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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142876
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】解錠装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 63/14 20060101AFI20241003BHJP
   E05B 65/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E05B63/14 A
E05B65/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055255
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基之
(72)【発明者】
【氏名】宮城 茂樹
(57)【要約】
【課題】操作力を軽減するとともに誤動作を防止することができる解錠装置を提供する。
【解決手段】解錠装置20は、所定の間隔を空けて一列に並んだ複数の電気錠11と、シリンダ錠12と、電気錠11の並びに沿って延在し、シリンダ錠12に挿入された鍵の回動に応じて電気錠11の並びの方向に沿って移動可能な解錠バー13と、解錠バー13をシリンダ錠12に挿入された鍵の回動方向に応じて当該解錠バー13の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢する付勢部14と、を備えている。そして、解錠バー13には電気錠11の非常解錠用レバー11aを解錠方向に移動させる凸部13aが複数の電気錠11のそれぞれの位置に対応して形成されている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の間隔を空けて一列に並んだ複数の錠装置と、
鍵が挿入されて回動するシリンダ錠と、
前記錠装置の並びに沿って延在し、前記シリンダ錠の回動に応じて前記錠装置の並びの方向に沿って移動可能な解錠部材と、
前記解錠部材を前記シリンダ錠の回動方向に応じて当該解錠部材の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢する付勢部と、を備え、
前記解錠部材には、前記解錠部材の移動により前記錠装置の非常解錠装置と接触して当該錠装置を解錠させる解錠部が前記複数の錠装置のそれぞれの位置に対応して形成されている、
ことを特徴とする解錠装置。
【請求項2】
前記シリンダ錠には、前記解錠部材と係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の解錠装置。
【請求項3】
前記シリンダ錠において前記鍵が抜き差し可能な位置にあるときは、前記係合部と前記解錠部材との間には所定の間隔が空けられていることを特徴とする請求項2に記載の解錠装置。
【請求項4】
前記非常解錠装置はレバーで構成されており、
前記レバーと前記解錠部とは、前記レバーが非解錠状態において、所定の間隔を空けて位置づけられていることを特徴とする請求項1に記載の解錠装置。
【請求項5】
前記付勢部は、一端が前記解錠部材と回動自在に接続され、他端がバネにより付勢されるリンク部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の解錠装置。
【請求項6】
前記付勢部は、前記解錠部材の移動範囲を規制する規制部材が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の解錠装置。
【請求項7】
前記付勢部は、前記解錠部材が一端方向に移動するときは前記一端方向に付勢し、前記解錠部材が他端方向に移動するときは他端方向に付勢することを特徴とする請求項1に記載の解錠装置。
【請求項8】
前記解錠部材と回動自在に接続され、当該解錠部材を支持するリンク部材を備え、
前記リンク部材が回動して前記解錠部材が移動する、
ことを特徴とする請求項1に記載の解錠装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばロッカー装置のロッカーボックス毎に設けられた複数の錠装置を一斉に解錠させることができる解錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば複数のロッカーボックスを備えたロッカー装置では、施錠のため錠装置が用いられることが多い。この種のロッカー装置において、停電や故障等が発生すると、管理者等がロッカーボックスを1つずつ解錠しなければならず手間がかかる。
【0003】
そこで、特許文献1に記載のように、複数のロッカーボックスを一斉に解錠することができる機構が提案されている。特許文献1に記載の解錠装置は、台輪部から挿入したキーKを回動させることで、ロッド21を上下運動させプランジャー10を動かすことで電気錠を解錠させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平04-031976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方法の場合、キーKの回動時にロッド21の荷重がかかり操作に力が必要となる。また、ロッド21に設けられた操作金具22と、プランジャー10に設けられた延設部11が接するようになっており、例えば移動時や地震等による振動でロッド21が上下動すると、施錠されているロッカーボックスを誤って解錠してしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、操作力を軽減するとともに誤動作を防止することができる解錠装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、所定の間隔を空けて一列に並んだ複数の錠装置と、鍵が挿入されて回動するシリンダ錠と、前記錠装置の並びに沿って延在し、前記シリンダ錠の回動に応じて前記錠装置の並びの方向に沿って移動可能な解錠部材と、前記解錠部材を前記シリンダ錠の回動方向に応じて当該解錠部材の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢する付勢部と、を備え、前記解錠部材には、前記解錠部材の移動により前記錠装置の非常解錠装置と接触して当該錠装置を解錠させる解錠部が前記複数の錠装置のそれぞれの位置に対応して形成されている、ことを特徴とする解錠装置である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明によれば、付勢部が、解錠部材をシリンダ錠に挿入された鍵の位置に応じて当該解錠部材の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢するので、鍵の操作力を軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態にかかる解錠装置を備えたロッカー装置の外観斜視図である。
図2図1に示されたロッカー装置の正面図(a)及び右側面図(b)である。
図3図2(a)のA-A線に沿う断面図である。
図4図2に示されたシリンダ錠の拡大図である。
図5図2に示された付勢部の拡大図である。
図6】本実施形態にかかる解錠装置の解錠前の状態を示す図である。
図7】本実施形態にかかる解錠装置の解錠後の状態を示す図である。
図8】付勢部の動作を示す説明図である。
図9】解錠バーの動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態にかかる解錠装置を有するロッカー装置の外観斜視図である。図2は、図1に示されたロッカー装置の正面図(図2(a))及び右側面図(図2(b))である。
【0011】
図1に示したロッカー装置1は、側部2、3と、背部4と、天部5と、底部6と、により筐体を構成する。また、ロッカー装置1は、複数のロッカーボックスを備え、各ロッカーボックスに対応して扉7が設けられている。即ち、ロッカー装置1は、一対の側壁及び後壁を有し、複数の保管庫が設けられている。また、図1に示したロッカー装置1は、複数のロッカーボックスが縦1列に設けられている。
【0012】
側部2、3と、背部4と、天部5と、底部6と、は例えば板金等により形成されている。そして、これらの板は互いに溶接等により接合されて箱状に形成される。扉7は、板金等により形成され、図示しないヒンジ等により筐体前面に開閉可能に設けられている。また、扉7は、把手(不図示)や施錠のための電気錠11(図3等を参照)を備えている。
【0013】
図3は、本実施形態にかかる解錠装置20の構成図である。図3は、図2(a)のA-A線に沿う断面図である。この解錠装置20は、例えば側部3が外壁と内壁とを備える場合、外壁と内壁との間に設けられるものである。
【0014】
解錠装置20は、電気錠11と、シリンダ錠12と、解錠バー13と、付勢部14と、リンク部15と、を備えている。
【0015】
電気錠11は、ロッカーボックス毎に設けられている錠装置である。そして、電気錠11は、図3に示したように、所定の間隔を空けて縦一列に並んでいる。電気錠11には、非常解錠装置として非常解錠用レバー11aが設けられている。非常解錠用レバー11aは、先端を図3に示した位置から下側に移動させることで電気錠11が解錠される。
【0016】
シリンダ錠12は、周知のように鍵によって回動させることができる錠であり、図4に示したように、鍵により回動するシリンダ部12aと、シリンダ部12aに一端が接合された略コ字状のタング12bと、タング12bの他端に設けられたピン12cと、を備えている。ピン12cは、解錠バー13の下端と係合している。
【0017】
ここで、ピン12cは、後述する一斉解錠でない状態の場合、即ち、シリンダ錠12において鍵が抜き差し可能な位置にある場合は、解錠バー13との間に所定の間隔(隙間)が空けられている。したがって、この状態ではピン12cに解錠バー13の荷重がかからないようになっている。
【0018】
解錠バー13は、電気錠11の並びに沿って延在し、シリンダ錠12に挿入された鍵の回動に応じて電気錠11の並びの方向に沿って移動可能となっている。本実施形態では、解錠バー13は縦方向に移動可能となっている。解錠バー13は、上述したように、下端では、シリンダ錠12のピン12cと係合している。また、解錠バー13は、電気錠11の非常解錠用レバー11aに向かって突出し、非常解錠用レバー11aを解錠方向に移動させる凸部13aが形成されている。即ち、凸部13aが解錠部として機能する。解錠バー13の移動(解錠動作)についての詳細は後述する。
【0019】
付勢部14は、解錠バー13をシリンダ錠12に挿入された鍵の回動方向に応じて当該解錠バー13の移動する上方向(一端方向)及び下方向(他端方向)のいずれかに付勢するものであり、換言すれば回動方向に応じて付勢方向が反転するともいえる。つまり、例えば鍵が時計回りに回動された場合は解錠バー13を上方向へ付勢し、鍵が反時計回りに回動された場合は解錠バー13を下方向へ付勢する。即ち、付勢部14は、解錠バー13が一端方向に移動するときは一端方向に付勢し、解錠バー13が他端方向に移動するときは他端方向に付勢する。
【0020】
図3では、付勢部14は、解錠バー13の下端近傍に設けられているが下端でなくてもよい。付勢部14は、図5に示したように、リンク14aと、トーションバネ14bと、位置決めピン14c、14dと、を備えている。
【0021】
リンク14aは、一端が解錠バー13と回動自在に接続され、他端がトーションバネ14bにより付勢されている。また、リンク14aは、回転軸14a1を中心として回動するように側部3の外壁内側(内壁に向かう側)に設けられている。
【0022】
トーションバネ14bは、周知のようにコイル状に巻回された巻回部と、巻回部の一端側から延長された一方のアーム部と、巻回部の他端側から延長された他方のアーム部からなる。そして、トーションバネ14bの一方のアーム部はリンク14aの他端に接続され、他方のアーム部は側部3の外壁内側に接続されている。
【0023】
位置決めピン14cは、側部3の外壁内側から突出するようにリンク14aの上側に設けられリンク14aの回動範囲を規制する。位置決めピン14dは、側部3の外壁内側から突出するようにリンク14aの下側に設けられリンク14aの回動範囲を規制する。
【0024】
リンク部15は、解錠バー13の上端近傍と、中央近傍に設けられている。リンク部15は、一端が解錠バー13と回動自在に接続され、他端が側部3の外壁内側に回動自在に接続されている。リンク部15は、付勢部14とともに解錠バー13を支持する。リンク部15は、付勢部14以外に少なくとも1つ設ければよいが、剛性等の確保のため複数設けるのが好ましい。解錠バー13は、リンク部15及び付勢部14のリンク14aによって保持されることで、シリンダ錠12との間に間隙を設けることができている。
【0025】
次に、上述した構成の解錠装置20における一斉解錠動作を図6図9を参照して説明する。図6は一斉解錠前の図、図7は一斉解錠後の図である。また、図6図7においては、図3のうち付勢部14近傍の部分を抜き出して記載している。
【0026】
まず、図6は、シリンダ錠12に鍵が挿入されていない状態、つまり、電気錠11の非常解錠用レバー11aを動作させていない状態である。この状態では、解錠バー13の凸部13aは、非常解錠用レバー11aに接していない。即ち、非常解錠用レバー11aと凸部13aとは、非常解錠用レバー11aが非解錠状態において、所定の間隔を空けて位置づけられている。また、この状態では、解錠バー13のうち、シリンダ部12aのタング12bに設けられたピン12cと係合する箇所は、ピン12cとの間に所定の間隔(隙間)を空けるよう保持される。
【0027】
また、付勢部14では、トーションバネ14bの付勢によりリンク14aの他端側が下げられるとともにリンク14aの一端側が上げられる。このため、解錠バー13の凸部13aは、非常解錠用レバー11aと接しない位置に位置づけることができる。また、リンク14aは、位置決めピン14dと接することで、解錠バー13の移動を規制している。
【0028】
次に、シリンダ錠12に鍵(不図示)を挿入して回動し始めると、シリンダ部12aのタング12bに設けられたピン12cが解錠バー13と接触してシリンダ部12aの回動力を解錠バー13に伝達し、解錠バー13は、図中略下方向に移動し始める。そして、解錠バー13の凸部13aが非常解錠用レバー11aに接し図の下側に移動させ始める。
【0029】
このときリンク14aは、トーションバネ14bの付勢力に逆らって回動し始めるとともにトーションバネ14b自身も回動する(図8(a))。そして、リンク14aが略水平状態になるとトーションバネ14bは中立状態となり(図8(b))、さらに鍵を回動させると、今度はトーションバネ14bが回動してリンク14aの他端側を上げるとともに一端側を下げるように付勢する(図8(c))。つまり、図8(a)から図8(b)に遷移する際は鍵の回動による力のみによって解錠バー13が移動し、図8(b)から図8(c)に遷移する際はトーションバネ14bの付勢力により解錠バー13が移動する。そして、リンク14aが位置決めピン14cと接することで移動が規制される。
【0030】
そして、図7に示したように、リンク14aが位置決めピン14cと接すると、非常解錠用レバー11aが凸部13aにより解錠位置まで移動し、電気錠11が解錠される。したがって、複数の電気錠11が解錠バー13の動作により一斉に解錠される。
【0031】
図7の状態から図6の状態に戻す場合は、上記と逆に鍵を回動する。すると、図8(c)から(b)まではトーションバネ14b付勢力に逆らってリンク14aが回動し、図8(b)から(a)まではトーションバネ14bの付勢力によりリンク14aが回動する。つまり、図8(c)から図8(b)に遷移する際は鍵の回動による力のみによって解錠バー13が移動し、図8(b)から図8(a)に遷移する際はトーションバネ14bの付勢力により解錠バー13が移動する。そして、リンク14aが位置決めピン14dと接することで移動が規制される。
【0032】
非常解錠用レバー11aは、解錠前の位置(図6)に向かって付勢されており、解錠バー13(凸部13a)の移動に伴って解錠前の位置に向かって移動し、リンク14aが位置決めピン14dと接すると、非常解錠用レバー11aは、図6の位置(非常解錠前の位置、通常時)に戻り、凸部13aは非常解錠用レバー11aから離れる。
【0033】
以上説明したように、シリンダ錠12による回動力は、操作初期のみ解錠バー13に負荷され、それ以降、解錠バー13はバネの力で移動することで、シリンダ錠12と解錠バー13とのクリアランス設定や寸法公差を起因とした動作不良を惹起することがない。
【0034】
また、本実施形態の解錠バー13は、リンク14aにより保持されるため、実際は直線的に上下に移動するのはなく、円弧軌道を描くようにして移動する(図9の矢印A1)。そのため、直線移動する解錠バー13を摺動させて保持するガイド部などを必要としないため、部品間の摩擦が起こりにくい。また、非常解錠用レバー11aも先端部は円弧軌道を描くように移動するため(図9の矢印A2)、凸部13aと非常解錠用レバー11aはいずれも円弧軌道を描くように動作する。したがって、解錠バー13が直線的に上下動する場合と比較して凸部13aと非常解錠用レバー11aとの間に摩擦が起こりにくい。解錠バー13が直線移動する場合は、摺動保持するガイドが必要となり摩擦が生じる。本実施形態にようにリンク機構で保持することで、解錠バーの移動に際して摩擦が生じないため、作動が安定する。
【0035】
部品間で摩擦が発生すると、鍵を回動させている操作者は、鍵がスムーズに動かないよう感じ操作性が低下するが、本実施形態の構成であれば、解錠バー13と保持構造、及び凸部13aと非常解錠用レバー11aとの間に摩擦が起こりにくいので作動が安定し、操作性の低下を抑えることができる。
【0036】
ここで、非常解錠用レバー11aも先端部は円弧軌道を描くように移動するが、凸部13aの突出長さは、解錠動作時に円弧軌道を描いても非常解錠用レバー11aから離れない程度の長さになっている。
【0037】
本実施形態によれば、解錠装置20は、所定の間隔を空けて一列に並んだ複数の電気錠11と、シリンダ錠12と、電気錠11の並びに沿って延在し、シリンダ錠12に挿入された鍵の回動に応じて電気錠11の並びの方向に沿って移動可能な解錠バー13と、解錠バー13をシリンダ錠12に挿入された鍵の回動方向に応じて当該解錠バー13の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢する付勢部14と、を備えている。そして、解錠バー13には電気錠11の非常解錠用レバー11aを解錠方向に移動させる凸部13aが複数の電気錠11のそれぞれの位置に対応して形成されている。
【0038】
解錠装置20が上記のように構成されていることにより、付勢部14が、解錠バー13をシリンダ錠12に挿入された鍵の位置に応じて当該解錠バー13の移動方向の一端方向及び他端方向のいずれかに付勢するので、鍵の操作力を軽減させることができる。
【0039】
また、解錠バー13は、操作初期においては鍵の回動による力によって移動され、操作途中からはトーションバネ14bの付勢力が反転して、トーションバネ14bの付勢力によって解錠バー13が移動されるため、解錠バー13とシリンダ部12との間のクリアランスや寸法公差などの影響を考慮する必要がないため、動作信頼性を向上させることができる。
【0040】
また、シリンダ錠12は、解錠バー13とピン12cで係合している。このようにすることにより、解錠バー13とピン12cが嵌合しないため、シリンダ錠12に挿入された鍵に解錠バー13の荷重がかかりにくくなる。
【0041】
また、シリンダ錠12において鍵が抜き差し可能な位置にあるときは、ピン12cは、解錠バー13との間に所定の間隔が空けられている。このように、ピン12cと解錠バー13との間に意図的なガタを形成することで、鍵が抜き差し可能な位置にあるときに解錠バー13の荷重がかからないようにすることができる。したがって、鍵の抜き差しが容易となり操作性を向上させることができる。
【0042】
また、非常解錠用レバー11aと凸部13aとは、非常解錠用レバー11aが非解錠状態において、所定の間隔を空けて位置づけられているので、輸送時の振動や地震等により誤って解錠されることを防止できる。
【0043】
また、付勢部14は、一端が解錠バー13と回動自在に接続され、他端がトーションバネ14bにより付勢されるリンク14aを備えている。このようにすることにより、リンクを用いてバネの付勢力を解錠バー13に伝達することができ、簡易な構成で操作性の改善をすることができる。
【0044】
また、付勢部14は、解錠バー13の移動範囲を規制する位置決めピン14c、14dが設けられている。このようにすることにより解錠バー13の上死点と下死点を高精度に規制することができる。また、この位置決めピン14c、14dにより、凸部13aの位置のバラつきも抑えることができる。したがって、ロッカー装置1の寸法誤差等による影響を少なくして確実に動作させることができる。
【0045】
なお、上述した実施形態では、ロッカーボックスが縦に並んだロッカー装置の一斉解錠に適用したが、横に並んだロッカーボックスの一斉解錠に応用することも可能である。
【0046】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の解錠装置の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
1 ロッカー装置
11 電気錠
11a 非常解錠用レバー(非常解錠装置)
12 シリンダ錠
12c ピン(係合部)
13 解錠バー(解錠部材)
13a 凸部(解錠部)
14 付勢部
14a リンク(リンク部)
14b トーションバネ(バネ)
14c 位置決めピン(規制部材)
14d 位置決めピン(規制部材)
20 解錠装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9