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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014277
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】回路装置及び振動デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03B 5/32 20060101AFI20240125BHJP
   H03B 5/30 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
H03B5/32 J
H03B5/30 A
H03B5/30 B
H03B5/30 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116980
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 久浩
(72)【発明者】
【氏名】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】堤 昭夫
【テーマコード(参考)】
5J079
【Fターム(参考)】
5J079AA04
5J079BA43
5J079BA44
5J079DB04
5J079FA01
5J079FA05
5J079FA11
5J079FB02
5J079FB03
5J079FB39
5J079FB48
5J079HA25
5J079JA06
(57)【要約】
【課題】端子に印加される電圧に応じて当該端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択することが可能な回路装置を提供すること。
【解決手段】電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、第2電圧が印加される第2端子と、振動子を発振させる発振用回路と、前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える、回路装置。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
第2電圧が印加される第2端子と、
振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える、回路装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は制御端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能する、回路装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第2端子と接続され、前記第2電圧に応じて前記発振用回路からクロック信号を出力させるか否かを切り替えるクロック信号出力制御回路を備える、回路装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記選択回路は、
前記第1電圧及び前記第2電圧に基づいて、内部電圧を生成する内部電圧生成回路と、
前記内部電圧によって動作し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御するスイッチ制御回路と、を含む、回路装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記内部電圧生成回路は、
ソースが前記第1端子と接続され、ゲートが前記第2端子と接続される第1PMOSトランジスターと
ソースが前記第2端子と接続され、ゲートが前記第1端子と接続される第2PMOSトランジスターと、を含み、
前記内部電圧は、前記第1PMOSトランジスターのドレインと前記第2PMOSトランジスターのドレインとが接続されたノードの電圧である、回路装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は電圧入力端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能する、回路装置。
【請求項7】
振動子と、
前記振動子と電気的に接続される回路装置と、
前記振動子と前記回路装置とを収容し、第1外部端子及び第2外部端子が設けられている容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記第1外部端子と電気的に接続されており、電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
前記第2外部端子と電気的に接続されており、第2電圧が印加される第2端子と、
前記振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える、振動デバイス。
【請求項8】
請求項7において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は制御端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能する、振動デバイス。
【請求項9】
請求項8において、
前記回路装置は、前記第2端子と接続され、前記第2電圧に応じて前記発振用回路からクロック信号を出力させるか否かを切り替えるクロック信号出力制御回路を備える、振動デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路装置及び振動デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集積回路素子の電源端子とグラウンド端子との機能割り当てを切り替えることで、集積回路素子をベースに搭載する際にワイヤボンディングとFCB法のどちらを用いる場合でも、新たに配線パターンを増やすなどの対策をとる必要がなく、低背化の妨げを防止できる発振器が記載されている。特許文献1には、端子の割り当ての選択方法の例として、スイッチ部による切り替えが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-042264号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の発振器では、スイッチ部を設けてスイッチング動作させて、集積回路素子の一方の端子をグラウンド端子として用い、他方の端子を電源端子として用いる状態と、その逆の状態とのいずれの状態にするかを、例えば、集積回路素子のメモリーに設定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る回路装置の一態様は、
電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
第2電圧が印加される第2端子と、
振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える。
【0006】
本発明に係る振動デバイスの一態様は、
振動子と、
前記振動子と電気的に接続される回路装置と、
前記振動子と前記回路装置とを収容し、第1外部端子及び第2外部端子が設けられている容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記第1外部端子と電気的に接続されており、電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
前記第2外部端子と電気的に接続されており、第2電圧が印加される第2端子と、
前記振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】発振器の斜視図。
図2】発振器の断面図。
図3】回路装置の底面図。
図4】発振器の底面図。
図5】第1実施形態の発振器の機能ブロック図。
図6】不揮発性メモリーに対するデータの書き込み及び読み出しのタイミングチャートの一例を示す図。
図7】比較例の発振器の機能ブロック図。
図8】比較例における回路装置に対するシミュレーション結果の信号波形を示す図。
図9】第1実施形態における回路装置に対するシミュレーション結果の信号波形を示す図。
図10】第2実施形態の発振器の機能ブロック図。
図11】変形例の発振器の断面図。
図12】変形例の発振器の断面図。
図13】変形例の発振器の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0009】
また、以下では、本発明に係る振動デバイスとして発振器を例に挙げて説明するが、本発明に係る振動デバイスは、振動子を含む他の種類のデバイス、例えばセンサー等であってもよい。
【0010】
1.第1実施形態
図1図4は、本実施形態の発振器1の構造の一例を示す図である。図1は、発振器1の斜視図であり、図2は、図1のA-A断面図の一例である。図3は、発振器1に含まれる回路装置2の底面図であり、図4は、発振器1の底面図である。
【0011】
図1図4に示すように、発振器1は、回路装置2、振動子3、容器4、リッド5及び複数の外部端子6を含む。
【0012】
本実施形態では、振動子3は、基板材料として水晶を用いた水晶振動子であり、例えば、ATカット水晶振動子や音叉型水晶振動子等である。振動子3は、SAW共振子やMEMS振動子であってもよい。SAWはSurface Acoustic Waveの略であり、MEMSはMicro Electro Mechanical Systemsの略である。また、振動子3の基板材料としては、水晶の他、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム等の圧電単結晶や、ジルコン酸チタン酸鉛等の圧電セラミックス等の圧電材料、又はシリコン半導体材料等を用いることができる。振動子3の励振手段としては、圧電効果によるものを用いてもよいし、クーロン力による静電駆動を用いてもよい。また、本実施形態では、回路装置2は1チップの集積回路で実現されている。ただし、回路装置2は、少なくとも一部がディスクリート部品で構成されていてもよい。
【0013】
図2に示すように、振動子3は、その表面及び裏面にそれぞれ金属の励振電極3a,3bを有しており、励振電極3a,3bを含む振動子3の形状や質量に応じた所望の周波数で発振する。
【0014】
図2に示すように、発振器1は、シングルシール構造の発振器であり、容器4は、回路装置2と振動子3とを同一空間内に収容する。例えば、容器4は、セラミックパッケージであってもよい。具体的には、容器4には、凹部が設けられており、リッド5で凹部を覆うことによって収容室7となる。なお、図2に示す構造は一例であり、例えば、発振器1は、振動子3と回路装置2とが互いに異なる空間に収容された構造等の他の構造であってもよい。
【0015】
図2及び図3に示すように、回路装置2の底面20には、6個の端子21、すなわち、端子21a,21b,21c,21d,21e,21fが設けられている。端子21aは、制御信号OE若しくは制御信号STが入力される制御端子、又は電源電圧VDDが供給される電源端子として機能する端子である。端子21bは、グラウンド電圧GNDが供給されるグラウンド端子である。端子21cは、クロック信号OUTを出力する出力端子である。端子21dは、電源電圧VDDが供給される電源端子又はグラウンド電圧GNDが供給される電圧入力端子として機能する端子である。端子21eは、振動子3からの信号XOが入力される入力端子である。端子21fは、振動子3に信号XIを出力する出力端子である。
【0016】
図4に示すように、発振器1は、底面である容器4の裏面に、4個の外部端子6、すなわち、外部端子6a,6b,6c,6dが設けられている。外部端子6aは、制御信号OE若しくは又は制御信号STが入力される制御端子、又は電源電圧VDDが供給される電源端子として機能する端子である。外部端子6bは、グラウンド電圧GNDが供給されるグラウンド端子である。外部端子6cは、クロック信号OUTを出力する出力端子である。外部端子6dは、電源電圧VDDが供給される電源端子又はグラウンド電圧GNDが供給される電圧入力端子として機能する端子である。
【0017】
容器4の内部又は凹部の表面には、回路装置2の2つの端子21e,21fと、振動子3の2つの励振電極3a,3bとをそれぞれ電気的に接続するための不図示の配線が設けられている。これらの配線により、回路装置2は、振動子3と電気的に接続される。また、容器4の内部又は凹部の表面には、回路装置2の4個の21a,21b,21c,21dと発振器1の4個の外部端子6a,6b,6c,6dとをそれぞれ電気的に接続するための不図示の配線が設けられている。
【0018】
図5は、第1実施形態の発振器1の機能ブロック図である。図5に示すように、第1実施形態の発振器1は、回路装置2と振動子3とを含む。前述の通り、発振器1は4個の外部端子6a,6b,6c,6dを備えており、回路装置2は、6個の端子21a,21b,21c,21d,21e,21fを備えている。回路装置2の4個の端子21a,21b,21c,21dは、発振器1の4個の外部端子6a,6b,6c,6dとそれぞれ電気的に接続されている。回路装置2の端子21eは振動子3の一端と電気的に接続され、回路装置2の端子21fは振動子3の他端と電気的に接続されている。
【0019】
回路装置2は、選択回路100、スイッチ130、スイッチ140、発振用回路150、ロジック回路160及び不揮発性メモリー170を備える。なお、回路装置2は、これらの要素の一部を省略又は変更し、あるいは他の要素を追加した構成としてもよい。
【0020】
回路装置2の端子21dは、電源端子又は電圧入力端子として機能し、電圧V1が印加される。端子21dが電源端子である場合、電圧V1は電源電圧VDDである。電源電圧VDDは、例えば3.3Vである。また、端子21dが電圧入力端子である場合、電圧V1はグラウンド電圧GNDである。グラウンド電圧GNDは、例えば0Vである。
【0021】
回路装置2の端子21aは、制御端子又は電源端子として機能し、電圧V2が印加される。端子21aが制御端子である場合、電圧V2は制御信号OE又は制御信号STの電圧である。制御信号OE,STの電圧は、電源電圧VDD又はグラウンド電圧GNDである。端子21aが制御端子である場合、不揮発性メモリー170には、端子21aに入力される信号が制御信号OEと制御信号STのいずれであるかを示す情報が記憶される。端子21aが電源端子である場合、電圧V2は電源電圧VDDである。
【0022】
端子21dが電源端子である場合、端子21aは制御端子である。また、端子21dが電圧入力端子である場合、端子21aは電源端子である。
【0023】
選択回路100は、端子21dに印加される電圧V1に基づいてスイッチ130及びスイッチ140を制御し、端子21dに印加される電圧V1及び端子21aに印加される電圧V2の一方を電源電圧VDDとして発振用回路150に供給する。本実施形態では、選択回路100は、内部電圧生成回路110とスイッチ制御回路120とを含む。
【0024】
内部電圧生成回路110は、端子21dに印加される電圧V1及び端子21aに印加される電圧V2に基づいて、内部電圧VDD_SUBを生成する。本実施形態では、内部電圧生成回路110は、2つのPMOSトランジスター111,112を含む。
【0025】
PMOSトランジスター111は、ソースが端子21dと接続され、ゲートが端子21aと接続されている。PMOSトランジスター112は、ソースが端子21aと接続され、ゲートが端子21dと接続されている。また、ノードN1において、PMOSトランジスター111のドレインとPMOSトランジスター112のドレインとが接続されている。
【0026】
端子21dが電源端子である場合、端子21dに印加される電圧V1は電源電圧VDDであるので、PMOSトランジスター112はオフ状態となる。この場合、端子21aは制御端子であるので、端子21aに印加される電圧V2は電源電圧VDD又はグラウンド電圧GNDである。電圧V2がグラウンド電圧GNDのときはPMOSトランジスター111がオン状態となり、ノードN1の電圧は電圧V1である電源電圧VDDとなる。電圧V2が電源電圧VDDのときはPMOSトランジスター111がオフ状態となるが、PMOSトランジスター111のソース-ドレイン間に形成される寄生ダイオードによってソースからドレインへと電流が流れるため、ノードN1の電圧は電圧V1である電源電圧VDDとなる。すなわち、端子21dが電源端子である場合、ノードN1の電圧は電源電圧VDDとなる。
【0027】
一方、端子21dが電圧入力端子である場合、端子21dに印加される電圧V1はグラウンド電圧GNDであるので、PMOSトランジスター112はオン状態となる。この場合、端子21aは電源端子であるので、端子21aに印加される電圧V2は電源電圧VDDであり、PMOSトランジスター111はオフ状態となる。したがって、ノードN1の電圧は電圧V2である電源電圧VDDとなる。すなわち、端子21dが電圧入力端子である場合も、ノードN1の電圧は電源電圧VDDとなる。
【0028】
内部電圧VDD_SUBは、ノードN1の電圧であり、スイッチ制御回路120、スイッチ130及びスイッチ140に供給される。
【0029】
スイッチ制御回路120は、内部電圧VDD_SUBによって動作し、スイッチ130及びスイッチ140を制御する。本実施形態では、スイッチ制御回路120は、2つの論理反転回路121,122を含む。
【0030】
論理反転回路121の入力端子は、端子21dと接続されている。論理反転回路121は、内部電圧VDD_SUBが供給されて動作し、端子21dに印加される電圧V1を論理反転した信号を出力する。論理反転回路121の出力端子は、論理反転回路122の入力端子と接続されている。
【0031】
論理反転回路122は、内部電圧VDD_SUBが供給されて動作し、論理反転回路121から出力される信号を論理反転した信号を出力する。
【0032】
スイッチ130は、端子21dと発振用回路150とを電気的に接続又は遮断する。本実施形態では、スイッチ130は、PMOSトランジスター131を含む。
【0033】
PMOSトランジスター131は、バックゲートに内部電圧VDD_SUBが供給され、ソースが端子21dと接続され、ゲートが論理反転回路121の出力端子と接続されている。そして、PMOSトランジスター131のゲートには、論理反転回路121の出力信号が制御信号VDD_ONとして入力される。
【0034】
スイッチ140は、端子21aと発振用回路150とを電気的に接続又は遮断する。本実施形態では、スイッチ140は、PMOSトランジスター141を含む。
【0035】
PMOSトランジスター141は、バックゲートに内部電圧VDD_SUBが供給され、ソースが端子21aと接続され、ゲートが論理反転回路122の出力端子と接続されている。そして、PMOSトランジスター141のゲートには、論理反転回路122の出力信号が制御信号OE_ONとして入力される。
【0036】
端子21dが電源端子である場合、端子21dに印加される電圧V1は電源電圧VDDであるので、制御信号VDD_ONはローレベルとなり、制御信号OE_ONはハイレベルとなる。その結果、PMOSトランジスター131のソースとドレインとが導通状態となって端子21dと発振用回路150とが電気的に接続され、PMOSトランジスター141のソースとドレインとが非導通状態となって端子21aと発振用回路150とが電気的に遮断される。したがって、端子21dからPMOSトランジスター131を介して発振用回路150に電源電圧VDDが供給され、発振用回路150が動作する。
【0037】
一方、端子21dが電圧入力端子である場合、端子21dに印加される電圧V1はグラウンド電圧GNDであるので、制御信号VDD_ONはハイレベルとなり、制御信号OE_ONはローレベルとなる。その結果、PMOSトランジスター141のソースとドレインとが導通状態となって端子21aと発振用回路150とが電気的に接続され、PMOSトランジスター131のソースとドレインとが非導通状態となって端子21aと発振用回路150とが電気的に遮断される。このとき、端子21aは電源端子であるので、端子21aに印加される電圧V2は電源電圧VDDである。したがって、端子21aからPMOSトランジスター141を介して発振用回路150に電源電圧VDDが供給され、発振用回路150が動作する。
【0038】
このように、端子21dが電源端子と電圧入力端子のいずれであっても、発振用回路150に電源電圧VDDが供給され、発振用回路150が動作する。なお、この電源電圧VDDは、ロジック回路160及び不揮発性メモリー170にも供給される。
【0039】
発振用回路150は、振動子3を発振させてクロック信号OUTを生成する。本実施形態では、発振用回路150は、増幅回路151及び出力回路152を含む。増幅回路151及び出力回路152は、選択回路100からスイッチ130又はスイッチ140を介して電源電圧VDDが供給されて動作する。
【0040】
増幅回路151は、2つの端子21e,21fを介して振動子3の両端と電気的に接続され、振動子3を所望の周波数で発振させて発振信号Voscを出力する。具体的には、増幅回路151は、振動子3の一端から出力される信号XOが端子21eを介して入力され、信号XOを増幅した信号XIを、端子21fを介して振動子3の他端に供給する。
【0041】
増幅回路151は、例えば、論理反転回路等を用いた電圧駆動型の回路であってもよいし、バイポーラトランジスター等を用いた電流駆動型の回路であってもよい。増幅回路151が電流駆動型の回路である場合、増幅回路151には、端子21dからPMOSトランジスター131を介して電流I_VDDが供給され、あるいは、端子21aからPMOSトランジスター141を介して電流I_OEが供給される。
【0042】
端子21aが、制御信号STが入力される制御端子である場合、増幅回路151には、ロジック回路160から制御信号STXが入力される。増幅回路151は、制御信号STXが非アクティブのときに動作して発振信号Voscを出力し、制御信号STXがアクティブのときに動作を停止する。
【0043】
発振信号Voscは、出力回路152に入力される。出力回路152は、発振信号Voscに基づくクロック信号OUTを出力する。例えば、出力回路152は、ロジック回路160から入力される不図示の制御信号に基づいて、不揮発性メモリー170に設定された分周比で分周したクロック信号OUTを出力してもよいし、不揮発性メモリー170に設定された出力タイプのクロック信号OUTを出力してもよい。クロック信号OUTの出力タイプは、例えば、CMOS出力やクリップドサイン出力であってもよい。CMOSは、Complementary Metal Oxide Semiconductorの略である。また、出力回路152は、ロジック回路160から入力される不図示の制御信号に基づいて、不揮発性メモリー170に設定された出力能力のクロック信号OUTを出力してもよい。
【0044】
端子21aが、制御信号OEが入力される制御端子である場合、出力回路152には、ロジック回路160から制御信号OEXが入力される。出力回路152は、制御信号OEXがアクティブのときにクロック信号OUTを出力し、制御信号OEXが非アクティブのときにクロック信号OUTの出力を停止する。
【0045】
ロジック回路160は、各回路の動作を制御する。具体的には、ロジック回路160は、回路装置2の2つの端子21a,21cと接続され、端子21a,21cに入力される信号に基づいて、発振器1あるいは回路装置2の動作モードを、外部通信モード及び通常動作モードを含む複数のモードのうちの1つに設定し、設定した動作モードに応じた制御を行う。本実施形態では、ロジック回路160は、端子21dへの電源電圧VDDの供給が開始してから所定期間内に、端子21aから所定のパターンの信号が入力された場合に、当該所定期間の経過後に動作モードを外部通信モードに設定する。例えば、ロジック回路160は、電源電圧VDDの供給により振動子3が発振を開始して発振が安定したことを検出するまでの期間を当該所定期間としてもよいし、発振信号Voscのパルス数をカウントし、カウント値が所定の値に到達したら当該所定期間が経過したと判断してもよい。また、例えば、ロジック回路160は、電源電圧VDDの供給により動作を開始するRC時定数回路の出力信号に基づいて当該所定期間を計測してもよい。
【0046】
外部通信モードでは、ロジック回路160は、2つの端子21a,21cを介して発振器1の2つの外部端子6a,6cと接続される不図示の外部装置とデータ通信を行うことができる。外部装置は、所定の通信規格に従い、外部端子6cにシリアルクロック信号を出力し、シリアルクロック信号に同期して、外部端子6aにシリアルデータ信号を出力し、あるいは、ロジック回路160から端子21aを介して外部端子6aに出力される信号を取得する。ロジック回路160は、外部通信モードにおいて、例えばI2Cバスの規格に準じて、シリアルクロック信号のエッジ毎に、各種のコマンドとしてのシリアルデータ信号をサンプリングする。I2Cは、Inter-Integrated Circuitの略である。そして、ロジック回路160は、サンプリングしたコマンドに基づいて、動作モードの設定や、不揮発性メモリー170に対するデータの書き込みや読み出し等の処理を行う。なお、本実施形態では、ロジック回路160は、例えば、I2Cバス等の2線式バスの通信規格で外部装置と通信を行うが、SPIバス等の3線式バスあるいは4線式バスの通信規格で外部装置と通信を行ってもよい。SPIは、Serial Peripheral Interfaceの略である。
【0047】
例えば、ロジック回路160は、外部通信モードにおいて、不揮発性メモリー170に対する書き込みコマンドをサンプリングした場合、当該書き込みコマンドで指定された不揮発性メモリー170のアドレスに、当該書き込みコマンドで指定されたデータを書き込む。また、ロジック回路160は、外部通信モードにおいて、不揮発性メモリー170に対する読み出しコマンドをサンプリングした場合、当該読み出しコマンドで指定された不揮発性メモリー170のアドレスからデータを読み出し、シリアルデータに変換して出力する。図6に、端子21dへの電源電圧VDDの供給が開始してから外部通信モードに移行した後、外部通信モードにおいて、不揮発性メモリー170に対するデータの書き込み及び読み出しが行われる場合のタイミングチャートの一例を示す。
【0048】
また、例えば、ロジック回路160は、外部通信モードにおいて、通常動作モード設定コマンドをサンプリングした場合、動作モードを外部通信モードから通常動作モードに移行させる。なお、ロジック回路160は、端子21dへの電源電圧VDDの供給が開始してから所定期間内に、端子21aから所定のパターンの信号が入力されない場合には、当該所定期間の経過後に動作モードを外部通信モードに設定せずに、直接、通常動作モードに設定する。通常動作モードでは、端子21dは電源端子又は電圧入力端子として機能し、端子21aは制御端子又は電源端子として機能する。
【0049】
通常動作モードにおいて、端子21dに電圧V1として電源電圧VDDが入力され、かつ、端子21aに電圧V2として制御信号OEが入力される場合、ロジック回路160は、制御信号OEに基づいて制御信号OEXを生成し、発振用回路150の出力回路152に出力する。この場合、ロジック回路160は、常に非アクティブとなる制御信号STXを生成し、発振用回路150の増幅回路151に出力する。したがって、制御信号OEXがアクティブのときは発振用回路150からクロック信号OUTが出力され、制御信号OEXが非アクティブのときは発振用回路150からのクロック信号OUTの出力が停止する。
【0050】
また、通常動作モードにおいて、端子21dに電圧V1として電源電圧VDDが入力され、かつ、端子21aに電圧V2として制御信号STが入力される場合、ロジック回路160は、制御信号STに基づいて制御信号STXを生成し、発振用回路150の増幅回路151に出力する。この場合、ロジック回路160は、常にアクティブとなる制御信号OEXを生成し、発振用回路150の出力回路152に出力する。したがって、制御信号STXが非アクティブのときは発振用回路150からクロック信号OUTが出力され、制御信号STXがアクティブのときは発振用回路150からのクロック信号OUTの出力が停止する。
【0051】
このように、通常動作モードにおいて、ロジック回路160は、電圧V2に応じて発振用回路150からクロック信号を出力させるか否かを切り替えるクロック信号出力制御回路として機能する。なお、不揮発性メモリー170には、端子21aに印加される電圧V1が制御信号OEと制御信号STのいずれであるかを示す情報や、制御信号OE,STの極性と制御信号STX,OEXの極性との関係を示す情報が記憶され、ロジック回路160は、これらの情報に応じた制御信号OEX,STXを出力する。
【0052】
一方、通常動作モードにおいて、端子21dにグラウンド電圧GNDが入力され、かつ、端子21aに電源電圧VDDが入力される場合、ロジック回路160は、常に非アクティブとなる制御信号STXを生成し、発振用回路150の増幅回路151に出力する。また、ロジック回路160は、常にアクティブとなる制御信号OEXを生成し、発振用回路150の出力回路152に出力する。したがって、常に発振用回路150からクロック信号OUTが出力される。
【0053】
不揮発性メモリー170は、各種の情報を記憶するメモリーであり、例えば、MONOS型メモリーやEEPROM等である。MONOSはMetal Oxide Nitride Oxide Siliconの略であり、EEPROMはElectrically Erasable Programmable Read-Only Memoryの略である。発振器1の製造工程において、不揮発性メモリー170に、各回路を制御するための各種の情報が記憶される。そして、発振器1に電源電圧VDDが供給されると、不揮発性メモリー170に記憶されている各種の情報はロジック回路160が有する不図示のレジスターに転送され、ロジック回路160は、当該レジスターに保存された各種の情報に基づいて各種の制御信号を生成する。
【0054】
前述の通り、本実施形態では、選択回路100は、端子21dに印加される電圧V1に基づいてスイッチ130及びスイッチ140を制御し、端子21dに印加される電圧V1及び端子21aに印加される電圧V2の一方を電源電圧VDDとして発振用回路150に供給する。これに対して、外部通信モードにおいて、不揮発性メモリー170に端子21d,21aのいずれが電源端子であるかを示す情報を記憶させておき、通常動作モードにおいて、ロジック回路160が不揮発性メモリー170から当該情報を読み出してスイッチ130及びスイッチ140を制御する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、ロジック回路160が不揮発性メモリー170から当該情報を読み出すまで、端子21d,21aのいずれが電源端子であるか判断することができないのに対して、端子21d,21aのいずれが電源端子であるか決まっていなければ、ロジック回路160が不揮発性メモリー170から当該情報を読み出すことができない。そのため、この方法では、端子21d,21aのいずれか一方に印加される電源電圧VDDが、発振用回路150に正常に供給されないおそれがある。
【0055】
これに対して、本実施形態では、選択回路100が、端子21dに印加される電圧V1に基づいて、端子21d,21aのいずれが電源端子であるかを判断してスイッチ130及びスイッチ140を制御するので、電源電圧VDDが発振用回路150に正常に供給される。
【0056】
また、前述の通り、本実施形態では、選択回路100は、内部電圧生成回路110が生成する内部電圧VDD_SUBがスイッチ制御回路120に供給され、スイッチ制御回路120が生成する制御信号VDD_ON,OE_ONによってスイッチ130,140が制御される。その結果、電源電圧VDDが端子21d,21aのいずれに供給された場合でも、スイッチ130,140の少なくとも一方が導通し、発振用回路150に電源電圧VDDが供給される。
【0057】
ここで、図7に示す発振器1aが備える比較例の回路装置2aのように、内部電圧生成回路110は、2つのダイオード113,114によって構成されうる。ダイオード113のアノードが端子21dと接続され、ダイオード114のアノードが端子21aと接続され、ノードN2においてダイオード113のカソードとダイオード114のカソードとが接続されている。そして、内部電圧VDD_SUBは、ノードN2の電圧である。図8に、回路装置2aに対するシミュレーション結果の信号波形を示す。
【0058】
図8において、期間T1,T2は、端子21dが電源端子として機能し、かつ、端子21aが制御端子として機能する場合の信号波形である。期間T1では、端子21dに印加される電圧V1は3.3Vであり、端子21aに印加される電圧V2は3.3Vである。期間T2では、電圧V1は3.3Vであり、電圧V2は0Vである。期間T3は、端子21dが電圧入力端子として機能し、かつ、端子21aが電源端子として機能する場合の信号波形である。期間T3では、電圧V1は0Vであり、電圧V2は3.3Vである。なお、期間T4は、端子21dが電圧入力端子として機能し、かつ、端子21aがグラウンド端子として機能する場合の信号波形であり、発振器1aが電源オフとなる場合に相当する。
【0059】
図8において、期間T1では、電圧V1,V2がともに3.3Vであるので、ダイオード113,114に順方向の電流が流れて、内部電圧VDD_SUBが約3.1Vになる。また、電圧V1が3.3Vであるので、制御信号VDD_ONが0VとなってPMOSトランジスター131のソースとドレインとが導通状態となり、約20mAの電流I_VDDが流れ、発振用回路150には、3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが約3.1Vであるため、制御信号OE_ONも約3.1Vとなり、PMOSトランジスター141は、ゲート及びバックゲートが約3.1Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態となる。そのため、電流I_OEは0mAであり、発振用回路150には、約20mAの電流I_VDDと0mAの電流I_OEとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0060】
期間T2では、電圧V1が3.3Vであり、電圧V2が0Vであるので、ダイオード113に順方向の電流が流れるが、ダイオード114には電流が流れず、内部電圧VDD_SUBが約2.6Vになる。また、電圧V1が3.3Vであるので、制御信号VDD_ONが0VとなってPMOSトランジスター131のソースとドレインとが導通状態となり、発振用回路150には3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが約2.6Vであるため、制御信号OE_ONも約2.6Vとなり、PMOSトランジスター141は、ゲート及びバックゲートが約2.6Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態とならずにわずかに導通状態となり、リーク電流が流れる。そのため、端子21dから端子21aに、PMOSトランジスター131,141を介して電流が流れてしまい、電流I_VDDが約24mAとなり、電流I_OEが約-4mAとなっている。発振用回路150には、約24mAの電流I_VDDと約-4mAの電流I_OEとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0061】
期間T3では、電圧V1が0Vであり、電圧V2が3.3Vであるので、ダイオード114に順方向の電流が流れるが、ダイオード113には電流が流れず、内部電圧VDD_SUBが約2.6Vになる。また、電圧V1が0Vであるので、制御信号OE_ONが0VとなってPMOSトランジスター141のソースとドレインとが導通状態となり、発振用回路150には3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが約2.6Vであるため、制御信号VDD_ONも約2.6Vとなり、PMOSトランジスター131は、ゲート及びバックゲートが約2.6Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態とならずにわずかに導通状態となり、リーク電流が流れる。そのため、端子21aから端子21dに、PMOSトランジスター141,131を介して電流が流れてしまい、電流I_OEが約24mAとなり、電流I_VDDが約-4mAとなっている。発振用回路150には、約24mAの電流I_OEと約-4mAの電流I_VDDとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0062】
このように、比較例の回路装置2aでは、期間T2,T3において、PMOSトランジスター141又はPMOSトランジスター131にリーク電流が流れて消費電流が大きくなるという問題がある。
【0063】
この問題を解消するために、本実施形態の回路装置2では、前述の通り、内部電圧生成回路110は、2つのPMOSトランジスター111,112によって構成されている。図9に、回路装置2に対するシミュレーション結果の信号波形を示す。期間T1~T4における電圧V1,V2の波形は図8と同じである。
【0064】
図9において、期間T1では、電圧V1,V2がともに3.3Vであるので、PMOSトランジスター111,112はともにオフ状態であるが、PMOSトランジスター111,112の各ソース-ドレイン間に形成される寄生ダイオードによって端子21d,21aからノードN1へと電流が流れるため、内部電圧VDD_SUBが約3.1Vになる。また、電圧V1が3.3Vであるので、制御信号VDD_ONが0VとなってPMOSトランジスター131のソースとドレインとが導通状態となり、約20mAの電流I_VDDが流れ、発振用回路150には、3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが約3.1Vであるため、制御信号OE_ONも約3.1Vとなり、PMOSトランジスター141は、ゲート及びバックゲートが約3.1Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態となる。そのため、電流I_OEは0mAであり、発振用回路150には、約20mAの電流I_VDDと0mAの電流I_OEとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0065】
期間T2では、電圧V1が3.3Vであり、電圧V2が0Vであるので、PMOSトランジスター111がオン状態、PMOSトランジスター112がオフ状態となり、内部電圧VDD_SUBが3.3Vになる。また、電圧V1が3.3Vであるので、制御信号VDD_ONが0VとなってPMOSトランジスター131のソースとドレインとが導通状態となり、約20mAの電流I_VDDが流れ、発振用回路150には3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが3.3Vであるため、制御信号OE_ONも3.3Vとなり、PMOSトランジスター141は、ゲート及びバックゲートが3.3Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態となる。そのため、電流I_OEは0mAであり、発振用回路150には、約20mAの電流I_VDDと0mAの電流I_OEとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0066】
期間T3では、電圧V1が0Vであり、電圧V2が3.3Vであるので、PMOSトランジスター111がオフ状態、PMOSトランジスター112がオン状態となり、内部電圧VDD_SUBが3.3Vになる。また、電圧V1が0Vであるので、制御信号OE_ONが0VとなってPMOSトランジスター141のソースとドレインとが導通状態となり、約20mAの電流I_OEが流れ、発振用回路150には3.3Vの電源電圧VDDが供給される。一方、内部電圧VDD_SUBが3.3Vであるため、制御信号VDD_ONも3.3Vとなり、PMOSトランジスター131は、ゲート及びバックゲートが3.3Vであり、ソースが3.3Vであり、ドレインが0Vであるので、ソースとドレインとが非導通状態となる。そのため、電流I_VDDは0mAであり、発振用回路150には、約20mAの電流I_OEと0mAの電流I_VDDとが加算された約20mAの電流が供給される。
【0067】
このように、回路装置2では、期間T1,T2,T3のいずれにおいて、PMOSトランジスター141及びPMOSトランジスター131にリーク電流が流れず、リーク電流によって消費電流が大きくなるという問題が解消する。
【0068】
なお、第1実施形態において、外部端子6dは「第1外部端子」の一例であり、外部端子6aは「第2外部端子」の一例である。端子21dは「第1端子」の一例であり、端子21aは「第2端子」の一例である。また、電圧V1は「第1電圧」の一例であり、電圧V2は「第2電圧」の一例である。また、スイッチ130は「第1スイッチ」の一例であり、スイッチ140は「第2スイッチ」の一例である。また、PMOSトランジスター111は「第1PMOSトランジスター」の一例であり、PMOSトランジスター112は「第2PMOSトランジスター」の一例である。また、ロジック回路160は、「クロック信号出力制御回路」の一例である。
【0069】
以上に説明したように、第1実施形態の発振器1では、回路装置2において、端子21dが電源端子である場合は電圧V1を電源電圧VDDとして発振用回路150を動作させることができるので、端子21aを制御端子として機能させることができる。また、回路装置2において、端子21dが電圧入力端子である場合は、端子21aを電源端子として機能させ、電圧V2を電源電圧VDDとして発振用回路150を動作させることができる。したがって、第1実施形態の発振器1によれば、電圧V1に応じて、端子21dと接続される外部端子6dを電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、端子21aと接続される外部端子6aを制御端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0070】
このようにすることで、第1実施形態の発振器1は、実装基板における複数種類のランドパターンが想定される場合に対応できる。複数種類のランドパターンの例を表1に記載する。例えば、第1のランドパターンを有する実装基板として、外部端子6aに対応する実装電極に制御電圧が印加され、外部端子6bに対応する実装電極にグラウンド電圧GNDが印加され、外部端子6cに対応する実装電極がクロック信号OUT用の電極であり、外部端子6dに対応する実装電極に電源電圧VDDが印加されるプリント基板が想定される。また、第2のランドパターンを有する実装基板として、外部端子6aに対応する実装電極に電源電圧VDDが印加され、外部端子6cに対応する実装電極がクロック信号OUT用の電極であり、外部端子6bおよび外部端子6dに対応する実装電極にグラウンド電圧GNDが印加されるプリント基板が想定される。第1実施形態の発振器1は、第1のランドパターンに実装された場合であっても、第2のランドパターンに実装された場合であっても、問題なく動作することができる。
【0071】
【表1】
【0072】
このように、第1実施形態の発振器1は、その内部構造を変えることなく複数の異なる端子配置を実現することができるので、端子配置及び内部の構造の異なる2種類の発振器1を製造する必要がなく、製造コストや在庫管理コストが低減される。さらに、第1実施形態の発振器1によれば、回路装置2において、選択回路100が端子21dに印加される電圧V1に基づいてスイッチ130,140を制御するので、端子21d,21aの機能を選択するための情報をあらかじめ不揮発性メモリー170に記憶させる必要がなく、製造コストが低減される。
【0073】
また、第1実施形態の発振器1では、回路装置2において、内部電圧生成回路110は、端子21dとノードN1との間に接続されたPMOSトランジスター111と、端子21aとノードN1との間に接続されたPMOSトランジスター112とを含むので、端子21d又は端子21aから印加される電源電圧VDDに対する電圧降下が小さい内部電圧VDD_SUBを生成することができる。したがって、第1実施形態の発振器1によれば、回路装置2において、内部電圧VDD_SUBによって動作するPMOSトランジスター131及びPMOSトランジスター141におけるリーク電流が小さくなるので、リーク電流によって消費電流が大きくなるおそれが低減される。
【0074】
2.第2実施形態
以下、第2実施形態の発振器1について、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付し、第1実施形態と同様の説明は省略又は簡略し、主として第1実施形態と異なる内容について説明する。
【0075】
第2実施形態の発振器1の構造は、図1図4と同様であるため、その説明を省略する。第2実施形態の発振器1では、回路装置2の一部の機能が第1実施形態と異なる。
【0076】
図10は、第2実施形態の発振器1の機能ブロック図である。図10に示すように、第2実施形態の発振器1では、回路装置2において、端子21dは電源端子又は電圧入力端子として機能し、端子21aは電圧入力端子又は電源端子として機能する。端子21dが電源端子である場合、端子21aは電圧入力端子である。また、端子21dが電圧入力端子である場合、端子21aは電源端子である。
【0077】
端子21dが電源端子である場合、端子21dに印加される電圧V1は電源電圧VDDであるので、PMOSトランジスター112はオフ状態となる。この場合、端子21aは電圧入力端子であるので、端子21aに印加される電圧V2はグラウンド電圧GNDである。そのため、PMOSトランジスター111がオン状態となり、ノードN1の電圧は電圧V1である電源電圧VDDとなる。
【0078】
一方、端子21dが電圧入力端子である場合、端子21dに印加される電圧V1はグラウンド電圧GNDであるので、PMOSトランジスター111はオン状態となる。この場合、端子21aは電源端子であるので、端子21aに印加される電圧V2は電源電圧VDDであり、PMOSトランジスター111はオフ状態となる。したがって、ノードN1の電圧は電圧V2である電源電圧VDDとなる。
【0079】
すなわち、第1実施形態と同様、端子21dが電源端子である場合も電圧入力端子である場合も、ノードN1の電圧である内部電圧VDD_SUBは電源電圧VDDとなる。そして、選択回路100の構成は、図5と同じであるので、端子21dが電源端子と電圧入力端子のいずれであっても、発振用回路150に電源電圧VDDが供給され、発振用回路150が動作する。
【0080】
また、端子21aが電圧入力端子と電源端子のいずれであっても、ロジック回路160は、常に非アクティブとなる制御信号STXを生成し、発振用回路150の増幅回路151に出力する。さらに、ロジック回路160は、常にアクティブとなる制御信号OEXを生成し、発振用回路150の出力回路152に出力する。したがって、発振用回路150から常にクロック信号OUTが出力される。
【0081】
第2実施形態の発振器1のその他の構成は、第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0082】
なお、第2実施形態において、外部端子6dは「第1外部端子」の一例であり、外部端子6aは「第2外部端子」の一例である。端子21dは「第1端子」の一例であり、端子21aは「第2端子」の一例である。また、電圧V1は「第1電圧」の一例であり、電圧V2は「第2電圧」の一例である。また、スイッチ130は「第1スイッチ」の一例であり、スイッチ140は「第2スイッチ」の一例である。また、PMOSトランジスター111は「第1PMOSトランジスター」の一例であり、PMOSトランジスター112は「第2PMOSトランジスター」の一例である。また、ロジック回路160は、「クロック信号出力制御回路」の一例である。
【0083】
以上に説明したように、第2実施形態の発振器1では、回路装置2において、端子21dが電源端子である場合は電圧V1を電源電圧VDDとして発振用回路150を動作させることができるので、端子21aを電圧入力端子として機能させることができる。また、回路装置2において、端子21dが電圧入力端子である場合は、端子21aを電源端子として機能させ、電圧V2を電源電圧VDDとして発振用回路150を動作させることができる。したがって、第2実施形態の発振器1によれば、電圧V1に応じて、端子21dと接続される外部端子6dを電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、端子21aと接続される外部端子6aを電圧入力端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0084】
このように、第2実施形態の発振器1は、その内部構造を変えることなく複数の異なる端子配置を実現することができるので、端子配置及び内部の構造の異なる2種類の発振器を製造する必要がなく、製造コストや在庫管理コストが低減される。さらに、第2実施形態の発振器1によれば、回路装置2において、選択回路100が端子21dに印加される電圧V1に基づいてスイッチ130,140を制御するので、端子21d,21aの機能を選択するための情報をあらかじめ不揮発性メモリー170に記憶させる必要がなく、製造コストが低減される。
【0085】
また、第2実施形態の発振器1では、回路装置2において、内部電圧生成回路110は、端子21dとノードN1との間に接続されたPMOSトランジスター111と、端子21aとノードN1との間に接続されたPMOSトランジスター112とを含むので、端子21d又は端子21aから印加される電源電圧VDDに対する電圧降下が小さい内部電圧VDD_SUBを生成することができる。したがって、第2実施形態の発振器1によれば、回路装置2において、内部電圧VDD_SUBによって動作するPMOSトランジスター131及びPMOSトランジスター141におけるリーク電流が小さくなるので、リーク電流によって消費電流が大きくなるおそれが低減される。
【0086】
3.変形例
本発明は本実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。
【0087】
例えば、上記の各実施形態の発振器1は、図1図4に示した構造に限定されない。発振器1は、例えば、図11に示す構造であってもよい。図11において、図2と同様の構成要素には同じ符号が付されている。図11に示す発振器1は、H型構造の発振器であり、容器4には、対向する面に2つの凹部が設けられており、リッド5で一方の凹部を覆うことによって収容室7aとなり、封止部材8で他方の凹部を覆うことによって収容室7bとなる。収容室7aには振動子3が収容され、収容室7bには回路装置2が収容されている。
【0088】
また、上記の各実施形態の発振器1は、例えば、図12に示す構造であってもよい。図12において、図2と同様の構成要素には同じ符号が付されている。図12に示す発振器1では、回路装置2は、底面20が振動子3と対向するように実装されている。そして、容器4には6個の電極9が形成されており、各電極9は、回路装置2の底面20に設けられた各端子21と各ボンディングワイヤー10によって接続されている。容器4に形成されている4個の電極9は、容器4の底面に設けられている4個の外部端子6と不図示の配線によってそれぞれ電気的に接続されている。また、容器4に形成されている2個の電極9は、振動子3の励振電極3a,3bと不図示の配線によってそれぞれ電気的に接続されている。
【0089】
また、例えば、上記の各実施形態では、回路装置2において、スイッチ制御回路120は、端子21dに印加される電圧V1が電源電圧VDDであれば、仮に端子21aに印加される電圧V2がグラウンド電圧GNDであっても、PMOSトランジスター141をオン状態にする。例えば、スイッチ制御回路120は、端子21aに印加される電圧V2がグラウンド電圧GNDのときはPMOSトランジスター141をオフ状態にしてもよい。図13は、この変形例の発振器1の機能ブロック図である。図13において、図5と同様の構成要素には同じ符号が付されている。図13に示す発振器1では、回路装置2において、スイッチ制御回路120は、論理反転回路121,122に加えてNAND回路123を含む。論理反転回路121,122及びNAND回路123は、内部電圧VDD_SUBが供給されて動作する。論理反転回路121の入力端子は端子21dと接続されており、論理反転回路121の出力端子はNAND回路123の第1入力端子と接続されている。NAND回路123の第2入力端子は端子21aと接続されており、NAND回路123の出力端子は論理反転回路122の入力端子及びPMOSトランジスター141のゲートと接続されている。論理反転回路122の出力端子はPMOSトランジスター131のゲートと接続されている。したがって、端子21aに印加される電圧V2がグラウンド電圧GNDのときは、NAND回路123の出力信号がハイレベルとなり、PMOSトランジスター131はオフ状態となる。
【0090】
また、上記の各実施形態では、外部通信モードにおいて、回路装置2に対して、端子21cからシリアルクロック信号が入力され、端子21aからシリアルデータ信号が入力又は出力されるが、シリアルクロック信号やシリアルデータ信号が入力又は出力される端子は、これら以外の端子であってもよい。
【0091】
また、上記の各実施形態の発振器1は、SPXO等のシンプルな発振器であるが、TCXO等の温度補償機能を有する発振器であってもよいし、VCXO等の周波数制御機能を有する発振器であってもよい。SPXOはSimple Packaged Crystal Oscillatorの略である。TCXOはTemperature Compensated Crystal Oscillatorの略である。VCXOはVoltage Controlled Crystal Oscillatorの略である。また、発振器1は、VC-TCXO等の温度補償機能及び周波数制御機能を有する発振器であってもよいし、OCXO等の温度制御機能を有する発振器などであってもよい。VC-TCXOはVoltage Controlled Temperature Compensated Crystal Oscillatorの略である。また、OCXOは、Oven Controlled Crystal Oscillatorの略である。
【0092】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0093】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0094】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0095】
回路装置の一態様は、
電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
第2電圧が印加される第2端子と、
振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える。
【0096】
この回路装置では、第1端子が電源端子である場合は第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させ、第1端子が電圧入力端子である場合は第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この回路装置によれば、第1電圧に応じて第1端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0097】
また、この回路装置によれば、選択回路が第1端子に印加される第1電圧に基づいて第1スイッチ及び第2スイッチを制御するので、第1端子の機能を選択するための情報をあらかじめ不揮発性メモリーに記憶させる必要がなく、製造コストが低減される。
【0098】
前記回路装置の一態様において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は制御端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能してもよい。
【0099】
この回路装置では、第1端子が電源端子である場合は、第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができるので、第2端子を制御端子として機能させることができる。また、第1端子が電圧入力端子である場合は、第2端子を電源端子として機能させ、第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この回路装置によれば、第1電圧に応じて、第1端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、第2端子を制御端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0100】
前記回路装置の一態様は、
前記第2端子と接続され、前記第2電圧に応じて前記発振用回路からクロック信号を出力させるか否かを切り替えるクロック信号出力制御回路を備えてもよい。
【0101】
この回路装置では、第1端子が電源端子である場合は、第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができるので、第2端子をクロック信号の出力を制御する端子として機能させることができる。また、第1端子が電圧入力端子である場合は、第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この回路装置によれば、第1電圧に応じて、第1端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、第2端子を出力制御用の端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0102】
前記回路装置の一態様において、
前記選択回路は、
前記第1電圧及び前記第2電圧に基づいて、内部電圧を生成する内部電圧生成回路と、
前記内部電圧によって動作し、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御するスイッチ制御回路と、を含んでもよい。
【0103】
前記回路装置の一態様において、
前記内部電圧生成回路は、
ソースが前記第1端子と接続され、ゲートが前記第2端子と接続される第1PMOSトランジスターと
ソースが前記第2端子と接続され、ゲートが前記第1端子と接続される第2PMOSトランジスターと、を含み、
前記内部電圧は、前記第1PMOSトランジスターのドレインと前記第2PMOSトランジスターのドレインとが接続されたノードの電圧であってもよい。
【0104】
この回路装置によれば、第1PMOSトランジスター及び第2PMOSトランジスターをそれぞれダイオードに置き換えた場合と比較して、第1端子又は第2端子から印加される電源電圧に対する電圧降下が小さい内部電圧を生成することができる。したがって、内部電圧によって動作する第1スイッチ及び第2スイッチにおけるリーク電流が小さくなるので、リーク電流によって消費電流が大きくなるおそれが低減される。
【0105】
前記回路装置の一態様において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は電圧入力端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能してもよい。
【0106】
この回路装置では、第1端子が電源端子である場合は、第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができるので、第2端子を電圧入力端子として機能させることができる。また、第1端子が電圧入力端子である場合は、第2端子を電源端子として機能させ、第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この回路装置によれば、第1電圧に応じて、第1端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、第2端子を電圧入力端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0107】
振動デバイスの一態様は、
振動子と、
前記振動子と電気的に接続される回路装置と、
前記振動子と前記回路装置とを収容し、第1外部端子及び第2外部端子が設けられている容器と、を備え、
前記回路装置は、
前記第1外部端子と電気的に接続されており、電源端子又は電圧入力端子として機能し、第1電圧が印加される第1端子と、
前記第2外部端子と電気的に接続されており、第2電圧が印加される第2端子と、
前記振動子を発振させる発振用回路と、
前記第1端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第1スイッチと、
前記第2端子と前記発振用回路とを電気的に接続又は遮断する第2スイッチと、
前記第1電圧に基づいて前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを制御し、前記第1電圧及び前記第2電圧の一方を電源電圧として前記発振用回路に供給する選択回路と、を備える。
【0108】
この振動デバイスでは、回路装置において、第1端子が電源端子である場合は第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させ、第1端子が電圧入力端子である場合は第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この振動デバイスによれば、第1電圧に応じて、第1端子と接続される第1外部端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。このように、この振動デバイスは、その内部構造を変えることなく複数の異なる端子配置を実現することができるので、端子配置及び内部の構造の異なる2種類の振動デバイスを製造する必要がなく、製造コストや在庫管理コストが低減される。
【0109】
前記振動デバイスの一態様において、
前記第1端子が電源端子として機能するとき、前記第2端子は制御端子として機能し、
前記第1端子が電圧入力端子として機能するとき、前記第2端子は電源端子として機能してもよい。
【0110】
この振動デバイスでは、回路装置において、第1端子が電源端子である場合は、第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができるので、第2端子を制御端子として機能させることができる。また、第1端子が電圧入力端子である場合は、第2端子を電源端子として機能させ、第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この振動デバイスによれば、第1電圧に応じて、第1外部端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、第2外部端子を制御端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【0111】
前記振動デバイスの一態様において、
前記回路装置は、前記第2端子と接続され、前記第2電圧に応じて前記発振用回路からクロック信号を出力させるか否かを切り替えるクロック信号出力制御回路を備えてもよい。
【0112】
この振動デバイスでは、回路装置において、第1端子が電源端子である場合は、第1電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができるので、第2端子をクロック信号の出力を制御する端子として機能させることができる。また、回路装置において、第1端子が電圧入力端子である場合は、第2電圧を電源電圧として発振用回路を動作させることができる。したがって、この振動デバイスによれば、第1電圧に応じて、第1端子と接続される第1外部端子を電源端子と電圧入力端子のいずれとして機能させるかを選択するとともに、第2端子と接続される第2外部端子を出力制御用の端子と電源端子のいずれとして機能させるかを選択することができる。
【符号の説明】
【0113】
1…発振器、2…回路装置、3…振動子、3a…励振電極、3b…励振電極、4…容器、5…リッド、6,6a,6b,6c,6d…外部端子、7,7a,7b…収容室、8…封止部材、9…容器の電極、10…ボンディングワイヤー、20…回路装置の底面、21,21a,21b,21c,21d,21e,21f…回路装置の端子、100…選択回路、110…内部電圧生成回路、111…PMOSトランジスター、112…PMOSトランジスター、113…ダイオード、114…ダイオード、120…スイッチ制御回路、121…論理反転回路、122…論理反転回路、123…NAND回路、130…スイッチ、131…PMOSトランジスター、140…スイッチ、141…PMOSトランジスター、150…発振用回路、151…増幅回路、152…出力回路、160…ロジック回路、170…不揮発性メモリー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図13