(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142857
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
F17C13/04 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055221
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 年彦
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA06
3E172AB05
3E172BA01
3E172BD05
3E172DA90
3E172EB15
3E172JA02
(57)【要約】
【課題】ガス容器バルブの開栓状態を一目でわかるようにする。
【解決手段】容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10は、ホース9と、ガス放出防止具1と、を備えている。ガス放出防止具1は、ガス容器のバルブに接続される第1管部2と、ホース9に接続された第2管部3と、第1管部2をバルブに固定するための締結部4と、第2管部3をホース9に固定するための締結部5と、を備えている。第2管部3は、第1管部2に突没可能に嵌入されており、第1管部2及び第2管部3は、バルブからホースにガスを供給する流路を形成している。第2管部3の外周面には、バルブの開栓状態を一目でわかるように青色の目印71が付されている。バルブの閉栓状態では目印71が第1管部2内に位置して視認不能であり、バルブの開栓状態では目印71が第1管部2外に位置して視認可能となる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホースと、ガス放出防止具と、を備え、
前記ガス放出防止具は、ガス容器のバルブに接続される第1管部と、前記ホースに接続される第2管部と、を備え、
前記第2管部は、前記第1管部に突没可能に嵌入されており、
前記第1管部及び前記第2管部は、前記バルブから前記ホースにガスを供給する流路を形成しており、
前記第2管部の外周面に、目印が付されており、
前記バルブの閉栓状態では前記目印が前記第1管部内に位置して視認不能であり、前記バルブの開栓状態では前記目印が前記第1管部外に位置して視認可能である
ことを特徴とする容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース。
【請求項2】
前記第2管部が前記第1管部から所定量以上引き出された状態では前記流路が遮断される
ことを特徴とする請求項1に記載の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース。
【請求項3】
前記第2管部の外周面における前記目印よりも前記ホースから離れた側に、第2の目印が付されており、
前記バルブから前記ホースにガスが供給されている状態では前記第2の目印が前記第1管部内に位置して視認不能であり、前記第2管部が前記第1管部から所定量以上引き出されて前記流路が遮断された状態では前記第2の目印が前記第1管部外に位置して視認可能である
ことを特徴とする請求項2に記載の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース。
【請求項4】
前記目印と前記第2の目印が異なる色で表示されている
ことを特徴とする請求項3に記載の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス容器のバルブに接続されるガス放出防止型高圧ホースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
LPガスの配送員は、ガス容器の残量が少なくなったタイミングで消費者宅を訪問し、空近くなった容器を取外し、満タン状態の容器へ交換している。交換する際、本来、配送員は容器バルブ(例えば特許文献1を参照)を開いて確実にガスが供給されていることを確認する必要があるが、配送員の確認不足で容器バルブを開き忘れた状態で消費者宅から退去することがあった。その場合、配送員の退去後に消費者がガスを使おうとするとガスが出ないためガス会社へ連絡が入り、消費者宅へ出向いてガスが出ない原因を調査し、容器バルブを開く作業をしている実態がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したガス容器バルブの開き忘れを防止するため、配送員の多くは容器バルブのハンドルを回して開栓状態を確認する作業を複数回実施しており、これが負担になっているという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ガス容器バルブの開栓状態を一目でわかるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ホースと、ガス放出防止具と、を備え、前記ガス放出防止具は、ガス容器のバルブに接続される第1管部と、前記ホースに接続される第2管部と、を備え、前記第2管部は、前記第1管部に突没可能に嵌入されており、前記第1管部及び前記第2管部は、前記バルブから前記ホースにガスを供給する流路を形成しており、前記第2管部の外周面に、目印が付されており、前記バルブの閉栓状態では前記目印が前記第1管部内に位置して視認不能であり、前記バルブの開栓状態では前記目印が前記第1管部外に位置して視認可能であることを特徴とする容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホースである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、目印により、ガス容器バルブの開栓状態を一目でわかるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態にかかる容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース及びガス容器のバルブを示す図である。
【
図2】
図1の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホースの部分断面図であり、ガス容器のバルブに接続され(バルブの図示は省略)、該バルブを開栓する前の状態を示す図である。
【
図3】
図2の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホースのバルブ開栓後の状態を示す図である。
【
図4】
図3の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホースの第2管部が引き出されて流路が遮断された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態にかかる容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホースについて、
図1~4を参照して説明する。
【0010】
図1に示すように、容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10は、ホース9と、ガス放出防止具1と、を備えている。ガス放出防止具1は、ホース9の端末に取り付けられ、LPガスが充填されたガス容器100のバルブ110に接続されるものである。バルブ110は、ガス放出防止具1が接続される出口112と、回されることでガス流路を開閉するハンドル113と、を備えている。
【0011】
ガス放出防止具1は、バルブ110の出口112に接続される第1管部2と、ホース9に接続される第2管部3と、第1管部2を出口112に固定するための締結部4と、第2管部3をホース9に固定するための締結部5と、を備えている。
【0012】
図2~4に示すように、第2管部3は、第1管部2に突没可能に嵌入されている。また、第2管部3は、第1管部2に内蔵された引張コイルスプリング6によってバルブ110側に付勢されている。第1管部2及び第2管部3は、それぞれ、ガス流路20,30を備えており、バルブ110からホース9にガスを供給する流路を形成している。
【0013】
第1管部2のガス流路20は、バルブ110側に位置する入口21と、入口21に連通した大径部22と、大径部22に連通した小径部23と、で構成されている。大径部22は、小径部23よりも流路径が大きく形成されている。
【0014】
第2管部3のガス流路30は、バルブ110から離れた側の端部にてホース9と連通している。第2管部3のバルブ110側の端部には、ガス流路30とガス流路20を連通させる連通孔31が形成されている。
【0015】
図2は、
図1の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10の部分断面図であり、ガス容器100のバルブ110に接続され(バルブ110の図示は省略)、該バルブ110を開栓する前の状態を示す図である。
図2のバルブ閉栓状態では、第2管部3の連通孔31が第1管部2の大径部22内に位置している。
【0016】
図3は、
図2の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10のバルブ開栓後の状態を示す図である。
図3のバルブ開栓状態では、第2管部3の連通孔31が第1管部2の大径部22と小径部23の境界部に位置しており、この状態でガス容器100からホース9側にガスが供給される。即ち、バルブ110を開くことで、ガス放出防止具1内にガス圧(例えば、0.07MPa~1.56MPa)が加わると、その圧力により発生する荷重で第2管部3が僅かにスライドする。なお、従来品のガス放出防止具は、バルブを開栓しても第2管部がスライドせず、開栓前の状態から変化しない。
【0017】
図4は、
図3の容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10の第2管部3が第1管部2から所定量以上引き出されて流路が遮断された状態を示す図である。即ち、
図5の状態では、第2管部3の連通孔31が第1管部2の小径部23内に位置しており、連通孔31が塞がれた状態となっている。通常のガス供給時は第2管部3がこの位置にスライドされることはなく、例えば地震などによってガス容器100が倒れ、ホース9が引張された場合などにこのようにスライドされ、ガスの供給が遮断される。
【0018】
容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10は、ガス容器バルブ110の開栓状態を一目でわかるように表示する機能が備わっている。具体的には、第2管部3の外周面に、目印71が付されており、バルブ110の閉栓状態(
図2)では目印71が第1管部2内に位置して視認不能であり、バルブ110の開栓状態(
図3)では目印71が第1管部2外に位置して視認可能となる。本例では、目印71が、第2管部3の外周面全周に青色でマーキングされている。
【0019】
また、容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10は、ホース9が引張されてガス供給が遮断された状態を一目でわかるように表示する機能が備わっている。具体的には、第2管部3の外周面における目印71よりもホース9から離れた側に、第2の目印72が付されている。そして、ガスが供給されている状態では第2の目印72が第1管部2内に位置して視認不能であり、第2管部3が第1管部2から所定量以上引き出されてガス流路が遮断された状態では第2の目印72が第1管部2外に位置して視認可能となる。本例では、第2の目印72が、第2管部3の外周面全周に赤色でマーキングされている。
【0020】
上述したガス供給遮断時(ガス放出防止機構作動時)には、青と赤の両表示が見える状態となるが、遮断を示す「赤」表示の幅が「青」表示の幅よりも大きく形成されていることで、「遮断」を確実に判別できるようにしている。
【0021】
さらに、
図3の状態から、バルブ110を閉じたりガス放出防止具1をバルブ110から外すことでガス放出防止具1内の圧力が0近くなると、引張スプリング6の荷重により第2管部3がスライドして
図2の状態になる。即ち、目印71が視認不能となる。よって、圧力が印加されていない(バルブ閉栓状態)ことが一目でわかる。
【0022】
上記容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース10は、バルブ110の開閉状態が離れた位置から一目で確認できる。よって、ハンドル113を手動で回転させる確認作業や、「容器開け忘れ防止器」のような専用工具をハンドル113下の隙間に挿入して開栓状態を確認する作業が不要になる。そして、確実に開栓状態が確認できるので、バルブ110の開き忘れを防止でき、消費者からの連絡によるガス会社作業員の出動を防止できる。消費者に対しては、バルブ110の開き忘れ回避により、ガスに対する不信感を抑制できる。
【0023】
上述した実施例では、ガス放出防止具1が引張スプリング6を内蔵していたが、スプリングの設置位置を変えることで圧縮スプリングに変更することもできる。
【0024】
上述した実施例では、目印71が青色表示であったが、目印のカラーを青から変更したり、デザインを適宜変更することが可能である。
【0025】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0026】
1 ガス放出防止具
2 第1管部
3 第2管部
9 ホース
10 容器バルブ開表示機能付きガス放出防止型高圧ホース
71 目印
72 第2の目印
100 ガス容器
110 バルブ