(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142661
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】投射方法、プログラム、及びプロジェクター
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20241003BHJP
G03B 21/00 20060101ALI20241003BHJP
G03B 21/14 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H04N5/74 A
H04N5/74 D
G03B21/00 D
G03B21/14 Z
G03B21/14 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054902
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 和彦
【テーマコード(参考)】
2K203
5C058
【Fターム(参考)】
2K203FA02
2K203FA32
2K203FA62
2K203FA82
2K203FB03
2K203GB42
2K203GB62
2K203GC14
2K203GC26
2K203HB05
2K203HB07
2K203HB08
2K203KA36
2K203MA07
2K203MA23
5C058BA27
5C058BA35
5C058EA02
5C058EA26
(57)【要約】
【課題】歪みの発生を低減しつつ、投射対象物に対する投射画像の投射位置を変更する。
【解決手段】プロジェクター1は、光変調パネル22と、光変調パネル22における描画領域に画像データに従って画像を描画する画像処理装置10と、投射レンズ23aと、処理装置50と、を含む。処理装置50は、投射対象物SCに対する投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付ける。処理装置50は、投射レンズ23aのシフト方向を変更操作に応じて決定する。処理装置50は、投射画像と描画領域に描画された画像との対応関係を特定する。処理装置50は、画像データの表す画像が描画領域に収まるように、対応関係に基づいて投射レンズ23aと光変調パネル22の相対位置を調整する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光変調パネルの描画領域に描画された画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、
前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、
前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、
前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、
を含む、投射方法。
【請求項2】
前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、
前記投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って、前記投射レンズが移動することを含む、
請求項1に記載の投射方法。
【請求項3】
前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、
前記投射レンズの光軸に沿って、前記投射レンズが移動することを含む、
請求項1に記載の投射方法。
【請求項4】
前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、
前記投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って、前記投射レンズが移動する第1モードの調整と、前記投射レンズの光軸に沿って、前記投射レンズが移動する第2モードの調整と、の何れにより前記相対関係を調整するかを指定する操作を受け付けることを含み、前記操作により指定されたモードにより前記相対位置を調整することを含む、
請求項1に記載の投射方法。
【請求項5】
コンピューターに、
光変調パネルの描画領域に描画された画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、
前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、
前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、
前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、
を実行させるプログラム。
【請求項6】
光変調パネルと投射レンズとを含み、前記光変調パネルの描画領域に描画される画像に基づく投射画像を、前記投射レンズを介して投射対象物に投射する光学装置と、
前記描画領域に画像を描画する画像処理装置と、
処理装置と、を含み、
前記処理装置は、
前記投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、
前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、
前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、
前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、
を実行する、プロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投射方法、プログラム、及びプロジェクター、に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被投射面上に形成された投射画像を、ユーザーにとって自然な操作でシフトさせる画像光学装置の発明が開示されている。特許文献1に開示の画像光学装置は、投射画像の投射位置をシフトさせるシフト手段と、映像信号の形状を変形することにより台形歪み等を補正する変形手段と、変形手段により映像信号が変形されている場合に、変形状態に基づいて、シフト手段によるシフトの向きを補正する補正手段と、を有する。なお、特許文献1におけるシフトは、投射レンズをシフトさせることによって投射位置の移動を行うレンズシフトである。以下では、レンズシフトは光学シフトと称される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の技術には、光学シフトによる投射位置の変更前後で投射画像が変形する場合がある。投射画像の台形歪み等が補正された後に光学シフトが行われると、調整後の投射画像に光学シフトに応じた歪みが発生する場合があるからである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様に係る投射方法は、光変調パネルの描画領域に描画された画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を含む。
【0006】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピューターに、光変調パネルの描画領域に描画された画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を実行させる。
【0007】
本開示の一態様に係るプロジェクターは、光変調パネルと投射レンズとを含み、前記光変調パネルの描画領域に描画される画像に基づく投射画像を、前記投射レンズを介して投射対象物に投射する光学装置と、前記描画領域に画像を描画する画像処理装置と、処理装置と、を含み、前記処理装置は、前記投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態によるプロジェクターの構成例を示す図である。
【
図2】変更操作により指示される移動方向と投射画像の移動方向との関係の一例を示す図である。
【
図3】変更操作により指示される移動方向と投射画像の移動方向との関係の他の例を示す図である。
【
図4】変更操作により指示される移動方向と投射画像の移動方向との関係の他の例を示す図である。
【
図6】特定部及び調整部における処理を説明するための図である。
【
図7】本開示における投射方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の一実施形態によるプロジェクターについて図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施形態は、好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本開示の範囲は、以下の説明において特に本開示を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0010】
(A:実施形態)
図1は、本開示の一実施形態に係るプロジェクター1の構成例を示す図である。プロジェクター1は、画像供給装置から供給される画像データの表す画像を、投射スクリーン等の投射対象物SCに投射する。
図1では、画像供給装置の図示は省略されている。画像供給装置の具体例としては、プロジェクター1に接続されるパーソナルコンピューターが挙げられる。
図1に示されるように、プロジェクター1は、画像処理装置10と、光学装置20と、入力装置30と、記憶装置40と、処理装置50と、を有する。
【0011】
処理装置50は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー、即ちコンピューターを含んで構成される。処理装置50は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーで構成されてもよい。処理装置50は、記憶装置40に記憶されているプログラムPR1に従って作動することにより、プロジェクター1の制御中枢として機能する。プログラムPR1に従って、処理装置50が実行する処理の詳細については後に明らかにする。
【0012】
画像処理装置10は、例えば画像処理LSI(Large-Scale Integration)等の集積回路を含で構成される。画像処理装置10は、処理装置50による制御の下、画像供給装置から供給される画像データに画像処理を施す。画像処理装置10は、前処理部11と、OSD(On-Screen Display)重畳部12と、幾何歪補正部13と、を有する。
【0013】
前処理部11は、画像データが入力される端子と、端子を通じて入力された画像データを受信するためのレシーバー回路と、を含む。端子の一例としてはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子が挙げられる。なお、HDMIは登録商標である。前処理部11の端子には画像供給装置が接続される。前処理部11は、端子を通じて入力された画像データに対して、ブライトネス補正、コントラスト補正、ガンマ変換、色変換、解像度変換、鮮鋭処理、及びIP変換等の各種画像処理を施す。前処理部11は、各種画像処理を施した画像データをOSD重畳部12に与える。
【0014】
OSD重畳部12は、入力装置30に対する入力に操作等に応じてOSD画像の表示を指示された場合に、前処理部11から与えられた画像データの表す画像にOSD画像を重畳する。OSD画像は、予め用意されたビットマップ等の表す画像であってもよく、又は、直線或いは長方形の画像であってもよい。OSD重畳部12は、OSD画像を重畳済の画像を表す画像データを幾何歪補正部13へ出力する。なお、OSD画像の表示を指示されていない場合、OSD重畳部12は、前処理部11から入力された画像データを、そのまま幾何歪補正部13へ出力する。
【0015】
幾何歪補正部13は、OSD重畳部12から入力される画像データに対して、台形歪み等の幾何学的な画像の歪みを補正する画像処理を施す。幾何歪補正部13は、歪みを補正済の画像データを光学装置20へ出力する。
【0016】
光学装置20は、処理装置50による制御の下、画像処理装置10から供給される画像データの表す画像を投射対象物SCに投射する。光学装置20は、光源部21、光変調パネル22、投射光学系23、及びパネル駆動部24を有する。
【0017】
パネル駆動部24は、画像処理装置10から供給される画像データに従って光変調パネル22を駆動することにより、この画像データの表す画像を光変調パネル22における描画領域に描画する。光変調パネル22の描画領域とは、液晶等を用いて構成された画素がマトリクス状に配列された領域のことをいう。
【0018】
光源部21は、例えば、ハロゲンランプ又はレーザーダイオード等の光源を含む。投射光学系23は、投射レンズ23aと、駆動ユニットと、を含む。
図1では、駆動ユニットの図示は省略されている。駆動ユニットは、処理装置50による制御の下、光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を変更する。駆動ユニットにより光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置が変更されることによって、光学ズーム、及び光学シフトが実現される。
【0019】
光学ズームとは、投射レンズ23aの光軸に沿って投射レンズ23aを移動させることにより、光変調パネル22と投射レンズ23aとの間の距離を短くする、又は長くすることをいう。光学シフトとは、投射レンズ23aの光軸と交わる2つの軸の各々に沿った方向に、投射レンズ23aを移動させることをいう。投射レンズ23aの光軸と交わる2つの軸の具体例としては、投射レンズ23aの光軸が鉛直軸と直交する場合における鉛直軸と、当該鉛直軸及び当該光軸の両者に直交する軸と、が挙げられる。
【0020】
光源部21からの光は、光変調パネル22において画素毎に変調され、投射レンズ23aを介して画像光として投射対象物SCに投射される。この画像光が投射対象物SCに投射されることにより、投射対象物SCの表面に投射画像が表示される。
【0021】
入力装置30は、ユーザーが操作を入力するための操作子を備える。ユーザーの操作の具体例としては、各種設定を行うためのメニューの表示を指示する操作、メニューに表示される項目の選択又はキャンセルを指示する操作、及び、上下左右の方向を指示する方向指示操作等が挙げられる。本実施形態では、メニューを表す画像は前述のOSD画像として表示される。入力装置30は、入力された操作を示す電気信号を生成する。以下では、入力された操作を示す電気信号は操作内容信号と称される。入力装置30は、ユーザーの操作に応じて生成した操作内容信号を処理装置50へ与える。入力装置30から処理装置50へ操作内容信号が与えられることにより、ユーザーの操作の内容が処理装置50へ伝達される。
【0022】
記憶装置40は、処理装置50が読み取り可能な記録媒体である。記憶装置40は、例えば、不揮発性メモリーと揮発性メモリーとを含む。不揮発性メモリーは、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)又はEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)である。揮発性メモリーは、例えば、RAM(Random Access Memory)である。記憶装置40の不揮発性メモリーには、プログラムPR1が予め記憶されている。揮発性メモリーは当該プログラムPR1を実行する際のワークエリアとして処理装置50によって利用される。
【0023】
処理装置50は、プロジェクター1の電源投入を契機としてプログラムPR1を不揮発性メモリーから揮発性メモリーへ読み出す。なお、
図1では、プロジェクター1の電源の図示は省略されている。処理装置50は、読み出したプログラムPR1を実行する。プログラムPR1に従って作動している処理装置50は、画像供給装置からプロジェクター1に与えられる画像データの表す画像を、投射対象物に投射する投射方法を実行する。この投射方法では、画像処理装置10による各種処理を経た画像データに従って光変調パネル22に描画される画像に基づく投射画像が、投射レンズ23aを介して投射対象物SCに投射される。
【0024】
また、プログラムPR1に従って作動している処理装置50は、
図1に示される受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54として機能する。つまり、
図1に示される受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54の各々はCPU等のコンピューターをプログラム等のソフトウェアに従って作動させることにより実現されるソフトウェアモジュールである。受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54の各々が担う機能は次の通りである。
【0025】
受付部51は、投射対象物SCに対する投射画像の投射位置を変更するための変更操作を受け付ける。変更操作の具体例としては、前述の方向指示操作が挙げられる。例えば、投射画像の投射位置を上側へ変更する場合、ユーザーは上方向を指示する方向指示操作を行う。また、投射画像の投射位置を右側へ変更する場合、ユーザーは右方向を指示する方向指示操作を行う。
【0026】
決定部52は、変更操作の表す投射位置の変更を光学シフトにより実現する際の投射レンズ23aの移動方向を、変更操作に応じて決定する。以下では、投射位置の変更を光学シフトにより実現する際の投射レンズ23aの移動方向は、光学シフトの方向と称される。
【0027】
図2は、幾何歪補正部13による変形処理が行われていない場合における、変更操作により指示された方向D1と、投射対象物SCに表示された画像G1の移動方向Y1との関係を示す図である。幾何歪補正部13による変形処理が行われない場合の具体例としては、プロジェクター1が投射対象物SCの正面に、前後左右のどちらにも傾かずに設置されている場合が挙げられる。幾何歪補正部13による変形処理が行われていない場合、投射対象物SCに表示された画像G1の移動方向Y1と光学シフトの方向とは一致する。従って、変更操作により指示された方向D1をそのまま光学シフトの方向とすることで、変更操作の表す投射位置の変更が光学シフトにより実現される。
【0028】
図3は、幾何歪補正部13による変形処理が行われている場合における、変更操作により指示された方向D1と、投射対象物SCに表示された画像G1の移動方向Y2との関係を示す図である。
図3には、投射対象物SCに対してプロジェクター1が左肩下がり傾いた状態で設置され、この傾きとは逆向きに投射画像が傾くように変形処理が施されている場合について例示されている。
図3における画像G2は、この状態において変形処理を施さずに投射された長方形状の画像の一例である。
図3に示す例では、投射対象物SCに表示された画像G1の移動方向Y2と光学シフトの方向とは一致しない。例えば、
図3に示す例では、画像G1を上方向へ移動させることを指示する変更操作が為され、この変更操作に応じて上方向への光学シフトが行われると、画像G1は斜め左上方向に移動する。従って、幾何歪補正部13による変形処理が行われている場合、変更操作により指示された方向D1をそのまま光学シフトの方向とすることはできない。同様に、台形歪みを補正する変形処理が幾何歪補正部13によって施されている場合も、変更操作により指示された方向D1をそのまま光学シフトの方向とすることはできない。
図4には、長方形状の画像G3が投射対象物SCに表示されるようにする変形処理が実行されている場合における、変更操作により指示された方向D1と画像G3の移動方向Y3との関係が示されている。なお、
図4における画像G4は、
図4に示される例において、変形処理を実行せずに長方形状の画像を投射対象物SCに投射した場合に表示される画像の一例である。
【0029】
変更操作により指示された方向と投射画像の移動方向との不一致を回避するため、決定部52は、投射画像に対応して光変調パネル22に描画される画像の輪郭の形状に基づいて投射対象物SCに対する投射画像の傾きの向きを算出し、算出した向きに応じて光学シフトの方向を決定する。
図3に示す例の場合、決定部52は、上方向を指示する変更操作が入力装置30に対して為された場合、光変調パネル22に描画された画像に対して右肩上がりに傾ける変形処理が画像処理装置10によって施されていることを加味し、光学シフトの方向を左上方向に決定する。
【0030】
決定部52による光学シフトの方向の決定は、特許文献1に開示の技術においても行われていた。しかし、幾何歪補正部13による変形処理が行われた後に、投射対象物SCに対する投射画像の投射位置の変更を光学シフトにより実現すると、移動後の投射位置に応じた歪みが投射画像に発生し得る、といった問題があった。光学シフトでは、光変調パネル22に描画された画像は移動しなので、投射レンズ23aから見たときに、光変調パネル22に描画された画像の消失点が、光学シフトによる移動後の投射画像に対応した消失点になるとは限らず、消失点の不一致に起因する歪みが発生し得る。消失点とは、平面に描画された画像を当該平面上から見たときに、当該画像が一つの点として見える位置のことをいう。例えば、
図5に示す画像G5であれば、互いに角を共有しない2辺に沿った直線の交点、例えば辺A1に沿った直線L1と辺A2に沿った直線L2との交点P1が第1の消失点となる。同様に、辺A3に沿った直線L3と辺A4に沿った直線L4との交点P2が第2の消失点となる。第1の消失点又は第2の消失点から画像G5を見ると、画像G5は、画像G5における対角線の交点P3に位置する一つの点に見える。
【0031】
光変調パネル22に描画される画像の形状が長方形状であれば、当該画像の消失点は無限遠である。光変調パネル22に描画される画像の消失点が無限遠であれば、光学シフトにより投射画像を移動させても、当該移動後の投射画像に対応する光変調パネル22上の画像の消失点は変化しないので、上記問題は発生しない。しかし、光変調パネル22に描画される画像が幾何歪補正部13による変形処理により台形等に変形されていると、少なくとも1つの消失点は無限遠ではなくなり、上記問題が発生する。特定部53及び調整部54は、この問題の発生を低減させるために設けられている。
【0032】
特定部53は、決定部52により決定された方向に光学シフトを行った場合に投射対象物SCに投射される投射画像と当該投射画像を投射するために画像データに従って光変調パネル22に描画されるべき画像との対応関係を特定する。ここで、投射対象物SC上の位置を規定する二次元座標系として第1座標系が設定され、且つ光変調パネル22上の位置を規定する二次元座標系として第2座標系が設定されたとする。この場合、第1座標系における位置(X,Y)と第2座標系における位置(α,β)との間には、以下の式(1)及び式(2)により表わされる射影変換の関係がある。なお、式(1)及び式(2)におけるa,b,c,d,e,f,g,及びhは射影変換を規定する係数である。
X=(a×α+b×β+c)/(g×α+h×β+1)…(1)
Y=(d×α+e×β+f)/(g×α+h×β+1)…(2)
【0033】
a,b,c,d,e,f,g,及びhの値が求まれば、投射画像と当該投射画像に対応して光変調パネル22に描画されるべき画像との対応関係が特定される。特定部53は、
図6に示されるように、光変調パネル22の描画領域R1に描画された画像G6が投射対象物SC上に歪みのない長方形状の画像G7として投射されるという前提の下、以下の要領で、a,b,c,d,e,f,g,及びhの値を求めることにより、上記対応関係を特定する。なお、
図6における一点鎖線は、長方形状の画像をそのまま投射対象物SCに投射した場合に表示される画像を表す。
【0034】
特定部53は、まず、画像G7の水平方向の長さSW及び垂直方向の長さSHに各々任意の値を設定し、第1座標系における画像G7の四隅の位置を(0、0)、(SW、0)、(SW、SH)及び(0、SH)とする。ここで、第2座標系における画像G6の四隅の位置(α0、β0)、(α1、β1)、(α2、β2)、及び(α3、β3)は、既知である。特定部53は、(0、0)と(α0、β0)とを式(1)及び式(2)の各々に代入して得られる第1及び第2の式と、(SW、0)と(α1、β1)とを式(1)及び式(2)の各々に代入して得られる第3及び第4の式と、(SW、SH)と(α2、β2)とを式(1)及び式(2)の各々に代入して得られる第5及び第6の式と、(0、SH)と(α3、β3)とを式(1)及び式(2)の各々に代入して得られる第7及び第8の式と、の合計8個の式をa,b,c,d,e,f,g,及びhに関する連立方程式として解くことで、a,b,c,d,e,f,g,及びhの値を求める。
【0035】
調整部54は、特定部53により特定した対応関係に基づいて、投射位置の変更前後で消失点が変化せず且つ投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域に収まるように光変調パネル22における描画位置を変更するとともに、投射レンズ23aと光変調パネル22との相対位置を調整する。
【0036】
例えば、
図6に示されるように、投射対象物SCに対する画像G7の投射位置が変更されたとする。この場合、調整部54は、まず、投射位置を変更後の投射画像の4隅の第1座標系における位置を、投射位置を変更前の画像G7の4隅の位置と変更操作により指示された方向とに基づいて算出する。なお、
図6では、投射位置を変更前の画像G7が点線で描画されている。
【0037】
次いで、調整部54は、特定部53により特定された射影変換の係数を用いて、投射位置を変更後の投射画像を投射対象物SCに投射する際に光変調パネル22に描画されるべき画像の四隅の位置を、特定部53により特定された対応関係に基づいて算出する。投射位置を変更後の投射画像を投射対象物SCに投射する際に光変調パネル22に描画されるべき画像G8が二点鎖線で描画されている。
【0038】
次いで、調整部54は、投射位置の変更前後で消失点が変化せず且つ投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域R1に収まるように、画像データの表す画像の形状及び描画位置を調整する。例えば、
図6に示す例では、調整部54は、画像G8の四隅が描画領域R1に収まるように、画像G8を平行移動する。投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域に収まるようにするのは、当該画像に基づいて投射対象物SCに投射される画像に欠落が生じないようにするためである。そして、調整部54は、決定部52により決定された光学シフトの上下方向及び左右方向のシフト量の少なくとも一方を当該描画位置の移動量に応じて調整することにより、光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を調整する。これにより、歪みの発生を低減しつつ、投射対象物に対する投射画像の投射位置を変更することが可能になる。また、投射画像に欠落が発生することを抑制できる。
【0039】
前述したように、プログラムPR1に従って作動している処理装置50は、画像供給装置から与えられる画像データに従って光変調パネル22に描画される第1画像に基づく第1投射画像を、投射レンズ23aを介して投射対象物SCに投射する投射方法を実行する。この投射方法には、
図7のフローチャートにより処理の流れが示される受付処理SA100、決定処理SA110、特定処理SA120、及び調整処理SA130が含まれる。
【0040】
受付処理SA100では、処理装置50は、受付部51として機能する。受付処理SA100では、処理装置50は、投射画像の投射位置を変更するための変更操作を受け付ける。決定処理SA110では、処理装置50は、決定部52として機能する。決定処理SA110では、処理装置50は、投射対象物に対する投射レンズ23aのシフト方向を、受付処理SA100にて受け付けた変更操作に応じて決定する。
【0041】
特定処理SA120では、処理装置50は、特定部53として機能する。特定処理SA120では、処理装置50は、投射位置が変更された投射画像と当該投射画像を投射するために光変調パネル22に描画されるべき画像と、の対応関係を特定する。より詳細には、特定処理SA120では、処理装置50は、前述の第1座標系と第2座標系との間の射影変換を規定する係数a~hを算出する。
【0042】
調整処理SA130では、処理装置50は、調整部54として機能する。調整処理SA130では、処理装置50は、投射位置の変更前後で消失点が変化せず、且つ投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域に収まるように、光変調パネル22に描画する画像の形状及び描画位置を変更し、特定部53により特定した対応関係に基づいて光学シフトのシフト量を調整することにより、光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を調整する。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、歪みの発生を低減しつつ、プロジェクター1から投射対象物に投射する投射画像の投射位置を変更することが可能になる。また、本実施形態によれば、投射画像に欠落が発生することを抑制できる。
【0044】
(B:変形)
以上、本開示の実施形態について説明したが、この実施形態は以下のように変形されてもよい。
【0045】
(1)上記実施形態における調整部54は、投射位置の変更前後で消失点が変化せず、且つ投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域に収まるように、当該画像の描画位置及び形状を調整し、更に特定部53により特定した対応関係に基づいてシフト量を調整した。しかし、調整部54は、
図8に示されるように、投射位置を変更後の投射画像に対する画像を、変更前の画像を光変調パネル22における描画領域に収まるように縮小することで生成してもよい。この場合、調整部54は、この縮小率に応じて光学ズームのズーム量を調整することにより、光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を調整してもよい。また、調整部54は、光学シフトと光学ズームとを併用して、光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を調整してもよい。縮小及び光学ズームのみにより調整を行う態様であれば、縮小及び光学ズームによる拡大に起因する画質の劣化が懸念されるものの、投射位置の変更前後で消失点は変化しないので、形状の調整を行う必要はなく、上記実施形態よりも処理速度が向上する。
【0046】
また、光学ズームにより調整を行う第1モードと光学シフトにより調整を行う第2モードのうちの何れかをユーザーに予め選択させておき、調整部54は、ユーザーにより選択された方のモードに基づく調整のみを行ってもよい。このとき、受付部51は、光学ズームにより調整を行う第1モードと、光学シフトにより調整を行う第2モードの調整と、の何れにより光変調パネル22に対する投射レンズ23aの相対位置を調整するかを指定する操作を、ユーザーから受け付ける。そして、調整部54は、当該操作により指定されたモードにより前記相対位置を調整する。ユーザーは、投射画像の画質の優先を所望する場合には第1モードを選択し、処理速度の優先を所望する場合には第2モードを選択する等、自身のニーズに即した投射をプロジェクター1に実行させることができる。なお、ユーザーの選択したモードのみでは、投射位置を変更後の投射画像に対する画像が光変調パネル22における描画領域に収まらない場合には、調整部54は、他方のモードによる調整を併用してもよい。
【0047】
(2)上記実施形態における受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54は、ソフトウェアモジュールであった。しかし、受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54のうちの任意の一つ、任意の二つ、任意の三つ、又は全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェアモジュールであってもよい。受付部51、決定部52、特定部53、及び調整部54のうちの任意の一つ、任意の二つ、任意の三つ、又は全部がハードウェアモジュールであっても、上記実施形態と同じ効果が奏される。
【0048】
(3)上記実施形態では、プロジェクター1の処理装置50がプログラムPR1を実行したが、プロジェクター1と通信するパーソナルコンピューターのCPUがプログラムPR1を実行してもよい。また、プログラムPR1は単体で製造されてもよく、有償又は無償で提供されてもよい。プログラムPR1を提供する際の具体的な態様としては、フラッシュROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体にプログラムPR1を書き込んで提供する態様、又はインターネット等の電気通信回線経由のダウンロードによりプログラムPR1を提供する態様が挙げられる。これらの態様により提供されるプログラムPR1に従って一般的なコンピューターを作動させることで、当該コンピューターに本開示の投射方法を実行させることが可能になる。
【0049】
(C:本開示のまとめ)
本開示は、上述した実施形態及び変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実現することができる。例えば、本開示は、以下の態様によっても実現可能である。以下に記載した各態様中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、或いは本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
以下、本開示のまとめを付記する。
【0050】
(付記1)本開示の一態様による投射方法は、光変調パネルの描画領域に描画される画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を含む。
【0051】
付記1に記載の投射方法によれば、投射画像の少なくとも一部の位置を投射レンズの移動により変更する際に光変調パネルに描画されるべき画像が当該光変調パネルの描画領域に収まるように、光変調パネルに対する投射レンズの相対位置が調整されるので、投射レンズの移動に起因する投射画像の歪みを低減することができる。
【0052】
(付記2)投射方法は、付記1において、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、前記投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って、前記投射レンズが移動することを含む。
【0053】
付記2に記載の投射方法によれば、投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って投射レンズが移動することにより、光変調パネルに対する投射レンズの相対位置を調整することができる。
【0054】
(付記3)投射方法は、付記1又は付記2において、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、前記投射レンズの光軸に沿って、前記投射レンズが移動することを含む。
【0055】
付記3に記載の投射方法によれば、投射レンズの光軸に沿って投射レンズが移動すること、又は、投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って投射レンズが移動することと投射レンズの光軸に沿って前記投射レンズが移動することとの組み合わせにより、光変調パネルに対する投射レンズの相対位置を調整することができる。
【0056】
(付記4)投射方法は、付記1において、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することは、前記投射レンズの光軸と交わる2つの軸の少なくとも一方に沿って、前記投射レンズが移動する第1モードの調整と、前記投射レンズの光軸に沿って、前記投射レンズが移動する第2モードの調整と、の何れにより前記相対関係を調整するかを指定する操作を受け付けることを含み、前記操作により指定されたモードにより前記相対位置を調整することを含む。
【0057】
付記4に記載の投射方法によれば、第1モードの調整と第2モードの調整のうち、前記操作により指定されたモードの調整で、光変調パネルに対する投射レンズの相対位置を調整することができる。
【0058】
(付記5)プログラムは、コンピューターに、光変調パネルの描画領域に描画された画像に基づく投射画像が投射レンズを介して投射される投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を実行させる。
【0059】
付記5に記載のプログラムによれば、付記1に記載の投射方法と同様に、投射画像に欠損を生じさせることなく、投射レンズの移動に起因する投射画像の歪みを低減することができる。
【0060】
(付記6)プロジェクターは、光変調パネルと投射レンズとを含み、前記光変調パネルの描画領域に描画される画像に基づく投射画像を、前記投射レンズを介して投射対象物に投射する光学装置と、前記描画領域に画像を描画する画像処理装置と、 処理装置と、を含み、前記処理装置は、前記投射対象物に対する前記投射画像の少なくとも一部の位置を変更するための変更操作を受け付けることと、前記光変調パネルに対して前記投射レンズを移動させることにより前記位置が変更される際の前記投射レンズの移動方向を、前記変更操作に応じて決定することと、前記位置を変更した場合の投射画像と、前記位置を変更した場合の投射画像を投射するために前記光変調パネルに描画されるべき画像と、の対応関係を特定することと、前記光変調パネルに描画されるべき画像が前記描画領域に収まるように、前記対応関係に基づいて、前記光変調パネルに対する前記投射レンズの相対位置を調整することと、を実行する、を実行する。
【0061】
付記6に記載のプロジェクターによれば、付記1に記載の投射方法及び付記5に記載のプログラムと同様に、第2投射画像に欠損を生じさせることなく、投射レンズの移動に起因する第2投射画像の歪みを低減することができる。
【符号の説明】
【0062】
1…プロジェクター、10…画像処理装置、11…前処理部、12…OSD重畳部、13…幾何歪補正部、20…光学装置、21…光源部、22…光変調パネル、23…投射光学系、23a…投射レンズ、30…入力装置、40…記憶装置、50…処理装置、51…受付部、52…決定部、53…特定部、54…調整部、PR1…プログラム。