(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142693
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/00 20060101AFI20241003BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20241003BHJP
H01F 27/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
H01F17/00 D
H01F27/29 123
H01F27/28 104
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054944
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】安田 渓斗
(72)【発明者】
【氏名】永井 雄介
(72)【発明者】
【氏名】吉野 真
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 聖樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真一
(72)【発明者】
【氏名】石間 雄也
(72)【発明者】
【氏名】服部 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】飯田 瑶平
(72)【発明者】
【氏名】小池 光晴
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 聖斗
【テーマコード(参考)】
5E043
5E070
【Fターム(参考)】
5E043AA08
5E043BA03
5E070AA01
5E070AB01
5E070BA12
5E070BB03
5E070CB03
5E070CB13
5E070CB17
5E070CB18
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】
【課題】接続導体と他の導体との断線を抑制できるコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品1は、実装面を有している素体2と、素体2内に配置されているコイル5と、素体2の実装面に配置されている端子電極3,4と、コイル5と端子電極3,4とを接続している第一接続導体6及び第二接続導体7と、を備え、第一接続導体6及び第二接続導体7は、端子電極3,4に接続されている第一部分6A,7Aと、コイル5に接続されている第二部分6B,7Bと、第一部分6A,7Aと第二部分6B,7Bとを接続している第三部分6C,7Cと、を有し、第一部分6A,7Aにおける単位面積当たりの第一ポアP1,P11の面積は、第三部分6C,7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3,P33の面積よりも大きい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有している素体と、
前記素体内に配置されているコイルと、
前記素体の前記実装面に配置されている端子電極と、
前記コイルと前記端子電極とを接続している接続導体と、を備え、
前記接続導体は、前記端子電極に接続されている第一部分と、前記コイルに接続されている第二部分と、前記第一部分と前記第二部分とを接続している第三部分と、を有し、
前記第一部分には、複数の第一空孔が設けられており、
前記第三部分には、複数の第三空孔が設けられており、
前記第一部分における単位面積当たりの前記第一空孔の面積は、前記第三部分における単位面積当たりの前記第三空孔の面積よりも大きい、コイル部品。
【請求項2】
実装面を有している素体と、
前記素体内に配置されているコイルと、
前記素体の前記実装面に配置されている端子電極と、
前記コイルと前記端子電極とを接続している接続導体と、を備え、
前記接続導体は、前記端子電極に接続されている第一部分と、前記コイルに接続されている第二部分と、前記第一部分と前記第二部分とを接続している第三部分と、を有し、
前記第二部分には、複数の第二空孔が設けられており、
前記第三部分には、複数の第三空孔が設けられており、
前記第二部分における単位面積当たりの前記第二空孔の面積は、前記第三部分における単位面積当たりの前記第三空孔の面積よりも大きい、コイル部品。
【請求項3】
前記第一部分における前記端子電極との接触面に設けられている複数の前記第一空孔のうちの少なくとも一部の前記第一空孔において、当該第一空孔の少なくとも一部には、前記端子電極の一部が入り込んでいる、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記第二部分における前記コイルとの接触面に設けられている複数の前記第二空孔のうちの少なくとも一部の前記第二空孔において、当該第二空孔の少なくとも一部には、前記コイルの一部が入り込んでいる、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記端子電極は、めっき電極である、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【請求項6】
前記コイルは、互いに電気的に接続されている複数のめっき導体を含んで構成されている、請求項1又は2に記載のコイル部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル部品に関する。
【背景技術】
【0002】
コイル部品として、たとえば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に記載のコイル部品は、複数の磁性体層が積層されて形成されている素体と、素体内に配置され、互いに電気的に接続されている複数の導体パターンを含んで構成されているコイルと、素体の実装面に配置されている端子電極と、コイルと端子電極とを接続している接続導体と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コイル部品において、接続導体と他の導体との接続部分に応力が加わると、接続導体が他の導体から剥離し易くなり、この結果、接続導体と他の導体とが断線するおそれがある。
【0005】
本発明の一側面は、接続導体と他の導体との断線を抑制できるコイル部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一側面に係るコイル部品は、実装面を有している素体と、素体内に配置されているコイルと、素体の実装面に配置されている端子電極と、コイルと端子電極とを接続している接続導体と、を備え、接続導体は、端子電極に接続されている第一部分と、コイルに接続されている第二部分と、第一部分と第二部分とを接続している第三部分と、を有し、第一部分には、複数の第一空孔が設けられており、第三部分には、複数の第三空孔が設けられており、第一部分における単位面積当たりの第一空孔の面積は、第三部分における単位面積当たりの第三空孔の面積よりも大きい。
【0007】
本発明の一側面に係るコイル部品では、第一部分における単位面積当たりの第一空孔の面積は、第三部分における単位面積当たりの第三空孔の面積よりも大きい。これにより、コイル部品では、第一部分と端子電極との接続部分に、第一空孔が多く存在している。そのため、コイル部品では、接続導体と端子電極との接続部分に応力が加わったとしても、応力を緩和することができる。したがって、コイル部品では、接続導体と他の導体(端子電極)との断線を抑制できる。
【0008】
(2)本発明の一側面に係るコイル部品は、実装面を有している素体と、素体内に配置されているコイルと、素体の実装面に配置されている端子電極と、コイルと端子電極とを接続している接続導体と、を備え、接続導体は、端子電極に接続されている第一部分と、コイルに接続されている第二部分と、第一部分と第二部分とを接続している第三部分と、を有し、第二部分には、複数の第二空孔が設けられており、第三部分には、複数の第三空孔が設けられており、第二部分における単位面積当たりの第二空孔の面積は、第三部分における単位面積当たりの第三空孔の面積よりも大きい。
【0009】
本発明の一側面に係るコイル部品では、第二部分における単位面積当たりの第二空孔の面積は、第三部分における単位面積当たりの第三空孔の面積よりも大きい。これにより、コイル部品では、第二部分とコイルとの接続部分に、第二空孔が多く存在している。そのため、コイル部品では、接続導体とコイルとの接続部分に応力が加わったとしても、応力を緩和することができる。したがって、コイル部品では、接続導体と他の導体(コイル)との断線を抑制できる。
【0010】
(3)上記(1)のコイル部品において、第一部分における端子電極との接触面に設けられている複数の第一空孔のうちの少なくとも一部の第一空孔において、当該第一空孔の少なくとも一部には、端子電極の一部が入り込んでいてもよい。この構成では、アンカー効果によって、端子電極と接続導体の第一部分との接合強度の向上を図ることができる。
【0011】
(4)上記(2)のコイル部品において、第二部分におけるコイルとの接触面に設けられている複数の第二空孔のうちの少なくとも一部の第二空孔において、当該第二空孔の少なくとも一部には、コイルの一部が入り込んでいてもよい。この構成では、アンカー効果によって、コイルと接続導体の第二部分との接合強度の向上を図ることができる。
【0012】
(5)上記(1)~(3)のいずれか一つのコイル部品において、端子電極は、めっき電極であってもよい。
【0013】
(6)上記(1)~(4)のいずれか一つのコイル部品において、コイルは、互いに電気的に接続されている複数のめっき導体を含んで構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一側面によれば、接続導体と他の導体との断線を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
【
図4】
図4(a)は、第一接続導体、第一端子電極及びコイルを示す概略図であり、
図4(b)は、第一接続導体、第一端子電極及びコイルを示す概略図である。
【
図5】
図5(a)は、第二部分とコイルとの接続部分を拡大して示す概略断面図であり、
図5(b)は、第三部分の概略断面図であり、
図5(c)は、第一部分と端子電極との接続部分を拡大して示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0017】
図1及び
図2を参照して、コイル部品を説明する。
図1は、一実施形態に係るコイル部品の斜視図である。
図2は、
図1に示すコイル部品の透過斜視図である。
図1及び
図2に示されるように、コイル部品1は、素体2と、端子電極3及び端子電極4と、コイル5と、第一接続導体6及び第二接続導体7と、を備えている。
図2では、説明の便宜上、素体2を破線で示している。
【0018】
素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体2は、外面として、一対の端面2a,2bと、一対の主面2c,2dと、一対の側面2e,2fと、を有している。端面2a,2bは、互いに対向している。主面2c,2dは、互いに対向している。側面2e,2fは、互いに対向している。以下では、主面2c,2dの対向方向を第一方向D1、端面2a,2bの対向方向を第二方向D2、及び、側面2e,2fの対向方向を第三方向D3とする。第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は互いに略直交している。
【0019】
端面2a,2bは、主面2c,2dを連結するように第一方向D1に延在している。端面2a,2bは、側面2e,2fを連結するように第三方向D3にも延在している。主面2c,2dは、端面2a,2bを連結するように第二方向D2に延在している。主面2c,2dは、側面2e,2fを連結するように第三方向D3にも延在している。側面2e,2fは、主面2c,2dを連結するように第一方向D1に延在している。側面2e,2fは、端面2a,2bを連結するように第二方向D2にも延在している。
【0020】
主面2dは、実装面であり、たとえばコイル部品1を図示しない他の電子機器(たとえば、回路基材、又は積層電子部品)に実装する際、他の電子機器と対向する面である。端面2a,2bは、実装面(すなわち主面2d)から連続する面である。
【0021】
素体2の第二方向D2における長さは、素体2の第一方向D1における長さ及び素体2の第三方向D3における長さよりも長い。素体2の第三方向D3における長さは、素体2の第一方向D1における長さよりも長い。すなわち、本実施形態では、端面2a,2b、主面2c,2d及び側面2e,2fは、長方形状を呈している。素体2の第一方向D1における長さは、素体2の第三方向D3における長さと同等であってもよいし、これらの長さよりも短くてもよい。
【0022】
なお、本実施形態で「同等」とは、等しいことに加えて、予め設定した範囲での微差又は製造誤差などを含んだ値を同等としてもよい。たとえば、複数の値が、当該複数の値の平均値の±5%の範囲内に含まれているのであれば、当該複数の値は同等であると規定する。
【0023】
素体2は、複数の素体層(絶縁体層)10a~10h(
図3参照)が第一方向D1において積層されてなる。つまり、素体2の積層方向は、第一方向D1である。具体的な積層構成については後述する。実際の素体2では、複数の素体層10a~10hは、その層間の境界が視認できない程度に一体化されている。素体層10a~10hは、たとえば磁性材料(Ni-Cu-Zn系フェライト材料、Ni-Cu-Zn-Mg系フェライト材料、又はNi-Cu系フェライト材料等)により構成されている。素体層10a~10hを構成する磁性材料には、Fe合金等が含まれていてもよい。素体層10a~10hは、非磁性材料(ガラスセラミック材料、誘電体材料等)から構成されていてもよい。
【0024】
端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、素体2に設けられている。端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、素体2の主面2dに配置されている。端子電極3と端子電極4とは、第二方向D2において互いに離間して素体2に設けられている。具体的には、端子電極3は、素体2の端面2a側に配置されている。端子電極4は、素体2の端面2b側に配置されている。
【0025】
端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、長方形状(矩形状)を呈している。端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、長手方向が第三方向D3に沿い、短手方向が第二方向D2に沿うように配置されている。端子電極3及び端子電極4は、主面2dよりも突出している。すなわち、本実施形態では、端子電極3及び端子電極4のそれぞれの表面は、主面2dと面一ではない。
【0026】
端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、たとえば、Cu、Ni、Sn、Auなどの導電性材料によって構成されている。本実施形態では、端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、めっき形成(電解めっき又は無電解めっき)により形成されためっき電極である。端子電極3及び端子電極4のそれぞれは、単層構造でも複数層構造でもよい。
【0027】
コイル5は、素体2内に配置されている。コイル5は、複数のコイル導体層12a~12e(
図3参照)によって構成されている。複数のコイル導体層12a~12eは、互いに電気的に接続されて、素体2内でコイル5を構成している。コイル5のコイル軸は、第一方向D1に沿って設けられている。コイル導体層12a~12eは、第一方向D1から見て、少なくとも一部が互いに重なるように配置されている。複数のコイル導体層12b~12eは、導電材料(たとえば、Ag又はPd)により構成されている。本実施形態では、複数のコイル導体層12a~12eは、めっき導体である。コイル導体層12a~12eは、端面2a,2b、主面2c,2d及び側面2e,2fから離間して配置されている。
【0028】
第一接続導体6は、素体2内に配置されている。第一接続導体6は、端子電極3とコイル5とを接続している。第一接続導体6は、スルーホール導体である。第一接続導体6は、第一方向D1に延在し、端子電極3とコイル5の一端とに接続されている。第一接続導体6は、複数の第一接続導体層14a(
図3参照)によって構成されている。本実施形態では、第一接続導体6は、延在方向(第一方向D1)に直交する断面(第二方向D2及び第三方向D3に沿った断面)が矩形形状を呈している。すなわち、第一接続導体6は、角柱状を呈している。
【0029】
第二接続導体7は、素体2内に配置されている。第二接続導体7は、端子電極4とコイル5とを接続している。第二接続導体7は、スルーホール導体である。第二接続導体7は、第一方向D1に延在し、端子電極4とコイル5の他端とに接続されている。第二接続導体7は、複数の第二接続導体層16a,16b,16c,16d,16e(
図3参照)によって構成されている。本実施形態では、第二接続導体7は、延在方向(第一方向D1)に直交する断面(第二方向D2及び第三方向D3に沿った断面)が矩形形状を呈している。すなわち、第二接続導体7は、角柱状を呈している。
【0030】
図3は、
図1に示すコイル部品の分解斜視図である。
図3に示されるように、コイル部品1は、複数の層La,Lb,Lc,Ld,Le,Lf,Lg,Lhを備えている。コイル部品1は、たとえば、主面2c側から順に、層La~Lhが積層されることにより構成されている。本実施形態に係るコイル部品1では、層Lc及び層Lgのそれぞれを複数備えている。
【0031】
層Laは、素体層10aにより構成されている。層Laは、素体2の主面2cを構成している。
【0032】
層Lbは、素体層10bと、コイル導体層12aと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10bには、コイル導体層12aに対応する形状を有し、コイル導体層12aが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10bと、コイル導体層12aとは、互いに相補的な関係を有している。
【0033】
層Lcは、素体層10cと、コイル導体層12bと、第二接続導体層16aと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10cには、コイル導体層12b及び第二接続導体層16aに対応する形状を有し、コイル導体層12b及び第二接続導体層16aが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10cと、コイル導体層12b及び第二接続導体層16aの全体とは、互いに相補的な関係を有している。
【0034】
層Ldは、素体層10dと、コイル導体層12cと、第二接続導体層16bと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10dには、コイル導体層12c及び第二接続導体層16bに対応する形状を有し、コイル導体層12c及び第二接続導体層16bが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10dと、コイル導体層12c及び第二接続導体層16bの全体とは、互いに相補的な関係を有している。
【0035】
層Leは、素体層10eと、コイル導体層12dと、第二接続導体層16cと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10eには、コイル導体層12d及び第二接続導体層16cに対応する形状を有し、コイル導体層12d及び第二接続導体層16cが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10eと、コイル導体層12d及び第二接続導体層16cの全体とは、互いに相補的な関係を有している。
【0036】
層Lfは、素体層10fと、コイル導体層12eと、第二接続導体層16dと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10fには、コイル導体層12e及び第二接続導体層16dに対応する形状を有し、コイル導体層12e及び第二接続導体層16dが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10fと、コイル導体層12e及び第二接続導体層16dの全体とは、互いに相補的な関係を有している。
【0037】
層Lgは、素体層10gと、第一接続導体層14aと、第二接続導体層16eと、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10gには、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16eに対応する形状を有し、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16eが嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10gと、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16eの全体とは、互いに相補的な関係を有している。
【0038】
層Lhは、素体層10hと、端子電極3と、端子電極4と、が互いに組み合わされることにより構成されている。素体層10hには、端子電極3及び端子電極4に対応する形状を有し、端子電極3及び端子電極4が嵌め込まれる欠損部(図示省略)が設けられている。素体層10hと、端子電極3及び端子電極4の全体とは、互いに相補的な関係を有している。層Lhは、素体2の主面2dを構成している。
【0039】
図4(a)に示されるように、第一接続導体6は、第一部分6Aと、第二部分6Bと、第三部分6Cと、を有している。第一部分6A、第二部分6B及び第三部分6Cは、一体に形成されている。第一部分6Aは、端子電極3に接続されている。具体的には、第一部分6Aの主面2d側の端部が、端子電極3に接続されている。第二部分6Bは、コイル5(コイル導体層12e)に接続されている。具体的には、第二部分6Bの主面2c側の端部が、コイル5に接続されている。第三部分6Cは、第一部分6Aと第二部分6Bとを接続(連結)している。
【0040】
図4(a)では、第一部分6Aと第三部分6C、第二部分6Bと第三部分6Cとを区別するために破線を示しているが、各部分の境界は
図4(a)に示す部分に限定されない。第一部分6Aは、少なくとも端子電極3に接続されている部分を含んでいればよい。第二部分6Bは、少なくともコイル5に接続されている部分を含んでいればよい。
【0041】
図4(b)に示されるように、第二接続導体7は、第一部分7Aと、第二部分7Bと、第三部分7Cと、を有している。第一部分7A、第二部分7B及び第三部分7Cは、一体に形成されている。第一部分7Aは、端子電極4に接続されている。具体的には、第一部分7Aの主面2d側の端部が、端子電極4に接続されている。第二部分7Bは、コイル5(コイル導体層12a)に接続されている。具体的には、第二部分7Bの主面2c側の端部が、コイル5に接続されている。第三部分7Cは、第一部分7Aと第二部分7Bとを接続している。
図4(b)では、第一部分6Aと第三部分6C、第二部分6Bと第三部分6Cとを区別するために破線を示しているが、各部分の境界は
図4(b)に示す部分に限定されない。
【0042】
図5(a)は、第二部分6B,7Bとコイル5との接続部分を拡大して示す概略断面図であり、
図5(b)は、第三部分6C,7Cの概略断面図であり、
図5(c)は、第一部分6A,7Aと端子電極3,4との接続部分を拡大して示す概略断面図である。
【0043】
第一接続導体6の第一部分6Aには、複数の第一ポア(第一空孔)P1が設けられている。第二部分6Bには、複数の第二ポア(第二空孔)P2が設けられている。第三部分6Cには、複数の第三ポア(第三空孔)P3が設けられている。第一接続導体6は、多孔質状に形成されている。第一ポアP1、第二ポアP2及び第三ポアP3は、個々に独立して設けられていてもよいし、複数が連続して(繋がって)設けられていてもよい。第一ポアP1、第二ポアP2及び第三ポアP3の形状は、特に限定されない。
【0044】
第一接続導体6の第一部分6Aにおける単位面積当たりの第一ポアP1の面積は、第三部分6Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3の面積よりも大きい。すなわち、第一部分6Aは、第三部分6Cよりも多くのポアを含んでいる。第一部分6Aにおける単位体積あたりの第一ポアP1の体積は、第三部分6Cの単位体積あたりの第三ポアP3の体積よりも大きいとも言える。第一部分6Aにおける第一ポアP1の体積密度は、第三部分6Cにおける第三ポアP3の体積密度よりも高い。体積密度とは、単位体積当たりのポアが占める体積を意味する。第一部分6Aは、第三部分6Cよりもポアを多く含んでいる。これにより、第一部分6Aは、第三部分6Cよりも単位体積当たりの密度が疎である。そのため、第一部分6Aの単位体積当たりの密度は、第三部分6Cの単位体積当たりの密度よりも低いと言える。
【0045】
図5(c)に示されるように、第一部分6Aにおける端子電極3との接触面6Dには、複数の第一ポアP1が設けられている。接触面6Dにおいて、第一ポアP1は、凹部を形成している。接触面6Dに設けられている複数の第一ポアP1のうちの少なくとも一部の第一ポアP1において、第一ポアP1の少なくとも一部には、端子電極3の一部が入り込んでいる。
図5(c)に示す例では、接触面6Dに設けられている全ての第一ポアP1に、端子電極3が入り込んでいる。
【0046】
第一接続導体6の第二部分6Bにおける単位面積当たりの第二ポアP2の面積は、第三部分6Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3の面積よりも大きい。すなわち、第二部分6Bは、第三部分6Cよりも多くのポアを含んでいる。第二部分6Bにおける単位体積あたりの第二ポアP2の体積は、第三部分6Cの単位体積あたりの第三ポアP3の体積よりも大きいとも言える。第二部分6Bにおける第二ポアP2の体積密度は、第三部分6Cにおける第三ポアP3の体積密度よりも高い。第二部分6Bは、第三部分6Cよりもポアを多く含んでいる。これにより、第二部分6Bは、第三部分6Cよりも単位体積当たりの密度が疎である。そのため、第二部分6Bの単位体積当たりの密度は、第三部分6Cの単位体積当たりの密度よりも低いと言える。
【0047】
図5(a)に示されるように、第二部分6Bにおけるコイル5(コイル導体層12e)との接触面6Eには、複数の第二ポアP2が設けられている。接触面6Eにおいて、第二ポアP2は、凹部を形成している。接触面6Eに設けられている複数の第二ポアP2のうちの少なくとも一部の第二ポアP2において、第二ポアP2の少なくとも一部には、コイル5の一部が入り込んでいる。
図5(a)に示す例では、接触面6Eに設けられている全ての第二ポアP2に、コイル5が入り込んでいる。
【0048】
第二接続導体7の第一部分7Aには、第一ポア(第一空孔)P11が設けられている。第二部分7Bには、第二ポア(第二空孔)P22が設けられている。第三部分7Cには、第三ポア(第三空孔)P33が設けられている。第二接続導体7は、多孔質状に形成されている。第一ポアP11、第二ポアP22及び第三ポアP33は、個々に独立して設けられていてもよいし、複数が連続して(繋がって)設けられていてもよい。第一ポアP11、第二ポアP22及び第三ポアP33の形状は、特に限定されない。
【0049】
第二接続導体7の第一部分7Aにおける単位面積当たりの第一ポアP11の面積は、第三部分7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP33の面積よりも大きい。すなわち、第一部分7Aは、第三部分7Cよりも多くのポアを含んでいる。第一部分7Aにおける単位体積あたりの第一ポアP11の体積は、第三部分7Cの単位体積あたりの第三ポアP33の体積よりも大きいとも言える。第一部分7Aにおける第一ポアP11の体積密度は、第三部分7Cにおける第三ポアP33の体積密度よりも高い。第一部分7Aは、第三部分7Cよりもポアを多く含んでいる。これにより、第一部分7Aは、第三部分7Cよりも単位体積当たりの密度が疎である。そのため、第一部分7Aの単位体積当たりの密度は、第三部分7Cの単位体積当たりの密度よりも低いと言える。
【0050】
図5(c)に示されるように、第一部分7Aにおける端子電極4との接触面7Dには、複数の第一ポアP11が設けられている。接触面7Dにおいて、第一ポアP11は、凹部を形成している。接触面7Dに設けられている複数の第一ポアP11のうちの少なくとも一部の第一ポアP11において、第一ポアP11の少なくとも一部には、端子電極4の一部が入り込んでいる。
図5(c)に示す例では、接触面7Dに設けられている全ての第一ポアP11に、端子電極4が入り込んでいる。
【0051】
第二接続導体7の第二部分7Bにおける単位面積当たりの第二ポアP22の面積は、第三部分7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP33の面積よりも大きい。すなわち、第二部分7Bは、第三部分7Cよりも多くのポアを含んでいる。第二部分7Bにおける単位体積あたりの第二ポアP22の体積は、第三部分7Cの単位体積あたりの第三ポアP33の体積よりも大きいとも言える。第二部分7Bにおける第二ポアP22の体積密度は、第三部分7Cにおける第三ポアP33の体積密度よりも高い。第二部分7Bは、第三部分7Cよりもポアを多く含んでいる。これにより、第二部分7Bは、第三部分7Cよりも単位体積当たりの密度が疎である。そのため、第二部分7Bの単位体積当たりの密度は、第三部分7Cの単位体積当たりの密度よりも低いと言える。
【0052】
図5(a)に示されるように、第二部分7Bにおけるコイル5(コイル導体層12a)との接触面7Eには、複数の第二ポアP22が設けられている。接触面7Eにおいて、第二ポアP22は、凹部を形成している。接触面7Eに設けられている複数の第二ポアP22のうちの少なくとも一部の第二ポアP22において、第二ポアP22の少なくとも一部には、コイル5の一部が入り込んでいる。
図5(a)に示す例では、接触面7Eに設けられている全ての第二ポアP22に、コイル5が入り込んでいる。
【0053】
実施形態に係るコイル部品1の製造方法の一例を説明する。
【0054】
金属磁性粒子、絶縁性樹脂及び溶剤などを混合して、スラリーを用意する。用意したスラリーを、ドクターブレード法によって基材(たとえば、PETフィルムなど)上に塗布して、素体層10a~10gとなるグリーンシートを形成する。次に、グリーンシートにおけるコイル導体層12a~12e、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eの形成予定位置に、レーザー加工によって貫通部を形成する。
【0055】
続いて、グリーンシートにおける第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eの形成予定の貫通部内に、導電性ペーストを充填する。導電性ペーストは、導電性金属粉末及びバインダ樹脂などを混合して作製される。第一接続導体6の第一部分6A及び第二部分6Bを構成する第一接続導体層14aの導体性ペーストは、第三部分6Cを構成する第一接続導体層14aの導体性ペーストよりもバインダ樹脂を多く含有している。第二接続導体7の第一部分7A及び第二部分7Bを構成する第二接続導体層16a~16eの導体性ペーストは、第三部分7Cを構成する第二接続導体層16a~16eの導体性ペーストよりもバインダ樹脂を多く含有している。そして、グリーンシートのコイル導体層12a~12e形成予定の貫通部に、コイル導体層12a~12eとなるめっき導体を設ける。
【0056】
続いて、グリーンシートを積層する。ここでは、めっき導体が設けられた複数のグリーンシートを基材から剥がして積層し、積層方向に加圧して積層体を形成する。このとき、コイル導体層12a~12e、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eとなる各めっき導体が積層方向に重なるように、各グリーンシートを積層する。グリーンシートを積層するときに加える圧力を調整することによって、めっき導体(コイル導体層12eと第一接続導体層14a、コイル導体層12aと第二接続導体層16a)の食い込み量を調整することができる。
【0057】
続いて、グリーンシートの積層体を切断機で所定の大きさのチップに切断しグリーンチップを得る。続いて、グリーンチップから、各部に含まれるバインダ樹脂を除去した後、このグリーンチップを焼成する。焼成により、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eの導体性ペーストに含まれるバインダ樹脂が除去(分解)される。これにより、各部にポアが形成される。以上により、素体2が得られる。
【0058】
第一接続導体6の第一部分6A及び第二部分6Bを構成する第一接続導体層14aの導体性ペーストは、第三部分6Cを構成する第一接続導体層14aの導体性ペーストよりもバインダ樹脂を多く含有しているため、第一接続導体6の第三部分6Cよりも第一部分6A及び第二部分6Bの方に多くポアが形成される。第二接続導体7の第一部分7A及び第二部分7Bを構成する第二接続導体層16a~16eの導体性ペーストは、第三部分7Cを構成する第二接続導体層16a~16eの導体性ペーストよりもバインダ樹脂を多く含有しているため、第二接続導体7の第三部分7Cよりも第一部分7A及び第二部分7Bの方に多くポアが形成される。
【0059】
最後に、めっきによって形成された導体を積層体に押し付けて接着させ、端子電極3及び端子電極4を形成する。このとき、めっき導体を押し付ける圧力を調整することによって、端子電極3及び端子電極4の第一接続導体6(第一接続導体層14a)及び第二接続導体7(第二接続導体層16e)に対する食い込み量調整することができる。以上の工程により、コイル部品1が得られる。
【0060】
以上説明したように、本実施形態に係るコイル部品1では、第一部分6A,7Aにおける単位面積当たりの第一ポアP1,P11の面積は、第三部分6C,7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3,P33の面積よりも大きい。これにより、コイル部品1では、第一部分6A,7Aと端子電極3,4との接続部分に、第一ポアP1,P11が多く存在している。そのため、コイル部品1では、第一接続導体6と端子電極3、及び、第二接続導体7と端子電極4との接続部分に応力が加わったとしても、応力を緩和することができる。したがって、コイル部品1では、第一接続導体6と端子電極3、及び、第二接続導体7と端子電極4との断線を抑制できる。
【0061】
本実施形態に係るコイル部品1では、第二部分6B,7Bにおける単位面積当たりの第二ポアP2,P22の面積は、第三部分6C,7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3,P33の面積よりも大きい。これにより、コイル部品1では、第二部分6B,7Bとコイル5との接続部分に、第二ポアP2,P22が多く存在している。そのため、コイル部品1では、第一接続導体6とコイル5、及び、第二接続導体7とコイル5との接続部分に応力が加わったとしても、応力を緩和することができる。したがって、コイル部品1では、第一接続導体6とコイル5、及び、第二接続導体7とコイル5との断線を抑制できる。
【0062】
本実施形態に係るコイル部品1では、第一部分6A,7Aにおける端子電極3,4との接触面6D,7Dに設けられている複数の第一ポアP1,P11のうちの少なくとも一部の第一ポアP1,P11において、第一ポアP1,P11の少なくとも一部には、端子電極3,4の一部が入り込んでいる。この構成では、アンカー効果によって、端子電極3と第一接続導体6の第一部分6A、及び、端子電極4と第二接続導体7の第一部分7Aとの接合強度の向上を図ることができる。
【0063】
本実施形態に係るコイル部品1では、第二部分6B,7Bにおけるコイル5との接触面6E,7Eに設けられている複数の第二ポアP2,P22のうちの少なくとも一部の第二ポアP2,P22において、第二ポアP2,P22の少なくとも一部には、コイル5の一部が入り込んでいる。この構成では、アンカー効果によって、コイル5と第一接続導体6の第二部分6B、及び、コイル5と第二接続導体7の第二部分7Bとの接合強度の向上を図ることができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0065】
上記実施形態では、第一接続導体6の第一部分6Aにおける単位面積当たりの第一ポアP1の面積、及び、第一接続導体6の第二部分6Bにおける単位面積当たりの第二ポアP2の面積が、第三部分6Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3の面積よりも大きい形態を一例に説明した。しかし、第一接続導体6の第一部分6Aにおける単位面積当たりの第一ポアP1の面積、及び、第一接続導体6の第二部分6Bにおける単位面積当たりの第二ポアP2の面積の少なくとも一方が、第三部分6Cにおける単位面積当たりの第三ポアP3の面積よりも大きければよい。
【0066】
同様に、第二接続導体7の第一部分7Aにおける単位面積当たりの第一ポアP11の面積、及び、第二接続導体7の第二部分7Bにおける単位面積当たりの第二ポアP22の面積が、第三部分7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP33の面積よりも大きい形態を一例に説明した。しかし、第二接続導体7の第一部分7Aにおける単位面積当たりの第一ポアP11の面積、及び、第二接続導体7の第二部分7Bにおける単位面積当たりの第二ポアP22の面積の少なくとも一方が、第三部分7Cにおける単位面積当たりの第三ポアP33の面積よりも大きければよい。
【0067】
上記実施形態では、接触面6D,7Dに設けられている全ての第一ポアP1,P11に、端子電極3,4が入り込んでいる形態を一例に説明した。しかし、接触面6D,7Dに設けられている一部の第一ポアP1,P11に、端子電極3,4が入り込んでいてもよい。また、接触面6E,7Eに設けられている全ての第二ポアP2,P22に、コイル5が入り込んでいる形態と一例に説明した。しかし、接触面6E,7Eに設けられている一部の第二ポアP2,P22に、コイル5が入り込んでいてもよい。
【0068】
上記実施形態では、端子電極3,4がめっき電極である形態を一例に説明した。しかし、端子電極3,4は、焼結金属電極であってもよい。この構成では、端子電極3,4の表面に一又は複数のめっき層が形成されていてもよい。
【0069】
上記実施形態では、複数のコイル導体層12b~12e、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eがめっき導体である形態を一例に説明した。しかし、複数のコイル導体層12b~12e、第一接続導体層14a及び第二接続導体層16a~16eは、焼結金属導体であってもよい。
【0070】
上記実施形態において、素体2は、複数の金属磁性粒子を含んでいてもよい。この構成では、金属磁性粒子は、軟磁性合金(軟磁性材料)から構成される。軟磁性合金は、たとえば、Fe-Si系合金である。軟磁性合金がFe-Si系合金である場合、軟磁性合金は、Pを含んでいてもよい。軟磁性合金は、たとえば、Fe-Ni-Si-M系合金であってもよい。「M」はCo、Cr、Mn、P、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Mo、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、B、Al、及び希土類元素から選択される一種以上の元素を含む。
【0071】
上記実施形態では、コイル5が複数のコイル導体層12b~12eを含んで構成されている形態を一例に説明した。しかし、コイルを構成するコイル導体層の数及び形状は限定されない。
【符号の説明】
【0072】
1…コイル部品、2…素体、3,4…端子電極、5…コイル(コイル導体層12e)、5…コイル(コイル導体層12a)、6A,7A…第一部分、6B,7B…第二部分、6C,7C…第三部分、6D,6E,7D,7E…接触面、P1,P11…第一ポア(第一空孔)、P2,P22…第二ポア(第二空孔)、P3,P33…第三ポア(第三空孔)。