(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142701
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電動シリンダ装置及びブレーキ液圧制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 13/138 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
B60T13/138 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054970
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 勇人
(72)【発明者】
【氏名】貝島 正敏
(72)【発明者】
【氏名】小野田 真吾
【テーマコード(参考)】
3D048
【Fターム(参考)】
3D048BB48
3D048BB51
3D048CC54
3D048DD01
3D048HH15
3D048HH18
3D048HH50
3D048NN09
3D048QQ07
(57)【要約】
【課題】一例として、圧力差による液体の漏出を低コストで抑制可能な電動シリンダ装置を得る。
【解決手段】実施形態に係る電動シリンダ装置は、一例として、シリンダと、外部に連通する開放室と、が設けられたハウジングと、移動可能に前記シリンダに配置され、前記シリンダを液室と中間室とに区画する、ピストンと、前記開放室と前記中間室との間に配置され、回転軸まわりに回転する、回転部材と、前記回転部材の回転に応じて前記回転軸に沿う軸方向に移動することで前記ピストンを押す直動部材と、を備え、前記回転部材に、前記軸方向に延びるとともに部品が嵌め込まれる第1の孔と、前記軸方向に延びるとともに前記開放室と前記中間室とを連通する第2の孔と、が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、外部に連通する開放室と、が設けられたハウジングと、
移動可能に前記シリンダに配置され、前記シリンダを液室と中間室とに区画する、ピストンと、
前記開放室と前記中間室との間に配置され、回転軸まわりに回転する、回転部材と、
前記回転部材の回転に応じて前記回転軸に沿う軸方向に移動することで前記ピストンを押す直動部材と、
を具備し、
前記回転部材に、前記軸方向に延びるとともに部品が嵌め込まれる第1の孔と、前記軸方向に延びるとともに前記開放室と前記中間室とを連通する第2の孔と、が設けられた、
電動シリンダ装置。
【請求項2】
前記第1の孔は、前記回転軸まわりに間隔を介して配置された複数の孔を有し、
前記第2の孔は、前記回転軸まわりの周方向において前記複数の孔のうち隣り合う二つの間に位置する、
請求項1の電動シリンダ装置。
【請求項3】
前記複数の孔の中心と前記第2の孔の中心とは、前記回転軸まわりに延びる仮想的な円周上に配置される、
請求項2の電動シリンダ装置。
【請求項4】
前記複数の孔と前記第2の孔とは、同一の直径を有する、
請求項2又は請求項3の電動シリンダ装置。
【請求項5】
出力軸を有し、当該出力軸を回転させる、モータと、
前記第1の孔に嵌め込まれる支持軸と、前記出力軸に取り付けられる第1のギヤと、前記支持軸に支持される第2のギヤと、を有し、前記回転部材と前記出力軸との間で回転を伝達する、減速機構と、
をさらに具備する請求項1乃至請求項3のいずれか一つの電動シリンダ装置。
【請求項6】
ホイールシリンダと、
前記液室の容積が縮小されることで前記ホイールシリンダの圧力を増大させることが可能である、請求項1乃至請求項3のいずれか一つの電動シリンダ装置と、
を具備するブレーキ液圧制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動シリンダ装置及びブレーキ液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータの出力軸の回転運動を直進運動に変換する回転直動変換機構と、当該回転直動変換機構によって前進させられるピストンと、を備える電動シリンダ装置が知られている。回転直動変換機構より前進させられるピストンは、液室の容積を縮小し、当該液室の圧力を増大させる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2020/0361434号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の構成では、例えば温度に起因する圧力差により、液体が漏出してしまう虞がある。圧力差を抑制するために通気口を設ける場合、加工コストが発生してしまう。
【0005】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、圧力差による液体の漏出を低コストで抑制可能な電動シリンダ装置及びブレーキ液圧制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態に係る電動シリンダ装置は、一例として、シリンダと、外部に連通する開放室と、が設けられたハウジングと、移動可能に前記シリンダに配置され、前記シリンダを液室と中間室とに区画する、ピストンと、前記開放室と前記中間室との間に配置され、回転軸まわりに回転する、回転部材と、前記回転部材の回転に応じて前記回転軸に沿う軸方向に移動することで前記ピストンを押す直動部材と、を備え、前記回転部材に、前記軸方向に延びるとともに部品が嵌め込まれる第1の孔と、前記軸方向に延びるとともに前記開放室と前記中間室とを連通する第2の孔と、が設けられる。よって、一例としては、中間室は、第2の孔及び開放室を通じてハウジングの外部に連通するため、ほぼ大気圧に保たれる。従って、電動シリンダ装置は、例えば温度に起因する圧力差により中間室へ液体が漏出してしまうことを抑制できる。当該電動シリンダ装置において第1の孔と第2の孔とが略平行となっているため、回転部材は、第1の孔と第2の孔とを同一工程で容易に形成することができ、圧力差による液体の漏出を低コストで抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係るブレーキシステムに搭載された電動シリンダ装置を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の回転部材を示す正面図である。
【
図3】
図3は、第2の実施形態に係るブレーキシステムに搭載された電動シリンダ装置を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1及び
図2を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0009】
図1は、第1の実施形態に係るブレーキシステム10に搭載された電動シリンダ装置11を概略的に示す断面図である。ブレーキシステム10は、四輪自動車のような車両1に搭載される。なお、ブレーキシステム10は、この例に限られない。ブレーキシステム10は、ブレーキ液圧制御装置の一例である。
【0010】
ブレーキシステム10は、電動シリンダ装置11と、ホイールシリンダ12と、electronic control unit(ECU)13と、複数の液路14とを有する。ブレーキシステム10は、マスタシリンダ、ポンプ、及び電磁弁のような他の種々の部品をさらに有して良い。
【0011】
電動シリンダ装置11は、液路14を介してホイールシリンダ12に接続される。電動シリンダ装置11は、ホイールシリンダ12におけるブレーキ液の圧力を増大させ、車両1の制動力を発生させることができる。電動シリンダ装置11は、ハウジング21と、ピストン22と、二つのシール23,24と、リザーバ25と、回転直動変換機構26と、モータ27と、減速機構28とを有する。
【0012】
ハウジング21は、略円筒状に形成される。ハウジング21は、複数の部材により形成されて良い。ハウジング21の内部に、シリンダ31とギヤ室32とが設けられる。ギヤ室32は、開放室の一例である。
【0013】
シリンダ31は、中心軸Axに沿って延びる略円柱状の空間である。中心軸Axは、回転軸の一例である。中心軸Axは、例えば、シリンダ31の仮想的な中心軸である。なお、シリンダ31の中心軸は、中心軸Axと僅かに異なっていても良い。
【0014】
本明細書において、便宜上、軸方向、径方向、及び周方向が定義される。軸方向は、中心軸Axに沿う方向である。軸方向は、前方向Dfと、後方向Dbとを含む。前方向Dfは、中心軸Axに沿う一方向である。後方向Dbは、前方向Dfの反対方向である。なお、前方向Df及び後方向Dbは、車両1の前後方向とは異なって良い。径方向は、中心軸Axと直交する方向である。周方向は、中心軸Axまわりの方向である。
【0015】
ギヤ室32は、シリンダ31に隣接した空間である。ギヤ室32は、例えば、後方向Dbにおけるシリンダ31の端部に連通する。なお、ギヤ室32の位置は、この例に限られない。
【0016】
ギヤ室32は、例えば孔又は隙間を通じて、ハウジング21の外部に連通している。このため、ギヤ室32の圧力は、ほぼ大気圧に保たれる。なお、ギヤ室32の圧力は、一時的に大気圧と異なっても良い。
【0017】
ハウジング21に、出力ポート33と入力ポート34とがさらに設けられる。出力ポート33及び入力ポート34のそれぞれは、シリンダ31に連通する。軸方向において、出力ポート33は、入力ポート34から前方向Dfに離間している。
【0018】
ピストン22は、シリンダ31の内部に配置される。ピストン22は、シリンダ31の内部において軸方向に移動することができる。ピストン22は、シリンダ31を、液室35と中間室36とに区画する。液室35は、軸方向において、ピストン22と、前方向Dfにおけるシリンダ31の端部31aと、の間に設けられる。
【0019】
出力ポート33は、液室35に連通する。液室35は、出力ポート33及び液路14を通じて、ホイールシリンダ12に接続される。ピストン22は、前方向Dfに移動することで、液室35の容積を縮小させ、液室35及びホイールシリンダ12におけるブレーキ液の圧力を増大させることができる。また、ピストン22は、後方向Dbに移動することで、液室35の容積を拡大させ、液室35及びホイールシリンダ12におけるブレーキ液の圧力を減少させることができる。
【0020】
径方向において、ハウジング21とピストン22との間に隙間が設けられる。当該隙間は、ピストン22をハウジング21に対して軸方向に移動可能にする。二つのシール23,24は、当該隙間を封止する。
【0021】
シール23は、シール24から前方向Dfに離間している。軸方向において、出力ポート33は、シール23から前方向Dfに離間した位置で液室35に連通している。軸方向において、入力ポート34は、二つのシール23,24の間でシリンダ31に連通している。シール23は、液室35と入力ポート34との間を封止する。
【0022】
リザーバ25は、液路14を通じて、入力ポート34に接続される。リザーバ25は、ブレーキ液を貯蔵するとともに、大気に開放されてほぼ大気圧に保たれる。ピストン22が所定の位置を越えて後方向Dbに移動すると、入力ポート34と液室35とが互いに連通する。これにより、液室35とリザーバ25との間でブレーキ液が自由に流れることが可能になるとともに、液室35の圧力がほぼ大気圧まで低下する。
【0023】
一方、シール24は、中間室36と入力ポート34との間を封止する。このため、シール24は、入力ポート34のブレーキ液が中間室36に浸入することを抑制する。中間室36には、基本的に空気が満たされている。なお、中間室36には、僅かなブレーキ液や潤滑油が存在しても良い。
【0024】
ピストン22の一部は、シール23を越えて液室35の内部へ突出している。ピストン22の他の一部は、シール24を越えて、液室35の反対側である中間室36の内部へ突出している。なお、ピストン22は、この例に限られない。
【0025】
回転直動変換機構26は、シリンダ31の内部に配置される。回転直動変換機構26は、回転部材41と、ベアリング42と、直動部材43と、複数のボール44とを有する。本実施形態における回転直動変換機構26は、例えば、ボールネジである。なお、回転直動変換機構26は、この例に限られない。
【0026】
回転部材41は、フランジ51とネジ軸52とを有する。ネジ軸52は、部品の一例である。フランジ51とネジ軸52とは、互いに異なる部品である。なお、回転部材41は、この例に限られない。例えば、フランジ51とネジ軸52とが一体に形成されても良い。
【0027】
フランジ51は、中心軸Axと略直交する円盤状に形成される。フランジ51は、前面51aと、後面51bと、外周面51cとを有する。前面51aは、略平坦に形成され、前方向Dfに向く。後面51bは、前面51aの反対側に位置する。後面51bは、略平坦に形成され、後方向Dbに向く。外周面51cは、中心軸Axに沿って延びる略円筒状の曲面であり、径方向の外側に向く。
【0028】
図2は、第1の実施形態の回転部材41を示す正面図である。
図1のF2-F2線は、
図2の回転部材41を見る方向を示す。
図2に示すように、フランジ51に、結合孔55と、複数の挿通孔56と、通気口57とが設けられる。結合孔55及び複数の挿通孔56は、第1の孔の一例である。複数の挿通孔56は、複数の孔の一例でもある。通気口57は、第2の孔の一例である。
【0029】
結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57のそれぞれは、軸方向に延びてフランジ51を貫通する。このため、結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57のそれぞれは、前面51a及び後面51bに開口する。別の表現によれば、結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57は、略平行に延びている。なお、結合孔55及び複数の挿通孔56のうち一方は、前面51aにのみ開口しても良い。
【0030】
結合孔55は、中心軸Axに沿って設けられる。すなわち、結合孔55の中心軸は、中心軸Axに略一致する。結合孔55に、例えば、セレーション又はスプラインが設けられる。なお、結合孔55は、この例に限られない。
【0031】
複数の挿通孔56及び通気口57は、中心軸Axから径方向に離間した位置に設けられる。複数の挿通孔56及び通気口57は、周方向に間隔を介して配置される。このため、通気口57は、周方向において、複数の挿通孔56のうち隣り合う二つの間に位置する。
【0032】
本実施形態において、フランジ51に、三つの挿通孔56と一つの通気口57とが設けられる。なお、挿通孔56及び通気口57の数は、この例に限られない。例えば、フランジ51に複数の通気口57が設けられ、通気口57の数が挿通孔56の数と同一、又はより多くても良い。
【0033】
複数の挿通孔56と通気口57とは、同一の直径を有する。なお、複数の挿通孔56と通気口57とのうち少なくとも一方がネジ穴である場合、複数の挿通孔56と通気口57とは、同一の内径を有する。複数の挿通孔56と通気口57とは、互いに異なる形状であっても良い。
【0034】
複数の挿通孔56の中心C1と通気口57の中心C2とは、中心軸Axまわりに延びる仮想的な円周CL上に配置される。言い換えると、複数の挿通孔56のそれぞれの中心C1と中心軸Axとの間の距離は、通気口57の中心C2と中心軸Axとの間の距離に等しい。なお、複数の挿通孔56の中心C1及び通気口57の中心C2の位置は、この例に限られない。
【0035】
図1に示すように、フランジ51は、ギヤ室32と中間室36との間に配置される。本実施形態では、フランジ51が、ハウジング21の内部の空間をギヤ室32と中間室36とに区画する。前面51aは、中間室36に面する。後面51bは、ギヤ室32に面する。通気口57は、ギヤ室32と中間室36とを連通する。
【0036】
フランジ51は、ベアリング42を介して、ハウジング21に取り付けられる。ベアリング42は、例えばボールベアリングであり、内輪42aと、外輪42bと、複数のボール42cとを有する。なお、ベアリング42は、この例に限られない。
【0037】
内輪42aは、フランジ51の外周面51cに取り付けられる。外輪42bは、ハウジング21に取り付けられる。複数のボール42cは、内輪42aと外輪42bとの間に介在する。複数のボール42cは、内輪42aと外輪42bとが中心軸Axまわりに相対的に回転するとき、内輪42aと外輪42bとの間において転動する。すなわち、ベアリング42は、フランジ51を中心軸Axまわりに回転可能に支持する。
【0038】
図2に示すように、ベアリング42に、複数の隙間42dが設けられても良い。隙間42dは、径方向において、内輪42aと外輪42bとの間に設けられる。また、隙間42dは、周方向において、隣り合う二つのボール42cの間に設けられる。
【0039】
図1に示すように、ハウジング21は、当該隙間42dを塞ぐ。なお、フランジ51が隙間42dを塞いでも良い。また、隙間42dは、塞がれずにギヤ室32と中間室36とを連通させても良い。複数の隙間42dのそれぞれの断面積は、通気口57の断面積よりも小さい。
【0040】
ネジ軸52は、結合ピン52aと、シャフト52bと、雄ネジ52cとを有する。結合ピン52aとシャフト52bとは、中心軸Axに沿って延びる円柱状に形成される。結合ピン52aは、フランジ51の結合孔55に嵌め込まれる。結合ピン52aは、例えば、セレーション又はスプラインが設けられ、結合孔55に圧入される。これにより、ネジ軸52は、フランジ51に固定され、フランジ51と一体に中心軸Axまわりに回転することができる。
【0041】
シャフト52bは、結合ピン52aから前方向Dfに延びている。このため、シャフト52bは、フランジ51の前面51aから突出し、中間室36に位置する。雄ネジ52cは、シャフト52bに設けられる。
【0042】
直動部材43は、中間室36に位置し、中心軸Axに沿って延びる略円筒状に形成される。ネジ軸52のシャフト52bは、ナット状の直動部材43の内側に配置される。直動部材43は、内周面43aと支持面43bとを有する。
【0043】
内周面43aは、中心軸Axに沿って延びる略円筒状の曲面であり、径方向の内側に向く。内周面43aは、隙間を介してネジ軸52のシャフト52bに向く。支持面43bは、例えば、前方向Dfにおける直動部材43の端面である。なお、支持面43bは、この例に限られない。支持面43bは、ピストン22を支持する。
【0044】
直動部材43の内周面43aに、保持部61が設けられる。保持部61は、例えば、複数のボール44が嵌合可能な雌ネジ、又は複数のボール44を保持可能な略半球状の複数の窪みである。
【0045】
直動部材43は、ストッパ62をさらに有する。ストッパ62は、例えば、ハウジング21に設けられた溝、レール、又はガイドに嵌め込まれ、直動部材43が中心軸Axまわりに回転することを制限する。一方、ストッパ62は、直動部材43が軸方向に移動することを許容する。
【0046】
複数のボール44は、直動部材43の保持部61に転動可能に保持されるとともに、回転部材41の雄ネジ52cに嵌る。このため、直動部材43は、複数のボール44を介して回転部材41に取り付けられる。
【0047】
モータ27は、ハウジング21の外部に配置される。例えば、モータ27は、ギヤ室32を覆うように、ハウジング21に取り付けられる。ギヤ室32は、モータ27によって密閉されず、ハウジング21の外部に連通している。
【0048】
モータ27は、例えば、ブラシレスモータである。なお、モータ27は、他の種類のモータであっても良い。モータ27は、出力軸71を有し、例えばECU13に制御されることで出力軸71を回転させる。出力軸71は、中心軸Axに沿って延び、中心軸Axまわりに回転する。
【0049】
減速機構28は、ギヤ室32に配置される。本実施形態の減速機構28は、例えば、遊星歯車機構である。なお、減速機構28は、この例に限られない。減速機構28は、複数の支持軸81と、太陽歯車82と、複数の遊星歯車83と、内歯車84とを有する。支持軸81は、部品の一例である。太陽歯車82は、第1のギヤの一例である。遊星歯車83は、第2のギヤの一例である。
【0050】
複数の支持軸81のそれぞれは、複数の挿通孔56のうち対応する一つに嵌め込まれる。このため、複数の支持軸81は、中心軸Axから径方向に離間し、周方向に間隔を介して配置される。
【0051】
支持軸81は、挿通孔56に圧入されても良いし、回転可能に挿通孔56に挿入されても良い。支持軸81は、中心軸Axと略平行に延びている。支持軸81は、フランジ51の後面51bから後方向Dbに突出している。
【0052】
太陽歯車82は、出力軸71に取り付けられる。本実施形態において、太陽歯車82は、ピニオンであり、出力軸71と一体に中心軸Axまわりに回転する。なお、太陽歯車82は、この例に限られない。
【0053】
複数の遊星歯車83のそれぞれは、複数の支持軸81のうち対応する一つに支持される。すなわち、複数の支持軸81が取り付けられたフランジ51は、遊星歯車機構におけるキャリアである。
【0054】
遊星歯車83は、支持軸81まわりに回転可能に当該支持軸81に支持されても良いし、支持軸81と一体に回転可能に当該支持軸81に固定されても良い。複数の遊星歯車83は、太陽歯車82のまわりに配置され、当該太陽歯車82と噛み合う。
【0055】
図2に示すように、複数の遊星歯車83は、周方向に隙間Gを介して配置される。隙間Gは、ギヤ室32において、周方向における複数の遊星歯車83の間に設けられた空間である。フランジ51の通気口57は、隙間Gに連通する。なお、通気口57は、ギヤ室32の他の部分に連通しても良い。
【0056】
図1に示すように、内歯車84は、ハウジング21に設けられる。このため、内歯車84は、ハウジング21に固定される。なお、内歯車84は、ハウジング21と異なる部品であっても良い。内歯車84は、複数の遊星歯車83を囲み、当該複数の遊星歯車83と噛み合う。
【0057】
減速機構28は、モータ27の出力軸71と回転部材41との間で回転を伝達する。モータ27は、減速機構28を介して、中心軸Axまわりの一方向(以下、正転方向と称する)、又は中心軸Axまわりの他方向(以下、逆転方向と称する)に、回転部材41を回転させる。
【0058】
回転部材41は、正転方向に回転することで、ボール44を介して直動部材43を前方向Dfに押す。これにより、直動部材43は、前方向Dfに移動(前進)し、ピストン22を前方向Dfに押す。ピストン22は、直動部材43と一体に前進し、液室35の容積を減少させる。
【0059】
一方、回転部材41は、逆転方向に回転することで、ボール44を介して直動部材43を後方向Dbに押す。これにより、直動部材43は、後方向Dbに移動(後退)する。ピストン22は、液室35の圧力により、又は直動部材43若しくは他の部材に押されて、直動部材43と略一体に後退する。これにより、液室35の容積が拡大する。すなわち、直動部材43は、回転部材41の回転に応じて前方向Df又は後方向Dbに移動する。
【0060】
一般的に、温度差が生じることで、圧力差が生じることがある。もし中間室36の温度が低下して中間室36の圧力が低下したとすると、リザーバ25のブレーキ液がシール24を越えて中間室36に漏出する可能性がある。しかし、本実施形態の電動シリンダ装置11は、温度差に起因する圧力差により中間室36へブレーキ液が漏出することを抑制する。
【0061】
具体的には、中間室36は、通気口57を通じて、ギヤ室32の隙間Gに連通している。ギヤ室32は、ハウジング21の外部に連通するため、ほぼ大気圧に保たれている。一方、リザーバ25も大気に開放され、ほぼ大気圧に保たれている。このため、電動シリンダ装置11は、温度差があっても、リザーバ25と中間室36との間に圧力差が生じることを抑制できる。
【0062】
通気口57は、結合孔55及び複数の挿通孔56と略平行に延びている。このため、以下に説明するように、通気口57は、結合孔55及び挿通孔56と同一の工程で容易に形成され得る。なお、通気口57の形成方法は、以下の説明に限られない。
【0063】
例えば、通気口57は、結合孔55及び挿通孔56とともに、穴あけ加工により形成され得る。この場合、例えば、フランジ51が、中心軸Axまわりに回転可能に加工装置のチャックに保持される。一方、ドリルが、中心軸Axから径方向に離間した一定の位置に配置される。
【0064】
フランジ51が中心軸Axまわりに回転することで、挿通孔56が形成される位置と、通気口57が形成される位置とが、ドリルの刃の先に入れ替わりに配置される。すなわち、ドリルは、一定の位置に配置されながら、複数の挿通孔56及び通気口57をフランジ51に形成することができる。さらに、複数の挿通孔56及び通気口57の直径が同一であるため、ドリルは刃を交換する必要が無い。
【0065】
フランジ51が平行移動することで、結合孔55が形成される位置が、ドリルの刃の先に配置される。すなわち、フランジ51は、周方向と異なる方向に回転する必要が無い。以上のように、穴あけ加工において、結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57が、同一の工程で容易に形成され得る。
【0066】
例えば、通気口57は、鋳造又は射出成型によっても形成され得る。この場合、金型は、結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57に対応する軸方向に延びた柱を有する。略平行な結合孔55、複数の挿通孔56、及び通気口57が設けられたフランジ51は、一方向(軸方向)に簡単に金型から外されることができる。すなわち、金型は、入れ子、中子、及びスライドを用いることなく、容易にフランジ51を成形できる。
【0067】
以上説明された第1の実施形態に係るブレーキシステム10において、回転部材41に、軸方向に延びるとともに支持軸81が嵌め込まれる挿通孔56と、軸方向に延びるとともにギヤ室32と中間室36とを連通する通気口57と、が設けられる。中間室36は、通気口57及びギヤ室32を通じてハウジング21の外部に連通するため、ほぼ大気圧に保たれる。従って、電動シリンダ装置11は、例えば温度に起因する圧力差によりリザーバ25や液室35から中間室36へブレーキ液が漏出してしまうことを抑制できる。当該電動シリンダ装置11において挿通孔56と通気口57とが略平行となっているため、回転部材41は、挿通孔56と通気口57とを同一工程で容易に形成することができ、圧力差による中間室36へのブレーキ液の漏出を低コストで抑制できる。例えば、挿通孔56及び通気口57が穴あけ加工により形成される場合、回転部材41とドリルとを相対的に平行移動させ、又は回転部材41を中心軸Axまわりに回転させることで、略平行な挿通孔56と通気口57とが同一工程で回転部材41に容易に形成され得る。また、挿通孔56及び通気口57が鋳造又は射出形成により形成される場合、回転部材41が金型から一方向(抜き方向)に外されることで、略平行な挿通孔56と通気口57とが一度に形成され得る。
【0068】
通気口57は、中心軸Axまわりの周方向において複数の挿通孔56のうち隣り合う二つの間に位置する。すなわち、挿通孔56と通気口57とは、中心軸Axと直交する径方向に並ばない。従って、回転部材41は、挿通孔56と通気口57とを径方向に並べるための大きな直径が不要となり、小型化され得る。
【0069】
複数の挿通孔56の中心C1と通気口57の中心C2とは、中心軸Axまわりに延びる仮想的な円周CL上に配置される。これにより、通気口57及び複数の挿通孔56が穴あけ加工により形成される場合、回転部材41を中心軸Axまわりに回転させることで、略平行な通気口57と複数の挿通孔56とが回転部材41に容易に形成され得る。なお、この場合、ドリルの位置は変えられる必要が無いが、ドリルの刃は変更されても良い。
【0070】
複数の挿通孔56と通気口57とは、同一の直径を有する。これにより、通気口57及び複数の挿通孔56が穴あけ加工により形成される場合、ドリルは、単一の刃を使用して、複数の挿通孔56と通気口57とを回転部材41に形成することができる。従って、回転部材41は、通気口57と複数の挿通孔56とを同一工程で容易に形成することができる。また、通気口57と複数の挿通孔56とが共通化されるため、例えば電動シリンダ装置11のモデルに応じて、一つの孔が挿通孔56又は通気口57として選択的に使用され得る。
【0071】
モータ27は、出力軸71を有し、当該出力軸71を回転させる。減速機構28は、挿通孔56に嵌め込まれる支持軸81と、出力軸71に取り付けられる太陽歯車82と、支持軸81に支持される遊星歯車83と、を有する。減速機構28は、回転部材41と出力軸71との間で回転を伝達する。すなわち、挿通孔56は、回転部材41を回転させるために必然的に設けられる。従って、回転部材41の設計において、通気口57の配置が容易となる。
【0072】
なお、上記実施形態において、ギヤ室32はモータ27で密閉されていても良い。この場合、モータ27の内部空間は上述のハウジング21の外部を構成する。このモータ27の内部空間の分だけギヤ室32に連通する空間が広がることで、例えば、上述した温度に起因するリザーバ25と中間室36との間の圧力差が抑えられる。
【0073】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図3を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0074】
図3は、第2の実施形態に係るブレーキシステム10に搭載された電動シリンダ装置11を概略的に示す断面図である。第2の実施形態の電動シリンダ装置11は、ハウジング21の代わりに、ハウジング200を有する。ハウジング200に、ギヤ室32の代わりに、ギヤ室201が設けられる。ハウジング200及びギヤ室201は、以下に説明する点を除き、ハウジング21及びギヤ室32に実質的に等しい。
【0075】
ハウジング200は、シリンダ31が設けられた略円柱状の部分と、当該部分から径方向に突出するとともにギヤ室201が設けられた部分とを有する。ギヤ室201は、後方向Dbにおける中間室36の端部から、径方向に延びている。
【0076】
第2の実施形態において、モータ27は、出力軸71が中心軸Axから径方向に離間するように配置される。出力軸71は、中心軸Axから径方向に離間した位置で、ギヤ室201に配置される。出力軸71の中心軸は、中心軸Axと略平行に延びている。なお、モータ27は、この例に限られない。
【0077】
第2の実施形態の減速機構28は、太陽歯車82、遊星歯車83、及び内歯車84の代わりに、複数の平歯車211,212,213を有する。なお、減速機構28は、他の種類の歯車を有しても良い。平歯車211は、第1のギヤの一例である。平歯車212は、第2のギヤの一例である。平歯車211は、出力軸71に取り付けられ、出力軸71と一体に回転する。
【0078】
平歯車212は、中心軸Axと略直交する円盤状に形成される。平歯車212は、前面212a及び後面212bを有する。前面212aは、略平坦に形成され、前方向Dfに向く。前面212aは、フランジ51の後面51bに向く。後面212bは、前面212aの反対側に位置する。後面212bは、略平坦に形成され、後方向Dbに向く。
【0079】
平歯車212に、複数の挿通孔215と、通気口216とが設けられる。複数の挿通孔215及び通気口216は、軸方向に延びて平歯車212を貫通する。このため、複数の挿通孔215及び通気口216のそれぞれは、前面212a及び後面212bに開口する。なお、挿通孔215は、前面212aにのみ開口しても良い。また、複数の挿通孔215及び通気口216は、他の方向に延びても良い。
【0080】
複数の挿通孔215のそれぞれは、フランジ51の複数の挿通孔56のうち対応する一つに連通する。複数の挿通孔215のそれぞれに、複数の支持軸81のうち対応する一つが嵌め込まれる。これにより、支持軸81は、平歯車212を支持し、フランジ51と平歯車212とを中心軸Axまわりに一体に回転可能に結合する。
【0081】
通気口216は、フランジ51の通気口57に連通する。これにより、フランジ51の通気口57と平歯車212の通気口216とは、ギヤ室201と中間室36とを連通する。なお、フランジ51と平歯車212との間に、通気口57に連通する隙間が形成されても良い。この場合、通気口57と当該隙間とが、ギヤ室201と中間室36とを連通する。
【0082】
平歯車213は、平歯車211と平歯車212との間に位置する。平歯車211,212と噛み合う。これにより、減速機構28は、モータ27の出力軸71と回転部材41との間で回転を伝達する。
【0083】
以上説明された第1の実施形態及び第2の実施形態のように、回転部材の第1の孔に嵌め込まれる部品は、ネジ軸52、遊星歯車83を支持する支持軸81、及び平歯車212を支持する支持軸81のような、種々の部品であって良い。第1の実施形態及び第2の実施形態では、第1の孔に嵌め込まれる部品は、モータ27の出力軸71と直動部材43との間で動力を伝達する。しかし、第1の孔に嵌め込まれる部品は、他の用途の部品であっても良い。
【0084】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る電動シリンダ装置は、一例として、シリンダと、外部に連通する開放室と、が設けられたハウジングと、移動可能に前記シリンダに配置され、前記シリンダを液室と中間室とに区画する、ピストンと、前記開放室と前記中間室との間に配置され、回転軸まわりに回転する、回転部材と、前記回転部材の回転に応じて前記回転軸に沿う軸方向に移動することで前記ピストンを押す直動部材と、を備え、前記回転部材に、前記軸方向に延びるとともに部品が嵌め込まれる第1の孔と、前記軸方向に延びるとともに前記開放室と前記中間室とを連通する第2の孔と、が設けられる。よって、一例としては、中間室は、第2の孔及び開放室を通じてハウジングの外部に連通するため、ほぼ大気圧に保たれる。従って、電動シリンダ装置は、例えば温度に起因する圧力差により中間室へ液体が漏出してしまうことを抑制できる。当該電動シリンダ装置において第1の孔と第2の孔とが略平行となっているため、回転部材は、第1の孔と第2の孔とを同一工程で容易に形成することができ、圧力差による液体の漏出を低コストで抑制できる。例えば、第1の孔及び第2の孔が穴あけ加工により形成される場合、回転部材とドリルとを相対的に平行移動させ、又は回転部材を回転軸まわりに回転させることで、略平行な第1の孔と第2の孔とが同一工程で回転部材に容易に形成され得る。また、第1の孔及び第2の孔が鋳造又は射出形成により形成される場合、回転部材が金型から一方向(抜き方向)に外されることで、略平行な第1の孔と第2の孔とが一度に形成され得る。
【0085】
上記電動シリンダ装置では、一例として、前記第1の孔は、前記回転軸まわりに間隔を介して配置された複数の孔を有し、前記第2の孔は、前記回転軸まわりの周方向において前記複数の孔のうち隣り合う二つの間に位置する。よって、一例としては、孔と第2の孔とは、回転軸と直交する径方向に並ばない。従って、回転部材は、孔と第2の孔とを径方向に並べるための大きな直径が不要となり、小型化され得る。
【0086】
上記電動シリンダ装置では、一例として、前記複数の孔の中心と前記第2の孔の中心とは、前記回転軸まわりに延びる仮想的な円周上に配置される。よって、一例としては、第2の孔及び複数の孔が穴あけ加工により形成される場合、回転部材を回転軸まわりに回転させることで、略平行な第2の孔と複数の孔とが回転部材に容易に形成され得る。なお、この場合、ドリルの位置は変えられる必要が無いが、ドリルの刃は変更されても良い。
【0087】
上記電動シリンダ装置では、一例として、前記複数の孔と前記第2の孔とは、同一の直径を有する。よって、一例としては、第2の孔及び複数の孔が穴あけ加工により形成される場合、ドリルは、単一の刃を使用して、複数の孔と第2の孔とを回転部材に形成することができる。従って、回転部材は、第2の孔と複数の孔とを同一工程で容易に形成することができる。また、第2の孔と複数の孔とが共通化されるため、例えば電動シリンダ装置のモデルに応じて、一つの孔が第1の孔又は第2の孔として選択的に使用され得る。
【0088】
上記電動シリンダ装置は、一例として、出力軸を有し、当該出力軸を回転させる、モータと、前記第1の孔に嵌め込まれる支持軸と、前記出力軸に取り付けられる第1のギヤと、前記支持軸に支持される第2のギヤと、を有し、前記回転部材と前記出力軸との間で回転を伝達する、減速機構と、をさらに備える。よって、一例としては、第1の孔は、回転部材を回転させるために必然的に設けられる。従って、回転部材の設計において、第2の孔の配置が容易となる。
【0089】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係るブレーキ液圧制御装置は、一例として、ホイールシリンダと、前記液室の容積が縮小されることで前記ホイールシリンダの圧力を増大させることが可能である、上記電動シリンダ装置と、を備える。よって、一例としては、電動シリンダ装置において、第1の孔と第2の孔とを同一工程で容易に形成することができ、圧力差による液体の漏出を低コストで抑制できる。
【0090】
以上の説明において、「抑制する」は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、「制限する」は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0091】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0092】
10…ブレーキシステム(ブレーキ液圧制御装置)、11…電動シリンダ装置、12…ホイールシリンダ、21,200…ハウジング、22…ピストン、27…モータ、28…減速機構、31…シリンダ、32,201…ギヤ室(開放室)、35…液室、36…中間室、41…回転部材、43…直動部材、52…ネジ軸(部品)、55…結合孔(第1の孔)、56…挿通孔(第1の孔、孔)、57…通気口(第2の孔)、71…出力軸、81…支持軸、82…太陽歯車(第1のギヤ)、83…遊星歯車(第2のギヤ)、211…平歯車(第1のギヤ)、212…平歯車(第2のギヤ)、Ax…中心軸(回転軸)、C1,C2…中心、CL…円周。