(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142878
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】ロッカー装置及び架台
(51)【国際特許分類】
A47B 55/00 20060101AFI20241003BHJP
A47B 91/00 20060101ALI20241003BHJP
A47B 97/00 20060101ALI20241003BHJP
A47B 91/02 20060101ALI20241003BHJP
G07F 17/12 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A47B55/00
A47B91/00 A
A47B97/00 E
A47B91/02
G07F17/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055257
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】506226658
【氏名又は名称】株式会社アルファロッカーシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 基之
(72)【発明者】
【氏名】宮城 茂樹
【テーマコード(参考)】
3B067
3B069
【Fターム(参考)】
3B067AA01
3B067CA00
3B067EA02
3B069AA04
3B069AA14
3B069DA01
3B069EA05
(57)【要約】
【課題】機器の重量を増加させずに強風や地震にも耐えることができるロッカー装置及びそれに用いることができる架台を提供する。
【解決手段】ロッカー装置100は、屋外に設置され、縦方向に配列された複数段の収容庫110の列を少なくとも1列以上有する筐体101と、筐体101の下部に連結される架台1と、を備えている。そして、架台1は、筐体101に連結される本体部10と、複数設けられるとともに本体部10から延在して地面Gと接する脚部6と、本体部10を地面Gに固定する固定部7と、を備え、本体部10は、ロッカー装置100の筐体101に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設置されるロッカー装置であって、
縦方向に配列された複数段の収容庫の列を少なくとも1列以上有する筐体と、
前記筐体の下部に連結される架台と、を備え、
前記架台は、
前記筐体が連結される本体部と、
複数設けられるとともに前記本体部から延在して前記接地面と接する脚部と、
複数設けられるとともに前記本体部を前記接地面に固定する固定部と、を備え、
前記本体部は、前記筐体に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている、
ことを特徴とするロッカー装置。
【請求項2】
複数の前記脚部は、前記本体部の前記接地面からの高さがそれぞれ調節可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項3】
前記固定部は、L字型金具部材であって、
前記L字型金具部材と前記本体部との取付位置が前記接地面の地形に応じて調節可能であることを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項4】
前記架台の外形は、前記筐体の外形と一致することを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項5】
前記架台の外形は、前記筐体の外形よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のロッカー装置。
【請求項6】
屋外に設置されるロッカー装置が連結され、接地面に固定される架台であって、
前記ロッカー装置に連結される本体部と、
複数設けられるとともに前記本体部から延在して前記接地面と接する脚部と、
複数設けられるとともに前記本体部を前記接地面に固定する固定部と、を備え、
前記本体部は、前記ロッカー装置の筐体に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている、
ことを特徴とする架台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインロッカー等のロッカー装置及びそれに用いることができる架台に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、客に所定のサービスを提供するコインロッカー等の機器は、駅や商業施設等の屋内に設置されることが多いが、特にコインロッカーでは、需要の増加に伴い屋外に設置されることもある。
【0003】
コインロッカー等を地面に設置する場合、強風や地震等で倒れないように地面などの接地面に固定する必要がある。接地面に固定する方法としては、特許文献1に記載のように、アンカーボルトで固定することが挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
コインロッカー等、不特定多数の利用者による荷物の預け入れを想定した機器は重量が大きいため、接地面が平坦な屋内に設置する場合に比べ、接地面が平坦ではない屋外に設置する場合には自重によって筐体に歪みが生じてしまう虞がある。強度を高めるため、筐体を構成する鉄板等の板厚を厚くする等が考えられるが、機器の重量が更に増加し、コストが増加するとともに運搬や設置時に扱いづらくなる。
【0006】
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、機器の重量を増加させずに強風や地震にも耐えることができるロッカー装置及びそれに用いることができる架台を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた発明は、屋外に設置されるロッカー装置であって、縦方向に配列された複数段の収容庫の列を少なくとも1列以上有する筐体と、前記筐体の下部に連結される架台と、を備え、前記架台は、前記筐体が連結される本体部と、複数設けられるとともに前記本体部から延在して前記接地面と接する脚部と、複数設けられるとともに前記本体部を前記接地面に固定する固定部と、を備え、前記本体部は、前記筐体に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている、ことを特徴とするロッカー装置である。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように本発明のロッカー装置は、架台の本体部が筐体に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている。したがって、架台部分の強度を筐体よりも強固に形成することができる。よって、筐体の重量を増加させずに強風や地震にも耐えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態にかかるロッカー装置の正面図である。
【
図2】
図1に示されたロッカー装置の斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態にかかる架台の4面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるロッカー装置の正面図である。ロッカー装置100は、筐体101と、架台1と、を備えている。
【0011】
筐体101は、複数の収容庫110を備えている。図示した例では、8段の収容庫110が縦方向に配列されている。即ち、筐体101は、8段からなる収容庫列を1列有する。収容庫110は、扉111を備え、扉111は図示しないヒンジ等により開閉自在となっている。また、収容庫110は、図示しない電気錠を備え、後述する制御部112により施解錠が制御される。
【0012】
また、ロッカー装置200は、筐体102と、架台1と、を備えている。筐体102は、複数の収容庫110と、制御部112と、を備えている。図示した例では、6段の収容庫110と1つの制御部112とが縦方向に配列されている。
【0013】
制御部112は、上述したように、各収容庫110の施解錠の制御及び利用料金の精算等の制御等を行う。また、制御部112は、利用者が施解錠や利用料金の精算等を行うための表示画面や操作ボタンあるいはタッチパネル等が設けられている。
【0014】
図1及び
図2に示したロッカー装置は、制御部112を有するロッカー装置200を、制御部112を有しない2つのロッカー装置100で挟むように繋げて構成されている。そして、制御部112は、ロッカー装置100の収容庫110の施解錠の制御も行う。つまり、
図1及び
図2に示したロッカー装置は、3つのロッカー装置ではなく、1つのロッカー装置として扱ってもよい。したがって、後述する架台1も1列毎に設けるに限らず、3列をまとめて1つの架台1に連結してもよい。
【0015】
図3は、本発明の一実施形態にかかる架台の4面図である。
図3において、中央は上面図、右は右側面図、左は左側面図、下は前面図である。
図3に示した架台1は、上述したロッカー装置100、200等の機器を屋外に設置する際に使用する。
【0016】
架台1は、
図3に示したように、本体部10と、脚部6と、固定部7と、を備えている。
【0017】
本体部10は、前側部材2と、後側部材3と、右側部材4と、左側部材5と、から構成されている。
【0018】
前側部材2は、金属の板材を略筒状に形成した部材であり、接地面へ設置時には前方に配置される部材である。後側部材3は、金属の板材を略筒状に形成した部材であり、接地面へ設置時には後方に配置される部材である。右側部材4は、金属の板材を略筒状に形成した部材であり、接地面へ設置時には右方に配置される部材である。左側部材5は、金属の板材を略筒状に形成した部材であり、接地面へ設置時には左方に配置される部材である。つまり、前側部材2及び後側部材3は機器の幅方向に延在する部材であり、右側部材4及び左側部材5は機器の奥行方向に延在する部材である。
【0019】
本体部10は、前側部材2と、後側部材3と、右側部材4と、左側部材5と、を枠状(矩形状)に結合することで構成される。各部材同士は例えば溶接により接合されている。
【0020】
また、前側部材2の設置時に機器が載置される面(上面)21には、ロッカー装置100、200と結合するための結合部21a、21bが設けられている。この結合部21a、21bは例えば溶接ナットが用いられている。同様に、後側部材3の上面31には、ロッカー装置100、200と結合するための結合部31a、31bが設けられ、右側部材4の上面41には、ロッカー装置100、200と結合するための結合部41a、41b、41cが設けられ、左側部材5の上面51には、ロッカー装置100、200と結合するための結合部51a、51b、51cが設けられている。
【0021】
各部材の結合部の数は一例であり、ロッカー装置100、200のサイズ(架台1のサイズ)等に応じて適宜変更してもよい。また、
図3の例では、前側部材2及び後側部材3よりも右側部材4及び左側部材5の方が長手方向の長さが長い、つまり、幅方向よりも奥行方向が長くなっているが、これもロッカー装置100、200のサイズに応じて適宜変更してもよい。
【0022】
また、架台1の外形、即ち、前側部材2と、後側部材3と、右側部材4と、左側部材5と、で構成される枠の外周の形状は、筐体101(或いは筐体102)の外形(底面の大きさ)と略一致する。あるいは、架台1の外形の方が筐体101(102)の外形よりも大きくてもよい。これは、架台1の外形の方が筐体101(102)の外形よりも小さいと架台1による固定が不安定となり、また、筐体101(102)の自重による歪みが生じ易くなる。
【0023】
脚部6は、本体部10から延在して接地面(地面)と接する。脚部6は、本体部10の接地面からの高さがそれぞれ調節可能となっている。
図3に示した構成では本体部10の四隅に脚部6a、6b、6c、6dが設けられている。これらの脚部6a、6b、6c、6dは取付位置が異なるのみであり構成は同じである。なお、脚部6の詳細は後述する。
【0024】
固定部7は、本体部10を接地面(地面)に固定する。固定部7は、L字型金具部材であって、本体部10との取付位置が接地面(地面)の地形に応じて調節可能となっている。
図3に示した構成では本体部10の右側部材4に固定部7b、7cが設けられ、左側部材5に固定部7a、7dが設けられている。これらの固定部7a、7b、7c、7dは取付位置が異なるのみであり構成は同じである。なお、固定部7の詳細は後述する。
【0025】
次に、脚部6と、固定部7と、の構成について
図4及び
図5を参照して説明する。
図4は、
図3のA-A線に沿う断面図、
図5は、
図3のB-B線に沿う断面図である。また、
図4において、架台1の上にはロッカー装置100(あるいはロッカー装置200)が連結されている。
【0026】
脚部6は、
図4に示したように、受け板61と、ナット部62と、ネジ部材63と、設置部64と、を備えている。
【0027】
受け板61は、本体部10の底面に不図示のボルト等により固定される略正方形の平板状の部材であり、略中心部にナット部62が固定されている。ナット部62は、受け板61の略中心部に固定され、ネジ部材63と螺合させる。
【0028】
ネジ部材63は、ナット部62と螺号している。また、ネジ部材63の先端部には、設置部64が取り付けられている。設置部64は、截頭円錐状に形成されている。また、設置部64は、円錐の頂点側にネジ部材63の先端部が取り付けられ、底面側が地面Gと接する。
【0029】
脚部6は、ネジ部材63がナット部62と螺号しているため、ネジ部材63を設置部64ごとナット部62にねじ込むことでネジ部材63が外部に露出する長さを調節することができる。つまり、地面Gと本体部10との高さを調節することができる(
図5の矢印A1、A2を参照)。
【0030】
固定部7は、
図4及び
図5に示したように、金属の板により略L字状に形成されている。固定部7は、地面Gと接しアンカーボルト9及びアンカーナット11により地面に固定される平坦部71と、平坦部71より立設し、本体部10に固定される立設部72と、から構成される。
【0031】
平坦部71は、アンカーボルト9が貫通できる孔が形成されている。そして、地面に打ち込まれたアンカーボルト9を孔から貫通させた状態でアンカーナット11で固定することで、平坦部71が地面Gに密着し固定される。
【0032】
立設部72は、長手方向に沿って長孔72aが形成されている(
図5を参照)。
図5は、右側部材4に固定された固定部7b、7cを示しているが、左側部材5に固定された固定部7a、7dも同様である。長孔72aは、右側部材4に設けられた溶接ナット42(
図4を参照)と位置を合わせてボルト8で右側部材4(本体部10)に固定される(
図4及び
図5を参照)。
【0033】
固定部7は、長孔72aが形成されているため、長孔72aの長手方向に沿って固定部7を本体部10と固定する高さ位置を地面の地形に応じて調節することができる(
図5の矢印A3、A4を参照)。また、長孔72aにボルト8を挿入して固定するので、例えば固定部7を
図5の左右方向に回転させて固定が可能となり、地形が傾斜している場合でも対応することができる(
図5の矢印A5、A6を参照)。
【0034】
上記説明した架台1において、前側部材2と、後側部材3と、右側部材4と、左側部材5について使用される金属板の板厚は、載置(連結)されるロッカー装置100等の筐体101等に使用される金属板の板厚よりも厚くなっている。例えば、ロッカー装置100の筐体101に使用される金属板の板厚が0.8mmの場合は、架台1で使用する金属板の板厚は、筐体と同じ材質の場合1.6mmとする。この板厚は、金属板の材質や想定する震度や風速により変更してもよいが、ロッカー装置100の筐体101を構成する金属板の板厚の概ね2倍程度がコストと強度とのバランスの面から好ましい。
【0035】
なお、ロッカー装置100、200と架台1とは、ロッカー装置100、200の底部に形成された孔と、結合部21a、21b、31a、31b、41a、41b、41c、51a、51b、51cと、をボルト等により固定することで連結される。このとき、ロッカー装置100、200の底部に形成された孔は、例えば架台連結専用ではなく、室内設置の際には脚部6のような部材を取り付け可能となっていてもよい。つまり、ロッカー装置100、200の室内設置用に設けられた構造を流用してもよい。
【0036】
本実施形態によれば、ロッカー装置100は、屋外に設置され、縦方向に配列された複数段の収容庫110の列を少なくとも1列以上有する筐体101と、筐体101の下部に連結される架台1と、を備えている。そして、架台1は、筐体101に連結される本体部10と、複数設けられるとともに本体部10から延在して地面Gと接する脚部6と、本体部10を地面Gに固定する固定部7と、を備え、本体部10は、ロッカー装置100の筐体101に使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている。
【0037】
架台1が上記のように構成されていることにより、本体部10がロッカー装置100の筐体で使用されている金属板よりも板厚が厚い金属板で形成されている。したがって、架台1部分の強度を筐体101よりも強固に形成することができる。よって、ロッカー装置100の重量を増加させずに強風や地震にも耐えることができる。
【0038】
ロッカー装置100、200は、不特定多数の利用者の利用を想定して複数の収容庫110や制御部112等を備えるため、サイズが大きく重量も大きいため、接地面が平坦ではない屋外に設置する場合には歪みが生じる。本実施形態の構成により、架台1により、接地面が平坦でなくても、筐体101、102側に歪みが生じにくくなる。
【0039】
また、筐体101、102と、架台1と、が分離された構造となっているので、例えば屋内用のロッカー装置に架台1を連結することで屋外用として利用することも可能となる。つまり、接地面が平坦な場所に設置することが前提のロッカー装置を接地面が平坦ではない屋外に設置することが容易となる。
【0040】
また、複数の脚部6は、本体部10の地面Gからの高さがそれぞれ調節可能となっている。このようにすることにより、ロッカー装置100を設置する地形に応じて極力水平になるように設置することが可能となる。
【0041】
また、固定部7は、L字型金具部材であって、L字型金具部材と本体部10との取付位置が地面Gの地形に応じて調節可能である。このようにすることにより、アンカーボルト9により確実に地面に固定することができ、さらに地形に応じて確実に地面に密着させることができる。また、アンカーボルト9と固定部7とが1対1に対応しているので個々のアンカーボルト9の打ち込み位置の地面に応じた角度や高さで固定することができ、確実に地面と密着させることができる。
【0042】
一般的にロッカー装置100、200は、
図1等に示したように、横方向に複数列つなげて、前後方向が短く、左右方向に長い直方体として運用されることが多い。そのため、接地面の傾斜に対しては、もともと左右方向に強く、前後方向には弱い。よって、脚部6や固定部7により、前後方向に調整可能とすることで前後方向の傾斜に強く、安定性が増す。
【0043】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明のロッカー装置及び架台の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0044】
1 架台
6 脚部
7 固定部
10 本体部
100 ロッカー装置
101 筐体
110 収容庫
200 ロッカー装置
201 筐体
G 地面(接地面)