西本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】吉田 真人
(72)【発明者】
【氏名】原田 俊英
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA47
5C094BA43
5C094DA05
5C094DA06
5C094FB06
5G435AA06
5G435BB12
5G435EE05
5G435EE13
5G435GG43
5G435HH05
(57)【要約】
【課題】支持体からカバーパネルがより外れにくい表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置は、表示領域と、表示領域と異なる周辺領域とを有するカバーパネルと、カバーパネルの少なくとも表示領域と対向する表示パネルと、カバーパネルの周辺領域を支持する複数の側壁を有する支持体と、カバーパネルと、支持体とを接着する接着テープ及び接着剤と、を有し、支持体の複数の側壁は、長辺に沿って設けられた一対の長辺部と、短辺に沿って設けられた一対の短辺部と、を有する矩形状であり、長辺部とカバーパネルとの間には、接着テープ及び接着剤が設けられ、短辺部とカバーパネルとの間には、接着テープが設けられ、接着剤は設けられない。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域と、前記表示領域と異なる周辺領域とを有するカバーパネルと、
前記カバーパネルの少なくとも前記表示領域と対向する表示パネルと、
前記カバーパネルの前記周辺領域を支持する複数の側壁を有する支持体と、
前記カバーパネルと、前記支持体とを接着する接着テープ及び接着剤と、を有し、
前記支持体の複数の前記側壁は、長辺に沿って設けられた一対の長辺部と、短辺に沿って設けられた一対の短辺部と、を有する矩形状であり、
前記長辺部と前記カバーパネルとの間には、前記接着テープ及び前記接着剤が設けられ、
前記短辺部と前記カバーパネルとの間には、前記接着テープが設けられ、前記接着剤は設けられない
表示装置。
【請求項2】
前記接着テープは、前記長辺部の上面と前記カバーパネルとの間に設けられ前記長辺部の延在方向に沿って延在し、かつ、前記短辺部の上面と前記カバーパネルとの間に設けられ前記短辺部の延在方向に沿って延在し、
前記接着剤は、少なくとも前記長辺部の上面と前記接着テープの側面と前記カバーパネルとで形成される空間に設けられる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記接着剤は、前記長辺部の延在方向に沿って延在し、前記長辺部の延在方向の一方の端部から、前記一方の端部と反対側の他方の端部まで連続して設けられる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
複数の前記側壁は、前記長辺部と前記短辺部とが接続された交差部を有し、
前記接着剤は、前記交差部を除く前記長辺部の延在方向に沿って設けられ、前記長辺部の延在方向の両端に位置する前記交差部のそれぞれには設けられない
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
複数の前記側壁は、前記長辺部と前記短辺部とが接続された交差部を有し、
1つの前記長辺部で、前記接着剤は、前記交差部を除く前記長辺部の延在方向に沿って設けられた第1接着剤と、前記交差部に設けられた第2接着剤とを有し、
前記第1接着剤と、前記第2接着剤とは、前記長辺部の前記延在方向に直交するスリットにより離隔される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
複数の前記側壁は、前記長辺部と前記短辺部とが接続された交差部を有し、
1つの前記長辺部で、2つの前記接着剤は、前記長辺部の延在方向の中央部を挟んで離隔して設けられ、かつ、前記交差部を除く前記長辺部において、前記長辺部の延在方向の両端に位置する前記交差部のそれぞれの近傍に設けられる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記カバーパネルは、湾曲した曲面部分を有し、
前記表示パネルは、前記カバーパネルに沿って湾曲して貼り合わされる
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記カバーパネルは、前記支持体側に凸状に湾曲しており
前記支持体の前記長辺部の上面は、前記長辺部の延在方向の両端での高さが中央部での高さよりも高い凹状に形成され、
前記支持体の前記短辺部の上面は、平坦に形成される
請求項7に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの裏面側に配置されたバックライトユニットからの光を利用して、液晶パネルに画像を表示する透過型の液晶表示装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の液晶表示装置(表示装置)は、カバーガラス(カバーパネル)と、カバーガラスの裏面側に位置する液晶パネルと、液晶パネルの裏面側に位置するバックライトユニットと、を備える。また、液晶パネル及びバックライトユニットの外側にカバーガラス支持ケース(支持体)が配置される。カバーガラスの裏面は、カバーガラス支持ケースの表面に接着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-164276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
表示装置において、支持体からカバーパネルがより外れにくいことが望まれている。
【0006】
本発明は、支持体からカバーパネルがより外れにくい表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の表示装置は、表示領域と、前記表示領域と異なる周辺領域とを有するカバーパネルと、前記カバーパネルの少なくとも前記表示領域と対向する表示パネルと、前記カバーパネルの前記周辺領域を支持する複数の側壁を有する支持体と、前記カバーパネルと、前記支持体とを接着する接着テープ及び接着剤と、を有し、前記支持体の複数の前記側壁は、長辺に沿って設けられた一対の長辺部と、短辺に沿って設けられた一対の短辺部と、を有する矩形状であり、前記長辺部と前記カバーパネルとの間には、前記接着テープ及び前記接着剤が設けられ、前記短辺部と前記カバーパネルとの間には、前記接着テープが設けられ、前記接着剤は設けられない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態に係る表示装置の斜視図である。
図2図2は、表示装置の側面図である。
図3図3は、表示装置の平面図である。
図4図4は、表示装置の分解斜視図である。
図5図5は、第1実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。
図6図6は、図5における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
図7図7は、図6のVII-VII’断面図である。
図8図8は、図6のVIII-VIII’断面図である。
図9図9は、第2実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。
図10図10は、図9における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
図11図11は、比較例に係る表示装置の、接着剤に発生するXY方向応力のシミュレーション結果を示す説明図である。
図12図12は、第3実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。
図13図13は、図12における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
図14図14は、第4実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。
図15図15は、図14における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
図16図16は、比較例に係る表示装置の、接着剤に発生するZ方向応力のシミュレーション結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、本開示の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本開示の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本開示の解釈を限定するものではない。また、本開示と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0011】
図面で示すX方向は、表示装置1の幅方向である。Y方向は、表示装置1の高さ方向であり、X方向と直交する。Z方向は、表示装置1の奥行方向であり、X方向及びY方向に直交する方向である。
【0012】
また、X方向の+X側及び-X側、並びに、Y方向の+Y側及び-Y側は、表示装置1の側方外側に相当する。Z方向の+Z側は、表示装置1において画像が表示される前面1a側に相当し、Z方向の-Z側は、表示装置1の背面側に相当する。
【0013】
そして、本明細書において平面視は、+Z側からZ方向に沿って表示装置1を見ることである。また、本明細書において平面視は、+Z側から前面1aに直交する方向に沿って表示装置1を見ることでもよい。具体的には、平面視は、+Z側から、前面1aに位置する任意の点を通り、その任意の点において前面1aと直交する仮想線に沿って表示装置1を見ることでもよい。なお、X、Y、Zの方向は一例であって、本開示はこれらの方向に限定されない。
【0014】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る表示装置の斜視図である。表示装置1は、透過型の液晶表示装置であり、外部装置(不図示)から送信される画像データに基づいて、前面1aに画像を表示する。表示装置1は、-Z側に凸状に湾曲している。具体的には、表示装置1において、Y方向に直交する平面の断面は-Z側に凸状に湾曲しており、X方向に直交する平面の断面は湾曲しておらず平状である。
【0015】
図2は、表示装置の側面図である。図2に示す-Y側から見る表示装置1の側面視において、表示装置1の前面1aは、-Z側に凸状にほぼ一定の曲率で湾曲している。また、表示装置1の前面1aは、Y方向に直交する平面の断面視で、-Z側に凸状にほぼ一定の曲率で湾曲している。なお、前面1aの曲率がほぼ一定に限定されないことは言うまでもない。また、表示装置1の前面1aは、X方向に直交する平面の断面視で直線状である。
【0016】
図3は、表示装置の平面図である。表示装置1の前面1aは、画像を表示する表示領域DA、及び、表示領域DAと異なる周辺領域FAを有する。表示領域DAは、平面視において、X方向を長手方向とし、かつ、Y方向を短手方向とする矩形状である。周辺領域FAは、表示領域DAの周縁と前面1aの周縁との間にある領域である。
【0017】
図4は、表示装置1の分解斜視図である。図5は、第1実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。図6は、図5における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。図7は、図6のVII-VII’断面図である。図8は、図6のVIII-VIII’断面図である。なお、後述するようにカバーパネル40及び支持体10は湾曲して形成されるが、図7及び図8では、説明を分かりやすくするためにカバーパネル40及び支持体10を平坦に示している。
【0018】
図4に示すように、表示装置1は、支持体10、照明装置20、表示パネル30、及び、カバーパネル40、を備えている。
【0019】
支持体10は、+Z側を開口する箱状であり、平面視において、X方向を長手方向とし、かつ、Y方向を短手方向とする矩形状である。支持体10は、表示装置1の前面1aに対応して-Z側に凸状に湾曲している。支持体10は、底壁11(図7参照)及び側壁12を有している。底壁11は、表示装置1の前面1aに対応して、-Z側に凸状に湾曲している。
【0020】
側壁12は、底壁11の周縁にあり、平面視において、矩形状である。底壁11と側壁12とは一体である。-Y側の側壁12の+Z側の端部は、2つの切り欠き部12aを有している。側壁12における+Z側の端面は、支持面12bを構成する。
【0021】
支持面12bは、表示装置1の前面1aに対応して、-Z側に凸状に湾曲している。具体的には、支持面12bは、Y方向に直交する平面の断面視で-Z側に凸状に湾曲しており、X方向に直交する平面の断面視では直線状である。また、支持面12bは、表示装置1の前面1aとほぼ平行であり、表示装置1の前面1aとほぼ等しい曲率を有する。さらに、支持面12bは、平面視において、矩形の枠状である。支持面12bは、カバーパネル40を支持する(詳細は後述する)。
【0022】
照明装置20は、表示パネル30に向けて光を出射する。照明装置20は、支持体10の内側の底面に配置され、底壁11に対応して-Z側に凸状に湾曲している。図7及び図8に示すように、照明装置20は、反射シート21、導光板22、第1レンズシート23、第2レンズシート24及び拡散シート25を備えている。反射シート21、導光板22、第1レンズシート23、第2レンズシート24及び拡散シート25は、-Z側から+Z側に向けてこの順に積層されている。
【0023】
支持体10の内側かつ導光板22の側方外側に配置された発光体(例えば発光ダイオード;不図示)から出射された光は、導光板22に入射する。反射シート21は、導光板22の-Z側の面から出射する光を+Z側に反射する。
【0024】
第1レンズシート23及び第2レンズシート24は、導光板22の+Z側の面から出射する光の指向性を高める。拡散シート25は、第1レンズシート23及び第2レンズシート24から射出された光を適切に拡散させる。なお、照明装置20は、反射シート21、第1レンズシート23、第2レンズシート24及び拡散シート25を備えなくてもよい。
【0025】
表示パネル30は、照明装置20より+Z側に位置する。表示パネル30は、カバーパネル40の少なくとも表示領域DAと対向する。より詳細には、表示パネル30は、カバーパネル40の-Z側の面に、支持面12bよりX方向内側及びY方向内側の位置、かつ、Z方向において照明装置20と重畳する位置に張り付けられている。側壁12は、支持体10の内側に突出する突出部13をさらに有する。突出部13は、支持体10の内側に向いている側壁12の内側面12dに配置されている。突出部13は、例えば発泡体であるクッション部材Cを介して表示パネル30の周縁部を支持する。
【0026】
表示パネル30は、照明装置20から出射された光を変調して+Z側の面に画像を表示する。表示パネル30において画像が表示される領域は、平面視において、表示領域DAとほぼ一致する。
【0027】
表示パネル30は、第1偏光板31、第1基板32、複数の液晶分子(不図示)を有する液晶層33、第2基板34、及び、第2偏光板35を備えている。第1偏光板31、第1基板32、液晶層33、第2基板34、及び、第2偏光板35は、-Z側から+Z側に向けてこの順に積層されている。
【0028】
照明装置20から出射された光は、第1偏光板31に入射する。第1偏光板31は、入射した光を直線偏光に変換する。第1偏光板31を透過した光は、第1基板32を透過して液晶層33に入射する。液晶層33に入射した光は、外部装置から送信される画像データに基づいて液晶分子の配向が制御されることで変調される。
【0029】
液晶層33を透過した光は、第2基板34を透過し、第2偏光板35に入射する。第2偏光板35は、液晶層33によって変調された光の状態に応じて、入射した光を透過又は遮断する。これにより、表示パネル30の+Z側の面に画像が表示される。
【0030】
なお、表示パネル30及び照明装置20は、例えばフレキシブルプリント基板等の配線基板を介して外部装置と電気的に接続される。例えばフレキシブルプリント基板等の配線基板は、支持体10の切り欠き部12aを通る。
【0031】
カバーパネル40は、表示パネル30を保護する。図3に示すように、カバーパネル40は、表示領域DAと、表示領域DAと異なる周辺領域FAとを有する。カバーパネル40は、透光性を有するガラス製である。なお、カバーパネル40は、透光性を有する樹脂製でもよい。
【0032】
カバーパネル40は、第1面40a及び第1面40aと反対側の第2面40bを有する板状である。カバーパネル40の第1面40aは、表示装置1の前面1aである。カバーパネル40の第2面40bは、被支持面である。第2面40bの外周縁は、支持面12bの外周縁より表示装置1の側方外側にある。
【0033】
表示装置1の前面1aは上記のように湾曲しており、この前面1aの湾曲に対応して、カバーパネル40は湾曲している。また、支持体10の支持面12bは、この前面1aの湾曲に対応して湾曲している。つまり、カバーパネル40は、支持体10の支持面12bに対応して湾曲している。すなわち、カバーパネル40は、Y方向と直交する平面の断面視において-Z側に凸状に湾曲している。換言すれば、カバーパネル40は、支持体10側に凸状に湾曲している。
【0034】
図4に示すように、支持体10に接着される前のカバーパネル40は、平板状である。カバーパネル40の第2面40bと、支持体10の支持面12bとが接着テープTPを介して接着されることで、カバーパネル40が上記のように湾曲する。
【0035】
また、カバーパネル40は、湾曲した曲面部分を有し、表示パネル30は、カバーパネル40に沿って湾曲して貼り合わされる。具体的には、表示パネル30は、支持体10に接着される前のカバーパネル40に貼り付けられており、カバーパネル40が支持面12bに接着されていない状態で平板状である。カバーパネル40と支持面12bとが接着されることで、表示パネル30は、カバーパネル40とともに湾曲する。つまり、表示パネル30は、カバーパネル40が支持面12bに接着されている状態において、カバーパネル40に対応して-Z側に凸状に湾曲している。
【0036】
次に、図5から図8を参照して、支持体10とカバーパネル40との接着構造について説明する。なお、図5及び図6では、図面を見やすくするためにカバーパネル40を二点鎖線で示し、接着テープTP及び接着剤50にそれぞれハッチングを付けて示している。
【0037】
図5及び図6に示すように、支持体10の複数の側壁12は矩形状であり、カバーパネル40の周辺領域FA(図3参照)を支持する。複数の側壁12は、支持体10の長辺に沿って延在する一対の長辺部12Aと、支持体10の短辺に沿って延在する一対の短辺部12Bと、を有する。
【0038】
さらに、複数の側壁12は、長辺部12Aと短辺部12Bとが接続された交差部12Cを有する。交差部12Cは、複数の側壁12のコーナー部である。交差部12CのY方向での幅は長辺部12Aの幅(Y方向での幅)と等しく、かつ、交差部12CのX方向での幅は短辺部12Bの幅(X方向での幅)と等しい。
【0039】
なお、以下の説明において、長辺部12A及び短辺部12Bと、交差部12Cとを区別して説明していない場合には、交差部12Cは長辺部12Aに含まれ、短辺部12Bは交差部12Cを含まないものとする。例えば、「長辺部12Aの延在方向の一方の端部」は、より具体的には「長辺部12Aの延在方向の一端側に含まれる交差部12Cの端部」を表す。
【0040】
支持体10の長辺部12Aの支持面12b(上面)は、カバーパネル40に対応して凹状に形成される。具体的には、長辺部12Aは、延在方向の両端での高さが、中央部での高さよりも高くなるように湾曲して形成される。また、支持体10の短辺部12Bの支持面12b(上面)は、平坦に形成される。
【0041】
接着テープTP及び接着剤50は、カバーパネル40と、支持体10とを接着する。接着テープTPは、両面テープである。また、接着剤50は、熱可塑性の接着剤である。接着剤50の材質は、熱可塑性樹脂(例えば、エチレン酢酸ビニル)である。よって、製造設備が簡便なものとなり、接着剤50の取り扱いが容易である。なお、接着剤50の材質は、紫外線硬化性樹脂でもよい。接着剤50の接着強度は、接着テープTPの接着強度よりも大きい。
【0042】
図5及び図6に示すように、接着テープTPは、長辺部12A及び短辺部12Bに設けられる。具体的には、接着テープTPは、長辺部12Aの延在方向に沿って延在し、かつ、短辺部12Bの延在方向に沿って延在する。また、接着テープTPは、交差部12Cにも設けられる。接着テープTPの、長辺部12Aに沿って延在する部分と、短辺部12Bに沿って延在する部分とは、交差部12Cで接続される。
【0043】
接着剤50は、長辺部12Aに設けられ、短辺部12Bには設けられない。より具体的には、接着剤50は、長辺部12Aの延在方向に沿って延在し、長辺部12Aの延在方向の一方の端部から、一方の端部と反対側の他方の端部まで連続して設けられる。ここで長辺部12Aは、交差部12Cも含む。言い換えると、接着剤50は、長辺部12Aの延在方向の一方の端部側に位置する交差部12Cから、長辺部12Aの延在方向の他方の端部側に位置する交差部12Cに亘って連続して設けられる。長辺部12Aでは、接着剤50と接着テープTPとが、長辺部12Aの延在方向と直交する方向で隣接して設けられる。
【0044】
接着剤50は、短辺部12Bには設けられない。ただし、接着剤50は、短辺部12Bの延在方向の両端に接続された一対の交差部12Cには設けられる。また、短辺部12Bでは、接着テープTPのみが設けられ、接着剤50は接着テープTPとは隣接しない。
【0045】
図7に示すように、長辺部12Aの支持面12b(上面)と、カバーパネル40の第2面40bとの間には、接着テープTP及び接着剤50が設けられる。接着剤50は、長辺部12Aの支持面12b(上面)と、カバーパネル40の第2面40bとの間で、接着テープTPと隣り合って設けられる。また、接着剤50は、接着テープTPよりも表示装置1の側方外側に配置される。
【0046】
支持体10は、さらにフランジ部14を含む。フランジ部14は、側壁12の上端部において側壁12の外側面12cから突出して設けられる。支持面12bは、フランジ部14の上面も含む。
【0047】
接着剤50は、長辺部12Aの支持面12b(フランジ部14の上面も含む)と、接着テープTPの側面と、カバーパネル40の第2面40bとで形成される空間60を充填して設けられる。また、接着剤50の側面はテーパー状に傾斜して設けられる。接着剤50は、フランジ部14の側面14aの一部を覆うとともに、カバーパネル40の第2面40bの外縁近傍まで覆って設けられる。
【0048】
図8に示すように、短辺部12Bの支持面12b(上面)と、カバーパネル40の第2面40bとの間には、接着テープTPが設けられる。接着剤50は、短辺部12Bの支持面12b(上面)と、カバーパネル40の第2面40bとの間には設けられない。
【0049】
接着剤50は、支持体10とカバーパネル40とが接着テープTPにより接着された後に塗布される。接着剤50は、加熱されて軟化した状態で塗布され、上記のように長辺部12Aに沿って空間60まで行き渡る。その後、接着剤50の温度が低下すると、接着剤50は硬化する。
【0050】
このように、側壁12の長辺部12Aに沿って接着剤50が設けられ、長辺部12Aの支持面12b(上面)と、カバーパネル40の第2面40bとの間には、接着テープTP及び接着剤50が設けられる。これにより、接着テープTPのみで支持体10とカバーパネル40とを接着する構成に比べて支持体10とカバーパネル40との間の接着強度が増大する。
【0051】
また、接着剤50は、長辺部12Aの支持面12b(フランジ部14の上面)と、接着テープTPの側面と、カバーパネル40の第2面40bとで形成される空間60を充填して設けられる。これにより、接着剤50の接触面積が増大し、支持体10とカバーパネル40とに接着強度が増大する。よって、支持体10からカバーパネル40がより外れにくくなる。
【0052】
より詳細には、図7に示すように、長辺部12Aの支持面12bにおいて、接着テープTPは表示装置1の側方内側に配置され、接着テープTPの内側面は、側壁12の内側面12dと一致するように配置される。これにより、例えば接着テープTPが支持面12bの幅方向中央部あるいは表示装置1の側方外側に配置された場合に比べて、長辺部12Aの支持面12b(フランジ部14の上面)と、接着テープTPの側面と、カバーパネル40の第2面40bとで形成される空間60が大きく形成され、接着剤50との接触面積が増大する。
【0053】
なお、図8に示す短辺部12Bでは接着テープTPは、支持面12bの幅方向の中央部に設けられる。ただしこれに限定されず、短辺部12Bでは接着剤50が設けられないので、接着テープTPの位置は、表示装置1の側方内側であってもよいし、表示装置1の側方外側であってもよい。
【0054】
また、カバーパネル40は、例えばガラスで形成され、支持体10は、例えばアルミニウム(Al)あるいはアルミニウム合金(MgAl)で形成される。このため、カバーパネル40と支持体10とは、線熱膨張差を有する。線熱膨張差は、カバーパネル40と支持体10とが接着される部分の距離が長いほど大きくなる。つまり、長辺部12Aでの線熱膨張差は短辺部12Bでの線熱膨張差よりも大きい。また長辺部12Aにおいて、延在方向の中央部に比べて延在方向の両端部に近づくほど線熱膨張差が大きくなる。すなわち、カバーパネル40と支持体10との間の線熱膨張差により接着剤50に生じる応力は、長辺部12Aの両端部、すなわち短辺部12Bで最も大きくなる。
【0055】
本実施形態では、長辺部12Aとカバーパネル40との間には、接着テープTP及び接着剤50が設けられる。また、カバーパネル40と支持体10との間の線熱膨張差による応力が最も大きく作用する短辺部12Bには、接着テープTPのみが設けられ接着剤50は設けられない。したがって、本実施形態の表示装置1は、線熱膨張差による応力が比較的小さい長辺部12Aで、接着テープTP及び長辺部12Aにより接着強度を確保しつつ、線熱膨張差による応力が大きい短辺部12Bでは接着テープTPのみを設けることで、接着剤50の意図しない剥離や亀裂の発生等を抑制することができる。
【0056】
なお、図5から図8は、説明を分かりやすくするために模式的に示したものであり、接着テープTP及び接着剤50の厚さ、幅等は適宜変更できる。また、図5及び図6では、接着テープTP及び接着剤50は連続した枠状であるが、必要に応じて複数に分割して設けられていてもよい。図5及び図6では、切り欠き部12a(図4参照)の図示を省略しているが、接着テープTP及び接着剤50は、切り欠き部12aから離れた位置に塗布され、切り欠き部12aには塗布されない。
【0057】
(第2実施形態)
図9は、第2実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。図10は、図9における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0058】
図9及び図10に示すように、第2実施形態に係る表示装置1Aにおいて、接着剤50は、交差部12Cを除く長辺部12Aの延在方向に沿って設けられる。すなわち、接着剤50は、長辺部12Aの延在方向の両端に位置する交差部12C(より具体的には、長辺部12Aの延在方向の一方の端部に位置する交差部12C及び一方の端部と反対側の他方の端部に位置する交差部12C)のそれぞれには設けられない。
【0059】
接着テープTPは、第1実施形態と同様に、長辺部12A(交差部12Cを含む)及び短辺部12Bに設けられる。すなわち、短辺部12Bと、短辺部12Bの一方の端部に接続された交差部12Cと、短辺部12Bの他方の端部に接続された交差部12Cには、接着テープTPのみが設けられ、接着剤50は設けられない。
【0060】
図11は、比較例に係る表示装置の、接着剤に発生するXY方向応力のシミュレーション結果を示す説明図である。図11に示す比較例に係る表示装置は、接着剤50及び接着テープTPを長辺部12A(交差部12Cを含む)及び短辺部12Bに設けた構造である。また、図11に示すXY方向応力は、カバーパネル40と支持体10との間の線熱膨張差により生じるせん断応力である。図11は、例えば熱衝撃試験等の信頼性試験における応力の分布のシミュレーション結果であり、図11上図は-40℃環境下での応力の分布を示し、図11下図は85℃環境下での応力の分布を示す。
【0061】
図11に示すように、長辺部12Aに比べて短辺部12Bで接着剤50に生じる応力が大きい。また、交差部12Cで最も大きな応力が生じる。具体的には、長辺部12Aにおいて端部側(短辺部12B側)に近づくほど応力が大きくなり、かつ、短辺部12Bにおいて端部側(長辺部12A側)に近づくほど応力が大きくなる。
【0062】
本実施形態では、線熱膨張差による応力が最も大きい交差部12Cでは、接着テープTPのみが設けられ、接着剤50が設けられない。これにより、本実施形態では、交差部12Cを除く長辺部12Aで、接着テープTP及び長辺部12Aにより接着強度を確保しつつ、短辺部12B及び応力が最大となる交差部12Cで、接着テープTPのみ設けることで、接着剤50の意図しない剥離や亀裂の発生等を抑制することができる。
【0063】
(第3実施形態)
図12は、第3実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。図13は、図12における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
【0064】
図12及び図13に示すように、第3実施形態に係る表示装置1Bにおいて、長辺部12A(交差部12Cを含む)の延在方向に沿って設けられた接着剤50は、スリットSLにより複数に分割される。第3実施形態では、複数の接着剤50は、交差部12Cを含む長辺部12Aの延在方向の一方の端部から、一方の端部と反対側の他方の端部まで配列される。
【0065】
より具体的には、1つの長辺部12Aで、接着剤50は、交差部12Cを除く長辺部12Aの延在方向に沿って設けられた第1接着剤50aと、交差部12Cに設けられた第2接着剤50bとを有する。長辺部12Aの延在方向に沿って、第2接着剤50b、第1接着剤50a、第2接着剤50bの順に配列される。第1接着剤50aと、第2接着剤50bとは、長辺部12Aの延在方向に直交するスリットSLにより離隔される。
【0066】
これにより、線熱膨張差による応力が最も大きい交差部12Cで、第2接着剤50bの剥離や亀裂が発生した場合であっても、スリットSLが設けられているので、長辺部12A(交差部12Cを除く)に設けられた第1接着剤50aに剥離や亀裂が進行することを抑制できる。
【0067】
なお、スリットSLの数、位置等は適宜変更することができる。スリットSLは、1つの長辺部12A(交差部12Cを含む)で3つ以上設けられていてもよい。また、スリットSLは、交差部12Cの境界であって、短辺部12Bの内側面12dの延長線と重なる位置に設けられる。ただし、これに限定されず、スリットSLは、短辺部12Bの内側面12dの延長線よりも長辺部12Aの中央側にずれた位置であってもよい。
【0068】
(第4実施形態)
図14は、第4実施形態に係る表示装置の、カバーパネル、支持体、接着テープ及び接着剤の構成を模式的に示す平面図である。図15は、図14における支持体の交差部の近傍を拡大して示す平面図である。
【0069】
図14及び図15に示すように、第4実施形態に係る表示装置1Cにおいて、1つの長辺部12Aで、2つの接着剤50が離隔して配置される。より具体的には、2つの接着剤50は、長辺部12Aの延在方向の中央部を挟んで離隔して設けられる。また、2つの接着剤50は、交差部12Cには設けられず、交差部12Cを除く長辺部12Aにおいて、長辺部12Aの延在方向の両端に位置する交差部12Cのそれぞれの近傍に設けられる。
【0070】
1つの長辺部12Aの延在方向において、2つの接着剤50の間隔は、接着剤50のそれぞれの長さよりも長い。また、接着剤50の延在方向での長さは、交差部12Cの幅(すなわち、短辺部12Bの延在方向と直交する方向の長さ)よりも長い。接着剤50は、交差部12Cの境界であって、短辺部12Bの内側面12dの延長線と重なる位置と離隔して設けられる。ただし、接着剤50は、交差部12Cの境界と接していてもよい。
【0071】
図16は、比較例に係る表示装置の、接着剤に発生するZ方向応力のシミュレーション結果を示す説明図である。図16は、図11とは異なりZ方向応力、すなわちカバーパネル40に生じる反力(支持体10から離れる方向の力)の分布を示す。
【0072】
上記のように、カバーパネル40は、支持体10に接着される前に平板状であり、支持体10側に凸状に湾曲されて支持体10に接着されている。よって、支持体10に接着された状態のカバーパネル40には、平板状に戻ろうとする弾性力が発生している。図16に示すように、接着剤50に生じるZ方向応力は、長辺部12Aの中央部に比べて、交差部12C近傍の長辺部12Aの一部で大きくなる。また、接着剤50に生じるZ方向応力は、長辺部12Aの中央部、及び、短辺部12Bで、それぞれほぼ一定の値を示す。
【0073】
本実施形態では、接着剤50は、交差部12Cを除く長辺部12Aで、交差部12Cのそれぞれの近傍、すなわち、Z方向応力が大きい部分に設けられる。また、接着剤50は、交差部12C、すなわち、XY方向応力が大きい部分(図11参照)には設けられない。これにより、本実施形態では、Z方向応力が大きい部分で、接着テープTP及び接着剤50により接着強度を確保してカバーパネル40の剥離を抑制するとともに、XY方向応力が大きい部分での、接着剤50の意図しない剥離や亀裂の発生等を抑制することができる。
【0074】
なお、接着剤50の延在方向の長さや、1つの長辺部12Aに設けられる接着剤50の数は、要求される接着強度や、XY方向応力及びZ方向応力の分布に応じて適宜変更することができる。
【0075】
なお、上述した各実施形態において、支持体10の構成はあくまで一例であり、適宜変更することができる。例えば、側壁12は、フランジ部14を有さなくてもよい。
【0076】
また、表示装置1、1A、1B、1Cは、+Z側に凸状に湾曲していてもよい。この場合、支持体10、照明装置20、表示パネル30、及び、カバーパネル40も+Z側に凸状に湾曲する。
【0077】
以上、本発明の好適な実施の形態を説明したが、本発明はこのような実施の形態に限定されるものではない。実施の形態で開示された内容はあくまで一例にすぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で行われた適宜の変更についても、当然に本発明の技術的範囲に属する。上述した各実施形態及び各変形例の要旨を逸脱しない範囲で、構成要素の種々の省略、置換及び変更のうち少なくとも1つを行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
1、1A、1B、1C 表示装置
1a 前面
10 支持体
12 側壁
12A 長辺部
12B 短辺部
12C 交差部
12a 切り欠き部
12b 支持面
20 照明装置
30 表示パネル
40 カバーパネル
50 接着剤
50a 第1接着剤
50b 第2接着剤
SL スリット
TP 接着テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16