(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142764
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】内燃機関制御装置
(51)【国際特許分類】
F02D 9/02 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F02D9/02 341D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055075
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】509186579
【氏名又は名称】日立Astemo株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145023
【弁理士】
【氏名又は名称】川本 学
(74)【代理人】
【識別番号】100105887
【弁理士】
【氏名又は名称】来山 幹雄
(74)【代理人】
【識別番号】100182028
【弁理士】
【氏名又は名称】多原 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敬祐
【テーマコード(参考)】
3G065
【Fターム(参考)】
3G065CA34
3G065DA06
3G065FA11
3G065GA01
3G065GA09
3G065GA17
3G065GA26
3G065GA41
3G065GA47
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内燃機関の吸気量調整弁を駆動する電動モータに関する各種部品の過熱抑制と共に、吸気量制御を確保できる内燃機関制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関制御装置1は、制御部12aが、内燃機関の停止期間後の始動で、停止時間が所定時間以上のときに、吸気量調整弁を駆動する電動モータに対し吸気量調整の通電を実行すると共に、ドライバ14の動作を制御する実行モードを選択し、所定時間未満のときに、吸気量調整の通電を禁止すると共に、ドライバの動作を制御する禁止モードを選択する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータへの通電を実行するドライバと、
前記ドライバの動作を制御する制御部と、
を備える内燃機関制御装置であって、
前記制御部は、
前記吸気量を調整するための前記通電を実行させるように前記ドライバの前記動作を制御する実行モードと、
前記吸気量を調整するための前記通電を禁止させるように前記ドライバの前記動作を制御する禁止モードと、
のいずれかを選択可能であり、
前記制御部は、
前記内燃機関が停止した停止期間及び前記停止期間に引き続く始動が連続した場合における前記始動に引き続く期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったときに、前記実行モードを選択し、
前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間未満であったときに、前記禁止モードを選択することを特徴とする内燃機関制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間以上であったとき、又は前記内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、前記実行モードを選択し、
前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間未満であったとき、かつ前記端子間電圧の値が前記所定値よりも大であるときに、前記禁止モードを選択することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
【請求項3】
内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータへの通電を実行するドライバと、
前記ドライバの動作を制御する制御部と、
を備える内燃機関制御装置であって、
前記制御部は、
前記吸気量を調整するための前記通電を実行させるように前記ドライバの前記動作を制御する実行モードと、
前記吸気量を調整するための前記通電を禁止させるように前記ドライバの前記動作を制御する禁止モードと、
のいずれかを選択可能であり、
前記制御部は、
前記内燃機関が停止した停止期間及び前記停止に引き続く始動が連続した場合における前記始動に引き続く期間で、前記内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、前記実行モードを選択し、
前記期間で、前記端子間電圧の値が前記所定値よりも大であるときに、前記禁止モードを選択することを特徴とする内燃機関制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関制御装置に関し、特に自動車等の車両に搭載される内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータへの通電を制御する内燃機関制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両に搭載される内燃機関では、吸気通路に配設されたスロットル弁をバイパス(迂回)しながら吸気通路に連通する補助吸気通路を、その吸気通路に対して付加すると共に、補助吸気通路に対して、補助吸気通路を開閉する補助空気弁であるISC(Idle Speed Control)弁を配設した構成が採用されるようになっている。かかる構成を有する内燃機関においては、例えばその始動直後のファストアイドルアップ時に、ISC弁を開弁して内燃機関の燃焼室に供給される空気量を増加することにより、内燃機関のアイドル回転数を上昇させてその暖機を促進することが可能となる。
【0003】
かかる状況下で、特許文献1は、内燃機関制御装置に関し、内燃機関であるエンジン10の吸気通路12に対して、スロットル弁14に対する上流側及び下流側間を連通してスロットル弁14をバイパスする補助吸気通路としてのバイパス路20が接続されると共に、バイパス路20の途中には、バイパス路20の空気量を調整してエンジン10のアイドル回転数を調整するISC弁22が設けられ、CPU74dは、駆動回路74gに制御信号を送出して電動モータであるステッピングモータ24への通電を制御し、ISC弁22の開度を調整してバイパス路20の空気量を調整する構成を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、本発明者の検討によれば、特許文献1の構成において、ISC弁を駆動する電動モータへの通電を長時間継続させると、電動モータ自体のコイルや電動モータの駆動を制御するドライバ(駆動回路)等の電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱する可能性が考えられる。
【0006】
ここで、本発明者の更なる検討によれば、かかる電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が加熱する事態の発生を抑制するためには、電動モータへの通電を禁止する期間を設けて、電動モータへの通電をいわば間欠的に行うことが考えられるが、電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱する可能性が低い条件下においてまで、電動モータへの通電をこのように間欠的に行うと、却って吸気量の制御性が低下することになり、この点で改良の余地があると考えられる。また、かかる事態は、吸気通路に配設されたスロットル弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品についても同様に発生する場合がある。
【0007】
本発明は、以上の検討を経てなされたものであり、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる内燃機関制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の目的を達成するべく、本発明は、第1の局面において、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータへの通電を実行するドライバと、前記ドライバの動作を制御する制御部と、を備える内燃機関制御装置であって、前記制御部は、前記吸気量を調整するための前記通電を実行させるように前記ドライバの前記動作を制御する実行モードと、前記吸気量を調整するための前記通電を禁止させるように前記ドライバの前記動作を制御する禁止モードと、のいずれかを選択可能であり、前記制御部は、前記内燃機関が停止した停止期間及び前記停止期間に引き続く始動が連続した場合における前記始動に引き続く期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったときに、前記実行モードを選択し、前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間未満であったときに、前記禁止モードを選択する内燃機関制御装置である。
【0009】
また、本発明は、第1の局面に加えて、前記制御部は、前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間以上であったとき、又は前記内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、前記実行モードを選択し、前記期間で、前記停止期間での前記内燃機関が停止した前記時間が前記所定時間未満であったとき、かつ前記端子間電圧の値が前記所定値よりも大であるときに、前記禁止モードを選択することを第2の局面とする。
【0010】
また、本発明は、別の局面において、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータへの通電を実行するドライバと、前記ドライバの動作を制御する制御部と、を備える内燃機関制御装置であって、前記制御部は、前記吸気量を調整するための前記通電を実行させるように前記ドライバの前記動作を制御する実行モードと、前記吸気量を調整するための前記通電を禁止させるように前記ドライバの前記動作を制御する禁止モードと、のいずれかを選択可能であり、前記制御部は、前記内燃機関が停止した停止期間及び前記停止期間に引き続く始動が連続した場合における前記始動に引き続く期間で、前記内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、前記実行モードを選択し、前記期間で、前記端子間電圧の値が前記所定値よりも大であるときに、前記禁止モードを選択する内燃機関制御装置である。
【発明の効果】
【0011】
以上の本発明の第1の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバの動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間未満であったときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバの動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる。
【0012】
また、本発明の第2の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったとき、又は内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバの動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間未満であったとき、かつバッテリの端子間電圧の値が所定値よりも大であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバの動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱することをより確実に抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性をより確実に確保することができる。
【0013】
また、本発明の別の局面にかかる内燃機関制御装置によれば、制御部が、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリの端子間電圧の値が所定値以下であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバの動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、端子間電圧の値が所定値よりも大であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバの動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1(a)は、本発明の実施形態における内燃機関制御装置及びその関連部品の構成を概略的に説明するための模式図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示すISCユニットを電子制御スロットルユニットに置換した構成を示す。
【
図2】
図2(a)は、本実施形態における内燃機関制御装置が実行する電動モータの制御処理の流れの一例を示すフローチャートであり、
図2(b)は、
図2(a)のステップS2及びステップS3をステップS2’及びステップS3’に置換した構成を示す。
【
図3】
図3は、本実施形態における内燃機関制御装置が実行する電動モータの制御処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を適宜参照して、本発明の実施形態における内燃機関制御装置につき、詳細に説明する。
【0016】
〔構成〕
まず、
図1を参照して、本実施形態における内燃機関始動装置の構成について、詳細に説明する。
【0017】
図1(a)は、本実施形態における内燃機関制御装置及びその関連部品の構成を概略的に説明するための模式図であり、
図1(b)は、
図1(a)に示すISCユニットを電子制御スロットルユニットに置換した構成を示す。なお、内燃機関に関する残余の構成要素については、便宜上、図示を省略している。
【0018】
図1(a)に示すように、本実施形態における内燃機関制御装置1は、典型的には、自動二輪車等の車両に搭載され、二次電池であるバッテリ20から供給される電力で作動すると共に、車両に搭載された内燃機関を始動する始動機兼発電機22やISCユニット30に加え、その他の所要の構成要素の動作を制御して内燃機関の運転状態を制御する電子制御装置であるECU(Electronic Control Unit)10を備えている。
【0019】
図中では、ECU10には、レギュレータ・レクチファイア24を介して電気的に接続されたバッテリ20及び始動機兼発電機22に加えて、ISCユニット30及びセンサS1からS3が電気的に接続されている。なお、ECU10に接続される残余のセンサとしては、吸気温センサ、スロットルポジションセンサ、吸気圧センサ、及び大気圧センサ等も挙げられるが、便宜上、図示を省略している。
【0020】
ここで、バッテリ20は、典型的には鉛バッテリであるが、ニッケル水素バッテリやリチウムイオンバッテリであってもよい。
【0021】
始動機兼発電機22は、典型的にはバッテリ20を充電するための3相の交流を発電して出力する3相交流発電機を、内燃機関の始動電動機としても兼用する構成を有し、その回転子は、内燃機関のクランク軸に連結されるものである。
【0022】
バッテリ20と始動機兼発電機22との間に配されて、それらを電気的に接続するレギュレータ・レクチファイア24は、始動機兼発電機22から出力される3相の交流を直流に整流すると共に、その電圧をバッテリ20の仕様に適合した12V等の電圧に調整する機能を有する。なお、レギュレータ・レクチファイア24は、整流機能を有する部分と電圧調整機能を有する部分とが一体となった部品であるが、これらの部分が別部品として構成された別体のものであってもよい。また、レギュレータ・レクチファイア24は、ECU10外に配設されるのではなく、ECU10内に配設されるものであってもよい。
【0023】
ISCユニット30は、内燃機関の燃焼室に向かって吸入される空気が通過する吸気通路に配設されたスロットル弁の上流側及び下流側で、スロットル弁をバイパス(迂回)して吸気通路に各々連通するように設けられた補助吸気通路に対し、補助吸気通路を開閉自在に配設されたISC弁、及びISC弁を駆動する典型的にはステップモータであるISC電動モータを備えている。ISC電動モータは、ISC弁が設けられている補助吸気通路の部位を全閉状態とする全閉開度の位置である全開位置と、ISC弁が設けられている補助吸気通路の部位を全開状態とする全開開度の位置である全閉位置と、の間で、ISC弁の位置を変化させて補助吸気通路を開閉するようにISC弁を駆動し、これにより内燃機関の燃焼室に向かって吸入される空気の量、つまり吸気量を補助的に調整する。
【0024】
センサS1は、クランク角センサであり、内燃機関のクランクケース等に装着されて、クランク軸の回転に伴って回転するリラクタの外周面に形成されている歯部の回転位置に対応してクランク軸の回転位置を検出し、検出したクランク軸の回転位置を示すクランクパルス信号をECU10に入力する。
【0025】
センサS2は、冷却水温センサであり、内燃機関のシリンダブロック等に装着されて、内燃機関の冷却水通路内を流通する冷却水の温度を検出し、検出した冷却水の温度を示す冷却水温信号をECU10に入力する。なお、かかる冷却水の温度は、内燃機関の温度として用いられるが、内燃機関の温度としては、内燃機関のシリンダブロックの温度を温度センサで直接検出したものを用いてもよい。
【0026】
センサS3は、バッテリ端子間電圧センサであり、バッテリ20の正極端子と負極端子との間の電圧差である端子間電圧をバッテリ20の電圧として検出し、検出したバッテリ20の端子間電圧を示す端子間電圧信号をECU10に入力する。
【0027】
ECU10は、CPU(Central Processing Unit)12、ドライバ14及び16、タイマ18、並びに図示を省略するROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリを主として備えている。なお、ROMは、不揮発性の記憶装置により構成され、内燃機関制御装置1に必要な制御プログラム及び制御データ等を格納している。また、RAMは、揮発性の記憶装置により構成され、CPU12が利用する検出値、算出値、制御プログラムの一部及び制御データの一部等を一時的に記憶して、CPU12のワーキングエリアとして機能する。
【0028】
CPU12は、図中では、制御プログラム等を実行する際の機能ブロックとして示す制御部12aを有する。
【0029】
制御部12aは、ROM内に記憶されている制御プログラムを読み込んでRAMにロードした制御プログラムを実行することにより、内燃機関の運転状態を制御する。この際、制御部12aは、クランク角センサS1等の他に、吸気温センサ、スロットルポジションセンサ、吸気圧センサ、及び大気圧センサ等から入力される電気信号に基づいて、ISCユニット30の他に、内燃機関の燃料噴射弁や点火栓等の構成部品や補機類の動作を制御する。
【0030】
具体的には、制御部12aは、クランク角センサS1から入力されるクランクパルス信号に基づいて、内燃機関のクランク角を検出すると共に内燃機関の回転数を算出し、冷却水温センサS2から入力される冷却水温信号に基づいて、内燃機関の冷却水温、つまり内燃機関の温度を算出し、バッテリ端子間電圧センサS3から入力される端子間電圧信号に基づいて、バッテリ20の端子間電圧の値、つまりバッテリ20の電圧の値を算出する他に、吸気温センサ、スロットルポジションセンサ、吸気圧センサ、及び大気圧センサ等から入力される電気信号に基づいて、吸気温、スロットル開度、吸気圧、及び大気圧を算出すると共に、スロットル弁が機械式の開閉弁であるとすれば、燃料噴射量及び点火時期を算出して、これらに応じて燃料噴射弁及び点火栓等の各々の動作を制御することにより、内燃機関の運転状態を制御、典型的には内燃機関の回転数をフィードバック制御する。
【0031】
また、制御部12aは、内燃機関の冷間始動時等においては、燃料噴射弁及び点火栓等の各々のかかる動作の制御に加え、ISC弁の開度を制御することにより、そのアイドル回転数をファストアイドル目標回転数に一致させるようなアイドル回転数制御処理をフィードバック制御で行う。詳しくは、制御部12aは、典型的には内燃機関の冷間始動完爆時又はその直後から内燃機関の暖気が完了するまでの間に、クランク角センサS1から入力されるクランクパルス信号に基づいて算出した内燃機関の回転数や冷却水温センサS2から入力される冷却水温信号に基づいて算出した内燃機関の冷却水温である内燃機関の温度に基づいて、内燃機関の目標アイドル回転数を通常時のものよりも高めに設定して、ISC弁を開弁して内燃機関の燃焼室に供給される空気量を通常時よりも増加させることにより、内燃機関において目標アイドル回転数に一致するようにフィードバック制御されるアイドル回転数を、通常時よりも上昇させるファストアイドルアップ処理の実行を開始して、内燃機関の暖機を促進する。また、この際、制御部12aは、詳細は後述するISC電動モータの制御処理をも実行する。
【0032】
ドライバ14は、制御部12aがISC弁の開度を制御する際に、制御部12aから出力される制御信号に基づき、ISC駆動信号をISC電動モータに出力しISC電動モータを通電させてISC弁を駆動する駆動回路であり、トランジスタ等のスイッチング素子を含むものである。
【0033】
ドライバ16は、制御部12aが始動機兼発電機22を内燃機関の始動時に始動電動機として機能するように制御する際に、制御部12aから出力される制御信号に基づき、始動電動機駆動信号を始動機兼発電機22に出力して始動機兼発電機22を通電させて始動機兼発電機22を作動させる駆動回路であり、トランジスタ等のスイッチング素子を含むものである。なお、レギュレータ・レクチファイア24がECU10内に配設される場合には、これをドライバ16に機能統合し、ドライバ16をDC/ACコンバータ兼AC/DCコンバータとして構成してもよい。
【0034】
タイマ18は、バッテリ20からCPU12への通電が停止される場合であっても、バッテリ20からの通電が途切れることなく維持される常時給電系統に電気的に接続されるタイマである。タイマ18は、内燃機関の運転が停止され、つまり内燃機関が完爆状態から非完爆状態に変化されたタイミングで計時処理を開始し、内燃機関の運転が再開、つまり内燃機関が非完爆状態から完爆状態に復帰されたタイミングまでの経過時間(ソーク時間)を計時するものである。なお、内燃機関の非完爆状態への移行時点や内燃機関の完爆状態への移行時点は、典型的には制御部12aが算出する内燃機関の回転数の変化により取得される。具体的には、完爆状態を示す内燃機関の回転数から非完爆状態を示す内燃機関の回転数に変化した時点が非完爆状態への移行時点であり、非完爆状態を示す内燃機関の回転数から完爆状態を示す内燃機関の回転数に変化した時点が完爆状態への移行時点である。
【0035】
なお、ISCユニット30は、典型的には、スロットル弁が機械式の開閉弁である場合に設けられるもので、スロットル弁が電子制御式の開閉弁である場合、つまり
図1(b)に示すように、電子制御スロットルユニット30’が採用されている場合には、ISCユニット30が不要とされる場合が多いため、かかる場合には、内燃機関の吸気量は、電子制御スロットルユニット30’において、スロットル弁がドライバ14のような駆動回路を介して作動されるスロットル電動モータで駆動されることにより全体的に調整されることになる。
【0036】
このような構成を有する内燃機関制御装置1では、制御部12aが、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止したソーク時間が所定時間以上であったときに、ISC電動モータに対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバ14の動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止したソーク時間が所定時間未満であったときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバ14の動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、ISC電動モータ自体やISC電動モータに関するドライバ14等が過熱することを抑制すると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保する。また、この際、内燃機関が停止したソーク時間に関する条件に代えて、内燃機関制御装置1に電力を供給するバッテリ20の端子間電圧が所定値以下であるという条件を適用してもよい。以下、
図2(a)及び
図2(b)に示すフローチャートを参照して、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合における内燃機関制御装置1の動作、具体的には制御部12aが実行するISC電動モータの制御処理について、詳細に説明する。なお、かかる制御処理において、
図1(b)に示すような電子制御スロットルユニット30’が採用されてISCユニット30が省略されるような場合には、その制御対象は、ISC電動モータの代わりにスロットル電動モータとなる。
【0037】
図2(a)は、本実施形態における内燃機関制御装置1が実行するISC電動モータの制御処理の流れの一例を示すフローチャートであり、
図2(b)は、
図2(a)のステップS2及びステップS3をステップS2’及びステップS3’に置換した構成を示す。
【0038】
〔ISC電動モータの制御処理〕
まず、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理は、典型的には、車両の電源スイッチがオフ状態からオン状態に切り換えられて内燃機関制御装置1のECU10内のCPU12が稼働したタイミングで開始となり、ISC電動モータの制御処理はステップS1の処理に進む。なお、かかるISC電動モータの制御処理は、内燃機関の冷間始動時等の所定周期毎に、アイドル回転数制御処理の実行に伴って実行されるものである。
【0039】
ステップS1の処理では、制御部12aが、今回の本処理を実行する時点が、内燃機関の始動に続く期間であるか否か、つまり、この現時点が、内燃機関が停止した停止期間に連続して内燃機関の始動が行われた際のその内燃機関の始動に引き続く期間であるか否かを判別する。かかる内燃機関の始動は、典型的には、制御部12aが算出する内燃機関の回転数が、内燃機関の非完爆状態を示す回転数から内燃機関の完爆状態を示す回転数に変化したことを、制御部12aが判別することにより行われる。判別の結果、現時点が内燃機関の始動に続く期間である場合(ステップS1:Yes)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS2の処理に進める。一方、現時点が内燃機関の始動に続く期間でない場合には(ステップS1:No)、制御部12aは、今回の一連のISC電動モータの制御処理を終了する。
【0040】
ステップS2の処理では、制御部12aが、タイマ18が計時した内燃機関が停止した停止期間の開始時点からその停止期間に連続して内燃機関の始動がされた時点までの計時時間をタイマ18からソーク時間として読み込んで取得する。これにより、ステップS2の処理は完了し、ISC電動モータの制御処理はステップS3の処理に進む。
【0041】
ステップS3の処理では、制御部12aが、ステップS2の処理において取得したソーク時間が所定時間以上であるか否かを判別する。判別の結果、ソーク時間が所定時間以上である場合(ステップS3:Yes)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS4の処理に進める。一方、ソーク時間が所定時間以上でない場合には(ステップS3:No)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS5の処理に進める。ここで、かかる所定時間は、内燃機関が停止されることにより、ISC電動モータやドライバ14等が車両の雰囲気温度に等しい温度にまで冷却されるに足る時間として予め設定されている。つまり、ソーク時間が所定時間以上であるか否かを判別する理由は、ソーク時間が所定時間以上の場合には、ISC電動モータやドライバ14等が車両の雰囲気温度に等しい温度にまで冷却されていることが通常であるため、ISC電動モータやドライバ14等を作動させても、それらの加熱という事態が直ちには生じ難いことになる一方で、さもなくばそれらの加熱という事態が生じる可能性が高いことを考慮したためである。また、このようなソーク時間の長短の判別を行う際に、制御部12aが、車両の雰囲気温度を検出する温度センサからの検出信号に基づいて、車両の雰囲気温度を算出し、その算出した雰囲気温度が高い場合には、ISC電動モータやドライバ14等が相対的に高い温度下にあることを考慮して、ソーク時間の長短の判別を行うための所定時間をより長く設定することも好ましい。
【0042】
ステップS4の処理では、制御部12aが、ISC電動モータに対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバ14の動作を制御する制御信号を、ドライバ14に出力する実行モードを選択し、これに対応して、ドライバ14がISC電動モータへ駆動信号を出力することにより、ISC電動モータが通電されて作動し、ISC弁の開度が内燃機関の回転数をファストアイドル目標回転数に一致させるような開度に一致するように、ISC弁を開閉すべく移動されて吸気量が調整される。この際のISC弁の目標開度は、本ステップ用に、アイドル回転数制御処理で算出されたものを用いることが可能である。これにより、今回の一連のISC電動モータの制御処理は終了する。
【0043】
ステップS5の処理では、制御部12aが、ISC電動モータに対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバ14の動作を制御する制御信号を、ドライバ14に出力することを禁止する禁止モードを選択し、これに対応して、ドライバ14がISC電動モータへ駆動信号を出力する動作を停止することにより、ISC電動モータの通電が停止されてその動作を停止するため、ISC弁も移動されることはない。これにより、今回の一連のISC電動モータの制御処理は終了する。
【0044】
以上の
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理を実行する内燃機関制御装置1によれば、制御部12aが、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)に対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバ14の動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間未満であったときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)に対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバ14の動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)自体やかかる電動モータに関する各種部品14が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる。
【0045】
さて、制御部12aは、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理に代えて、
図2(b)に示すISC電動モータの制御処理を実行することも可能である。
【0046】
ここで、
図2(b)に示すISC電動モータの制御処理は、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理に対して、そのISC電動モータの制御処理におけるステップS2及びステップS3の処理を、ステップS2’及びステップS3’の処理に置換したことのみが相違し、残余の各ステップの処理は、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理のものと同じであるので、以下、相違点について着目して説明する。
【0047】
具体的には、
図2(b)に示すように、ステップS1の処理に続くステップS2’の処理では、制御部12aがバッテリ端子間電圧センサS3から入力される端子間電圧信号に基づいて、バッテリ20の端子間電圧の値、つまりバッテリ20の電圧の値を算出する。これにより、ステップS2’の処理は完了し、ISC電動モータの制御処理はステップS3’の処理に進む。
【0048】
ステップS3’の処理では、制御部12aが、ステップS2’の処理において算出したバッテリ20の電圧の値が所定値以下であるか否かを判別する。判別の結果、バッテリ20の電圧の値が所定値以下である場合(ステップS3’:Yes)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS4の処理に進める。一方、バッテリ20の電圧の値が所定値以下でない場合には(ステップS3:No)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS5の処理に進める。ここで、かかる所定値は、バッテリ20の仕様で規定される規定充電電圧(所定の幅がある場合にはその上限値)を超える値に設定されている。つまり、バッテリ20の電圧の値が所定値以下であるか否かを判別する理由は、バッテリ20の電圧の値が所定値以下でない、つまり所定値を超えているということが、始動機兼発電機22からレギュレータ・レクチファイア24を介してバッテリ20に供給されるの充電電圧の値がバッテリ20の規定充電電圧(所定の幅がある場合にはその上限値)を超える状態であることを意味するため、バッテリ20に不要な影響が出る可能性が高まったり、ISC電動モータやドライバ14等に許容電圧以上の電圧が印加される可能性が高まって、そのままの状態でISC電動モータやドライバ14等を作動させると、それらの加熱や破損という事態が生じる可能性が高まることになる一方で、さもなくばかかる可能性が低いことを考慮したものである。
【0049】
以上の
図2(b)に示すISC電動モータの制御処理を実行する内燃機関制御装置1によれば、制御部12aが、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリ20の端子間電圧の値が所定値以下であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)に対し吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバ14の動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、端子間電圧の値が所定値よりも大であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)に対し吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバ14の動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)自体やかかる電動モータに関する各種部品14が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる。
【0050】
また、制御部12aが実行するISC電動モータの制御処理には、
図3に示すような変形例も考えられるため、以下、
図3に示すフローチャートを参照して、かかる変形例について詳細に説明する。
【0051】
図3は、本実施形態における内燃機関制御装置1が実行するISC電動モータの制御処理の流れの変形例を示すフローチャートである。
【0052】
ここで、
図3に示すISC電動モータの制御処理は、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理に対して、そのISC電動モータの制御処理におけるステップS2の後に
図2(b)に示すISC電動モータの制御処理におけるステップS2’の処理、及びそのISC電動モータの制御処理におけるステップS3の後に
図2(b)に示すISC電動モータの制御処理におけるステップS3’の処理を追加したことのみが相違し、残余の各ステップの処理は、
図2(a)に示すISC電動モータの制御処理のものと同じであるので、以下、相違点について着目して説明する。
【0053】
具体的には、
図3に示すように、ステップS2の処理に続くステップS2’の処理では、制御部12aがバッテリ端子間電圧センサS3から入力される端子間電圧信号に基づいて、バッテリ20の端子間電圧の値、つまりバッテリ20の電圧の値を算出する。これにより、ステップS2’の処理は完了し、ISC電動モータの制御処理はステップS3の処理に進む。
【0054】
ステップS3の処理では、制御部12aが、ステップS2の処理において取得したソーク時間が所定時間以上であるか否かを判別する。判別の結果、ソーク時間が所定時間以上である場合(ステップS3:Yes)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS4の処理に進める。一方、ソーク時間が所定時間以上でない場合には(ステップS3:No)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS3’の処理に進める。
【0055】
ステップS3’の処理では、制御部12aが、ステップS2’の処理において算出したバッテリ20の電圧の値が所定値以下であるか否かを判別する。判別の結果、バッテリ20の電圧の値が所定値以下である場合(ステップS3’:Yes)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS4の処理に進める。一方、バッテリ20の電圧の値が所定値以下でない場合には(ステップS3:No)、制御部12aは、ISC電動モータの制御処理をステップS5の処理に進めることになる。
【0056】
以上の
図3に示すISC電動モータの制御処理を実行する内燃機関制御装置1によれば、制御部12aが、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間以上であったとき、又は内燃機関制御装置に電力を供給するバッテリ20の端子間電圧の値が所定値以下であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)に対する吸気量を調整するための通電を実行させるようにドライバの動作を制御する実行モードを選択し、内燃機関が停止した停止期間及びその停止期間に引き続く内燃機関の始動が連続した場合において、その始動に引き続く期間で、内燃機関の停止期間での内燃機関が停止した時間が所定時間未満であったとき、かつバッテリの端子間電圧の値が所定値よりも大であるときに、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータに対する吸気量を調整するための通電を禁止させるようにドライバ14の動作を制御する禁止モードを選択するものであるため、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動するISC電動モータ(又はスロットル電動モータ)自体やかかる電動モータに関する各種部品14が過熱することをより確実に抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性をより確実に確保することができる。
【0057】
なお、本発明は、部材の種類、形状、配置、個数等は前述の実施形態に限定されるものではなく、その構成要素を同等の作用効果を奏するものに適宜置換する等、発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能であることはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本発明は、内燃機関の吸気量を調整する弁を駆動する電動モータ自体や電動モータに関する各種部品が過熱することを抑制することができると共に、内燃機関の吸気量の制御性を確保することができる内燃機関制御装置を提供することができるものであり、その汎用普遍的な性格から自動車等の車両に広く適用され得るものと期待される。
【符号の説明】
【0059】
1…内燃機関制御装置
10…ECU(内燃機関制御装置)
12…CPU
12a…制御部
14、16…ドライバ
18…タイマ
20…バッテリ
22…始動電動機兼発電機
24…レギュレータ・レクチファイア
30…ISCユニット
30’…電子制御スロットルユニット
S1…クランク角センサ
S2…冷却水温センサ
S3…バッテリ端子間電圧センサ