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  • 特開-包装装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142710
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 57/00 20060101AFI20241003BHJP
   B65B 57/10 20060101ALI20241003BHJP
   B65B 57/12 20060101ALI20241003BHJP
   B65B 11/22 20060101ALN20241003BHJP
【FI】
B65B57/00 C
B65B57/10 B
B65B57/12
B65B11/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054979
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(72)【発明者】
【氏名】鯛 佑樹
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA08
3E051AB05
3E051BA12
3E051DA07
3E051EA05
3E051JA10
3E051KA05
3E051KB10
3E051LA05
3E051LB05
3E051LB08
3E051LB09
(57)【要約】
【課題】供給された商品が、条件に適合しない商品であっても、包装装置を停止させることなく、装置内に供給して排出する。また、そうした不適合な商品を包装装置の下流側ラインに排出させない装置を提供することを目的とする。
【解決手段】商品に関する情報を取得する取得部と、取得部の商品を搬送する第1搬送部と、第1搬送部で搬送される商品をフィルムで包装する包装部と、包装部から排出される商品を搬出する第2搬送部と、包装部及び第2搬送部を制御する制御部と、商品に関する異常または包装に関する異常を検知する検知部と、を備え、制御部は、検知部が異常を検知しない場合、第2搬送部を制御して包装済商品を第1搬送路に搬送させ、検知部が異常を検知した場合、第2搬送部を制御して第1搬送路とは異なる第2搬送路に商品を搬送させる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部の前記商品を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部で搬送される前記商品をフィルムで包装する包装部と、
前記包装部から排出される包装済商品又は未包装商品を搬出する第2搬送部と、
前記包装部及び前記第2搬送部を制御する制御部と、
前記商品に関する異常または前記包装に関する異常を検知する検知部と、を備え、
前記制御部は、前記検知部が異常を検知しない場合、前記第2搬送部を制御して、前記包装済商品を第1搬送路に搬送させ、前記検知部が異常を検知した場合、前記第2搬送部を制御して、前記第1搬送路とは異なる第2搬送路に前記未包装商品又は包装済商品を搬送させる、
包装装置。
【請求項2】
前記取得部には、前記商品の質量を計量する計量部が含まれ、
前記包装装置は、さらに前記計量部で計量された前記商品の商品情報をラベルに印字するラベルプリンタと、
前記ラベルプリンタから発行される前記ラベルを前記包装部から排出される前記商品に貼付するラベル貼付機と、を備え、
前記検知部が前記商品に関する異常を検知した場合は、前記ラベルプリンタは、前記商品情報に代えて、検知された異常の内容を前記ラベルに印字する、
請求項1に記載の包装装置。
【請求項3】
前記取得部には、前記商品の質量を計量する計量部が含まれ、
前記包装装置は、さらに前記計量部で計量された前記商品の商品情報をラベルに印字するラベルプリンタと、
前記ラベルプリンタから発行される前記ラベルを前記包装部から排出される前記商品に貼付するラベル貼付機と、を備え、
前記検知部が前記包装部の包装動作の異常を検知した場合は、前記ラベルプリンタは、前記ラベルを発行しない、請求項1に記載の包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーや透明容器等に食品が収納された商品をストレッチフィルムで包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、トレーに盛り付けられた食品を計量し、包装し、値付けする場合、計量機とラベル貼付機とが組み込まれたストレッチ包装装置、いわゆる、計量包装値付け装置が使用される。
【0003】
こうした包装装置が、パック商品を量産するパックセンターに導入される場合は、食品をトレーなどに盛り付ける上流側ラインと、包装された商品をコンテナに積み込む下流側ラインとの間に組み込まれる。そのため、装置が停止するとライン全体が停止するため、この種の包装装置では、不良品が供給されたり、包装途中で不良品が発生したりしても、装置を停止させずに、それを下流側ラインに排出し、下流側ラインにおいて、振分装置によって不良品をラインから排除するようにしている。
【0004】
しかし、下流側ラインに振分装置を配置すると、ライン全体が長くなるだけでなく、振分装置を包装装置と連動させる必要から、装置全体が大型化する問題がある。そこで、下記特許文献1では、不良品が発生すると、それが直ちに不良品であると判別できるような形態で包装する包装装置の発明を開示している。これによれば、包装済商品をコンテナ等に積み込むときに、作業者が不良品を判別して、それを除去することができるから、下流側ラインに振分装置を導入しなくても済むメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-98585号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、作業者が良品の中に混在する不良品を見つけて除去する作業には、見落としが発生する可能性がある。また、最近では、パックセンターの下流側ラインにロボットが導入され、そのロボットが、包装済商品をコンテナに自動的に積み込むようになってきているので、そうしたロボットに、良品と不良品とを見分けて弁別させることは難しく、結局、人手に頼らざるを得ないから、省人化を図る観点からは、好ましくない。
【0007】
また、計量部を備えたこの種の包装装置には、装置に供給される商品が予め設定された条件に適合しない場合、例えば計量部に供給された商品の内容量が、売れ筋商品として、適量とされた許容重量範囲から逸脱している場合は、包装装置を停止させて、計量部に供給された商品を取り除かねばならない仕様のものがある。そうした仕様の装置において、後続商品の内容量が例え適正なものであっても、装置を一旦停止させて、条件に適合しない商品を除去しなければならないから、その間、ラインが停止するという問題がある。
【0008】
本発明は、こうした問題を一挙に解決せんとするもので、装置に供給された商品が、例え所定の条件に適合しない商品であっても、包装装置を停止させることなく、それを装置内に供給して排出することができ、しかも、そうした排出された不適合な商品を下流側ラインに排出させない、新たな包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、第1観点に係る包装装置は、
商品に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部に供給された前記商品を搬送する第1搬送部と、
前記第1搬送部で搬送されてくる前記商品をフィルムで包装する包装部と、
前記包装部から排出される包装済商品又は未包装商品を搬出する第2搬送部と、
前記包装部及び前記第2搬送部を制御する制御部と、
前記商品に関する異常または前記包装に関する異常を検知する検知部と、
を備え、
前記制御部は、前記検知部が異常を検知しない場合、前記第2搬送部を制御して、前記包装済商品を第1搬送路に搬送させ、前記検知部が異常を検知した場合、前記第2搬送部を制御して、前記第1搬送路とは異なる第2搬送路に前記未包装商品又は包装済商品を搬送させることを要旨とする。
【0010】
ここで、商品に関する情報を取得するとは、例えば、供給された商品を計量部で計量することであり、また、その商品の画像情報をカメラで取得することである。また、商品に関する異常とは、例えば、包装装置に供給された商品の質量が、予め設定された許容範囲内に収まっていない場合とか、包装装置に対し、これから処理する商品として設定された商品と、包装装置に供給された実際の商品とが、不一致である場合に、その商品を異常とするものである。
【0011】
包装装置に供給された商品の質量が、予め設定された許容範囲内に収まっていない場合とは、例えば、計量部で計量された商品の計量値が、売れ筋商品として、適量であるとされた許容重量範囲から逸脱している場合である。その他として、例えば弁当等の商品において、一品不足する場合も含まれる。こうした内容量の異常は、計量部の計量値に基づいて判断される。また、そうして異常と判断された商品は、フィルムで包装せずに、未包装商品として包装部から排出される。
【0012】
また、包装装置に設定された処理対象商品と、そこに供給された実際の商品との一致、不一致の判断は、包装装置に供給された商品の撮像画像から取得される当該商品の特徴情報と、処理対象商品として包装装置の記憶部から呼び出された当該商品の特徴情報とを比較し、両者の特徴情報が一致していれば、供給された商品は、正常であり、不一致であれば、供給された商品は、処理対象商品ではないとして、異常とするものである。この場合には、フィルムで包装せずに、未包装商品として、そのまま包装部から排出される。
【0013】
この他にも、商品に関する異常には、例えば、商品の一部がトレー等の容器からはみ出ている場合も含まれる。はみ出ているか否かは、例えば、計量部に供給された商品をカメラで撮像し、撮像された画像を画像処理部で処理することにより、トレーからのはみ出しを検知することができる。
【0014】
こうして、異常とされた商品は、包装部を素通りして、未包装商品として排出される。これにより、フィルムの無駄な消費を抑えることができると共に、回収後の商品から、包装されたフィルムを取り外す手間を省くことができる。
【0015】
一方、包装に関する異常とは、例えば、搬送中にトレーや容器等の位置ズレが検知された場合や、包装部の包装動作に関し、異常が検知された場合に、その時の商品を異常とするものである。こうした異常は、包装装置の各部に設置されたセンサで検知することができる。そして、例えば、商品の位置ズレがあった商品は、フィルムで包装されて包装済商品として包装部から第2搬送路へ搬送される。また、包装動作の異常が検知されたときの商品は、そのときの商品を未包装状態のまま、包装部から第2搬送路に搬送する。第2搬送路には、こうした商品がストックされるから、作業者によって、それを不良品として扱うか否かが判定される。
【0016】
包装部の排出口には、第2搬送部が配置される。第2搬送部は、例えば、搬送方向が正方向と逆方向とに切り替え可能なベルトコンベヤで構成され、異常が検出されなければ、商品を第1搬送路へ搬送し、異常が検出されれば、反対方向である第2搬送路へ商品を搬送する。これにより、正常な商品を第1搬送路へ、異常な商品を逆方向の第2搬送路へ搬送することができる。
【0017】
また、搬送方向の切り替え可能なベルトコンベヤに代えて、搬送面が上下に揺動するスイング式のベルトコンベヤを使用してもよい。このコンベヤを使用する場合は、異常が検出されなければ、コンベヤの搬送面を水平に保って下流側に送り出す第1搬送路とし、異常が検出されれば、搬送面を下り傾斜に傾けて、異常な商品を下方の回収ボックス等へ排出する第2搬送路としてもよい。
【0018】
第2観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置において、
前記取得部には、前記商品の質量を計量する計量部が含まれ、
前記包装装置は、さらに前記計量部で計量された前記商品の商品情報をラベルに印字するラベルプリンタと、
前記ラベルプリンタから発行される前記ラベルを前記包装部から排出される前記商品に貼付するラベル貼付機と、を備え、
前記検知部が前記商品に関する異常を検知した場合は、前記ラベルプリンタは、前記商品情報に代えて、検知された異常の内容を前記ラベルに印字することを要旨とする。
【0019】
商品に関する異常には、前述のように、商品の内容量が、予め設定された許容範囲から逸脱している場合や、呼出番号によって包装装置に設定された処理対象商品と、実際に包装装置に供給された商品とが不一致である場合がある。このような商品が、包装済商品や未包装商品として排出されると、その商品のどこに異常があったのか、外観から判断することは難しい。
【0020】
そこで、異常の内容が、例えば、包装装置に設定された処理対象商品と、包装装置に実際に供給された商品とが不一致である場合には、包装部を素通りさせた未包装商品とし、その上面に、不一致である旨をラベルに印字したものを貼付してもよい。また、商品の内容量が、予め設定された許容範囲から逸脱している場合は、内容量が何グラム多いか少ないかをラベルに印字し、それを包装済商品や未包装商品に貼付してもよい。これにより、質量が異常と判断された商品が盛り付けラインに戻されたときに、作業者は、貼付されたラベルの印字内容に基づいて、内容量の不具合を是正することができる。
【0021】
なお、未包装商品には、包装部を素通りさせて、未包装状態で排出される商品と、フィルムによる包装が不完全なまま排出される商品とが含まれる。こうした商品は、第2搬送路に搬送されるから、第1搬送路の正常な商品との混在は、避けられる。また、未包装商品にラベルを貼付する場合、露出する食品の上面に貼付することは、難しいから、こうした場合は、例えばトレーの隅部にラベルを貼付したり、トレーの側面に貼付したりすればよい。
【0022】
第3観点に係る包装装置は、第1観点に係る包装装置であって、
前記取得部には、前記商品の質量を計量する計量部が含まれ、
前記包装装置は、さらに前記計量部で計量された前記商品の商品情報をラベルに印字するラベルプリンタと、
前記ラベルプリンタから発行される前記ラベルを前記包装部から排出される前記商品に貼付するラベル貼付機と、を備え、
前記検知部が前記包装部の包装動作の異常を検知した場合は、前記ラベルプリンタは、前記ラベルを発行しないことを要旨とする。
【0023】
包装動作の異常、例えばロールフィルムが無くなった場合は、供給された商品を、包装部を素通りさせて、そのまま排出してもよいし、ロールフィルムの交換を待ってから、商品を包装部に供給するようにしてもよい。こうした場合には、包装装置の表示部には、ロールフィルムの交換を促すメッセージが事前に表示される。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、包装装置の下流側ラインに異常のない商品のみを流すことができるから、下流側ラインに、不良品を排除する振分装置を配置する必要がない。また、積み込み作業を行うロボットを下流側ラインに導入することも容易になる。したがって、コンパクトで、省人化を図ることができる包装装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明に係る包装装置の一実施形態の外観斜視図。
図2】上記一実施形態の構成の一例を示す機能ブロック図。
図3】上記一実施形態の制御系の一例を示すブロック線図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図面は、模式的なものであり、寸法や比率等は、現実のものとは異なる、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能や構成を有する要素については、同一符号を付して、重複説明を省略している。また、本発明に直接関係のない要素は、図示を省略している。
【0027】
<全体の構成>
図1から図3において、包装装置100は、商品Mに関する情報を取得する取得部10と、取得部10に供給された商品Mを搬送する第1搬送部20と、第1搬送部20で搬送されてくる商品Mをフィルムで包装する包装部30と、包装部30から排出される包装済商品M1又は未包装商品を搬出する第2搬送部40と、包装部30及び第2搬送部40を制御する制御部50と、商品Mに関する異常または包装に関する異常を検知する検知部60と、包装予定の商品Mの呼出番号を入力する操作表示部70と、当該商品Mに貼付されるラベルを発行して当該商品Mに貼付する値付け装置80と、を備える。
【0028】
なお、図1において、包装装置100の取得部10の前段には、商品Mを取得部10に自動供給する供給コンベヤ110が配置され、包装済商品M1又は未包装商品が排出される第2搬送部40の第1搬送路41側には、包装済商品M1の底面にラベルを貼付する下貼り機120が配置されている。また、その下貼り機120の下流には、ベルトコンベヤ130とローラコンベヤ140とを備えた排出コンベヤ150が配置される。そして、包装済商品M1は、排出コンベヤ150に向けて、矢印で示す方向に搬送される。
【0029】
また、第2搬送部40の第2搬送路42側には、未包装商品又は異常と判定された包装済商品をストックするストックコンベヤ160が配置される。
なお、排出コンベヤ150は、ユーザの要望により、供給コンベヤ110と直交するように第2搬送部40の長手方向に沿って配置される場合と、供給コンベヤ110と横並びに配置される場合とがある。
【0030】
取得部10は、商品Mの質量を計量する計量部11と、計量部11に供給された商品Mを撮像して、その画像情報を取得するカメラ12と、を備える。第1搬送部20は、計量部11に供給された商品Mの背部を、バー状の板で押しながら包装部30まで搬送するチェーンコンベヤで構成されている。
【0031】
包装部30は、図3に示すように、第1搬送部20で搬送されてきた商品Mを受け取って、包装エリアまで商品Mを持ち上げるリフト機構31と、包装エリアにフィルムを広げながら搬送するフィルム搬送機構32と、包装エリアにおいて、フィルムと共に持ち上げられた商品Mの周辺に広がるフィルムを、商品Mの底面に折り込むフィルム折込機構33と、フィルムで包まれた商品Mを第2搬送部40に向けて送り出す排出プッシャー34と、第2搬送部40の前段に設けられて、商品Mの裏面で重なるフィルムを加熱・溶着するヒートローラ35と、を備えている。
【0032】
第2搬送部40は、駆動モータの正転と逆転が可能なベルトコンベヤで構成され、異常が検出されなければ、モータが正方向に回転して、商品Mを第1搬送路41へ搬送し、異常が検出されれば、逆方向に回転して、商品Mを反対方向である第2搬送路42へ搬送するように構成されている。
【0033】
制御部50は、マイクロコンピュータで構成され、図3に示すように、取得部10,第1搬送部20,包装部30,第2搬送部40、操作表示部70並びに値付け装置80と電気的に接続され、内蔵の記憶部51からプログラムを読み出して実行することにより、上記各部を制御するように構成されている。
【0034】
また、制御部50は、検知部60が異常を検知しない場合、第2搬送部40を制御して包装済商品M1を第1搬送路41に搬送させ、検知部60が異常を検知した場合、第2搬送部40を制御して、第1搬送路41とは異なる第2搬送路42に未包装商品又は包装済商品M1を搬送させるようになっている。
【0035】
検知部60は、商品Mに関する異常または包装に関する異常を検知するもので、図2に示すように、取得部10、第1搬送部20、包装部30から情報を入力し、それらの異常の有無を判断するように構成されている。この機能は、プログラムを実行することにより実現される。
【0036】
包装装置100に商品Mを供給するときは、まず、その商品Mの呼出番号が操作表示部70から入力される。或いは、これに代えて、外部装置から、処理対象商品の商品名(呼出番号)とその処理数とが記録された生産指示書が送信され、その指示書に基づいて、最初の処理対象商品が設定される場合もある。こうして、処理対象商品が特定されると、制御部50は、呼出番号等で特定された情報に基づいて、当該商品Mの許容重量範囲を記憶部51から読み出し、それを検知部60に出力する。
【0037】
続いて、商品Mが計量部11に供給されると、計量部11は、当該商品Mの計量値を検知部60に出力する。すると検知部60は、入力した計量値が、記憶部51から読み出された当該商品Mの許容重量範囲内に収まっているか否かを判断し、その範囲内に収まっていない場合は、異常フラグを出力し、範囲内に収まっていれば、正常フラグを出力する。
【0038】
また、商品Mが計量部11に供給されると、その上方に設置されたカメラ12が、商品Mの画像情報を取得し、それを画像処理部51に入力する。画像処理部51は、その画像情報から、当該商品Mの特徴情報を抽出する。
【0039】
一方、制御部50は、操作表示部70から入力された呼出番号に基づいて、当該商品Mの特徴情報を記憶部51から読み出して検知部60に出力する。このとき、記憶部51から読み出された当該商品Mの商品情報(商品名、単価、消費期限等)は、操作表示部70と、値付け装置80のラベルプリンタ81とに出力される。また、下貼り機120を使用しているときは、下貼り機120に対し、印字情報が出力される。
【0040】
検知部60は、呼出番号に基づいて呼び出された商品Mの特徴情報と、画像処理部52が抽出した、実際の商品Mの特徴情報とを比較し、両者が一致すれば、正常フラグを出力し、両者が不一致であれば、異常フラグを出力する。
【0041】
また、画像処理部52は、商品Mの画像情報からその商品Mの特徴情報を取得するだけでなく、例えばトレー等から内容物がはみ出ている場合や、トレーの姿勢が乱れたり、位置ズレを起こしたりしていれば、それを検知部60に出力する。検知部60は、それらが許容できるものでない場合は、異常フラグを出力し、許容できる場合には、異常フラグを降ろすか、或いは、正常フラグを出力する。
【0042】
こうして、正常フラグが出力され、あるいは、異常フラグが降ろされていれば、制御部50は、供給された商品Mを包装部30で包装させた後、第2搬送部40へ排出させる。続いて第2搬送部40を制御して、包装済商品Mを第1搬送路41へ搬送させる。
また、異常フラグが出力されていれば、制御部50は、異常とされた商品Mを、包装部30を素通りさせて、第2搬送部40へ排出させる。続いて制御部50は、第2搬送部40を制御して、未包装商品Mを第2搬送路42へ搬送させる。
【0043】
また、第1搬送部20や包装部30の主要な箇所には、種々のセンサが配置され、それらのセンサが、例えば、商品Mの搬送中のトラブルを検出すると、それが検知部60に報知されるようになっている。同様に、包装部30の包装動作に関して、異常が検知された場合には、それが検知部60に報知されるようになっている。
【0044】
こうして検知部60に異常が報知されると、検知部60は、その異常が許容されるものか否かを判断し、許容できるものであれば、制御部50は、その商品を包装部30で包装させて、包装済商品として第2搬送部40に排出し、続いて第1搬送部40を制御して第1搬送路41へ搬送させる。
【0045】
また、その異常が許容できない場合、或いは、包装動作の異常が検知された場合は、そのときの商品Mを、包装部30を素通りさせて、未包装商品として第2搬送部40に排出し、続いて第2搬送部40を制御して、未包装商品を第2搬送路42に搬送させる。
【0046】
一方、操作表示部70に商品の呼出番号等が入力されると、当該商品の商品情報が記憶部51から読み出されて、値付け装置80のラベルプリンタ81に出力される。また、計量部11に商品Mが供給されると、計量部11は、それを計量してデジタル量に変換された計量値を制御部50に出力する。制御部50は、その計量値に基づいて、商品Mの正味重量を算出し、続いて販売価格を算出して、それらをラベルプリンタ81に出力する。
【0047】
一方、制御部50は、包装済商品M1を第2搬送部40へ排出するときは、値付け装置80に対し、ラベル貼付指令を出力する。これにより、ラベルプリンタ81は、商品情報を印字したラベルを発行し、ラベル貼付機82は、それを包装済商品M1の上面に貼付する。また、原材料名や、アレルギー物質名等を表示する必要のある商品の場合は、これらの情報を下貼り機120に送信して、これらの情報が印字されたラベルを包装済商品M1の底面に貼付するようになっている。
【0048】
また、制御部50は、未包装商品であっても、トレーや容器に盛られた盛り付け量に過不足がある場合は、それをラベルに印字して未包装商品に貼付するように、値付け装置80に指令する。
【0049】
操作表示部70は、タッチパネルと、その下部に配置されたキー入力部とを備えた周知構成のもので、操作に必要な情報が表示画面に表示されるようになっている。
【0050】
値付け装置80は、水平面のX方向とY方向に移動可能に、包装部30の上部に取り付けられ、種々のサイズの包装済商品M1又は未包装商品に対し、その商品サイズに応じた所定位置にラベルを貼付するように構成されている。
【0051】
以上、一実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が、この実施形態に限定されるものではないことは明らかである。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0052】
100 包装装置
10 取得部
11 計量部
12 カメラ
20 第1搬送部
30 包装部
40 第2搬送部
41 第1搬送路
42 第2搬送路
50 制御部
60 検知部
81 ラベルプリンタ
82 ラベル貼付機
M 商品
M1 包装済商品
図1
図2
図3