(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014296
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】蒸気弁制御調整支援システムおよび蒸気弁制御調整方法
(51)【国際特許分類】
G05B 11/36 20060101AFI20240125BHJP
F01D 17/10 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G05B11/36 U
F01D17/10 L
F01D17/10 C
G05B11/36 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117010
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘルナンデス ヘレラ マルコス
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】正部家 仁
【テーマコード(参考)】
3G071
5H004
【Fターム(参考)】
3G071AA01
3G071AB01
5H004GA21
5H004GA34
5H004GB20
5H004HA07
5H004HB07
5H004KA47
(57)【要約】
【課題】蒸気弁の調整の時間と人数を低減する。
【解決手段】実施形態によれば蒸気弁制御調整支援システム100は、対象とする蒸気弁に関して、試験用の入力端から順次入力し計測器から得る各部の変位データである計測データに基づき蒸気弁の制御機構を調整する蒸気弁制御調整支援システム100であって、計測データを受け入れる入力部110と、計測データおよび制御機構の調整において必要な各特性の判定用に用いられる複数の区分特性判定用データを記憶する記憶部120と、計測データを変換し調整の要否を判定し調整量を算出する演算部130とを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする蒸気弁に関して、試験用の入力端から順次入力し計測器から得る各部の変位データである計測データに基づき前記蒸気弁の制御機構を調整する蒸気弁制御調整支援システムであって、
前記計測データを受け入れる入力部と、
前記計測データおよび前記制御機構の調整において必要な各特性の判定用に用いられる複数の区分特性判定用データを記憶する記憶部と、
前記計測データを変換し調整の要否を判定し調整量を算出する演算部と、
を備えることを特徴とする蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項2】
前記変位データは、前記蒸気弁に関して同時に採取されたデータの集合であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項3】
前記演算部は、
前記計測データを、前記区分特性判定用データと対比可能な複数の区分特性計測データに変換する区分特性導出部と、
複数の前記区分特性計測データのそれぞれについて、管理対象点の値である管理対象値を導出する管理対象値導出部と、
前記区分特性計測データを前記区分特性判定用データと照合する区分特性照合部と、
を有することを特徴とする請求項1に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項4】
前記演算部は、
前記区分特性照合部の結果に基づいて要調整点を摘出する要調整点摘出部と、
前記要調整点に関しての調整量を算出する調整量算出部と、
をさらに有することを特徴とする請求項3に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項5】
前記演算部は、
前記調整量に基づく下流側の特性を導出する調整量導出部と、
をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項6】
前記演算部は、前記区分特性計測データのそれぞれについて、グラフデータを作成するグラフデータ作成部をさらに有し、
前記グラフデータに基づいてグラフを表示する出力部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項3に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項7】
前記管理対象点は、動き出し点、オンポート点、折れ点、全開点およびヒステリシスの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項3に記載の蒸気弁制御調整支援システム。
【請求項8】
対象とする蒸気弁に関して、試験用の入力端から順次入力し計測器から得る各部の変位データである計測データに基づき前記蒸気弁の制御機構を調整する蒸気弁制御調整方法であって、
最上流部を操作し最下流までの各計測値を同時採取するステップと、
蒸気弁制御調整支援システムの演算部が、調整の要否を判断するステップと、
前記調整が必要と判断された場合に、前記演算部が調整量を決定するステップと、
を有することを特徴とする蒸気弁制御調整方法。
【請求項9】
前記調整の要否の判断は、
各区分特性を導出するステップと、
導出された前記区分特性において管理対象点の値の確認を行うステップと、
前記管理対象点の前記値を、区分特性判定用データと照合するステップと、
を用いて行われることを特徴とする請求項8に記載の蒸気弁制御調整方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、蒸気弁制御調整支援システムおよび蒸気弁制御調整方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に発電所における蒸気タービンの制御は、大型の蒸気弁を使用して行われている。蒸気弁は適切なタイミングで開閉動作する必要があるため、様々な制御機構と接続されている。蒸気タービン回転数を正確に安定して制御するためには、制御機構およびレバーリンク機構から構成される制御系統が適切に調整されている必要がある。
【0003】
図25は、従来の蒸気弁制御調整方法の手順を示すフロー図である。適切な調整を行うため、現在の蒸気弁調整プロセスは次のようなステップを踏んで行われる。
(1)計測対象となる箇所に計測器を設置するステップS1、
(2)手動操作で蒸気弁およびレバーリンクと制御機構を少しずつ動かすステップS2a、
(3)動かした後に各点の動作量を計測器により目視で確認し、計測値を記録するステップS2b、
(4)作業者が、記録されたデータに基づいて調整の要否を判断するステップS3、
(5)調整の必要がある場合は調整を行い(ステップS4)、ステップS2a、ステップS2b、ステップS3を行い、調整の必要がなくなるまで繰り返すステップS5、
(6)調整後の最終データを記録するステップS6、
(7)記録したデータをパソコン等に入力しグラフ化することで特性を可視化し直線性等の最終確認を行うステップS7。
【0004】
また、最も上流側にある操作端から最も下流側にある操作対象となる蒸気弁までは、多くの制御機構とレバーリンクにより接続されており、計測対象が多い。このため、上流を調整すると下流側に影響することから、一般的に上流、中流、下流といったように、調整範囲をいくつかの区分に区切り、上流側から順番に上述した蒸気弁調整プロセスに従い調整を行っていく方法を取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来方法では、各制御機構、弁本体およびレバーリンク機構のストローク確認は、それぞれの計測対象が配置されている現場で計測器を設置し、弁を少しずつ操作しながら各計測器の計測値を繰り返し目視で確認し、記録を取ることになる。それぞれ の計測点の位置が互いに離れていることから、各箇所にそれぞれ計測器の読み手として人員を配置する必要がある。また、調整は下流側への影響があるため一カ所ずつ行い、調整のたびにデータを再度計測して確認していく。
【0007】
これに加えて、上流から数カ所に区切って行うため、区切った分の回数の作業を行う必要があり、時間と手間と人数が必要な作業となっている。また、計測器の読み間違いや、調整量の算出間違い等による後戻り作業や誤調整による品質問題を発生させる可能性もある。
【0008】
本発明の目的は、蒸気弁の調整の時間と人数を低減可能な蒸気弁制御調整支援システムおよび蒸気弁制御調整方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するため、本発明の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムは、対象とする蒸気弁に関して、試験用の入力端から順次入力し計測器から得る各部の変位データである計測データに基づき前記蒸気弁の制御機構を調整する蒸気弁制御調整支援システムであって、前記計測データを受け入れる入力部と、前記計測データおよび前記制御機構の調整において必要な各特性の判定用に用いられる複数の区分特性判定用データを記憶する記憶部と、前記計測データを変換し調整の要否を判定し調整量を算出する演算部と、を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の対象とする蒸気弁を含む蒸気タービンシステムの例を示す概念的な構成図である。
【
図2】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の対象とする蒸気弁の制御機構の例についての動作を説明するための制御系統図である。
【
図3】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における区分特性を説明するための概念的なブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図5】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の手順を示すフロー図である。
【
図6】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における蒸気弁制御調整支援システムの演算部による判断の詳細な手順を示すフロー図である。
【
図7】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法において得られた区分特性の第1の例を示すグラフである。
【
図8】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法において得られた区分特性の第2の例を示すグラフである。
【
図9】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において動き出し点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図10】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性においてオンポート点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図11】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において折れ点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図12】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において第4の管理対象点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図13】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において第5の管理対象点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図14】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた管理対象点の値に基づいた照合および調整要否の判定のアルゴリズムを示すフロー図である。
【
図15】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られ管理対象点の値に基づき調整要となった場合の調整量を算出するアルゴリズムを示すフロー図である
【
図16】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られ管理対象点の値に基づき調整した場合の下流側の確認の条件の設定のアルゴリズムを示すフロー図である
【
図17】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における調整箇所の例を示す制御系統図である
【
図18】第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における調整部分であるレバーの構成図である
【
図19】第2の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図20】第2の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの計測機能を示すブロック図である。
【
図21】第3の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図22】第3の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの遠隔監視操作盤の機能を示すブロック図である。
【
図23】第4の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムの構成を示すブロック図である。
【
図24】第4の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムのガイド部の機能を示すブロック図である。
【
図25】従来の蒸気弁制御調整方法の手順を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システムおよび蒸気弁制御調整方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の対象とする蒸気弁20を含む蒸気タービンシステム10の例を示す概念的な構成図である。
【0013】
まず、本実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100および蒸気弁制御調整方法が対象とする蒸気タービンシステム10の蒸気弁20に関する内容について説明する。
【0014】
蒸気タービンシステム10は、高圧タービン11、中圧タービン12、および低圧タービン13を有する。それぞれの静止部分は、タービンペデスタル1から支持されている。また、それぞれの回転部分であるロータ10aは互いに直列に結合し、複数の軸受14により回転可能に支持されている。
【0015】
これらを流れる作動流体である蒸気の量を調節するために、高圧タービン11の上流側には、2つの主蒸気止め弁(MSV)16および4つの蒸気加減弁(CV)17が設けられている。また、高圧タービン11から中圧タービン12に至る流路には、組合せ中間阻止弁18(CRV)が設けられている。ここで、主蒸気止め弁16、蒸気加減弁17および組合せ中間阻止弁18を、蒸気弁20と総称する。なお、蒸気弁20にこれら以外の弁が含まれてもよい、
【0016】
ロータ10aの端部には、全部軸受台15が設けられており、蒸気弁20の制御機構20a(
図2)などが収納されている。
【0017】
また、蒸気弁制御調整支援システム100がタービンペデスタル1あるいはそれとほぼ同じ高さレベルのタービン運転床の上に設置されている。
【0018】
図2は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の対象とする蒸気弁20の制御機構20aの例についての動作を説明するための制御系統図である。
【0019】
図2では、蒸気弁20として蒸気加減弁17の場合を例にとって示している。制御機構20aは、操作ハンドル21、速度リレー22、2次速度リレー23、カム機構24、パイロット弁25、油筒26、弁体27、およびレバーリンク機構28を有する。
【0020】
速度リレー22は、操作ハンドル21の回転角度に応じて変位する。なお、速度リレー22は、蒸気タービンシステム10の運転状態においては、タービン制御装置35により動作する。
【0021】
2次速度リレー23は、レバーリンク機構28を介して速度リレー22に結合する。
【0022】
カム機構24は、4つの蒸気加減弁17がそれぞれ所定の開度変化を生ずるように形成されたカム24aを有し、2次速度リレー23の変位を回転角度に変換する。
【0023】
カム機構24の回転角度に対応したカム24aとの取り合い位置に対して、レバーリンク機構28、パイロット弁25および油筒26の動作により、弁体27の変位(蒸気弁20の開度、ストローク)が決定される。
【0024】
計測対象である操作ハンドル21には回転角度計33rが、また、速度リレー22、2次速度リレー23、および弁体27には、速度リレー変位計31、2次速度リレー変位計32、蒸気弁変位計33がそれぞれ設けられている。また、変位計33は、それぞれの蒸気加減弁の弁体27に対応した、CV1変位計33a、CV2変位計33b、CV3変位計33c、およびCV4変位計33dで構成される。
【0025】
これらの回転角度計および変位計を総称して計測器30と呼ぶものとする。計測器30の出力は、蒸気弁制御調整支援システム100に送信される。
【0026】
なお、以上の説明では、蒸気弁制御調整支援システム100は、蒸気弁制御調整支援システム100がタービンペデスタル1あるいはタービン運転床の上に設置されている場合を例にとって示したが、これに限定されない。試験に便利な場所であれば他の場所でもよい。
【0027】
図3は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における区分特性を説明するための概念的なブロック図である。すなわち、
図3は、区分特性とは何かを説明するものである。
【0028】
図2を用いて蒸気加減弁17の場合について説明したように、操作ハンドル21での操作の影響が、速度リレー22、2次速度リレー23、弁体27の変位の変化に順次及んでいる。これらの各要素は機械的あるいは油圧機構により連結されているので、ガタなどによる無駄時間が存在しても無視しうる程度である。したがって、時間的に見れば、実際には、操作ハンドル21での操作とほぼ同時に、速度リレー22、2次速度リレー23、弁体27は変位する。
【0029】
一方、特性という観点で見れば、原因となる操作ハンドル21の操作位置とその結果である速度リレー22の変位との関係は、
図3の区分Aとみなせる。操作ハンドル21の操作位置pに対する速度リレー22の変位Xとの関係は、X=F
1(p)と表すことができる。
【0030】
同様に、原因となる速度リレー22の変位とその結果である2次速度リレー23の変位との関係は、
図3の区分Bとみなせる。速度リレー22の変位Xに対する2次速度リレー23の変位Yとの関係は、Y=G
1(X)と表すことができる。
【0031】
さらに、原因となる2次速度リレー23の変位とその結果である弁体27の変位との関係は、
図3の区分Cとみなせる。2次速度リレー23の変位Yに対する弁体27の変位Zとの関係は、Z=G
2(Y)と表すことができる。
【0032】
また、上述のように、操作ハンドル21での操作と同時に、速度リレー22、2次速度リレー23、弁体27が変位することから、それぞれの変位は、操作ハンドル21の操作位置pの関数として、X=F1(p)、Y=F2(p)、Z=F3(p)と、いずれも操作ハンドル21の操作位置pの関数として与えられる。すなわち、同じ操作ハンドル21の操作位置p1の値に対して、ぞれぞれの特性図に示すように、状態点S1、S2およびS3が同時に得られる。したがって、操作位置pの値を連続的あるいは離散的に増加あるいは減少させることにより、それぞれの区分の特性図が描かれることになる。
【0033】
なお、以降は、操作ハンドル21の操作位置pを、離散的にインデックスnで表す場合もある。
【0034】
図4は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100の構成を示すブロック図である。
【0035】
蒸気弁制御調整支援システム100は、入力部110、記憶部120、演算部130、および出力部140を有する。
【0036】
入力部110は、各変位計33の出力信号、各区分の区分特性参照データを含む外部入力を受け入れる。区分特性参照データには、各管理点の位置(グラフでの座標位置であり以下「管理値」という)およびそれぞれの許容誤差を含む。管理点については、
図7以降を参照時に説明する。
【0037】
記憶部120は、区分特性参照データ記憶部121、測定データ記憶部122、調整後データ記憶部123、グラフデータ記憶部124を有する。
【0038】
区分特性参照データ記憶部121は、入力部110が受け入れた各区分の区分特性参照データを収納、記憶する。測定データ記憶部122は、入力部110が受け入れた各変位計33の出力信号を収納、記憶する。調整後データ記憶部123は、調整した部分に関する調整結果を収納、記憶する。グラフデータ記憶部124は、グラフ作成用に生成されたグラフデータを収納、記憶する。
【0039】
演算部130は、区分特性導出部131、管理対象値導出部132、区分特性照合部133、要調整点摘出部134、調整量算出部135、下流側確認部136、各グラフのグラフデータ作成部137、グラフ作成部138を有する。
【0040】
区分特性導出部131は、測定データ記憶部122に収納された各変位計33の出力信号に基づいて、各区分特性を生成する。
【0041】
管理対象値導出部132は、管理対象点の値を自動的に算出する。管理対象値導出部132は、管理対象点としての動き出し点、オンポート点、折れ点、全開点およびヒステリシスをそれぞれ自動的に算出する部分、具体的には、動き出し点算出部132a、オンポート点算出部132b、折れ点算出部132c、全開点算出部132d、およびヒステリシス算出部132hを有する。
【0042】
区分特性照合部133は、生成された各区分特性を区分特性参照データ記憶部121に収納された区分特性参照データと照合する。具体的には、区分特性参照データに含まれる各管理点のついての比較を行う。
【0043】
要調整点摘出部134は、区分特性照合部133による照合の結果に基づいて、調整の要否を判断する。調整量算出部135は、調整要と判断された場合の調整量を算出する。
【0044】
下流側確認部136は、調整が行われた場合に、その下流側の区分特性を修正し、問題がないことを確認売する。なお、問題ないことの確認は、区分特性照合部133が行ってもよい。
【0045】
出力部140は、表示装置を含み、区分特性、調査の要否判定結果、調整量、調整結果等を、グラフ形式などにより出力する。
【0046】
図5は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法の手順を示すフロー図である。
【0047】
まず、計測器30を計測対象に設置する(ステップS10)。
【0048】
次に蒸気弁20の応答の測定を行う(ステップS20)。具体的には、まず、最上流部である操作ハンドル21を操作する(ステップS21)。次に、最下流側までの各計測値を同時採取する(ステップS22)。ここで最下流までとは、蒸気弁20の弁体27までの範囲を言う。この操作は、蒸気弁20が全閉から全開までとなる範囲で行う。
【0049】
次に、蒸気弁制御調整支援システム100の演算部130が判断用演算を行う(ステップS30)。ステップS30の詳細は、後に、
図6を参照しながら説明する。
【0050】
ステップS30の判断用演算結果に基づいて、演算部130の要調整点摘出部134が調整の要否を判断する(ステップS40)。
【0051】
ステップ40で調整要と判断された場合(ステップS40 YES)、演算部130の調整量算出部135が、調整量を算出する(ステップS51)。また、下流側確認部136は、この調整量により調整を行った場合の、調整後の区分特性を確認する(ステップS52)。なお、下流側確認部136による調整後の区分特性の導出には、下流側確認部136が区分特性導出部131を呼び出して用いてもよい。
【0052】
次に、調整を実施する(ステップS60)。調整とは、制御機構20aの各レバーリンク機構28、蒸気弁20が、それぞれ設計された範囲で動作するように、レバーの長さ等を調整することで適切なタイミングで動作する よう調整することである。調整の詳細は、後に
図17および
図18を引用しながら説明する。調整後のデータは、調整後データ記憶部123に収納、記憶される。
【0053】
ステップS40で調整要ではないと判断された場合(ステップS40 NO)および調整要と判断され(ステップS40 YES)、調整を行った場合、次に、調整後データ記憶部123に収納されたデータに基づいてグラフデータ作成部137およびグラフ作成部138が全閉位置からのデータ記録およびグラフ作成を行う(ステップS70)。
【0054】
図6は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における蒸気弁制御調整支援システム100の演算部130による判断の詳細な手順を示すフロー図である。以下、
図6に記載のフローに沿って、関連する図面を参照しながら詳細な手順を説明する。
【0055】
演算部130による判断ステップS30においては、まず、演算部130が各区分特性の導出を行う(ステップS31)。具体的には、測定データ記憶部122に収納された測定データに基づいて、区分特性導出部131が、各区分特性を導出する。
【0056】
図7は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法において得られた区分特性の第1の例を示すグラフである。また、
図8は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法において得られた区分特性の第2の例を示すグラフである。
【0057】
図7で示す第1の例は蒸気弁20が蒸気加減弁(CV)17の場合である。
図7の横軸は2次速度リレー変位X、縦軸は弁体変位Yである。
【0058】
2次速度リレー変位Xの増加に従って、CV第1弁が開き始め、順次、第4弁までが開く。
図7において、破線の円で示した開き出し点、折れ点、全開点の位置座標(X,Y)は、区分特性を特徴づける点であり、これらを管理対象点と呼ぶものとする。
【0059】
図8で示す第2の例は蒸気弁20が主蒸気止め弁16の場合である。
図8の横軸は操作ハンドル位置p(インデックスi)、縦軸はパイロット弁変位Xおよび油筒変位Yである。操作ハンドル位置pに対する油筒変位Yの関係はこれまで説明した区分特性に該当しないが、中間のパラメータXをスキップして直接に操作ハンドル位置pに対する油筒変位Yの特性を示してもよい。
【0060】
操作ハンドル位置pの増加に従って、パイロット弁が開き出し点で開き出し、途中開度であるオンポート点で開度が一定となり、折れ点において開度を増し全開点に至る。また、操作ハンドル位置pの増加に従って、MSV油筒が開き出し点で開き出し、途中開度である折れ点で開度がステップ的に増加し折れ点以降、開度が全開点まで一定となる。
図8において、破線の円で示した開き出し点、オンポート点、折れ点、全開点の位置座標(p,X)または(p,Y)もまた管理対象点である。
【0061】
ステップS31で区分特性が導出されたら、次に、演算部130が管理対象点の確認を行う(ステップS32)。すなわち、以下のように、演算部130が各管理対象点の算出を行う。なお、以下のステップS32aないしS32についてが、互いの前後関係は問わない。
【0062】
(1)動き出し点
動き出し点算出部132aが動き出し点位置の値の算出をおこなう(ステップS32a)。動き出し点は、縦軸データYの値が変化を始める点である。
【0063】
図9は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において動き出し点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。各時間ステップでの縦軸データYの値の変化を算出し、0でなくなった時を動き出し点と判定し、その際の時刻Tn、横軸データXn、縦軸データYnを求める。
【0064】
(2)オンポート点
オンポート点算出部132bがオンポート点位置の値の算出を行う(ステップS32b)。オンポート点は、縦軸データYの変化が止まる点である。
【0065】
図10は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性においてオンポート点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。動き出し点を過ぎた後の各時間ステップでの縦軸データYの値の変化を算出し、0でなくなった時をオンポート点と判定し、その際の時刻Tn、横軸データXn、縦軸データYnを求める。
【0066】
(3)折れ点
折れ点算出部132cが折れ点位置の値の算出を行う(ステップS32c)。折れ点 はYの値の変化率が変わる点である。
【0067】
図11は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において折れ点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。横軸データXおよび縦軸データYの変化量を監視し、縦軸データYの値が急増した場合に折れ点と判断し、傾きの変化を算出する。
【0068】
(4)全開点
全開点算出部132dが全開点位置の値の算出を行う(ステップS32d)。全開点は、縦軸データYの値がこれ以上変化しなくなる点である。
【0069】
図12は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性において全開点の値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。縦軸データYの最大値となった点を全開点と判定し、その位置の横軸データXn、縦軸データYnを求める。
【0070】
(5)ヒステリシス
ヒステリシス算出部132hがヒステリシスの値の算出を行う(ステップS32e)。
図13は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた区分特性においてヒステリシスの値を算出するアルゴリズムを示すフロー図である。すなわち、同じXに対する増加方向の縦軸の値Y
i+nから減少方向の縦軸の値Y
i-nを減じたhの最大値を算出し、これをヒステリシスの値とする。
【0071】
以上のように、ステップS32で各管理対象点の位置の値を得たら、次に、区分特性照合部133が区分特性判定用データとの照合を行う(ステップS33)。次に、この照合結果に基づいて、要調整点摘出部134が調整要否の判別を行う(ステップS34)。
【0072】
図14は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られた管理対象点の値に基づいた照合および調整要否の判定のアルゴリズムを示すフロー図である。
【0073】
図14では、動き出し点、オンポート点、折れ点、全開点およびヒステリシスに関するそれぞれのフローを示している。いずれも同様のフローなので、以下、動き出し点の場合を例にとって説明する。
【0074】
まず、区分特性照合部133が、ステップS32で算出された動き出し点(管理対象点)から管理値を減じて誤差値を算出する(ステップS33)。次に、要調整点摘出部134が、この誤差値に基づいて、調整要否の判別を行う(ステップS34およびステップS40)。詳細には、以下の通りである。
【0075】
まず、誤差値が正の値か否かを判別する。正の値の場合は、許容誤差の値から誤差値を減じ、その値が正の場合は、調整要否指標Jの値を1とする。また、誤差値が負の値の場合は、許容誤差の値から誤差値の絶対値を減じ、その値が正の場合は、調整要否指標Jの値をマイナス1(-1)とする。
【0076】
ここで、管理値および許容誤差は、入力部110が受け入れて区分特性参照データ記憶部121に収納されている区分特性参照データに含まれるそれぞれデータ値である。
【0077】
図15は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られ管理対象点の値に基づき調整要となった場合の調整量を算出するアルゴリズムを示す第1のフロー図である。すなわち、調整量の決定ステップS50の調整量の算出ステップS51において調整量算出部135が行う手順を示す。
【0078】
まず、調整要否指標Jの値が0ではないか否かを判定する。調整要否指標Jの値が0ではないと判定されなかった場合、すなわち、調整要否指標Jの値が0の場合は、調整不要となる。調整要否指標Jの値が0ではないと判定された場合は、次の調整量の算出ステップS51に移行する。すなわち、誤差値をレバー比で除することにより調整量を算出する。この算出結果とともに、調整要否値Kの値を1として出力する。なお、レバー比については、後に
図17を引用しながら説明する。
【0079】
図16は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法で得られ管理対象点の値に基づき調整した場合の下流側の確認の条件の設定のアルゴリズムを示すフロー図である。すなわち、調整量の決定ステップS50の下流側確認演算ステップS52において下流側確認部136が行う手順を示す。
【0080】
下流側確認部136は、調整要否値Kが1か否かを判定し、1ではない場合は補正無しとする。すなわち、調整は不要である。調整要否値Kが1の場合は、対象となるYiの値を(Yi+誤差値)に変更する。これらの結果を反映した条件に基づいて、下流側確認部136は確認計算を行う。下流側確認演算ステップS52の結果により、問題ない、即ち、調整を行うことにより全ての範囲で許容誤差以内になるとの結論となれば、実際の調整を行う。
【0081】
図17は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における調整箇所の例を示す制御系統図である。
【0082】
制御機構20aのたとえば速度リレー22と2次速度リレー23とを接続するレバーリンク機構28は、速度リレー22側に接続するレバー281、2次速度リレー23側に接続するレバー282、レバー281とレバー282を接続するレバー283を有する。また、レバー282は、その中間部分を支点284により回動可能に支持されている。
【0083】
支点284は、レバー282の全長を分割している。分割されて、速度リレー22側の長さがL1、2次速度リレー23側の長さがL2であるとする。この場合、レバー283からみてのレバー比は(L2/L1)である。前述のステップS52で示したレバー比は、たとえば2次速度リレー23の速度リレー22の区分特性に関する場合は、この値となる。前述のステップS50で説明した調整は、たとえばこの区分特性の場合、レバー283の長さL3を調節することにより行う。
【0084】
図18は、第1の実施形態に係る蒸気弁制御調整方法における調整部分であるレバー283の構成図である。
【0085】
レバー283は、ロッド283aおよびその長手方向の両端に取り付けられた2つの結合部283bを有する。それぞれの結合部283bはねじ部283cによりロッド283aと螺合しておりナット283dにより廻り止めされている。
【0086】
レバー283の長さL3は、ねじ部283cの螺合されている長さを調節することにより行うことができる。
【0087】
以上のように、本実施形態による蒸気弁制御調整支援システム100および蒸気弁制御調整方法によれば、操作ハンドル21のそれぞれの位置について計測器30により全てのデータを同時に取得し、演算部130が各区分特性を作成するとともに、区分特性参照データと照合して調整の要否の判定および調整量の算出を行う。この結果、区分特性取得のための計測を繰り返す必要がなく、また、データ整理の必要もない。この結果、蒸気弁20の調整の時間と人数を低減することができる。
【0088】
[第2の実施形態]
図19は、第2の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100aの構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、入力部110aが、データ収集法切替え部111を有する点が異なる。その他の点では第1の実施形態と同様である。
【0089】
図20は、第2の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100aの計測機能を示すブロック図である。
【0090】
データ収集法切替え部111は、データを、連続で収集する方法と、任意のタイミングで収集する方法を互いに切り替えるための連続計測開始ボタン111a、連続計測停止ボタン111b、連続計測保持ボタン111c、および任意データ採取ボタン111dを有する。これらの操作ボタンは、蒸気弁制御調整支援システム100aにおける監視操作盤上に配されている。なお、これらの操作ボタンは、ハード的なボタンでもよいし、画面上のタッチパネル方式のボタンであってもよい。
【0091】
連続計測開始ボタン111aを選択することにより、計測器30からの計測データが選択されたサンプ リング周期で連続的に入力部110aに受け入れられ、測定データ記憶部122に記録される。連続計測のサンプリング周期は任意で設定することができる。
【0092】
連続計測停止ボタン111bを選択することにより、データ計測を終了させることができ、連続計測停止ボタン111bを選択した後に再度データ計測を開始した際のデータは別のデータリストへ保存される。
【0093】
連続計測保持ボタン111cを選択することにより、計測データの収集を一 時停止させることができる。
【0094】
任意データ採取ボタン111dを選択することにより、任意のタイミングで計測データの収集を行うことができる。たとえば、操作ハンドル21の回転数などでは計測対象が変位でないため無線計測器を設置しにくい場合がある。このような場合に、操作ハンドル 21を1 回転操作する毎に任意データ採取ボタン111dを押下するなどして、データ計測中に操作ハンドル21の回転数が現在何回点であるかを、インデックス(n)として記録することにより、区分特性データの作成が可能となる。
【0095】
以上のように、状況に応じて、計測データの収集方法を選択可能とすることにより、試験時の作業負担の軽減および試験遂行の効率化を図ることができる。
【0096】
[第3の実施形態]
図21は、第3の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム101の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。本実施形態における蒸気弁制御調整支援システム101は、第1の実施形態と入力部110bのみが異なる蒸気弁制御調整支援現場システム100bと、これに加えて、遠隔監視操作盤102を備える。遠隔監視操作盤102には、遠隔アクセス許可ボタン102aが設けられている。
【0097】
図22は、第3の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム101の遠隔監視操作盤102の機能を示すブロック図である。
【0098】
遠隔監視操作盤102において、遠隔アクセス許可ボタン102aを押すと、
図22の破線で示すような小窓が表示される。小窓には、特性作成ボタン102b、過去データとの比較ボタン102c、測定開始ボタン102d、測定停止ボタン102e、保持ボタン102f、および任意データ採取ボタン102gが表示される。それぞれのボタンの指令に応じた遠隔監視操作盤102からの信号に応じて、蒸気弁制御調整支援現場システム100bがそれに対応する演算等を実施し、結果を遠隔監視操作盤102に返送する。この結果、遠隔操作盤102で、第1の実施形態あるいは第2の実施形態と同様の監視操作が可能となる。これは、たとえば、指導員が現場で対応できない場合でも対応が可能となる有効である。
【0099】
[第4の実施形態]
図23は、第4の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100cの構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形であり、ガイド部150をさらに有する。
【0100】
図24は、第4の実施形態に係る蒸気弁制御調整支援システム100cのガイド部150の機能を示すブロック図である。
【0101】
ガイド部150は、計測器選択ボタン150a、接続確認ボタン150b、および調整要領書表示ボタン150cを有する。
【0102】
計測器選択ボタン150aを押下することにより、計測器30の一覧が表示される。また、対象とする計測器を選択すると、測定データ記憶部122内のデータの割当先候補の一覧が表示され、選択作業を効率的に実施することができる。
【0103】
接続確認ボタン150bを押下することにより、選択した計測器30が音を発信することにより、各計測器30の接続、当該蒸気弁制御調整支援システムとの対応関係を確認することができる。
【0104】
また、調整要領書表示ボタン150cを押下することにより、調整要領書の内容が順次表示され、調整方法にしたがって調整することが可能となる。
【0105】
以上のように、ガイド部150によるガイドにより、試験を効率的かつ確実に実施することができる。
【0106】
以上、説明した実施形態によれば、蒸気弁の調整の時間と人数を低減可能な蒸気弁制御調整支援システムおよび蒸気弁制御調整方法を提供することが可能となる。
【0107】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0108】
1…タービンペデスタル、10…蒸気タービンシステム、10a…ロータ、11…高圧タービン、12…中圧タービン、13…低圧タービン、14…軸受、15…前部軸受台、16…主蒸気止め弁、17…蒸気加減弁、18…組合せ中間阻止弁、20…蒸気弁、20a…制御機構、21…操作ハンドル、22…速度リレー、23…2次速度リレー、24…カム機構、25…パイロット弁、26…油筒、27…弁体、28…レバーリンク機構、281、282、283…レバー、283a…ロッド、283b…結合部、283c…ねじ部、283d…ナット、284…支点、30…計測器、31…速度リレー変位計、32…2次速度リレー変位計、33…蒸気弁変位計、33a…CV1変位計、33b…CV2変位計、33c…CV3変位計、33d…CV4変位計、33r…回転角度計、35…タービン制御装置、100、100a…蒸気弁制御調整支援システム、100b…蒸気弁制御調整支援現場システム、101…蒸気弁制御調整支援システム、102…遠隔監視操作盤、110…入力部、111…データ収集法切替え部、111a…計測開始ボタン、111b…計測停止ボタン、111c…保持ボタン、120…記憶部、121…区分特性参照データ記憶部、122…測定データ記憶部、123…調整後データ記憶部、124…グラフデータ記憶部、130…演算部、131…区分特性導出部、132…管理対象値導出部、132a…動き出し点算出部、132b…オンポート点算出部、132c…折れ点算出部、132d…全開点算出部、132h…ヒステリシス算出部、133…区分特性照合部、134…要調整点摘出部、135…調整量算出部、136…下流側確認部、137…グラフデータ作成部、138…グラフ作成部、140…出力部、150…ガイド部