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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142756
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】連結補助部材
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/18 20060101AFI20241003BHJP
   F16B 19/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B62D25/18 F
F16B19/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055067
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000135209
【氏名又は名称】株式会社ニフコ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】加藤 聖也
(72)【発明者】
【氏名】矢口 明宏
【テーマコード(参考)】
3D203
3J036
【Fターム(参考)】
3D203AA02
3D203BC02
3D203BC08
3D203BC23
3D203CB10
3D203CB13
3D203DA22
3J036AA01
3J036CA03
3J036DB06
(57)【要約】
【課題】バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる連結補助部材を提供する。
【解決手段】連結補助部材は、ホイールハウスの一部を構成するバンパーカバーと連結対象部材とを連結させるための部材である。連結補助部材は、バンパーカバーと連結補助部材とを固定するためのクリップ部材を装着可能である装着部と、クリップ部材を装着部から取り外し可能な解除状態にする固定解除部と、を備える。固定解除部は、操作方向に変位可能である操作部を有し、かつ、操作部の操作方向への操作に応じてクリップ部材を解除状態にする。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールハウスの一部を構成するバンパーカバーと連結対象部材とを連結させるための連結補助部材において、
前記バンパーカバーと前記連結補助部材とを固定するためのクリップ部材を装着可能である装着部と、
前記クリップ部材を前記装着部から取り外し可能な解除状態にする固定解除部と、を備え、
前記固定解除部は、操作方向に変位可能である操作部を有し、かつ、前記操作部の前記操作方向への操作に応じて前記クリップ部材を前記解除状態にする、
連結補助部材。
【請求項2】
請求項1に記載の連結補助部材において、
前記固定解除部は、当接部を有し、
前記当接部は、前記操作部の前記操作方向への操作に応じて第1位置から第2位置に変位可能であり、
前記第1位置は、前記クリップ部材に設けられた爪部を押圧せずに、前記クリップ部材を前記装着部から取り外し可能な解除位置に前記爪部を変位させない位置であり、
前記第2位置は、前記操作部の操作に応じて前記当接部が前記爪部を押圧することにより、前記解除位置に前記爪部を変位させる位置である、
連結補助部材。
【請求項3】
請求項2に記載の連結補助部材において、
前記操作部は、前記操作方向の反対方向に設けられ、
前記当接部は、前記操作方向に設けられる、
連結補助部材。
【請求項4】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の連結補助部材において、
突出部を備え、
前記操作部は、前記操作方向の反対方向に突出するように設けられ、
前記突出部は、前記操作部よりも前記操作方向と交差する交差方向において前記操作方向の反対方向に突出するように設けられる、
連結補助部材。
【請求項5】
請求項4に記載の連結補助部材において、
前記突出部は、前記操作部よりも前記操作方向の反対方向に突出するように設けられる、
連結補助部材。
【請求項6】
請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の連結補助部材において、
前記ホイールハウスの一部を構成するライナーを変位させたときに、前記ライナーと前記操作部との間に、前記操作部を前記操作方向に操作可能となる操作空間が設けられる、
連結補助部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連結補助部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、ホイールハウスの一部を構成するバンパーカバーが、クリップ部材により車両として固定される構造が開示されている。このような構造において、バンパーカバーは、連結補助部材を介してクリップ部材により車両として固定される。このようなバンパーカバー固定構造としては、工具を用いてクリップ部材の着脱を行うことにより、バンパーカバーの固定に関する作業が行われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-120737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようなバンパーカバー固定構造では、クリップ部材の着脱に工具が必要であった。このため、バンパーカバーの固定に関する作業性を低下させてしまっていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための連結補助部材の各態様を記載する。
[態様1]ホイールハウスの一部を構成するバンパーカバーと連結対象部材とを連結させるための連結補助部材において、前記バンパーカバーと前記連結補助部材とを固定するためのクリップ部材を装着可能である装着部と、前記クリップ部材を前記装着部から取り外し可能な解除状態にする固定解除部と、を備え、前記固定解除部は、操作方向に変位可能である操作部を有し、かつ、前記操作部の前記操作方向への操作に応じて前記クリップ部材を前記解除状態にする、連結補助部材。
【0006】
上記構成によれば、操作部の操作方向への操作に応じて、装着部から取り外し可能な解除状態にクリップ部材をすることができる。このため、工具を用いてクリップ部材を取り外す作業を行う必要がない。したがって、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【0007】
[態様2][態様1]に記載の連結補助部材において、前記固定解除部は、当接部を有し、前記当接部は、前記操作部の前記操作方向への操作に応じて第1位置から第2位置に変位可能であり、前記第1位置は、前記クリップ部材に設けられた爪部を押圧せずに、前記クリップ部材を前記装着部から取り外し可能な解除位置に前記爪部を変位させない位置であり、前記第2位置は、前記操作部の操作に応じて前記当接部が前記爪部を押圧することにより、前記解除位置に前記爪部を変位させる位置である、連結補助部材。
【0008】
上記構成によれば、操作部の操作に応じて当接部が、クリップ部材の爪部を押圧することにより、解除位置に爪部を変位させることができる。したがって、簡素な構成により、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【0009】
[態様3][態様2]に記載の連結補助部材において、前記操作部は、前記操作方向の反対方向に設けられ、前記当接部は、前記操作方向に設けられる、連結補助部材。
上記構成によれば、操作部は、操作方向の反対方向に設けられ、当接部は、前記操作方向に設けられる。したがって、簡素な構成により、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【0010】
[態様4][態様1]~[態様3]のうち何れか一態様に記載の連結補助部材において、突出部を備え、前記操作部は、前記操作方向の反対方向に突出するように設けられ、前記突出部は、前記操作部よりも前記操作方向と交差する交差方向において前記操作方向の反対方向に突出するように設けられる、連結補助部材。
【0011】
上記構成によれば、突出部は、操作部よりも操作方向と交差する交差方向において操作方向の反対方向に突出するように設けられる。このため、操作部の操作に伴って、突出部の触接により、作業者に操作部の位置を予測させることができる。したがって、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【0012】
[態様5][態様4]に記載の連結補助部材において、前記突出部は、前記操作部よりも前記操作方向の反対方向に突出するように設けられる、連結補助部材。
上記構成によれば、操作部の操作に伴って、操作部よりも先に突出部が触接される可能性を高めることができる。したがって、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【0013】
また、バンパーカバーの固定に関する作業中において、操作部よりも先に突出部が当接する可能性を高めることができる。このため、作業者が意図せずに操作部と当接することを抑制することにより、操作部の誤操作を抑制することができる。
【0014】
[態様6][態様1]~[態様3]のうち何れか一態様に記載の連結補助部材において、前記ホイールハウスの一部を構成するライナーを変位させたときに、前記ライナーと前記操作部との間に、前記操作部を前記操作方向に操作可能となる操作空間が設けられる、連結補助部材。
【0015】
上記構成によれば、ライナーと操作部との間に操作空間を設けることができる。これにより、操作空間において操作部の操作方向への操作を容易に行うことができる。したがって、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、バンパーカバーの固定に関する作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ホイールハウスを示す斜視図である。
図2】バンパーカバー固定構造を示す背面図である。
図3】バンパーカバー固定構造を示す斜視図である。
図4】クリップ部材を示す斜視図である。
図5】バンパーカバー固定構造を示す断面図である。
図6】バンパーカバー固定構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、連結補助部材の一実施形態について説明する。連結補助部材は、バンパーカバー固定構造に用いられてもよい。以下の説明では、車両の車幅方向を車幅方向Wとする。車両のホイールハウスの周方向を周方向Cとする。車両のホイールハウスの径方向を径方向Rとする。車幅方向Wのうち一方の方向を第1車幅方向W1とし、車幅方向Wのうち他方の方向を第2車幅方向W2とする。径方向Rのうち内径に向かう方向を内径方向R1とし、径方向Rのうち外径に向かう方向を外径方向R2とする。
【0019】
<バンパーカバー固定構造10>
図1に示すように、バンパーカバー固定構造10は、車両99において、バンパーカバー11と連結対象部材12とを連結させるようにバンパーカバー11を固定する構造である。
【0020】
車両99は、ホイールハウス98を構成する。ホイールハウス98は、車両99とタイヤ97との間に設けられる空間である。以降、ホイールハウス98の一例として、右前輪のタイヤ97に対応するホイールハウス98について代表して説明する。
【0021】
車両99は、バンパーカバー11を備える。バンパーカバー11は、フロントバンパーの一部として構成されてもよい。バンパーカバー11は、ホイールハウス98の一部を構成する。
【0022】
車両99は、連結対象部材12を備える。連結対象部材12は、フロントフェンダーであってもよい。つまり、連結対象部材12は、外装部材であってもよい。連結対象部材12は、ホイールハウス98の一部を構成する。バンパーカバー11と連結対象部材12とは、クリップ部材14の装着により連結するように固定される。
【0023】
車両99は、ライナー13を備える。ライナー13は、ホイールハウス98の一部を構成する。このように、バンパーカバー11、連結対象部材12及びライナー13は、ホイールハウス98の一部又は全部を構成する。
【0024】
図2に示すように、バンパーカバー11は、第1フランジ部11Aを備える。第1フランジ部11Aは、第2車幅方向W2に突出するように構成される。第1フランジ部11Aは、周方向Cに沿って延びる。第1フランジ部11Aは、ホイールハウス98の一部を構成する。
【0025】
バンパーカバー11は、第1装着部11Bを備える。第1装着部11Bは、第1フランジ部11Aから第2車幅方向W2に突出する。第2車幅方向W2は、周方向Cと交差する方向である。第1装着部11Bは、ライナー13に設けられた切欠き13Aに沿って設けられる。
【0026】
第1装着部11Bは、クリップ部材14を装着可能である。第1装着部11Bは、クリップ部材14よりも小さい形状であってもよい。第1装着部11Bは、クリップ部材14が装着されたときに露出しなくてもよい。第1装着部11Bは、装着部の一例に相当する。
【0027】
第1装着部11Bは、第1貫通孔11Cを備える。第1貫通孔11Cは、第1装着部11Bを径方向Rに貫通する孔である。第1貫通孔11Cは、クリップ部材14を装着するための孔である。
【0028】
連結対象部材12は、第2フランジ部12Aを備える。第2フランジ部12Aは、第2車幅方向W2に突出するように構成される。第2フランジ部12Aは、周方向Cに沿って延びる。第2フランジ部12Aは、ホイールハウス98の一部を構成する。
【0029】
第1フランジ部11A及び第2フランジ部12Aは、周方向Cに沿って直線状である。その一方で、第1装着部11Bは、第1フランジ部11A及び第2フランジ部12Aの直線状からは、第2車幅方向W2に突出する。
【0030】
<クリップ部材14>
図3に示すように、クリップ部材14は、バンパーカバー11と連結補助部材15とを固定するための部材である。クリップ部材14は、閂クリップであってもよい。
【0031】
クリップ部材14は、基部14Aを備える。基部14Aは、平板形状であってもよい。基部14Aは、クリップ部材14の着脱時に作業者により把持可能である。基部14Aは、外壁面14Bと、内壁面14Cとを備える。外壁面14Bは、クリップ部材14を装着する際に露出する面である。外壁面14Bは、クリップ部材14が装着されたときに第1装着部11Bを覆う。内壁面14Cは、外壁面14Bの反対側の面である。内壁面14Cは、クリップ部材14を装着する際に露出しない面である。
【0032】
クリップ部材14は、支持部14Dと、爪部14Eと、を備える。支持部14Dは、内壁面14Cから径方向Rに沿って延びる。支持部14Dは、爪部14Eを変位可能に収容する空間を備える。
【0033】
爪部14Eは、支持部14Dに支持される。爪部14Eは、車幅方向Wに沿って変位可能である。爪部14Eは、装着位置と解除位置との間で変位可能である。装着位置は、クリップ部材14を取り外しできない位置である。クリップ部材14の状態として、爪部14Eが装着位置に配置される状態を装着状態と示す。解除位置は、クリップ部材14を取り外し可能な位置である。クリップ部材14の状態として、爪部14Eが解除位置に配置される状態を解除状態と示す。
【0034】
爪部14Eは、外力が加わっていないときに、装着位置に配置される。爪部14Eは、第2車幅方向W2側から第1車幅方向W1に押圧されると、装着位置から解除位置に変位可能である。爪部14Eは、第1車幅方向W1への押圧から解放されると、解除位置から装着位置に変位可能である。
【0035】
<連結補助部材15>
図4図6に示すように、バンパーカバー固定構造10は、連結補助部材15を備える。連結補助部材15は、バンパーカバー11と連結対象部材12とを連結させるための部材である。連結補助部材15は、バンパーカバー11と連結対象部材12との連結を補助する。
【0036】
連結補助部材15は、連結部20を備える。連結部20は、連結対象部材12と連結可能である。連結部20は、連結対象部材12に設けられた連結孔12Bと貫通した状態で連結対象部材12に固定される。これにより、連結対象部材12と連結補助部材15とは、連結可能となる。
【0037】
連結補助部材15は、第2装着部21を備える。第2装着部21は、第1装着部11Bよりも、外径方向R2に位置する。第2装着部21は、車幅方向Wに沿って延びる。第2装着部21は、クリップ部材14を装着可能である。第2装着部21は、装着部の一例に相当する。
【0038】
第2装着部21は、第2貫通孔22を備える。第2貫通孔22は、第2装着部21を径方向Rに貫通する孔である。第2貫通孔22は、クリップ部材14を装着するための孔である。第2貫通孔22は、第1貫通孔11Cと同じ軸上に設けられる。
【0039】
第1貫通孔11C及び第2貫通孔22は、爪部14Eが解除位置に配置されているときに、支持部14D及び爪部14Eが挿通可能となる。第1貫通孔11C及び第2貫通孔22は、爪部14Eが装着位置に配置されているときに、支持部14D及び爪部14Eが挿通不能となる。
【0040】
第2装着部21は、規制面23を備える。規制面23は、外径方向R2に向かう面である。規制面23は、クリップ部材14が装着された場合に、爪部14Eとの当接により、クリップ部材14の取り外しを規制する。
【0041】
連結補助部材15は、固定解除部24を備える。固定解除部24は、クリップ部材14を取り外すことができるようにする。固定解除部24は、作業者の操作に応じて、装着されたクリップ部材14を装着状態から解除状態にする。固定解除部24は、クリップ部材14が装着されているときに、爪部14Eを装着位置から解除位置に変位させることにより、クリップ部材14を装着状態から解除状態にする。
【0042】
固定解除部24は、可撓部25を備える。固定解除部24は、操作部26を備える。固定解除部24は、当接部27を備える。可撓部25は、内径方向R1に延びる。可撓部25は、第1車幅方向W1に力が加わると第1車幅方向W1に撓む。
【0043】
操作部26は、可撓部25の先端部に設けられる。操作部26は、可撓部25の先端部よりも第2車幅方向W2側に設けられる。操作部26は、第2車幅方向W2に突出するように設けられる。
【0044】
図6に示すように、操作部26は、作業者により第1車幅方向W1に押圧操作されると、可撓部25の第1車幅方向W1への撓みにより、第1車幅方向W1に変位可能である。そして、図5に示すように、操作部26は、作業者による押圧操作が解放されると、可撓部25が戻り、第2車幅方向W2に変位可能である。つまり、操作部26は、第1車幅方向W1に変位可能である。第1車幅方向W1が操作方向の一例に相当し、第2車幅方向W2が操作方向の反対方向の一例に相当する。
【0045】
図4図6に示すように、当接部27は、操作部26よりも第1車幅方向W1に設けられる。当接部27は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に応じて爪部14Eと当接可能である。当接部27は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に応じて第1車幅方向W1に変位可能である。詳しくは、当接部27は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に応じて第1位置から第2位置に変位可能である。
【0046】
図5に示すように、第1位置は、爪部14Eを押圧せずに、爪部14Eを装着位置から解除位置に変位させない位置である。図6に示すように、第2位置は、爪部14Eを押圧することにより、爪部14Eを装着位置から解除位置に変位させる位置である。
【0047】
図4に示すように、連結補助部材15は、突出部28を備える。連結補助部材15は、複数の突出部28を備えてもよい。複数の突出部28は、操作部26よりも周方向Cの両側に設けられる。周方向Cが交差方向の一例に相当する。突出部28は、径方向Rに沿って延びる。突出部28は、第2車幅方向W2に突出するように設けられる。特に、突出部28は、操作部26よりも第2車幅方向W2に突出するように設けられる。
【0048】
連結補助部材15は、操作基準部29を備える。連結補助部材15は、複数の操作基準部29を備えてもよい。複数の操作基準部29は、操作部26よりも周方向Cの両側に設けられる。複数の操作基準部29は、それぞれ周方向Cの両側において、操作部26と突出部28との間に設けられてもよい。操作基準部29は、径方向Rに沿って延びる。操作基準部29は、第2車幅方向W2に突出するように設けられる。特に、操作基準部29は、操作部26よりも第2車幅方向W2に突出しないように設けられる。
【0049】
操作基準部29は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に対する基準となる。操作部26は、第1車幅方向W1への操作に伴って、第2車幅方向W2に対して操作基準部29と同じ高さとなる位置まで操作可能である。つまり、操作基準部29は、操作部26の第1車幅方向W1への操作範囲を画定することができる。これにより、操作基準部29は、操作部26が操作範囲を超えて第1車幅方向W1に操作されることを抑制することができる。
【0050】
図5及び図6に示すように、バンパーカバー固定構造10は、操作空間16を備える。操作空間16は、バンパーカバー11及びライナー13に囲まれた空間である。操作空間16は、ライナー13と操作部26との間に設けられた空間である。操作空間16は、操作部26を操作方向に操作可能となる空間である。特に、操作空間16は、図6に示すようにライナー13を変位させたときに、操作部26を操作方向に操作可能となる空間である。
【0051】
<作用>
本実施形態の作用について説明する。
図5に示すように、連結部20が連結孔12Bと貫通した状態で連結対象部材12に固定されることにより、連結補助部材15が連結対象部材12に固定される。第2貫通孔22が第1貫通孔11Cと同軸上になるように連結対象部材12が配置される。この場合、第1フランジ部11Aと第2フランジ部12Aとが直線状となるように、バンパーカバー11と連結対象部材12とが配置されている。
【0052】
第2貫通孔22が第1貫通孔11Cに支持部14D及び爪部14Eを挿通するときに、爪部14Eは、第1装着部11B及び第2装着部21に当接した状態で第1車幅方向W1に撓む。これにより、爪部14Eは、解除位置に配置される。
【0053】
爪部14Eは、第1装着部11B及び第2装着部21に当接しない位置まで挿通されると、装着位置に戻る。これにより、クリップ部材14は、第1装着部11B及び第2装着部21に装着される。爪部14Eが規制面23に当接することにより、クリップ部材14の取り外しが規制される。
【0054】
このように、バンパーカバー固定構造10は、クリップ部材14が第1装着部11B及び第2装着部21に装着されていると、バンパーカバー11と連結補助部材15とが固定されることにより、バンパーカバー11と連結対象部材12とが連結される。
【0055】
次に、図6に示すように、作業者は、ライナー13を剥がした状態で、操作空間16に手を入れて、操作部26を第1車幅方向W1に押圧操作する。作業者による操作部26の押圧操作に応じて、可撓部25が撓む。これにより、操作部26が第1車幅方向W1に変位する。そして、当接部27が爪部14Eと当接した状態で第1位置から第2位置に変位する。これにより、当接部27が爪部14Eを第1車幅方向W1に変位させる。このように、作業者による操作部26の押圧操作に応じて、爪部14Eが装着位置から解除位置に変位する。
【0056】
このように、固定解除部24は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に応じてクリップ部材14を装着状態から解除状態にする。そして、クリップ部材14が第1装着部11B及び第2装着部21から取り外されると、バンパーカバー11と連結補助部材15との固定が解除される。
【0057】
<効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)固定解除部24は、操作部26の第1車幅方向W1への操作に応じてクリップ部材14を解除状態にすることができる。このため、工具を用いてクリップ部材14を取り外す作業を行う必要がない。したがって、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。特に、車両99にタイヤ97が装着されている場合、ホイールハウス98における作業領域が狭くなる。このような状況であっても、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。また、クリップ部材14を廃棄する必要がなく、環境への貢献度を向上させることができる。
【0058】
(2)操作部26の操作に応じて当接部27が爪部14Eを押圧することにより、解除位置に爪部14Eを変位させることができる。したがって、簡素な構成により、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。
【0059】
(3)操作部26は、第2車幅方向W2に設けられる。当接部27は、第1車幅方向W1に設けられる。したがって、簡素な構成により、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。
【0060】
(4)突出部28は、操作部26よりも周方向Cにおいて、第2車幅方向W2に突出するように設けられる。このため、操作部26の操作に伴って、突出部28の触接により、作業者に操作部26の位置を予測させることができる。したがって、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。
【0061】
(5)突出部28は、操作部26よりも第2車幅方向W2に突出するように設けられる。このため、操作部26の操作に伴って、操作部26よりも先に突出部28が触接される可能性を高めることができる。したがって、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。
【0062】
(6)また、バンパーカバー11の固定に関する作業中において、操作部26よりも先に突出部28が当接する可能性を高めることができる。このため、作業者が意図せずに操作部26と当接することを抑制することにより、操作部26の誤操作を抑制することができる。もちろん、バンパーカバー11の固定に関する作業中以外においても、操作部26の誤操作を抑制することができる。
【0063】
(7)ライナー13と操作部26との間に操作空間16を設けることができる。これにより、操作空間16において操作部26の第2車幅方向W2への操作を容易に行うことができる。したがって、バンパーカバー11の固定に関する作業性を向上させることができる。
【0064】
(8)従来においては、バンパーカバーと連結対象部材とを連結させるために、第1フランジ部自体にクリップ部材が装着されていた。このため、第1フランジ部自体の長さを確保する必要があった。これにより、周方向に沿って第1フランジ部が第2フランジ部よりも突出していた。したがって、ホイールハウスの美観を向上させることが望まれている。
【0065】
そこで、本実施形態において、バンパーカバー固定構造10を採用することにより、第1フランジ部11Aと第2フランジ部12Aとを周方向Cに沿って直線状とすることができる。これにより、ホイールハウス98の美観を向上させることができる。
【0066】
(9)また、第1装着部11Bは、第1フランジ部11Aから第2車幅方向W2に突出するが、クリップ部材14が装着されたときに、外壁面14Bが第1装着部11Bを覆う。このため、第1装着部11Bは、第1フランジ部11Aから突出するものの、クリップ部材14により覆われる。これにより、ホイールハウス98の美観を向上させることができる。
【0067】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0068】
・解除状態は、クリップ部材14が取り外し可能な状態であればよく、クリップ部材14が実際に取り外されるか否かを問わない。装着状態は、クリップ部材14が装着可能な状態であればよく、クリップ部材14が実際に装着されているか否かを問わない。
【0069】
・操作方向は、第1車幅方向W1に限らず、例えば、第2車幅方向W2であってもよい。また、操作方向は、車幅方向Wに沿った方向ではなくてもよい。操作方向は、例えば、周方向Cのうち何れか一方であってもよく、径方向Rのうち何れか一方であってもよい。操作方向は、例えば、車幅方向W、周方向C及び径方向R以外の別の方向であってもよい。
【0070】
・バンパーカバー固定構造10としては、第1装着部11Bと第2装着部21との両方が装着部の一例に相当するが、連結補助部材15としては、第2装着部21が装着部の一例に相当する。
【0071】
・連結補助部材15及びバンパーカバー固定構造10としては、左前輪のタイヤ97に対応するホイールハウス98に採用されてもよい。連結補助部材15及びバンパーカバー固定構造10としては、右後輪のタイヤ97及び左後輪のタイヤ97に対応するホイールハウス98に採用されてもよい。この場合、連結対象部材12としては、リアフェンダーであってもよい。また、連結対象部材12としては、サイドメンバーであってもよい。つまり、連結対象部材12は、板金部材であってもよい。
【0072】
・本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、所望の選択肢の1つ以上を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が2つであれば1つの選択肢のみ又は2つの選択肢の双方を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも何れか」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば1つの選択肢のみ又は2つ以上の任意の選択肢の組み合わせを意味する。
【符号の説明】
【0073】
10 バンパーカバー固定構造
11 バンパーカバー
11A 第1フランジ部
11B 第1装着部
12 連結対象部材
12A 第2フランジ部
13 ライナー
14 クリップ部材
14E 爪部
15 連結補助部材
16 操作空間
20 第2装着部
24 固定解除部
26 操作部
27 当接部
28 突出部
97 タイヤ
98 ホイールハウス
99 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6