(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142711
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20241003BHJP
H04N 21/258 20110101ALI20241003BHJP
【FI】
G06Q30/0201
H04N21/258
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023054980
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】591101434
【氏名又は名称】株式会社ビデオリサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】阿部 良一
【テーマコード(参考)】
5C164
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5C164FA06
5C164SA51S
5C164SC11P
5C164YA10
5C164YA21
5L030BB02
5L049BB02
(57)【要約】
【課題】 コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツの利用状況を効率よく確認するための情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理装置を提供する。
【解決手段】 本発明では、複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得し、第1利用情報に基づいて、複数の調査対象者が属する母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定し、当該サービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得し、第2利用情報に基づいて、母集団による対象コンテンツの合計利用時間を特定し、上記トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する第1取得部と、
前記第1利用情報に基づいて、前記複数の調査対象者が属する母集団による、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する推定部と、
前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する第2取得部と、
前記第2利用情報に基づいて、前記母集団による前記対象コンテンツの合計利用時間を特定する特定部と、
前記トータル利用時間に対する前記対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する算出部と、を備える、情報処理システム。
【請求項2】
前記第1取得部は、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用時に使用された端末の種類と対応付けて、前記第1利用情報を取得し、
前記推定部は、前記母集団が前記所定のサービスにより配信されたコンテンツを特定の種類の端末によって利用した前記トータル利用時間を推定し、
前記第2取得部は、前記特定の種類の端末を使用した前記対象コンテンツの利用に関する前記第2利用情報を取得し、
前記特定部は、前記母集団が前記対象コンテンツを前記特定の種類の端末によって利用した前記対象コンテンツの合計利用時間を特定し、
前記算出部は、前記特定の種類の端末について前記割合を算出する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1取得部は、前記複数の調査対象者のそれぞれの属性と対応付けて、前記第1利用情報を取得し、
前記推定部は、指定された前記属性を有する前記複数の調査対象者についての前記第1利用情報に基づいて、前記母集団のうち、指定された前記属性を有する利用者群による、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツの前記トータル利用時間を推定し、
前記第2取得部は、前記利用者群による前記対象コンテンツの利用に関する前記第2利用情報を取得し、
前記特定部は、前記利用者群についての前記第2利用情報に基づいて、前記利用者群による前記対象コンテンツの合計利用時間を特定し、
前記算出部は、前記利用者群について前記割合を算出する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1取得部は、前記調査対象者が前記所定のサービスにより配信されたコンテンツを利用した期間と対応付けて、前記第1利用情報を取得し、
前記推定部は、前記母集団による、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツの、対象期間における前記トータル利用時間を推定し、
前記第2取得部は、前記対象期間における前記対象コンテンツの利用に関する前記第2利用情報を取得し、
前記特定部は、前記母集団による前記対象期間における前記対象コンテンツの合計利用時間を特定し、
前記算出部は、前記対象期間における前記割合を算出する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第1取得部は、前記調査対象者が前記所定のサービスにより配信されたコンテンツを利用した地域と対応付けて、前記第1利用情報を取得し、
前記推定部は、前記母集団が前記所定のサービスにより配信されたコンテンツを対象地域にて利用した前記トータル利用時間を推定し、
前記第2取得部は、前記対象地域での前記対象コンテンツの利用に関する前記第2利用情報を取得し、
前記特定部は、前記母集団による前記対象地域での前記対象コンテンツの合計利用時間を特定し、
前記算出部は、前記対象地域における前記割合を算出する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記推定部は、前記第1利用情報に基づいて、前記調査対象者一人当たりの、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用時間を求め、該利用時間と前記母集団の人数とに基づいて、前記トータル利用時間を推定し、
前記特定部は、前記第2利用情報に基づいて、前記母集団における前記対象コンテンツの利用回数と、前記対象コンテンツの利用に要する所要時間とに基づいて、前記対象コンテンツの合計利用時間を特定する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記特定部は、前記第2利用情報に基づいて、前記対象コンテンツのうち、指定された指定コンテンツについて、前記母集団による合計利用時間を特定し、
前記母集団による前記対象コンテンツの合計利用時間と、前記割合と、前記母集団による前記指定コンテンツの合計利用時間とに基づいて、前記母集団による前記指定コンテンツの利用度合いを演算する演算部をさらに備える、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記演算部は、前記割合が閾値以上である場合に、前記利用度合いを演算する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記演算部は、前記指定コンテンツの利用度合いとして、前記母集団中の各人による前記指定コンテンツの平均利用時間を演算する、請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記推定部は、前記第1利用情報に基づき、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツについて、前記調査対象者による平均利用時間を算出し、
前記演算部は、
前記母集団による前記対象コンテンツの合計利用時間に対する、前記母集団による前記指定コンテンツの合計利用時間の比率を求め、
前記所定のサービスにより配信されたコンテンツについて算出された前記調査対象者による平均利用時間と、前記割合と、前記比率とを乗じることにより、前記母集団中の各人による前記指定コンテンツの平均利用時間を演算する、請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記演算部は、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツについて推定された前記調査対象者による平均利用時間と、前記割合との積を求め、
コンテンツの利用に用いられる端末について、前記母集団中の各人による平均使用時間に関する情報を取得する第3取得部と、
前記第3取得部により取得された前記情報が示す前記端末の平均使用時間と、前記演算部によって求められた前記積とを出力する出力部と、を備える、請求項10に記載の情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータが、複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する工程と、
コンピュータが、前記第1利用情報に基づいて、前記複数の調査対象者が属する母集団による、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する工程と、
コンピュータが、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する工程と、
コンピュータが、前記第2利用情報に基づいて、前記母集団による前記対象コンテンツの合計利用時間を特定する工程と、
コンピュータが、前記トータル利用時間に対する前記対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する工程と、を備える、情報処理方法。
【請求項13】
複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する第1取得部と、
前記第1利用情報に基づいて、前記複数の調査対象者が属する母集団による、前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する推定部と、
前記所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する第2取得部と、
前記第2利用情報に基づいて、前記母集団による前記対象コンテンツの合計利用時間を特定する特定部と、
前記トータル利用時間に対する前記対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する算出部と、を備える、情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの利用状況等を把握するための情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画やゲーム等のコンテンツをWebにて配信するサービス(以下、コンテンツ配信サービスともいう)について、そのサービスによって配信されたコンテンツの利用ログ等を収集して、当該コンテンツの利用状況を特定する技術が既に存在する。そのような技術の一例としては、例えば、特許文献1に記載の情報処理装置が挙げられる。
【0003】
特許文献1に記載の情報処理装置(以下、文献1装置)は、動画コンテンツの視聴ログを取得し、動画コンテンツの各時刻の内容を表す表示データを取得する。また、文献1装置は、視聴ログに基づいて特定される動画コンテンツの視聴状況の遷移を表す図表と、図表によって視聴状況の遷移が表される時間帯の各時刻の動画コンテンツの内容を表す表示データとを同一画面に表示させる。これにより、動画コンテンツの視聴状況の変化と各時刻におけるコンテンツの内容を容易に確認することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コンテンツ配信サービスの中には、数多くのコンテンツを配信するサービスが存在する。このようなサービスが配信するコンテンツの全てについて、文献1装置のようにコンテンツの利用状況を特定しようとすると、情報処理の負荷が大きく、手間が掛かり、また、取得される情報量も膨大となる。そのため、コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツの利用状況を、効率よく把握するための技術の開発が求められている。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、具体的には、従来技術の問題点を解決し、コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツの利用状況を効率よく確認するための情報処理システム、情報処理方法、及び情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の情報処理システムは、複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する第1取得部と、第1利用情報に基づいて、複数の調査対象者が属する母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する推定部と、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する第2取得部と、第2利用情報に基づいて、母集団による対象コンテンツの合計利用時間を特定する特定部と、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する算出部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の情報処理システムによれば、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定し、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの合計利用時間を算出する。そして、上記のトータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する。この割合は、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツがどの程度利用されているのかを示しており、当該割合を確認することで、対象コンテンツの利用状況を効率よく把握することができる。
【0009】
また、第1取得部は、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用時に使用された端末の種類と対応付けて、第1利用情報を取得してもよい。この場合、推定部は、母集団が所定のサービスにより配信されたコンテンツを特定の種類の端末によって利用したトータル利用時間を推定してもよい。さらに、第2取得部は、特定の種類の端末を使用した対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得し、特定部は、母集団が対象コンテンツを特定の種類の端末によって利用した対象コンテンツの合計利用時間を特定してもよい。そして、算出部は、特定の種類の端末について上記の割合を算出してもよい。
上記の構成であれば、特定の種類の端末を用いて対象コンテンツが利用された場合の利用状況を把握することができる。
【0010】
また、第1取得部は、複数の調査対象者のそれぞれの属性と対応付けて、第1利用情報を取得してもよい。この場合、推定部は、指定された属性を有する複数の調査対象者についての第1利用情報に基づいて、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定するとよい。また、第2取得部は、上記の利用者群による対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得し、特定部は、利用者群についての第2利用情報に基づいて、上記の利用者群による対象コンテンツの合計利用時間を特定するとよい。そして、算出部は、利用者群について上記の割合を算出するとよい。
上記の構成であれば、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの利用状況を把握することができる。
【0011】
また、第1取得部は、調査対象者が所定のサービスにより配信されたコンテンツを利用した期間と対応付けて、第1利用情報を取得してもよい。この場合、推定部は、母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの、対象期間におけるトータル利用時間を推定するとよい。また、第2取得部は、対象期間における対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得し、特定部は、母集団による対象期間における対象コンテンツの合計利用時間を特定してもよい。そして、算出部は、対象期間における上記の割合を算出するとよい。
上記の構成であれば、対象期間における対象コンテンツの利用状況を把握することができる。
【0012】
また、第1取得部は、調査対象者が所定のサービスにより配信されたコンテンツを利用した地域と対応付けて、第1利用情報を取得してもよい。この場合、推定部は、母集団が所定のサービスにより配信されたコンテンツを対象地域にて利用したトータル利用時間を推定するとよい。また、第2取得部は、対象地域での対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得し、特定部は、母集団による対象地域での対象コンテンツの合計利用時間を特定してもよい。そして、算出部は、対象地域における上記の割合を算出するとよい。
上記の構成であれば、対象地域における対象コンテンツの利用状況を把握することができる。
【0013】
また、推定部は、第1利用情報に基づいて、調査対象者一人当たりの、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用時間を求め、当該利用時間と母集団の人数とに基づいて、トータル利用時間を推定してもよい。また、特定部は、第2利用情報に基づいて、母集団における対象コンテンツの利用回数と、対象コンテンツの利用に要する所要時間とに基づいて、対象コンテンツの合計利用時間を特定してもよい。
上記の構成であれば、母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間と、対象コンテンツの合計利用時間とを適切に求めることができる。この結果、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合について、妥当な値が得られる。
【0014】
また、特定部は、第2利用情報に基づいて、対象コンテンツのうち、指定された指定コンテンツについて、母集団による合計利用時間を特定してもよい。この場合、本発明の情報処理システムは、母集団による対象コンテンツの合計利用時間と、上記の割合と、母集団による指定コンテンツの合計利用時間とに基づいて、母集団による指定コンテンツの利用度合いを演算する演算部をさらに備えてもよい。
上記の構成であれば、対象コンテンツについて算出した割合を利用して、指定コンテンツの利用度合いを精度よく演算することができる。
【0015】
また、演算部は、上記の割合が閾値以上である場合に、利用度合いを演算してもよい。この場合、例えば、上記の割合が低い場合には、その割合から導出した値の妥当性等から、指定コンテンツの利用度合いの演算を見送ることができる。
【0016】
また、演算部は、指定コンテンツの利用度合いとして、母集団中の各人による指定コンテンツの平均利用時間を演算してもよい。この場合、推定部は、第1利用情報に基づき、所定のサービスにより配信されたコンテンツについて、調査対象者による平均利用時間を算出してもよい。また、演算部は、母集団による対象コンテンツの合計利用時間に対する、母集団による指定コンテンツの合計利用時間の比率を求めてもよい。そして、演算部は、所定のサービスにより配信されたコンテンツについて算出された調査対象者による平均利用時間と、上記の割合と、上記の比率とを乗じることにより、母集団中の各人による指定コンテンツの平均利用時間を演算するとよい。
上記の構成によれば、指定コンテンツの利用度合いとして、母集団中の各人による指定コンテンツの平均利用時間を精度よく演算することができる。
【0017】
また、演算部は、所定のサービスにより配信されたコンテンツについて算出された調査対象者による平均利用時間と、上記の割合との積を求めてもよい。この場合、本発明の情報処理システムは、コンテンツの利用に用いられる端末について、母集団中の各人による平均使用時間に関する情報を取得する第3取得部を備えるとよい。また、本発明の情報処理システムは、第3取得部により取得された情報が示す端末の平均使用時間と、演算部によって求められた積とを出力する出力部と、を備えると、より好適である。
上記の構成によれば、所定のサービスにより配信されたコンテンツについて算出された平均利用時間と、上記の割合とを乗じることで、母集団の各人による対象コンテンツの平均利用時間を求める。そして、対象コンテンツの平均利用時間と、対象コンテンツの利用に用いられる端末の平均使用時間と、を出力する。これにより、上記2つの時間を対比することができる。
【0018】
また、前述した課題を解決するため、本発明の情報処理方法は、コンピュータが、複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する工程と、コンピュータが、第1利用情報に基づいて、複数の調査対象者が属する母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する工程と、コンピュータが、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する工程と、コンピュータが、第2利用情報に基づいて、母集団による対象コンテンツの合計利用時間を特定する工程と、コンピュータが、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の情報処理方法によれば、コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用状況を効率よく確認することができる。
【0019】
また、複数の調査対象者による、所定のサービスにより配信されたコンテンツの利用に関する第1利用情報を取得する第1取得部と、第1利用情報に基づいて、複数の調査対象者が属する母集団による、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間を推定する推定部と、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する第2取得部と、第2利用情報に基づいて、母集団による対象コンテンツの合計利用時間を特定する特定部と、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出する算出部と、を備える情報処理装置も実現可能である。
本発明の情報処理装置であれば、コンテンツ配信サービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用状況を効率よく確認することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間に対する、対象コンテンツの合計利用時間の割合を算出することにより、所定のサービスにより配信されたコンテンツのうち、対象コンテンツの利用状況を効率よく把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】対象コンテンツの捕捉率を算出する手順についての説明図である。
【
図6】本発明の一つの実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図7】本発明の一つの実施形態に係る情報処理システムの機能についての説明図である。
【
図8】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図であり、対象コンテンツの捕捉率を算出する手順を示す図である。
【
図9】本発明の一つの実施形態に係る情報処理フローを示す図であり、指定コンテンツの平均視聴時間を演算する手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の一実施形態(本実施形態)について、添付の図面を参照しながら、以下に詳細に説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれる。
【0023】
また、本実施形態についての説明に際して、本明細書中の幾つかの文言(用語)について、本明細書での定義、意味、及び解釈を以下に説明する。
【0024】
[装置]
本明細書において、「装置」は、単独で特定の機能を発揮する一つの装置を含み、また、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数の装置の組み合わせも含むものである。
【0025】
[人(ヒト)・者]
本明細書において、「人(ヒト)」及び「者」は、主として個人のことであるが、世帯等のグループ、企業等の法人、法人以外の団体等も「人(ヒト)」及び「者」の範疇に含まれることとする。
【0026】
[コンテンツ]
コンテンツは、Web配信されるWebコンテンツであり、主としてインターネット通信により配信され、利用者によって利用される。コンテンツには、例えば、Webサイト、Web配信用の動画コンテンツや音楽コンテンツ、検索サイト、電子商取引サイト、SNS(Social Networking Service)、Web上でプレイ可能なゲーム、及び、アプリを通じて利用可能なWeb上のサービス等が含まれる。
以下の説明では、コンテンツが動画コンテンツである場合を例に挙げて説明することとする。ただし、本発明は、動画コンテンツ以外のコンテンツを利用するケースに対しても適用可能である。
【0027】
[属性]
本明細書において、「属性」は、人を特徴付ける事項、具体的には身分、所属、経歴、性質、ステータス、所属、特徴、状況、状態、意識、及び傾向等であり、人を分類する際に用いられる概念である。属性には、人口統計学的属性(デモグラフィック)と、人の心理又は行動の傾向に関する心理学的属性(サイコグラフィック)が含まれる。
【0028】
<<本実施形態の概要>>
本実施形態は、コンテンツの利用状況、具体的には動画コンテンツの視聴状況に関する情報処理技術であり、特に、コンテンツ配信サービスを通じて配信される動画コンテンツの視聴状況についての情報処理に関する。
【0029】
コンテンツ配信サービスは、所定のサービスに相当し、コンテンツ提供者(事業者)が利用者に対してコンテンツを配信するサービスであり、詳しくは、動画コンテンツ配信用のプラットフォームである。利用者は、所定のWebサイトにアクセスするか、あるいは通信端末にて専用のアプリ(アプリケーションプログラム)を起動する等して、プラットフォームとしてのコンテンツ配信サービスを利用する。これにより、利用者は、同サービスによって配信される動画コンテンツを受信して視聴することができる。
【0030】
コンテンツ配信サービスは、数多くの動画コンテンツを配信可能であり、例えば、利用者が動画リストの中から選択した動画コンテンツを、その利用者に対して配信する。以下では、コンテンツ配信サービスにより配信された複数の動画コンテンツのすべてを、「総配信コンテンツ」と呼ぶことととする。また、コンテンツ配信サービスにより配信された各動画コンテンツを、以下では、「配信コンテンツ」と呼ぶこととする。また、配信コンテンツを視聴することを、以下では、「コンテンツ配信サービスを利用する」ともいう。また、以降の説明において、コンテンツ配信サービスの利用時間は、配信サービスの視聴時間と同義であることとする。
【0031】
総配信コンテンツには、国内コンテンツと外国コンテンツとが含まれる。国内コンテンツは、主として日本の利用者を対象とする動画コンテンツであり、具体的には、例えば、日本人が製作して日本国内のサーバ経由で配信されるものである。外国コンテンツは、主として外国の利用者を対象とする動画コンテンツであり、具体的には、例えば、外国人が製作して海外のサーバ経由で配信されるものである。
【0032】
そして、本実施形態では、総配信コンテンツのうち、対象コンテンツの視聴状況を把握することができ、具体的には、対象コンテンツの捕捉率を算出することができる。対象コンテンツは、
図1に示すように、総配信コンテンツのうち、捕捉率の算出対象となる動画コンテンツであり、換言すると、捕捉率を算出するために必要な情報としてのコンテンツ利用ログが取得可能な配信コンテンツである。対象コンテンツは、単一の動画コンテンツでもよく、あるいは複数の動画コンテンツ(動画コンテンツ群)でもよい。また、本実施形態では、国内コンテンツを対象コンテンツとして捕捉率を算出する。
【0033】
捕捉率とは、後述する母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間に対する、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間の割合である。この捕捉率は、母集団によるコンテンツ配信サービスの利用時間(消費時間)のうち、対象コンテンツがどれだけ視聴されたかを示す指標であり、換言すると、総配信コンテンツの中で視聴状況を把握することが可能な配信コンテンツの視聴の捕捉度合いを表している。
なお、以下では、母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間を、単に「トータル利用時間」とも呼び、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間を、「対象コンテンツの合計視聴時間」とも呼ぶ。トータル利用時間及び対象コンテンツの合計視聴時間のそれぞれの求め方については、後述する。
【0034】
また、本実施形態では、対象コンテンツの捕捉率に基づいて、対象コンテンツのうち、指定された1つ又は2つ以上の配信コンテンツ(以下、指定コンテンツ)の視聴度合いを求めることができる。具体的には、指定コンテンツの利用度合いとして、一人当たりの指定コンテンツの平均視聴時間を求めることができる。
なお、指定コンテンツは、対象コンテンツのうち、注目される一部の配信コンテンツでもよいし、あるいは対象コンテンツに含まれる配信コンテンツの全てでもよい。また、指定コンテンツは、同じ投稿者又は配信者によって投稿又は配信される複数の動画コンテンツ(動画コンテンツ群)でもよい。また、指定コンテンツは、趣味やカテゴリーといったコンテンツのジャンル、あるいは、タグやキーワードといったコンテンツの属性と関連付けられるものでもよい。
【0035】
<<対象コンテンツの捕捉率の算出手順について>>
次に、対象コンテンツの捕捉率を算出する手順について説明する。
対象コンテンツの捕捉率は、前述したように、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計視聴時間の割合として求められる。ここで、トータル利用時間は、「母集団による所定のサービスにより配信されたコンテンツのトータル利用時間」に相当し、対象コンテンツの合計視聴時間は、「母集団による対象コンテンツの合計利用時間」に相当する。
【0036】
トータル利用時間は、調査対象者から得た視聴測定情報に基づいて推定される。対象コンテンツの合計視聴時間は、対象コンテンツの利用履歴に関して後述のコンテンツログサーバ20から得られるコンテンツ利用ログに基づいて推定される。
以下、視聴測定情報及びコンテンツ利用ログについて説明するとともに、トータル利用時間、及び、対象コンテンツの合計視聴時間を求める手順について概説する。
【0037】
(視聴測定情報)
視聴測定情報は、コンテンツ配信サービスの利用に関する情報であり、詳しくは、配信コンテンツの視聴に関する情報であり、調査対象者毎に得られる。調査対象者は、コンテンツ配信サービスの利用実態に関する調査の対象モニタ(パネル)である。調査対象者は、母集団の中で複数人設定され、具体的には、コンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定するのに十分な人数の調査対象者が母集団から選出される。母集団は、自由に設定することができ、例えば、特定の地域に居住する人口全体を母集団とすることができ、本実施形態では、日本国民全体(日本在住の利用者)を母集団に設定することととする。
【0038】
各調査対象者は、動画コンテンツ視聴用の端末を所持し、配信コンテンツを端末にて視聴(利用)する。端末は、インターネットを通じて、配信コンテンツを構成するストリーミングデータやパケットデータを受信することで、その配信コンテンツを表示画面に表示させる。端末は、通信端末からなり、具体的には、パソコン、スマートフォン、タブレット型端末、及び、インターネット通信機能を備えるゲーム機器等によって構成されている。また、端末は、インターネット通信機能を備えるテレビ受信機によって構成されてもよい。
【0039】
また、端末には、測定機が内蔵又は外付けされており、あるいは、端末にインストールされた測定用のアプリが測定機として機能する。測定機は、調査対象者による配信コンテンツの視聴の有無、視聴時間、並びに、視聴開始時刻及び視聴終了時刻等を測定する。そして、測定機は、視聴された配信コンテンツについて上記項目の測定結果を示す情報として、視聴測定情報を生成する。生成された視聴測定情報は、所定の送信先(詳しくは、後述の測定サーバ10)に向けて送信される。
【0040】
視聴測定情報は、
図2に示すように、配信コンテンツを視聴した調査対象者のユーザID、配信コンテンツの視聴に用いられた端末の識別ID(端末識別子)、視聴時間、及び視聴日時等を含む。また、視聴測定情報には、
図2に示すように、配信コンテンツの視聴に用いられた端末の種類の情報、及び、配信コンテンツを視聴した調査対象者の所在地に関する情報が含まれてもよい。例えば、端末の種類や調査対象者の所在地が予め測定機に登録されている場合、測定機は、視聴測定情報を生成する際に、登録された上記の情報を視聴測定情報に含めてもよい。
【0041】
また、視聴測定情報には、
図2に示すように、配信コンテンツを視聴した調査対象者の属性がさらに含まれてもよい。例えば、調査対象者の属性に関する情報、具体的には、性別、年齢、職業、家族構成、性格、行動パターン、好きなコンテンツのジャンル、及びコンテンツの視聴頻度等が、予め測定機に登録されていたとする。この場合、測定機が、視聴測定情報を生成する際に、登録された調査対象者の属性の情報を視聴測定情報に含めてもよい。
【0042】
(トータル利用時間の推定手順)
トータル利用時間を推定するには、
図3に示すように、母集団に属する複数の調査対象者の視聴測定情報を取得する。ここで、複数の調査対象者から取得した視聴測定情報は、本発明の第1利用情報に相当し、複数の調査対象者による配信コンテンツ(コンテンツ配信サービスにより配信されるコンテンツ)の利用に関する情報である。
【0043】
トータル利用時間は、複数の調査対象者が属する母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間である。また、下記の関係式から分かるように、トータル利用時間は、母集団による総配信コンテンツ全体の視聴時間の総和と一致する。
ΣPi=ΣVj
Pi:母集団の各人によるコンテンツ配信サービスの利用時間
i:1~m m:日本の人口
ΣPi:母集団の各人によるコンテンツ配信サービスの総利用時間
Vj:各配信コンテンツの視聴時間(再生時間)
j:1~n n:総配信コンテンツに含まれる配信コンテンツの数
ΣVj:各配信コンテンツの総視聴時間(総再生時間)
【0044】
トータル利用時間は、
図3に示すように、複数の調査対象者から取得した視聴測定情報(すなわち、第1利用情報)に基づいて推定される。具体的には、先ず、複数の調査対象者の視聴測定情報に基づき、各調査対象者のコンテンツ配信サービスの総利用時間(換言すると、各調査対象者の配信コンテンツの合計視聴時間)を、調査対象者毎に求める。次に、調査対象者毎のコンテンツ配信サービスの総利用時間から、調査対象者によるコンテンツ配信サービスの平均利用時間を算出する。平均利用時間は、調査対象者一人当たりのコンテンツ配信サービスの平均的な利用時間(換言すると、配信コンテンツの平均視聴時間)に相当し、母集団中の各人による平均的な利用時間に相当する。
【0045】
そして、上記の平均利用時間と、母集団の人数である日本の人口を乗じることで得られる値(積)が、母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間として推定される。
【0046】
なお、各調査対象者のコンテンツ配信サービスの総利用時間、及び、調査対象者一人当たりのコンテンツ配信サービスの平均利用時間は、単位期間における利用時間として算出されてもよい。この場合には、トータル利用時間についても、単位期間での利用時間として推定されることになる。
ここで、単位期間は、任意に決めることができ、例えば、1時間~数時間、1日~数日、1週間~数週間、1カ月~数カ月、あるいは1年~数年のいずれかに設定されるとよい。
【0047】
また、トータル利用時間は、地域を限定して推定されてもよい。すなわち、トータル利用時間として、母集団がコンテンツ配信サービス(詳しくは、同サービスによる配信コンテンツ)を対象地域にて利用した場合のトータル利用時間を推定してもよい。対象地域とは、母集団が存在するエリア(具体的には、日本)における一部の地域であり、対象コンテンツの捕捉率を算出する際に指定される地域である。
以上のように対象地域に限定してトータル利用時間を推定する場合には、複数の調査対象者から視聴測定情報(第1利用情報)を取得する際に、各調査対象者が配信コンテンツを視聴(利用)した地域と対応付けて視聴測定情報を取得することになる。
【0048】
また、トータル利用時間は、期間を限定して推定されてもよい。すなわち、トータル利用時間として、コンテンツ配信サービス(詳しくは、同サービスによる配信コンテンツ)についての、対象期間における母集団によるトータル利用時間を推定してもよい。対象期間とは、例えば、対象コンテンツの捕捉率を算出する際に指定される日時又は期間である。
以上のように対象期間に限定してトータル利用時間を推定する場合には、複数の調査対象者による、対象期間における配信コンテンツの視聴に関する情報(第1利用情報)を取得し、具体的には、複数の調査対象者の各々から、対象期間における視聴測定情報を取得することになる。
【0049】
また、トータル利用時間として、母集団が配信コンテンツを特定の種類の端末によって視聴(利用)した場合のトータル利用時間を推定してもよい。特定の種類の端末とは、配信コンテンツの視聴に使用可能な端末であって、指定された種類の端末、例えば、対象コンテンツの捕捉率を算出する際に指定される端末の種類(具体的には、テレビ受信機又はスマートフォン等)である。
以上のように配信コンテンツを特定の種類の端末によって視聴した場合のトータル利用時間を推定する場合には、複数の調査対象者から視聴測定情報(第1利用情報)を取得する際に、各調査対象者が配信コンテンツを視聴(利用)した時に使用された端末の種類と対応付けて視聴測定情報を取得することになる。
【0050】
また、トータル利用時間としては、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群による、コンテンツ配信サービス(詳しくは、同サービスによる配信コンテンツ)のトータル利用時間を推定してもよい。指定された属性とは、配信コンテンツの利用者(視聴者)に対して指定された属性、例えば、対象コンテンツの捕捉率を算出する際に指定される属性である。
以上のように指定された属性を有する利用者群のトータル利用時間を推定する場合には、複数の調査対象者から視聴測定情報(第1利用情報)を取得する際に、各調査対象者の属性と対応付けて視聴測定情報を取得することになる。
【0051】
(コンテンツ利用ログ)
コンテンツ利用ログは、コンテンツ配信サービスによる配信コンテンツの利用(詳しくは、視聴)に関する情報であり、具体的には、利用履歴等を示すログ情報である。そして、コンテンツ利用ログのうち、対象コンテンツである国内コンテンツの視聴(利用)に関するコンテンツ利用ログは、本発明の第2利用情報に相当する。
【0052】
国内コンテンツのコンテンツ利用ログは、日本国内のサーバによって生成され、日本国内にて取得可能である。具体的に説明すると、対象コンテンツは、
図3に示すように、日本国内のサーバであるコンテンツ配信サーバ40を経由して配信される。コンテンツ配信サーバ40は、利用者の端末50に向けて配信コンテンツを配信すると、これと連動して、当該利用者の端末50から各種の情報を取得してコンテンツ利用ログを生成する。生成されたコンテンツ利用ログは、所定の送信先(詳しくは、後述のコンテンツログサーバ)に向けて送信される。
【0053】
なお、以下の説明では、対象コンテンツではない外国コンテンツについては、海外のサーバを経由して配信される事情から、コンテンツ利用ログを日本国内で取得できない(換言すると、その利用状況が捕捉できない)ことを前提とする。ただし、必ずしも、そのようなケースには限定されず、つまり、外国コンテンツについても、その利用ログを日本国内で取得できてもよい。
【0054】
コンテンツ利用ログは、
図4に示すように、利用者に配信された配信コンテンツのタイトル、識別ID、及び所要視聴時間(コンテンツの開始時点から終了時点までの所要再生時間)、視聴割合、視聴日時、並びに配信コンテンツの提供元(事業者)の識別IDを含む。視聴割合は、配信コンテンツの所要視聴時間に対する、利用者が実際に配信コンテンツを視聴した実績視聴時間の割合であり、0~1の範囲で表される。なお、配信コンテンツの所要視聴時間は、当該配信コンテンツの利用に要する所要時間に相当する。
【0055】
また、コンテンツ利用ログには、
図4に示すように、配信コンテンツの視聴に用いられた端末の種類の情報、配信コンテンツを視聴した利用者の所在地に関する情報、及び、配信コンテンツを視聴した利用者の属性に関する情報が含まれてもよい。これらの情報は、コンテンツ配信サーバ40がコンテンツ利用ログを生成する際に、配信コンテンツの利用者の端末50と通信し、端末50から取得してコンテンツ利用ログに組み込まれてもよい。あるいは、コンテンツ配信サービスの利用者に関する情報として、コンテンツ視聴用の端末の種類、利用者の所在地、及びコンテンツ利用者の属性が、予めコンテンツ配信サーバ40に登録されており、コンテンツ利用ログの生成時に、これらの登録情報が読み出されてコンテンツ利用ログに組み込まれてもよい。
【0056】
なお、コンテンツ利用ログに含まれるコンテンツ利用者の属性に関する情報としては、利用者の性別、年齢、家族構成、性格、行動パターン、及び好きなコンテンツのジャンル、及びコンテンツの視聴頻度等が挙げられる。
【0057】
(対象コンテンツの合計視聴時間の特定手順)
対象コンテンツの合計視聴時間を特定するには、
図3に示すように、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得し、全利用者による対象コンテンツの視聴時間を合算する。ここで、対象コンテンツの全利用者による対象コンテンツの合計視聴時間は、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間に相当する。対象コンテンツの合計視聴時間は、
図3に示すように、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)に基づいて特定される。
【0058】
具体的には、先ず、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログに基づき、対象コンテンツについて、視聴回数及び視聴割合を集計する。ここで、視聴回数は、日本国内(すなわち、母集団)での視聴回数を示しており、視聴割合は、日本国内の利用者が視聴した場合の視聴割合を示している。
【0059】
そして、対象コンテンツの視聴回数、所要視聴時間及び視聴割合を乗じ、その積を対象コンテンツの合計視聴時間として特定する。また、対象コンテンツが2以上の配信コンテンツである場合には、以下の式(1)により、対象コンテンツの合計視聴時間を特定することができる。
対象コンテンツの合計視聴時間
=Σ(配信コンテンツiの所要視聴時間×視聴回数×視聴割合) (1)
i=1~x x:対象コンテンツに含まれる配信コンテンツの数
【0060】
ここで、視聴回数は、視聴割合に応じて変化し、
図5に示すような分布を示す。
図5は、対象コンテンツの視聴割合と視聴回数との関係についての一例を示しており、具体的には、視聴割合に対して複数の区分を設定し、各視聴回をいずれかの区分に分類した際の各区分の度数を示している。
以上の分布を考慮して、上記の式(1)により対象コンテンツの合計視聴時間を特定する際には、視聴割合×視聴回数の値として、
図5に示す分布の積分値(図中の斜線部分の面積)を採用するとよい。
【0061】
なお、対象コンテンツの合計視聴時間は、前述のトータル利用時間と同様、単位期間における合計視聴時間として特定してもよい。この場合の単位期間は、任意に決めることができ、例えば、1時間~数時間、1日~数日、1週間~数週間、1カ月~数カ月、あるいは1年~数年のいずれかに設定するとよい。
【0062】
また、対象コンテンツの合計視聴時間は、地域を限定して特定されてもよい。すなわち、対象コンテンツの合計視聴時間として、母集団による対象地域での対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。この場合、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得する際に、対象地域での対象コンテンツの視聴に関する情報、具体的には、対象地域で対象コンテンツを視聴した際のコンテンツ利用ログを取得することになる。
【0063】
また、対象コンテンツの合計視聴時間は、期間を限定して特定されてもよい。すなわち、対象コンテンツの合計視聴時間として、母集団による対象期間における対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。この場合、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得する際に、対象期間における対象コンテンツの視聴に関する情報、具体的には、対象期間中に対象コンテンツを視聴した際のコンテンツ利用ログを取得することになる。
【0064】
また、対象コンテンツの合計視聴時間としては、母集団が対象コンテンツを特定の種類の端末によって視聴した対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。この場合、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得する際に、各利用者が対象コンテンツを視聴した時に使用された端末の種類と対応付けてコンテンツ利用ログを取得することになる。
【0065】
また、対象コンテンツの合計視聴時間としては、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群による、対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。この場合、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得する際に、各利用者の属性と対応付けてコンテンツ利用ログを取得することになる。取得されるコンテンツ利用ログには、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの利用に関する情報、具体的には、当該利用者群による対象コンテンツのコンテンツ利用ログが含まれ得る。
【0066】
(対象コンテンツの捕捉率の算出手順)
対象コンテンツの捕捉率は、前述したように、母集団によるコンテンツ配信サービス(詳しくは、配信コンテンツ)のトータル利用時間に対する、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間の割合として算出される。例えば、トータル利用時間が10億分であり、対象コンテンツの合計視聴時間が7億分である場合には、対象コンテンツの捕捉率が70%(=7億/10億×100)となる。
【0067】
なお、トータル利用時間、及び、対象コンテンツの合計視聴時間の双方が、同じ単位期間における視聴時間である場合、対象コンテンツの捕捉率は、その単位期間での値として算出されることになる。
【0068】
また、トータル利用時間、及び、対象コンテンツの合計視聴時間の双方を、地域を限定して求めた場合には、対象コンテンツの捕捉率についても地域を限定して算出することになる。つまり、母集団がコンテンツ配信サービスを対象地域にて利用したトータル利用時間と、母集団による対象地域での対象コンテンツの合計視聴時間とに基づき、対象地域における対象コンテンツの捕捉率を算出することができる。また、対象地域を複数設定し、地域毎に捕捉率を算出することで、各地域を互いに比較対象として、捕捉率の推移や対象コンテンツのコンテンツ利用ログの取得状況の評価を行うことができる。
【0069】
また、トータル利用時間、及び、対象コンテンツの合計視聴時間の双方を、期間を限定して求めた場合、対象コンテンツの捕捉率についても、期間を限定して算出することになる。つまり、母集団によるコンテンツ配信サービスの対象期間におけるトータル利用時間と、母集団による対象期間における対象コンテンツの合計視聴時間とに基づいて、対象期間における対象コンテンツの捕捉率を算出することができる。また、対象期間を複数設定し、期間毎に捕捉率を算出することで、各期間を互いに比較対象として、捕捉率の推移や対象コンテンツのコンテンツ利用ログの取得状況の評価を行うことができる。
【0070】
また、母集団が配信コンテンツを特定の種類の端末によって利用(視聴)したトータル利用時間を推定し、且つ、母集団が対象コンテンツを当該特定の種類の端末によって視聴した対象コンテンツの合計視聴時間を特定したとする。この場合、上記のトータル利用時間及び合計視聴時間に基づき、特定の種類の端末について、対象コンテンツの捕捉率を算出することができる。また、特定の種類の端末を複数種類設定し、端末の種類毎に捕捉率を算出することで、各端末の種類を互いに比較対象として、捕捉率の推移や対象コンテンツのコンテンツ利用ログの取得状況の評価を行うことができる。
【0071】
また、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定し、且つ、当該利用者群による、対象コンテンツの合計視聴時間を特定したとする。この場合、上記のトータル利用時間及び合計視聴時間に基づき、指定された属性を有する利用者群について、対象コンテンツの捕捉率を算出することができる。また、利用者群の属性を複数設定し、属性毎に捕捉率を算出することで、各属性を互いに比較対象として、捕捉率の推移や対象コンテンツのコンテンツ利用ログの取得状況の評価を行うことができる。
【0072】
<<指定コンテンツの視聴度合いの演算手順について>>
本実施形態では、前述したように、指定コンテンツの視聴度合いとして、一人当たりの指定コンテンツの平均視聴時間、厳密には、母集団中の各人による指定コンテンツの平均視聴時間を演算することができる。なお、以下では、一人当たりの指定コンテンツの平均視聴時間を、単に「指定コンテンツの平均視聴時間」と呼ぶこととする。
【0073】
指定コンテンツの平均視聴時間を算出する場合には、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間(合計利用時間)を特定することになる。母集団による指定コンテンツの合計視聴時間は、指定コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログを取得し、取得したコンテンツ利用ログに基づいて特定することができる。指定コンテンツの合計視聴時間を特定する手順については、対象コンテンツの合計視聴時間を特定する手順と略同様であるため、説明を省略することとする。
【0074】
なお、指定コンテンツの合計視聴時間は、対象コンテンツの合計視聴時間と同様、単位期間における合計視聴時間として特定してもよい。この場合、指定コンテンツの平均視聴時間についても、単位期間における視聴期間として演算されることになる。
【0075】
そして、指定コンテンツの平均視聴時間は、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間と、対象コンテンツの捕捉率と、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間とに基づいて演算される。演算手順について説明すると、先ず、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間に対する、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間の比率(以下、視聴時間シェア率)を求める。例えば、対象コンテンツの合計視聴時間が7億分であり、指定コンテンツの合計視聴時間が100万分である場合、視聴時間シェア率は、0.14%(=100万/7億×100)となる。
【0076】
一方、対象コンテンツの捕捉率を算出する工程のうち、コンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定する過程で、調査対象者一人当たりのコンテンツ配信サービスの平均利用時間、換言すると、各調査対象者による配信コンテンツの平均視聴時間が算出される。そして、調査対象者によるコンテンツ配信サービスの平均利用時間(すなわち、配信コンテンツの平均視聴時間)をTaとし、対象コンテンツの捕捉率をRgとし、視聴時間シェア率をSwとした場合に、指定コンテンツの平均視聴時間Tfは、以下の式(2)により演算される。
Tf=Ta×Rg×Sw (2)
【0077】
以上の手順によれば、指定コンテンツの平均視聴時間を適切に且つ簡便に演算することができ、その結果、指定コンテンツの平均視聴時間として妥当な値が得られる。より詳しく説明すると、調査対象者によるコンテンツ配信サービスの平均利用時間Ta、対象コンテンツの捕捉率Rg、及び、視聴時間シェア率Swの各値は、視聴測定情報及びコンテンツ利用ログに基づき、上述した手順によって精度よく求めることができる。したがって、上記3つの値を乗じることで得られる指定コンテンツの平均視聴時間Tfについても、比較的高い精度で演算されることになる。
【0078】
また、指定コンテンツの平均視聴時間は、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間を、母集団の人数(すなわち、日本の人口)で除することで求められる。しかしながら、指定コンテンツの合計視聴時間、及び、母集団の人数は、その調査時期に応じて変動し得る。したがって、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間を母集団の人数で単に除する方法では、指定コンテンツの平均視聴時間の演算結果がばらつく可能性がある。
これに対して、本実施形態では、視聴測定情報に基づく統計値である平均視聴時間Taと、割合である捕捉率Rgと、比率である視聴時間シェア率Swとを乗じて、指定コンテンツの平均視聴時間を演算する。ここで、上記3つの値Ta、Rg、Swについては、その計算時期の違いによる変動が比較的小さい。したがって、上記3つの値を用いて指定コンテンツの平均視聴時間を演算すれば、演算時期の違いによって演算結果がばらつくのを抑えることができる。また、毎回の演算で、母集団の人数で除するような桁が大きい計算を実施しなくとも、指定コンテンツの平均視聴時間を演算することができるメリットがある。
【0079】
<<本実施形態に係る情報処理システムの構成>>
本実施形態に係る情報処理システム(以下、情報処理システム100)について、
図6を参照しながら説明することとする。
情報処理システム100は、対象コンテンツの捕捉率を算出し、且つ、指定コンテンツの平均視聴時間を演算するために構築されたシステムである。情報処理システム100は、
図6に示すように、測定サーバ10、コンテンツログサーバ20、集計サーバ30、コンテンツ配信サーバ40、及びコンテンツ利用者の端末50によって構成されている。これらの機器は、通信用ネットワークNを介して互いに通信可能な状態で接続されている。
【0080】
測定サーバ10は、コンテンツ利用者である調査対象者が配信コンテンツを視聴した場合に、その調査対象者の端末50から送信される視聴測定情報を受信する。そして、測定サーバ10は、複数の調査対象者の各々の端末50から視聴測定情報を受信することにより、複数の調査対象者によるコンテンツ配信サービスの利用に関する情報(第1利用情報)を取得する。また、測定サーバ10は、複数の調査対象者の各々から取得した視聴測定情報、すなわち第1利用情報を、集計サーバ30に向けて送信する。
【0081】
コンテンツログサーバ20は、コンテンツ配信サービスの利用者に向けて配信コンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ40と通信して、コンテンツ利用ログを取得する。具体的に説明すると、コンテンツ配信サーバ40は、コンテンツ利用者が端末50にてコンテンツ配信の配信要求を行った場合に、その要求に応じて配信コンテンツをコンテンツ利用者に対して配信する。また、コンテンツ配信サーバ40は、配信コンテンツの配信に付随してコンテンツ利用ログを生成して送信し、コンテンツログサーバ20は、コンテンツ配信サーバ40から送信されるコンテンツ利用ログを受信する。
【0082】
コンテンツログサーバ20は、各配信コンテンツについて、その配信コンテンツの利用者すべてのコンテンツ利用ログを受信する。ここで、コンテンツ利用ログの送受信が行われる配信コンテンツの中には、対象コンテンツが含まれ得る。この場合、コンテンツログサーバ20は、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログを受信し、この結果、対象コンテンツの視聴に関する情報(第2利用情報)を取得する。また、コンテンツログサーバ20は、対象コンテンツの全利用者分のコンテンツ利用ログ、すなわち、第2利用情報を集計サーバ30に向けて送信する。
【0083】
集計サーバ30は、測定サーバ10から送信される第1利用情報と、コンテンツログサーバ20から送信される第2利用情報と、を受信し、これらの情報を集計及び解析する処理を実行する。集計サーバ30が実行する処理には、トータル利用時間を推定する処理、対象コンテンツの合計視聴時間を特定する処理、対象コンテンツの捕捉率を算出する処理、指定コンテンツの平均視聴時間を演算する処理、及び、これらに関連する処理が含まれる。
【0084】
測定サーバ10、コンテンツログサーバ20、集計サーバ30、及びコンテンツ配信サーバ40の各々は、コンピュータの一例に相当し、具体的には汎用的なサーバコンピュータである。すなわち、各サーバは、
図6に示すように、CPU等からなるプロセッサ10a、20a、30a、40aと、ROM及びRAM等からなるメモリ10b、20b、30b、40bと、を有する。また、各サーバは、通信用インタフェース10c、20c、30c、40cを通じて互いに通信可能であり、記憶装置としてのストレージ10d、20d、30d、40dに各種の情報を保存及び蓄積する。
【0085】
また、各サーバには、各サーバが担う機能を発揮させるためのプログラム(以下、情報処理プログラム)がインストールされている。各サーバにおいてプロセッサ10a、20a、30a、40aが情報処理プログラムを実行することにより、各サーバは、当該各サーバと対応する処理を実行する。
【0086】
情報処理システム100の構成について、対象コンテンツの捕捉率の算出、及び指定コンテンツの平均視聴時間の演算に関する機能の面から改めて説明する。情報処理システム100は、
図7に示すように、第1取得部101、推定部102、第2取得部103、特定部104、算出部105、演算部106、第3取得部107、及び出力部108を有する。上記の各機能部は、当該機能部と対応するサーバコンピュータが有するハードウェア機器と、そのコンピュータにインストールされた情報処理プログラムとが協働することで実現される。
以下、それぞれの機能部について説明する。
【0087】
(第1取得部)
第1取得部101は、測定サーバ10によって構成され、複数の調査対象者の各々の視聴測定情報、すなわち、複数の調査対象者によるコンテンツ配信サービスの利用(詳しくは、配信コンテンツの視聴)に関する第1利用情報を取得し、取得した第1利用情報を集計サーバ30に向けて送信する。
なお、視聴測定情報の取得タイミングは、特に限定されず、各調査対象者の端末50が視聴測定情報を生成する度に、その視聴測定情報が測定サーバ10に送信されて、第1取得部101により受信されてもよい。あるいは、一定期間(例えば、1日又は数日)毎に、その期間内に生成された視聴測定情報を一括して取得できるようにしてもよい。
【0088】
また、本実施形態において、第1取得部101は、調査対象者が配信コンテンツを視聴した地域(すなわち、コンテンツ配信サービスを利用した地域)と対応付けて、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)を取得してもよい。具体的には、第1取得部101が取得する視聴測定情報には、その配信コンテンツを視聴した調査対象者の所在地に関する情報が含まれてもよい(
図2参照)。
【0089】
また、第1取得部101は、調査対象者が配信コンテンツを視聴した期間(すなわち、コンテンツ配信サービスの利用期間)と対応付けて、各調査対象者の視聴測定情報を取得してもよい。具体的には、第1取得部101が取得する視聴測定情報には、その配信コンテンツを調査対象者が視聴した日時に関する情報が含まれてもよい(
図2参照)。
【0090】
また、第1取得部101は、配信コンテンツの視聴時(すなわち、コンテンツ配信サービスの利用時)に使用された端末50の種類と対応付けて、各調査対象者の視聴測定情報(換言すると、第1利用情報)を取得してもよい。つまり、第1取得部101が取得する視聴測定情報には、その配信コンテンツの視聴に使用された端末50の種類の情報が含まれてもよい(
図2参照)。
【0091】
また、第1取得部101は、複数の調査対象者のそれぞれの属性と対応付けて、各調査対象者の視聴測定情報、すなわち第1利用情報を取得してもよい。つまり、第1取得部101が取得する視聴測定情報には、その配信コンテンツを視聴した調査対象者の属性に関する情報が組み込まれてもよい(
図2参照)。
【0092】
(推定部)
推定部102は、集計サーバ30によって構成され、第1取得部101により取得された第1利用情報、すなわち、複数の調査対象者の各々の視聴測定情報に基づき、母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定する。推定部102による、トータル利用時間の推定手順については、前述した通りである。
【0093】
また、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)が、配信コンテンツの視聴地域と対応付けて取得された場合、推定部102は、対象地域と対応付けられた視聴測定情報に基づき、母集団がコンテンツ配信サービスを対象地域にて利用したトータル利用時間を推定してもよい。
また、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)が、配信コンテンツの視聴期間と対応付けて取得された場合、推定部102は、対象期間と対応付けられた視聴測定情報に基づき、母集団によるコンテンツ配信サービスの対象期間におけるトータル利用時間を推定してもよい。
【0094】
また、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)は、配信コンテンツの視聴時に使用された端末の種類と対応付けて取得される場合がある。この場合、推定部102は、特定の種類の端末と対応付けられた視聴測定情報に基づき、母集団がコンテンツ配信サービスを特定の種類の端末によって利用したトータル利用時間を推定してもよい。
【0095】
また、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)は、各調査対象者の属性と対応付けて取得される場合がある。この場合、推定部102は、指定された属性を有する調査対象者の視聴測定情報に基づき、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群による、コンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定してもよい。
【0096】
また、本実施形態において、推定部102は、各調査対象者の視聴測定情報(第1利用情報)に基づき、調査対象者一人当たりのコンテンツ配信サービスの平均利用時間、すなわち配信コンテンツの平均視聴時間Taを算出することができる。
【0097】
(第2取得部)
第2取得部103は、コンテンツログサーバ20により構成され、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログ、すなわち、対象コンテンツの視聴に関する第2利用情報を取得し、取得した第2利用情報を集計サーバ30に向けて送信する。
なお、コンテンツ利用ログの取得タイミングについては、特に限定されず、コンテンツ配信サーバ40がコンテンツ利用ログを生成する度に、そのコンテンツ利用ログがコンテンツログサーバ20に送信されて、第2取得部103によって受信されてもよい。あるいは、一定期間(例えば、1日又は数日)毎に、その期間内に生成されたコンテンツ利用ログを一括して取得できるようにしてもよい。
【0098】
また、本実施形態において、第2取得部103は、地域を限定して、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログを取得してもよく、つまり、対象地域での対象コンテンツの視聴に関する第2利用情報を取得してもよい。
また、第2取得部103は、期間を限定して、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログを取得してもよく、つまり、対象期間における対象コンテンツの視聴に関する第2利用情報を取得してもよい。
【0099】
また、第2取得部103は、対象コンテンツの視聴時に使用された端末の種類を限定して、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログを取得してもよく、つまり、特定の種類の端末を使用した対象コンテンツの視聴に関する第2利用情報を取得してもよい。
また、第2取得部103は、対象コンテンツの利用者の属性を限定して、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログを取得してもよく、つまり、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの視聴に関する第2利用情報を取得してもよい。
【0100】
(特定部)
特定部104は、集計サーバ30によって構成され、第2取得部103により取得された第2利用情報、すなわち、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログに基づき、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間を特定する。特定部104による、対象コンテンツの合計視聴時間の特定手順については、前述した通りである。
【0101】
また、第2取得部103が、対象地域での対象コンテンツの視聴に関するコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得した場合、特定部104は、取得したコンテンツ利用ログに基づき、母集団による当該対象地域での対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。
また、第2取得部103が、対象期間における対象コンテンツの視聴に関するコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得した場合、特定部104は、取得したコンテンツ利用ログに基づき、母集団による当該対象期間における対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。
【0102】
また、第2取得部103が、特定の種類の端末を使用した対象コンテンツの視聴に関するコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得した場合、特定部104は、取得したコンテンツ利用ログに基づき、母集団が対象コンテンツを特定の種類の端末によって視聴した合計視聴時間を特定してもよい。
また、第2取得部103が、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの視聴に関するコンテンツ利用ログ(第2利用情報)を取得した場合、特定部104は、取得したコンテンツ利用ログに基づき、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの合計視聴時間を特定してもよい。
【0103】
また、本実施形態において、特定部104は、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログ(すなわち、第2利用情報)に基づき、対象コンテンツのうちの指定コンテンツについて、母集団による合計視聴時間を特定することができる。
【0104】
(算出部)
算出部105は、推定部102により推定された母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間と、特定部104により特定された母集団による対象コンテンツの合計視聴時間と、に基づき、対象コンテンツの捕捉率を算出する。対象コンテンツの捕捉率の算出手順については、前述した通りである。
【0105】
また、前述したように、推定部102は、母集団がコンテンツ利用サービスを対象地域にて視聴したトータル利用時間を推定することができ、特定部104は、母集団による対象地域での対象コンテンツの合計視聴時間を特定することができる。この場合、算出部105は、対象地域における対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。例えば、日本の特定の地域(具体的には、関東地域又は関西地域等)における対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。
【0106】
また、前述したように、推定部102は、母集団によるコンテンツ配信サービスの、対象期間におけるトータル利用時間を推定することができ、特定部104は、母集団による対象期間における対象コンテンツの合計視聴時間を特定することができる。この場合、算出部105は、対象期間における対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。例えば、所定の時期(具体的には、2023年4月等)における対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。
【0107】
また、前述したように、推定部102は、母集団がコンテンツ配信サービスを特定の種類の端末によって利用したトータル利用時間を推定することができ、特定部104は、母集団が対象コンテンツを特定の種類の端末によって視聴した合計視聴時間を特定することができる。この場合、算出部105は、特定の種類の端末を使用して視聴する場合の対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。例えば、特定のデバイス(具体的には、テレビ等)によって対象コンテンツを視聴する場合の当該対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。
【0108】
また、前述したように、推定部102は、母集団のうち、指定された属性を有する利用者群による、コンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定することができ、特定部104は、指定された属性を有する利用者群による対象コンテンツの合計視聴時間を特定することができる。この場合、算出部105は、指定された属性を有する利用者群について、対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。例えば、指定された性別及び年齢に該当する利用者群について、対象コンテンツの捕捉率を算出してもよい。
【0109】
(演算部)
演算部106は、集計サーバ30によって構成され、対象コンテンツのうちの指定コンテンツについて、母集団中の各人による平均視聴時間(利用度合い)を演算する。指定コンテンツの平均視聴時間は、前述した式(2)に示すように、調査対象者による配信コンテンツの平均視聴時間(コンテンツ配信サービスの平均利用時間)Taと、対象コンテンツの捕捉率Rgと、視聴時間シェア率Swとを乗じることで得られる。平均視聴時間Taは、推定部102により推定され、捕捉率Rgは、算出部105により算出される。視聴時間シェア率Swは、演算部106により、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間と、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間と、に基づいて求められる。
【0110】
また、本実施形態では、演算部106による指定コンテンツの平均視聴時間の演算が段階的に実施される。具体的に説明すると、先ず、演算部106は、算出部105により算出された捕捉率Rgが閾値以上であるか否かを判定する。閾値は、捕捉率Rgに対する妥当性を担保する上で適切な値に設定される。つまり、捕捉率Rgが閾値以上であることは、総配信コンテンツの大部分を対象コンテンツが占めており、総配信コンテンツの大部分について視聴状況を捕捉できていることを意味する。反対に、捕捉率Rgが閾値未満であることは、総配信コンテンツのうち、視聴状況を捕捉できたコンテンツの量が十分ではないことを意味する。
【0111】
本実施形態では、以上の点を加味して、捕捉率Rgが閾値以上であること、すなわち、捕捉率Rgが妥当な値であることを条件として、指定コンテンツの平均視聴時間の演算を実施する。つまり、演算部106は、捕捉率Rgが閾値以上である場合に限り、指定コンテンツの平均視聴時間を演算し、捕捉率Rgが閾値未満である場合には、指定コンテンツの平均視聴時間を演算しない。これにより、本実施形態では、指定コンテンツの平均視聴時間について適切な演算結果が得られる。
【0112】
また、演算部106は、調査対象者による配信コンテンツの平均視聴時間Taと、捕捉率Rgとの積、すなわちTa×Rgを求める。この積Ta×Rgは、後述する出力部108によって出力される。その後、演算部106は、上記の積Ta×Rgに対して視聴時間シェア率Swをさらに乗じることで、指定コンテンツの平均視聴時間を演算する。
【0113】
(第3取得部)
第3取得部107は、例えば、集計サーバ30によって構成され、端末使用情報を取得する。端末使用情報とは、母集団中の各人による端末の平均使用時間に関する情報である。ここで、端末とは、動画コンテンツの視聴(つまり、コンテンツの利用)に用いられる端末であり、例えば、テレビ受信機又はスマートフォン等の通信端末である。端末の平均使用時間は、端末がテレビ受信機である場合には、テレビ受信機にてテレビ番組(テレビCMを含む)を視聴する平均視聴時間である。この平均視聴時間は、テレビ番組の視聴時間のみでもよく、テレビ番組の視聴時間に、テレビ受信機にて動画コンテンツ(Webコンテンツ)を視聴した時間を加えた視聴時間としてもよい。
【0114】
なお、端末の平均使用時間は、単位期間における平均使用時間とし、その単位期間は、指定コンテンツの平均視聴時間の演算に用いられる単位期間と同一の期間である。
【0115】
また、端末使用情報の取得元(入手源)については、特に限定されないが、例えば、調査会社が実施するアンケート調査において端末(例えば、テレビ受信機)の平均使用時間を各モニタに質問し、各モニタの回答内容を示す調査結果を、端末使用情報として取得してもよい。あるいは、各家庭のテレビ受信機等がテレビ番組の視聴時間に応じて生成するデバイスログをテレビ受信機から受信し、あるいはテレビ局経由で受信し、収集されたデバイスログを解析することで端末使用情報を取得してもよい。
【0116】
(出力部)
出力部108は、第3取得部107により取得された端末使用情報が示す端末の平均使用時間と、演算部106により求められた積Ta×Rgとを、ユーザに対して出力する。ユーザは、情報処理システム100のユーザであり、例えば、情報処理システム100により算出される対象コンテンツの捕捉率Rg及び指定コンテンツの平均視聴時間Tfを事業等に活用する者である。出力部108は、例えば、端末使用情報が示す端末の平均使用時間と、積Ta×Rgとを、ユーザ側に設けられたディスプレイ(不図示)に表示させる。
【0117】
ユーザは、出力部108により出力された端末の平均使用時間と、積Ta×Rgとを確認し、例えば、両値を比較することができる。より詳しく説明すると、積Ta×Rgは、対象コンテンツの平均視聴時間に相当する値である。したがって、ユーザは、端末の平均使用時間と、対象コンテンツの平均視聴時間とを対比することができ、上記2つの平均視聴時間について、規模の違いを把握することができる。また、端末を動画コンテンツの視聴に用いる場合には、端末の使用時間に対する、対象コンテンツの視聴時間の影響度や重要度を評価することができる。例えば、端末の平均使用時間が4時間であり、対象コンテンツの平均視聴時間が10分である場合、対象コンテンツの視聴は、端末の使用に対して然程影響を及ぼさないと評価することができる。
【0118】
<<本実施形態に係る情報処理方法について>>
次に、本実施形態の情報処理システム100によって実行される情報処理の流れ(以下、情報処理フロー)について説明する。情報処理フローでは、本発明の情報処理方法が採用されている。すなわち、以下の説明には、本発明の情報処理方法についての説明が含まれており、また、情報処理フロー中の各ステップは、本発明の情報処理方法の構成要素に相当する。
なお、以下に説明する情報処理フローは、あくまでも一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、ステップの実施順序を入れ替えてもよい。
【0119】
本実施形態に係る情報処理フローは、主として、対象コンテンツの捕捉率を算出するフロー(以下、捕捉率算出フロー)と、指定コンテンツの平均視聴時間を演算する(以下、視聴時間演算フロー)とに分けられる。
以下、それぞれのフローについて説明する。
【0120】
(捕捉率算出フロー)
捕捉率算出フローは、
図8に示す流れに従って進行する。具体的に説明すると、捕捉率算出フローでは、先ず、測定サーバ10が、複数の調査対象者の各々の端末50から視聴測定情報を受信する工程を実施する(S001)。この工程は、複数の調査対象者によるコンテンツ配信サービス(詳しくは、同サービスによる配信コンテンツ)の利用に関する第1利用情報を取得する工程に相当する。また、測定サーバ10は、複数の調査対象者の各々の視聴測定情報、すなわち第1利用情報を集計サーバ30に向けて送信する(S002)。
【0121】
集計サーバ30は、複数の調査対象者の各々の視聴測定情報を受信すると(S003)、受信した視聴測定情報に基づいて、母集団によるコンテンツ配信サービスのトータル利用時間を推定する工程を実施する(S004)。
【0122】
他方、コンテンツログサーバ20が、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログを、コンテンツ配信サーバ40から取得する工程を実施する(S005)。この工程は、対象コンテンツの利用に関する第2利用情報を取得する工程に相当する。そして、コンテンツログサーバ20は、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログを集計サーバ30に向けて送信する(S006)。
【0123】
集計サーバ30は、対象コンテンツの全利用者のコンテンツ利用ログを受信すると(S007)、受信したコンテンツ利用ログに基づいて、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間を特定する工程を実施する(S008)。
【0124】
その後、集計サーバ30は、ステップS004にて推定されたトータル利用時間と、ステップS008にて特定された対象コンテンツの合計視聴時間とを用いて、対象コンテンツの捕捉率を算出する工程を実施する(S009)。具体的には、トータル利用時間に対する対象コンテンツの合計視聴時間の割合を、捕捉率として算出する。
なお、捕捉率の算出結果は、適宜出力されてユーザに提示されてもよい。
【0125】
そして、上記の一連のステップが終了すると、捕捉率算出フローが終了する。
以上までに説明してきたように、本実施形態では、対象コンテンツの視聴状況を捕捉率として数値化することにより、定量的に把握することができる。
【0126】
また、総配信コンテンツに含まれる全ての配信コンテンツについて視聴状況を把握しようとすると、情報処理の負荷が大きいために手間が掛かり、また、取得される情報量も膨大となる。これに対して、本実施形態では、注目する配信コンテンツについて、視聴状況を効率的に把握することができる。具体的には、母集団が総配信コンテンツ及び対象コンテンツのそれぞれの視聴に消費している時間について、情報を効率的に収集し、その情報に基づいて捕捉率を算出することで、総配信コンテンツのうち、対象コンテンツがどの程度視聴されているのかを適切に且つ比較的簡単に確認することができる。
【0127】
(視聴時間演算フロー)
視聴時間演算フローは、
図9に示す流れに従って進行し、フロー中の各ステップは、集計サーバ30によって実施される。視聴時間演算フローは、通常、捕捉率算出フローの終了後に実施される。視聴時間演算フローでは、先ず、捕捉率算出フローにて算出された対象コンテンツの捕捉率Rgが閾値以上であるか否かを判定する(S011)。捕捉率Rgが閾値以上である場合には、ステップS012以降に進み、捕捉率Rgが閾値未満である場合には、その時点でフローが終了する。
【0128】
次に、集計サーバ30は、調査対象者による配信コンテンツの平均視聴時間Taを算出する(S012)。この平均視聴時間Taは、調査対象者一人当たりのコンテンツ配信サービスの平均利用時間に相当し、捕捉率算出フローにおいてトータル利用時間を推定する過程で算出された値を流用してもよい。
【0129】
次に、集計サーバ30は、調査対象者による配信コンテンツの平均視聴時間Taと、捕捉率Rgとの積を算出する(S013)。積Ta×Rgの算出結果は、出力されてユーザに提示される(S014)。このとき、積Ta×Rgの算出結果とともに、事前に取得された端末使用情報が示す端末の平均使用時間(詳しくは、端末使用者一人当たりの、動画コンテンツの視聴に用いられる端末の使用時間)が出力される。これにより、ユーザは、端末の平均使用時間と、積Ta×Rgとを確認して両値を比較することができる。
【0130】
次に、集計サーバ30は、対象コンテンツの利用者のコンテンツ利用ログ(すなわち、第2利用情報)に基づいて、対象コンテンツのうちの指定コンテンツについて、母集団による合計視聴時間を特定する(S015)。その後、集計サーバ30は、母集団による対象コンテンツの合計視聴時間に対する、母集団による指定コンテンツの合計視聴時間の比率、すなわち、視聴時間シェア率Swを計算する(S016)。
【0131】
そして、集計サーバ30は、ステップS013で求めた積Ta×Rgと、ステップS016で計算した視聴時間シェア率Swとを乗じて、母集団による指定コンテンツの平均視聴時間Tfを演算する(S017)。
なお、指定コンテンツの平均視聴時間Tfの演算結果は、適宜出力されてユーザに提示されてもよい。
【0132】
そして、上記の一連のステップが終了すると、視聴時間演算フローが終了する。
以上までに説明してきたように、本実施形態では、対象コンテンツの捕捉率を活用して、指定コンテンツの平均視聴時間Tfを求めることができる。そして、本実施形態では、上記の手順により、指定コンテンツの平均視聴時間Tfを比較的高い精度で演算し、妥当な演算結果を得ることができる。これにより、対象コンテンツである国内コンテンツのうち、注目する1つ又は2つ以上の動画コンテンツについて、日本人(母集団の各人)がどの程度視聴しているのかを数値で把握することができる。
【0133】
<<その他の実施形態>>
以上までに本発明の具体的な実施形態について説明してきたが、上述の実施形態は、あくまでも一例に過ぎず、それ以外の実施形態も考えられ得る。
【0134】
上述の実施形態では、母集団を日本国民全体としたが、これに限定されず、世界の全人口を母集団としてもよい。あるいは、日本又は外国の一地域における在住者全体を母集団としてもよい。
【0135】
また、上述の実施形態では、対象コンテンツが国内コンテンツであるケースを例に挙げて説明したが、これに限定されず、例えば、コンテンツ配信サービスによる配信コンテンツのうち、人気が高く再生回数が多いコンテンツや、世間で注目されているコンテンツを対象コンテンツとしてもよい。
【0136】
また、上述の実施形態では、複数の調査対象者によるコンテンツ配信サービスの利用に関する第1利用情報として、各調査対象者の端末により生成されて当該端末から送信される視聴測定情報を取得することとした。ただし、第1利用情報の取得方法については、上述の方法以外の方法も考えられ得る。
例えば、複数の調査対象者に対してアンケート調査を実施し、そのアンケート調査において、コンテンツ配信サービスの利用に関する内容、具体的には、同サービスによる配信コンテンツの視聴の有無、視聴回数や頻度、及び各回の視聴時間等に関する内容を各調査対象者に質問してもよい。また、アンケート調査の中には、調査対象者の属性に関する質問が含まれてもよい。そして、アンケート調査における各調査対象者の回答内容をデータ化し、その回答内容を示すデータを複数の調査対象者のそれぞれについて取得する。このようにして得られた調査対象者の人数分のデータを、複数の調査対象者によるコンテンツ配信サービスの利用に関する第1利用情報として用いてもよい。
【0137】
また、上述の実施形態では、対象コンテンツの捕捉率を算出する機能、及び、指定コンテンツの視聴度合いを算出する機能が、情報処理システム100を構成する複数の装置(サーバコンピュータ)によって実現されることとした。ただし、これに限定されず、上記の一連の機能、具体的には、第1取得部101、推定部102、第2取得部103、特定部104、算出部105、演算部106、第3取得部107、及び出力部108のすべてが一つの装置、例えば一台のサーバコンピュータによって構成されてもよい。つまり、上述の情報処理システム100により発揮される機能が一つの装置によって実現されてもよい。そのような装置は、本発明の情報処理装置として機能することになる。
【符号の説明】
【0138】
10 測定サーバ
20 コンテンツログサーバ
30 集計サーバ
40 コンテンツ配信サーバ
10a、20a、30a、40a プロセッサ
10b、20b、30b、40b メモリ
10c、20c、30c、40c 通信用インタフェース
10d、20d、30d、40d ストレージ
50 端末
100 情報処理システム
101 第1取得部
102 推定部
103 第2取得部
104 特定部
105 算出部
106 演算部
107 第3取得部
108 出力部
N 通信用ネットワーク