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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142630
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】洗浄水タンク装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 1/012 20060101AFI20241003BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E03D1/012
E03D5/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054851
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神渡 幹也
(72)【発明者】
【氏名】篠原 弘毅
【テーマコード(参考)】
2D039
【Fターム(参考)】
2D039AA02
2D039AC02
2D039AC03
2D039BA00
2D039DB00
2D039EA00
2D039EA03
(57)【要約】
【課題】センサ部の故障、および、センサ部の誤検出の発生を抑制すること。
【解決手段】実施形態に係る洗浄水タンク装置は、洗浄水タンクと、給排水装置と、操作装置とを備える。洗浄水タンクは、洗浄水を貯める。給排水装置は、洗浄水を便器部に供給する。操作装置は、給排水装置を操作する。操作装置は、操作部と、センサ部とを備える。操作部は、洗浄水タンクの側面壁に設けられ、給排水装置に対する使用者の接触操作を受け付ける。センサ部は、給排水装置に対する使用者の非接触操作を検出する。操作部は、回動部を備える。回動部は、洗浄水タンクに対して回動可能に設けられる。センサ部は、洗浄水タンクに対して回動しないように操作部に設けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄水を貯める洗浄水タンクと、
前記洗浄水を便器部に供給する給排水装置と、
前記給排水装置を操作する操作装置と
を備え、
前記操作装置は、
前記洗浄水タンクの側面壁に設けられ、前記給排水装置に対する使用者の接触操作を受け付ける操作部と、
前記給排水装置に対する使用者の非接触操作を検出するセンサ部と
を備え、
前記操作部は、前記洗浄水タンクに対して回動可能に設けられる回動部を備え、
前記センサ部は、前記洗浄水タンクに対して回動しないように前記操作部に設けられる、洗浄水タンク装置。
【請求項2】
前記センサ部は、前記回動部の回動中心軸よりも上方側の検出感度が、前記回動中心軸よりも下方側の検出感度よりも大きくなるように、設けられる、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項3】
前記センサ部は、前記回動部の回動中心軸よりも上方側に設けられる、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項4】
前記操作部は、
前記洗浄水タンクに対して回動しないように固定されるスピンドルガイドと、
前記スピンドルガイドに保持され、前記接触操作によって回動するスピンドルと
を備え、
前記スピンドルガイドは、前記センサ部が固定される固定部を備える、請求項1に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項5】
前記固定部は、前記スピンドルの回動を規制する、請求項4に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記接触操作を受け付けるレバー部
を備え、
前記固定部は、前記回動部の回動中心軸よりも前記レバー部側に設けられる、請求項5に記載の洗浄水タンク装置。
【請求項7】
前記センサ部は、前記非接触操作によって前記給排水装置を制御する制御装置に伝達線によって接続され、
前記伝達線は、前記回動部の回動中心軸に対して、前記固定部とは反対側に設けられる、請求項4に記載の洗浄水タンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、洗浄水タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄水タンクから便器部に洗浄水を供給するための操作レバーに、使用者の非接触操作を検出するセンサ部が設けられた洗浄水タンク装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記する洗浄水タンク装置は、センサ部によって使用者の非接触操作が検出された場合に、洗浄水タンクから便器部に洗浄水を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/0074184号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記する洗浄水タンク装置では、操作レバーが回転する場合に、センサ部も回転するため、センサ部の故障、および、センサ部による誤検出が発生するおそれがある。
【0006】
実施形態の一態様は、センサ部の故障、および、センサ部の誤検出の発生を抑制する洗浄水タンク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係る洗浄水タンク装置は、洗浄水タンクと、給排水装置と、操作装置とを備える。洗浄水タンクは、洗浄水を貯める。給排水装置は、洗浄水を便器部に供給する。操作装置は、給排水装置を操作する。操作装置は、操作部と、センサ部とを備える。操作部は、洗浄水タンクの側面壁に設けられ、給排水装置に対する使用者の接触操作を受け付ける。センサ部は、給排水装置に対する使用者の非接触操作を検出する。操作部は、回動部を備える。回動部は、洗浄水タンクに対して回動可能に設けられる。センサ部は、洗浄水タンクに対して回動しないように操作部に設けられる。
【0008】
これにより、洗浄水タンク装置は、操作部が、使用者の接触操作を受け付けて回動した場合であっても、センサ部が回動することを防止することができる。そのため、洗浄水タンク装置は、センサ部の故障、および、センサ部の誤検出の発生を抑制することができる。
【0009】
センサ部は、回動部の回動中心軸よりも上方側の検出感度が、回動中心軸よりも下方側の検出感度よりも大きくなるように、設けられる。
【0010】
使用者が非接触操作によって便器部の洗浄を行う場合、使用者は、上方側から手をセンサ部に近づけることが考えられる。洗浄水タンク装置は、回動中心軸よりも上方側のセンサ部の検出感度を大きくする。これにより、洗浄水タンク装置は、使用者による非接触操作の検出精度を向上させることができる。
【0011】
センサ部は、回動中心軸よりも上方側に設けられる。
【0012】
これにより、洗浄水タンク装置は、使用者による非接触操作の検出精度を向上させることができる。
【0013】
操作部は、スピンドルガイドと、スピンドルとを備える。スピンドルガイドは、洗浄水タンクに対して回動しないように固定される。スピンドルは、スピンドルガイドに保持され、接触操作によって回動する。スピンドルガイドは、センサ部が固定される固定部を備える。
【0014】
これにより、洗浄水タンク装置は、洗浄水タンクに固定されるスピンドルガイドを用いて、センサ部を固定することができる。そのため、洗浄水タンク装置は、操作装置の構造が複雑化することを抑制し、操作装置が大型化することを抑制しつつ、センサ部を洗浄水タンクに対して固定することができる。
【0015】
固定部は、スピンドルの回動を規制する。
【0016】
これにより、洗浄水タンク装置は、センサ部を固定する固定部を、スピンドルの回動、すなわち、回動部の回動を規制するストッパーとしても用いることができる。そのため、洗浄水タンク装置は、部材の追加を抑制しつつ、センサ部を固定し、かつ、回動部の回動を規制することができる。従って、洗浄水タンク装置は、操作装置を小型化し、かつ、意匠性を向上させることができる。
【0017】
操作部は、接触操作を受け付けるレバー部を備える。固定部は、回動部の回動中心軸よりもレバー部側に設けられる。
【0018】
これにより、洗浄水タンク装置は、固定部などによって、レバー部側におけるセンサ部の検出感度を小さくすることができる。そのため、洗浄水タンク装置は、使用者が、レバー部の操作による接触操作によって、便器部の洗浄を行う場合、接触操作に対するセンサ部の誤検出を抑制することができる。
【0019】
センサ部は、非接触操作によって給排水装置を制御する制御装置に伝達線によって接続される。伝達線は、回動中心軸に対して、固定部とは反対側に設けられる。
【0020】
これにより、洗浄水タンク装置は、操作装置の内部空間を有効に使うことができる。作業者は、伝達線の配線を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0021】
実施形態の一態様によれば、センサ部の故障、および、センサ部の誤検出の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、実施形態に係る水洗大便器の斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る洗浄水タンク装置の概略構成を示す図である。
図3図3は、操作装置、および、洗浄水タンクの概略を示す断面図である。
図4図4は、スピンドルガイドの斜視図である。
図5図5は、回動部、および、固定部を回動中心軸方向の外側から見た概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施形態による洗浄水タンク装置3について説明する。洗浄水タンク装置3は、図1に示すように、水洗大便器1に設けられる。図1は、実施形態に係る水洗大便器1の斜視図である。
【0024】
図1には、説明をわかりやすくするために、鉛直上向きを正方向とするZ軸を含む3次元の直交座標系を図示している。かかる直交座標系は、他の図においても図示している場合がある。かかる直交座標系では、Y軸の負方向を前方、Y軸の正方向を後方、X軸の正方向を右方、X軸の負方向を左方と規定している。このため、以下の説明において、X軸方向を左右方向、Y軸方向を前後方向、Z軸方向を上下方向という場合がある。
【0025】
水洗大便器1は、便器本体2(便器部)と、洗浄水タンク装置3とを備える。水洗大便器1は、便器本体2のボウル部に、洗浄水タンク装置3によって洗浄水を吐水することで、ボウル部内の汚物を排水管に排出する。たとえば、水洗大便器1は、ボウル部内の水の落差による流水作用で汚物を押し流す、いわゆる、洗い落し式の水洗大便器である。水洗大便器1は、サイホン作用を利用してボウル部内の汚物を吸い込んで排水トラップ管路から一気に外部に排出する、いわゆる、サイホン式の水洗大便器などであってもよい。
【0026】
洗浄水タンク装置3は、図2に示すように、洗浄水タンク5と、給排水装置6と、操作装置7と、制御装置8とを備える。図2は、実施形態に係る洗浄水タンク装置3の概略構成を示す図である。
【0027】
洗浄水タンク5は、便器本体2(図1参照)を洗浄するための洗浄水を貯水する。洗浄水タンク5は、便器本体2の上面後方に設けられる。洗浄水タンク5は、陶器製である。洗浄水タンク5は、本体部5aと、蓋部5bとを備える。本体部5aは、洗浄水を貯水する。本体部5aは、給排水装置6、および、制御装置8を収容する。蓋部5bは、本体部5aの上方に設けられ、本体部5aに着脱可能である。
【0028】
給排水装置6は、排水部10と、給水部11とを備える。排水部10は、洗浄水タンク5の排水口部5cを閉塞、および、開放する排水弁体12を備える。排水弁体12には、たとえば、第1玉鎖13a、および、第2玉鎖13bが接続される。第1玉鎖13a、または、第2玉鎖13bが引き上げられることで、排水弁体12は、排水口部5cを閉塞する閉塞位置から回動し、排水口部5cを開放する。排水口部5cが開放されることで、洗浄水タンク5から、排水口部5cを介して便器本体2へ洗浄水が排出される。すなわち、排水口部5cが開放されることで、便器本体2へ洗浄水が吐水される。
【0029】
第1玉鎖13aは、操作装置7の操作部30のスピンドル50に取付部材14を介して接続される。第1玉鎖13aは、操作部30に対する使用者の接触操作に応じて引き上げられる。具体的には、第1玉鎖13aは、使用者による操作部30のレバー部52の回動が機械的に伝達されて、引き上げられる。
【0030】
第2玉鎖13bは、モータ15に取付部材を介して接続される。第2玉鎖13bは、センサ部31に対する使用者の非接触操作に応じて引き上げられる。第2玉鎖13bは、モータ15によって引き上げられる。モータ15は、制御装置8によって制御される。
【0031】
なお、第1玉鎖13a、および、第2玉鎖13bの少なくとも1つに代えて、ワイヤが用いられてもよい。
【0032】
排水部10は、第1玉鎖13a、または、第2玉鎖13bが引き上げられることで、排水弁体12を回動させて、排水口部5cを開放する。排水口部5cを開放した排水弁体12は、洗浄水タンク5内の洗浄水の水位の低下とともに、排水口部5cに向けて回動する。そして、排水弁体12が、閉塞位置まで回動すると、排水口部5cが閉塞される。排水部10には、排水口部5cよりも、便器本体2側に連通するオーバーフロー管16が設けられる。
【0033】
給水部11は、外部の給水源に接続される給水管17から、洗浄水タンク5に洗浄水を給水する。給水部11では、給水バルブ18によって吐水、および、止水が切り替えられる。給水バルブ18が開くことで、給水管17から洗浄水タンク5に洗浄水が吐水される。給水バルブ18が閉じることで、洗浄水タンク5への吐水が止水される。給水バルブ18は、洗浄水タンク5内の水位の変動に応じて上下動するフロート19によって、吐水、および、止水を切り替える。
【0034】
次に、操作装置7について、さらに、図3、および、図4を参照し説明する。図3は、操作装置7、および、洗浄水タンク5の概略を示す断面図である。図4は、スピンドルガイド35の斜視図である。図3は、回動中心軸Pを含む上下方向の断面図である。
【0035】
操作装置7は、給排水装置6を操作する。操作装置7は、洗浄水タンク5の左右方向の側面壁に設けられる。たとえば、操作装置7は、洗浄水タンク5の右方の側面壁5dに設けられる。
【0036】
操作装置7は、使用者の接触操作、および、使用者の非接触操作のいずれかによって、給排水装置6を操作可能である。すなわち、洗浄水タンク装置3は、給排水装置6に対する使用者の接触操作、および、給排水装置6に対する使用者の非接触操作のいずれかによって、洗浄水を便器本体2に吐水することができる。
【0037】
操作装置7は、操作部30と、センサ部31とを備える。操作部30は、洗浄水タンク5の側面壁5dに設けられ、給排水装置6に対する使用者の接触操作を受け付ける。操作部30は、保持部32と、回動部33とを備える。
【0038】
操作部30は、保持部32に対して、回動部33が回動中心軸Pを中心に回動可能となるように設けられる。回動中心軸Pは、回動部33、具体的には、スピンドル50の回動中心軸である。
【0039】
なお、以下では、回動中心軸方向、および、回動中心軸Pに平行な方向において、洗浄水タンク5の内部に向かう方向を「内側」とし、洗浄水タンク5の外部に向かう方向を「外側」として説明する。
【0040】
保持部32は、洗浄水タンク5対して回動しないように、洗浄水タンク5に固定される。保持部32は、スピンドルガイド35と、スペーサ36と、ナット37とを備える。
【0041】
スピンドルガイド35は、洗浄水タンク5に対して回動しないように固定される。スピンドルガイド35は、円筒部38と、鍔部39と、固定部40とを備える。円筒部38は、洗浄水タンク5の側面壁5dに設けられた挿入孔5eに挿入される。円筒部38の外周面の一部には、ナット37が噛合するねじ山41が形成される。具体的には、回動中心軸方向の内側の端部側に、ねじ山41が形成される。
【0042】
円筒部38の外周面には、凹部42が形成される。凹部42は、回動中心軸Pよりも上方側に設けられる。凹42部は、回動中心軸方向(円筒部38の軸方向)において、ねじ山41よりも、外側に設けられる。凹部42は、回動中心軸方向に沿って形成される。回動中心軸方向における凹部42の長さは、洗浄水タンク5の挿入孔5eの長さよりも長い。凹部42は、洗浄水タンク5の側面壁5dとの間に、所定の隙間が生じるように形成される。所定の隙間は、センサ部31のハーネス62を通すことが可能な隙間である。
【0043】
鍔部39は、回動中心軸方向における外側の円筒部38の端部に形成される。鍔部39は、円筒部38から、円筒部38の径方向の外側に向けて突出するように形成される。鍔部39は、環状に形成される。鍔部39の一部は、洗浄水タンク5の側面壁5dに当接する。具体的には、鍔部39の一部は、洗浄水タンク5の外側面に当接する。鍔部39は、円筒部38が、回動中心軸方向における内側へ移動することを規制するストッパーとして機能する。
【0044】
なお、鍔部39には、センサ部31のハーネス62を通す切欠部、または、孔が形成されてもよい。
【0045】
鍔部39には、突出部39aが形成される。突出部39aは、回動中心軸Pよりも下方側の鍔部39から、下方に向けて突出する。
【0046】
固定部40は、鍔部39の突出部39aから、回動中心軸方向の外側に向けて突出するように形成される。固定部40は、回動中心軸Pよりも、下方側に設けられる。固定部40は、回動中心軸Pよりも、操作部30のレバー部52側に設けられる。固定部40には、ねじ孔40aが形成される。固定部40には、ねじ43によってセンサ部31が固定される。
【0047】
スペーサ36は、洗浄水タンク5の側面壁5dに当接する。具体的には、スペーサ36は、洗浄水タンク5の内側面に当接する。スペーサ36は、環状にされる。スペーサ36には、凹部36aが形成される。凹部36aは、円筒部38の凹部42と連通するように形成される。凹部36aは、スペーサ36の径方向に沿って延びるように形成される。凹部36aは、センサ部31のハーネス62を通すことが可能となるように形成される。
【0048】
ナット37は、円筒部38のねじ山41に噛合する。ナット37は、回動中心軸方向において、スペーサ36よりも内側に設けられる。ナット37が締められることで、スペーサ36を介して、スピンドルガイド35が、洗浄水タンク5の側面壁5dに固定される。
【0049】
回動部33は、洗浄水タンク5に対して回動可能に設けられる。回動部33は、回動中心軸Pを中心に回動可能に設けられる。回動部33は、スピンドルガイド35に回動可能に保持される。回動部33は、スピンドル50と、操作本体部51と、レバー部52とを備える。
【0050】
スピンドル50は、円柱状、または、円筒状に形成される。スピンドル50は、スピンドルガイド35の円筒部38に挿入される。スピンドル50は、スピンドルガイド35に回動可能に保持される。スピンドル50は、使用者の接触操作によって回動する。スピンドル50は、回動中心軸方向の端部に、第1係合部50a、および、第2係合部50bを備える。
【0051】
第1係合部50aは、回動中心軸方向におけるスピンドル50の内側の端部に形成される。第1係合部50aは、たとえば、スプラインである。第1係合部50aは、給排水装置6の排水弁体12を引き上げる第1玉鎖13aが取り付けられる取付部材14に係合される。
【0052】
第2係合部50bは、回動中心軸方向におけるスピンドル50の外側の端部に形成される。第2係合部50bは、たとえば、スプラインである。第2係合部50bは、操作本体部51に形成される取付部56aに係合される。
【0053】
操作本体部51は、洗浄水タンク5の外側に設けられる。操作本体部51には、収容部55が形成される。収容部55は、回動中心軸方向の外側の端部が開口する。収容部55には、回動中心軸方向の内側の端部に壁部56が形成される。収容部55は、回動中心軸Pに直交する断面における形状が、円形となるように形成される。収容部55には、センサ部31が収容される。
【0054】
操作本体部51の壁部56には、取付部56aが形成される。取付部56aは、キャップ状に形成される。取付部56aは、回動中心軸方向の外側に向けて突出するように形成される。取付部56aの内周壁には、スプラインが形成される。取付部56aには、スピンドル50の第2係合部50bが係合される。壁部56には、第1孔56bと、第2孔56cとが形成される。
【0055】
第1孔56bは、収容部55の径方向において、取付部56aよりも外側に形成される。第1孔56bには、スピンドルガイド35の固定部40が挿入される。第1孔56bは、使用者の接触操作が行われた場合に、回動部33が、保持部32に対して回動可能となる形状、および、大きさに形成される。たとえば、第1孔56bは、扇状に形成される。
【0056】
第2孔56cは、収容部55の径方向において、取付部56aよりも外側に形成される。第2孔56cには、センサ部31のハーネス62が挿入される。第2孔56cは、回動部33が、保持部32に対して回動する場合に、ハーネス62に、操作本体部51が接触しない形状、および、大きさに形成される。たとえば、第2孔56cは、扇状に形成される。
【0057】
レバー部52は、操作本体部51から、操作本体部51の径方向の外側に向けて突出するように形成される。たとえば、レバー部52は、操作本体部51から下方に向けて突出するように形成される。レバー部52は、使用者による接触操作を受け付けるように形成される。
【0058】
センサ部31は、給排水装置6に対する使用者の非接触操作を検出する。センサ部31は、操作本体部51の側方(右方)における使用者の非接触操作(たとえば、手かざし)を検出する。センサ部31は、洗浄水タンク5に対して回動しないように、操作部30に設けられる。センサ部31は、操作本体部51の収容部55に収容される。センサ部31は、センサ60と、ケース61と、ハーネス62とを含む。
【0059】
センサ60は、使用者の非接触操作を検出する。センサ60は、人感センサである。センサ60は、赤外線センサ、静電センサ、および、マイクロセンサなどである。センサ60は、回動中心軸Pよりも上方側の検出感度が、回動中心軸Pよりも下方側の検出感度よりも大きくなるように設けられる。センサ60は、回動中心軸Pよりも上方側に設けられる。センサ60は、回動中心軸Pに対して、レバー部52とは反対側に設けられる。
【0060】
なお、センサ60は、検出方向が、斜め上方を向くように設けられてもよい。たとえば、センサ60の少なくとも一部が、回動中心軸Pよりも下方側に設けられてもよい。
【0061】
ケース61は、センサ60を収容する。ケース61は、回動中心軸方向において、操作本体部51の取付部56aよりも外側に設けられる。ケース61は、ねじ43によって固定部40に取り付けられる。固定部40によるケース61の取付位置は、回動中心軸Pよりも下方である。
【0062】
ケース61には、ハーネス62が引き出される孔61aが形成される。孔61aは、回動中心軸Pよりも上方に設けられる。孔61aは、たとえば、操作本体部51の壁部56に形成される第2孔56cと向かい合うように形成される。ケース61には、回動中心軸方向の外側にケースカバー64が設けられる。
【0063】
ハーネス62は、センサ60と制御装置8とを接続する。ハーネス62は、回動中心軸Pに対して、固定部40とは反対側に設けられる。具体的には、ハーネス62は、回動中心軸Pに対して、固定部40とは反対側を通り、洗浄水タンク5内に挿入されるように設けられる。ハーネス62は、センサ60から、ケース61の孔61a、操作本体部51の壁部56の第2孔56c、および、円筒部38の凹部42を通り、洗浄水タンク5の挿入孔5eに挿入される。また、洗浄水タンク5の挿入孔5eに挿入されたハーネス62は、円筒部38の凹部42、および、スペーサ36の凹部36aを通り、制御装置8に接続される。
【0064】
制御装置8は、ハーネス62によってセンサ60と電気的に接続される。制御装置8は、センサ60によって、使用者の非接触操作が検出された場合に、給排水装置6を制御する。具体的には,制御装置8は、センサ60によって、使用者の非接触操作が検出された場合に、給排水装置6を制御し、洗浄水を便器本体2に吐水させる。
【0065】
制御装置8は、コントローラである。制御装置8は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。なお、制御装置8は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んでもよい。
【0066】
洗浄水タンク装置3では、使用者が、接触操作によってレバー部52を、初期位置から洗浄方向に回動させた場合に、レバー部52と共に、操作本体部51、および、スピンドル50が回動する。スピンドル50が回動することで、スピンドル50に係合された取付部材14が回動し、取付部材14に取り付けられた第1玉鎖13aが引き上げられる。これにより、排水弁体12が回動し、排水口部5cが開放される。そして、洗浄水タンク5から便器本体2に洗浄水が排出される。
【0067】
レバー部52が、初期位置から洗浄方向に回動した場合、図5に示すように、固定部40が、操作本体部51の第1孔56bを形成する壁部56の縁56dに当接する。これにより、操作本体部51の回動、すなわち、レバー部52、および、スピンドル50を含む回動部33の回動が規制される。図5は、回動部33、および、固定部40を回動中心軸方向の外側から見た概略図である。また、図5では、初期位置におけるレバー部52、第1孔56b、および、第2孔56cなどを二点鎖線で示し、固定部40によって回動が規制された場合のレバー部52、第1孔56b、および、第2孔56cなどを実線で示す。
【0068】
なお、レバー部52が、初期位置から、洗浄方向とは反対側に回動された場合、固定部40が、操作本体部51の第1孔56bを形成する壁部56の縁56eに当接する。これにより、操作本体部51の回動、すなわち、レバー部52、および、スピンドル50を含む回動部33の回動が規制される。
【0069】
レバー部52が回動した場合であっても、センサ部31は、洗浄水タンク5に固定されたスピンドルガイド35の固定部40に取り付けられているため、回動しない。
【0070】
洗浄水タンク装置3では、使用者が、センサ60の検知範囲に、たとえば、手かざしを行うと、センサ60によって使用者の非接触操作が検出される。センサ60による使用者の非接触操作の検出結果は、ハーネス62を介して制御装置8に伝達される。センサ60からハーネス62を介して非接触操作の検出結果が伝達された場合、制御装置8は、モータ15を駆動させて、第2玉鎖13bを引き上げさせる。これにより、排水弁体12が回動し、排水口部5cが開放される。そして、洗浄水タンク5から便器本体2に洗浄水が排出される。
【0071】
洗浄水タンク装置3は、洗浄水タンク5と、給排水装置6と、操作装置7とを備える。洗浄水タンク5は、洗浄水を貯める。給排水装置6は、洗浄水を便器部に供給する。操作装置7は、給排水装置6を操作する。操作装置7は、操作部30と、センサ部31とを備える。操作部30は、洗浄水タンク5の側面壁5dに設けられ、給排水装置6に対する使用者の接触操作を受け付ける。センサ部31は、給排水装置6に対する使用者の非接触操作を検出する。操作部30は、回動部33を備える。回動部33は、洗浄水タンク5に対して回動可能に設けられる。センサ部31は、洗浄水タンク5に対して回動しないように操作部30に設けられる。
【0072】
これにより、洗浄水タンク装置3は、操作部30が、使用者の接触操作を受け付けて回動した場合であっても、センサ部31が回動することを防止することができる。そのため、洗浄水タンク装置3は、センサ部31の故障、および、センサ部31の誤検出の発生を抑制することができる。
【0073】
センサ部31は、回動部33の回動中心軸Pよりも上方側の検出感度が、回動中心軸Pよりも下方側の検出感度よりも大きくなるように、設けられる。
【0074】
使用者が非接触操作によって便器本体2の洗浄を行う場合、使用者は、上方側から手をセンサ部31に近づけることが考えられる。洗浄水タンク装置3は、回動中心軸Pよりも上方側のセンサ部31の検出感度を大きくする。これにより、洗浄水タンク装置3は、使用者による非接触操作の検出精度を向上させることができる。
【0075】
センサ部31は、回動中心軸Pよりも上方側に設けられる。
【0076】
これにより、洗浄水タンク装置3は、使用者による非接触操作の検出精度を向上させることができる。
【0077】
操作部30は、スピンドルガイド35と、スピンドル50とを備える。スピンドルガイド35は、洗浄水タンク5に対して回動しないように固定される。スピンドル50は、スピンドルガイド35に保持され、接触操作によって回動する。スピンドルガイド35は、センサ部31が固定される固定部40を備える。
【0078】
これにより、洗浄水タンク装置3は、洗浄水タンク5に固定されるスピンドルガイド35を用いて、センサ部31を固定することができる。そのため、洗浄水タンク装置3は、操作装置7の構造が複雑化することを抑制し、操作装置7が大型化することを抑制しつつ、センサ部31を洗浄水タンク5に対して固定することができる。
【0079】
固定部40は、スピンドル50の回動を規制する。
【0080】
これにより、洗浄水タンク装置3は、センサ部31を固定する固定部40を、スピンドル50の回動、すなわち、回動部33の回動を規制するストッパーとしても用いることができる。そのため、洗浄水タンク装置3は、部材の追加を抑制しつつ、センサ部31を固定し、かつ、回動部33の回動を規制することができる。従って、洗浄水タンク装置3は、操作装置7を小型化し、かつ、意匠性を向上させることができる。
【0081】
操作部30は、接触操作を受け付けるレバー部52を備える。固定部40は、回動中心軸Pよりもレバー部52側に設けられる。
【0082】
これにより、洗浄水タンク装置3は、固定部40などによって、レバー部52側におけるセンサ部31の検出感度を小さくすることができる。そのため、洗浄水タンク装置3は、使用者が、レバー部52の操作による接触操作によって、便器本体2の洗浄を行う場合、接触操作に対するセンサ部31の誤検出を抑制することができる。
【0083】
センサ部31は、非接触操作によって給排水装置6を制御する制御装置8にハーネス62によって接続される。ハーネス62は、回動中心軸Pに対して、固定部40とは反対側に設けられる。
【0084】
これにより、洗浄水タンク装置3は、操作装置7の内部空間を有効に使うことができる。作業者は、ハーネス62の配線を容易に行うことができる。
【0085】
変形例に係る洗浄水タンク装置3は、レバー部52の初期位置において、たとえば、レバー部52が水平方向を向くように設けてもよい。
【0086】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0087】
1 水洗大便器
2 便器本体(便器部)
3 洗浄水タンク装置
5 洗浄水タンク
6 給排水装置
7 操作装置
8 制御装置
30 操作部
31 センサ部
32 保持部
33 回動部
35 スピンドルガイド
50 スピンドル
51 操作本体部
52 レバー部
40 固定部
60 センサ
62 ハーネス
P 回動中心軸
図1
図2
図3
図4
図5