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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142689
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20241003BHJP
B41J 2/165 20060101ALI20241003BHJP
B41J 2/155 20060101ALI20241003BHJP
【ＦＩ】
B41J2/01 305
B41J2/165 101
B41J2/155
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2023054940
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095452
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 博樹
(74)【代理人】
【識別番号】100130535
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 明
(74)【代理人】
【識別番号】100183025
【弁理士】
【氏名又は名称】大角 孝一
(72)【発明者】
【氏名】有賀 翔
(72)【発明者】
【氏名】倉科 朝哉
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 陽揮
(72)【発明者】
【氏名】大川 壮志
【テーマコード（参考）】
2C056
2C057
【Ｆターム（参考）】
2C056EA04
2C056FA13
2C056HA12
2C056HA29
2C056JA01
2C057AF21
2C057AG12
2C057AN05
(57)【要約】
【課題】インクジェットヘッドと対向する位置に開口部を設け、開口部の内側にノズルキャップを設け、シャッターが開口部を開閉する構成において、媒体とインクジェットヘッドとの間のギャップを適切に維持する。
【解決手段】記録装置は、液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される対向部と、開口部の内側に配置されるキャップ部と、開口部を開閉するシャッターと、を備える。開口部は、複数のヘッドチップの配置に対応する様に、媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、対向部は、媒体幅方向における隣り合う二つのヘッドチップの間に、遮蔽位置に位置するシャッターを支持可能な支持部を有する。
【選択図】図１４
【解決手段】記録装置は、液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される対向部と、開口部の内側に配置されるキャップ部と、開口部を開閉するシャッターと、を備える。開口部は、複数のヘッドチップの配置に対応する様に、媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、対向部は、媒体幅方向における隣り合う二つのヘッドチップの間に、遮蔽位置に位置するシャッターを支持可能な支持部を有する。
【選択図】図１４
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に対し液体を吐出することで記録する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドと対向して配置される対向部であって、前記液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される前記対向部と、
前記開口部の内側に配置されるキャップ部であって、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を覆う前記キャップ部と、
前記開口部を遮蔽する遮蔽位置と前記開口部を開放する開放位置とに変位可能なシャッターであって、前記遮蔽位置にある場合に前記液体吐出ヘッドと対向する位置を通る媒体を支持する前記シャッターと、
を備え、
前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するヘッドチップを複数備え、
前記ヘッドチップは、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置され、
前記開口部は、複数の前記ヘッドチップの配置に対応する様に、前記媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、
前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有する、
ことを特徴とする記録装置。
前記液体吐出ヘッドと対向して配置される対向部であって、前記液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される前記対向部と、
前記開口部の内側に配置されるキャップ部であって、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を覆う前記キャップ部と、
前記開口部を遮蔽する遮蔽位置と前記開口部を開放する開放位置とに変位可能なシャッターであって、前記遮蔽位置にある場合に前記液体吐出ヘッドと対向する位置を通る媒体を支持する前記シャッターと、
を備え、
前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するヘッドチップを複数備え、
前記ヘッドチップは、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置され、
前記開口部は、複数の前記ヘッドチップの配置に対応する様に、前記媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、
前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項１に記載の記録装置において、
前記支持部は、
前記媒体搬送方向の上流から下流に向かって延びる第１支持部と、
前記媒体搬送方向の下流から上流に向かって延びる第２支持部と、
を有する、
ことを特徴とする記録装置。
前記支持部は、
前記媒体搬送方向の上流から下流に向かって延びる第１支持部と、
前記媒体搬送方向の下流から上流に向かって延びる第２支持部と、
を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項２に記載の記録装置において、
前記支持部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間の全てに、前記支持部を有する、
ことを特徴とする記録装置。
前記支持部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間の全てに、前記支持部を有する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項２に記載の記録装置において、
前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、
前記第１支持部において前記媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成される、
ことを特徴とする記録装置。
前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、
前記第１支持部において前記媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項１に記載の記録装置において、
前記シャッターには、媒体搬送方向に延びる第１リブが、前記媒体搬送方向と交差する幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられる、
ことを特徴とする記録装置。
前記シャッターには、媒体搬送方向に延びる第１リブが、前記媒体搬送方向と交差する幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項５に記載の記録装置において、
前記対向部には、前記シャッターに対し前記媒体搬送方向の上流に、媒体搬送方向に延びる第２リブが前記幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられ、
前記シャッターが前記遮蔽位置にある際に、前記第１リブと前記第２リブとが前記媒体搬送方向に沿って連なる、
ことを特徴とする記録装置。
前記対向部には、前記シャッターに対し前記媒体搬送方向の上流に、媒体搬送方向に延びる第２リブが前記幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられ、
前記シャッターが前記遮蔽位置にある際に、前記第１リブと前記第２リブとが前記媒体搬送方向に沿って連なる、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
請求項６に記載の記録装置において、
前記第１リブにおいて前記媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成される、
ことを特徴とする記録装置。
前記第１リブにおいて前記媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成される、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項１に記載の記録装置において、
前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、
前記液体吐出ヘッドと対向する位置より前記媒体搬送方向の下流に、媒体を搬送する搬送ローラー対を備え、
前記開放位置にある前記シャッターは、前記搬送ローラー対の下側に位置する、
ことを特徴とする記録装置。
前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、
前記液体吐出ヘッドと対向する位置より前記媒体搬送方向の下流に、媒体を搬送する搬送ローラー対を備え、
前記開放位置にある前記シャッターは、前記搬送ローラー対の下側に位置する、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項８に記載の記録装置において、
前記搬送ローラー対は、媒体において前記液体吐出ヘッドと対向する第１面と接する従動ローラー、及び前記第１面に対し反対の第２面と接する駆動ローラーを備える、
ことを特徴とする記録装置。
前記搬送ローラー対は、媒体において前記液体吐出ヘッドと対向する第１面と接する従動ローラー、及び前記第１面に対し反対の第２面と接する駆動ローラーを備える、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体に記録を行う記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献１記載のインクジェット印刷装置は、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドのヘッド面に被せて、当該ヘッド面を保湿状態に維持するためのノズルキャップとを備えている。ノズルキャップはノズルキャップ収納部に収納され、ノズルキャップ収納部は開口部を備えている。この開口部は、シャッターにより遮蔽され、開口部を遮蔽するシャッターは、小切手を案内するガイドとして機能する。シャッターは駆動機構によって開口部を遮蔽する遮蔽位置と、開口部を遮蔽しない非遮蔽位置とを往復移動する。シャッターが非遮蔽位置にある場合、ノズルキャップが上昇してヘッド面を覆うことができる。開口部は、特許文献１の図４、図５の開示内容からして長方形の形状であることが見て取れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開２０１２－１５３１３２号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献１記載のインクジェット印刷装置は小切手に印刷処理を行う装置として構成され、即ち小型の装置として構成される。この為、シャッターが開口部を覆う状態において当該シャッターがガイドとして機能する際、シャッターの変形はほぼ生じない。
しかしながらＡ３サイズ用紙やＡ４サイズ用紙などに印刷を可能なインクジェットプリンターを構成する場合、開口部が大きくなり、シャッターがガイドとして機能する際に当該シャッターが開口部の内側に落ち込む様に変形する虞がある。シャッターがガイドとして機能する場合、媒体はシャッターによって支持される為、シャッターが撓むと媒体とインクジェットヘッドとの間のギャップが不適切となり、これにより所望する記録品質が得られない虞がある。
しかしながらＡ３サイズ用紙やＡ４サイズ用紙などに印刷を可能なインクジェットプリンターを構成する場合、開口部が大きくなり、シャッターがガイドとして機能する際に当該シャッターが開口部の内側に落ち込む様に変形する虞がある。シャッターがガイドとして機能する場合、媒体はシャッターによって支持される為、シャッターが撓むと媒体とインクジェットヘッドとの間のギャップが不適切となり、これにより所望する記録品質が得られない虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の記録装置は、媒体に対し液体を吐出することで記録する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと対向して配置される対向部であって、前記液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される前記対向部と、前記開口部の内側に配置されるキャップ部であって、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を覆う前記キャップ部と、前記開口部を遮蔽する遮蔽位置と前記開口部を開放する開放位置とに変位可能なシャッターであって、前記遮蔽位置にある場合に前記液体吐出ヘッドと対向する位置を通る媒体を支持する前記シャッターと、を備え、前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するヘッドチップを複数備え、前記ヘッドチップは、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置され、前記開口部は、複数の前記ヘッドチップの配置に対応する様に、前記媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】プリンターの媒体搬送経路の全体を示す図。
【図2】シャッターが開放位置にありキャップ部がキャップ位置にある状態の対向部とキャップ部の斜視図。
【図3】シャッターが開放位置にありキャップ部がキャップ位置にある状態の対向部とキャップ部の平面図。
【図4】キャップユニットの斜視図。
【図5】ラインヘッドを駆動する駆動機構を示す図。
【図6】ラインヘッドの斜視図。
【図7】キャップ部を駆動する駆動機構を示す図。
【図8】ラインヘッドが記録位置とワイピング位置との間で移動する場合の動作推移図。
【図9】シャッターが開放位置にある状態の対向部の平面図。
【図10】シャッターを駆動する駆動機構を示す図。
【図11】シャッターが開放位置にありキャップ部がキャップ位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図12】シャッターが開放位置にありキャップ部が下降位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図13】シャッターが遮蔽位置にありキャップ部が下降位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図14】シャッターが遮蔽位置にある状態の対向部の斜視図。
【図15】対向部の他の実施形態を示す図であって、シャッターが開放位置にありキャップ部がキャップ位置にある状態の対向部とキャップ部の斜視図。
【図16】対向部の他の実施形態を示す図であって、シャッターが遮蔽位置にある状態の対向部の斜視図。
【図17】対向部の他の実施形態を示す図であって、シャッターが開放位置にありキャップ部がキャップ位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図18】対向部の他の実施形態を示す図であって、シャッターが開放位置にありキャップ部が下降位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図19】対向部の他の実施形態を示す図であって、シャッターが遮蔽位置にありキャップ部が下降位置にある状態の対向部とキャップ部の断面図。
【図20】他の実施形態に係る対向部のシャッターを駆動する駆動機構を示す図。
【図21】突出部材を設けたラインヘッドの斜視図。
【図22】突出部材を設けたラインヘッドを含む媒体搬送経路の一部を示す図。
【図23】突出部材を設けたラインヘッドの一部を示す平面図。
【図24】突出部材を設けたラインヘッドの全体を示す平面図。
【図25】突出部材がラインヘッドから独立した構成における媒体搬送経路の一部を示す図。
【図26】突出部材がラインヘッドから独立した構成における媒体搬送経路の一部を示す図。
【図27】突出部材がラインヘッドから独立した構成におけるラインヘッド及び突出部材の平面図。
【図28】ワイパーキャリッジを下側から見た斜視図。
【図29】ラインヘッドの移動領域における位置を示す図。
【図30】ワイパーキャリッジの回転止め構造の他の実施形態を示す図。
【図31】ワイパーキャリッジの回転止め構造の他の実施形態を示す図。
【図32】ワイパーキャリッジの回転止め構造の他の実施形態を示す図。
【図33】ワイパーキャリッジの回転止め構造の他の実施形態を示す図。
【図34】ワイパーキャリッジの回転止め構造の他の実施形態を示す図。
【図35】エッジ検出を行う際のエッジ検出部と媒体との位置関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を概略的に説明する。
第１の態様に係る記録装置は、媒体に対し液体を吐出することで記録する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと対向して配置される対向部であって、前記液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される前記対向部と、前記開口部の内側に配置されるキャップ部であって、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を覆う前記キャップ部と、前記開口部を遮蔽する遮蔽位置と前記開口部を開放する開放位置とに変位可能なシャッターであって、前記遮蔽位置にある場合に前記液体吐出ヘッドと対向する位置を通る媒体を支持する前記シャッターと、を備え、前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するヘッドチップを複数備え、前記ヘッドチップは、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置され、前記開口部は、複数の前記ヘッドチップの配置に対応する様に、前記媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有することを特徴とする。
第１の態様に係る記録装置は、媒体に対し液体を吐出することで記録する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドと対向して配置される対向部であって、前記液体吐出ヘッドと対向する位置に開口部が形成される前記対向部と、前記開口部の内側に配置されるキャップ部であって、前記液体吐出ヘッドの液体吐出面を覆う前記キャップ部と、前記開口部を遮蔽する遮蔽位置と前記開口部を開放する開放位置とに変位可能なシャッターであって、前記遮蔽位置にある場合に前記液体吐出ヘッドと対向する位置を通る媒体を支持する前記シャッターと、を備え、前記液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルを有するヘッドチップを複数備え、前記ヘッドチップは、媒体搬送方向と交差する方向である媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置され、前記開口部は、複数の前記ヘッドチップの配置に対応する様に、前記媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成され、前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有することを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、前記対向部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間に、前記遮蔽位置に位置する前記シャッターを支持可能な支持部を有することから、前記開口部の内側への前記シャッターの撓みを抑制できる。その結果、前記シャッターによって支持される媒体と前記液体吐出ヘッドとの間のギャップを適切に維持でき、適切な記録品質を維持できる。
【0009】
第２の態様は、第１の態様に従属する態様であって、前記支持部は、前記媒体搬送方向の上流から下流に向かって延びる第１支持部と、前記媒体搬送方向の下流から上流に向かって延びる第２支持部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本態様によれば、前記支持部は、前記媒体搬送方向の上流から下流に向かって延びる第１支持部と、前記媒体搬送方向の下流から上流に向かって延びる第２支持部と、を有することから、前記シャッターをより適切に支持することができる。
【0011】
第３の態様は、第２の態様に従属する態様であって、前記支持部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間の全てに、前記支持部を有することを特徴とする。
本態様によれば、前記支持部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間の全てに、前記支持部を有することから、前記シャッターをより適切に支持することができる。
尚、本態様は上記第２の態様に限らず、上記第１の態様に適用しても良い。
本態様によれば、前記支持部は、前記媒体幅方向における隣り合う二つの前記ヘッドチップの間の全てに、前記支持部を有することから、前記シャッターをより適切に支持することができる。
尚、本態様は上記第２の態様に限らず、上記第１の態様に適用しても良い。
【0012】
第４の態様は、第２の態様に従属する態様であって、前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、前記第１支持部において前記媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記第１支持部において前記媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されることから、前記シャッターが媒体搬送方向の上流方向に移動する際、即ち前記シャッターが前記開放位置から前記遮蔽位置に向けて移動する際に、前記シャッターが前記第１支持部に引っ掛かることを抑制できる。
尚、本態様は上記第２の態様に限らず、上記第３の態様に適用しても良い。
尚、本態様は上記第２の態様に限らず、上記第３の態様に適用しても良い。
【0014】
第５の態様は、第１の態様に従属する態様であって、前記シャッターには、媒体搬送方向に延びる第１リブが、前記媒体搬送方向と交差する幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられることを特徴とする。
【0015】
本態様によれば、前記シャッターには、媒体搬送方向に延びる第１リブが、前記媒体搬送方向と交差する幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられることから、媒体と前記シャッターとの間の接触面積を抑制でき、ひいては前記シャッターが媒体を円滑にガイドできる。また前記第１リブにより、前記シャッターの媒体搬送方向の剛性が向上し、前記シャッターの撓みをより一層抑制できる。
尚、本態様は上記第１の態様に限らず、上記第２から第４の態様のいずれかに適用しても良い。
尚、本態様は上記第１の態様に限らず、上記第２から第４の態様のいずれかに適用しても良い。
【0016】
第６の態様は、第５の態様に従属する態様であって、前記対向部には、前記シャッターに対し前記媒体搬送方向の上流に、媒体搬送方向に延びる第２リブが前記幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられ、前記シャッターが前記遮蔽位置にある際に、前記第１リブと前記第２リブとが前記媒体搬送方向に沿って連なることを特徴とする。
【0017】
本態様によれば、前記対向部には、前記遮蔽位置にある前記シャッターに対し前記媒体搬送方向の上流に、媒体搬送方向に延びる第２リブが前記幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられ、前記シャッターが前記遮蔽位置にある際に、前記第１リブと前記第２リブとが前記媒体搬送方向に沿って連なることから、媒体が更に円滑にガイドされる。
また仮に前記第２リブが前記シャッターに設けられている場合、前記シャッターが前記開口部を開放する為に必要な移動量が増え、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する必要が生じる。前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する場合、前記シャッターの上流に配置される搬送ローラー対と前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対との間の距離が長くなる。その結果、前記液体吐出ヘッドと対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら本態様によれば、前記第２リブは前記対向部に設けられる為、前記シャッターが前記開口部を開放する為に必要な移動量を抑制できる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
また仮に前記第２リブが前記シャッターに設けられている場合、前記シャッターが前記開口部を開放する為に必要な移動量が増え、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する必要が生じる。前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する場合、前記シャッターの上流に配置される搬送ローラー対と前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対との間の距離が長くなる。その結果、前記液体吐出ヘッドと対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら本態様によれば、前記第２リブは前記対向部に設けられる為、前記シャッターが前記開口部を開放する為に必要な移動量を抑制できる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
【0018】
第７の態様は、第６の態様に従属する態様であって、前記第１リブにおいて前記媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されることを特徴とする。
本態様によれば、前記第１リブにおいて前記媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されることから、媒体が下流方向に搬送される際に、媒体が前記第１リブに引っ掛かることを抑制できる。
本態様によれば、前記第１リブにおいて前記媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されることから、媒体が下流方向に搬送される際に、媒体が前記第１リブに引っ掛かることを抑制できる。
【0019】
第８の態様は、第１の態様に従属する態様であって、前記シャッターの前記開放位置は、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、前記液体吐出ヘッドと対向する位置より前記媒体搬送方向の下流に、媒体を搬送する搬送ローラー対を備え、前記開放位置にある前記シャッターは、前記搬送ローラー対の下側に位置することを特徴とする。
【0020】
前記シャッターの前記開放位置が、前記遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置する構成において、仮に前記シャッターが媒体搬送方向に沿って水平に移動する場合、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対と前記シャッターとの干渉を避けるため、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する必要が生じる。前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより下流に配置する場合、前記シャッターの上流に配置される搬送ローラー対と前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対との間の距離が長くなる。その結果、前記液体吐出ヘッドと対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら本態様によれば、前記開放位置にある前記シャッターは、前記搬送ローラー対の下側に位置することから、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより上流に配置することができる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
しかしながら本態様によれば、前記開放位置にある前記シャッターは、前記搬送ローラー対の下側に位置することから、前記シャッターの下流に配置される搬送ローラー対をより上流に配置することができる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
【0021】
第９の態様は、第８の態様に従属する態様であって、前記搬送ローラー対は、媒体において前記液体吐出ヘッドと対向する第１面と接する従動ローラー、及び前記第１面に対し反対の第２面と接する駆動ローラーを備えることを特徴とする。
【0022】
以下、本発明を具体的に説明する。
以下では媒体に記録を行う記録装置の一例としてインクジェットプリンター１について説明する。以下、インクジェットプリンター１を単にプリンター１と称する。
尚、各図において示すＸ－Ｙ－Ｚ座標系は、Ｘ軸方向が装置幅方向であり、記録が行われる媒体の幅方向となる。プリンター１の操作者から見て＋Ｘ方向が左側となり、－Ｘ方向が右側となる。
Ｙ軸方向は装置奥行方向であり、記録時の媒体搬送方向に沿う方向である。＋Ｙ方向は装置背面から前面に向かう方向であり、－Ｙ方向は装置前面から背面に向かう方向である。本実施形態ではプリンター１の周囲を構成する側面のうち、＋Ｙ方向の側面が装置前面となり、－Ｙ方向の側面が装置背面となる。
Ｚ軸方向は鉛直方向に沿う方向であり、装置高さ方向である。＋Ｚ方向が鉛直上方向であり、－Ｚ方向が鉛直下方向である。
尚、以下では媒体が送られていく方向を「下流」と称し、その逆方向を「上流」と称する場合がある。
以下では媒体に記録を行う記録装置の一例としてインクジェットプリンター１について説明する。以下、インクジェットプリンター１を単にプリンター１と称する。
尚、各図において示すＸ－Ｙ－Ｚ座標系は、Ｘ軸方向が装置幅方向であり、記録が行われる媒体の幅方向となる。プリンター１の操作者から見て＋Ｘ方向が左側となり、－Ｘ方向が右側となる。
Ｙ軸方向は装置奥行方向であり、記録時の媒体搬送方向に沿う方向である。＋Ｙ方向は装置背面から前面に向かう方向であり、－Ｙ方向は装置前面から背面に向かう方向である。本実施形態ではプリンター１の周囲を構成する側面のうち、＋Ｙ方向の側面が装置前面となり、－Ｙ方向の側面が装置背面となる。
Ｚ軸方向は鉛直方向に沿う方向であり、装置高さ方向である。＋Ｚ方向が鉛直上方向であり、－Ｚ方向が鉛直下方向である。
尚、以下では媒体が送られていく方向を「下流」と称し、その逆方向を「上流」と称する場合がある。
【0023】
以下、図１を参照してプリンター１の媒体搬送経路について説明する。図１に示す様にプリンター１は、媒体収容部の一例である媒体収容カセット２を装置底部に備えている。符号Ｐは媒体収容カセット２に収容された媒体を示している。媒体の一例としては記録用紙が挙げられる。媒体収容カセット２は装置前方側から着脱可能に設けられている。
【0024】
媒体収容カセット２の上部には不図示のモーターにより駆動されるピックローラー３が設けられている。ピックローラー３は媒体収容カセット２に収容された媒体に対して進退可能であり、媒体収容カセット２に収容された媒体に接して回転することで媒体を媒体収容カセット２から＋Ｙ方向に送り出す。
媒体収容カセット２に対し下流には不図示のモーターにより駆動される給送ローラー５と不図示のトルクリミッタにより回転トルクが付与される分離ローラー６とが設けられている。媒体収容カセット２から送り出された媒体は給送ローラー５と分離ローラー６とでニップされることで分離されて、更に下流へ送られる。
媒体収容カセット２に対し下流には不図示のモーターにより駆動される給送ローラー５と不図示のトルクリミッタにより回転トルクが付与される分離ローラー６とが設けられている。媒体収容カセット２から送り出された媒体は給送ローラー５と分離ローラー６とでニップされることで分離されて、更に下流へ送られる。
【0025】
給送ローラー５と分離ローラー６との下流には不図示のモーターにより駆動される反転ローラー８が設けられている。反転ローラー８の周囲には第１ニップローラー９と第２ニップローラー１０とが設けられ、媒体は反転ローラー８と第１ニップローラー９とでニップされ、更に反転ローラー８と第２ニップローラー１０とでニップされ、搬送される。媒体は反転ローラー８によって搬送方向が＋Ｙ方向から－Ｙ方向に反転され、下流へ搬送される。
【0026】
反転ローラー８の下流には、不図示のモーターにより駆動される駆動ローラー１６と、従動回転可能な従動ローラー１７とを備える第１搬送ローラー対１５が設けられている。媒体は第１搬送ローラー対１５によってラインヘッド４０と対向する位置に搬送される。
尚、プリンター１は媒体収容カセット２からの媒体給送経路に加え、媒体支持部１２からの媒体給送経路を備えている。媒体支持部１２は媒体を傾斜姿勢に支持し、支持された
媒体は不図示のモーターにより駆動される給送ローラー１３によって第１搬送ローラー対１５へ搬送される。符号１４は不図示のトルクリミッタにより回転トルクが付与される分離ローラーである。
尚、プリンター１は媒体収容カセット２からの媒体給送経路に加え、媒体支持部１２からの媒体給送経路を備えている。媒体支持部１２は媒体を傾斜姿勢に支持し、支持された
媒体は不図示のモーターにより駆動される給送ローラー１３によって第１搬送ローラー対１５へ搬送される。符号１４は不図示のトルクリミッタにより回転トルクが付与される分離ローラーである。
【0027】
第１搬送ローラー対１５の上流には、媒体検出部２２が設けられている。後述する制御部８０（図５参照）は、媒体検出部２２の検出情報をもとにラインヘッド４０に対する媒体先端の位置を位置決めすることができ、例えば媒体を記録開始位置に位置決めすることができる。
【0028】
ラインヘッド４０は、媒体に液体の一例であるインクを吐出して記録する液体吐出ヘッドの一例である。ラインヘッド４０は、インクを吐出するノズル４４が媒体幅方向の全域をカバーする様に複数配列された液体吐出ヘッドである。ラインヘッド４０は媒体幅方向に長尺であり、媒体幅方向への移動を伴わないで媒体幅全域に記録が可能な液体吐出ヘッドとして構成されている。
符号４２ａは、媒体と対向する面となるヘッド面である。ヘッド面４２ａは液体吐出面或いはノズル面と称することもできる。ヘッド面４２ａは後述するプレート部材４２により形成される。
符号４２ａは、媒体と対向する面となるヘッド面である。ヘッド面４２ａは液体吐出面或いはノズル面と称することもできる。ヘッド面４２ａは後述するプレート部材４２により形成される。
【0029】
プリンター１は不図示のインク収容部を備えており、ラインヘッド４０から吐出されるインクは、インク収容部から不図示のインクチューブを介してラインヘッド４０へ供給される。
【0030】
ラインヘッド４０のヘッド面４２ａと対向する位置には、対向部５０が設けられている。本実施形態に係る対向部５０は、後述するシャッター５１を備え、シャッター５１によって媒体を支持することにより媒体とヘッド面４２ａとの間のギャップを規定する。以降において媒体とヘッド面４２ａとの間のギャップをプラテンギャップと称する場合がある。
ラインヘッド４０は対向部５０に対して進退する方向即ちプラテンギャップの調整方向に移動可能に設けられている。本実施形態においてプラテンギャップの調整方向はＺ軸方向に平行である。以降においてラインヘッド４０が＋Ｚ軸方向に移動することを「上昇」と称し、－Ｚ方向に移動することを「下降」と称する場合がある。
ラインヘッド４０は対向部５０に対して進退する方向即ちプラテンギャップの調整方向に移動可能に設けられている。本実施形態においてプラテンギャップの調整方向はＺ軸方向に平行である。以降においてラインヘッド４０が＋Ｚ軸方向に移動することを「上昇」と称し、－Ｚ方向に移動することを「下降」と称する場合がある。
【0031】
図５はプラテンギャップの調整機構を示すものであり、符号８１はラインヘッド４０を昇降させる為の駆動源であるヘッド移動モーターであり、符号８０はヘッド移動モーター８１を制御する制御部である。制御部８０は、プリンター１全体の制御を司る制御部である。
ヘッド移動モーター８１のモーター軸にはモーター歯車８２が設けれ、モーター歯車８２は歯車８３を介してピニオン歯車８５に駆動力を伝達する。ピニオン歯車８５は、軸８６に固定されている。
ヘッド移動モーター８１のモーター軸にはモーター歯車８２が設けれ、モーター歯車８２は歯車８３を介してピニオン歯車８５に駆動力を伝達する。ピニオン歯車８５は、軸８６に固定されている。
【0032】
ラインヘッド４０は不図示のガイド部材によってＺ軸方向に変位可能に保持されている。ラインヘッド４０にはラック部４１ｄがＺ軸方向に沿って形成されており、ラック部４１ｄにピニオン歯車８５が噛み合ってラックピニオン機構を構成している。
ピニオン歯車８５は軸８６に設けられており、ヘッド移動モーター８１の回転によりピニオン歯車８５が回転し、これによりラインヘッド４０が昇降する。
尚、ラック部４１ｄとピニオン歯車８５とにより構成されるラックピニオン機構は、ラインヘッド４０に対し媒体幅方向の両端部付近に設けられる。
ピニオン歯車８５は軸８６に設けられており、ヘッド移動モーター８１の回転によりピニオン歯車８５が回転し、これによりラインヘッド４０が昇降する。
尚、ラック部４１ｄとピニオン歯車８５とにより構成されるラックピニオン機構は、ラインヘッド４０に対し媒体幅方向の両端部付近に設けられる。
【0033】
ラインヘッド４０は上昇した際に不図示の上昇規制部に当接し、それ以上の上昇が規制される。制御部８０は、ラインヘッド４０が前記上昇規制部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、ラインヘッド４０が上昇限度位置に位置することを把握できる。
またヘッド移動モーター８１には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はヘッド移動モーター８１の回転量を検出できる。これにより制御部８０はラインヘッド４０の上昇限度位置からの移動量を検出でき、即ちラインヘッド４０の現在位置を把握できる。
またヘッド移動モーター８１には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はヘッド移動モーター８１の回転量を検出できる。これにより制御部８０はラインヘッド４０の上昇限度位置からの移動量を検出でき、即ちラインヘッド４０の現在位置を把握できる。
【0034】
制御部８０は、受信した印刷データに含まれる媒体種類に基づき、媒体の厚みに応じてラインヘッド４０を昇降させ、プラテンギャップを調整する。例えば、普通紙に記録を行う場合のラインヘッド４０の位置を第１記録位置とすると、普通紙より厚みの厚い専用紙に記録を行う場合、ラインヘッド４０が第１記録位置よりも上昇した第２記録位置に位置決めされる。
尚、ラインヘッド４０の移動領域には上記の様に複数の記録位置に加え、後述するワイパー３６によりヘッド面４２ａがワイピングされる際の位置であるワイピング位置が含まれる。
本実施形態においてラインヘッド４０の上述した各位置は、＋Ｚ方向に向かって順に、第１記録位置、第２記録位置、そしてワイピング位置となる。
尚、ラインヘッド４０の移動領域には上記の様に複数の記録位置に加え、後述するワイパー３６によりヘッド面４２ａがワイピングされる際の位置であるワイピング位置が含まれる。
本実施形態においてラインヘッド４０の上述した各位置は、＋Ｚ方向に向かって順に、第１記録位置、第２記録位置、そしてワイピング位置となる。
【0035】
図１に戻り、ラインヘッド４０の下流には不図示のモーターにより駆動される駆動ローラー２０と従動回転可能な従動ローラー２１とを備える第２搬送ローラー対１９が設けられている。記録の行われた媒体は第２搬送ローラー対１９によって下流に送られる。
第２搬送ローラー対１９の下流には第３搬送ローラー対２７が設けられ、更に第３搬送ローラー対２７の下流には排出ローラー対２８が設けられている。第３搬送ローラー対２７と排出ローラー対２８との間はフェイスダウン排出経路として構成されており、記録の行われた媒体は、直近の記録面を下にした状態で排出ローラー対２８により排出トレイ２９へ排出される。
第２搬送ローラー対１９の下流には第３搬送ローラー対２７が設けられ、更に第３搬送ローラー対２７の下流には排出ローラー対２８が設けられている。第３搬送ローラー対２７と排出ローラー対２８との間はフェイスダウン排出経路として構成されており、記録の行われた媒体は、直近の記録面を下にした状態で排出ローラー対２８により排出トレイ２９へ排出される。
【0036】
続いて図２以降を参照してラインヘッド４０のヘッドチップ４３を覆うキャップ部６１について説明する。ヘッドチップ４３はヘッド面４２ａに設けられている為、キャップ部６１はヘッド面４２ａの一部を覆う部材と称することもできる。またヘッドチップ４３にはノズル４４が設けられている為、キャップ部６１はノズル４４を覆う部材と称することもできる。ヘッドチップ４３については後に改めて説明する。
図２に示す様に対向部５０には開口部５０ａが形成されている。そして開口部５０ａの内側には、複数のキャップ部６１が設けられている。
図２に示す様に対向部５０には開口部５０ａが形成されている。そして開口部５０ａの内側には、複数のキャップ部６１が設けられている。
【0037】
図４はキャップ部６１を備えるキャップユニット６０の斜視図である。キャップユニット６０はベース部６２に複数のキャップ部６１を備えて成る。
キャップ部６１はＸ軸方向に長い形状を成し、樹脂材料等により形成されるキャップ本体部６１ｂと、ヘッド面４２ａに接触する部位であってゴム等の弾性材料により形成される弾性部６１ａとを備えている。キャップ本体部６１ｂはベース部６２に形成された不図示のガイド部によってＺ軸方向に変位可能に保持されているとともに、ベース部６２に形成された不図示の規制部によって＋Ｚ方向への移動限度が規定されている。キャップ本体部６１ｂは押圧部材の一例であるキャップばね６３によって＋Ｚ方向に押圧されている。本実施形態では、一つのキャップ本体部６１ｂに対して二つのキャップばね６３が設けられている。
キャップ部６１はＸ軸方向に長い形状を成し、樹脂材料等により形成されるキャップ本体部６１ｂと、ヘッド面４２ａに接触する部位であってゴム等の弾性材料により形成される弾性部６１ａとを備えている。キャップ本体部６１ｂはベース部６２に形成された不図示のガイド部によってＺ軸方向に変位可能に保持されているとともに、ベース部６２に形成された不図示の規制部によって＋Ｚ方向への移動限度が規定されている。キャップ本体部６１ｂは押圧部材の一例であるキャップばね６３によって＋Ｚ方向に押圧されている。本実施形態では、一つのキャップ本体部６１ｂに対して二つのキャップばね６３が設けられている。
【0038】
各キャップ本体部６１ｂには廃液チューブ６４が接続されている。廃液チューブ６４は、不図示のポンプに接続されている。キャップ部６１がヘッド面４２ａを覆った状態で前記ポンプが作動すると、キャップ部６１内に負圧が生じ、これによりラインヘッド４０のノズル４４からインクが吸引される。
【0039】
キャップ部６１は、Ｘ軸方向即ち媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置されている。本実施形態において上流位置即ち＋Ｙ方向のキャップ部６１は三つ設けられ、下流位置即ち－Ｙ方向のキャップ部６１は四つ設けられている。
この様なキャップ部６１の配置は、ラインヘッド４０におけるヘッドチップ４３の配置に対応している。
この様なキャップ部６１の配置は、ラインヘッド４０におけるヘッドチップ４３の配置に対応している。
【0040】
ベース部６２は不図示のガイド部材によってＺ軸方向に変位可能に保持されている。ベース部６２には図７に示す様にラック部６２ａがＺ軸方向に沿って形成されており、ラック部６２ａにピニオン歯車６５が噛み合ってラックピニオン機構を構成している。
ピニオン歯車６５はキャップ駆動モーター８９の回転により駆動され、これによりキャップユニット６０が昇降する。
ピニオン歯車６５はキャップ駆動モーター８９の回転により駆動され、これによりキャップユニット６０が昇降する。
【0041】
キャップユニット６０が上昇すると、キャップ部６１がラインヘッド４０のヘッド面４２ａに当接し、ノズル４４を覆う。この位置をキャップユニット６０のキャップ位置と称する。キャップユニット６０がキャップ位置に移動した場合、キャップ部６１はキャップばね６３の押圧力に抗し、僅かに－Ｚ方向に押し下げられ、これにより弾性部６１ａがヘッド面４２ａに密着する。尚、キャップ部６１がラインヘッド４０のヘッド面４２ａに当接し、ノズル４４を覆う際、ラインヘッド４０は一例として複数の記録位置のうち最も下の位置に位置決めされる。
【0042】
キャップユニット６０は昇降することでキャップ位置と下降位置とを変位する。キャップユニット６０が下降位置にある場合、キャップ部６１は後述する対向部５０から突出しない状態となる（図１２の状態）。
尚、キャップユニット６０は下降位置にある場合に不図示の下降規制部に当接し、それ以上の下降が規制される。制御部８０は、キャップユニット６０が前記下降規制部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、キャップユニット６０が下降位置にあることを把握できる。
またキャップ駆動モーター８９には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はキャップ駆動モーター８９の回転量を検出できる。これにより制御部８０はキャップユニット６０の下降位置からの移動量を検出でき、即ちキャップユニット６０の現在位置を把握できる。
尚、キャップユニット６０は上述の様なモーター駆動に代えて、ソレノイド等のアクチュエータによって昇降する様に構成しても良い。
尚、キャップユニット６０は下降位置にある場合に不図示の下降規制部に当接し、それ以上の下降が規制される。制御部８０は、キャップユニット６０が前記下降規制部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、キャップユニット６０が下降位置にあることを把握できる。
またキャップ駆動モーター８９には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はキャップ駆動モーター８９の回転量を検出できる。これにより制御部８０はキャップユニット６０の下降位置からの移動量を検出でき、即ちキャップユニット６０の現在位置を把握できる。
尚、キャップユニット６０は上述の様なモーター駆動に代えて、ソレノイド等のアクチュエータによって昇降する様に構成しても良い。
【0043】
制御部８０は、装置の電源オフ時や電源オン時における記録待機状態では、キャップユニット６０をキャップ位置に配置する。制御部８０は、記録データを受信して記録を行う場合に、キャップユニット６０をキャップ位置から下降位置へ移動させる。
また制御部８０は、キャップユニット６０の昇降の際に後述するシャッター５１を開閉させるが、これについては後に説明する。
また制御部８０は、キャップユニット６０の昇降の際に後述するシャッター５１を開閉させるが、これについては後に説明する。
【0044】
次に、図６はラインヘッド４０の外観構成を示すものであり、図示する様にラインヘッド４０はベース４１にプレート部材４２を備えている。ベース４１は、不図示のインク収容部から供給されるインクをヘッドチップ４３に供給するための流路が内部に設けられる構造体である。
【0045】
プレート部材４２は金属プレートであり、ヘッド面４２ａを形成する。
プレート部材４２には複数の開口部４２ｄが形成され、それぞれの開口部４２ｄにヘッドチップ４３が設けられている。ヘッドチップ４３には複数のノズル４４（図１参照）が媒体幅方向に沿って設けられている。プレート部材４２とヘッドチップ４３とは面一になる様に設けられている。
プレート部材４２には複数の開口部４２ｄが形成され、それぞれの開口部４２ｄにヘッドチップ４３が設けられている。ヘッドチップ４３には複数のノズル４４（図１参照）が媒体幅方向に沿って設けられている。プレート部材４２とヘッドチップ４３とは面一になる様に設けられている。
【0046】
ヘッドチップ４３は、Ｘ軸方向即ち媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置されている。本実施形態において上流位置のヘッドチップ４３は媒体幅方向に沿って三つ設けられ、下流位置のヘッドチップ４３は媒体幅方向に沿って四つ設けられる。これによりヘッドチップ４３を覆うキャップ部６１は、図４を参照して説明した様に媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置される。
ヘッドチップ４３は媒体幅方向に長い形状を成し、媒体幅方向に沿って複数のノズル４４（図１参照）を有している。
ヘッドチップ４３は媒体幅方向に長い形状を成し、媒体幅方向に沿って複数のノズル４４（図１参照）を有している。
【0047】
次に、ワイパー３６について説明する。
図３に示す様にプリンター１は、媒体幅方向に沿って延びるワイパーフレーム３０を備えている。ワイパーフレーム３０において＋Ｘ方向の端部にはワイパー駆動モーター３１が設けられている。ワイパー駆動モーター３１のモーター軸には駆動プーリー３３が設けられている。またワイパーフレーム３０において－Ｘ方向の端部には従動プーリー３４が設けられている。駆動プーリー３３と従動プーリー３４とには無端ベルト３２が掛け回されている。無端ベルト３２の一部には、ワイパーキャリッジ３５が固定されており、ワイパー駆動モーター３１の回転により無端ベルト３２が周回すると、ワイパーキャリッジ３５がＸ軸方向に沿って移動する。
ワイパーキャリッジ３５は、本実施形態では図３の位置、即ち＋Ｘ方向の端部位置をホームポジションとする。装置の電源オフ時や記録待機状態において、ワイパーキャリッジ３５はホームポジションに位置決めされる。
図３に示す様にプリンター１は、媒体幅方向に沿って延びるワイパーフレーム３０を備えている。ワイパーフレーム３０において＋Ｘ方向の端部にはワイパー駆動モーター３１が設けられている。ワイパー駆動モーター３１のモーター軸には駆動プーリー３３が設けられている。またワイパーフレーム３０において－Ｘ方向の端部には従動プーリー３４が設けられている。駆動プーリー３３と従動プーリー３４とには無端ベルト３２が掛け回されている。無端ベルト３２の一部には、ワイパーキャリッジ３５が固定されており、ワイパー駆動モーター３１の回転により無端ベルト３２が周回すると、ワイパーキャリッジ３５がＸ軸方向に沿って移動する。
ワイパーキャリッジ３５は、本実施形態では図３の位置、即ち＋Ｘ方向の端部位置をホームポジションとする。装置の電源オフ時や記録待機状態において、ワイパーキャリッジ３５はホームポジションに位置決めされる。
【0048】
ワイパーキャリッジ３５は、－Ｘ方向の端部から＋Ｘ方向に移動してホームポジションに位置した際に不図示の移動規制部に当接し、それ以上の＋Ｘ方向への移動が規制される。制御部８０は、ワイパーキャリッジ３５が前記移動規制部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、ワイパーキャリッジ３５がホームポジションに位置することを把握できる。
またワイパー駆動モーター３１には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はワイパー駆動モーター３１の回転量を検出できる。これにより制御部８０はワイパーキャリッジ３５のホームポジションからの移動量を検出でき、即ちワイパーキャリッジ３５の現在位置を把握できる。
またワイパー駆動モーター３１には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はワイパー駆動モーター３１の回転量を検出できる。これにより制御部８０はワイパーキャリッジ３５のホームポジションからの移動量を検出でき、即ちワイパーキャリッジ３５の現在位置を把握できる。
【0049】
ワイパーキャリッジ３５にはワイパー３６が設けられている。ワイパー３６はゴム等の弾性材料から成り、ヘッド面４２ａに弾性的に接した状態でワイパーキャリッジ３５が媒体幅方向に移動することにより、ヘッド面４２ａのうち特にヘッドチップ４３をワイピングする。ワイピングによって除去されたインクは、ワイパーキャリッジ３５内に貯留される。
尚、ワイパーキャリッジ３５は上部が開口する箱型の形状に形成できる他、ワイパー３６の部分のみが開口する半密閉型の形状であっても良い。
尚、ワイパーキャリッジ３５は上部が開口する箱型の形状に形成できる他、ワイパー３６の部分のみが開口する半密閉型の形状であっても良い。
【0050】
図８はワイパー３６によってヘッド面４２ａをワイピングする場合のラインヘッド４０の動きを示している。図８の上の図は、ラインヘッド４０が記録位置にある状態を示している。この状態からワイパー３６によってヘッド面４２ａをワイピングする場合、ラインヘッド４０を図８の上の図から下の図への変化で示す様にワイピング位置まで上昇させる。これによりワイパーキャリッジ３５がラインヘッド４０と対向部５０との間に入り込む間隔が形成されるとともに、ワイパー３６がヘッド面４２ａに当接可能となる。
この状態にて矢印Ｗｍで示す様にワイパーキャリッジ３５を移動させることにより、ワイパー３６がヘッド面４２ａをワイピングする。
尚、ワイパー３６が－Ｘ方向の端部に移動した場合、即ちワイパー３６がヘッド面４２ａをワイピングした場合、ワイパーキャリッジ３５は＋Ｘ方向端部のホームポジションに戻る為に＋Ｘ方向に移動する。この動作に先立ち、ラインヘッド４０を僅かに上昇させ、ワイパー３６がヘッド面４２ａに接触しない様にしても良い。
この状態にて矢印Ｗｍで示す様にワイパーキャリッジ３５を移動させることにより、ワイパー３６がヘッド面４２ａをワイピングする。
尚、ワイパー３６が－Ｘ方向の端部に移動した場合、即ちワイパー３６がヘッド面４２ａをワイピングした場合、ワイパーキャリッジ３５は＋Ｘ方向端部のホームポジションに戻る為に＋Ｘ方向に移動する。この動作に先立ち、ラインヘッド４０を僅かに上昇させ、ワイパー３６がヘッド面４２ａに接触しない様にしても良い。
【0051】
ワイパーキャリッジ３５の－Ｘ方向の端部には図８に示す様に嵌合穴３５ａが設けられている。嵌合穴３５ａには不図示の逆止弁が設けられており、ワイパーキャリッジ３５に貯留されたインクが逆止弁によって漏出しない様に構成されている。
ワイパーキャリッジ３５の移動領域における－Ｘ方向の端部にはインク回収部３７が設けられている。インク回収部３７は吸引部３７ａを有し、吸引部３７ａがワイパーキャリッジ３５の嵌合穴３５ａに嵌合可能となっている。ワイパーキャリッジ３５が－Ｘ方向の端部に移動すると、吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合する。吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合すると、上記逆止弁が開く。この状態でインク回収部３７に設けられた不図示のポンプが駆動されることで、ワイパーキャリッジ３５に貯留されたインクが吸引される。インク回収部３７によるインク吸引は、一例として装置の電源オフ時や、ワイパー３６によりヘッド面４２ａをワイピングした回数が予め定められた回数に達した場合に行われる。
尚、インク回収部３７は－Ｘ方向の端部に設置することに代えて、＋Ｘ方向の端部即ちワイパーキャリッジ３５のホームポジション側に設けても良い。またこの場合、ワイパーキャリッジ３５がホームポジションに位置する際に吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合する様に構成しても良い。
ワイパーキャリッジ３５の移動領域における－Ｘ方向の端部にはインク回収部３７が設けられている。インク回収部３７は吸引部３７ａを有し、吸引部３７ａがワイパーキャリッジ３５の嵌合穴３５ａに嵌合可能となっている。ワイパーキャリッジ３５が－Ｘ方向の端部に移動すると、吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合する。吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合すると、上記逆止弁が開く。この状態でインク回収部３７に設けられた不図示のポンプが駆動されることで、ワイパーキャリッジ３５に貯留されたインクが吸引される。インク回収部３７によるインク吸引は、一例として装置の電源オフ時や、ワイパー３６によりヘッド面４２ａをワイピングした回数が予め定められた回数に達した場合に行われる。
尚、インク回収部３７は－Ｘ方向の端部に設置することに代えて、＋Ｘ方向の端部即ちワイパーキャリッジ３５のホームポジション側に設けても良い。またこの場合、ワイパーキャリッジ３５がホームポジションに位置する際に吸引部３７ａが嵌合穴３５ａに嵌合する様に構成しても良い。
【0052】
次に、対向部５０について説明する。
対向部５０には、図２、図３、図９に示す様にＹ軸方向即ち媒体搬送方向に延びる第２リブ５０ｂが、媒体幅方向に沿って適宜の間隔で複数形成されている。
そして対向部５０には、開口部５０ａが形成されており、開口部５０ａの内側にキャップ部６１が配置される。
対向部５０には、図２、図３、図９に示す様にＹ軸方向即ち媒体搬送方向に延びる第２リブ５０ｂが、媒体幅方向に沿って適宜の間隔で複数形成されている。
そして対向部５０には、開口部５０ａが形成されており、開口部５０ａの内側にキャップ部６１が配置される。
【0053】
開口部５０ａは、複数のヘッドチップ４３の配置に対応する様に、換言すれば複数のキャップ部６１の配置に対応する様に、媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に開口する様に形成されている。
開口部５０ａがこの様に形成されたことで、対向部５０には媒体幅方向において隣り合う二つのキャップ部６１の間に、符号５０ｃ、５０ｄで示す支持部が形成された状態となる。以下、符号５０ｃで示す支持部を第１支持部５０ｃと称し、符号５０ｄで示す支持部を第２支持部５０ｄと称する。
開口部５０ａがこの様に形成されたことで、対向部５０には媒体幅方向において隣り合う二つのキャップ部６１の間に、符号５０ｃ、５０ｄで示す支持部が形成された状態となる。以下、符号５０ｃで示す支持部を第１支持部５０ｃと称し、符号５０ｄで示す支持部を第２支持部５０ｄと称する。
【0054】
第１支持部５０ｃは開口部５０ａの上流端から下流に向かって延び、その下流端の角部には面取り部５０ｅが形成されている（図３参照）。また第２支持部５０ｄは開口部５０ａの下流端から上流に向かって延びる。
面取り部５０ｅにより、後述するシャッター５１が開放位置から遮蔽位置に移動する際に第１支持部５０ｃに引っ掛かることを抑制できる。
尚、面取り部５０ｅは、面取り形状に代えて、Ｒ形状に形成しても良い。
対向部５０は、媒体幅方向の両端部において、プリンター１のベースを構成する不図示のメインフレームによって支持される。
面取り部５０ｅにより、後述するシャッター５１が開放位置から遮蔽位置に移動する際に第１支持部５０ｃに引っ掛かることを抑制できる。
尚、面取り部５０ｅは、面取り形状に代えて、Ｒ形状に形成しても良い。
対向部５０は、媒体幅方向の両端部において、プリンター１のベースを構成する不図示のメインフレームによって支持される。
【0055】
続いてシャッター５１について説明する。
対向部５０には、図２、図３、図９に示す様にシャッター５１が設けられる。尚、図２、図３はシャッター５１が開放位置に位置し、キャップユニット６０がキャップ位置に位置する状態を示している。また図９は対向部５０とシャッター５１のみを示す図であって、シャッター５１が開放位置に位置する状態を示している。
シャッター５１は、対向部５０の媒体幅方向両端部に設けられたガイド部５０ｇの間で、媒体搬送方向に沿ってスライド可能に設けられる。
シャッター５１の媒体幅方向両端部には、ボス５１ｃが媒体搬送方向に間隔を空けて設けられている。ガイド部５０ｇにはガイド穴５０ｈが媒体搬送方向に沿って平行となる様に形成されており、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈに入り込んでいる。これによりシャッター５１が媒体搬送方向に案内され、且つ、＋Ｙ方向即ち上流方向への移動限度と、－Ｙ方向即ち下流方向への移動限度とが規定される。
対向部５０には、図２、図３、図９に示す様にシャッター５１が設けられる。尚、図２、図３はシャッター５１が開放位置に位置し、キャップユニット６０がキャップ位置に位置する状態を示している。また図９は対向部５０とシャッター５１のみを示す図であって、シャッター５１が開放位置に位置する状態を示している。
シャッター５１は、対向部５０の媒体幅方向両端部に設けられたガイド部５０ｇの間で、媒体搬送方向に沿ってスライド可能に設けられる。
シャッター５１の媒体幅方向両端部には、ボス５１ｃが媒体搬送方向に間隔を空けて設けられている。ガイド部５０ｇにはガイド穴５０ｈが媒体搬送方向に沿って平行となる様に形成されており、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈに入り込んでいる。これによりシャッター５１が媒体搬送方向に案内され、且つ、＋Ｙ方向即ち上流方向への移動限度と、－Ｙ方向即ち下流方向への移動限度とが規定される。
【0056】
シャッター５１には、Ｙ軸方向即ち媒体搬送方向に延びる第１リブ５１ｂが、媒体幅方向に沿って適宜の間隔で複数形成されている。第１リブ５１ｂは、対向部５０に形成された第２リブ５０ｂとともに、媒体を支持する。
【0057】
シャッター５１には図１０に示す様にラック部５１ｄが媒体搬送方向に沿って形成されており、ラック部５１ｄにピニオン歯車５２が噛み合ってラックピニオン機構を構成している。ピニオン歯車５２はシャッター駆動モーター８８の動力により回転し、これによりシャッター５１がスライド変位する。
尚、ラック部５１ｄとピニオン歯車５２とにより構成されるラックピニオン機構は、シャッター５１に対し媒体幅方向の両端部付近に設けられる。
尚、ラック部５１ｄとピニオン歯車５２とにより構成されるラックピニオン機構は、シャッター５１に対し媒体幅方向の両端部付近に設けられる。
【0058】
シャッター５１が開放位置から遮蔽位置（図１３、図１４参照）へ移動した際、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈの＋Ｙ方向端部に当接し、それ以上の移動が規制される。制御部８０は、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈの＋Ｙ方向端部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、シャッター５１が遮蔽位置に位置することを把握できる。同様にシャッター５１が遮蔽位置から開放位置へ移動した際、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈの－Ｙ方向端部に当接し、それ以上の移動が規制される。制御部８０は、ボス５１ｃがガイド穴５０ｈの－Ｙ方向端部に当接した際のモーター駆動電流値の増加を検出することで、シャッター５１が開放位置に位置することを把握できる。
【0059】
図１１は、キャップユニット６０がキャップ位置に位置し、シャッター５１が開放位置に位置する状態を示している。制御部８０は、装置の電源オフ時や電源オン時における記録待機状態では、キャップユニット６０及びシャッター５１を図１１の状態とする。
制御部８０はこの状態で記録データを受信して記録を行う場合、先ず図１１から図１２への変化で示す様にキャップユニット６０をキャップ位置から下降位置へ移動させる。次いで、図１２から図１３への変化で示す様にシャッター５１を開放位置から遮蔽位置へと移動させる。これによりシャッター５１は、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体を支持することができる。即ちプラテンギャップがシャッター５１によって規定される。シャッター５１が遮蔽位置に位置する場合、当該シャッター５１は対向部５０の開口部５０ａを遮蔽する。
尚、符号５０ｋは、媒体先端を第２搬送ローラー対１９のニップ位置へ案内するガイド部である。図２、図３、図９においてガイド部５０ｋの図示は省略している。
制御部８０はこの状態で記録データを受信して記録を行う場合、先ず図１１から図１２への変化で示す様にキャップユニット６０をキャップ位置から下降位置へ移動させる。次いで、図１２から図１３への変化で示す様にシャッター５１を開放位置から遮蔽位置へと移動させる。これによりシャッター５１は、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体を支持することができる。即ちプラテンギャップがシャッター５１によって規定される。シャッター５１が遮蔽位置に位置する場合、当該シャッター５１は対向部５０の開口部５０ａを遮蔽する。
尚、符号５０ｋは、媒体先端を第２搬送ローラー対１９のニップ位置へ案内するガイド部である。図２、図３、図９においてガイド部５０ｋの図示は省略している。
【0060】
制御部８０は記録ジョブが終了すると、図１３から図１２への変化で示す様にシャッター５１を遮蔽位置から開放位置へ移動させる。次いで図１２から図１１への変化で示す様にキャップユニット６０を下降位置からキャップ位置へと移動させる。
尚、本実施形態ではキャップユニット６０が昇降することでキャップ部６１がヘッド面４２ａを覆う構成であるが、キャップユニット６０が固定的に設けられ、ラインヘッド４０が記録位置から下降することでキャップ部６１がヘッド面４２ａを覆う様に構成しても良い。
尚、本実施形態ではキャップユニット６０が昇降することでキャップ部６１がヘッド面４２ａを覆う構成であるが、キャップユニット６０が固定的に設けられ、ラインヘッド４０が記録位置から下降することでキャップ部６１がヘッド面４２ａを覆う様に構成しても良い。
【0061】
ここで図２、図３、図９を参照して説明した様に、対向部５０は、開口部５０ａにおいて媒体幅方向における隣り合う二つのヘッドチップ５３の間に、支持部の一例である第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄとを有している。
そして図１４に示す様に第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、シャッター５１が遮蔽位置にある場合に、シャッター５１の下側に位置する。これにより第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、遮蔽位置に位置するシャッター５１を支持可能となる。
これにより、開口部５０ａの内側へのシャッター５１の撓みを抑制できる。その結果、プラテンギャップを適切に維持でき、適切な記録品質を維持できる。
そして図１４に示す様に第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、シャッター５１が遮蔽位置にある場合に、シャッター５１の下側に位置する。これにより第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、遮蔽位置に位置するシャッター５１を支持可能となる。
これにより、開口部５０ａの内側へのシャッター５１の撓みを抑制できる。その結果、プラテンギャップを適切に維持でき、適切な記録品質を維持できる。
【0062】
尚、シャッター５１が遮蔽位置にある場合に、第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄとがシャッター５１と当接していても良いし、或いはシャッター５１が或る程度撓むことでシャッター５１が第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄと当接する様に構成しても良い。
また第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、いずれか一方のみを備えていても良い。
また第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、いずれか一方のみを備えていても良い。
【0063】
但し、第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄとを備えることで、シャッター５１をより適切に支持することができる。その結果、プラテンギャップをより適切に維持できる。
また第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、媒体幅方向における隣り合う二つのヘッドチップ５３の間の全てに設けられる。これによりシャッター５１をより適切に支持することができる。
また第１支持部５０ｃと第２支持部５０ｄは、媒体幅方向における隣り合う二つのヘッドチップ５３の間の全てに設けられる。これによりシャッター５１をより適切に支持することができる。
【0064】
また本実施形態においてシャッター５１の開放位置は、遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置し、第１支持部５０ｃにおいて媒体搬送方向の下流端の角部が面取り部５０ｅとして形成されている。これによりシャッター５１が媒体搬送方向の上流方向に移動する際、即ちシャッター５１が開放位置から遮蔽位置に向けて移動する際に、シャッター５１が第１支持部５０ｃに引っ掛かることを抑制できる。
【0065】
またシャッター５１には、媒体搬送方向に延びる第１リブ５１ｂが、媒体搬送方向と交差する幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられる。これにより媒体とシャッター５１との間の接触面積を抑制でき、ひいてはシャッター５１が媒体を円滑にガイドできる。また第１リブ５１ｂにより、シャッター５１の媒体搬送方向の剛性が向上し、シャッター５１の撓みをより一層抑制できる。
【0066】
また対向部５０には、シャッター５１に対し媒体搬送方向の上流に、媒体搬送方向に延びる第２リブ５０ｂが媒体幅方向に沿って間隔を空けて複数設けられ、シャッター５１が遮蔽位置にある際に、第１リブ５１ｂと第２リブ５０ｂとが媒体搬送方向に沿って連なる（図１３、図１４参照）。
この様に遮蔽位置にあるシャッター５１に対し媒体搬送方向の上流に第２リブ５０ｂが設けられることで、媒体が更に円滑にガイドされる。
また仮に第２リブ５０ｂがシャッター５１に設けられている場合、シャッター５１が開口部５０ａを開放する為に必要な移動量が増え、シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより下流に配置する必要が生じる。シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより下流に配置する場合、シャッター５１の上流に配置される第１搬送ローラー対１５とシャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９との間の距離が長くなる。その結果、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら上記の様に第２リブ５０ｂは対向部５０に設けられる為、シャッター５１が開口部５０ａを開放する為に必要な移動量を抑制できる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
この様に遮蔽位置にあるシャッター５１に対し媒体搬送方向の上流に第２リブ５０ｂが設けられることで、媒体が更に円滑にガイドされる。
また仮に第２リブ５０ｂがシャッター５１に設けられている場合、シャッター５１が開口部５０ａを開放する為に必要な移動量が増え、シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより下流に配置する必要が生じる。シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより下流に配置する場合、シャッター５１の上流に配置される第１搬送ローラー対１５とシャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９との間の距離が長くなる。その結果、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら上記の様に第２リブ５０ｂは対向部５０に設けられる為、シャッター５１が開口部５０ａを開放する為に必要な移動量を抑制できる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
【0067】
また第１リブ５１ｂにおいて媒体搬送方向の上流端の角部が面取り部５１ｅとして形成されている（図１３参照）。これにより媒体が下流方向に搬送される際に、媒体が第１リブ５１ｂに引っ掛かることを抑制できる。尚、面取り部５１ｅは面取り形状に代えてＲ形状に形成しても良い。
【0068】
続いて図１５～図２０を参照して他の実施形態に係る対向部５０Ａを説明する。
図１５、図１６に示す様に対向部５０Ａのガイド部５０ｇにはガイド穴５０ｊが形成されている。本実施形態に係るガイド穴５０ｊは上述したガイド穴５０ｈとは異なり、媒体搬送方向の上流端から下流に向かって媒体搬送方向に沿って平行に延び、次いで下流に向かって下がり傾斜となり、そして再び媒体搬送方向に沿って平行に延びる様に形成されている。
図１５、図１６に示す様に対向部５０Ａのガイド部５０ｇにはガイド穴５０ｊが形成されている。本実施形態に係るガイド穴５０ｊは上述したガイド穴５０ｈとは異なり、媒体搬送方向の上流端から下流に向かって媒体搬送方向に沿って平行に延び、次いで下流に向かって下がり傾斜となり、そして再び媒体搬送方向に沿って平行に延びる様に形成されている。
【0069】
対向部５０Ａに対し媒体幅方向の両側には、図２０に示すラック部材５４が媒体搬送方向に沿って変位可能に設けられている。シャッター５１を変位させるピニオン歯車５２は、ラック部材５４に形成されたラック部５４ａと噛み合っている。シャッター駆動モーター８８（図１０参照）の動力によってピニオン歯車５２が回転すると、ラック部材５４が媒体搬送方向に沿って変位する。
【0070】
ラック部材５４には上下方向に延びる長穴５４ｂが形成されている。シャッター５１に形成されたボス５１ｃの一つは、媒体幅方向における長さが他のボス５１ｃより長いとともに、長穴５４ｂに入り込んでいる。従ってラック部材５４が媒体搬送方向に変位すると、長穴５４ｂに入り込んだボス５１ｃ即ちシャッター５１が媒体搬送方向に変位する。ここでボス５１ｃがガイド穴５０ｊの傾斜部分を通過する際、ボス５１ｃは上下方向に変位するが、ラック部材５４の長穴５４ｂは上下方向に延設されており、これによりボス５１ｃは長穴５４ｂ内を上下方向に変位することができる。この様な構成により、図２０の上の図から下の図への変化で示す様に、また或いは図２０の下の図から上の図への変化で示す様に、ラック部材５４によってボス５１ｃ即ちシャッター５１をガイド穴５０ｊに沿って変位させることができる。
【0071】
図１５、図１７は、キャップユニット６０がキャップ位置に位置し、シャッター５１が開放位置に位置する状態を示している。また図１６、図１９は、キャップユニット６０が下降位置に位置し、シャッター５１が遮蔽位置に位置する状態を示している。
制御部８０は、装置の電源オフ時や電源オン時における記録待機状態では、キャップユニット６０及びシャッター５１を図１５の状態とする。
制御部８０はこの状態で記録データを受信して記録を行う場合、先ず図１７から図１８への変化で示す様にキャップユニット６０をキャップ位置から下降位置へ移動させる。次いで、図１８から図１９への変化で示す様にシャッター５１を開放位置から遮蔽位置へと移動させる。これによりシャッター５１は、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体を支持することができる。即ちプラテンギャップがシャッター５１によって規定される。シャッター５１が遮蔽位置に位置する場合、当該シャッター５１は対向部５０Ａの開口部５０ａを遮蔽する。
尚、符号５０ｋは、媒体先端を第２搬送ローラー対１９のニップ位置へ案内するガイド部である。図１５、図１６においてガイド部５０ｋの図示は省略している。
制御部８０は、装置の電源オフ時や電源オン時における記録待機状態では、キャップユニット６０及びシャッター５１を図１５の状態とする。
制御部８０はこの状態で記録データを受信して記録を行う場合、先ず図１７から図１８への変化で示す様にキャップユニット６０をキャップ位置から下降位置へ移動させる。次いで、図１８から図１９への変化で示す様にシャッター５１を開放位置から遮蔽位置へと移動させる。これによりシャッター５１は、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体を支持することができる。即ちプラテンギャップがシャッター５１によって規定される。シャッター５１が遮蔽位置に位置する場合、当該シャッター５１は対向部５０Ａの開口部５０ａを遮蔽する。
尚、符号５０ｋは、媒体先端を第２搬送ローラー対１９のニップ位置へ案内するガイド部である。図１５、図１６においてガイド部５０ｋの図示は省略している。
【0072】
制御部８０は記録ジョブが終了すると、図１９から図１８への変化で示す様にシャッター５１を遮蔽位置から開放位置へ移動させる。次いで図１８から図１７への変化で示す様にキャップユニット６０を下降位置からキャップ位置へと移動させる。
【0073】
本実施形態では図１７、図１８に示す様に開放位置にあるシャッター５１は、第２搬送ローラー対１９の下側に位置することとなる。以下、この構成による作用効果を説明する。
シャッター５１の開放位置が、遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置する構成において、仮にシャッター５１が媒体搬送方向に沿って水平に移動する場合、シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０とシャッター５１との干渉を避けるため、シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０をより下流に配置する必要が生じる。シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０をより下流に配置する場合、シャッター５１の上流に配置される第１搬送ローラー対１５とシャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９との間の距離が長くなる。その結果、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら本構成によれば、開放位置にあるシャッター５１は、第２搬送ローラー対１９の下側に位置することから、シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより上流に配置することができる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
シャッター５１の開放位置が、遮蔽位置に対し媒体搬送方向の下流に位置する構成において、仮にシャッター５１が媒体搬送方向に沿って水平に移動する場合、シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０とシャッター５１との干渉を避けるため、シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０をより下流に配置する必要が生じる。シャッター５１の下流に配置される駆動ローラー２０をより下流に配置する場合、シャッター５１の上流に配置される第１搬送ローラー対１５とシャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９との間の距離が長くなる。その結果、ラインヘッド４０と対向する位置で媒体の姿勢が不安定になり易く、記録品質が低下する虞がある。
しかしながら本構成によれば、開放位置にあるシャッター５１は、第２搬送ローラー対１９の下側に位置することから、シャッター５１の下流に配置される第２搬送ローラー対１９をより上流に配置することができる。その結果、上記の記録品質の低下を抑制できる。
【0074】
次に、媒体のヘッド擦れを抑制する手段として、以降説明する突出部材９１をラインヘッド４０に設けても良い。以下、突出部材９１を設ける場合の構成について説明する。
図２２に示す様に、媒体搬送方向において第１搬送ローラー対１５と第２搬送ローラー対１９との間には、突出部材９１が設けられている。突出部材９１は、媒体搬送方向においてラインヘッド４０Ａと重なる位置に配置されている。
図２２に示す様に、媒体搬送方向において第１搬送ローラー対１５と第２搬送ローラー対１９との間には、突出部材９１が設けられている。突出部材９１は、媒体搬送方向においてラインヘッド４０Ａと重なる位置に配置されている。
【0075】
本実施形態において突出部材９１は、プレート部材４２から対向部５０に向けて突出するリブ状の部材である。突出部材９１は樹脂材料により形成することができ、一例としてＰＯＭ（ポリオキシメチレン）により形成することができる。
突出部材９１は、プレート部材４２、或いはヘッドチップ４３、或いはラインヘッド４０Ａの基体を構成するベース４１の一部を露出させた露出部（不図示）に対し、接着、溶着、圧入などの固定手段により固定することができる。
突出部材９１は、プレート部材４２、或いはヘッドチップ４３、或いはラインヘッド４０Ａの基体を構成するベース４１の一部を露出させた露出部（不図示）に対し、接着、溶着、圧入などの固定手段により固定することができる。
【0076】
突出部材９１は、図２１、図２３に示す様に－Ｚ方向からヘッド面４２ａを平面視した場合、ラインヘッド４０Ａの領域内に入り込んでいる。尚、本実施形態において上述したキャップ部６１は突出部材９１と干渉しない形状に形成されている。
突出部材９１は、ノズル４４を避ける様に配置される。また本実施形態では、突出部材９１は二つのヘッドチップ４３の端部を接続する様に設けられる。例えば、－Ｘ方向を第１方向とし、＋Ｘ方向を第２方向として、図２３の突出部材９１－１は、上流位置に配置されたヘッドチップ４３－１の－Ｘ方向の端部と、－Ｘ方向の端部に対し媒体搬送方向の下流に位置するヘッドチップ４３－２の＋Ｘ方向の端部とを接続する様に設けられる。勿論、上記とは逆に＋Ｘ方向を第１方向とし、－Ｘ方向を第２方向として突出部材９１の配置を捉えても良い。
突出部材９１は、ノズル４４を避ける様に配置される。また本実施形態では、突出部材９１は二つのヘッドチップ４３の端部を接続する様に設けられる。例えば、－Ｘ方向を第１方向とし、＋Ｘ方向を第２方向として、図２３の突出部材９１－１は、上流位置に配置されたヘッドチップ４３－１の－Ｘ方向の端部と、－Ｘ方向の端部に対し媒体搬送方向の下流に位置するヘッドチップ４３－２の＋Ｘ方向の端部とを接続する様に設けられる。勿論、上記とは逆に＋Ｘ方向を第１方向とし、－Ｘ方向を第２方向として突出部材９１の配置を捉えても良い。
【0077】
本実施形態では、図２１、図２４に示す様に全てのヘッドチップ４３の端部には突出部材９１が配置される。尚、媒体幅方向の両端部に設けられた突出部材９１は、一端のみがヘッドチップ４３の端部に配置される。
本実施形態では、突出部材９１は媒体搬送方向においてノズル４４の配置領域を全てカバーしている。
本実施形態では、突出部材９１は媒体搬送方向においてノズル４４の配置領域を全てカバーしている。
【0078】
図２４において符号ＣＬは、媒体幅方向における媒体の中心位置である。媒体幅方向における媒体の中心位置は、サイズに拘わらず中心位置ＣＬとなる。
図示する様にヘッドチップ４３は媒体幅方向において中心位置ＣＬを中心として左右対称となる様に配置される。そして突出部材９１も同様に媒体幅方向において中心位置ＣＬを中心として左右対称となる様に配置される。
図示する様にヘッドチップ４３は媒体幅方向において中心位置ＣＬを中心として左右対称となる様に配置される。そして突出部材９１も同様に媒体幅方向において中心位置ＣＬを中心として左右対称となる様に配置される。
【0079】
図２４において符号９１Ａは、－Ｙ方向に向かって、即ち媒体搬送方向の上流から下流に向かって媒体幅方向における中心位置ＣＬから媒体の側端へ延びる第１突出部材である。また符号９１Ｂは、－Ｙ方向に向かって、即ち媒体搬送方向の上流から下流に向かって媒体幅方向における媒体の側端から中心位置ＣＬへ延びる第２突出部材である。
複数の突出部材９１は、中心位置ＣＬから媒体の側端に向かって第２突出部材７２Ｂと第１突出部材９１Ａとが交互に配置され、媒体幅方向の最も外側が第１突出部材９１Ａとなる。
複数の突出部材９１は、中心位置ＣＬから媒体の側端に向かって第２突出部材７２Ｂと第１突出部材９１Ａとが交互に配置され、媒体幅方向の最も外側が第１突出部材９１Ａとなる。
【0080】
図２２において符号Ｈｇは、突出部材９１がヘッド面４２ａより－Ｚ方向に突出する突出量であり、この突出量Ｈｇは一例として０ｍｍより大きく、５．０ｍｍ以下に設定できる。
媒体搬送方向において突出部材９１の上流端の角部には面取り部９１ａが形成されている。また媒体搬送方向において突出部材９１の下流端の角部には面取り部９１ｂが形成されている。
尚、面取り部９１ａ、９１ｂは、面取り形状に代えて、Ｒ形状に形成しても良い。
媒体搬送方向において突出部材９１の上流端の角部には面取り部９１ａが形成されている。また媒体搬送方向において突出部材９１の下流端の角部には面取り部９１ｂが形成されている。
尚、面取り部９１ａ、９１ｂは、面取り形状に代えて、Ｒ形状に形成しても良い。
【0081】
以上説明した様に、プレート部材４２には、ノズル４４を有するヘッドチップ４３と、ヘッドチップ４３に設けられたノズル４４を避ける様に配置されるリブ状の部材であって、プレート部材４２から対向部５０に突出する突出部材９１と、が設けられている。従って突出部材９１によって媒体の浮き上がりを抑制する効果がプレート部材４２の領域で発揮され易く、媒体のヘッド擦れをより確実に抑制できる。
そして突出部材９１は、媒体搬送方向と交差する方向に延びる。これにより、一つの突出部材９１によるヘッド擦れ抑制効果を媒体搬送方向と交差する方向の広い範囲で得ることができる。その結果、媒体のヘッド擦れを効果的に抑制できるとともに、突出部材９１の数を減らすことができる為、装置のコストアップを抑制できる。
そして突出部材９１は、媒体搬送方向と交差する方向に延びる。これにより、一つの突出部材９１によるヘッド擦れ抑制効果を媒体搬送方向と交差する方向の広い範囲で得ることができる。その結果、媒体のヘッド擦れを効果的に抑制できるとともに、突出部材９１の数を減らすことができる為、装置のコストアップを抑制できる。
【0082】
また本実施形態においてヘッドチップ４３は、媒体搬送方向と直交する方向である媒体幅方向に延び、複数のヘッドチップ４３が、媒体幅方向に沿って上流位置と下流位置とに交互に配置されている。そして突出部材９１は、上流位置に配置されたヘッドチップ４３の第１方向の端部と、第１方向の端部に対し媒体搬送方向の下流に位置するヘッドチップ４３の第２方向の端部とを接続する様に設けられる。
これにより、突出部材９１がノズル４４を避ける領域において、突出部材９１が媒体搬送方向の広い範囲をカバーでき、媒体のヘッド擦れをより一層効果的に抑制できる。
これにより、突出部材９１がノズル４４を避ける領域において、突出部材９１が媒体搬送方向の広い範囲をカバーでき、媒体のヘッド擦れをより一層効果的に抑制できる。
【0083】
また突出部材９１は、媒体搬送方向の上流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されていることから、媒体が媒体搬送方向の上流から下流に搬送される際に媒体先端が突出部材９１に引っ掛かることを抑制できる。
また突出部材９１は、媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されていることから、媒体が媒体搬送方向の下流から上流に搬送される際に媒体先端が突出部材９１に引っ掛かることを抑制できる。
また突出部材９１は、媒体搬送方向の下流端の角部が面取り形状またはＲ形状に形成されていることから、媒体が媒体搬送方向の下流から上流に搬送される際に媒体先端が突出部材９１に引っ掛かることを抑制できる。
【0084】
また図２４を参照して説明した様に複数の突出部材９１は、－Ｙ方向に向かって、即ち媒体搬送方向の上流から下流に向かって媒体幅方向における中心位置ＣＬから媒体の側端へ延びる第１突出部材９１Ａと、－Ｙ方向に向かって、即ち媒体搬送方向の上流から下流に向かって媒体幅方向における媒体の側端から中心位置ＣＬへ延びる第２突出部材９１Ｂとを含む。
図２４において符号Ｐ１は第１の媒体であり、一例として短辺方向が媒体幅方向に沿っているＡ４サイズ用紙である。また符号Ｐ２は第２の媒体であり、一例として短辺方向が媒体幅方向に沿っているＡ６サイズ用紙である。
この様な所定の規格サイズの媒体は、媒体幅方向における側端が、第２突出部材９１Ｂから外れた位置を通る。
これにより以下の作用効果が得られる。即ち媒体の媒体幅方向における側端が第２突出部材９１Ｂの位置を通る場合、媒体先端の角部が第２突出部材９１Ｂに引っ掛かり易く、ジャムを招き易い。これに対し媒体先端の角部が第１突出部材９１Ａに引っ掛かっても、当該角部は外側方向に案内され、ジャムを招き難い。
そして上記の様に所定の規格サイズの媒体は、媒体幅方向における側端が、第２突出部材９１Ｂから外れた位置を通ることから、上記のジャムの発生を抑制できる。
図２４において符号Ｐ１は第１の媒体であり、一例として短辺方向が媒体幅方向に沿っているＡ４サイズ用紙である。また符号Ｐ２は第２の媒体であり、一例として短辺方向が媒体幅方向に沿っているＡ６サイズ用紙である。
この様な所定の規格サイズの媒体は、媒体幅方向における側端が、第２突出部材９１Ｂから外れた位置を通る。
これにより以下の作用効果が得られる。即ち媒体の媒体幅方向における側端が第２突出部材９１Ｂの位置を通る場合、媒体先端の角部が第２突出部材９１Ｂに引っ掛かり易く、ジャムを招き易い。これに対し媒体先端の角部が第１突出部材９１Ａに引っ掛かっても、当該角部は外側方向に案内され、ジャムを招き難い。
そして上記の様に所定の規格サイズの媒体は、媒体幅方向における側端が、第２突出部材９１Ｂから外れた位置を通ることから、上記のジャムの発生を抑制できる。
【0085】
上述した突出部材９１は、ヘッド面４２ａからの突出量やワイパー３６の硬さによっては、ワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングの邪魔となる場合がある。
そこで突出部材９１をラインヘッド４０から独立して設け、ラインヘッド４０がワイピング位置に移動した際にヘッド面４２ａから離れる様に構成しても良い。
図２５、図２６はその様な構成を示しており、図２５はラインヘッド４０が記録位置にあり、図２６はラインヘッド４０がワイピング位置にある状態を示している。
そこで突出部材９１をラインヘッド４０から独立して設け、ラインヘッド４０がワイピング位置に移動した際にヘッド面４２ａから離れる様に構成しても良い。
図２５、図２６はその様な構成を示しており、図２５はラインヘッド４０が記録位置にあり、図２６はラインヘッド４０がワイピング位置にある状態を示している。
【0086】
本実施形態において突出部材９１は、支持部材９５に設けられている。支持部材９５は、ラインヘッド４０が記録位置にある状態で、図２７に示す様にプレート部材４２の周囲を囲う形状を成しており、ラインヘッド４０から独立して、メインフレーム７に設けられている。そして突出部材９１も支持部材９５と同様に、ラインヘッド４０から独立して設けられている。
【0087】
支持部材９５と突出部材９１はラインヘッド４０から独立して設けられていることから、図２５から図２６への変化で示す様にラインヘッド４０が記録位置からワイピング位置へ移動すると、ヘッド面４２ａが突出部材９１から離れる。これにより、ヘッド面４２ａと支持部材９５及び突出部材９１との間にワイパーキャリッジ３５が入り込む間隔が形成され、突出部材９１の影響を受けずにワイパー３６によってヘッド面４２ａをワイピングすることができる。
【0088】
尚、本実施形態ではラインヘッド４０が記録位置からキャップ位置へ移動する際に突出部材９１が邪魔となる。従って上述した対向部５０と同様に、支持部材９５をラインヘッド４０に対して進退する方向に変位可能に設けるとともに、押圧部材（不図示）によってラインヘッド４０に向けて押圧しても良い。この場合、支持部材９５の上昇限度位置は、支持部材９５に当接する不図示の規制部によって規制される。
この構成によれば、ラインヘッド４０が記録位置からキャップ位置へ移動する際、ラインヘッド４０が突出部材９１即ち支持部材９５を押し下げることができ、その結果ラインヘッド４０が記録位置からキャップ位置へ移動することができる。
この構成によれば、ラインヘッド４０が記録位置からキャップ位置へ移動する際、ラインヘッド４０が突出部材９１即ち支持部材９５を押し下げることができ、その結果ラインヘッド４０が記録位置からキャップ位置へ移動することができる。
【0089】
また上述したワイパーキャリッジ３５には、エッジ検出部３８を設けても良い。以下、エッジ検出部３８を設ける場合の構成について説明する。
ワイパーキャリッジ３５の底部には、図２８に示す様に媒体のエッジを検出する為のエッジ検出部３８が設けられている。
エッジ検出部３８と制御部８０（図５参照）とは、不図示のフレキシブルフラットケーブルにより接続される。フレキシブルフラットケーブルは、ワイパーキャリッジ３５の移動に追従して変形する。
ワイパーキャリッジ３５の底部には、図２８に示す様に媒体のエッジを検出する為のエッジ検出部３８が設けられている。
エッジ検出部３８と制御部８０（図５参照）とは、不図示のフレキシブルフラットケーブルにより接続される。フレキシブルフラットケーブルは、ワイパーキャリッジ３５の移動に追従して変形する。
【0090】
エッジ検出部３８は光学センサーであり、対向部５０に向けて検出光を発光する発光部（不図示）と、前記検出光の反射成分を受光する受光部（不図示）とを備えている。前記反射成分の強度は、対向部５０に対して前記検出光が照射された場合よりも媒体に対して前記検出光が照射された場合が強くなる。従って制御部８０は、エッジ検出部３８の検出情報をもとに、媒体のエッジを検出できる。
【0091】
図１２或いは図２０を参照して説明した様に、ワイパーキャリッジ３５は媒体幅方向に移動可能であり、エッジ検出部３８はワイパーキャリッジ３５に設けられている為、エッジ検出部３８により媒体を検出可能な位置に媒体を位置決めした状態でワイパーキャリッジ３５を媒体幅方向に移動させることで、エッジ検出部３８によるエッジ検出が可能となる。尚、ここでのエッジ検出とは、媒体の＋Ｘ方向のエッジ及び－Ｘ方向のいずれか一方或いは双方を検出することである。
【0092】
図３５において符号Ｐｓ１は媒体Ｐの＋Ｘ方向のエッジであり、符号Ｐｓ２は媒体Ｐの－Ｘ方向のエッジである。また線ＳＬ１はエッジ検出部３８による検出ラインである。図示する様にエッジ検出部３８により媒体Ｐを検出可能な位置に媒体を位置決めした状態でワイパーキャリッジ３５を一例として矢印方向（－Ｘ方向）に移動させることで、エッジＰｓ１とエッジＰｓ２の位置を検出することができる。尚、上述した様にワイパー駆動モーター３１には不図示のエンコーダーセンサーが設けられ、制御部８０はワイパーキャリッジ３５の現在位置を把握できることから、媒体幅方向におけるエッジＰｓ１とエッジＰｓ２の位置を検出することができる。
【0093】
但し、媒体幅方向においてエッジ検出部３８が媒体を検出可能な位置、一例として媒体幅方向における中心位置に位置決めした状態で媒体を搬送することで、媒体の－Ｙ方向のエッジ即ち先端エッジや＋Ｙ方向のエッジ即ち後端エッジも検出することもできる。
エッジ検出部３８を用いて媒体のエッジ検出を行う場合、ラインヘッド４０は媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送された後に、記録位置から＋Ｚ方向に移動しても良いし、媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送される前に、記録位置から＋Ｚ方向に移動しても良い。但し、媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送される前に、ラインヘッド４０を記録位置からワイピング位置或いは離間位置（後述）に移動させることで、印刷スループットの向上を図ることができる。例えば、媒体をエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送する為の搬送動作とラインヘッド４０の上記移動動作とを並行して行うことで、印刷スループットの向上を図ることができる。
エッジ検出部３８を用いて媒体のエッジ検出を行う場合、ラインヘッド４０は媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送された後に、記録位置から＋Ｚ方向に移動しても良いし、媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送される前に、記録位置から＋Ｚ方向に移動しても良い。但し、媒体がエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送される前に、ラインヘッド４０を記録位置からワイピング位置或いは離間位置（後述）に移動させることで、印刷スループットの向上を図ることができる。例えば、媒体をエッジ検出部３８と対向可能な位置に搬送する為の搬送動作とラインヘッド４０の上記移動動作とを並行して行うことで、印刷スループットの向上を図ることができる。
【0094】
尚、ラインヘッド４０の移動領域には、媒体に対し記録を行う記録位置（図２９の最も上の図）が含まれる。またラインヘッド４０の移動領域には、記録位置よりも対向部５０から離間する位置であってワイパー３６によってヘッド面４２ａがワイピングされるワイピング位置（図２９の中央の図）が含まれる。またまたラインヘッド４０の移動領域には、ワイピング位置よりも対向部５０から離間する位置であって、ワイパー３６がヘッド面４２ａから離間した状態でワイパー３６が媒体幅方向に移動可能となる離間位置（図２９の最も下の図）が含まれる。
【0095】
以上の様にワイパー３６は、ワイパー駆動モーター３１の動力により媒体幅方向に移動するワイパーキャリッジ３５に設けられ、ワイパーキャリッジ３５において対向部５０と対向する位置に、媒体のエッジを検出する為のエッジ検出部３８を備える。これにより、エッジ検出部３８を媒体幅方向に移動させる為の専用の構成が不要となり、装置の大型化とコストアップを抑制できる。
【0096】
尚、ワイパー駆動モーター３１とヘッド移動モーター８１とを制御する制御部８０は、ラインヘッド４０をワイピング位置に位置決めした状態で、ワイパー駆動モーター３１を駆動してエッジ検出部３８を用いたエッジ検出を行うことができる。以下、これを第１エッジ検出モードと称する。
第１エッジ検出モードによれば、ワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングとエッジ検出部３８を用いたエッジ検出とを同時に行う為、記録スループットの向上を図ることができる。
第１エッジ検出モードによれば、ワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングとエッジ検出部３８を用いたエッジ検出とを同時に行う為、記録スループットの向上を図ることができる。
【0097】
また制御部８０は、ラインヘッド４０を離間位置に位置決めした状態で、ワイパー駆動モーター３１を駆動してエッジ検出部３８を用いたエッジ検出を行うことができる。以下、これを第２エッジ検出モードと称する。
第２エッジ検出モードによれば、エッジ検出を行う際にワイパー３６とヘッド面４２ａとの接触による負荷がワイパー駆動モーター３１に掛からず、エッジ検出を精度良く行うことができる。
また制御部８０は、エッジ検出を伴わずにワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングのみを行うことができる。以下、これをワイピング単独モードと称する。
第２エッジ検出モードによれば、エッジ検出を行う際にワイパー３６とヘッド面４２ａとの接触による負荷がワイパー駆動モーター３１に掛からず、エッジ検出を精度良く行うことができる。
また制御部８０は、エッジ検出を伴わずにワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングのみを行うことができる。以下、これをワイピング単独モードと称する。
【0098】
ワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングは、一例として装置の電源オン時や電源オフ時に行うことができる。この場合、制御部８０は一例としてワイピング単独モードを選択する。
またワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングは、前回ヘッド面４２ａのワイピングを行ってからの経過時間が所定の時間に達したタイミング、或いは前回ヘッド面４２ａのワイピングを行ってからの総印刷枚数が所定の枚数に達したタイミングで行うことができる。この場合、制御部８０は一例としてワイピング単独モードを選択する。
またワイパー３６によるヘッド面４２ａのワイピングは、前回ヘッド面４２ａのワイピングを行ってからの経過時間が所定の時間に達したタイミング、或いは前回ヘッド面４２ａのワイピングを行ってからの総印刷枚数が所定の枚数に達したタイミングで行うことができる。この場合、制御部８０は一例としてワイピング単独モードを選択する。
【0099】
また制御部８０は、エッジ検出を、装置の電源オンの後、最初に記録ジョブを実行する場合の最初の媒体に対して行っても良い。例えば、制御部８０は指定された記録品質が「普通」である場合に、記録ジョブを実行する毎に最初の媒体に対してエッジ検出を行っても良い。この場合制御部８０は、第１エッジ検出モードと第２エッジ検出モードのいずれを行っても良い。
また制御部８０は、エッジ検出を、記録ジョブを実行する毎に、記録ジョブの最初の媒体に対して行っても良い。例えば、制御部８０は指定された記録品質が「高精細」である場合に、記録ジョブを実行する毎に最初の媒体に対してエッジ検出を行っても良い。この場合制御部８０は、第１エッジ検出モードと第２エッジ検出モードのいずれを行っても良い。
また制御部８０は、媒体収容カセット２が挿抜された後、最初に記録ジョブを実行する場合の最初の媒体に対して行っても良い。この場合制御部８０は、第１エッジ検出モードと第２エッジ検出モードのいずれを行っても良い。
制御部８０は、印刷データに含まれる媒体のサイズ情報と、エッジ検出により取得した媒体のサイズ情報とが異なっている場合、記録動作を中止するとともに、プリンター１の表示部（不図示）或いはプリンター１に接続されるコンピューターの表示部（不図示）に、その旨のアラートを表示する。
また制御部８０は、エッジ検出を、記録ジョブを実行する毎に、記録ジョブの最初の媒体に対して行っても良い。例えば、制御部８０は指定された記録品質が「高精細」である場合に、記録ジョブを実行する毎に最初の媒体に対してエッジ検出を行っても良い。この場合制御部８０は、第１エッジ検出モードと第２エッジ検出モードのいずれを行っても良い。
また制御部８０は、媒体収容カセット２が挿抜された後、最初に記録ジョブを実行する場合の最初の媒体に対して行っても良い。この場合制御部８０は、第１エッジ検出モードと第２エッジ検出モードのいずれを行っても良い。
制御部８０は、印刷データに含まれる媒体のサイズ情報と、エッジ検出により取得した媒体のサイズ情報とが異なっている場合、記録動作を中止するとともに、プリンター１の表示部（不図示）或いはプリンター１に接続されるコンピューターの表示部（不図示）に、その旨のアラートを表示する。
【0100】
尚、ラインヘッド４０が離間位置にある状態で、制御部８０はノズル４４からワイパーキャリッジ３５に向けてインクを吐出するフラッシング動作を行っても良い。具体的には、ワイパーキャリッジ３５は一つのヘッドチップ４３と対向可能な大きさに形成されており、制御部８０はワイパーキャリッジ３５をホームポジションに近いヘッドチップ４３と対向する位置に位置決めした状態で、ホームポジションに近いヘッドチップ４３からのみインクを吐出する。この様な部分的なフラッシング動作を、ワイパーキャリッジ３５を－Ｘ方向に移動させながら、全てのヘッドチップ４３に対して順次行う。
この様にワイパーキャリッジ３５をフラッシング動作に利用することで、ラインヘッド４０をキャップ部６１に近接する位置まで移動させることなくフラッシング動作を行うことができる。
この様にワイパーキャリッジ３５をフラッシング動作に利用することで、ラインヘッド４０をキャップ部６１に近接する位置まで移動させることなくフラッシング動作を行うことができる。
【0101】
次に、ワイパーキャリッジ３５の回転止め構造について説明する。
図３０は本実施形態に係るワイパーキャリッジ３５の回転止め構造を示している。
ワイパーフレーム３０は、水平面を形成する第１フレーム部３０ａと、垂直面を形成する第２フレーム部３０ｂとを有している。第１フレーム部３０ａと第２フレーム部３０ｂは、ともにワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。
ワイパーキャリッジ３５は、第２フレーム部３０ｂを挟み込む形状を成す被ガイド部３５ｃを有しており、被ガイド部３５ｃが第２フレーム部３０ｂを挟み込むことで、ワイパーキャリッジ３５のＹ軸方向位置が規定される。また被ガイド部３５ｃは第１フレーム部３０ａの上面に接し、これによりワイパーキャリッジ３５が第１フレーム部３０ａによって支持される。
図３０は本実施形態に係るワイパーキャリッジ３５の回転止め構造を示している。
ワイパーフレーム３０は、水平面を形成する第１フレーム部３０ａと、垂直面を形成する第２フレーム部３０ｂとを有している。第１フレーム部３０ａと第２フレーム部３０ｂは、ともにワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。
ワイパーキャリッジ３５は、第２フレーム部３０ｂを挟み込む形状を成す被ガイド部３５ｃを有しており、被ガイド部３５ｃが第２フレーム部３０ｂを挟み込むことで、ワイパーキャリッジ３５のＹ軸方向位置が規定される。また被ガイド部３５ｃは第１フレーム部３０ａの上面に接し、これによりワイパーキャリッジ３５が第１フレーム部３０ａによって支持される。
【0102】
ワイパーキャリッジ３５には、ワイパーキャリッジ３５の自重により、被ガイド部３５ｃを中心として図３０の反時計回りに回転しようとするモーメントが生じる。ワイパーキャリッジ３５には回転止め部３５ｄが形成されており、回転止め部３５ｄが第１フレーム部３０ａの下面に接することで上記の回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５の姿勢が規定される。
【0103】
上記の様なワイパーキャリッジ３５の回転止め構造は、図３１に示す様に変形できる。例えば図３１に示すワイパーキャリッジ３５Ａでは、回転止め部３５ｄが、被ガイド部３５ｃから＋Ｙ方向に延びる様に形成されている。
ワイパーフレーム３０Ａにおける第１フレーム部３０ａには回転規制部３０ｃが形成されている。回転規制部３０ｃは、ワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。
回転止め部３５ｄは回転規制部３０ｃの下側に入り込む様に構成され、これによりワイパーキャリッジ３５Ａの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ａの姿勢が規定される。
ワイパーフレーム３０Ａにおける第１フレーム部３０ａには回転規制部３０ｃが形成されている。回転規制部３０ｃは、ワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。
回転止め部３５ｄは回転規制部３０ｃの下側に入り込む様に構成され、これによりワイパーキャリッジ３５Ａの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ａの姿勢が規定される。
【0104】
またワイパーキャリッジの回転止め構造は、図３２に示す様に変形できる。図３２に示すワイパーキャリッジ３５Ｂの－Ｙ方向端部の下側には、サブフレーム２３が設けられている。サブフレーム２３は、ワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。
サブフレーム２３は、ワイパーキャリッジ３５Ｂの－Ｙ方向端部を下方から支持する。これによりワイパーキャリッジ３５Ｂの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｂの姿勢が規定される。
サブフレーム２３は、ワイパーキャリッジ３５Ｂの－Ｙ方向端部を下方から支持する。これによりワイパーキャリッジ３５Ｂの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｂの姿勢が規定される。
【0105】
またワイパーキャリッジの回転止め構造は、図３３に示す様に変形できる。図３３に示すワイパーキャリッジ３５Ｃでは、回転止め部３５ｄが、被ガイド部３５ｃから＋Ｚ方向に延びる様に形成されている。
被ガイド部３５ｃの上部にはサブフレーム２３が設けられ、回転止め部３５ｄがサブフレーム２３に押し当たることでワイパーキャリッジ３５Ｃの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｃの姿勢が規定される。
被ガイド部３５ｃの上部にはサブフレーム２３が設けられ、回転止め部３５ｄがサブフレーム２３に押し当たることでワイパーキャリッジ３５Ｃの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｃの姿勢が規定される。
【0106】
またワイパーキャリッジの回転止め構造は、図３４に示す様に変形できる。図３４に示すワイパーキャリッジ３５Ｄでは、軸挿通部３５ｅが形成されており、軸挿通部３５ｅにガイド軸２４が挿通されている。ガイド軸２４は、ワイパーキャリッジ３５の移動領域全体に亘って延設されている。ワイパーキャリッジ３５Ｄは、ガイド軸２４によってＸ軸方向に案内される。
ワイパーキャリッジ３５Ｄの上部にはサブフレーム２３が設けられ、回転止め部３５ｄがサブフレーム２３に押し当たることでワイパーキャリッジ３５Ｄの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｄの姿勢が規定される。
ワイパーキャリッジ３５Ｄの上部にはサブフレーム２３が設けられ、回転止め部３５ｄがサブフレーム２３に押し当たることでワイパーキャリッジ３５Ｄの回転が止められ、ワイパーキャリッジ３５Ｄの姿勢が規定される。
【0107】
本発明は上記において説明した実施形態や変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0108】
１…インクジェットプリンター、２…媒体収容カセット、３…ピックローラー、５…給送ローラー、６…分離ローラー、８…反転ローラー、９…第１ニップローラー、１０…第２ニップローラー、１２…媒体支持部、１３…給送ローラー、１４…分離ローラー、１５…第１搬送ローラー対、１６…駆動ローラー、１７…従動ローラー、１９…第２搬送ローラー対、２０…駆動ローラー、２１…従動ローラー、２２…媒体検出部、２３…サブフレーム、２４…ガイド軸、２７…第３搬送ローラー対、２８…排出ローラー対、２９…排出トレイ、３０、３０Ａ…ワイパーフレーム、３０ａ…第１フレーム部、３０ｂ…第２フレーム部、３０ｃ…回転規制部、３１…ワイパー駆動モーター、３２…無端ベルト、３３…駆動プーリー、３４…従動プーリー、３５、３５Ａ、３５Ｂ、３５Ｃ、３５Ｄ…ワイパーキャリッジ、３５ａ…嵌合穴、３５ｃ…被ガイド部、３５ｄ…回転止め部、３５ｅ…軸挿通部、３６…ワイパー、３７…インク回収部、３７ａ…吸引部、３８…エッジ検出部、４０…ラインヘッド、４１…ベース、４１ｄ…ラック部、４２…プレート部材、４２ａ…ヘッド面、４２ｄ…開口部、４３…ヘッドチップ、４４…ノズル、５０、５０Ａ…対向部、５０ａ…開口部、５０ｂ…第２リブ、５０ｃ…第１支持部、５０ｄ…第２支持部、５０ｅ…面取り部、５０ｇ…ガイド部、５０ｈ、５０ｊ…ガイド穴、５０ｋ…ガイド部、５１…シャッター、５１ｂ…第１リブ、５１ｃ…ボス、５１ｄ…ラック部、５１ｅ…面取り部、５１ｋ…下流支持部、５２…ピニオン歯車、５４…ラック部材、５４ａ…ラック部、５４ｂ…長穴、６０…キャップユニット、６１…キャップ部、６１ａ…弾性部、６１ｂ…キャップ本体部、６２…ベース部、６３…キャップばね、６４…廃液チューブ、６５…ピニオン歯車、８０…制御部、８８…シャッター駆動モーター、８９…キャップ駆動モーター、９１…突出部材、９１Ａ…第１突出部材、９１Ｂ…第２突出部材、９１ａ、９１ｂ…面取り部、９５…支持部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】