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特開2024-142906情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142906
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241003BHJP
   E04G 21/06 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06T19/00 600
E04G21/06 ESW
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055302
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】矢野 安則
(72)【発明者】
【氏名】内田 昌志
(72)【発明者】
【氏名】水田 武利
【テーマコード(参考)】
2E172
5B050
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172FA13
5B050AA03
5B050BA06
5B050BA09
5B050BA11
5B050BA13
5B050BA17
5B050CA07
5B050DA01
5B050EA04
5B050EA19
5B050EA26
5B050FA02
5B050FA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】垂直方向のうち重ね状況を表現することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】報処理装置とデータベースとが、ネットワークを介して相互に通信可能に接続されている情報処理システムにおいて、情報処理装置10は、コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した、複数の層を有する打設モデルを生成するモデル生成部111と、打設モデルを現実空間に位置合わせする位置合わせ部114と、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する表示制御部115と、打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントするカウント部116と、を備える。表示制御部は、所定の時間が経過した後、選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成するモデル生成部であって、前記打設モデルは複数の層を有する、モデル生成部と、
前記打設モデルを現実空間に位置合わせする位置合わせ部と、
現実空間を撮影した撮影画像に前記打設モデルを重畳して表示する表示制御部と、
前記打設モデルを構成する前記打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロッとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントするカウント部と
を備え、
前記表示制御部は、前記所定の時間が経過した後、前記選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更する、情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記打設モデルの三次元ビューと二次元ビューとを切り替えて表示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記打設モデルの前記二次元ビューを表示する際、前記表示制御部は、同一の横情報と同一の縦情報を有する複数の打設ブロックについて、前記複数の打設ブロック中の表示態様を変更した打設ブロックのうち、最上位の層の打設ブロックの表示態様で表示する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記打設モデルの前記二次元ビューが表示されている場合、当該情報処理装置は、打設ブロックの選択を受信すると、前記選択された打設ブロックと同一の横情報と同一の縦情報を有する複数の打設ブロックのうち、表示態様を変更していない打設ブロックの中で最下位の層の打設ブロックを、前記締固め対象の打設ブロックとして特定する、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記カウント部は、前記締固め対象の打設ブロックに応じて異なる時間をカウントする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、前記打設モデルの情報を格納するデータベースに通信可能に接続され、
前記モデル生成部は、前記データベースに格納された前記打設モデルの情報に基づいて打設モデルを生成する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記カウント部は、締固めに関する時間情報を前記データベースに保存する、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記データベースに格納された前記打設モデルの情報に基づいて、前記打設モデルの打設ブロックが締固めされていく経過を表すアニメーションを生成するアニメーション部をさらに備える、請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成することであって、前記打設モデルは複数の層を有する、ことと、
前記打設モデルを現実空間に位置合わせすることと、
現実空間を撮影した撮影画像に前記打設モデルを重畳して表示することと、
前記打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントすることと、
前記所定の時間が経過した後、前記選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更することと
を含む方法。
【請求項10】
1又は複数のコンピュータに、
コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成する処理であって、前記打設モデルは複数の層を有する、処理と、
前記打設モデルを現実空間に位置合わせする処理と、
現実空間を撮影した撮影画像に前記打設モデルを重畳して表示する処理と、
前記打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントする処理と、
前記所定の時間が経過した後、前記選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更する処理と
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンクリート締固めの範囲や締固め時間をタブレット端末等のデバイス上に表示することで、コンクリート締固めの定量的な管理をサポートするシステムの開発が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第7012980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、コンクリートの締固めに用いられるコンクリート締固め管理システムであって、バイブレータ本体と、前記バイブレータ本体に接続される接続ホースと、を有するバイブレータと、前記接続ホースに取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信可能な管理装置と、を備え、前記端末装置は、少なくともカメラ部、端末情報取得部及び表示部と有し、前記カメラ部は、施工箇所を撮影した撮像画像を取得し、前記端末情報取得部は、前記端末装置の3次元座標値と、前記端末装置の姿勢情報を取得し、前記端末装置又は前記管理装置は、前記撮像画像と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ本体の形状情報を含むバイブレータ基本情報を取得する取得部と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算する演算部と、前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成し、前記バイブレータ本体の拡張現実画像を、前記撮像画像に重畳した重畳画像を生成する画像生成部と、を有し、前記表示部は、前記重畳画像を表示することを特徴とするコンクリート締固めシステムが記載されている。
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、バイブレータ本体の先端部の位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。しかしながら、従来技術では、端末装置をバイブレータに取り付ける必要があり、取り付けるためのコストが生じたり、端末装置が取り付けられたバイブレータを操作する作業者の負担が大きくなったりする等の問題があり、コンクリート締固めの管理をサポートするためのよりシンプルなシステムが求められていた。
【0006】
また、従来技術では、垂直方向のうち重ね状況を表現する手法については言及されていなかった。
【0007】
そこで、本発明は、垂直方向のうち重ね状況を表現することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成するモデル生成部であって、打設モデルは複数の層を有する、モデル生成部と、打設モデルを現実空間に位置合わせする位置合わせ部と、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する表示制御部と、打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントするカウント部とを備え、表示制御部は、所定の時間が経過した後、選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更する。
【0009】
この態様によれば、情報処理装置は、撮影画像に重畳して表示された打設モデルにおいて、締固めが完了した打設ブロックと締固めが完了していない打設ブロックとをユーザに容易に識別させることができる。さらに、情報処理装置は、締固めが完了した打設ブロックについて、層に応じた表示態様で表示することで、ユーザに、垂直方向のうち重ね状況を容易に把握させることができる。
【0010】
上記情報処理装置において、表示制御部は、打設モデルの三次元ビューと二次元ビューとを切り替えて表示してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、ユーザの利用時の状況に応じて、三次元ビューと二次元ビューといずれかを提示することができる。
【0011】
上記情報処理装置において、打設モデルの二次元ビューを表示する際、表示制御部は、同一の横情報と同一の縦情報を有する複数の打設ブロックについて、複数の打設ブロック中の表示態様を変更した打設ブロックのうち、最上位の層の打設ブロックの表示態様で表示してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、打設モデルの二次元ビューを表示する際、締固めが完了した最上段の打設ブロックを識別可能な態様で表示することができるので、ユーザは、二次元ビューを見ながら次の締固め対象の打設ブロックを検討することができる。
【0012】
上記情報処理装置において、打設モデルの二次元ビューが表示されている場合、当該情報処理装置は、打設ブロックの選択を受信すると、選択された打設ブロックと同一の横情報と同一の縦情報を有する複数の打設ブロックのうち、表示態様を変更していない打設ブロックの中で最下位の層の打設ブロックを、締固め対象の打設ブロックとして特定してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、打設モデルの二次元ビューを表示されている場合に打設ブロックの選択を受信すると、選択された打設ブロックの垂直方向の複数の打設ブロックのうち、締固めが完了していない最下段の打設ブロックを締固め対象の打設ブロックとして特定することができるので、ユーザは、二次元ビューを見ながら容易に締固め対象の打設ブロックを選択することができる。
【0013】
上記情報処理装置において、カウント部は、締固め対象の打設ブロックに応じて異なる時間をカウントしてもよい。この態様によれば、情報処理装置は、締固め対象の打設ブロックに応じて異なる締固め時間を設定することにより、打設ブロックに応じた最適な締固め時間を設定し、コンクリートの品質をより高めることができる。
【0014】
上記情報処理装置は、打設モデルの情報を格納するデータベースに通信可能に接続され、上記情報処理装置において、モデル生成部は、データベースに格納された打設モデルの情報に基づいて打設モデルを生成してもよい。この態様によれば、複数の情報処理装置で同一の打設モデルを管理することができる。
【0015】
上記情報処理装置において、カウント部は、締固めに関する時間情報をデータベースに保存してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、コンクリート締固めの定量的な情報を保存することができる。
【0016】
上記情報処理装置は、データベースに格納された打設モデルの情報に基づいて、打設モデルの打設ブロックが締固めされていく経過を表すアニメーションを生成するアニメーション部をさらに備えてもよい。この態様によれば、情報処理装置は、打設モデルの締固め開始から打設モデル全体の締固め完了までの経過を再現することができる。
【0017】
本開示の他の態様に係る方法は、コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成することであって、打設モデルは複数の層を有する、ことと、打設モデルを現実空間に位置合わせすることと、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示することと、打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントすることと、所定の時間が経過した後、選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更することとを含む。
【0018】
本開示の他の態様に係るプログラムは、1又は複数のコンピュータに、コンクリート打設が行われる空間を打設ブロックでモデル化した打設モデルを生成する処理であって、打設モデルは複数の層を有する、処理と、打設モデルを現実空間に位置合わせする処理と、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する処理と、打設モデルを構成する打設ブロックのうち、締固め対象の打設ブロックとして選択された打設ブロックについて所定の時間をカウントする処理と、所定の時間が経過した後、選択された打設ブロックを当該打設ブロックの層に応じた表示態様に変更する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、垂直方向のうち重ね状況を表現することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステム構成を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る打設モデルデータベースの一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る打設モデルを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理を示すフローチャートである。
図7】打設モデルの情報を入力する画面例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るARマーカーの配置例を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理装置の使用状況を示す図である。
図10】コンクリート締固め時の画面遷移を示す図である。
図11】打設モデルの表示切替を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0022】
(概要)
図1を用いて、本発明の概要について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステム構成を示す図である。システムは、情報処理装置10とデータベース20とを備え、ネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。情報処理装置10として、例えば、タブレット端末やスマートフォンを用いることができる。また、図1には単一の情報処理装置10のみを示しているが、システムは、複数の情報処理装置10を備えてもよい。
【0023】
情報処理装置10は、コンクリートの締固めの作業現場において、コンクリート締固めの定量的な管理をサポートする装置である。情報処理装置10は、情報処理装置10の表示装置に表示された現実空間の撮影画像に、コンクリートの打設実施個所をモデル化した打設モデルを重畳して表示することができる。
【0024】
打設モデルとは、コンクリート打設が行われる空間情報のモデルであり、コンクリート打設が行われる空間の単位である打設ブロックにより構成される。一実施形態では、データベース20は、打設モデルのデータを格納する。
【0025】
情報処理装置10は、打設モデル中の締固め対象の打設ブロックの選択を受け付けると、カウントを開始する。所定の時間が経過して締固めが完了すると、情報処理装置10は、対象の打設ブロックを締固めが完了した打設ブロックとして識別可能な態様で表示することができる。
【0026】
なお、図1では情報処理装置10とデータベース20とを別々に示しているが、データベース20の一部又は全部のデータを情報処理装置10に含めるようにしてもよい。
【0027】
(機能構成)
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。なお、図2では、単一の情報処理装置10を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、情報処理装置10を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0028】
情報処理装置10は、機能的な構成として、例えば、モデル情報受信部110、モデル生成部111、マーカー認識部112、空間認識部113、位置合わせ部114、表示制御部115、カウント部116、アニメーション部117、出力部118及び記憶部100を有する。各機能構成について、以下に記載する。
【0029】
モデル情報受信部110は、打設モデルの情報を受信して、保存する。本実施形態では、モデル情報受信部110は、打設モデルを構成する打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向のブロック数を受信して、受信した情報をデータベース20の打設モデルデータベース201に保存する。例えば、打設モデルを構成する打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向のブロック数としてそれぞれ5、7、4を受信した場合、モデル情報受信部110は、5×7×4の計140の打設ブロックについて、打設モデルデータベース201にレコードを登録する。
【0030】
打設モデルデータベース201には、打設モデルの情報が保存される。一実施形態では、打設モデルデータベース201には、打設モデルを構成する各打設ブロックの配置、サイズ、締固めに関する情報が格納されることが好ましい。一実施形態では、図3に示されるように、打設モデルデータベース201には、X、Y、Z、サイズ、締固め開始時刻、完了フラグ等が含まれることが好ましい。
【0031】
X、Y、Zは、打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向の配置をそれぞれ示す情報である。例えば、横5、縦7、高さ4の打設モデルの場合、本実施形態では、X「1」、Y「1」、Z「1」の打設ブロックは、図4の401により示される打設ブロックである。図4に示されるように、打設モデルの配置は、直交3軸(X軸、Y軸、Z軸)の座標系を有する仮想空間上で定められる。
【0032】
サイズは、打設ブロックのサイズを示す情報である。本実施形態では、サイズには、初期値として40cm×40cm×40cmが保存される。完了フラグは、締固めが完了したか否かを示す情報である。一実施形態では、完了フラグには、締固めが完了していないことを示す「0」又は締固めが完了したことを示す「1」のいずれかの情報が保存される。
【0033】
なお、本実施形態では、モデル情報受信部110は、打設モデルデータベース201にレコードを登録する際、サイズに40cm×40cm×40cmを登録するが、別の実施形態では、使用するバイブレータの径等に応じた、他の任意のサイズを保存してもよい。また、モデル情報受信部110は、打設ブロックのサイズ情報を含む打設モデルの情報を受信して、受信したサイズ情報に基づいて打設モデルデータベース201にレコードを登録してもよい。
【0034】
また、本実施形態では、打設モデルデータベース201が締固め開始時刻と完了フラグを格納する例について説明するが、別の実施形態では、締固め開始時刻に加えて締固め終了時刻を格納するようにしてもよい。
【0035】
モデル生成部111は、打設モデルの情報に基づいて打設モデルを生成する。本実施形態では、モデル生成部111は、打設モデルデータベース201に基づいて打設モデルを生成する。
【0036】
マーカー認識部112は、ARマーカーを検出する。ARマーカーとは、仮想空間と現実空間との位置合わせのために現実空間に配置されるコード情報である。本実施形態では、マーカー認識部112は、撮影装置10hによって撮影された撮影画像に含まれるARマーカーのコード情報を読み取り、ARマーカーの位置情報を取得する。
【0037】
空間認識部113は、空間認識を行う。本実施形態では、空間認識部113は、所定のアルゴリズムを用いて、撮影装置10hが撮影した撮影画像を解析して現実空間の環境地図を作成するとともに、情報処理装置10のセンサ10iが取得したセンサ情報を用いて環境地図の座標軸における情報処理装置10の自己位置を推定する。情報処理装置10の機種等によって利用できるセンサは異なるが、利用可能なセンサに応じて空間認識を行えばよい。
【0038】
位置合わせ部114は、打設モデルを現実空間に位置合わせする。本実施形態では、位置合わせ部114は、打設モデルの存在する仮想空間においてARマーカーに対応する基準点の位置と、マーカー認識部112が検出したARマーカーの位置とに基づいて、打設モデルを現実空間に位置合わせする。基準点の位置は、情報処理装置10の入力装置を介してユーザから受信してもいいし、事前に設定済みの基準点の位置に合わせて現実空間のARマーカーを配置するようにしてもよい。ARマーカーを用いた位置合わせの技術は既知であり、当該位置合わせにより、仮想空間の打設モデルと現実空間の物体とを互いの空間において定位できるようになる。
【0039】
表示制御部115は、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する。本実施形態では、表示制御部115は、空間認識部113が得た空間認識情報に基づいて、撮影装置10hが撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する。
【0040】
カウント部116は、締固め対象のブロックについて時間をカウントする。本実施形態では、カウント部116は、打設モデル中の締固め対象の打設ブロックについてカウントを開始する指示を受け付けると、打設モデルデータベース201の対象の打設ブロックの締固め開始時刻に現在時刻を保存し、締固め時間のカウントを開始する。本実施形態では、カウント部116は、所定の締固め時間からゼロまでカウントダウンするが、別の実施形態では、カウント部116は、ゼロからカウントアップし、カウント終了の入力を受け付けるとカウントを終了するようにしてもよい。締固め時間とは、バイブレータによる締固め作業に要する時間として推奨される時間であり、任意の時間を設定することができる。
【0041】
また、カウント部116は、所定の締固め時間が経過して締固めが完了すると、打設モデルデータベース201の対象の打設ブロックの完了フラグを更新する。
【0042】
また、表示制御部115は、打設モデル中の締固め対象の打設ブロックの選択を受け付けると、対象の打設ブロックを識別可能な態様で表示し、さらに、カウント部116がカウントを開始すると、カウントを表示する。その後、所定の締固め時間が経過して締固めが完了すると、表示制御部115は、対象の打設ブロックを締固めが完了した打設ブロックとして識別可能な態様で表示する。
【0043】
一実施形態では、表示制御部115は、所定の締固め時間が経過した後、対象の打設ブロックを、この打設ブロックが存在する層に応じた識別態様で表示することができる。一例では、表示制御部115は、層毎に異なる色情報を有するように打設モデルを表示してもよい。
【0044】
アニメーション部117は、打設モデルデータベース201のデータに基づいて、アニメーションを生成する。例えば、アニメーション部117は、締固め開始時刻に基づいて、時間の経過と共に、打設モデル中の着色された打設ブロックが増えていく様子をアニメーションで再現することができる。
【0045】
出力部118は、打設モデルデータベース201のデータを、CIM(Construction Information Modeling/Management)において利用可能なCIMデータ、又はBIM(Building Information Modeling)において利用可能なBIMデータとして出力することができる。
【0046】
(ハードウェア構成)
次に、図5を用いて、情報処理装置10のハードウェア構成の一例について説明する。図3の例では、情報処理装置10は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processor Unit)等のプロセッサ10aと、RAM(Random Access Memory)10bと、ROM(Read only Memory)10cと、通信装置10dと、記憶装置10eと、入力装置10fと、表示装置10gと、撮影装置10hと、センサ10iとを有してもよい。これらの各構成は、バスを介して相互にデータを送受信できるように接続される。
【0047】
プロセッサ10aは、ROM10c又は記憶装置10eに記憶されたプログラムをRAM10bに展開して実行することで、データの演算や加工を行う制御部として機能する。プロセッサ10aは、通信装置10dや入力装置10f、撮影装置10h、センサ10iから種々の入力データを受信し、入力データを演算した結果を通信装置10dや表示装置10gから出力したり、RAM10bや記憶装置10eに格納したりする。
【0048】
本実施形態におけるプロセッサ10aは、ROM10c又は記憶装置10eに記憶されたプログラムを実行することにより、本願発明に係る処理を実現可能に構成される。例えば、図2に機能構成として示したモデル情報受信部110、モデル生成部111、マーカー認識部112、空間認識部113、位置合わせ部114、表示制御部115、カウント部116は、プロセッサ10a上でプログラムを実行することにより実現される。このプログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信装置10dにより接続されるネットワークを介して提供されてもよい。
【0049】
RAM10bは、例えば半導体記憶素子で構成され、書き換え可能なデータを記憶する。RAM10bは、プログラムに含まれるコードの他、記憶部100の一部又は全部のデータを一時的に記憶する。ROM10cは、例えば半導体記憶素子で構成され、読み出し可能かつ書き換え不可能なデータを記憶する。ROM10cは、プログラムに係る処理に必要な各種データを記憶する。
【0050】
通信装置10dは、外部の装置との間で、有線又は無線によるネットワークを介したデータ通信を行うための装置である。
【0051】
記憶装置10eは、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成される不揮発性の記憶媒体である。記憶装置10eは、プログラムを記憶する。
【0052】
入力装置10fは、ユーザからの操作を受け付けるための装置であり、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0053】
表示装置10gは、情報を表示するための装置であり、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現することができる。
【0054】
撮影装置10hは、撮影画像を取得するための装置であり、カメラによって実現することができる。
【0055】
センサ10iは、情報処理装置10の周辺環境に関する様々な情報を収集し、電気信号に変換して出力するように構成され、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging)センサ、加速度センサ、ジャイロスコープ、地磁気センサ等によって実現することができる。
【0056】
(情報処理装置の処理)
次に、図6を用いて、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の処理の流れを説明する。なお、図6に示される処理は、例えば、情報処理装置10のユーザが入力装置10fを介してコンクリート締固め管理処理を実行するための指示を入力することで実行される。例えば、ユーザはコンクリート締固め管理アプリケーションを起動することによってコンクリート締固め管理処理を実行するための指示を入力する。
【0057】
ステップS601において、情報処理装置10は、打設モデルの情報を受信して、保存する。本実施形態では、図7に示されるような画面でユーザが入力装置10fを介して打設モデルを構成する打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向のブロック数を入力することに応じて、情報処理装置10のモデル情報受信部110は、打設モデルを構成する打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向のブロック数を受信して、受信した情報をデータベース20の打設モデルデータベース201に保存する。ここでは、打設モデルを構成する打設ブロックの横方向、縦方向、高さ方向のブロック数としてそれぞれ5、7、4が入力され、モデル情報受信部110は、5×7×4の計140の打設ブロックについて、図3に示されるように打設モデルデータベース201にレコードを登録したものとする。
【0058】
ステップS602において、情報処理装置10は、打設モデルの情報に基づいて打設モデルを生成する。本実施形態では、情報処理装置10のモデル生成部111は、打設モデルデータベース201に基づいて打設モデルを生成する。ここでは、モデル生成部111は、図3に示される打設モデルデータベース201に基づいて、図4に示されるような打設モデルを生成したものとする。図4に示す打設モデルは、高さ方向のブロック数に基づいて4つの層を有する。
【0059】
ステップS603において、情報処理装置10は、ARマーカーを認識する。本実施形態では、例えば、ARマーカーの読み取りを促すテキストが表示装置10gに表示されることにより、図8に示されるようにユーザがARマーカー801に撮影装置hを向けると、情報処理装置10のマーカー認識部112は、撮影装置10hによって撮影された撮影画像に含まれるARマーカー801のコード情報を読み取り、ARマーカー801の位置情報を取得する。
【0060】
ステップS604において、情報処理装置10は、空間認識を行う。本実施形態では、情報処理装置10の空間認識部113は、所定のアルゴリズムを用いて、撮影装置10hが撮影した撮影画像を解析して現実空間の環境地図を作成するとともに、情報処理装置10のセンサ10iが取得したセンサ情報を用いて環境地図の座標軸における情報処理装置10の自己位置を推定する。
【0061】
ステップS605において、情報処理装置10は、打設モデルを現実空間に位置合わせする。本実施形態では、情報処理装置10の位置合わせ部114は、打設モデルの存在する仮想空間においてARマーカー801に対応する基準点の位置と、マーカー認識部112が認識したARマーカー801の位置とに基づいて、打設モデルを現実空間に位置合わせする。本実施形態では、事前に設定済みの基準点の位置に合わせて現実空間のARマーカー801が配置されており、位置合わせ部114は、ARマーカーを用いた既知の位置合わせの技術により、仮想空間の打設モデルと現実空間の物体とを互いの空間において定位したものとする。
【0062】
ステップS606において、情報処理装置10は、現実空間を撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する。本実施形態では、情報処理装置10の表示制御部115は、空間認識部113が得た空間認識情報に基づいて、撮影装置10hが撮影した撮影画像に打設モデルを重畳して表示する。ここでは、表示制御部115は、撮影装置10hが撮影した撮影画像に三次元の打設モデルを重畳して表示したものとする。
【0063】
ここまでが準備段階であり、以降のステップにおいてコンクリート締固めが行われていく。図9は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置の使用状況を示す図である。情報処理装置10のユーザは、コンクリート締固めの作業者901がバイブレータ902を挿入する打設ブロックを撮影可能な位置で情報処理装置10を使用する。
【0064】
ステップS607において、情報処理装置10は、入力を受信したか否か判定する。表示切替の入力を受信した場合、処理はステップS608に進む。また、締固め対象の打設ブロックの入力を受信した場合、処理はステップS609に進む。一方、入力を受信していないと判定される場合、処理はステップS607に戻り、入力を待機する。ここでは、例えば、表示装置gに表示された表示切替コントロールをユーザがタップすることにより選択し、処理はステップS608に進むものとする。
【0065】
ステップS608において、情報処理装置10は、打設モデルの表示を切り替える。本実施形態では、表示制御部115は、打設モデルを三次元ビューと二次元ビューとで切り替えることができる。ここでは、三次元の打設モデルが表示されている際に表示切替の入力を受信して、表示制御部115は、打設モデルを三次元ビューから二次元ビューに切り替えたものとする。なお、三次元ビューで表示する際、撮影画像に三次元の打設モデルを重畳して表示するモードに加えて、撮影画像を表示することなく三次元の打設モデルを表示するモードを設けてもよい、
【0066】
処理はステップS607に戻り、情報処理装置10は、入力を受信したか否か判定する。ここでは、例えば、図10(A)に示されるような表示装置gに表示された打設モデル中の締固め対象の打設ブロック1001をユーザがタップすることにより選択し、処理はステップS609に進むものとする。
【0067】
ステップS609において、情報処理装置10は、締固め対象の打設ブロックを特定して、特定した打設ブロックの表示を更新する。本実施形態では、表示制御部115は、対象の打設ブロックを赤色で表示すると共に、カウント開始コントロールを表示する。
【0068】
続いて、ステップS610において、情報処理装置10は、締固め対象のブロックについて時間をカウントする。本実施形態では、例えば、表示装置gに表示されたカウント開始コントロールをユーザがタップすることにより選択すると、情報処理装置10のカウント部116は、打設モデルデータベース201の対象の打設ブロックの締固め開始時刻に現在時刻を保存し、締固め時間のカウントを開始する。本実施形態では、カウント部116は、所定の締固め時間である5秒からゼロまでカウントダウンするものとする。
【0069】
ステップS611において、情報処理装置10は、表示制御部115は、カウント部116のカウントを表示する。本実施形態では、表示制御部115は、図10(B)に示されるように、対象の打設ブロックの領域内にカウントを表示する例について説明するが、表示制御部115は、他の任意の領域にカウントを表示してもよい。
【0070】
その後、所定の締固め時間が経過して締固めが完了すると、ステップS612において、表示制御部115は、対象の打設ブロックを締固めが完了した打設ブロックとして、カウントを非表示にし、所定の色で表示する。本実施形態では、表示制御部115は、締固めが完了した打設ブロックについて、この打設ブロックが存在する層に応じた色で表示する。ここでは、表示制御部115は、図10(C)に示されるように、Z「1」の打設ブロックを白色で表示したものとする。
【0071】
ステップS613において、カウント部116は、打設モデルデータベース201の対象の打設ブロックの完了フラグを更新する。その後、処理はステップS607に戻り、再び入力を待機する。
【0072】
ユーザは、所望の順序で締固め対象の打設ブロックを選択し、すべての打設ブロックが着色されるまで、ステップS609~ステップS613を繰り返すものとする。
【0073】
図6には図示しないが、情報処理装置10は、任意のタイミングで、打設モデルデータベース201のデータに基づいて、アニメーションを生成したり、CIMデータ又はBIMデータとして出力したりしてもよい。例えば、ユーザが入力装置10fを介してアニメーション生成指示を入力することで、情報処理装置10のアニメーション部117は、所望の打設モデルの打設ブロックが締固めされていく経過を表すアニメーションを生成する。また、例えば、ユーザが入力装置10fを介してデータ出力指示を入力することで、情報処理装置10の出力部118は、所望の打設モデルをCIMデータ又はBIMデータとして出力する。
【0074】
なお、本実施形態では、カウント部116は、所定の締固め時間を5秒とする例について説明したが、別の実施形態では、カウント部116は、他の所望の締固め時間を設定してもよい。また、一実施形態では、カウント部116は、例えば打設ブロックのサイズに応じて、打設ブロック毎に異なる締固め時間を設定してもよい。一例では、打設ブロックの鉄筋量を示す情報を打設モデルデータベース201に格納し、打設ブロックの鉄筋量を示す情報に基づいて締固め時間を設定してもよい。
【0075】
なお、前述したように、本実施形態では、表示制御部115は、締固めが完了した打設ブロックについて、層に応じた色で表示することができる。例えば、高さ方向のブロック数が5の打設モデル中の締固めが完了した打設ブロックについて、表示制御部115は、図11(A)に示されるように、1層目のZ「1」の打設ブロックを白色で表示し、2層目のZ「2」の打設ブロックを黄色で表示し、3層目のZ「3」の打設ブロックを水色で表示し、4層目のZ「4」の打設ブロックを黄緑色で表示し、5層目のZ「5」の打設ブロックをピンク色で表示するようにしてもよい。なお、上記した層の色分けは一例であり、このような色分けに限られるものではなく、表示制御部115は、他の任意の色分けや、色以外の任意の表示態様で各層を表示してもよい。
【0076】
また、前述したように、本実施形態では、表示制御部115は、打設モデルを三次元ビューと二次元ビューとで切り替えることができる。例えば、図11(A)に示されるような打設モデルを二次元ビューで表示する際、表示制御部115は、図11(B)に示されるように、同一のXの値と同一のYの値とを有する複数の打設ブロックについて、締固めが完了した打設ブロックのうち、最上位の層の打設ブロックの表示態様、例えば色で表示するようにしてもよい。
【0077】
例えば、いずれの打設ブロックも締固めが行われていない場合、当該領域は透明で表示され、1層目のZ「1」の打設ブロックのみ締固めが完了している場合、当該領域は白色で表示され、1層目のZ「1」と2層目のZ「2」の打設ブロックの締固めが完了している場合、当該領域は黄色で表示され、1層目のZ「1」と2層目のZ「2」と3層目のZ「3」の打設ブロックの締固めが完了している場合、当該領域は水色で表示され、1層目のZ「1」と2層目のZ「2」と3層目のZ「3」と4層目のZ「4」の打設ブロックの締固めが完了している場合、当該領域は黄緑色で表示され、1層目のZ「1」と2層目のZ「2」と3層目のZ「3」と4層目のZ「4」と5層目のZ「5」の打設ブロックの締固めが完了している場合、当該領域はピンク色で表示される。
【0078】
なお、本実施形態では、ステップS609において、情報処理装置10が締固め対象の打設ブロックを特定する際、二次元ビューで打設モデルが表示されている場合には、情報処理装置10は、選択された打設ブロックのXの値、Yの値を有する複数の打設ブロックのうち、締固めが完了していない打設ブロックのうち最下位の層の打設ブロックを、締固め対象の打設ブロックとして特定するものとする。
【0079】
なお、本実施形態では、S601で打設モデルの情報を受信して、新たに打設モデルデータベース201にレコードを登録する例について説明したが、これに限られるものではなく、情報処理装置10は、打設モデルデータベース201に既に登録されているレコードに基づいて、打設モデルを生成してもよい。例えば、複数の情報処理装置10で同一の打設モデルを用いることにより、複数の情報処理装置10が同時に同じ空間について管理することができる。
【0080】
以上、本実施形態によれば、情報処理装置10は、撮影画像に重畳して表示された打設モデルにおいて、締固めが完了した打設ブロックと締固めが完了していない打設ブロックとをユーザに容易に識別させることができ、さらに、締固めが完了した打設ブロックの表示態様を層毎に異なる態様で表示することで、ユーザに、垂直方向のうち重ね状況を的確に把握させることができる。作業者に手間や負担をかけることのないシンプルな情報処理装置10を用いて、コンクリート締固めの定量的な管理を行い、コンクリートの品質・耐久性を向上させることができる。
【0081】
また、情報処理装置10は、打設モデルの三次元ビューだけでなく、二次元ビューを表示することができるので、ユーザは、利用時の状況に応じて、三次元ビューと二次元ビューとを使い分けることができる。
【0082】
また、情報処理装置10は、打設モデルの二次元ビューを表示する際、締固めが完了した最上段の打設ブロックを識別可能な態様で表示することができるので、ユーザは、二次元ビューを見ながら次の締固め対象の打設ブロックを検討することができる。
【0083】
また、情報処理装置10は、打設モデルの二次元ビューを表示されている場合に打設ブロックの選択を受信すると、選択された打設ブロックの垂直方向の複数の打設ブロックのうち、締固めが完了していない最下段の打設ブロックを締固め対象の打設ブロックとして特定することができるので、ユーザは、二次元ビューを見ながら容易に締固め対象の打設ブロックを選択することができる。
【0084】
また、情報処理装置10は、締固め対象の打設ブロックに応じて異なる締固め時間を設定することにより、打設ブロックに応じた最適な締固め時間を設定し、コンクリートの品質をより高めることができる。
【0085】
(追加の実施形態)
上述の実施形態に加えて、追加の実施形態では、情報処理装置10はヘッドマウントディスプレイ型デバイスとし、入力装置fとしてマイクを備え、マイクから入力された音声信号を認識する音声認識部(図示せず)や空間認識部113の自己位置の情報を用いて、コンクリート締固めの作業担当者がハンズフリーで情報処理装置10を使用してもよい。
【符号の説明】
【0086】
10…情報処理装置、10a…プロセッサ、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信装置、10e…記憶装置、10f…入力装置、10g…表示装置、10h…撮影装置、10i…センサ、110…モデル情報受信部、111…モデル生成部、112…マーカー認識部、113…空間認識部、114…位置合わせ部、115…表示制御部、116…カウント部、117…アニメーション部、118…出力部、100…記憶部、20…データベース、201…打設モデルデータベース、801…ARマーカー、901…作業者、902…バイブレータ、1001…打設ブロック、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11