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特開2024-142790住宅および住宅の窓部の断熱リフォーム方法
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  • 特開-住宅および住宅の窓部の断熱リフォーム方法 図1
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  • 特開-住宅および住宅の窓部の断熱リフォーム方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142790
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】住宅および住宅の窓部の断熱リフォーム方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20241003BHJP
   E04G 23/02 20060101ALI20241003BHJP
   F24T 10/40 20180101ALI20241003BHJP
【FI】
E04B1/76 200A
E04B1/76 200E
E04G23/02 D
F24T10/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055114
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏典
(72)【発明者】
【氏名】熊埜御堂 令
(72)【発明者】
【氏名】夜久 幸希
(72)【発明者】
【氏名】能登谷 美和子
【テーマコード(参考)】
2E001
2E176
【Fターム(参考)】
2E001DD01
2E001DD12
2E001DD13
2E001DD18
2E001FA11
2E001FA32
2E176BB27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】簡易な構成で、窓部の断熱性能を向上することのできる住宅を提供する。
【解決手段】本発明に係る住宅(1)は、外壁(10)に、屋外空間(11)と屋内空間(12)とを仕切る窓部(2)を備え、窓部は、中空層(23)を有する複数窓である。住宅は、付随する自然エネルギー熱と中空層内の熱とを熱交換する熱交換手段(3)を設けたことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁に、屋外空間と屋内空間とを仕切る窓部を備えた住宅であって、
前記窓部は、中空層を有する複数窓であり、
当該住宅に付随する自然エネルギー熱と前記中空層内の熱とを熱交換する熱交換手段を設けたことを特徴とする、住宅。
【請求項2】
前記熱交換手段は、吸熱部を一端に有し、放熱部を他端に有するヒートパイプであり、
前記自然エネルギー熱は地熱であり、
前記ヒートパイプは、前記一端が床下空間に配置され、前記他端が前記中空層に配置される、請求項1に記載の住宅。
【請求項3】
前記熱交換手段は、吸熱部を一端に有し、放熱部を他端に有するヒートパイプであり、
前記自然エネルギー熱は地熱であり、
前記ヒートパイプは、前記一端が中空層に配置され、前記他端が床下空間に配置される、請求項1に記載の住宅。
【請求項4】
前記ヒートパイプは、前記複数窓の窓枠に沿って配置されている、請求項2または3に記載の住宅。
【請求項5】
前記熱交換手段は、第1ヒートパイプと第2ヒートパイプとを含み、
前記自然エネルギー熱は地熱であり、
前記第1ヒートパイプは、床下空間に配置される吸熱部と前記中空層に配置される放熱部とを両端に有し、
前記第2ヒートパイプは、前記中空層に配置される吸熱部と、前記床下空間に配置される放熱部とを両端に有している、請求項1に記載の住宅。
【請求項6】
住宅の外壁に設けられた窓部をリフォームする際に、
(i)前記窓部に、中空層を有する複数窓を施工する工程と、
(ii)当該住宅に付随する自然エネルギー熱と前記中空層の熱とを熱交換する熱交換手段を施工する工程とを含む、住宅の窓部の断熱リフォーム方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅に関し、特に、外壁に二重窓などの複数窓を備える住宅に関する。
【背景技術】
【0002】
既存住宅において、熱損失が大きい窓の断熱性能を高めるために、既存窓の内側に内窓を設けて二重窓とすることがある。特開2020-148039号公報(特許文献1)には、屋外空間に面した外窓と、屋内空間に面した内窓と、外窓と内窓との間に形成された中間層と、屋外空間と中間層とを接続する通気口とを備える二重窓が開示されている。
【0003】
また、特開2015-121033号公報(特許文献2)には、床下空間を利用した住宅の換気構造が開示されている。特許文献2の換気構造は、夏場でも低温な床下空間の空気を利用したものであり、床下空間の空気を屋根裏空間に送り込むことで、屋根裏空間の温度を低下させることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-148039号公報
【特許文献2】特開2015-121033号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のような二重窓は、窓部の断熱性向上に寄与するが、既存住宅の断熱性能を新築の基準値と同等にするためには、二重窓を採用するだけでは十分とは言えない。また、特許文献2の技術は、床下空間の空気温度を利用して、屋根裏空間の温度を改善するものであり、窓部の断熱性能については考慮されていない。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は簡易な構成で、窓部の断熱性能を向上させることのできる住宅を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある局面に従う住宅は、外壁に、屋外空間と屋内空間とを仕切る窓部を備える。住宅は、付随する自然エネルギー熱と中空層内の熱とを熱交換する熱交換手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
好ましくは、熱交換手段は、吸熱部を一端に有し、放熱部を他端に有するヒートパイプである。自然エネルギー熱は地熱であり、ヒートパイプは、一端が床下空間に配置され、他端が中空層に配置される。
【0009】
他の局面において、熱交換手段は、吸熱部を一端に有し、放熱部を他端に有するヒートパイプである。自然エネルギー熱は地熱であり、ヒートパイプは、一端が中空層に配置され、他端が床下空間に配置される。
【0010】
好ましくは、ヒートパイプは、複数窓の窓枠に沿って配置されている。
【0011】
他の局面において、熱交換手段は、第1ヒートパイプと第2ヒートパイプとを含む。自然エネルギー熱は地熱であり、第1ヒートパイプは、床下空間に配置される吸熱部と中空層に配置される放熱部とを両端に有し、第2ヒートパイプは、中空層に配置される吸熱部と、床下空間に配置される放熱部とを両端に有している。
【0012】
また他の局面において、住宅の窓部のリフォーム方法は、住宅の外壁に設けられた窓部をリフォームする際に、(i)窓部に、中空層を有する複数窓を施工する工程と、(ii)住宅に付随する自然エネルギー熱と中空層の熱とを熱交換する熱交換手段を施工する工程とを含む。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、簡易な構成で、窓部の断熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施の形態に係る住宅を模式的に示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態に係る住宅の熱交換手段を示す模式図であり、図1のII-II線に沿う断面を示す。
図3】変形例1における住宅の熱交換手段を示す模式図である。
図4】変形例2における住宅の熱交換手段を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の実施の形態に係る住宅について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0016】
(住宅の概要構成について)
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係る住宅1の概要について説明する。図1には、住宅1の断面図が部分的に示されている。住宅1は、屋外空間11から外壁10によって仕切られた屋内空間12と、屋内空間12の下方に位置し、床14によって仕切られた床下空間13とを含む。本実施の形態に係る住宅1は、外壁10に複数窓2を備えており、床下空間13の熱を利用する熱交換手段3を備えることを特徴とする。なお、図中、矢印A1は屋外方向、矢印A2は上下方向を示す。
【0017】
屋内空間12は、居室および非居室(廊下、洗面室など)を含む。床下空間13は、コンクリートで形成された基礎15に囲まれている。床下空間13は地盤に接する空間であることから、自然エネルギー熱である地熱の影響を受け易い。すなわち床下空間13は、地熱の影響のため1年を通して温度変化が少なく、屋内空間12と比較して、夏場は涼しく、冬場は暖かいという特徴を有している。
【0018】
(複数窓について)
本実施の形態に係る住宅1のたとえば1階部分の外壁10には、屋外空間11と屋内空間12とを仕切る窓部2が設けられている。窓部2は、屋外空間11に面した外窓21と、屋内空間12に面した内窓22とを含み、外窓21と内窓22との間に中空層23が形成された複数窓2である。本実施の形態における複数窓2は二重窓2であり、一例として腰窓である。
【0019】
本実施の形態の外窓21は、2枚建ての引き違い窓21a、21bからなり、内窓22は、2枚建ての引き違い窓22a、22bからなる。但し、本実施の形態はあくまで例示であり、外窓21および内窓22の種類は問わない。
【0020】
中空層23は、空気層である。中空層23が、屋外空間11と屋内空間12とを空間的に仕切るため、二重窓2は断熱効果を有している。
【0021】
典型的には、二重窓2の外窓21は既存窓であり、内窓22は既存窓の窓枠4に追加で取付けた窓である。すなわち本実施の形態の二重窓2は、住宅の窓部をリフォームする際に後付けで施工されたものである。
【0022】
窓枠4は、外窓21よりも屋内空間12側に設けられた額縁であり、上枠41と、一対の横枠42,43と、下枠44とを備える。断熱性向上の観点から、窓枠4は樹脂や木材など、熱伝導率の低い材料で形成されることが好ましい。
【0023】
(熱交換手段について)
図2をさらに参照して、本実施の形態に係る熱交換手段3について説明する。図2は、本実施の形態に係る住宅1の熱交換手段3を示す模式図であり、図1のII-II線に沿う断面を示す。なお、図2では、内窓22の図示を省略している(以降の図も同様)。本実施の形態における住宅1は、床下空間13の熱と中空層23内の熱とを熱交換する熱交換手段3を備えている。熱交換手段3は、たとえば吸熱部を一端31に有し、放熱部を他端32に有するヒートパイプ30aである。図2では、理解容易のため、一端31をクロスハッチングで示している。
【0024】
ヒートパイプ30aは、一般的には中空状の長尺部材であり、円筒形状、または扁平形状(パイプを潰したような形状)である。ヒートパイプ30aは熱伝導率のよい材料で形成され、たとえば銅、アルミニウム、ステンレスなどの金属材料で形成される。ヒートパイプ30a内は少量の作動液が密封されており、作動液は、水、エタノール、ナフタリンなどである。本実施の形態のヒートパイプ30aは、寒冷地で使用することを想定しているため、作動液にはエタノールが用いられることが好ましい。
【0025】
ヒートパイプ30aの内部は、毛細管構造(ウィック)かつ真空状態であり、作動液の蒸発・凝縮が起こりやすい環境である。ヒートパイプ30aの一端31を熱源に密着させて熱を得ると、作動液が熱を吸収・蒸発して気体となり、他端32へ移動する。他端32へ移動した作動液は凝縮し、放熱した後液体に戻る。これにより、吸熱部の熱を放熱部に伝搬することができる。ヒートパイプ30aは、動力を必要とせず、メンテナンスも不要である。したがって、本実施の形態に係る熱交換手段3は、低コストで簡易な構成としながらも、窓部の断熱性能を向上させることができる。
【0026】
本実施の形態では、一つの二重窓2に対し、2本のヒートパイプ30aが設けられる。ヒートパイプ30aは、自然エネルギー熱として床下空間13の地熱を利用し、冬場における中空層23の温度を向上させるために、一端31が床下空間13に配置され、他端32が中空層23に配置される。ヒートパイプ30aは、窓枠4の下枠44を貫通して上下方向に延びている。
【0027】
また、ヒートパイプ30aの中間部33は、外壁10内を通るように設けられる。つまり、ヒートパイプ30aの中間部33は、外壁10内に上下方向に沿って配置される。外壁10内および床14内には、断熱材110、14aが設けられている。本実施の形態では、中間部33は、外壁10内の断熱材110と、床14の下方に設けられた断熱材14aとを上下方向に貫通している。したがって、本実施の形態の中間部33は断熱材110、14aで覆われている。また、これにより、中間部33においてヒートパイプ30aの熱が放熱してしまうことを防止できる。
【0028】
2本のヒートパイプ30aは、中空層23内において、左右対称に設けられ、横枠42(または43)と、上枠41とに沿うように略L字状に配置される。窓枠4に沿うように設けることで、二重窓2の視認性を確保しつつ、中空層23を効率よく加温することができる。ヒートパイプ30aは、横枠42(または43)と、上枠41に、接着剤等により固定される。
【0029】
上述のような住宅1によれば、床下空間13の冬は暖かい空気の熱により、中空層23の冷えた空気を温めることができる。これにより、屋内空間12の空調された空気が屋外空間11の影響を受けてしまうことを抑制でき、二重窓2周りにおける断熱効果をさらに向上することができる。
【0030】
寒冷地の場合、たとえば屋外気温-12℃、屋内気温20℃のような環境では、屋内空間12と屋外空間11との間に約32℃の温度差が生じる。このようなケースでは、中空層23の温度は約4℃と低温になってしまっていた。床下空間13の気温は地熱の影響により、冬場でも約10℃前後と安定しているため、床下空間13の熱をヒートパイプ30aを利用して中空層23に伝達することで、中空層23の温度を6℃程度昇温させることができる。これにより、屋内空間12から内窓22への熱損失(貫流熱)を低減することができ、二重窓2の熱貫流率を低下させることができる。
【0031】
一般的な二重窓の断熱性能をさらに高めようとする際に、従来ではハニカムスクリーンなどが用いられていた。しかし、ハニカムスクリーンを設置するためには中空層23に厚みを要するため、設置が難しい場合があった。また、中空層の厚みを大きくしてしまうと、中空層内の空気が熱対流してしまうため、望ましくない。これに対し、本実施の形態に係る住宅1は、中空層23の横枠42,43および上枠41にヒートパイプ30aを這わせるだけでよいため、既存窓の窓枠4の厚み内にヒートパイプ30aを収めることができる。また、ヒートパイプ30aは、ハニカムスクリーンのように窓部を遮蔽せず、また開閉操作も不要であるにも関わらず、窓部の視認性を常時確保することができる。したがって、住宅1は、簡易な構成でありながらも断熱性能および意匠性の双方を向上することができる。
【0032】
なお、熱交換手段3は、窓部を二重窓2にリフォームする際に同時に施工することができる。住宅の窓部のリフォーム方法は、(i)窓部に、中空層を有する複数窓を施工する工程と、(ii)住宅に付随する自然エネルギー熱と中空層の熱とを熱交換する熱交換手段を施工する工程とを含む。
【0033】
〈変形例1について〉
図3を参照して、変形例1に係る熱交換手段3Aについて説明する。図中、矢印A2は上下方向、矢印A3は二重窓の幅方向を示す。本実施の形態に係る熱交換手段3Aは、2本のヒートパイプ30a,30bを含む。ヒートパイプ30aは、主に冬場に好適に用いられるのに対し、ヒートパイプ30bは、主に冬場に好適に用いられる。変形例1は、図2の紙面右側のヒートパイプ30aをヒートパイプ30bに置き換えた形態である。
【0034】
ヒートパイプ30a(紙面左側)は、冬場における中空層23の温度を向上させるために、一端31が床下空間13に配置され、他端32が中空層23に配置される。ヒートパイプ30b(紙面右側)は、夏場における中空層23の温度を低下させるために、一端31’が中空層23に配置され、他端32’が床下空間13に配置される。なお、図3中、実線矢印が冬場の吸熱・放熱方向であり、点線矢印が夏場の吸熱・放熱方向である。
【0035】
本実施の形態の熱交換手段3Aは、床下空間13に吸熱部31および放熱部32’を有し、中空層23に吸熱部31’および放熱部32を有している。これにより、本実施の形態の住宅1Aは、年間を通して屋内空間12から内窓22への熱損失(貫流熱)を低減でき、二重窓2の熱貫流率を低下させることができる。
【0036】
〈変形例2について〉
図4を参照して、変形例2に係る熱交換手段3Bについて説明する。図中、矢印A2は上下方向、矢印A3は二重窓の幅方向を示す。本実施の形態に係る熱交換手段3Bは、第1ヒートパイプ30aと、第2ヒートパイプ30bとを含み、一つの二重窓2に対し、各ヒートパイプ30a、30bはそれぞれ2本ずつ設けられている。
【0037】
第1ヒートパイプ30aは、冬場における中空層23の温度を向上させるものであり、二重窓2の両側部に1本ずつ設けられる。同様に、第2ヒートパイプ30bは、夏場における中空層23の温度を低下させるものであり、二重窓2の両側部に1本ずつ設けられる。なお、図4中、実線矢印が冬場の吸熱・放熱方向であり、点線矢印が夏場の吸熱・放熱方向である。なお、図4では、第1ヒートパイプ30a、第2ヒートパイプ30bを上下左右に重ねて示したが、窓枠4の厚み方向に沿って第1,2ヒートパイプ30a、30bが離隔していることが望ましい。
【0038】
本実施の形態の熱交換手段3Bは、第1ヒートパイプ30aは、床下空間13に配置される吸熱部31と中空層23に配置される放熱部32とを両端に有し、第2ヒートパイプ30bは、中空層23に配置される吸熱部31’と、床下空間13に配置される放熱部32’とを両端に有している。本実施の形態の熱交換手段3Bは、床下空間13に吸熱部31および放熱部32’を2つずつ有し、中空層23に吸熱部31’および放熱部32を2つずつ有している。これにより、本実施の形態の住宅1Bは、年間を通して屋内空間12から内窓22への熱損失(貫流熱)を低減でき、二重窓2の熱貫流率を低下させることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、二重窓2は腰窓であるとしたが、たとえば掃き出し窓であってもよい。また、外窓21、内窓22の窓の種類については限定されない。したがって、開き窓、FIX窓など、種々の二重窓に適用することができる。
【0040】
また、本実施の形態の複数窓は二重窓であるとしたが、三重窓であってもよい。また、中空層にハニカムスクリーンを配置して、複数空間に分けるようにしてもよい。この場合、中空層は複数設けられることになるが、熱交換手段3は、最も屋外空間11側に位置する中空層に設けられることが望ましい。
【0041】
また、本実施の形態では、熱交換手段3が利用する自然エネルギー熱は地熱であるとしたが、これに限定されない。すなわち、熱交換手段3は、自然エネルギー熱として太陽熱を利用してもよい。この場合、熱交換手段3は、ソーラーウォールをさらに含むことができる。ソーラーウォールは、住宅の外壁または屋根に配置され、ヒートパイプは、一端(吸熱部)をソーラーウォールと連結し、他端(放熱部)を二重窓の中空層に配置する。ソーラーウォールは、日当たりのよい場所に設けられることが好ましい。
【0042】
また、本実施の形態のヒートパイプ30a、30bは、窓枠4に沿って略L字状に配置されるが、これに限定されない。たとえば、窓枠4の厚み方向から見て波形形状に形成されてもよいし、正面視略I字状、略コの字状に形成されてもよく、種々の形状とすることができる。
【0043】
また、熱交換手段3は、ヒートパイプ以外のもので構成されてもよい。たとえば、中空層23内と床下空間13との間で互いに空気を送風することのできる送風機が設けられてもよい。
【0044】
以上、図面を参照してこの発明の実施の形態を説明したが、この発明は、図示した実施の形態のものに限定されない。図示した実施の形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 住宅、2 二重窓、3 熱交換手段、4 窓枠、10 外壁、11 屋外空間、12 屋内空間、13 床下空間、14 床、15 基礎、21 外窓、22 内窓、23 中空層、30a,b ヒートパイプ、31 一端(吸熱部)、32 他端(放熱部)、33 中間部、41 上枠、42,43 横枠、44 下枠、110 断熱材。
図1
図2
図3
図4