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  • 特開-発電システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142907
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】発電システム
(51)【国際特許分類】
   F02B 53/02 20060101AFI20241003BHJP
   F03G 3/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F02B53/02 A
F03G3/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055303
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】519231186
【氏名又は名称】松本 葉子
(74)【代理人】
【識別番号】719004108
【氏名又は名称】松本 和也
(72)【発明者】
【氏名】松本 和也
(57)【要約】
【課題】
本発明は上方に移動した球体の位置エネルギーを有効に利用できる発電システムを提供する。
【解決手段】
風力を利用して位置エネルギーを蓄え、この位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、風力により発生した回転力により駆動する位置エネルギー蓄積用回転装置と、位置エネルギー蓄積用回転装置により、初期位置から、初期位置より高い位置である位置エネルギー蓄積位置に、上げられる球体と、位置エネルギー集積位置に於いて、球体が貯蔵される貯留部と、貯留部から落下した球体から受けた力で回転する発電用回転装置と、発電用回転装置の回転による回転力により発電する発電部と、を備える発電システム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力を利用して位置エネルギーを蓄え、この位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、風力により発生した回転力により駆動する位置エネルギー蓄積用回転装置と、位置エネルギー蓄積用回転装置により、初期位置から、初期位置より高い位置である位置エネルギー蓄積位置に、上げられる球体と、位置エネルギー蓄積位置に於いて、球体が貯留される貯留部と、貯留部から落下した球体から受けた力で回転する発電用回転装置と、発電用回転装置の回転による回転力により発電する発電部と、を備える発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の自然エネルギーを利用した発電システムでは、気象環境等で発電量が不安定になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は自然エネルギーを利用して球体の位置エネルギーを蓄え、この位置エネルギーを利用して、例えば、緊急時に発電可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
風力を利用して位置エネルギーを蓄え、この位置エネルギーを利用して電力を得る発電システムであって、風力により発生した回転力により駆動する位置エネルギー蓄積用回転装置と、位置エネルギー蓄積用回転装置により、初期位置から、初期位置より高い位置である位置エネルギー蓄積位置に、上げられる球体と、位置エネルギー蓄積位置に於いて、球体が貯留される貯留部と、貯留部から落下した球体から受けた力で回転する発電用回転装置と、発電用回転装置の回転による回転力により発電する発電部と、を備える発電システム。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本発明に係る発電システムの系統図である。
図2】本発明に係る位置エネルギー蓄積用回転装置の受け皿の動きを説明する図である。
図3】本発明に係る傾斜板により球体が移動する状態図である。
図4】本発明に係る発電用回転装置の受け皿の動きを説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の実施形態に係る発電システムは、風力を利用して位置エネルギーを蓄え、この位置エネルギーを利用して電力を得る。発電システムは、風力により発生した回転力により駆動する位置エネルギー蓄積用回転装置31と、位置エネルギー蓄積用回転装置31により、初期位置から、初期位置より高い位置である位置エネルギー蓄積位置に、上げられる球体20と、位置エネルギー蓄積位置に於いて、球体20が貯留される貯留部23と、貯留部23から落下した球体20から受けた力で回転する発電用回転装置24と、発電用回転装置24の回転による回転力により発電する発電部100と、を備える。
【0007】
風力を受けて回転する風力タービンブレード1は回転力を伝達する伝達軸3に接続され、その回転力は位置エネルギー蓄積用回転装置31に移動した球体20を上方向に移動する。例えば、球体20の上昇に必要な風力タービンブレード1は、大きさや数量を必要に応じて増設してもよい。また、伝達軸3には、ギヤ装置2を設けてもよい。ギヤ装置2では、複数の風力タービンブレード1にそれぞれ接続された伝達軸3から伝達される回転力を一つにし、位置エネルギー蓄積用回転装置31に伝達してもよい。また、ギヤ装置2は、風力タービンブレード1による回転数を増減し、トルクを調整する減速機を備えてもよい。尚、風力タービンブレード1は速度調整機能、外部との通信機能及び安全装置などの機能を装備してもよい。
【0008】
発電部100には、発電用回転装置24による回転力が伝達軸3を介して伝達される発電機26と、発電機26が必要とする回転数等に調整する増速機25があり、発電機26で発生した電力は、電気盤27で調整され電気機器類に対応し電力を送ることや電池に蓄電することが出来る。尚、増速機25は発電機26の必要に応じて設置する事が出来る。
【0009】
発電システムは、位置エネルギー蓄積用回転装置31と同期して受け皿A33に球体20を移動させる機能を設けてもよい。この機能では、図2に示すように、例えば、初期位置の球体20が下部下り勾配部28の停止板A34の前で待機する。受け皿A33の上方にある突起部A36が停止板A34を押し上げて、球体20を受け皿A33に取込むと突起部A36はガイドA35に沿って動き停止板A34から外れ、停止板A34は元の位置に戻る。突起部A36もガイドA35を過ぎると元の位置に戻る機構を設ける。
【0010】
発電システムは位置エネルギー蓄積用回転装置31の最上部から球体20を貯留部23に出る機能を設けてもよい。図4は位置エネルギー蓄積用回転装置31の最上部を、図1に示す右方向から見た図である。この機能では、図4に示すように、例えば、受け皿A33の基端部上に傾斜板37を設け、傾斜板37が位置エネルギー蓄積用回転装置31の最上部に近づくと、球体20は傾斜板37の上に移動し、傾斜板37の傾斜に沿って貯留部23に向かい移動する。
【0011】
発電システムは、発電用回転装置24に同期して球体20を受け皿B38に移動する機能を設けてもよい。この機能では、図3に示すように、例えば、位置エネルギーを保有した球体20は貯留部23の先端にある停止板B39の前で待機する。受け皿B38の下方にある可動式の突起部B41が停止板B39を押し下げて球体20を受け皿B38に取り込むと、突起部B41はガイドB40に沿って動き停止板B39から外れ、停止板B39は元の位置に戻る。突起部B41もガイドB40を過ぎると元の位置に戻る機構を設ける。
【0012】
自然エネルギーの発電量不足を補う蓄電池は高価で希少金属を使うが、球体20を容器として利用し、身近で安価な材料を使う事が出来る。例えば水道水、雨水などの液体や、木材、土砂及び廃棄物など固体を使い地域の状況に応じて選択でき、位置エネルギーを蓄える資材として安定的に入手でき材料費は安価になる。又、材料が球体20に収まらないときは立方体の容器にして、車の付いた台車に乗せ球体20と同等の動きを確保して使う事が出来る。また、空洞として、軽量化した球体20を高い位置で雨水などを充填して重量を加えることもできる。
【0013】
発電所を居住区域に建設することは適地選択の優先順位が下がり自然破壊防止と、経済的効果を求める事が出来る。例えば、適地と比べ強風が少ないことで風力タービンブレード1の機械的強度を抑え製造コストを下げる事や、建設に関わる環境調査費や資材運搬費の軽減に繋がり、緊急時の移動にも早い対応が期待できる。また、新築や既設など多くの高層物に後付けが可能になる。
【0014】
居住区域の発電施設は使用電圧を低圧化できる。例えば、地産地消が普及して居住区域内で電気を融通すると、遠方からの高圧送電線が減少して電気料金の低減化に繋がる。
【0015】
居住区域に吹く風は地上の障害物により風速は弱まるが、障害物の無い高層ビルなどの高所は地上に比べ早い風力エネルギーを利用できる。又、建物に吹く風は水平や上昇と下降の風があり風力タービンブレード1を建物の屋上や側面に取り付けて多くの風力エネルギーを利用することができる。例えば、屋上階を多層にすると設置面積を増やすことができ、4面の外壁に取り付けるとことも出来る。また、発電システムを設置するための構造物を設けてもよい。
【0016】
小さな発電施設もモジュール化して複数台設置することで大きな電力なる。例えば、モジュール化した発電施設の定期点検や異常停止時は居住区域で連携して運転制御をすることで稼働中の発電システムから継続して電力を供給することが出来る。また、近隣の居住区域との連携は更に安定した電力になる。
【0017】
発電施設を建屋内に収納すると暴風雨など自然災害で被災する危険性は少なくなり電力の供給は維持できる。又、被災時には短時間に現場に到着でき修理対応が可能になる。例えば、火山活動による火山灰には屋外にある風力タービンブレード1の防護対策は必要となるが、その他施設は建屋内にあることで被災から免れることが可能になる。
【符号の説明】
【0018】
1 風力タービンブレード
2 ギヤ装置
3 伝達軸
20 球体
23 貯留部
24 発電用回転装置
25 増速機
26 発電機
27 電気盤
28 下部下り勾配部
31 位置エネルギー蓄積用回転装置
32 電気設備
33 受け皿A
34 停止板A
35 ガイドA
36 突起部A
37 傾斜板A
38 受け皿B
39 停止板B
40 ガイドB
41 突起部B
100 発電部
図1
図2
図3
図4