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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142884
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】冷凍サイクル装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20241003BHJP
   F25B 39/02 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F25B1/00 396B
F25B39/02 H
F25B1/00 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055265
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中島 駿
(72)【発明者】
【氏名】廣崎 佑
(57)【要約】
【課題】温度勾配のある非共沸混合冷媒を用いて室外熱交換器を蒸発器として利用する場合であっても、室外熱交換器に対する着霜を抑制して、室外熱交換器における熱交換量の低下を抑制する。
【解決手段】圧縮機1と、室内熱交換器2と、減圧機構3と、室外熱交換器4が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路Cを備える冷凍サイクル装置Sであって、室外熱交換器4は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管4aと、伝熱管4aの長手方向に直交するように配置された複数のフィン4bと、を備え、伝熱管4aによって構成される室外熱交換器4の冷媒経路Rは、入口側の第1の流路R1と、出口側の第3の流路R3と、第1の流路R1と第3の流路R3とをつなぎ第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い第2の流路R2とからなり、第1の流路R1と第3の流路R3とは、列方向に隣り合っている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ前記第1の流路と前記第3の流路よりもパス数が多い第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】
圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ、前記第1の流路と前記第3の流路よりも前記空気との熱交換量が大きな第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも上流側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも下流側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記第1の流路と前記第3の流路は、前記室外熱交換器の下部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記冷媒回路には、前記第1の流路、或いは、前記第3の流路への、前記非共沸混合冷媒の流入を回避するバイパス回路が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記冷凍サイクル装置は、前記冷凍サイクル装置を制御する制御装置を備え、
前記バイパス回路には、三方弁が設けられ、
前記制御装置によって前記室外熱交換器において着霜の可能性がないと判定された場合に、前記制御装置は、前記三方弁を制御して前記非共沸混合冷媒を前記バイパス回路に流すことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、冷凍サイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、冷凍サイクル装置において単一冷媒が使用される場合、冷媒が二相状態であってかつ圧力が一定であれば、例えば、蒸発器において冷媒の温度は一定である。これに対して、例えば冷媒として非共沸混合冷媒を使用する場合、単一の冷媒とは異なり、等圧力の蒸発過程において二相領域でも冷媒の蒸発温度が変化し、いわゆる温度勾配(飽和液の温度と飽和蒸気の温度との差)が生じる。そのため、例えば蒸発器の下流側の冷媒の温度が上流側より低くなることがある。
【0003】
非共沸混合冷媒のような温度勾配が生じる冷媒は、蒸発器の出口側の冷媒流路において熱交換を行う空気と冷媒との温度差が単一冷媒を使用した場合と比較して小さくなる。その結果、空気調和機における熱交換量が減ることになるので、蒸発過程の場合は吸入過熱度が小さくなる。このことは空気調和機における運転効率の低下を招くことになりかねない。
【0004】
そのため、以下の特許文献1に開示されている発明では、空気の流れに対する冷媒の流れる向きを変更している。すなわち、蒸発器の出口側の冷媒流路における冷媒の流れを空気の流れに対向する向き(以下便宜上「対向流」と表す。)となるように流す。一方、蒸発器の入口側の冷媒流路における冷媒の流れについては、冷媒の流れと空気の流れとが互いに同じ向きにする(以下便宜上「並行流」と表す。)。このような構成とすることで、蒸発器の出口側の冷媒流路において熱交換を行う空気と冷媒との温度差を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2022-115320号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、例えば、空気調和機において暖房運転が行われる場合、室外熱交換器は蒸発器として用いられる。この場合、室外熱交換器に流入する冷媒の温度は、低い状態にある。また、上述した特許文献1に示されている空気調和機の場合、室外熱交換器における冷媒の流れは、並行流である。
【0007】
従って、室外熱交換器の入口側冷媒流路における冷媒と空気との温度差は、室外熱交換器の出口側冷媒流路における冷媒と空気との温度差よりも大きな状態となる。そのため、この状態では、冷媒の温度が低いことも相まって、熱交換器を通過した空気はほとんどが露点温度以下に冷却されるため室外熱交換器に結露が生じやすくなる。
【0008】
さらに、室外熱交換器の冷媒の入口はその下部にあるが、結露した凝縮水が室外熱交換器の上部から下部に向けて滴るとともに、下部は一般的に水はけが悪いことが多いため、室外熱交換器の下部には凝縮水が溜まりやすい。従って、室外熱交換器の入口側は結氷が生じやすい。室外熱交換器に着く氷の量が多くなると、室外熱交換器における空気と冷媒との間での熱交換量が低下し、ひいては、空気調和機全体の能力の低下を招きかねない。
【0009】
本発明は、温度勾配のある非共沸混合冷媒を用いて室外熱交換器を蒸発器として利用する場合であっても、室外熱交換器に対する着霜を抑制して、室外熱交換器における熱交換量の低下を抑制することができる冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、伝熱管によって構成される室外熱交換器の冷媒経路は、入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、第1の流路と第3の流路とをつなぎ第1の流路と第3の流路よりもパス数が多い第2の流路とからなり、第1の流路と第3の流路とは、列方向に隣り合っている。
【0011】
また本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、伝熱管によって構成される室外熱交換器の冷媒経路は、入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、第1の流路と第3の流路とをつなぎ、第1の流路と第3の流路よりも空気との熱交換量が大きな第2の流路とからなり、第1の流路と第3の流路とは、列方向に隣り合っている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、温度勾配のある非共沸混合冷媒を用いて室外熱交換器を蒸発器として利用する場合であっても、室外熱交換器に対する着霜を抑制して、室外熱交換器における熱交換量の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
図2】本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の蒸発器として機能する室外熱交換器を模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
図3】本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の蒸発器として機能する室外熱交換器における空気と冷媒との流れる向き、及び、両者の温度の推移を示す概念図である。
図4】本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置における制御装置の内部構成を示すブロック図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の蒸発器として機能する室外熱交換器を模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
図6】本発明の第3の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の蒸発器として機能する室外熱交換器を模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
図7】本発明の第4の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の蒸発器として機能する室外熱交換器を模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの構造を、図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの冷媒回路図である。冷凍サイクル装置Sは、後述する室内熱交換器2を蒸発器として利用し、室外熱交換器4を凝縮器として利用する場合には冷房運転に用いられる。一方、室内熱交換器2を凝縮器として利用し、室外熱交換器4を蒸発器として利用する場合には、暖房運転に用いられる。但し、本発明の実施の形態においては、室外熱交換器が蒸発器として機能する場合について説明する。
【0015】
図1に示されている本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sは、圧縮機1と、室内熱交換器2と、減圧機構3と、室外熱交換器4とが冷媒配管で順次接続され、冷媒が循環する冷媒回路Cを有する。
【0016】
また、圧縮機1と室内熱交換器2、或いは、圧縮機1と室外熱交換器4との間には、四方弁5が設けられている。四方弁5は、圧縮機から吐出された冷媒を室内熱交換器2側に流すか、室外熱交換器4側に流すかを切り替える。
【0017】
圧縮機1は、冷媒回路Cを循環した冷媒を吸入し、圧縮して冷媒回路Cへと吐出する。室内熱交換器2は、室内空間に設置される室内機の内部に配置される。室内熱交換器2は、例えば暖房運転の場合には、冷媒と室内機に流入する空気との間で熱交換を行い室内空間に冷媒から吸熱して暖められた空気を供給する。
【0018】
また、室内機の内部には、室内ファン21が設けられている。室内ファン21は、室内機の内部に空気を取り込むとともに、冷媒との間で熱交換が行われた空気を室内に供給する。
【0019】
冷媒回路Cにおいて、室内熱交換器2と室外熱交換器4との間には、減圧機構3が設けられている。減圧機構3は、例えば、膨張弁であり、室内熱交換器2、或いは、室外熱交換器4を通過した高圧の冷媒を減圧する。
【0020】
室外熱交換器4は、室外に設置される室外機の内部に配置される。例えば暖房運転の場合には、室外熱交換器4では、冷媒と室外機に流入する空気(外気)との間で熱交換が行われて外気の熱が冷媒に吸熱される、蒸発器としての役割を果たす。
【0021】
さらに室外機には、室外熱交換器4に流入する冷媒の温度を検出する冷媒温度センサ41が設けられている。冷媒温度センサ41で測定された冷媒の温度に関する情報は、後述する制御装置6に送信され、適宜冷凍サイクル装置Sの制御に用いられる。室外機の内部には、室外ファン42が設けられている。室外ファン42は、室外機の内部に空気を取り込むとともに、冷媒との間で熱交換が行われた空気を外部に排出する。
【0022】
また、室外機の内部には、外気温を検出する外気温度センサ43も設けられている。当該外気温度センサ43では、室外機が設置されている付近の外気温度を測定する。また、外気温度センサ43で測定された外気の温度に関する情報は、後述する制御装置6に送信され、適宜冷凍サイクル装置Sの制御に用いられる。
【0023】
冷凍サイクル装置Sが暖房運転を行う際の冷媒回路Cにおける冷媒の流れは以下の通りである。暖房運転が行われる際には、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒は、四方弁5を介して室内熱交換器2に流入する。室内熱交換器2では、室内の空気を吸入して冷媒との熱交換を行うことで、暖められた空気を室内に供給する。高温高圧のガス冷媒は、室内熱交換器2を通過する際の熱交換により放熱して高圧の液冷媒となる。
【0024】
室内熱交換器2から流出した高圧の液冷媒は、減圧機構3に流入する。高圧の液冷媒は減圧機構3を通過する際に減圧され低圧の二相冷媒となる。そして減圧機構3から流出した低圧の二相冷媒は、室外熱交換器4に流入する。室外熱交換器4では外気との間で熱交換が行われることで低圧の二相冷媒が吸熱して低圧のガス冷媒となり、四方弁5を介して圧縮機1へ吸入される。
【0025】
なおここで、本発明の実施の形態における冷凍サイクル装置Sの冷媒回路Cを循環する冷媒は、非共沸混合冷媒である。非共沸混合冷媒は蒸発過程において二相状態であっても温度が変化する性質(温度勾配)を備えている。当該非共沸混合冷媒としては、例えば、R454C(R32冷媒とR1234yf冷媒との混合冷媒)を挙げることができる。
【0026】
次に、本発明の第1の実施の形態の室外熱交換器4Aの内部を流れる冷媒の流路について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの蒸発器として機能する室外熱交換器4Aを模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
【0027】
なお、図2では、X、Y、Zの3次元座標が示されている。ここで室外熱交換器4は、室外機が水平面上に設置された状態において、室外熱交換器4の上下方向が鉛直方向(図2において上下方向)に沿うように設置される。この鉛直方向をZ方向と表す。
【0028】
また、室外機において室外ファン42が設けられている側から見た場合における、図2における左右方向をY方向とし、Y方向と上下方向であるZ方向の両方に直交する方向(図2における紙面奥から手前の方向)をX方向と表す。なお、室外熱交換器4を模式的に示す図5ないし図7においても同様である。
【0029】
さらに、室外ファン42により空気の流れる方向(以下、「空気の流れ方向」と表す)を大きな矢印Aで示す。従って、図2、或いは、図5ないし図7(以下、適宜「図2等」と表す)において、室外熱交換器4のうち紙面において左側が風上(上流)側、右側が風下(下流)側となる。
【0030】
室外熱交換器4には、空気の流れ方向(室外熱交換器4の方向で言えば、Y方向)に沿って複数列の伝熱管4aが配置されている。伝熱管4aは、例えば銅管やアルミ管である。図2等においては、伝熱管4aは2列配置されており、以下においては、2列配置された場合を例に挙げて説明するが、複数列の伝熱管4aが配置されていればその列数は問わない。
【0031】
図2等に示す室外熱交換器4においては、1列にZ方向に16段の伝熱管4aが配置されている。このように本発明の実施の形態における室外熱交換器4では、伝熱管4aは、Z方向に複数段配置されるとともに、空気の流れ方向(Y方向)に沿って複数列並んで配置されている。
【0032】
また、伝熱管4aは、次に説明するフィン4bを貫通するようにX方向に伸びるように配置されている。従って、図2等においては、複数(16段2列)の伝熱管4aの断面が示されている。断面を見ると、略円形に示されているが、扁平形状であっても良い。また、いずれの伝熱管4aの断面積も同じであるが、異なっていても良い。
【0033】
また室外熱交換器4には、伝熱管4aの長手方向(X方向)に伝熱管4aと直交するように複数のフィン4bが配置されている。フィン4bは、例えばアルミニウム等の金属で薄板状に形成されている。図2等においては、1つのフィン4bのみが見えているが、複数のフィン4bがX軸方向に一定の間隔で配置されている。
【0034】
室外熱交換器4は、2列の伝熱管4aとフィン4bとが一体に形成されている。但し、例えば、1列に並んだ4つの伝熱管がフィンと一体に形成されたユニットなど、所定の数の伝熱管とフィンとを有するユニットを複数組み合わせることで、室外熱交換器4が形成されてもよい。
【0035】
例えば、図2等に示す室外熱交換器4においては、上述したように1列にZ方向に16段の伝熱管4aが配置されており、最下部を除き、Z方向に伝熱管4aが3つずつ直列に接続されて1つの流路を形成している(最下部は4つ)。これら伝熱管4aの内部には冷媒が流れ、空気との熱交換が行われる。従って、伝熱管4aによって構成される室外熱交換器4の冷媒流路Rは、冷媒回路Cの一部を構成する。
【0036】
また、本発明の実施の形態における室外熱交換器4については、冷媒流路Rをさらに3つの流路に分けて考える。まず、室内熱交換器2から流出して減圧機構3を介して室外熱交換器4に流入する冷媒の入口側の流路を第1の流路R1と表す。一方、室外熱交換器4の内部を通り途中で空気との間で熱交換を行い、圧縮機1に冷媒が流出する冷媒の出口側の流路を第3の流路R3と表す。
【0037】
例えば、図2において、第1の流路R1は、室外熱交換器4の最下部、上流側に配置される4本の伝熱管4aが該当する。一方図2において、第3の流路R3は、室外熱交換器4の最下部、下流側に配置される4本の伝熱管4aが該当する。すなわち、第1の流路R1と第3の流路R3とは、列方向に隣り合っている。
【0038】
そして、第1の流路R1と第3の流路R3とをつなぐ流路を、第2の流路R2と表す。当該第2の流路R2は、室外熱交換器4において第1の流路R1と第3の流路R3よりZ方向上部に配置されている。図2等に示す室外熱交換器4では、1列12本、2列で24本の伝熱管4aが第2の流路R2に該当する。従って、第2の流路R2を構成する伝熱管4aの数からも分かるように、第2の流路R2は第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い。
【0039】
なお、図2等においては、第1の流路R1、第2の流路R2、及び、第3の流路R3を構成する伝熱管4aについて、それぞれ一点鎖線で囲んで示している。
【0040】
図2に示す室外熱交換器4Aでは、冷媒は空気の流れ方向Aの上流側下部から、室外熱交換器4に流入する。すなわち、第1の流路R1の最下部に冷媒入口4cが設けられており、冷媒は当該冷媒入口4cから室外熱交換器4に流入する。
【0041】
冷媒入口4cから室外熱交換器4Aに流入した冷媒は、第1の流路R1を構成する4本の伝熱管4aを流れ、次第にZ方向上方に向かって流れる。そして一旦室外熱交換器4Aの外部に出て、再度室外熱交換器4Aの内部(第2の流路R2)に入る。
【0042】
再度室外熱交換器4Aに流入するに当たって、流路(パス)は4つに分岐する。すなわち、第2の流路R2は分岐した4つの流路(パス)を備えている。第1の流路R1と第3の流路R3は、図2に明らかなように1つの流路(パス)で構成されていることから、上述したように第2の流路R2は、第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い。
【0043】
図2の室外熱交換器4Aに示すように、冷媒は第2の流路R2において空気の流れ方向Aの下流側の伝熱管4aから流入し、上流側の伝熱管4aから流出する。
【0044】
第2の流路R2と第3の流路R3との間には、バイパス回路Bが設けられている。当該バイパス回路Bは、図2に示す室外熱交換器4Aの場合、第2の流路R2を流れる冷媒を第3の流路R3に流さないようにするために設けられている。
【0045】
また、当該バイパス回路Bには、冷媒を第3の流路R3に流すか、或いは、バイパス回路Bに流すかの切り替えを行う三方弁44が設けられている。三方弁44は、後述する制御装置6によって制御される。従って、第2の流路R2から流出した冷媒を第3の流路R3に流さない場合には、制御装置6によって三方弁44が切り換えられて、冷媒はバイパス回路Bに流れる。
【0046】
第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bに流さない場合には、冷媒は第2の流路R2から第3の流路R3に流れる。すなわち、第2の流路R2から流出した冷媒は、第3の流路R3に流入し、さらにZ方向下方へ流れる。
【0047】
図2に示す室外熱交換器4Aでは、第3の流路R3の最下部に冷媒出口4dが設けられている。冷媒出口4dは、空気の流れ方向Aの下流側に配置されている。従って、室外熱交換器4Aの内部を、第1の流路R1、第2の流路R2、及び、第3の流路R3の順に流れた冷媒は、下流側に向けて流出し、四方弁5を介して圧縮機1に流入する。
【0048】
上述したように、冷凍サイクル装置Sにおいて暖房運転が行われる場合、室外熱交換器4は蒸発器として用いられ、室外熱交換器4に流入する冷媒の温度は、低い状態にある。そのため、室外熱交換器4の冷媒入口4cにおける冷媒と空気との温度差は、室外熱交換器4の冷媒出口4dにおける冷媒と空気との温度差よりも大きな状態となり、室外熱交換器4に結露が生じやすくなる。そして結露した水が冷やされることで着霜が発生しやすくなる。
【0049】
一方で、冷媒入口4cから室外熱交換器4A内に流入した冷媒は、室外熱交換器4A内を流れ冷媒出口4dから流出するまでの間に、空気との間で熱交換を行うため、その温度は次第に上昇する。従って、第1の流路R1の内部を流れる冷媒の温度と第3の流路R3の内部を流れる冷媒の温度とを比較すると、前者よりも後者の方が冷媒の温度が高い。
【0050】
つまり、第3の流路R3の内部を流れる冷媒の熱を第1の流路R1の内部を流れる冷媒に対して伝えることができれば、第1の流路R1の内部を流れる冷媒の温度を上昇させることができる。そのため、本発明の実施の形態における室外熱交換器4Aでは、第1の流路R1と第3の流路R3とが、列方向に隣り合うように配置されている。
【0051】
また、上述したように、伝熱管4aはフィン4bを貫通するように設けられている。従って、第1の流路R1を構成する伝熱管4aと第3の流路R3を構成する伝熱管4aとは、フィン4bでつながっている。そのため、フィン4bを介して第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝えることができる。すなわち、第1の流路R1と第3の流路R3とは、互いに熱的に干渉する。
【0052】
このように第1の流路R1に対して第3の流路R3が熱的に干渉していることから、第3の流路R3を流れる冷媒の熱が第1の流路R1を流れる冷媒に伝わる。そのため、冷媒入口4cから流入し流路R1を流れる冷媒の温度は、例えば上述した特許文献1に示されている空気調和機の室外熱交換器を流れる冷媒の温度よりも高い温度となる。
【0053】
従って、流路R3を流れる冷媒の熱によって冷媒入口4cから流路R1に流入した冷媒の温度を上昇させることができ、室外熱交換器4Aに対する結露の発生を抑制できる。また、室外熱交換器4の冷媒入口4cにおける冷媒と空気との温度差を、室外熱交換器4の冷媒出口4dにおける冷媒と空気との温度差に近づけることができ、室外熱交換器4における、特に冷媒入口4c近傍において結露が発生することを抑制することができる。その結果、室外熱交換器4に対する着霜を抑制して、室外熱交換器4における熱交換量の低下を抑制することができる。
【0054】
このように本発明の実施の形態における室外熱交換器4においては、第3の流路R3を流れる冷媒の温度を第1の流路R1に伝えることができるように両者の間で熱干渉が起こるようにされている。
【0055】
室外熱交換器4Aは凝縮器として機能する際に液相状態の冷媒が熱交換器内に溜まり込むことを防止するため、凝縮器として機能する際の冷媒出口は熱交換器の下部に配置されることが多い。凝縮器として機能する際の冷媒出口は、蒸発器として機能する際は冷媒入口となる。つまり、蒸発器として機能する際の冷媒入口4cは室外熱交換器4Aの下部に配置される。
【0056】
上述したように室外熱交換器4が蒸発器として機能する際に室外熱交換器4に流入する冷媒の温度は低く、空気がフィン4bの表面で結露する可能性がある。また、室外熱交換器4を通過する冷媒の温度で最も高い温度を示すのは、冷媒出口4dにおける冷媒である。そのため意図的な冷媒同士の熱交換を行うことで着霜の抑制を図る位置は室外熱交換器4の下部とするのが効果的であり、その位置に配置されているのが第1の流路R1、及び、第3の流路R3である。そのためこの両者で熱干渉を起こさせる。
【0057】
なお、室外熱交換器4の上部、例えば、第2の流路R2において着霜することもあるが、上述した理由からより室外熱交換器4の下部の方が着霜しやすい。着霜は熱交換器の下部から始まり上部に向かって進んでいくため、室外熱交換器4の下部における着霜を抑制することで、室外熱交換器4全体における着霜の抑制を図っている。
【0058】
もちろん室外熱交換器4全体において一時に着霜が生ずる場合も考えられ、この場合には、これまで説明してきた方法ではなく、除霜運転を行うことによって着霜を解消することができる。但し、暖房運転から除霜運転へと切り換えた際にはユーザに対する快適性が損なわれることがないとは言えないことから、本発明の実施の形態において説明するような制御を行うことで室外熱交換器4への着霜を抑制しつつ、除霜運転に移行する時期を遅らせることができる。
【0059】
このような、室外熱交換器4Aの内部を流れる冷媒の流れと温度の変化について、別に図を用いて説明すると以下の通りである。図3は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの蒸発器として機能する室外熱交換器4における空気と冷媒との流れる向き、及び、両者の温度の推移を示す概念図である。
【0060】
図3に示す概念図において、横軸は室外熱交換器4における空気の流れ方向Aを示しており、左側が空気の流れ方向Aの上流側、右側が空気の流れ方向Aの下流側を示している。一方、縦軸は温度を示している。
【0061】
また概念図の下側に室外熱交換器4Aの空気流れ方向における冷媒の流れる位置を実線の矢印で示している。一方、概念図の上側には破線の矢印で示す空気の流れを示している。図2の室外熱交換器4Aに示されているように、空気は、大きな矢印の方向に流れる。従って図3において破線で示されている空気の流れも矢印の向きは左側から右側に向けて示されており、上流側から下流側へと流れることを示している。
【0062】
これに対して室外熱交換器4を流れる冷媒については、上述したように、第1の流路R1、第2の流路R2、第3の流路R3の順に流れるが、このことが図3の概念図で示されている。すなわち、冷媒を示す実線の矢印のうち、もっとも下側に示されているのが第1の流路R1を流れる冷媒を示している(図3においては説明の便宜上、当該冷媒を示す矢印を「R1」と示している)。図2に示すように、冷媒入口4cから流路R1に流入した冷媒は、空気の流れ方向Aの上流側で空気と熱交換して温度が上昇する。
【0063】
次に第2の流路R2を流れる冷媒は、上述したように、空気の流れ方向Aの下流側の伝熱管4aで空気と熱交換した後、上流側の伝熱管4aで空気と熱交換して温度が上昇する。従って、空気の流れ方向下流側において縦軸に沿った上方向の矢印と空気の流れ方向上流側において縦軸に沿った上方向の矢印とで示されている(図3においては便宜上「R2」と示している)。そして第2の流路R2から流出した冷媒は、第3の流路R3を通って冷媒出口4dから室外熱交換器4Aから流出するが、第3の流路R3を流れる冷媒は、空気の流れ方向Aの下流側で空気と熱交換して温度が上昇する(図3においては便宜上「R3」と示している)。
【0064】
次に温度の変化について見てみると、空気は室外熱交換器4を通過する際に室外熱交換器4の伝熱管4aの内部を流れる冷媒との間で熱交換を行う。従って上流側から下流側に流れるに従って空気の温度は下がる。図3の概念図では、破線で示す矢印をもって空気が上流側から下流側に流れ、徐々に温度が低下することを示している。
【0065】
一方、冷媒については空気との間での熱交換により徐々に温度が上がる。そのため、冷媒入口4cにおける冷媒の温度よりも冷媒出口4dにおける冷媒の温度の方が高い。図3では、第1の流路R1を示す矢印の始点の部分を便宜上、冷媒入口を示す符号「4c」で示している。また、第3の流路R3を示す矢印の終点の部分を便宜上、冷媒出口を示す符号「4d」で示している。
【0066】
室外熱交換器4に冷媒が流入する冷媒入口4cにおける温度は、図3の概念図において符号「4c」で示す部分の温度である。一方、室外熱交換器4から冷媒が流出する冷媒出口4dにおける温度は、同様に符号「4d」で示す部分の温度である。従って、冷媒入口4cにおける冷媒の温度よりも冷媒出口4dにおける冷媒の温度の方が高いことから、図3の概念図においてもそのように示されている。
【0067】
このように冷媒の温度は、室外熱交換器4の冷媒流路Rを流れるうちに徐々に上がる。従って、本来ならば第1の流路R1と第3の流路R3の内部を流れる冷媒の温度も徐々に上がることになる。
【0068】
すなわち、第2の流路R2を流れる冷媒の温度変化を基に考えると、第1の流路R1を流れる冷媒を示す矢印は、図3において符号R1で示される矢印のように空気の流れ方向上流側において縦軸に沿って上方向の矢印として示される。
【0069】
なお、第2の流路R2を流れる冷媒の温度変化を基に考えると、第1の流路R1と第2の流路R2とは連続していることから、第2の流路R2を示す矢印の始点における温度と第1の流路R1を示す矢印の終点(当該矢印において、符号「4c」で示される側とは反対の側)における温度とは同じ冷媒の温度である。
【0070】
同様に、第3の流路R3を流れる冷媒を示す矢印は、図3において符号R3で示される矢印のように空気の流れ方向下流側において縦軸に沿って上方向の矢印として示される。
【0071】
すなわち、第2の流路R2と第3の流路R3とは連続していることから、第2の流路R2を示す矢印の終点における冷媒の温度と第3の流路R3を示す矢印の始点における冷媒の温度とは同じ温度である。
【0072】
このとき、図3の概念図では、第1の流路R1を流れる冷媒の温度の上昇幅が第3の流路R3を流れる冷媒の温度の上昇幅よりも大きくなるように示されている。これは、上述したように本発明の実施の形態における室外熱交換器4では第1の流路R1と第3の流路R3とは互いに熱的に干渉するように隣り合って配置されており、第3の流路R3を流れる冷媒の熱が第1の流路R1を流れる冷媒に移ることになるからである。
【0073】
つまり第1の流路R1を流れる冷媒に対しては、第3の流路R3を流れる冷媒の熱が移る。従って、第1の流路R1を流れる冷媒の温度の上昇幅が大きくなる。そのため、第1の流路R1を流れる冷媒の平均温度が従来技術と比較して上昇する。
【0074】
これに対して、第3の流路R3を流れる冷媒に対しては、第1の流路R1を流れる冷媒に熱が移る。従って、第3の流路R3を流れる冷媒の温度の上昇幅が小さくなる。
【0075】
なお、図3の概念図は、あくまでも本発明の実施の形態における室外熱交換器4への着霜の抑制のメカニズムを説明するために用いたものである。従って、必ずしも図3の概念図に示す通りの温度変化を示すわけではない。
【0076】
制御装置6は、圧縮機1の回転数や室外熱交換器4に設けられている三方弁44の駆動を制御する。特に制御装置6が三方弁44の制御を行うことによって、温度勾配のある非共沸混合冷媒を用いた場合であっても室外熱交換器4に対する着霜を抑制して、室外熱交換器4における熱交換量の低下を抑制することができる。
【0077】
図4は、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sにおける制御装置6の内部構成を示すブロック図である。制御装置6は、温度検出部61と、記憶部62と、判定部63と、駆動制御部64と、を備えている。
【0078】
なお、この他制御装置6には、冷凍サイクル装置Sを制御するための様々な機能が備えられているが、以下、本発明の実施の形態の制御装置6においては、非共沸混合冷媒を用いた冷凍サイクル装置Sの運転制御に必要な機能のみを説明する。
【0079】
すなわち制御装置6は、図2においては図示されていない、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェイスがバスを介して接続される構成を備えていても良い。また、当該入出力インターフェイスには、上述した各部が接続されているとともに、例えば、表示部や通信制御部、或いは、入力部といった各部が接続されていても良い。
【0080】
温度検出部61は、上述した、例えば、冷媒温度センサ41において検出された冷媒温度の情報を取得する。また温度検出部61は、外気温度センサ43において検出された冷凍サイクル装置Sの室外熱交換器4が設置されている場所における外気温度の情報を取得する。
【0081】
なお、温度検出部61において取得された冷媒温度の情報や外気温度の情報については、次に説明する記憶部62に記憶させても、或いは、温度検出部61において保持していても良い。
【0082】
記憶部62には、例えば、温度検出部61において取得された冷媒温度や外気温度に関する情報や、予め定められている冷媒温度や外気温度との温度差と比較するための閾値に関する情報が格納されている。また、後述する判定部63が判定を行う際に用いる判定プログラム等も格納されている。
【0083】
判定部63は、第2の流路R2から流出した冷媒を、第3の流路R3に流すか、或いは、バイパス回路Bに流すかの判定を行う。上述したように、第3の流路R3に冷媒を流すのは、第3の流路R3から第1の流路R1に対する熱干渉を起こさせることによって第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝え、第1の流路R1を流れる冷媒の温度を上げ、室外熱交換器4に霜が着くことを抑制するためである。
【0084】
従って換言すれば、室外熱交換器4に着霜のおそれがない場合には、第1の流路R1を流れる冷媒に対して第3の流路R3を流れる冷媒の熱を伝える必要はない。このような場合にまで第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝えると、室外熱交換器4における空気との熱交換量を低下させることにもなりかねないからである。そこで、判定部63が第1の流路R1と第3の流路R3との間で熱干渉を起こさせる必要があるか否かを判定する。
【0085】
具体的には、判定部63は、例えば、温度検出部61が取得した冷媒温度センサ41が検出した冷媒入口4cにおける冷媒の温度を基に判定する。冷媒の温度が低いと、たとえ外気温度が高くても空気が結露してしまい、室外熱交換器4に霜が着く可能性があるからである。
【0086】
例えば、冷媒温度センサ41において検出した冷媒の温度が0℃以下の場合には、判定部63は、第2の流路R2から第3の流路R3に冷媒を流す判定を行う。上述したように、第3の流路R3に冷媒を流すことで第1の流路R1を流れる冷媒の温度を上昇させるためである。
【0087】
具体的には、判定部63は、温度検出部61が取得した冷媒入口4cにおける冷媒の温度の情報を記憶部62、或いは、温度検出部61から取得する。また併せて記憶部62にアクセスして、冷媒の温度を基に第3の流路R3に冷媒を流すか否かの判定に用いる閾値を取得する。そして、取得した冷媒の温度と閾値とを比較する。判定部63の比較の結果、もし冷媒の温度が閾値以下である場合には、第3の流路R3に冷媒を流すとの判定を行う。
【0088】
一方、冷媒の温度が閾値よりも大きな値である場合には、室外熱交換器4において着霜の恐れはないと判定できる。そこで、第1の流路R1と第3の流路R3との間で熱干渉を起こす必要はないので、第2の流路R2から流出した冷媒を第3の流路R3には流さず、バイパス回路Bに流すとの判定を行う。
【0089】
一方、判定部63は、冷媒入口4cにおける冷媒の温度を基に判定を行うのではなく、例えば、外気温度を基に判定することも可能である。外気温度センサ43が検出した外気温度が、例えば、0℃以下の場合には、判定部63は、第2の流路R2から第3の流路R3に冷媒を流す判定を行う。
【0090】
すなわち判定部63は、温度検出部61が取得した室外機が設置されている場所における外気温度の情報を取得する。また併せて記憶部62にアクセスして、外気温度を基に第3の流路R3に冷媒を流すか否かの判定に用いる閾値を取得する。そして、取得した外気温と閾値とを比較する。判定部63の比較の結果、もし外気温度が閾値以下である場合には、第3の流路R3に冷媒を流すとの判定を行う。
【0091】
一方、外気温度が閾値よりも大きな値である場合には、室外熱交換器4において着霜の恐れはないと判定できる。そこで、第1の流路R1と第3の流路R3との間で熱干渉を起こす必要はないので、第2の流路R2から流出した冷媒を第3の流路R3には流さず、バイパス回路Bに流すとの判定を行う。
【0092】
なお、ここでは冷媒の温度、及び、外気温度のいずれについても閾値が0℃である場合を例に挙げたが、当該閾値を何度と設定するかは、任意に設定することができ、もちろん、冷媒の温度に関する閾値と外気温度に関する閾値とで異なる温度を設定することができる。
【0093】
駆動制御部64は、三方弁44の駆動を制御する。具体的には、判定部63が冷媒の温度、或いは、外気温度と閾値とを比較した結果、冷媒の温度、或いは、外気温度の方が閾値以下であると判定した場合には、判定部63は、駆動制御部64に対して、第2の流路R2から流出した冷媒を第3の流路R3に流すよう指示する。駆動制御部64では、当該指示に基づいて第2の流路R2から流出した冷媒が第3の流路R3に流れるように三方弁44を切り替える。
【0094】
一方、判定部63が冷媒の温度、或いは、外気温度と閾値とを比較した結果、冷媒の温度、或いは、外気温度の方が閾値より大きな値であると判定した場合には、判定部63は、駆動制御部64に対して、第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bに流すよう指示する。駆動制御部64では、当該指示に基づいて第2の流路R2から流出した冷媒がバイパス回路Bに流れるように三方弁44を切り替える。
【0095】
以上説明した通り、非共沸混合冷媒を冷媒として用いる冷凍サイクル装置において、暖房運転が行われる際に流れる冷媒の熱を冷媒入口付近の冷媒流路を流れる冷媒に対して伝えて熱干渉を起こさせることで、室外熱交換器に対する着霜を抑制して、室外熱交換器における熱交換量の低下を抑制することができる。
【0096】
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0097】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの蒸発器として機能する室外熱交換器4Bを模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
【0098】
第2の実施の形態における室外熱交換器4Bの構成は、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じである。但し、室外熱交換器4Bでは、空気の流れ方向Aの上流側に第3の流路R3が配置され、下流側に第1の流路R1が配置されている点が異なる。従って、第2の実施の形態における室外熱交換器4Bでは、上述した第1の実施の形態における室外熱交換器4Aとは冷媒の流路が異なる。
【0099】
具体的な冷媒の流れる方向は、以下の通りである。図5に示す室外熱交換器4Bでは、冷媒は空気の流れ方向Aの下流側下部から、室外熱交換器4Bに流入する。すなわち、下流側に第1の流路R1の最下部に冷媒入口4cが設けられており、冷媒は当該冷媒入口4cから室外熱交換器4に流入する。
【0100】
冷媒入口4cから室外熱交換器4Bに流入した冷媒は、第1の流路R1を構成する4本の伝熱管4aを流れ、次第にZ方向上方に向かって流れる。そして一旦室外熱交換器4Bの外部に出て、再度室外熱交換器4Bの内部(第2の流路R2)に入る。
【0101】
再度室外熱交換器4Bに流入するに当たって、流路(パス)は4つに分岐する。すなわち、第2の流路R2は分岐した4つの流路(パス)を備えている。第1の流路R1と第3の流路R3は、図5に明らかなように1つの流路(パス)で構成されていることから、上述したように第2の流路R2は、第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い。
【0102】
図5の室外熱交換器4Bに示すように、冷媒は第2の流路R2において空気の流れ方向Aの下流側の伝熱管4aから流入し、上流側の伝熱管4aから流出する。
【0103】
第2の流路R2と第3の流路R3との間には、バイパス回路Bが設けられている。また、当該バイパス回路Bには、冷媒を第3の流路R3に流すか、或いは、バイパス回路Bに流すかの切り替えを行う三方弁44が設けられている。
【0104】
第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bに流さない場合には、冷媒は第2の流路R2から第3の流路R3に流れる。すなわち、第2の流路R2から流出した冷媒は、Z方向下方へ流れ、空気の流れ方向Aの下流側に向けて上流側から第3の流路R3に流入し、さらにZ方向下方へ流れる。
【0105】
図5に示す室外熱交換器4Bでは、第3の流路R3の最下部に冷媒出口4dが設けられている。冷媒出口4dは、空気の流れ方向Aの下流側から上流側に向けて冷媒が流れるように配置されている。従って室外熱交換器4Bの内部を、第1の流路R1、第2の流路R2、及び、第3の流路R3の順に流れた冷媒は、上流側に向けて流出し、四方弁5を介して圧縮機1に流入する。
【0106】
このように第2の実施の形態における室外熱交換器4Bは、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aとは第1の流路R1と第3の流路R3の配置位置が、前者が下流側、後者が上流側となり異なるが、同じように第1の流路R1と第3の流路R3とは、隣り合って配置されている。従って、第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝えて熱干渉を起こさせることができる。
【0107】
このことにより、冷媒入口4cから室外熱交換器4Bの第1の流路R1に流入する冷媒の温度を上昇させることができるので、室外熱交換器4Bに着霜することを抑制することができるとともに、室外熱交換器4Bにおける熱交換量の低下を抑制することができる。
【0108】
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1、または、第2の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0109】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの蒸発器として機能する室外熱交換器4Cを模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
【0110】
第3の実施の形態における室外熱交換器4Cの構成は、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じである。また、室外熱交換器4Cにおいても、空気の流れ方向Aの上流側に第1の流路R1が配置され、下流側に第3の流路R3が配置されている。但し、第3の実施の形態における室外熱交換器4Cでは、上述した第1の実施の形態における室外熱交換器4Aとは冷媒の流路が異なる。
【0111】
具体的な冷媒の流れる方向は、以下の通りである。図6に示す室外熱交換器4Cでは、冷媒は空気の流れ方向Aの上流側下部から、室外熱交換器4に流入する。すなわち、第1の流路R1の最下部に冷媒入口4cが設けられており、冷媒は当該冷媒入口4cから室外熱交換器4に流入する。
【0112】
冷媒入口4cから室外熱交換器4Aに流入した冷媒は、第1の流路R1を構成する4本の伝熱管4aを流れ、次第にZ方向上方に向かって流れる。そして第1の流路R1から流出した冷媒は、再度室外熱交換器4Cの内部(第2の流路R2)に入る。
【0113】
再度室外熱交換器4Aに流入するに当たって、流路(パス)は4つに分岐する点は、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じである。従って、第2の流路R2は、第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い。
【0114】
図6の室外熱交換器4Cに示すように、冷媒は第2の流路R2において空気の流れ方向Aの上流側の伝熱管4aから流入し、下流側の伝熱管4aから流出する。
【0115】
第2の流路R2と第3の流路R3との間には、バイパス回路Bが設けられている。また、当該バイパス回路Bには、冷媒を第3の流路R3に流すか、或いは、バイパス回路Bに流すかの切り替えを行う三方弁44が設けられている。
【0116】
第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bに流さない場合には、冷媒は第2の流路R2から第3の流路R3に流れる。すなわち、第2の流路R2から流出した冷媒は、Z方向下方へ流れ、空気の流れ方向Aの上流側に向けて第3の流路R3に流入し、さらにZ方向下方へ流れる。
【0117】
図6に示す室外熱交換器4Cでは、第3の流路R3の最下部に冷媒出口4dが設けられている。冷媒出口4dは、空気の流れ方向Aの上流側から下流側に向けて冷媒が流れるように配置されている。従って、室外熱交換器4Cの内部を、第1の流路R1、第2の流路R2、及び、第3の流路R3の順に流れた冷媒は、室外熱交換器4Cから流出し、四方弁5を介して圧縮機1に流入する。
【0118】
このように第3の実施の形態における室外熱交換器4Cは、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じように第1の流路R1と第3の流路R3とは、隣り合って配置されている。従って、第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝えて熱干渉を起こさせることができる。
【0119】
このことにより、冷媒入口4cから室外熱交換器4Cの第1の流路R1に流入する冷媒の温度を上昇させることができるので、室外熱交換器4Cに着霜することを抑制することができるとともに、室外熱交換器4Bにおける熱交換量の低下を抑制することができる。
【0120】
(第4の実施の形態)
次に本発明における第4の実施の形態について説明する。なお、第4の実施の形態において、上述の第1ないし第3の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
【0121】
図7は、本発明の第4の実施の形態に係る冷凍サイクル装置Sの蒸発器として機能する室外熱交換器4Dを模式的に示すとともに、冷媒の流れる方向を示す図である。
【0122】
第4の実施の形態における室外熱交換器4Dの構成は、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じである。但し、室外熱交換器4Dでは、空気の流れ方向Aの上流側に第3の流路R3が配置され、下流側に第1の流路R1が配置されている点が異なる。従って、第4の実施の形態における室外熱交換器4Dでは、上述した第1の実施の形態における室外熱交換器4Aとは冷媒の流路が異なる。
【0123】
具体的な冷媒の流れる方向は、以下の通りである。図7に示す室外熱交換器4Dでは、冷媒は空気の流れ方向Aの下流側下部から、室外熱交換器4に流入する。すなわち、下流側の第1の流路R1の最下部に冷媒入口4cが設けられており、冷媒は当該冷媒入口4cから室外熱交換器4に流入する。
【0124】
冷媒入口4cから室外熱交換器4Dに流入した冷媒は、第1の流路R1を構成する4本の伝熱管4aを流れ、次第にZ方向上方に向かって流れる。そして第1の流路R1から流出した冷媒は、再度室外熱交換器4Dの内部(第2の流路R2)に入る。
【0125】
再度室外熱交換器4Dに流入するに当たって、流路(パス)は4つに分岐する点は、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aと同じである。従って、第2の流路R2は、第1の流路R1と第3の流路R3よりもパス数が多い。
【0126】
図7の室外熱交換器4Dに示すように、冷媒は第2の流路R2において空気の流れ方向Aの上流側の伝熱管4aから流入し、下流側の伝熱管4aから流出する。
【0127】
第2の流路R2と第3の流路R3との間には、バイパス回路Bが設けられている。また、当該バイパス回路Bには、冷媒を第3の流路R3に流すか、或いは、バイパス回路Bに流すかの切り替えを行う三方弁44が設けられている。
【0128】
第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bに流さない場合には、冷媒は第2の流路R2から第3の流路R3に流れる。すなわち、第2の流路R2から流出した冷媒は、第3の流路R3に流入し、さらにZ方向下方へ流れる。
【0129】
図7に示す室外熱交換器4Dでは、第3の流路R3の最下部に冷媒出口4dが設けられている。冷媒出口4dは、空気の流れ方向Aの下流側から上流側に向けて冷媒が流れるように配置されており、室外熱交換器4Aの内部を、第1の流路R1、第2の流路R2、及び、第3の流路R3の順に流れた冷媒は、室外熱交換器4Dから流出し、四方弁5を介して圧縮機1に流入する。
【0130】
このように第4の実施の形態における室外熱交換器4Dは、第1の実施の形態における室外熱交換器4Aとは第1の流路R1と第3の流路R3の配置位置が、前者が下流側、後者が上流側と異なるが、同じように第1の流路R1と第3の流路R3とは、隣り合って配置されている。従って、第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝えて熱干渉を起こさせることができる。
【0131】
このことにより、冷媒入口4cから室外熱交換器4Dの第1の流路R1に流入する冷媒の温度を上昇させることができるので、室外熱交換器4Dに着霜することを抑制することができるとともに、室外熱交換器4Dにおける熱交換量の低下を抑制することができる。
【0132】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、本発明の一例を示したものである。実施の段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化でき、また、上記実施の形態には種々の変更又は改良を加えることが可能である。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。
【0133】
例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよく、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0134】
なお、これまでの説明においては、第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝える必要がない場合には、第2の流路R2と第3の流路R3との間に設けられる三方弁44を制御して第2の流路R2から流出した冷媒をバイパス回路Bへと流すことを説明した。
【0135】
但し、バイパス回路Bに冷媒を流すことで第1の流路R1と第3の流路R3との間での冷媒の熱の移動を回避する、という観点からは、例えば、第1の流路R1に室外熱交換器4に流入した冷媒を流さない、という制御も可能である。
【0136】
すなわちこの場合、第1の流路R1と第2の流路R2との間にバイパス回路Bを設け、三方弁44を制御することによって、室外熱交換器4に流入する冷媒を第1の流路R1には流さず、直接第2の流路R2に流入するようにすることもできる。
【0137】
もちろんこの場合は、判定部63によって第3の流路R3を流れる冷媒の熱を第1の流路R1を流れる冷媒に伝える必要がない、と判定されていることが前提になる。判定部63によってこのように判定されるのであれば、そもそも室外熱交換器4に流入する冷媒によって着霜が生ずるという可能性が低いからである。
【0138】
また、これまでの説明では、第2の流路R2におけるパス数は、第1の流路R1や第3の流路R3のパス数よりも多い室外熱交換器4を例に挙げて説明した。但し、室外熱交換器としては、このような室外熱交換器でなくても良い。
【0139】
例えば、第2の流路R2における空気との熱交換量が第1の流路R1、或いは、第3の流路R3よりも大きな室外熱交換器であっても良い。熱交換量が大きくする例としては、例えば、伝熱管の容積が大きな場合や伝熱面積が大きな場合等、第2の流路R2の流路長を長くすることが挙げられる。
【0140】
このように第2の流路R2における熱交換量を大きくすることで、第2の流路R2における入口の冷媒の温度と出口の冷媒の温度との温度差を大きくすることができる。このように温度差を大きくすることによって、第1の流路R1を流れる冷媒の急熱量が増加することになり、結果として第1の流路R1を流れる冷媒の温度を上昇させ、着霜を抑制することが可能となる。
【0141】
なお、本発明の実施の形態において説明した技術については、以下のような構成を採用することもできる。
(1)圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ前記第1の流路と前記第3の流路よりもパス数が多い第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
(2)圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
入口側の第1の流路と、出口側の第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ、前記第1の流路と前記第3の流路よりも前記空気との熱交換量が大きな第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
(3)前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも上流側に配置されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の冷凍サイクル装置。
(4)前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも下流側に配置されることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の冷凍サイクル装置。
(5)前記第1の流路と前記第3の流路は、前記室外熱交換器の下部に配置されていることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(6)前記冷媒回路には、前記第1の流路、或いは、前記第3の流路への、前記非共沸混合冷媒の流入を回避するバイパス回路が設けられていることを特徴とする上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
(7)前記冷凍サイクル装置は、前記冷凍サイクル装置を制御する制御装置を備え、
前記バイパス回路には、三方弁が設けられ、
前記制御装置によって前記室外熱交換器において着霜の可能性がないと判定された場合に、前記制御装置は、前記三方弁を制御して前記非共沸混合冷媒を前記バイパス回路に流すことを特徴とする上記(1)に記載の冷凍サイクル装置。
【符号の説明】
【0142】
1・・・圧縮機、2・・・室内熱交換器、21・・・室内ファン、3・・・減圧機構、4・・・室外熱交換器、41・・・冷媒温度センサ、42・・・室外ファン、43・・・外気温度センサ、44・・・三方弁、5・・・四方弁、6・・・制御装置、61・・・温度検出部、62・・・記憶部、63・・・判定部、64・・・駆動制御部、A・・・空気の流れ方向、B・・・バイパス回路、C・・・冷媒回路、S・・・冷凍サイクル装置





図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2024-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
室外熱交換器の入口側の最下部に配置される第1の流路と、室外熱交換器の出口側の最下部に配置される第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ前記第1の流路と前記第3の流路よりもパス数が多い第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項2】
圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、
前記室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、前記伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、
前記伝熱管によって構成される前記室外熱交換器の冷媒経路は、
室外熱交換器の入口側の最下部に配置される第1の流路と、室外熱交換器の出口側の最下部に配置される第3の流路と、前記第1の流路と前記第3の流路とをつなぎ、前記第1の流路と前記第3の流路よりも前記空気との熱交換量が大きな第2の流路とからなり、前記第1の流路と前記第3の流路とは、列方向に隣り合っていることを特徴とする冷凍サイクル装置。
【請求項3】
前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも上流側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項4】
前記室外熱交換器において、前記第1の流路は、前記空気の流れ方向において前記第3の流路よりも下流側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項5】
前記第1の流路と前記第3の流路は、前記室外熱交換器の下部に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項6】
前記冷媒回路には、前記第1の流路、或いは、前記第3の流路への、前記非共沸混合冷媒の流入を回避するバイパス回路が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
【請求項7】
前記冷凍サイクル装置は、前記冷凍サイクル装置を制御する制御装置を備え、
前記バイパス回路には、三方弁が設けられ、
前記制御装置によって前記室外熱交換器において着霜の可能性がないと判定された場合に、前記制御装置は、前記三方弁を制御して前記非共沸混合冷媒を前記バイパス回路に流すことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、伝熱管によって構成される室外熱交換器の冷媒経路は、室外熱交換器の入口側の最下部に配置される第1の流路と、室外熱交換器の出口側の最下部に配置される第3の流路と、第1の流路と第3の流路とをつなぎ第1の流路と第3の流路よりもパス数が多い第2の流路とからなり、第1の流路と第3の流路とは、列方向に隣り合っている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また本発明の一態様に係る冷凍サイクル装置は、圧縮機と、室内熱交換器と、減圧機構と、室外熱交換器が冷媒配管で順次接続され、非共沸混合冷媒が循環する冷媒回路を備える冷凍サイクル装置であって、室外熱交換器は、空気の流れ方向に沿って配置される複数列の伝熱管と、伝熱管の長手方向に直交するように配置された複数のフィンと、を備え、伝熱管によって構成される室外熱交換器の冷媒経路は、室外熱交換器の入口側の最下部に配置される第1の流路と、室外熱交換器の出口側の最下部に配置される第3の流路と、第1の流路と第3の流路とをつなぎ、第1の流路と第3の流路よりも空気との熱交換量が大きな第2の流路とからなり、第1の流路と第3の流路とは、列方向に隣り合っている。