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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142859
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ドリッパー
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/02 20060101AFI20241003BHJP
   A47J 31/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A47J31/02
A47J31/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055223
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001933
【氏名又は名称】弁理士法人 佐野特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】真木 淳
(72)【発明者】
【氏名】藤井 孝宏
(72)【発明者】
【氏名】高野 勲
(72)【発明者】
【氏名】河本 明子
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA02
4B104BA02
4B104BA53
4B104EA08
(57)【要約】
【課題】注湯時の型崩れによる脱落を防止できるドリッパーを提供する。
【解決手段】紙製のブランク板30の両側端の折曲により対向する前面板11及び背面板12を有した筒体に形成される支持体10と、上端に設けた折返し部24を支持体10の上端面10aで折り返して支持体10に接着されるとともに被抽出成分を有する内容物Dを封入した袋状のフィルター20とを備え、カップ2上に載置されるドリッパー1において、前面板11及び背面板12は、フィルター20を視認できる窓部17と、カップ2上に載置される載置面10bから下方に突出する脚部14とを有し、窓部17の上下方向の幅Fが12mm以上であり、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hに対する窓部17の上下方向の幅Fの比を65%以下にした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙製のブランク板の両側端の折曲により対向する前面板及び背面板を有した筒体に形成される支持体と、上端に設けた折返し部を前記支持体の上端面で折り返して前記支持体に接着されるとともに被抽出成分を有する内容物を封入した袋状のフィルターとを備え、カップ上に載置されるドリッパーにおいて、
前記前面板及び前記背面板は、前記フィルターを視認できる窓部と、カップ上に載置される載置面から下方に突出する脚部とを有し、前記窓部の上下方向の幅が12mm以上であり、前記支持体の前記上端面と前記載置面との距離に対する前記窓部の上下方向の幅の比が65%以下であることを特徴とするドリッパー。
【請求項2】
前記ブランク板の坪量が210g/m2以上350g/m2以下であることを特徴とする請求項1に記載のドリッパー。
【請求項3】
前記ブランク板の坪量が310g/m2以下であることを特徴とする請求項2に記載のドリッパー。
【請求項4】
前記ブランク板の坪量が246g/m2以上であることを特徴とする請求項3に記載のドリッパー。
【請求項5】
前記支持体の外面側に樹脂コーティングが施されることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載のドリッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被抽出成分を有する内容物を収納して内容物を濾すドリッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
レギュラーコーヒー粉等の被抽出成分を有する内容物を収納し、内容物を漉す際に使用するドリッパーは特許文献1に開示される。このドリッパーは上下面を開口した紙製筒体から成る支持体と、内容物を封入する袋状のフィルターとを備えている。フィルターは上端部を支持体に接着され、上面開口を剥離可能に接着して封止される。
【0003】
平板状の支持体を筒状に開くと、フィルターが接着部分を剥離して開封される。支持体をカップ上に載置してフィルターの上面開口から注湯することにより、内容物の被抽出成分が抽出されてカップ内部に抽出液が流下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-711号公報(第4頁~第8頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のドリッパーは注湯した際に形状が崩れ、カップから脱落する場合があった。
【0006】
本発明は、注湯時の型崩れによる脱落を防止できるドリッパーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために本発明は、紙製のブランク板の両側端の折曲により対向する前面板及び背面板を有した筒体に形成される支持体と、上端に設けた折返し部を前記支持体の上端面で折り返して前記支持体に接着されるとともに被抽出成分を有する内容物を封入した袋状のフィルターとを備え、カップ上に載置されるドリッパーにおいて、
前記前面板及び前記背面板は、前記フィルターを視認できる窓部と、カップ上に載置される載置面から下方に突出する脚部とを有し、前記窓部の上下方向の幅が12mm以上であり、前記支持体の前記上端面と前記載置面との距離に対する前記窓部の上下方向の幅の比が65%以下であることを特徴としている。
【0008】
また本発明は上記構成のドリッパーにおいて、前記ブランク板の坪量が210g/m2以上350g/m2以下であることを特徴としている。
【0009】
また本発明は上記構成のドリッパーにおいて、前記ブランク板の坪量が310g/m2以下であることを特徴としている。
【0010】
また本発明は上記構成のドリッパーにおいて、前記ブランク板の坪量が246g/m2以上であることを特徴としている。
【0011】
また本発明は上記構成のドリッパーにおいて、前記支持体の外面側に樹脂コーティングが施されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、窓部の上下方向の幅が12mm以上であり、支持体の上端面と載置面との距離に対する窓部の上下方向の幅の比が65%以下である。これにより、フィルターの注湯状態を良好に視認することができ、注湯時の型崩れによる脱落を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態のドリッパーを示す正面図
図2】本発明の実施形態のドリッパーを示す側面断面図
図3】本発明の実施形態のドリッパーの支持体を示す展開図
図4】本発明の実施形態のドリッパーの使用状態を示す斜視図
図5】本発明の実施形態のドリッパーの支持体を示す正面図
図6】本発明の実施形態のドリッパーの支持体の変形例を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1図2は一実施形態のドリッパーの正面図及び側面断面図を示している。ドリッパー1は紙製のブランク板30(図3参照)を折曲して平板状の筒体に形成される支持体10と、支持体10に挿入されるフィルター20とを備えている。フィルター20は濾過機能を有し、レギュラーコーヒー粉、紅茶の葉、緑茶の葉等の被抽出成分を有した内容物Dを封入されている。
【0015】
筒体の支持体10は上下面を開口して両側端の折り線19(図3参照)で折曲され、前面板11と背面板12とが前後に対向した平板状に形成される。平板状の支持体10は横幅Wが高さH0よりも長い略矩形になっている。前面板11及び背面板12上にはフィルター20の注湯状態を視認可能な窓部17が開口する。
【0016】
支持体10の下面両側端部には、カップ2(図4参照)上に載置される載置面10bから下方に突出する脚部14が設けられる。脚部14間には載置面10bから下方に突出する前後一対の係止部15が設けられる。支持体10の上端中央部には前後一対の突出部16が設けられる。支持体10の両側端の折り線19上には、内周側に押し込むことにより支持体10を筒状に保持するロック部13が形成される。
【0017】
フィルター20は透水性を有する不織布等により袋状に形成され、前後に対向する前面部21及び背面部22の下端をマチ部23により連結される。前面部21、背面部22及びマチ部23の両側端は熱接着して閉じられる。フィルター20は正面視略扇状に形成され、両側端縁が下方に向かって互いに近づくように傾斜する。
【0018】
フィルター20の上端中央部には前後一対の折返し部24が設けられる。折返し部24は支持体10の突出部16上の上端面10a(図5参照)から外面上に折り返され、支持体10の外面に接着部18で接着される。これにより、フィルター20が支持体10に固定される。内容物Dを充填した後にフィルター20の上端部は剥離可能接着部26によって剥離可能に接着される。
【0019】
図3は支持体10を形成するブランク板30の展開図を示している。ブランク板30はアイボリー紙等の板紙により形成され、ブランク板30の坪量は210g/m2以上350g/m2以下になっている。ブランク板30の片面には図柄等を印刷した印刷層が設けられる。印刷層は筒体から成る支持体10の外面に配される。尚、支持体10の外面側にポリエチレン等の樹脂コーティングにより形成される保護層を設け、保護層上に印刷層を設けてもよい。保護層によって支持体10の外面上の耐水性及び印刷層の印刷特性を向上することができる。
【0020】
ブランク板30は前面板11の一側方に折り線19を介して背面主板12aが連設され、他側方に折り線19を介して背面補助板12bが連設される。ブランク板30を両折り線19上で山折りして折り重ね、背面主板12aと背面補助板12bとが重ね代部12cで接着される。これにより、前面板11に対向する背面板12(図2参照)を有した筒体から成る支持体10が平板状に形成される。背面主板12aと背面補助板12bとを接着する接着剤として、ホットメルト型、溶剤型、水性型、反応型、感圧型等の接着剤を適宜選択して用いることができる。
【0021】
前面板11及び背面主板12a上には窓部17が設けられる。前面板11及び背面主板12aの上端中央部には突出部16が上方に突出して設けられる。突出部16上にはフィルター20の折返し部24(図1参照)を接着する接着部18が設けられる。前面板11及び背面主板12aの下端中央部には係止部15が下方に突出して設けられる。前面板11、背面主板12a及び背面補助板12bの下端には、折り線19に対して線対称な脚部14が下方に突出して設けられる。
【0022】
両折り線19上に配されるロック部13は折り線19に対して線対称に形成され、上下に並設される切込み13a、13bの間に設けられる。切込み13a、13bは折り線19に交差した直線状に形成される。ロック部13の両側端には円弧状の折り線13cが設けられ、中央には折り線19を延長した折り線13dが設けられる。
【0023】
ブランク板30により形成された支持体10のロック部13が折り線13dの谷折りにより内側に押し込まれると、支持体10が筒状に保持される。尚、切込み13a、13bを切欠きにより形成してもよく、切込み13a、13bを曲線状に形成してもよい。
【0024】
フィルター20は、袋状に形成する際の加工性を考慮して、熱接着性を有する素材、あるいは最内層に熱接着性樹脂を配した素材を用いられる。フィルター20の素材として例えば、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリエステル系等の熱可塑性樹脂からなる透水性の不織布を用いることができる。また、フィルター20の素材としてポリオレフィン系(ポリエチレン,ポリプロピレン等)、ポリエステル系等の熱可塑性樹脂を片面(袋状にしたときの最内層)に配した多層構造の濾紙等を用いることができる。
【0025】
フィルター20は両側端部を熱接着される。フィルター20の折返し部24は支持体10(図1参照)の突出部16の上端で折り返され、接着部18上で支持体10の外面に接着される。接着部18の接着剤として、ホットメルト型、溶剤型、水性型、反応型、感圧型等の接着剤を適宜選択して用いることができる。尚、フィルター20の上端部を支持体10の内面上に接着してもよい。また、内容物Dを充填されたフィルター20は上端部を支持体10上から加圧して超音波溶着され、剥離可能接着部26(図1参照)が形成される。
【0026】
図4はドリッパー1の使用状態を示す斜視図である。ドリッパー1の支持体10の突出部16上を摘持して前後に引くことによりフィルター20の剥離可能接着部26が剥離して開封され、フィルター20の上面が開口する。また、ロック部13を押し込むことにより支持体10が筒状に保持される。
【0027】
フィルター20を開封して支持体10を筒状に保持されたドリッパー1は支持体10の載置面10b(図1参照)をカップ2上に載置される。この時、カップ2の外側に脚部14が配されて上端面に脚部14と係止部15との間が当接し、内周面上に係止部15が弾性により係止される。これにより、ドリッパー1がカップ2上に固定される。フィルター20の上面開口から適当量の熱湯が注入されると、カップ2内に内容物Dの抽出液が流下する。そして、ドリッパー1を取り外してカップ2内の抽出液を喫飲することができる。
【0028】
図5は支持体10の正面図を示している。支持体10の窓部17は下辺が上辺よりも短い略台形に形成され、上辺が直線状で下辺は下に凸に湾曲する。窓部17の左右方向の幅Eは36mm~72mmに形成され、上下方向の幅Fは12mm以上に形成される。これにより、フィルター20の注湯状態を確実に視認することができる。
【0029】
支持体10は、上端面10aと載置面10bとの距離Hに対する窓部17の上下方向の幅Fの比を65%以下に形成される。これにより、注湯されたフィルター20の重量によって支持体10の上部が内側に垂れ下がること及び支持体10の下端が潰れてドリッパー1が脱落することを防止できる。
【0030】
この時、突出部16の側方の窓部17と支持体10の上面との距離Aが12mm以上であるとより望ましい。また、窓部17と載置面10bとの距離Bが6mm以上であるとより望ましい。
【0031】
尚、支持体10の窓部17の形状は図6の変形例に示すように長孔形状でもよい。窓部17の上下方向の幅Fが上記の範囲内であれば同様の効果を得ることができる。
【0032】
上記構成のドリッパー1において、外形形状、窓部17形状及びブランク板30の坪量の異なる支持体10を形成し、支持体10の機械適性、フィルター20の視認性及びドリッパー1の抽出適正の比較を行った結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1において、試料No.1の支持体10は、ブランク板30の坪量が180g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが24mmであり、距離Hに対する幅Fの比は48%である。尚、距離A、Bはそれぞれ14mm、9mmである。
【0035】
試料No.2の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が210g/m2である。試料No.3の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が230g/m2である。試料No.4の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が246g/m2である。試料No.5の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が255g/m2である。試料No.6の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が260g/m2である。
【0036】
試料No.7の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が270g/m2である。試料No.8の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が310g/m2である。試料No.9の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が350g/m2である。試料No.10の支持体10は試料No.1と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が400g/m2である。
【0037】
試料No.11の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが36mm、窓部17の上下方向の幅Fが10mmであり、距離Hに対する幅Fの比は20%である。距離A、Bはそれぞれ21mm、16mmである。
【0038】
試料No.12の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが36mm、窓部17の上下方向の幅Fが12mmであり、距離Hに対する幅Fの比は24%である。距離A、Bはそれぞれ20mm、15mmである。
【0039】
試料No.13の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが12mmであり、距離Hに対する幅Fの比は24%である。距離A、Bはそれぞれ20mm、15mmである。
【0040】
試料No.14の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが28mmであり、距離Hに対する幅Fの比は56%である。距離A、Bはそれぞれ12mm、7mmである。
【0041】
試料No.15の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが32mmであり、距離Hに対する幅Fの比は64%である。距離A、Bはそれぞれ9mm、6mmである。
【0042】
試料No.16の支持体10は、ブランク板30の坪量が210g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが34mmであり、距離Hに対する幅Fの比は68%である。距離A、Bはそれぞれ7mm、6mmである。
【0043】
試料No.17の支持体10は、試料No.16と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が210g/m2である。
【0044】
試料No.18の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが38mmであり、距離Hに対する幅Fの比は76%である。距離A、Bはそれぞれ3mm、6mmである。
【0045】
試料No.19の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは50mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが40mmであり、距離Hに対する幅Fの比は80%である。距離A、Bはそれぞれ3mm、4mmである。
【0046】
試料No.20の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは60mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが36mm、窓部17の上下方向の幅Fが12mmであり、距離Hに対する幅Fの比は20%である。距離A、Bはそれぞれ25mm、20mmである。
【0047】
試料No.21の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは60mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが40mmであり、距離Hに対する幅Fの比は67%である。距離A、Bはそれぞれ11mm、6mmである。
【0048】
試料No.22の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは60mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが45mmであり、距離Hに対する幅Fの比は75%である。距離A、Bはそれぞれ6mm、6mmである。
【0049】
試料No.23の支持体10は、試料No.22と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が210g/m2である。
【0050】
試料No.24の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは60mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが48mmであり、距離Hに対する幅Fの比は80%である。距離A、Bはそれぞれ4mm、5mmである。
【0051】
試料No.25の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは40mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが36mm、窓部17の上下方向の幅Fが10mmであり、距離Hに対する幅Fの比は25%である。距離A、Bはそれぞれ15mm、12mmである。
【0052】
試料No.26の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは40mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが36mm、窓部17の上下方向の幅Fが12mmであり、距離Hに対する幅Fの比は30%である。距離A、Bはそれぞれ16mm、13mmである。
【0053】
試料No.27の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは40mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが24mmであり、距離Hに対する幅Fの比は60%である。距離A、Bはそれぞれ7mm、6mmである。
【0054】
試料No.28の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは40mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが26mmであり、距離Hに対する幅Fの比は65%である。距離A、Bはそれぞれ6mm、5mmである。
【0055】
試料No.29の支持体10は、試料No.28と同じ形状であり、ブランク板30の坪量が210g/m2である。
【0056】
試料No.30の支持体10は、ブランク板30の坪量が260g/m2である。支持体10の横幅Wは130mm、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hは40mmである。また、窓部17の左右方向の幅Eが72mm、窓部17の上下方向の幅Fが28mmであり、距離Hに対する幅Fの比は70%である。距離A、Bはそれぞれ4mm、5mmである。
【0057】
尚、各試料番号の試料数は各10個である。
【0058】
機械適性は、支持体10を折り曲げて成型する際に、貼り合せずれや変形が発生するかどうかを調べた。表中「×」は、1個以上の貼り合せずれまたは変形が発生した場合を示している。表中「○」、「◎」は、試料全数について貼り合せずれ及び変形が発生しなかった場合を示している。尚、一部皺が発生した場合は「○」で示し、皺がない場合を「◎」で示している。また、フィルター20に内容物Dを充填する際に支持体10が揺れると充填時間が長くなる。内容物Dの充填時に支持体10の揺れがない場合も「◎」で示し、支持体10の揺れが発生した場合は「○」で示している。
【0059】
視認性は、図3に示すようにドリッパー1をカップ上に置き、140mLの湯を注いだ際にフィルター20の注湯状態が良好に視認できるかどうかを調べた。表中「○」は、試料全数についてフィルター20の注湯状態を良好に視認できた場合を示している。
【0060】
抽出適正は、図3に示すようにドリッパー1をカップ上に置き、140mLの湯を注いだ後、形状が崩れたかどうかを調べた。表中「×」は、1個以上のドリッパー1の形状が大きく崩れた場合を示しており、表中「○」は、試料全数について形状が保持された場合を示している。
【0061】
表1に示すように、試料No.1~試料No.10、試料No.12~試料No.24、試料No.26~試料No.31について、フィルター20の注湯状態を良好に視認することができた。従って、窓部17の左右方向の幅が36mm以上、上下方向の幅が12mm以上であれば視認性の高いドリッパー1が得られる。
【0062】
支持体10の機械適性について、ブランク板30の坪量が400g/m2では機械適性が悪いが、350g/m2以下では機械適性がよく成型する際に貼り合せずれや変形が発生しない。
【0063】
また、支持体10のブランク板30の坪量が310g/m2以下では成型時の皺の発生がなく、246g/m2以上では内容物Dの充填時に支持体10の揺れがない。このため、支持体10の皺の発生によるドリッパー1の美観低下を防止できるとともに、内容物Dの充填時間を短縮してドリッパー1の製造コストを削減することができる。
【0064】
ドリッパー1の抽出特性について、支持体10のブランク板30の坪量が180g/m2の場合(試料No.1)に抽出適性が悪く、注湯時の形状崩れが発生する。また、支持体10の距離Hに対する幅Fの比が65%を超える場合(試料No.18、試料No.19、試料No.24、試料No.30)に抽出適性が悪く、注湯時の形状崩れが発生する。
【0065】
本実施形態によると、窓部17の上下方向の幅Fが12mm以上であり、支持体10の上端面10aと載置面10bとの距離Hに対する窓部17の上下方向の幅Fの比が65%以下である。これにより、フィルター20の注湯状態を良好に視認することができ、注湯時の型崩れによる脱落を防止することができる。
【0066】
また、支持体10のブランク板30の坪量が210g/m2以上350g/m2以下であるので、注湯時の型崩れによるドリッパー1の脱落を更に防止することができる。また、ブランク板30を折曲して支持体10を形成する際の形状不良を防止することができる。
【0067】
また、支持体10のブランク板30の坪量を310g/m2以下にすると、支持体10の皺がなく、ドリッパー1の美観低下を防止することができる。
【0068】
また、支持体10のブランク板30の坪量を246g/m2以上にすると、内容物Dの充填時間を短縮してドリッパー1の製造コストを削減することができる。
【0069】
また、支持体10の外面側に樹脂コーティングが施されるので、支持体10の外面上の耐水性及び印刷特性を向上することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によると、レギュラーコーヒー、紅茶、緑茶等のドリッパーに利用することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 ドリッパー
2 カップ
10 支持体
10a 上端面
10b 載置面
11 前面板
12 背面板
12a 背面主板
12b 背面補助板
12c 重ね代部
13 ロック部
13a、13b 切込み
13c、13d、19 折り線
13d 折り線
14 脚部
15 係止部
16 突出部
17 窓部
18 接着部
20 フィルター
21 前面部
22 背面部
23 マチ部
24 折返し部
26 剥離可能接着部
30 ブランク板
D 内容物
A、B、H 距離
E、F 幅
H0 高さ
W 横幅
図1
図2
図3
図4
図5
図6