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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142774
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】検知装置及び記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/00 20060101AFI20241003BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20241003BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B41J29/00 C
B41J29/13 103
B41J29/38 104
B41J29/38 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055089
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】新 孟大
(72)【発明者】
【氏名】中村 健太郎
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AQ05
2C061AR03
2C061AS02
2C061BB02
2C061BB08
2C061BB17
2C061BB35
2C061CD01
2C061HJ10
2C061HK11
2C061HT11
2C061HV10
(57)【要約】
【課題】水平方向において小型化できる検知装置及び記録装置を提供する。
【解決手段】検知装置31は、装置本体12に対する扉13の開閉を検知する検知装置であって、扉に取り付けられる押付部材61と、装置本体に取り付けられ、押付部材を検知することによって扉が閉じたことを検知するセンサー42と、装置本体に取り付けられ、押付部材による押し付けが解除されることによって電力供給を遮断するスイッチ45と、を備え、センサー及びスイッチは、扉が閉じた状態において押付部材よりも上方又は下方に位置し、鉛直方向から見た場合に重なるように位置する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体に対する扉の開閉を検知する検知装置であって、
前記扉に取り付けられる押付部材と、
前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材を検知することによって前記扉が閉じたことを検知するセンサーと、
前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材による押し付けが解除されることによって電力供給を遮断するスイッチと、を備え、
前記センサー及び前記スイッチは、
前記扉が閉じた状態において前記押付部材よりも上方又は下方に位置し、
鉛直方向から見た場合に重なるように位置することを特徴とする検知装置。
【請求項2】
前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材が接触するリンク部材を備え、
前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、
前記スイッチは、
レバーを有し、
前記レバーの押し付けが解消されることによって電力供給を遮断し、
前記リンク部材は、前記押付部材が接触することによって前記レバーを押し付け、
前記リンク部材及び前記センサーは、前記扉が閉じる場合に、この順で前記押付部材と接触するように並ぶことを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項3】
前記装置本体に取り付けられ、前記センサー及び前記スイッチを保持するフレームと、
前記扉に取り付けられる位置決めピンと、を備え、
前記位置決めピンは、前記扉が閉じる場合に、前記フレームに挿入されることによって、前記フレームに対して前記押付部材を位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項4】
前記位置決めピンの長さは、前記押付部材の長さよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の検知装置。
【請求項5】
前記位置決めピンは、鉛直方向から見た場合に、前記押付部材と重なるように位置することを特徴とする請求項3に記載の検知装置。
【請求項6】
前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、
前記フレームには、前記押付部材が挿入される挿入口が開口し、
前記押付部材は、
前記センサー及び前記スイッチを押し付ける押付部分と、前記押付部分から垂直に延びる垂直部分と、を有し、
前記挿入口に挿入されることによって前記センサー及び前記スイッチを押し付け、
前記挿入口は、前記押付部分及び前記垂直部分による前記押付部材の形状に合わせて開口することを特徴とする請求項3に記載の検知装置。
【請求項7】
前記押付部材は、折り曲げられた板金によって構成されることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項8】
前記押付部材を覆うカバー部材を備え、
前記カバー部材は、樹脂材料によって構成されることを特徴とする請求項7に記載の検知装置。
【請求項9】
前記扉は、回転軸を中心に回転することによって開閉し、
前記押付部分は、第1側端と、第2側端とを有し、
前記第1側端と前記回転軸との距離は、前記第2側端と前記回転軸との距離よりも小さく、
前記垂直部分は、前記第1側端から延びることを特徴とする請求項6に記載の検知装置。
【請求項10】
前記押付部分は、押付基端と、押付先端と、を有し、
前記押付先端と前記扉との距離は、前記押付基端と前記扉との距離よりも大きく、
前記垂直部分は、垂直基端と、垂直先端と、を有し、
前記垂直先端と前記扉との距離は、前記垂直基端と前記扉との距離よりも大きく、
前記押付先端の断面積は、前記押付基端の断面積よりも小さく、
前記垂直先端の断面積は、前記垂直基端の断面積よりも小さいことを特徴とする請求項9に記載の検知装置。
【請求項11】
前記フレームに挿入される前記位置決めピンに対して前記フレームを保護する保護部材を備えることを特徴とする請求項3に記載の検知装置。
【請求項12】
前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、
前記押付部材は、
前記装置本体に対して前記扉が開く場合に、前記センサーから離れた後に前記スイッチから離れ、
前記装置本体に対して前記扉が閉じる場合に、前記スイッチを押し付けた後に前記センサーを押し付けることを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12の何れか一項に記載の検知装置と、
前記装置本体と、
前記扉と、を備えることを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知装置及び記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録装置に取り付けられる検知装置が記載されている。この検知装置は、扉の開閉を検知するセンサーと、電力供給を遮断するスイッチと、扉の開閉に伴い移動する軸部材とを備える。センサーは、軸部材を検知することによって扉が閉じたことを検知する。スイッチは、軸部材による押し付けが解除されることによって、電力供給を遮断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-309955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される検知装置では、軸部材が延びる水平方向にセンサーとスイッチとが並ぶ。そのため、水平方向において検知装置が大型化しやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する検知装置は、装置本体に対する扉の開閉を検知する検知装置であって、前記扉に取り付けられる押付部材と、前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材を検知することによって前記扉が閉じたことを検知するセンサーと、前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材による押し付けが解除されることによって電力供給を遮断するスイッチと、を備え、前記センサー及び前記スイッチは、前記扉が閉じた状態において前記押付部材よりも上方又は下方に位置し、鉛直方向から見た場合に重なるように位置する。
【0006】
上記課題を解決する記録装置は、上述の検知装置と、前記装置本体と、前記扉と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、検知装置を備える記録装置の一実施例を示す正面図である。
図2図2は、検知装置を示す記録装置の正面図である。
図3図3は、記録装置の上面図である。
図4図4は、フレームの斜視図である。
図5図5は、図2の拡大図である。
図6図6は、図5から扉を開く状態の正面図である。
図7図7は、図6からさらに扉を開く状態の正面図である。
図8図8は、押付部材の斜視図である。
図9図9は、検知装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、検知装置を備える記録装置の一実施例について図を参照しながら説明する。記録装置は、例えば、用紙、布帛などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することによって、文字、写真などの画像を記録するインクジェット式のプリンターである。記録装置は、インクジェット式に限らず、トナージェット式、ドットインパクト式のプリンターであってもよい。
【0009】
<記録装置>
図1に示すように、記録装置11は、装置本体12を備える。装置本体12は、記録装置11が備える各種構成を収容する。一例では、装置本体12の形状は、直方体、又は、直方体状である。
【0010】
記録装置11は、扉13を備える。扉13は、装置本体12に取り付けられる。扉13は、例えば、ヒンジ、シャフトなどによって装置本体12に取り付けられる。扉13は、装置本体12に対して開閉するように構成される。詳しくは、扉13は、装置本体12に対して回転することによって、開閉する。扉13は、例えば、装置本体12の側面を覆うように位置する。図1に実線で示す扉13は、閉じている。図1に2点鎖線で示す扉13は、開いている。扉13が開くことによって、装置本体12内が露出する。ユーザーは、扉13を開くことによって、記録装置11をメンテナンスできる。
【0011】
扉13は、基端部分14と、先端部分15とを有する。基端部分14は、装置本体12に取り付けられる部分である。扉13は、基端部分14を中心に回転する。先端部分15は、扉13において基端部分14とは反対の端部を構成する。例えば、ユーザーは、先端部分15に手を掛けることによって、扉13を開閉する。扉13の開閉時において、先端部分15は、基端部分14を中心に円弧を描くように移動する。
【0012】
扉13は、回転軸16を有する。回転軸16は、扉13の回転中心となる仮想軸である。扉13は、回転軸16を中心に回転することによって開閉する。一例では、回転軸16は、基端部分14を鉛直方向に延びる。そのため、扉13は、水平に開く、いわゆる横開きである。回転軸16は、扉13の下端部分、又は、扉13の上端部分を水平方向に延びてもよい。この場合、扉13は、縦開きである。
【0013】
記録装置11は、積載部17を備える。積載部17は、1枚以上の媒体99が積載されるように構成される。例えば、積載部17には、複数枚の媒体99が積層される状態で積載される。積載部17は、装置本体12に取り付けられる。積載部17は、装置本体12の下部に位置する。一例では、積載部17は、装置本体12に対して挿抜可能に構成される。積載部17は、例えば、カセットである。ユーザーは、装置本体12から積載部17を引き出すことによって、積載部17に媒体99を補充できる。積載部17は、カセットに限らず、トレイでもよい。
【0014】
記録装置11内には、搬送経路18が延びる。媒体99は、記録装置11内において搬送経路18を搬送される。搬送経路18は、記録装置11が備える構成によって形成される空間である。媒体99が搬送される搬送方向は、搬送経路18が延びる方向である。搬送経路18は、積載部17から装置本体12外に向かって延びる。媒体99は、搬送経路18を搬送される過程で、画像を記録される。媒体99は、搬送経路18を搬送されることによって、装置本体12外に排出される。
【0015】
記録装置11内には、搬送経路18の他に、スイッチバック経路19と、反転経路20とが延びていてもよい。スイッチバック経路19及び反転経路20は、媒体99の両面に画像が記録される場合に、使用される。
【0016】
スイッチバック経路19は、媒体99をスイッチバック、すなわち媒体99が進行する方向が反転される経路である。スイッチバック経路19は、搬送経路18から分岐するように延びる。スイッチバック経路19には、片面に画像が記録された媒体99が搬送される。
【0017】
反転経路20は、媒体99の姿勢を反転させる経路である。反転経路20は、スイッチバック経路19と繋がる。反転経路20には、スイッチバック経路19においてスイッチバックされた媒体99が搬送される。反転経路20は、搬送経路18と繋がる。媒体99は、反転経路20を搬送されることによって、姿勢を反転されたうえで搬送経路18に戻される。媒体99は、再び搬送経路18を搬送されることによって、再び画像を記録される。これにより、媒体99の両面に画像が記録される。
【0018】
記録装置11は、排出トレイ21を備える。排出トレイ21は、記録済みの媒体99を受ける。詳しくは、排出トレイ21は、搬送経路18を通じて装置本体12外に排出される媒体99を受ける。一例では、排出トレイ21は、装置本体12の外装面によって構成される。
【0019】
記録装置11は、搬送部22を備える。搬送部22は、媒体99を搬送するように構成される。搬送部22は、積載部17に積載される媒体99を搬送する。搬送部22は、搬送経路18に沿って媒体99を搬送する。搬送部22は、スイッチバック経路19及び反転経路20に沿って媒体99を搬送してもよい。
【0020】
搬送部22は、1以上のローラー23を有する。一例では、搬送部22は、複数のローラー23を有する。複数のローラー23は、例えば、搬送経路18、スイッチバック経路19、及び、反転経路20などに配置される。複数のローラー23は、装置本体12及び扉13などに取り付けられる。
【0021】
搬送部22は、搬送ベルト24と、第1プーリー25と、第2プーリー26とを有する。搬送ベルト24は、第1プーリー25及び第2プーリー26に巻き掛けられる。搬送ベルト24は、例えば、静電吸着によって媒体99を吸着する。これにより、搬送ベルト24は、媒体99を支持する。搬送ベルト24は、例えば、吸引による負圧によって媒体99を吸着するように構成されてもよい。第1プーリー25及び第2プーリー26は、搬送経路18に沿って位置する。第1プーリー25及び第2プーリー26が回転することによって、搬送ベルト24が周回する。その結果、搬送ベルト24に支持される媒体99が搬送される。搬送ベルト24は、例えば、斜め上方に向けて媒体99を搬送する。記録装置11は、搬送ベルト24に代えて、単なる支持台を備えてもよい。
【0022】
記録装置11は、記録部27を備える。記録部27は、媒体99に画像を記録するように構成される。一例では、記録部27は、媒体99に液体を吐出することによって、媒体99に画像を記録する。記録部27は、例えば、媒体99の幅にわたって液体を一斉に吐出可能なラインヘッドである。記録部27は、媒体99に対して走査するシリアルヘッドでもよい。
【0023】
記録部27は、搬送ベルト24と対向するように位置する。記録部27は、搬送ベルト24の斜め上方に位置する。記録部27は、搬送ベルト24に支持される媒体99に画像を記録する。
【0024】
<検知装置>
図2に示すように、記録装置11は、検知装置31を備える。検知装置31は、装置本体12に対する扉13の開閉を検知するように構成される。検知装置31は、扉13の開閉を検知することに加えて、電力供給を遮断するように構成される。一例では、検知装置31は、扉13が開く場合に、搬送部22に対する電力供給を遮断する。これにより、扉13が開く状態で搬送部22が駆動するおそれが低減される。検知装置31は、扉13が開く場合に、搬送部22に限らず他の構成に対する電力供給を遮断してもよい。
【0025】
図3に示すように、検知装置31は、装置本体12及び扉13に取り付けられる。検知装置31は、本体部分32と、扉部分33とを有する。本体部分32は、装置本体12に取り付けられる部分である。扉部分33は、扉13に取り付けられる部分である。扉13が開閉することに伴い、扉部分33が本体部分32に進入したり、扉部分33が本体部分32から退避したりする。扉13が装置本体12に対して閉じると、扉部分33が本体部分32に進入する。扉13が装置本体12に対して開くと、扉部分33が本体部分32から退避する。検知装置31は、扉部分33が本体部分32から退避する場合に、扉13が開いたことを検知し、電力供給を遮断する。
【0026】
扉部分33は、扉13において先端部分15に位置する。本体部分32は、装置本体12において、扉13が閉じる場合に先端部分15と対向する位置に位置する。扉部分33が先端部分15に位置する場合には、扉部分33が基端部分14に位置する場合と比べて、扉13の回転量に対する扉部分33の移動量が大きくなる。これにより、本体部分32に対して、扉部分33が進入及び退避しやすくなる。また、扉部分33が先端部分15に位置する場合には、本体部分32に対して直線的に進入できる。これは、扉13は回転軸16を中心に回転するため、扉13の開閉に伴う扉部分33の移動軌跡は、回転軸16を中心とする円弧を描くためである。扉部分33が回転軸16から離れた位置に位置することによって、扉部分33の移動軌跡が描く円弧の曲率が小さくなる。そのため、扉部分33が先端部分15に位置することによって、扉13が閉じる場合に、扉部分33が本体部分32に進入しやすくなる。
【0027】
図2及び図4に示すように、本体部分32は、フレーム34を有する。すなわち、フレーム34は、装置本体12に取り付けられる。フレーム34は、例えば、板金で構成される。一例では、フレーム34は、保持部分35と、対向部分36とを有する。保持部分35は、後述するセンサー42、スイッチ45などを保持する部分である。対向部分36は、扉13が閉じる場合に扉部分33と対向する部分である。対向部分36は、保持部分35から屈曲するように延びる。
【0028】
図4に示すように、対向部分36には、1以上の挿入口が形成される。挿入口は、扉部分33が本体部分32に進入するための開口である。挿入口には、扉部分33が挿入される。一例では、対向部分36には、2つの挿入口が形成される。詳しくは、対向部分36には、押付挿入口37と、ピン挿入口38とが開口する。
【0029】
押付挿入口37及びピン挿入口38は、鉛直方向に並ぶ。一例では、押付挿入口37は、ピン挿入口38よりも下方に位置する。押付挿入口37は、ピン挿入口38よりも上方に位置してもよい。押付挿入口37は、後述する押付部材61が挿入される挿入口である。押付挿入口37は、押付部材61の形状に合わせて開口する。一例では、押付挿入口37は、L字状に開口する。ピン挿入口38は、位置決めピン72が挿入される挿入口である。ピン挿入口38は、例えば、矩形状に開口する。
【0030】
本体部分32は、保護部材39(図9参照)を有してもよい。保護部材39は、フレーム34に取り付けられる。詳しくは、保護部材39は、対向部分36に取り付けられる。保護部材39は、ピン挿入口38を囲うように対向部分36に取り付けられる。保護部材39は、樹脂材料で構成される。保護部材39は、位置決めピン72を支持可能に配置されることで位置決めピン72に対してフレーム34を保護する。これにより、位置決めピン72が対向部分36と擦れることによってフレーム34が摩耗したり位置決めピン72が摩耗したりこれら部品の双方が摩耗したりするおそれが低減される。これにより、本体部分32を構成するフレーム34の摩耗が低減できるため、フレーム34の交換が生じてしまうことを防止できる。また、扉13の例えば上下方向の位置精度を長期間に渡り維持させることが可能となる。また、位置決めピン72が対向部分36と擦れることによって異音が発生するおそれが低減される。
【0031】
図5図6、及び、図7に示すように、本体部分32は、取付板41を有する。取付板41は、フレーム34に取り付けられる。詳しくは、取付板41は、保持部分35に取り付けられる。取付板41は、センサー42及びスイッチ45などを一体的に扱うための板材である。
【0032】
本体部分32は、センサー42を有する。すなわち、センサー42は、装置本体12に取り付けられる。詳しくは、センサー42は、取付板41に取り付けられる。センサー42は、保持部分35に直接取り付けられてもよい。扉13が閉じた状態において、センサー42は、押付部材61よりも下方、又は、上方に位置する。一例では、センサー42は、押付部材61よりも下方に位置する。
【0033】
センサー42は、扉13の開閉を検知するように構成される。センサー42は、扉部分33を検知することによって、扉13が閉じたことを検知する。詳しくは、センサー42は、押付部材61を検知することによって、扉13が閉じたことを検知する。一例では、センサー42は、押付部材61と接触することによって、押付部材61を検知する。センサー42は、押付部材61に押し付けられることによって、扉13が閉じたことを検知する。センサー42は、押付部材61による押し付けが解消されることによって、扉13が開いたことを検知する。
【0034】
センサー42は、センサーケース43と、アーム44とを有する。センサーケース43は、取付板41に取り付けられる。アーム44は、センサーケース43から延びる。アーム44は、扉13から離れるようにセンサーケース43の上部から延びる。
【0035】
センサー42は、アーム44によってオンとオフとで切り換わる。アーム44が押し付けられると、センサー42は、オンとなる。このとき、センサー42は、扉13が閉じたことを検知する。アーム44の押し付けが解消されると、センサー42は、オフとなる。このとき、センサー42は、扉13が開いたことを検知する。
【0036】
アーム44は、扉13が閉じることによって、押付部材61と接触する。このとき、アーム44は、押付部材61によって下方に押し付けられる。これにより、アーム44が下方に変位する。アーム44が変位することによって、センサー42が信号を出力する。このようにして、センサー42は、扉13が閉じたことを検知する。扉13が開くと、アーム44が元の位置に復帰する。これにより、センサー42は、扉13が開いたことを検知する。
【0037】
本体部分32は、スイッチ45を有する。すなわち、スイッチ45は、装置本体12に取り付けられる。詳しくは、スイッチ45は、取付板41に取り付けられる。スイッチ45は、保持部分35に直接取り付けられてもよい。扉13が閉じた状態において、スイッチ45は、押付部材61よりも下方、又は、上方に位置する。一例では、スイッチ45は、押付部材61よりも下方に位置する。詳しくは、スイッチ45は、センサー42よりも下方に位置する。スイッチ45は、センサー42よりも上方、すなわち鉛直方向において押付部材61とセンサー42との間に位置してもよい。
【0038】
スイッチ45は、電力供給を遮断するように構成される。スイッチ45は、押付部材61による押し付けが解消されることによって、電力供給を遮断する。スイッチ45は、例えば、電源と搬送部22との導通を遮断する。スイッチ45は、押付部材61から圧力を加えられることによって、電源と搬送部22とを導通させる。すなわち、スイッチ45が押付部材61に押し付けられると、電力供給が開始される。押付部材61によるスイッチ45の押し付けが解除されると、電力供給が遮断される。
【0039】
スイッチ45は、センサー42の位置と対応するように位置する。詳しくは、センサー42が押付部材61よりも下方に位置する場合、スイッチ45は、押付部材61よりも下方に位置する。センサー42が押付部材61よりも上方に位置する場合、スイッチ45は、押付部材61よりも上方に位置する。すなわち、センサー42及びスイッチ45は、押付部材61よりも下方、又は、上方にまとめて位置する。詳しくは、扉13が閉じた状態において、センサー42及びスイッチ45は、押付部材61よりも下方、又は、上方にまとめて位置する。この場合、センサー42及びスイッチ45の双方は、押付部材61の下端又は上端に押し付けられることによって駆動する。これにより、センサー42及びスイッチ45が駆動する順番が担保されやすくなる。例えば、センサー42が押付部材61よりも下方に位置し、スイッチ45が押付部材61よりも上方に位置する場合、扉部分33に対して本体部分32の位置がずれると、センサー42及びスイッチ45の一方が押付部材61に押し付けられないおそれがある。
【0040】
スイッチ45は、センサー42と同時に駆動しないように位置する。これは、センサー42及びスイッチ45が同時に駆動すると、電力が供給される素子、基板などが瞬断によって破損するおそれがあるためである。そのため、検知装置31においては、センサー42の駆動と、スイッチ45の駆動とに時間差を設ける必要がある。
【0041】
スイッチ45は、扉13が閉じる場合に、センサー42よりも先に押付部材61に押し付けられるように位置する。例えば、扉13が閉じる状態において、スイッチ45と扉13との距離は、センサー42と扉13との距離よりも小さい。そのため、扉13が閉じる場合、扉13が閉じたことをセンサー42が検知する前に、電力供給が開始される。扉13が開く場合には、スイッチ45は、センサー42よりも後に押付部材61による押し付けが解消される。そのため、扉13が開く場合、扉13が開いたことをセンサー42が検知した後に、電力供給が遮断される。これにより、電力が供給される素子、基板などが瞬断によって破損するおそれが低減される。
【0042】
スイッチ45は、スイッチケース46と、レバー47とを有する。スイッチケース46は、取付板41に取り付けられる。レバー47は、スイッチケース46から延びる。レバー47は、扉13に接近するようにスイッチケース46の上部から延びる。すなわち、スイッチケース46に対するレバー47の延びる方向は、センサーケース43に対するアーム44の延びる方向と反対である。
【0043】
スイッチ45は、レバー47によってオンとオフとで切り換わる。レバー47が押し付けられると、スイッチ45は、オンとなる。このとき、電力供給が開始される。レバー47の押し付けが解消されると、スイッチ45は、オフとなる。このとき、電力供給が遮断される。
【0044】
レバー47は、扉13が閉じることによって、押付部材61により押し付けられる。詳しくは、レバー47は、扉13が閉じることによって、押付部材61により下方に押し付けられる。これにより、レバー47が下方に変位する。レバー47が押し付けられることによって、電力供給が開始される。扉13が開くと、レバー47が元の位置に復帰する。すなわち、レバー47の押し付けが解消されることによって、スイッチ45は、電力供給を遮断する。
【0045】
センサー42及びスイッチ45は、鉛直方向から見た場合に重なるように位置する。すなわち、鉛直方向から見た場合に、センサー42の少なくとも一部分がスイッチ45と重なる、又は、スイッチ45の少なくとも一部分がセンサー42と重なる。換言すると、水平方向におけるセンサー42の位置、及び、水平方向におけるスイッチ45の位置が重なる。これにより、センサー42及びスイッチ45が水平方向に並ぶ場合と比べて、水平方向に検知装置31及び記録装置11が大型化するおそれが低減される。一例では、鉛直方向から見た場合に、センサー42及びスイッチ45は、センサーケース43及びスイッチケース46が互いに重なるように位置する。その一方で、鉛直方向から見た場合に、センサー42及びスイッチ45は、レバー47の先端がセンサー42と重ならないように位置する。これにより、レバー47が押付部材61によって押し付けられやすくなる。
【0046】
本体部分32は、リンク部材48を有する。すなわち、リンク部材48は、装置本体12に取り付けられる。詳しくは、リンク部材48は、取付板41に取り付けられる。リンク部材48は、保持部分35に直接取り付けられてもよい。
【0047】
リンク部材48は、押付部材61と接触する部材である。リンク部材48は、扉13が閉じる場合に、押付部材61と接触する。リンク部材48は、押付部材61と接触することによって、変位する。リンク部材48は、変位することによって、スイッチ45を押し付ける。詳しくは、リンク部材48は、押付部材61が接触することによって、レバー47を押し付ける。したがって、スイッチ45が押付部材61によって押し付けられる。この場合、本体部分32がリンク部材48を有しない場合と比べて、押付部材61がスイッチ45を直接押し付ける必要がなくなるため、スイッチ45の配置について自由度が向上する。スイッチ45は、押付部材61によってレバー47を直接押し付けられてもよい。この場合、例えば、レバー47の先端が押付部材61に向かって屈曲するように延びるとよい。
【0048】
リンク部材48は、第1接触部分49と、第2接触部分50とを有する。第1接触部分49は、押付部材61と接触する部分である。第1接触部分49は、押付部材61によって下方に押し付けられる。第2接触部分50は、レバー47と接触する部分である。第2接触部分50は、第1接触部分49が変位することによって下方に変位する。
【0049】
リンク部材48は、回転中心となる軸51を有する。リンク部材48は、軸51を中心に、回転することによって変位する。リンク部材48は、第1接触部分49に押付部材61が接触することによって、第2接触部分50がレバー47を下方に押し付けるように回転する。
【0050】
リンク部材48は、センサー42と水平方向に並ぶ。詳しくは、扉13が閉じる場合に、リンク部材48及びセンサー42は、この順で押付部材61が接触するように水平方向に並ぶ。そのため、扉13が閉じる状態において、リンク部材48と扉13との距離は、センサー42と扉13との距離よりも小さい。扉13が閉じる場合に、センサー42が押付部材61に接触するよりも先にリンク部材48が押付部材61に接触することによって、センサー42の駆動とスイッチ45の駆動とをずらすことができる。
【0051】
リンク部材48は、押付部材61が接触することによって、レバー47に代えてアーム44を押し付けるように構成されてもよい。また、本体部分32は、2つのリンク部材48を有してもよい。この場合、例えば、本体部分32は、アーム44を押し付けるリンク部材48と、レバー47を押し付けるリンク部材48とを有してもよい。
【0052】
扉部分33は、押付部材61を有する。すなわち、押付部材61は、扉13に取り付けられる。押付部材61は、扉13から装置本体12に向かって延びる突起である。押付部材61は、スイッチ45を押し付ける。一例では、押付部材61は、センサー42及びスイッチ45を押し付ける。詳しくは、押付部材61は、センサー42を直接的に押し付け、リンク部材48を介してスイッチ45を間接的に押し付ける。押付部材61は、例えば、扉13から装置本体12に向かって延びる突起である。
【0053】
押付部材61は、扉13が閉じる場合に、本体部分32に進入する。詳しくは、押付部材61は、フレーム34に進入する。一例では、押付部材61は、押付挿入口37に挿入される。このとき、押付部材61は、スイッチ45、センサー42の順で押し付ける。押付部材61は、扉13が開く場合に、本体部分32から退避する。詳しくは、押付部材61は、フレーム34から退避する。このとき、押付部材61は、センサー42、スイッチ45の順で押し付けを解消する。
【0054】
図8に示すように、押付部材61は、押付部分62を有する。押付部分62は、スイッチ45を押し付ける部分である。一例では、押付部分62は、センサー42及びスイッチ45を押し付ける。詳しくは、押付部分62は、その下面がセンサー42及びリンク部材48に接触することによって、センサー42及びスイッチ45を押し付ける。
【0055】
押付部分62は、第1側端63と、第2側端64とを有する。第1側端63及び第2側端64は、押付部材61が延びる方向における押付部分62の側端である。第1側端63と回転軸16との距離は、第2側端64と回転軸16との距離よりも小さい。すなわち、回転軸16を中心に円弧を描く押付部材61の移動軌跡において、第1側端63は内側を向く側端であり、第2側端64は外側を向く側端である。
【0056】
押付部分62は、押付先端65と、押付基端66とを有する。押付先端65及び押付基端66は、押付部材61が延びる方向における押付部分62の端部である。押付先端65と扉13との距離は、押付基端66と扉13との距離よりも大きい。
【0057】
押付部分62においては、押付先端65の断面積が、押付基端66の断面積よりも小さい。一例では、押付部分62は、押付先端65から押付基端66にかけて断面積が大きくなるように延びる。すなわち、押付部分62は、先細りの形状である。これにより、押付挿入口37の開口面積を小さくできる。仮に、押付部分62が押付先端65から押付基端66にかけて一様な断面積となるように延びる場合、押付挿入口37の開口面積が大きくなる。これは、回転軸16を中心に円弧を描くように移動する押付部分62の移動軌跡に対応するように押付挿入口37が開口する必要があるためである。
【0058】
押付部材61は、垂直部分67を有する。垂直部分67は、押付部分62から垂直に延びる部分である。一例では、垂直部分67は、押付部分62から上方に延びる。垂直部分67は、押付部分62から下方に延びてもよい。垂直部分67によって、押付部材61の剛性が確保される。押付部材61は、押付部分62及び垂直部分67によって、L字状に構成される。
【0059】
垂直部分67は、押付部分62において、第1側端63から垂直に延びる。すなわち、垂直部分67は、押付部分62が有する2つの側端のうち、回転軸16に近い側端から延びる。これにより、垂直部分67が第2側端64から延びる場合と比べて、押付挿入口37の開口面積を小さくできる。
【0060】
垂直部分67は、垂直先端68と、垂直基端69とを有する。垂直先端68及び垂直基端69は、押付部材61が延びる方向に対する垂直部分67の端部である。垂直先端68と扉13との距離は、垂直基端69と扉13との距離よりも大きい。
【0061】
垂直部分67においては、垂直先端68の断面積が、垂直基端69の断面積よりも小さい。詳しくは、垂直部分67は、垂直先端68から垂直基端69にかけて断面積が大きくなるように延びる。すなわち、垂直部分67は、先細りの形状である。これにより、押付挿入口37の開口面積を小さくできる。
【0062】
押付部材61は、取付部分70を有する。取付部分70は、扉13に取り付けられる部分である。取付部分70は、扉13と対向する。一例では、取付部分70は、押付部分62に対して垂直に延びる。
【0063】
押付部材61は、板金で構成される。詳しくは、押付部材61は、折り曲げられた板金で構成される。一例では、押付部分62から折り曲げられるように垂直部分67が延び、垂直部分67から折り曲げられるように取付部分70が延びる。
【0064】
扉部分33は、カバー部材71を有してもよい。カバー部材71は、押付部材61に取り付けられる。カバー部材71は、押付部材61を覆うように取り付けられる。詳しくは、カバー部材71は、押付部材61のエッジを覆う。一例では、カバー部材71は、押付部分62及び垂直部分67のエッジを覆う。カバー部材71は、樹脂材料によって構成される。これにより、例えば、押付部材61のエッジにユーザーの手が触れるおそれが低減される。また、カバー部材71によって押付部材61が保護される。
【0065】
図5図6、及び、図7に示すように、扉部分33は、位置決めピン72を有してもよい。すなわち、位置決めピン72は、扉13に取り付けられる。位置決めピン72は、扉13が閉じる場合に本体部分32に進入するピンである。詳しくは、位置決めピン72は、フレーム34に進入する。一例では、位置決めピン72は、ピン挿入口38に挿入される。これにより、位置決めピン72は、フレーム34に対して押付部材61を位置決めする。フレーム34に対して押付部材61が位置決めされることによって、押付部材61がセンサー42及びスイッチ45を精度よく押し付けることができる。すなわち、センサー42及びスイッチ45の駆動精度が向上する。
【0066】
位置決めピン72は、金属製のピンである。位置決めピン72は、先細りの形状である。例えば、位置決めピン72の先端は、円錐形状である。これにより、位置決めピン72の先端がピン挿入口38に挿入されやすくなる。すなわち、扉13を開けた場合に、例えば扉13が自重により下方へ移動したとしても、ピン挿入口38に対して位置決めピン72の先端が対向部分36に衝突するおそれが低減される。換言すると、扉13が閉じなくなるおそれが低減される。また、位置決めピン72が先細りの形状であることによって、扉13の開閉に伴う位置決めピン72の先端の移動軌跡が小さくなるため、ピン挿入口38の開口面積を小さくできる。ピン挿入口38の開口面積を小さくすることによって、例えばフレーム34の剛性を高めることができる。これにより、フレーム34、装置本体12などが変形するおそれが低減される。
【0067】
位置決めピン72の長さは、押付部材61の長さよりも大きい。そのため、扉13が閉じる場合に、押付部材61が押付挿入口37に挿入されるよりも先に位置決めピン72がピン挿入口38に挿入される。すなわち、位置決めピン72によって位置決めされた後に、押付部材61が押付挿入口37に挿入される。これにより、位置決めピン72の挿入によって扉13の上下方向の位置が定まった後に、押付部材61によってセンサー42及びスイッチ45が押し付けられる。位置決めピン72によって、センサー42及びスイッチ45に対して押付部材61が位置決めされるため、センサー42及びスイッチ45を精度よく駆動させることができる。すなわち、センサー42の駆動タイミング及びスイッチ45の駆動タイミングのばらつきが低減される。例えば、扉13が閉じる場合に、スイッチ45が駆動してからセンサー42が駆動するまでの時間のばらつきを低減できる。換言すると、スイッチ45が駆動してからセンサー42が駆動するまでの時間差を確実に確保することきる。
【0068】
図9に示すように、位置決めピン72は、鉛直方向から見た場合に、押付部材61と重なるように位置する。これにより、水平方向において検知装置31及び記録装置11を小型化できる。一例では、位置決めピン72は、押付部材61よりも上方に位置する。位置決めピン72は、押付部材61よりも下方に位置してもよい。
【0069】
<作用及び効果>
次に、上記実施例の作用及び効果について説明する。
(1)センサー42及びスイッチ45は、扉13が閉じた状態において押付部材61よりも上方又は下方に位置する。センサー42及びスイッチ45は、鉛直方向から見た場合に重なるように位置する。上記構成によれば、センサー42及びスイッチ45が重ならない場合と比べて、水平方向に要するセンサー42及びスイッチ45の設置スペースが小さく済む。これにより、水平方向において検知装置31及び記録装置11を小型化できる。
【0070】
(2)リンク部材48及びセンサー42は、扉13が閉じる場合に、この順で押付部材61と接触するように並ぶ。上記構成によれば、リンク部材48によって、押付部材61がスイッチ45に直接接触する場合と比べて、スイッチ45の配置について自由度が向上する。
【0071】
(3)位置決めピン72は、扉13が閉じる場合に、フレーム34に挿入されることによって、フレーム34に対して押付部材61を位置決めする。上記構成により、押付部材61の位置ずれが生じにくくなるため、センサー42及びスイッチ45の駆動精度が向上する。
【0072】
(4)位置決めピン72の長さは、押付部材61の長さよりも大きい。上記構成によれば、フレーム34に対して、押付部材61よりも先に位置決めピン72が挿入される。すなわち、位置決めピン72によって位置決めされてから、押付部材61がフレーム34に挿入される。これにより、押付部材61は、センサー42及びスイッチ45に対して位置決めされた状態でフレーム34に挿入される。したがって、センサー42及びスイッチ45を精度よく駆動させることができる。
【0073】
(5)位置決めピン72は、鉛直方向から見た場合に、押付部材61と重なるように位置する。上記構成によれば、水平方向において検知装置31及び記録装置11を小型化できる。
【0074】
(6)押付挿入口37は、押付部分62及び垂直部分67による押付部材61の形状に合わせて開口する。上記構成によれば、例えば、押付部材61を囲うように矩形状に押付挿入口37が開口する場合と比べて、押付挿入口37の開口面積を低減できる。これにより、ユーザーの指が押付挿入口37に誤って進入するおそれが低減される。
【0075】
(7)押付部材61は、折り曲げられた板金によって構成される。上記構成によれば、押付部材61の剛性を確保できる。
(8)カバー部材71は、樹脂材料によって構成される。上記構成によれば、押付部材61をカバー部材71によって保護できる。これにより、押付部材61が摩耗するおそれが低減される。また、押付部材61のエッジにユーザーの手が触れるおそれが低減される。
【0076】
(9)垂直部分67は、第1側端63から延びる。上記構成によれば、垂直部分67が第2側端64から延びる場合と比べて、押付挿入口37の開口面積を小さくできる。これにより、ユーザーの指が誤って押付挿入口37に進入するおそれが低減される。
【0077】
(10)押付先端65の断面積は、押付基端66の断面積よりも小さい。垂直先端68の断面積は、垂直基端69の断面積よりも小さい。上記構成によれば、押付部材61は、先端から基端にかけて先細りの形状である。押付部材61が先端から基端にかけて一様の断面積である場合と比べて、押付挿入口37の開口面積を低減できる。
【0078】
(11)検知装置31は、フレーム34に挿入される位置決めピン72に対してフレーム34を保護する保護部材39を備える。上記構成によれば、位置決めピン72がフレーム34に挿入される場合に、位置決めピン72がフレーム34に接触するおそれが低減される。これにより、位置決めピン72とフレーム34との摩擦による異音、位置決めピン72とフレーム34との摩擦による摩耗、などが低減される。
【0079】
(12)押付部材61は、装置本体12に対して扉13が開く場合に、センサー42から離れた後にスイッチ45から離れる。押付部材61は、装置本体12に対して扉13が閉じる場合に、スイッチ45を押し付けた後にセンサー42を押し付ける。扉13が開く場合に押付部材61がスイッチ45から離れた後にセンサー42から離れると、瞬断による過電流が生じるおそれがある。そのため、上記構成によれば、瞬断による過電流が生じるおそれが低減される。
【0080】
<変更例>
上記実施例は、以下のように変更して実施できる。上記実施例及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施できる。
【0081】
・センサー42は、接触式センサーに限らず、例えば光学式センサーでもよい。センサー42は、押付部材61に遮光されることによって押付部材61を検知してもよい。センサー42は、押付部材61を検知することによって、扉13が閉じたことを検知する。
【0082】
・記録部27が吐出する液体はインクに限らず、例えば機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体などでもよい。例えば、記録部27が液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材又は画素材料などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液状体を吐出してもよい。
【0083】
<技術的思想>
以下に、上述した実施例及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0084】
(A)検知装置は、装置本体に対する扉の開閉を検知する検知装置であって、前記扉に取り付けられる押付部材と、前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材を検知することによって前記扉が閉じたことを検知するセンサーと、前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材による押し付けが解除されることによって電力供給を遮断するスイッチと、を備え、前記センサー及び前記スイッチは、前記扉が閉じた状態において前記押付部材よりも上方又は下方に位置し、鉛直方向から見た場合に重なるように位置する。上記構成によれば、センサー及びスイッチが重ならない場合と比べて、水平方向に要するセンサー及びスイッチの設置スペースが小さくて済む。これにより、水平方向において検知装置を小型化できる。
【0085】
(B)上記検知装置は、前記装置本体に取り付けられ、前記押付部材が接触するリンク部材を備え、前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、前記スイッチは、レバーを有し、前記レバーの押し付けが解消されることによって電力供給を遮断し、前記リンク部材は、前記押付部材が接触することによって前記レバーを押し付け、前記リンク部材及び前記センサーは、前記扉が閉じる場合に、この順で前記押付部材と接触するように並んでもよい。上記構成によれば、リンク部材によって、押付部材がスイッチに直接接触する場合と比べて、スイッチの配置について自由度が向上する。
【0086】
(C)上記検知装置は、前記装置本体に取り付けられ、前記センサー及び前記スイッチを保持するフレームと、前記扉に取り付けられる位置決めピンと、を備え、前記位置決めピンは、前記扉が閉じる場合に、前記フレームに挿入されることによって、前記フレームに対して前記押付部材を位置決めしてもよい。上記構成により、押付部材の位置ずれが生じにくくなるため、センサー及びスイッチの駆動精度が向上する。
【0087】
(D)上記検知装置において、前記位置決めピンの長さは、前記押付部材の長さよりも大きくてもよい。上記構成によれば、フレームに対して、押付部材よりも先に位置決めピンが挿入される。すなわち、位置決めピンによって位置決めされてから、押付部材がフレームに挿入される。これにより、押付部材は、センサー及びスイッチに対して位置決めされた状態でフレームに挿入される。したがって、センサー及びスイッチを精度よく駆動させることができる。
【0088】
(E)上記検知装置において、前記位置決めピンは、鉛直方向から見た場合に、前記押付部材と重なるように位置してもよい。上記構成によれば、水平方向において検知装置を小型化できる。
【0089】
(F)上記検知装置において、前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、前記フレームには、前記押付部材が挿入される挿入口が開口し、前記押付部材は、前記センサー及び前記スイッチを押し付ける押付部分と、前記押付部分から垂直に延びる垂直部分と、を有し、前記挿入口に挿入されることによって前記センサー及び前記スイッチを押し付け、前記挿入口は、前記押付部分及び前記垂直部分による前記押付部材の形状に合わせて開口してもよい。上記構成によれば、例えば、押付部材を囲うように矩形状に挿入口が開口する場合と比べて、挿入口の開口面積を低減できる。これにより、ユーザーの指が挿入口に誤って進入するおそれが低減される。
【0090】
(G)上記検知装置において、前記押付部材は、折り曲げられた板金によって構成されてもよい。上記構成によれば、押付部材の剛性を確保できる。
(H)上記検知装置は、前記押付部材を覆うカバー部材を備え、前記カバー部材は、樹脂材料によって構成されてもよい。上記構成によれば、押付部材をカバー部材によって保護できる。これにより、押付部材のエッジにユーザーの手が触れるおそれが低減される。
【0091】
(I)上記検知装置において、前記扉は、回転軸を中心に回転することによって開閉し、前記押付部分は、第1側端と、第2側端とを有し、前記第1側端と前記回転軸との距離は、前記第2側端と前記回転軸との距離よりも小さく、前記垂直部分は、前記第1側端から延びてもよい。上記構成によれば、垂直部分が第2側端から延びる場合と比べて、挿入口の開口面積を小さくできる。これにより、ユーザーの指が誤って挿入口に進入するおそれが低減される。
【0092】
(J)上記検知装置において、前記押付部分は、押付基端と、押付先端と、を有し、前記押付先端と前記扉との距離は、前記押付基端と前記扉との距離よりも大きく、前記垂直部分は、垂直基端と、垂直先端と、を有し、前記垂直先端と前記扉との距離は、前記垂直基端と前記扉との距離よりも大きく、前記押付先端の断面積は、前記押付基端の断面積よりも小さく、前記垂直先端の断面積は、前記垂直基端の断面積よりも小さくてもよい。上記構成によれば、押付部材は、先端から基端にかけて先細りの形状である。押付部材が先端から基端にかけて一様の断面積である場合と比べて、挿入口の開口面積を低減できる。
【0093】
(K)上記検知装置は、前記フレームに挿入される前記位置決めピンに対して前記フレームを保護する保護部材を備えてもよい。上記構成によれば、位置決めピンがフレームに挿入される場合に、位置決めピンがフレームに接触するおそれが低減される。これにより、位置決めピンとフレームとの摩擦による異音、位置決めピンとフレームとの摩擦による摩耗、などが低減される。また、フレームを長寿命化できる。
【0094】
(L)上記検知装置において、前記センサーは、前記押付部材に押し付けられることによって前記扉が閉じたことを検知し、前記押付部材は、前記装置本体に対して前記扉が開く場合に、前記センサーから離れた後に前記スイッチから離れ、前記装置本体に対して前記扉が閉じる場合に、前記スイッチを押し付けた後に前記センサーを押し付けてもよい。扉が開く場合に押付部材がスイッチから離れた後にセンサーから離れると、瞬断による過電流が生じるおそれがある。そのため、上記構成によれば、瞬断による過電流が生じるおそれが低減される。
【0095】
(M)記録装置は、上述した検知装置と、前記装置本体と、前記扉と、を備える。上記構成によれば、上述した検知装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0096】
11…記録装置、12…装置本体、13…扉、14…基端部分、15…先端部分、16…回転軸、17…積載部、18…搬送経路、19…スイッチバック経路、20…反転経路、21…排出トレイ、22…搬送部、23…ローラー、24…搬送ベルト、25…第1プーリー、26…第2プーリー、27…記録部、31…検知装置、32…本体部分、33…扉部分、34…フレーム、35…保持部分、36…対向部分、37…押付挿入口、38…ピン挿入口、39…保護部材、41…取付板、42…センサー、43…センサーケース、44…アーム、45…スイッチ、46…スイッチケース、47…レバー、48…リンク部材、49…第1接触部分、50…第2接触部分、51…軸、61…押付部材、62…押付部分、63…第1側端、64…第2側端、65…押付先端、66…押付基端、67…垂直部分、68…垂直先端、69…垂直基端、70…取付部分、71…カバー部材、72…位置決めピン、99…媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9