(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142917
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】システム、情報処理装置、プログラム、及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 16/28 20190101AFI20241003BHJP
G06F 21/32 20130101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F16/28
G06F21/32
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055326
(22)【出願日】2023-03-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須田 和人
(72)【発明者】
【氏名】石若 裕子
(72)【発明者】
【氏名】大和田 稔
【テーマコード(参考)】
5B175
【Fターム(参考)】
5B175AA01
5B175DA02
5B175DA10
5B175HB03
5B175KA11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の対象関連データを記憶するオリジン記憶部を有するオリジンノードと複数のボトムノードを備え、ユーザの顔画像を取得し、顔画像に含まれる特徴点のデータを用いてユーザを認証するシステム、情報処理装置、プログラム及び管理方法を提供する。
【解決手段】システム10において、複数のボトムノードのそれぞれは、オリジンノードから受信した対象関連データを記憶するボトム記憶部と、サービスを提供する対象である提供対象に対応する対象関連データがボトム記憶部に記憶されている場合に、対象関連データを用いたサービスを提供対象に提供し、対象に対応する対象関連データがボトム記憶部に記憶されていない場合であって、かつ、オリジンノードに記憶されている場合、オリジンノードに記憶されている対象関連データを用いたサービスを、提供対象に提供して対象関連データをボトム記憶部に記憶させるサービス提供部と、を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象関連データを記憶するオリジン記憶部を有するオリジンノードと、
複数のボトムノードと
を備えるシステムであって、
前記複数のボトムノードのそれぞれは、
前記オリジンノードから受信した対象関連データを記憶するボトム記憶部と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、前記オリジンノードに記憶されている当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させるサービス提供部と
を有する、システム。
【請求項2】
前記オリジンノードと前記複数のボトムノードとの間の階層に位置する複数のリレーノードを更に備え、
前記サービス提供部は、前記提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって上位の前記リレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のボトムノードのそれぞれは、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除して、削除した前記対象関連データを上位の前記リレーノードに通知するボトム管理部を有し、
前記複数のリレーノードのそれぞれは、
リレー記憶部と、
下位の前記ボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されていない場合、当該対象関連データを前記リレー記憶部に記憶させるリレー管理部と、
を有し、
前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除し、
前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記第1の期間よりも長い第2の期間継続した前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除する、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記リレー管理部は、下位の前記ボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されている場合、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データと、通知された前記対象関連データのうち、タイムスタンプがより新しい前記対象関連データのみを前記リレー記憶部に記憶させる、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記対象関連データに対応する対象の属性に応じた期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除する、請求項3に記載のシステム。
【請求項7】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、前記対象関連データに対応する対象の位置に関連する条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除する、請求項3に記載のシステム。
【請求項8】
前記オリジンノードは、
前記オリジン記憶部に記憶されている前記複数の対象関連データのいずれかを削除した場合に、削除した前記対象関連データを前記複数のボトムノードに通知するオリジン管理部を有し、
前記複数のボトムノードのそれぞれは、前記オリジンノードから前記通知を受信した場合であって通知された前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合、当該対象関連データを前記ボトム記憶部から削除するボトム管理部を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記対象関連データは、対象を認証するために用いるデータであり、
前記サービス提供部は、認証対象の前記提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させる、請求項1から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶する記憶部と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供部と
を備える情報処理装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項10に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータによって実行される管理方法であって、
複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶部に記憶するデータ記憶段階と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供段階と
を備える管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、情報処理装置、プログラム、及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザの顔画像を取得し、顔画像に含まれる特徴点に関するデータを用いてユーザを認証する技術が記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2021-170205号公報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の一実施態様によれば、システムが提供される。前記システムは、複数の対象関連データを記憶するオリジン記憶部を有するオリジンノードと、複数のボトムノードとを備えてよい。前記複数のボトムノードのそれぞれは、前記オリジンノードから受信した対象関連データを記憶するボトム記憶部を有してよい。前記複数のボトムノードのそれぞれは、サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させるサービス提供部を有してよい。
【0004】
前記システムは、前記オリジンノードと前記複数のボトムノードとの間の階層に位置する複数のリレーノードを更に備えてよく、前記サービス提供部は、前記提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって上位の前記リレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させてよい。前記複数のボトムノードのそれぞれは、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除して、削除した前記対象関連データを上位の前記リレーノードに通知するボトム管理部を有してよく、前記複数のリレーノードのそれぞれは、リレー記憶部と、下位の前記ボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されていない場合、当該対象関連データを前記リレー記憶部に記憶させるリレー管理部と、を有してよく、前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除してよい。前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除してよく、前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記第1の期間よりも長い第2の期間継続した前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除してよい。
【0005】
前記いずれかのシステムにおいて、前記リレー管理部は、下位の前記ボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されている場合、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データと、通知された前記対象関連データのうち、タイムスタンプがより新しい前記対象関連データのみを前記リレー記憶部に記憶させてよい。
【0006】
前記いずれかのシステムにおいて、前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記対象関連データに対応する対象の属性に応じた期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除してよい。
【0007】
前記いずれかのシステムにおいて、前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、前記対象関連データに対応する対象の位置に関連する条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除してよい。
【0008】
前記いずれかのシステムにおいて、前記オリジンノードは、前記オリジン記憶部に記憶されている前記複数の対象関連データのいずれかを削除した場合に、削除した前記対象関連データを前記複数のボトムノードに通知するオリジン管理部を有してよく、前記複数のボトムノードのそれぞれは、前記オリジンノードから前記通知を受信した場合であって通知された前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合、当該対象関連データを前記ボトム記憶部から削除するボトム管理部を有してよい。
【0009】
前記いずれかのシステムにおいて、前記対象関連データは、対象を認証するために用いるデータであってよく、前記サービス提供部は、認証対象の前記提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させてよい。
【0010】
本発明の一実施態様によれば、情報処理装置が提供される。前記情報処理装置は、複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶する記憶部を備えてよい。前記情報処理装置は、サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供部を備えてよい。
【0011】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータを、前記情報処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0012】
本発明の一実施態様によれば、コンピュータによって実行される管理方法が提供される。前記管理方法は、複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶部に記憶するデータ記憶段階を備えてよい。前記管理方法は、サービスを低虚数る対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供段階を備えてよい。
【0013】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】顔認証データの管理方法の一例を概略的に示す。
【
図2】顔認証データの管理方法の一例を概略的に示す。
【
図3】顔認証データの管理方法の一例を概略的に示す。
【
図6】オリジンノード100の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図7】ボトムノード300の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図8】リレーノード200の機能構成の一例を概略的に示す。
【
図9】オリジンノード100、リレーノード200、又はボトムノード300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
顔認証等の認証技術における認証精度は、認証用データの登録数に依存する。認証のレスポンスタイムも、認証用データの登録数に依存する。データ漏洩のリスクも、認証用データの登録数に依存する。認証技術においては、認識率も重要だが、誤認識の数が重視される場合が多い。例えば、FAR(False Acceptance Rate)が0.05%の認証システムにおいては、2000回認証を行った場合、誤認識が1回発生することになり、200万回認証を行った場合、誤認識が1000回発生することになる。認識率は0.05%であるものの、誤認識が1000回発生したという部分が注目されて、性能が不十分であると判断される場合がある。200万回認証を行った場合に、誤認識の回数を2回に抑えるためには、FARが0.0001%であることが必要となるが、このFARを達成することは容易ではない。誤認識の数を減らすためには、認証処理の母数となる認証用データの数を少なくすることが望ましい。
【0016】
認証用データを管理する管理方法として、いくつかの方法が考えられる。ここでは、一企業における従業員を顔認証するための顔認証用データの管理方法を例に挙げて説明する。
【0017】
図1に示す例では、全従業員4万人分の顔認証用データが1つのサーバに記憶され、各拠点に配置された認証装置が、ネットワークを介して、サーバに記憶されている顔認証用データを参照して、認証を実行する。本例によれば、認証処理の母数となる認証用データの数が最大数となるので、誤認識の数が比較的多くなり、レスポンスタイムが遅くなる可能性が有る。また、レスポンスタイムがネットワーク環境に大きく依存することになる。
【0018】
図2に示す例では、全従業員4万人分の顔認証用データが1つのサーバに記憶されるとともに、各拠点の認証装置に4万人分の顔認証用データがコピーされる。
図1に示す例と比較して、ネットワーク環境に依存しないことになり、レスポンスタイムは早くなり得るが、認証処理の母数となる認証用データの数は最大数であり、また、全て合わせて16万人分の顔認証用データの記憶容量を必要とする。
【0019】
図3に示す例では、全従業員4万人分の顔認証用データが1つのサーバに記憶されるとともに、各拠点の従業員の顔認証用データが、各拠点の認証装置にコピーされる。図に示す例では、東京本社の認証装置に、東京本社に所属する従業員2万人分の顔認証用データがコピーされ、福岡支社の認証装置に、福岡支社に所属する2千人分の顔認証用データがコピーされ、他の支社の認証装置に、他の支社に所属する1万8千人分の顔認証用データがコピーされている。
図2に示す例と比較して、各拠点の認証装置に記憶される顔認証用データが少ないので、認証精度が高く、レスポンスタイムが速くなり得る。しかし、例えば、福岡支社に所属する従業員が東京本社に出張したような場合には、東京本社の認証装置に当該従業員の顔認証用データが記憶されておらず、サーバに記憶されている顔認証用データを参照することになり、2段階で認証することになってしまう。
【0020】
それに対して、本実施形態に係るシステム10では、例えば、全ての顔認証用データが1つのサーバに記憶され、認証装置が、サーバに記憶されている顔認証用データを用いて対象人物の認証を実行した場合であって、認証に成功した場合に、当該対象人物の顔認証用データをキャッシュする。これにより、その後に当該認証装置が当該対象人物を認証する場合には、キャッシュした顔認証用データによって認証することができるようになる。また、当該認証装置は、当該人物の顔認証用データを使用しない期間が予め定められた期間に達した場合に、当該顔認証用データを削除する。これにより、当該認証装置が記憶する顔認証用データの数を適切に低減することができ、認証精度の低下を防いだり、レスポンスタイムの遅延化を防いだり、データ漏洩のリスクを低減したりすることができる。
【0021】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0022】
図4は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、オリジンノード100を備える。システム10は、複数のボトムノード300を備える。システム10が備えるボトムノード300の数は、任意の数であってよい。
【0023】
オリジンノード100は、例えば、サーバである。オリジンノード100は、クラウド上の1又は複数の装置によって構成されてもよい。
【0024】
ボトムノード300は、例えば、サーバである。ボトムノード300は、クラウド上の1又は複数の装置によって構成されてもよい。ボトムノード300は、エッジデバイスであってもよい。
【0025】
オリジンノード100は、任意の対象に関連する対象関連データを記憶する。オリジンノード100は、複数の対象関連データを記憶する。オリジンノード100は、登録されている全ての対象関連データを記憶してよい。
【0026】
任意の対象の例として、人等の生物、車両等の乗物、会社等の法人、及び場所等が挙げられるが、これらに限られない。対象関連データは、例えば、対象の属性を示す属性データであってよい。
【0027】
対象関連データは、例えば、対象の認証に用いるデータであってよい。具体例として、対象関連データは、個人の認証に用いる個人関連データであってよい。個人関連データは、個人の生体認証に用いるデータであってよい。例えば、個人関連データは、顔認証用のデータである。例えば、個人関連データは、指紋認証用のデータである。例えば、個人関連データは、声紋認証用のデータである。例えば、個人関連データは、虹彩認証用のデータである。例えば、個人関連データは、静脈認証用のデータである。例えば、個人関連データは、掌紋認証用のデータである。個人関連データは、他の生体認証用のデータであってもよい。具体例として、対象関連データは、車両の認証に用いる車両関連データであってよい。車両関連データは、車両の外見の特徴、及び車両のナンバー等であってよい。
【0028】
対象関連データは、例えば、対象の活動に関連するデータであってよい。具体例として、対象関連データは、個人の活動に関連する個人関連データであってよい。個人関連データは、例えば、個人の活動に関連する活動関連データであってよい。例えば、活動関連データは、個人のウォレットの名義及び属性等のウォレットデータである。例えば、活動関連データは、個人が有するポイントに関するポイント関連データである。活動関連データは、他の種類のデータであってもよい。
【0029】
ボトムノード300は、オリジンノード100から受信した対象関連データを記憶する。ボトムノード300は、対象関連データを用いたサービスを、サービスを提供する対象である提供対象に対して提供する。例えば、ボトムノード300は、対象関連データを用いたサービスを対象人物20に対して提供する。ボトムノード300は、例えば、対象関連データを用いて対象人物20を認証し、認証結果に応じたサービスを提供する。
【0030】
具体例として、ボトムノード300は、対象人物20の顔認証を行って、認証が成功した場合に、対象人物20が企業の建物の入口に設置されたゲートを通過できるような制御を実行する。
【0031】
ボトムノード300は、対象人物20からの要求に応じて、まず、自身が記憶している対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可する。ボトムノード300は、認証に失敗した場合、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可するとともに、対象人物20の対象関連データをキャッシュする。これにより、当該対象人物20について、次回以降は、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを用いることなく、キャッシュしている対象関連データによって、認証を行うことができる。ボトムノード300は、オリジンノード100の対象関連データを用いても認証に失敗した場合、対象人物20にゲートを通過させないようにしてよい。
【0032】
ボトムノード300は、自身が記憶している対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした対象関連データを削除してよい。ボトムノード300は、例えば、未使用の状態が予め定められた期間継続した対象関連データを削除する。ボトムノード300は、例えば、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、未使用の状態がより長い対象関連データを優先的に削除する。これらは例示であり、ボトムノード300は、他の条件に従って、対象関連データを削除してもよい。これにより、必要性の低い対象関連データを削除して、ボトムノード300における、認証処理の母数となる認証用データの数を適切に低減することができる。
【0033】
初期状態において、ボトムノード300は、オリジンノード100に記憶されている複数の対象関連データのうちの一部のみを記憶してもよく、すべてを記憶してもよく、1つも記憶しなくてもよい。
【0034】
例えば、初期状態において、複数のボトムノード300のそれぞれが、オリジンノード100に記憶されている複数の対象関連データの一部ずつを記憶する。具体例として、オリジンノード100が一企業の全従業員の対象関連データを記憶している場合に、各拠点に配置されたボトムノード300が、各拠点に所属する従業員の対象関連データを記憶する。この場合、ボトムノード300は、自拠点に所属する従業員については、自身が記憶している対象関連データによって認証を行うことができる。ボトムノード300は、他拠点に所属する従業員については、自身が記憶している対象関連データでは認証成功せず、オリジンノード100の対象関連データを用いて、当該従業員を認証することになる。この場合に、ボトムノード300は、当該従業員の対象関連データをキャッシュする。これにより、その後に、当該従業員を認証する場合には、自身が記憶している対象関連データによって認証を行うことができるようになる。そして、当該従業員の対象関連データが未使用の状態が特定期間継続した場合に、ボトムノード300は、当該対象関連データを削除する。これにより、例えば、他拠点の従業員が数日間自拠点に出張するような状況の場合に、出張期間中は、当該従業員の対象関連データを記憶しておくことによって、1段階での認証によって、当該従業員の認証をできるようにしつつ、当該従業員の出張が終了して、特定期間が経過した場合に、当該従業員の対象関連データを削除するようにできる。
【0035】
また、例えば、初期状態において、複数のボトムノード300のそれぞれが、オリジンノード100に記憶されている複数の対象関連データのすべてを記憶する。具体例として、オリジンノード100が一企業の全従業員の対象関連データを記憶している場合に、各拠点に配置されたボトムノード300が、全従業員の対象関連データを記憶する。この場合、最初のうちは、ボトムノード300は、いずれの拠点の従業員が来た場合であっても、自身が記憶している対象関連データによって認証を行うことができる。そして、時間が経過するにつれて、ボトムノード300は、自拠点を訪れない従業員の対象関連データを削除していくことになり、記憶する対象関連データの状態を適正化していくことができる。
【0036】
また、例えば、初期状態において、複数のボトムノード300のそれぞれが、1つも対象関連データを記憶しない。具体例として、オリジンノード100が一企業の全従業員の対象関連データを記憶している場合に、各拠点に配置されたボトムノード300は、いずれの対象関連データも記憶しない。この場合、最初のうちは、ボトムノード300は、いずれの拠点の従業員が来た場合であっても、オリジンノード100の対象関連データを用いて認証することになる。しかし、時間が経過するにつれて、ボトムノード300は、自拠点を訪れた従業員の対象関連データを記憶していくことになり、記憶する対象関連データの状態を適正化していくことができる。
【0037】
図5は、システム10の一例を概略的に示す。システム10は、オリジンノード100及び複数のボトムノード300に加えて、オリジンノード100と複数のボトムノード300との間の階層に位置する1又は複数のリレーノード200を備えてもよい。
【0038】
リレーノード200は、例えば、サーバである。リレーノード200は、クラウド上の1又は複数の装置によって構成されてもよい。
【0039】
本例において、例えば、ボトムノード300は、記憶している対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可する。ボトムノード300は、認証に失敗した場合に、リレーノード200に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可するとともに、対象人物20の対象関連データをキャッシュする。ボトムノード300は、リレーノード200の対象関連データを用いても認証に失敗した場合、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可するとともに、対象人物20の対象関連データをキャッシュする。ボトムノード300は、オリジンノード100の対象関連データを用いても認証に失敗した場合、対象人物20にゲートを通過させないようにする。
【0040】
ボトムノード300は、記憶している対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした対象関連データを削除して、削除した対象関連データを上位のリレーノード200に通知する。ボトムノード300は、例えば、未使用の状態が予め定められた期間継続した対象関連データを削除する。ボトムノード300は、例えば、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、未使用の状態がより長い対象関連データを優先的に削除する。これらは例示であり、ボトムノード300は、他の条件に従って、対象関連データを削除してもよい。
【0041】
通知を受けたリレーノード200は、通知された対象関連データを記憶していない場合、当該対象関連データを記憶する。これにより、ボトムノード300が当該対象関連データを削除した後に、対象人物20が当該ボトムノード300の拠点に訪れた場合に、オリジンノード100の対象関連データを参照することなく、リレーノード200に記憶されている対象関連データによって、当該対象人物20を認証することができる。
【0042】
リレーノード200は、通知された対象関連データを記憶していた場合、通知された対象関連データと、記憶している対象関連データのうち、タイムスタンプがより新しい対象関連データのみを記憶した状態とする。これにより、例えば、一のリレーノード200の下位に第1のボトムノード300及び第2のボトムノード300が配置されている場合において、第1のボトムノード300からの通知に従って対象関連データを記憶した後、第2のボトムノード300から通知を受け付けた場合に、より新しい方の対象関連データを記憶するようにできる。
【0043】
リレーノード200は、記憶している対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした対象関連データを削除してよい。リレーノード200は、例えば、未使用の状態が予め定められた期間継続した対象関連データを削除する。リレーノード200は、例えば、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、未使用の状態がより長い対象関連データを優先的に削除する。これらは例示であり、リレーノード200は、他の条件に従って、対象関連データを削除してもよい。
【0044】
システム10において、ボトムノード300が、記憶している対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間継続した対象関連データを削除し、リレーノード200が、記憶している対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間よりも長い第2の期間継続した対象関連データを削除するようにしてもよい。例えば、ボトムノード300は、未使用の状態が7日間継続した対象関連データを削除し、リレーノード200は、未使用の状態が30日間継続した対象関連データを削除する。これにより、システム10における全体の個人関連データの全体最適化を図ることができる。
【0045】
他の実施例として、ボトムノード300が、リレーノード200の対象関連データを用いた認証に失敗し、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行して、認証に成功した場合に、ボトムノード300が当該対象関連データをキャッシュするのではなく、リレーノード200が当該対象関連データキャッシュするようにしてもよい。具体的には、ボトムノード300が、記憶している対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可する。ボトムノード300は、認証に失敗した場合に、リレーノード200に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可するとともに、対象人物20の対象関連データをキャッシュする。ボトムノード300は、リレーノード200の対象関連データを用いても認証に失敗した場合、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを用いて、対象人物20の顔認証を実行し、認証に成功した場合に、対象人物20がゲートを通過することを許可する。そして、リレーノード200が、当該対象関連データをキャッシュする。
【0046】
上記実施例では、ボトムノード300が、上位階層の対象関連データを用いて対象人物20の認証を実行して、認証に成功した場合に、当該対象関連データをキャッシュする場合について主に説明したが、これに限られない。他の実施例として、例えば、ボトムノード300は、任意の条件に従って対象人物20の対象関連データを使用しようとした場合に、自身が記憶している場合にはそれを使用し、自身が記憶していない場合に、リレーノード200に記憶されていればそれを使用し、リレーノード200に記憶されていなければ、オリジンノード100に記憶されている対象関連データを使用して、使用後に当該対象関連データをキャッシュする。
【0047】
具体例として、システム10が、対象人物20のウォレットデータを管理するウォレット管理システムと連携した場合について説明する。オリジンノード100は、登録されている全ての対象人物20のウォレットデータを記憶する。ボトムノード300は、対象人物20のウォレットデータが必要な状況になった場合に、当該対象人物20のウォレットデータを自身が記憶しているか否かを確認し、記憶していない場合、上位階層から取得してキャッシュする。ボトムノード300は、当該対象人物20のウォレットデータが上位のリレーノード200に記憶されている場合、リレーノード200からウォレットデータを取得し、上位のリレーノード200に記憶されていない場合、オリジンノード100からウォレットデータを取得する。
【0048】
対象人物20のウォレットデータが必要な状況とは、例えば、対象人物20によるウォレットの利用要求を受け付けた場合である。ボトムノード300は、例えば、対象人物20が所持するスマートフォン等の通信端末と通信することによって、対象人物20によるウォレットの利用要求を受け付ける。
【0049】
対象人物20のウォレットデータが必要な状況とは、例えば、対象人物20がボトムノード300の近隣に位置する場合や、対象人物20がボトムノード300の対応エリア内に位置する場合等であってもよい。ボトムノード300は、例えば、対象人物20の位置情報を取得して、位置情報が条件を満たした場合に、対象人物20のウォレットデータが必要な状況であると判定する。例えば、ボトムノード300は、対象人物20が所持するスマートフォン等によって測位された位置情報を取得する。当該測位は、GNSS(Global Navigation Satellite System)測位、Wi-Fi(登録商標)測位、基地局測位等の公知の任意の測位手法を用いて実行されてよい。ボトムノード300は、Bluetooth(登録商標)接続情報を用いた位置管理システム、及び監視カメラを用いた位置管理システム等のシステムと連携することによって、対象人物20の位置情報を取得してもよい。
【0050】
ボトムノード300は、対象人物20のウォレットデータを用いたサービスを提供する。ボトムノード300は、例えば、ウォレットの利用可否を判定したり、利用可の場合に、ウォレット管理システムと連携したウォレットサービスを提供したりする。
【0051】
図5では、システム10が、オリジンノード100の層、リレーノード200の層、及びボトムノード300の層の3階層で構成される場合を例示しているが、システム10は、4階層以上で構成されてもよい。すなわち、システム10は、オリジンノード100の層と、2以上のリレーノード200の層と、ボトムノード300の層とから構成されてもよい。
【0052】
図6は、オリジンノード100の機能構成の一例を概略的に示す。オリジンノード100は、取得部102、記憶部104、及び管理部106を備える。
【0053】
取得部102は、各種データを取得する。取得部102は、複数の対象関連データを取得してよい。取得部102は、登録されている全ての対象関連データを取得してよい。取得部102は、取得した複数の対象関連データを記憶部104に記憶させる。記憶部104は、オリジン記憶部の一例であってよい。
【0054】
管理部106は、記憶部104に記憶されているデータを管理する。管理部106は、記憶部104に記憶されている対象関連データを管理してよい。管理部106は、オリジン管理部の一例であってよい。
【0055】
管理部106は、例えば、記憶部104に記憶されている対象関連データを複数のボトムノード300に提供する。管理部106は、初期状態として、記憶部104に記憶されている複数の対象関連データを分割して複数のボトムノード300のそれぞれに提供してよい。管理部106は、初期状態として、記憶部104に記憶されている複数の対象関連データのすべてを複数のボトムノード300のそれぞれに提供してもよい。管理部106は、初期状態として、記憶部104に記憶されているいずれの対象関連データも、複数のボトムノード300に提供しなくてもよい。
【0056】
管理部106は、ボトムノード300からの要求に応じて、対象関連データをボトムノード300に提供してよい。例えば、管理部106は、ボトムノード300が、サービスを提供する対象である提供対象の対象関連データを記憶していない場合において、ボトムノード300からの要求に応じて、当該提供対象の対象関連データをボトムノード300に提供する。
【0057】
管理部106は、提供対象の状況に応じて、事前に提供対象の対象関連データをボトムノード300に提供してもよい。例えば、管理部106は、提供対象のスケジュール情報に基づいて、提供対象の対象関連データを事前にボトムノード300に提供すると判定した場合に、提供対象の対象関連データをボトムノード300に提供する。
【0058】
具体例として、通常は、第1のボトムノード300を利用している対象人物20が、出張及び出向等の理由によって、第2のボトムノード300を利用する予定になっている場合に、管理部106は、当該対象人物20の対象関連データを、第2のボトムノード300に提供する。これにより、当該対象人物20が、出張及び出向などの理由によって、第2のボトムノード300に対応する位置に移動して、最初に第2のボトムノード300を利用する状況においても、第2のボトムノード300は、自身が記憶している対象関連データによって、当該対象人物20を認証したり、当該対象人物20にサービスを提供したりすることができる。
【0059】
管理部106は、記憶部104に記憶されている対象関連データを更新したり、削除したりしてよい。例えば、管理部106は、システム10の管理者の指示に従って、記憶部104に記憶されている複数の対象関連データのうち、指定された対象関連データを削除する。具体例として、対象関連データが、一企業の従業員のデータである場合において、当該従業員が当該企業を退職したことによって、対象関連データが必要なくなった場合等に、システム10の管理者の指示に従って、当該従業員の対象関連データを削除する。
【0060】
管理部106は、対象関連データを削除した場合に、削除した対象関連データを、リレーノード200及びボトムノード300に通知する。管理部106は、削除した対象関連データを、オリジンノード100の下位に配置されている全てのリレーノード200及びボトムノード300に通知してよい。
【0061】
例えば、管理部106は、システム10の管理者の指示に従って、記憶部104に記憶されている複数の対象関連データのうち、指定された対象関連データを更新する。管理部106は、対象関連データを更新した場合に、更新した対象関連データをリレーノード200及びボトムノード300に通知する。管理部106は、更新した対象関連データを、オリジンノード100の下位に配置されている全てのリレーノード200及びボトムノード300に通知してよい。
【0062】
図7は、ボトムノード300の機能構成の一例を概略的に示す。ボトムノード300は、取得部302、記憶部304、サービス提供部306、及び管理部308を備える。
【0063】
取得部302は、各種データを取得する。取得部302は、オリジンノード100から受信した対象関連データを取得してよい。取得部302は、取得した対象関連データを記憶部304に記憶させる。記憶部304は、ボトム記憶部の一例であってよい。
【0064】
サービス提供部306は、サービスを提供する対象である提供対象に対して、対象関連データを用いたサービスを提供する。ボトムノード300の上位にリレーノード200が配置されていない場合において、サービス提供部306は、提供対象に対応する対象関連データが記憶部304に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する対象関連データが記憶部304に記憶されていない場合であって、オリジンノード100に記憶されている場合、オリジンノード100に記憶されている当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して、当該対象関連データを記憶部304に記憶させる。
【0065】
ボトムノード300の上位にリレーノード200が配置されている場合において、サービス提供部306は、提供対象に対応する対象関連データが記憶部304に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する対象関連データが記憶部304に記憶されていない場合であって上位のリレーノード200に記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを記憶部304に記憶させ、当該提供対象に対応する対象関連データが記憶部304及びリレーノード200に記憶されていない場合であってオリジンノード100に記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを記憶部304に記憶させる。
【0066】
管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データを管理する。管理部308は、ボトム管理部の一例であってよい。管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした対象関連データを記憶部304から削除して、削除した対象関連データを上位のリレーノード200に通知する。
【0067】
管理部308は、例えば、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が予め定められた期間継続した対象関連データを、記憶部304から削除する。管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が、対象関連データに対応する対象の属性に応じた期間継続した対象関連データを、記憶部304から削除するようにしてもよい。対象が人物である場合、対象の属性は、年齢、性別、地位、所属等であってよい。対象が車両である場合、対象の属性は、車両の名称、種類、色、サイズ、性能、及び機能等であってよい。対象が会社である場合、対象の属性は、会社の名称、種類、分野、及び規模等であってよい。対象が場所である場合、対象の属性は、位置、種類、及びサイズ等であってよい。
【0068】
対象が人物である場合において、例えば、第1の地位に対して、第1の地位よりも低い第2の地位よりも長い期間が割り当てられる。管理部308は、未使用の状態が、対象関連データに対応する人物の地位が高いほどより長い期間、継続した対象関連データを削除する。これにより、より地位が高い人物の個人関連データが、より長い間、いろいろなボトムノード300にキャッシュされるようにできる。
【0069】
例えば、ボトムノード300に対応する組織に対して、ボトムノード300に対応しない組織よりも長い期間が割り当てられる。管理部308は、未使用の状態が、対象関連データに対応する人物が所属する組織に応じた期間、継続した対象関連データを削除する。これにより、ボトムノード300に対応する組織に所属する人物の対象関連データが、より長い間、当該ボトムノード300にキャッシュされるようにできる。
【0070】
管理部308は、例えば、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度が予め定められた頻度よりも低い対象関連データを、記憶部304から削除してもよい。管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度が、対象関連データに対応する対象の属性に応じた頻度よりも低い対象関連データを、記憶部304から削除するようにしてもよい。
【0071】
管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態がより長い対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。例えば、管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、ボトムノード300の記憶容量が当該予め定められた容量閾値、又は、当該予め定められた容量閾値よりも少ない他の容量閾値よりも少なくなるまで、未使用の状態が長い順に対象関連データを削除する。管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量を超えた場合に、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度がより少ない対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。例えば、管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、ボトムノード300の記憶容量が当該予め定められた容量閾値、又は、当該予め定められた容量閾値よりも少ない他の容量閾値よりも少なくなるまで、使用頻度が少ない順に対象関連データを削除する。管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量を超えた場合に、記憶部304に記憶されている対象関連データを、ランダムに削除するようにしてもよい。
【0072】
管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象の位置に関連する条件を満たした対象関連データを記憶部304から削除するようにしてもよい。例えば、管理部308は、サービスを提供する対象である提供対象の位置情報を取得して、位置情報が条件を満たした場合に、当該提供対象に対応する対象関連データを記憶部304から削除する。位置情報は、取得部102によって取得されてよい。取得部102は、例えば、提供対象が有する通信端末によって測位された位置情報を取得する。例えば、提供対象が人物である場合、取得部102は、提供対象が所持するスマートフォン等によって測位された位置情報を取得する。当該測位は、GNSS測位、Wi-Fi測位、基地局測位等の公知の任意の測位手法を用いて実行されてよい。取得部102は、Bluetooth接続情報を用いた位置管理システム、及び監視カメラを用いた位置管理システム等のシステムと連携することによって、提供対象の位置情報を取得してもよい。
【0073】
管理部308は、例えば、対象関連データに対応する対象の位置が、ボトムノード300に対応する位置から予め定められた距離以上離れた場合に、当該対象関連データを記憶部304から削除する。これにより、例えば、出張等でボトムノード300に対応する拠点に出入りしていた人物が、出張を終えた場合に、当該人物の個人関連データを削除するようにできる。管理部308は、対象関連データに対応する対象の位置が、ボトムノード300に対応する位置から、当該対象の属性に応じた距離以上離れた場合に、当該対象関連データを記憶部304から削除するようにしてもよい。
【0074】
管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象の位置と、ボトムノード300に対応する位置との距離がより長い対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。例えば、管理部308は、ボトムノード300の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、ボトムノード300の記憶容量が当該予め定められた容量閾値、又は、当該予め定められた容量閾値よりも少ない他の容量閾値よりも少なくなるまで、対象関連データに対応する対象の位置と、ボトムノード300に対応する位置との距離が長い順に対象関連データを削除する。
【0075】
管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象のスケジュール情報が条件を満たした対象関連データを記憶部304から削除するようにしてもよい。スケジュール情報は、取得部102によって取得されてよい。取得部102は、対象のスケジュールを管理するスケジュール管理システムから、対象のスケジュール情報を取得してよい。
【0076】
管理部308は、例えば、スケジュール情報によって、ボトムノード300に対応する位置から離れることが示される対象の対象関連データを記憶部304から削除する。例えば、対象が人物である場合において、管理部308は、ボトムノード300に対応する位置に出張又は出向で訪れている人物の、出張又は出向が終了することがスケジュール情報によって示されている場合に、当該人物の対象関連データを記憶部304から削除する。
【0077】
管理部308は、オリジンノード100の管理部106から、削除した対象関連データの通知を受信した場合であって、通知された対象関連データが記憶部304に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部304から削除してよい。管理部308は、通知された対象関連データが記憶部304に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部304から削除するスケジュールを決定してよく、決定したスケジュールに従って、当該対象関連データを削除してもよい。
【0078】
管理部308は、オリジンノード100の管理部106から、更新した対象関連データの通知を受信した場合であって、通知された対象関連データが記憶部304に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部304から削除してよい。管理部308は、更新された対象関連データをオリジンノード100から取得して、記憶部304に記憶されている対象関連データと置き換えてもよい。
【0079】
管理部308は、記憶部304に記憶されている対象関連データについて、定期的にオリジンノード100に問い合わせを行ってもよい。管理部308は、問い合わせの結果、オリジンノード100において対象関連データが削除されていた場合、削除された対象関連データを、記憶部304から削除してよく、削除するスケジュールを決定して、決定したスケジュールに従って削除してもよい。管理部308は、問い合わせの結果、オリジンノード100において対象関連データが更新されていた場合、当該対象関連データを記憶部304から削除してよく、更新された対象関連データをオリジンノード100から取得して、記憶部304に記憶されている対象関連データと置き換えてもよい。
【0080】
図8は、リレーノード200の機能構成の一例を概略的に示す。リレーノード200は、取得部202、記憶部204、及び管理部206を備える。
【0081】
取得部202は、各種データを取得する。取得部202は、対象関連データを取得してよい。取得部202は、取得した対象関連データを記憶部204に記憶させる。記憶部204は、リレー記憶部の一例であってよい。
【0082】
管理部206は、取得部202に記憶されているデータを管理する。管理部206は、リレー管理部の一例であってよい。管理部206は、下位のボトムノード300から、削除した対象関連データの通知を受け付けた場合であって、通知された対象関連データが記憶部204に記憶されていない場合、当該対象関連データを記憶部204に記憶させる。管理部206は、下位のボトムノード300から、削除した対象関連データの通知を受け付けた場合であって、通知された対象関連データが記憶部204に記憶されている場合、記憶部204に記憶されている対象関連データと、通知された対象関連データのうち、タイムスタンプがより新しい対象関連データのみを記憶部204に記憶させてよい。
【0083】
管理部206は、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした対象関連データを記憶部204から削除してよい。例えば、管理部206は、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が予め定められた期間継続した対象関連データを、記憶部204から削除する。管理部206は、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が、対象関連データに対応する対象の属性に応じた期間継続した対象関連データを、記憶部204から削除するようにしてもよい。
【0084】
管理部308と管理部206とは、異なる期間の基準で対象関連データを削除するようにしてもよい。例えば、管理部308が、記憶部304に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間継続した対象関連データを記憶部304から削除し、管理部206が、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間よりも長い第2の期間継続した対象関連データを記憶部204から削除する。
【0085】
管理部206は、例えば、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度が予め定められた頻度よりも低い対象関連データを、記憶部204から削除してもよい。管理部206は、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度が、対象関連データに対応する対象の属性に応じた頻度よりも低い対象関連データを、記憶部204から削除するようにしてもよい。
【0086】
管理部206は、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、未使用の状態がより長い対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。例えば、管理部206は、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、リレーノード200の記憶容量が当該予め定められた容量閾値、又は、当該予め定められた容量閾値よりも少ない他の容量閾値よりも少なくなるまで、未使用の状態が長い順に対象関連データを削除する。管理部206は、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量を超えた場合に、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、使用頻度がより少ない対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。例えば、管理部206は、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、リレーノード200の記憶容量が当該予め定められた容量閾値、又は、当該予め定められた容量閾値よりも少ない他の容量閾値よりも少なくなるまで、使用頻度が少ない順に対象関連データを削除する。管理部206は、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量を超えた場合に、記憶部204に記憶されている対象関連データを、ランダムに削除するようにしてもよい。
【0087】
管理部206は、管理部308と同様に、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象の位置に関連する条件を満たした対象関連データを記憶部204から削除するようにしてもよい。管理部206は、管理部308と同様に、リレーノード200の記憶容量が予め定められた容量閾値を超えた場合に、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象の位置と、リレーノード200に対応する位置との距離がより長い対象関連データを優先的に削除するようにしてもよい。
【0088】
管理部206は、管理部308と同様に、記憶部204に記憶されている対象関連データのうち、対象関連データに対応する対象のスケジュール情報が条件を満たした対象関連データを記憶部204から削除するようにしてもよい。
【0089】
管理部206は、オリジンノード100の管理部106から、削除した対象関連データの通知を受信した場合であって、通知された対象関連データが記憶部204に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部204から削除してよい。管理部206は、通知された対象関連データが記憶部204に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部204から削除するスケジュールを決定してよく、決定したスケジュールに従って、当該対象関連データを削除してもよい。
【0090】
管理部206は、オリジンノード100の管理部106から、更新した対象関連データの通知を受信した場合であって、通知された対象関連データが記憶部204に記憶されている場合に、当該対象関連データを記憶部204から削除してよい。管理部206は、更新された対象関連データをオリジンノード100から取得して、記憶部204に記憶されている対象関連データと置き換えてもよい。
【0091】
管理部206は、記憶部204に記憶されている対象関連データについて、定期的にオリジンノード100に問い合わせを行ってもよい。管理部206は、問い合わせの結果、オリジンノード100において対象関連データが削除されていた場合、削除された対象関連データを、記憶部204から削除してよく、削除するスケジュールを決定して、決定したスケジュールに従って削除してもよい。管理部206は、問い合わせの結果、オリジンノード100において対象関連データが更新されていた場合、当該対象関連データを記憶部204から削除してよく、更新された対象関連データをオリジンノード100から取得して、記憶部204に記憶されている対象関連データと置き換えてもよい。
【0092】
図9は、オリジンノード100、リレーノード200、又はボトムノード300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0093】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0094】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0095】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0096】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0097】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0098】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0099】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0100】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0101】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0102】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0103】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0104】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0105】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0106】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0107】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0108】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0109】
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0110】
10 システム、20 対象人物、100 オリジンノード、102 取得部、104 記憶部、106 管理部、200 リレーノード、202 取得部、204 記憶部、206 管理部、300 ボトムノード、302 取得部、304 記憶部、306 サービス提供部、308 管理部、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象関連データを記憶するオリジン記憶部を有するオリジンノードと、
複数のボトムノードと、
前記オリジンノードと前記複数のボトムノードとの間の階層に位置する複数のリレーノードと
を備えるシステムであって、
前記複数のボトムノードのそれぞれは、
前記オリジンノードから受信した対象関連データを記憶するボトム記憶部と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって上位の前記リレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、前記オリジンノードに記憶されている当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させるサービス提供部と、
前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除して、削除した前記対象関連データを上位の前記リレーノードに通知するボトム管理部と
を有し、
前記複数のリレーノードのそれぞれは、
リレー記憶部と、
下位の前記複数のボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されていない場合、当該対象関連データを前記リレー記憶部に記憶させるリレー管理部と
を有し、
前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除する、システム。
【請求項2】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が第1の期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除し、
前記リレー管理部は、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記第1の期間よりも長い第2の期間継続した前記対象関連データを前記リレー記憶部から削除する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リレー管理部は、下位の前記ボトムノードから前記通知を受け付けた場合であって、通知された前記対象関連データが前記リレー記憶部に記憶されている場合、前記リレー記憶部に記憶されている前記対象関連データと、通知された前記対象関連データのうち、タイムスタンプがより新しい前記対象関連データのみを前記リレー記憶部に記憶させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、未使用の状態が前記対象関連データに対応する対象の属性に応じた期間継続した前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ボトム管理部は、前記ボトム記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、前記対象関連データに対応する対象の位置に関連する条件を満たした前記対象関連データを前記ボトム記憶部から削除する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記対象関連データは、対象を認証するために用いるデータであり、
前記サービス提供部は、認証対象の前記提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部に記憶されていない場合であって上位の前記リレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記ボトム記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いた認証サービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記ボトム記憶部に記憶させる、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
情報処理装置であって、
複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶する記憶部と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって、前記オリジンノードと前記情報処理装置との間の階層に位置する複数のリレーノードのうちの前記情報処理装置の上位のリレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供部と
前記記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記記憶部から削除して、削除した前記対象関連データを上位の前記リレーノードに通知するボトム管理部と
を備える情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータを、請求項7に記載の情報処理装置として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
コンピュータによって実行される管理方法であって、
複数の対象関連データを記憶するオリジンノードから受信した対象関連データを記憶部に記憶するデータ記憶段階と、
サービスを提供する対象である提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されている場合に、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供し、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部に記憶されていない場合であって、前記オリジンノードと前記コンピュータとの間の階層に位置する複数のリレーノードのうちの前記コンピュータの上位のリレーノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させ、当該提供対象に対応する前記対象関連データが前記記憶部及び前記リレーノードに記憶されていない場合であって前記オリジンノードに記憶されている場合、当該対象関連データを用いたサービスを当該提供対象に提供して当該対象関連データを前記記憶部に記憶させるサービス提供段階と、
前記記憶部に記憶されている前記対象関連データのうち、予め定められた条件を満たした前記対象関連データを前記記憶部から削除して、削除した前記対象関連データを上位の前記リレーノードに通知するボトム管理段階と
を備える管理方法。