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特開2024-142965管理サーバー、画像形成装置、及び管理サーバーシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142965
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】管理サーバー、画像形成装置、及び管理サーバーシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20241003BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20241003BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/12 331
H04N1/00 127A
G06F3/12 303
B41J29/38 401
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055392
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100166523
【弁理士】
【氏名又は名称】西河 宏晃
(72)【発明者】
【氏名】杉山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】河西 努
(72)【発明者】
【氏名】染谷 有史
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AP10
2C061AQ01
2C061AQ04
2C061AQ05
2C061CQ23
2C061CQ33
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HJ08
2C061HK05
2C061HN05
2C061HN15
5C062AA02
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA37
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
(57)【要約】
【課題】サービス提供サーバーと画像形成装置とを少ない手順で接続する管理サーバー等の提供。
【解決手段】サーバー処理部120は、画像形成装置10との仮接続による通信を確立する(ステップS100)。また、サーバー処理部120は、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続のリクエストをサービス提供サーバー200から受信した場合に、本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置10に送信する(ステップS130)。また、サーバー処理部120は、URL情報に基づいて画像形成装置10が形成したコード情報を読み取った端末装置300からアクセス(ステップS320)が有った場合に、本接続による通信を確立する(ステップS140)。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置及びサービス提供サーバーと通信するサーバー通信部と、
サーバー処理部と、
を含み、
前記サーバー処理部は、
前記画像形成装置との仮接続による通信を確立し、
前記サービス提供サーバーと前記画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続のリクエストを前記サービス提供サーバーから受信した場合に、前記本接続による通信を確立するためのURL情報を、前記仮接続による通信により前記画像形成装置に送信し、
前記URL情報に基づいて前記画像形成装置が形成したコード情報を読み取った端末装置からアクセスが有った場合に、前記本接続による通信を確立することを特徴とする管理サーバー。
【請求項2】
請求項1に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記仮接続による通信を確立させるための認証情報に基づいて、前記画像形成装置と前記仮接続による通信を確立することを特徴とする管理サーバー。
【請求項3】
請求項1に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記本接続のリクエストとして、前記画像形成装置の識別情報を前記サービス提供サーバーから受信することを特徴とする管理サーバー。
【請求項4】
請求項1に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記本接続のリクエストとして、前記サービス提供サーバーと前記画像形成装置との前記本接続による通信を確立するための認証情報を、前記サービス提供サーバーから受信することを特徴とする管理サーバー。
【請求項5】
請求項4に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記サービス提供サーバーから前記認証情報を受信した後、前記端末装置から前記認証情報を受信したときに、前記本接続による通信を確立することを特徴とする管理サーバー。
【請求項6】
請求項1に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
ハッシュ値を含む前記URL情報を、前記仮接続による通信により前記画像形成装置に送信することを特徴とする管理サーバー。
【請求項7】
請求項6に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記画像形成装置に送信した前記URL情報に含まれるハッシュ値と、前記端末装置からのアクセスに基づく前記URL情報に含まれるハッシュ値とを比較することを特徴とする管理サーバー。
【請求項8】
請求項6に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記画像形成装置に送信した前記URL情報に含まれるハッシュ値と、前記端末装置からのアクセスに基づく前記URL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合、所定のエラーを報知することを特徴とする管理サーバー。
【請求項9】
請求項6に記載の管理サーバーにおいて、
前記サーバー処理部は、
前記画像形成装置に送信した前記URL情報に含まれるハッシュ値と、前記端末装置からのアクセスに基づく前記URL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合、前記端末装置からの再度のアクセスを、所定期間受け付けないことを特徴とする管理サーバー。
【請求項10】
サービス提供サーバーと通信接続する管理サーバーと通信する通信部と、
処理部と、
を含み、
前記処理部は、
前記管理サーバーとの仮接続による通信を確立し、
前記サービス提供サーバーと画像形成装置とを前記管理サーバーを介して接続する本接続による通信を確立するためのURL情報を、前記仮接続の通信により前記管理サーバーから受信したときに、前記URL情報を含むコード情報の印刷または表示をすることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の管理サーバーと、
前記画像形成装置と、
を含むことを特徴とする管理サーバーシステム。
【請求項12】
請求項11に記載の管理サーバーシステムにおいて、
前記画像形成装置は、
前記サービス提供サーバーと通信接続する前記管理サーバーと通信する通信部と、
処理部と、
を含み、
前記サーバー処理部は、
前記画像形成装置との前記仮接続による通信を確立し、
前記サービス提供サーバーと前記画像形成装置とを前記管理サーバーを介して接続する前記本接続のリクエストを前記サービス提供サーバーから受信した場合に、前記本接続による通信を確立するための前記URL情報を、前記仮接続による通信により前記画像形成装置に送信し、
前記処理部は、
前記URL情報を、前記仮接続の通信により前記管理サーバーから受信したときに、前記URL情報を含む前記コード情報の印刷または表示を行い、
前記サーバー処理部は、
前記URL情報に基づいて前記画像形成装置が形成した前記コード情報を読み取った前記端末装置からアクセスが有った場合に、前記本接続による通信を確立することを特徴とする管理サーバーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理サーバー、画像形成装置、及び管理サーバーシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークに接続されたサーバーを利用したサービスシステムが知られている。特許文献1には、サービスシステムに画像形成装置を登録する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-025667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置と接続するサービスシステムの構成が多様化していることに伴い、画像形成装置のセットアップからサービスシステムへの登録に至るまでの間に行う手順が、ユーザーにとって負担になっている。そのため、サービスシステムの利便性が十分とは言えない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様は、画像形成装置及びサービス提供サーバーと通信するサーバー通信部と、サーバー処理部と、を含み、前記サーバー処理部は、前記画像形成装置との仮接続による通信を確立し、前記サービス提供サーバーと前記画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続のリクエストを前記サービス提供サーバーから受信した場合に、前記本接続による通信を確立するためのURL情報を、前記仮接続による通信により前記画像形成装置に送信し、前記URL情報に基づいて前記画像形成装置が形成したコード情報を読み取った端末装置からアクセスが有った場合に、前記本接続による通信を確立する管理サーバーに関係する。
【0006】
また、本開示の一態様は、サービス提供サーバーと通信接続する管理サーバーと通信する通信部と、処理部と、を含み、前記処理部は、前記管理サーバーとの仮接続による通信を確立し、前記サービス提供サーバーと画像形成装置とを前記管理サーバーを介して接続する本接続による通信を確立するためのURL情報を、前記仮接続の通信により前記管理サーバーから受信したときに、前記URL情報を含むコード情報の印刷または表示をする画像形成装置に関係する。
【0007】
また、本開示の一態様は、上記した管理サーバーと、画像形成装置と、を含む管理サーバーシステムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】管理サーバーシステムの構成例を説明する図。
図2】本実施形態の処理の流れの例を説明する図。
図3】コード情報の表示または印刷の例について説明する図。
図4】コード情報の読み取り行った端末装置の画面例を説明する図。
図5】仮接続の処理の流れの例を説明する図。
図6】URL情報のハッシュ化の例について説明する図。
図7】本接続処理の処理例を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
図1は、本実施形態の管理サーバー100を含む管理サーバーシステム1の構成例を説明するブロック図である。本実施形態の管理サーバー100は、サーバー通信部110と、サーバー処理部120を含む。
【0011】
サーバー通信部110は、図1に示す画像形成装置10及びサービス提供サーバー200と通信し、所定の通信規格による通信を行う通信インターフェースである。また、サーバー通信部110は、後述する端末装置300と通信することもできる。サーバー通信部110は、例えば通信用ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又は通信用プロセッサーなどの通信用ハードウェアー、通信用ファームウェアー等により実現できる。本実施形態では、後述するサーバー処理部120が情報の送信処理や受信処理等、通信の制御処理をサーバー通信部110に対して行うことで、サーバー通信部110が画像形成装置10、サービス提供サーバー200等の外部装置に対して情報を送信したり、当該外部装置から情報を受信したりできる。つまり、サーバー通信部110は、所望の無線通信規格に対応するハードウェアーと通信用ファームウェアー等をそれぞれ含んでいる。所定の通信規格は、例えばWi-Fi(登録商標)等による無線通信であり、サーバー通信部110は、Wi-Fiの所定の接続モードによる無線通信を行う。所定の接続モードは、例えばインフラストラクチャーモードである。つまり、管理サーバー100は、不図示の外部アクセスポイントを介して画像形成装置10、サービス提供サーバー200、及び端末装置300と通信する。なお以降の説明において、サーバー処理部120がサーバー通信部110を介して各種データを送受信することを、単にサーバー処理部120が各種データを送受信すること、または、管理サーバー100が各種データを送受信することと表記することがある。
【0012】
サーバー処理部120は、管理サーバー100の各部の処理を行う。サーバー処理部120は、下記のハードウェアーにより構成される。ハードウェアーは、デジタル信号を処理する回路を含むが、さらにアナログ信号を処理する回路を含んでもよい。例えば、ハードウェアーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置と、1又は複数の回路素子で構成することができる。1又は複数の回路装置は例えばIC(Integrated Circuit)、FPGA(field-programmable gate array)等である。1又は複数の回路素子は例えば抵抗、キャパシター等である。また、サーバー処理部120は、少なくとも下記のプロセッサーを1つ含むことにより実現される。サーバー処理部120は、図1には図示していない情報を記憶するサーバーメモリーと、当該サーバーメモリーに記憶された情報に基づいて動作するプロセッサーと、を含む。情報は、例えばプログラムと各種のデータ等である。プロセッサーは、ハードウェアーを含む。プロセッサーは、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。サーバーメモリーは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、HDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、サーバーメモリーにはコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令がプロセッサーにより実行されることで、管理サーバー100の各部のうち一部又は全部の機能が処理として実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、プロセッサーのハードウェアー回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
【0013】
本実施形態の画像形成装置10は、例えばプリンターであるが、スキャナー、パーソナルコンピューター(Personal Computer)、ウェアラブル機器、生体情報測定機器、ロボット、映像機器又は物理量計測機器等でもよい。なお、ここでのプリンターは、例えばインクジェットプリンターであってもよいが、他に例えばドットインパクトプリンター、熱転写プリンター、レーザープリンター、またはレーベルプリンター等であってもよい。また、ウェアラブル機器はスマートウォッチ或いはアクティビティトラッカー等をいう。また、生体情報測定機器は、脈拍計或いは歩数計等をいう。また、映像機器はカメラ或いはプロジェクター等をいう。また、物理量計測機器は、温度計或いは体重計等をいう。また、ここでいうプリンターは複合機を含む。複合機とは、プリンター機能以外の機能を含むプリンターをいい、プリンター機能以外の機能は、コピー機能、ファックス機能又はスキャナー機能等であるが、他の機能でもよい。
【0014】
本実施形態の画像形成装置10は、通信部11と、処理部12を含む。通信部11は、管理サーバー100のサーバー通信部110と同様に、所定の通信規格に対応する通信インターフェースである。つまり本実施形態の通信部11は、当該所定の通信規格に対応するハードウェアーと通信用ファームウェアー等をそれぞれ含んでいる。処理部12は、管理サーバー100のサーバー処理部120と同様のプロセッサーにより構成され、不図示のメモリーから各種プログラムを読み出して入出力処理等を行うことにより、画像形成装置10として機能する。なお以降の説明において、処理部12が通信部11を介して各種データを送受信することを、単に処理部12が各種データを送受信すること、または、画像形成装置10が各種データを送受信することと表記することがある。また、図1では、一の管理サーバー100が一の画像形成装置10と接続しているように図示しているが、一の管理サーバー100に対して複数の画像形成装置10が接続することもできる。
【0015】
なお、本実施形態の画像形成装置10は、他の構成要素を追加することができる。他の構成要素とは、例えば印刷部、表示部等である。また、画像形成装置10は、さらに操作部を含んでもよく、操作部は例えばタッチパネルにより表示部と一体的なハードウェアーとしてもよい。なお、印刷部と表示部はどちらか一方があればよい。
【0016】
端末装置300は、例えばスマートフォン等の携帯情報端末であるが、パーソナルコンピューター等であってもよい。端末装置300は、図示は省略しているが、サーバー通信部110、通信部11と同様に、所定の通信規格に対応する通信インターフェースである端末装置通信部を含み、管理サーバー100、画像形成装置10と通信する。同様に、端末装置300は、サーバー処理部120、処理部12と同様のプロセッサーにより実現される端末装置処理部を含み、端末装置300の各部を制御する。また、端末装置300は、例えば端末装置記憶部、端末装置表示部、端末装置操作部等をさらに含んでもよいし、当該端末装置操作部は例えばタッチパネルにより当該端末装置表示部と一体的なハードウェアーとしてもよい。なお、以降の説明において、端末装置処理部が端末装置通信部を介して各種データを送受信することを端末装置300が各種データを送受信することと表記することがある。また、本実施形態においては、端末装置300のユーザーは、画像形成装置10のユーザーと同一の者または画像形成装置10のユーザーと同一視できる者であるものとする。画像形成装置10のユーザーと同一視できる者とは、例えば画像形成装置10のユーザーが属する店舗に勤務する者等である。
【0017】
サービス提供サーバー200は、画像形成装置10のサービスに関するデータを管理サーバー100に対して送受信する。具体的には例えば画像形成装置10がレシートプリンターである場合、POSシステムサーバー、プリンターメンテナンスサービスサーバー等がサービス提供サーバー200に対応する。つまり、サービス提供サーバー200を管理、運用等する者は、画像形成装置10に関するサービスを提供するサービス提供者である。一方、画像形成装置10を使用するユーザーは、画像形成装置10に関するサービスを享受するサービス享受者である。より具体的には、例えばサービス提供サーバー200がPOSシステムサーバーである場合、サービス提供者はPOSシステムの開発元であり、サービス享受者は当該POSシステムを導入した店舗の店員である。また、本実施形態において、一の管理サーバー100に対して、複数種類のサービス提供サーバー200が接続することもできる。
【0018】
なお、図示は省略しているが、サービス提供サーバー200は、サーバー通信部110と同様に、所定の通信規格に対応する通信インターフェースを含み、管理サーバー100と通信する。同様に、サービス提供サーバー200は、サーバー処理部120と同様のプロセッサーを含み、サービス提供サーバー200の各部を制御する。以降において、サービス提供サーバー200のプロセッサーが、サービス提供サーバー200の通信インターフェースを介して各種データを送受信することを、サービス提供サーバー200が各種データを送受信することと、簡略して表記する。
【0019】
例えば画像形成装置10を用いたPOSシステムサービスをサービス提供者が開発し、当該POSシステムサービスをサービス享受者が利用したいとする。この場合、サービス提供者はPOSシステムサービスソフトウェアーを画像形成装置10に組み込む。そしてサービス提供者は、当該POSシステムサービスソフトウェアーを組み込んだ当該画像形成装置10をサービス享受者に送付することで、POSシステムサービスを店舗等に提供できる。
【0020】
また、このような画像形成装置10を用いたサービスにおいて、画像形成装置10の販売元は、サービス提供者とサービス享受者に対し、画像形成装置10そのものに関する所定のサービスを提供することがある。所定のサービスとは、例えば画像形成装置10が正常に動作しなくなったことを迅速に検知することで、代替の画像形成装置10を迅速に用意するサービス等である。或いは、管理サーバー100がクラウドコンピューティングからなるサーバーである場合は、種々のクラウドサービスを所定のサービスに含めてもよい。このような所定のサービスを行うには、画像形成装置10の所定のデータを管理サーバー100が収集できるようにする必要がある。そのため、画像形成装置10の使用を開始するにあたり、画像形成装置10のユーザーは、管理サーバー100が所定のデータを収集することを許諾する手続が求められる。画像形成装置10のユーザーからの許諾が行われることによって、所定のサービスが利用可能な状態になる。
【0021】
このように、管理サーバー100は、所定のサービスを提供する側のサーバーであることから、管理サーバー100、サービス提供サーバー200及び画像形成装置10との間には、管理サーバー100をサーバーとし、サービス提供サーバー200及び画像形成装置10をクライアントとするクライアントサーバーシステムの関係が成り立つ。したがって、本実施形態において、画像形成装置10とサービス提供サーバー200は直接接続されることはなく、管理サーバー100は、画像形成装置10とサービス提供サーバー200との間でデータの送受信を中継する機能を果たしている。
【0022】
本実施形態において、図1に示すように、画像形成装置10とサービス提供サーバー200が、管理サーバー100を介して通信接続することを本接続と呼ぶ。例えば、所定のサービスの対象となる画像形成装置10を追加したい場合、サーバー処理部120は、当該画像形成装置10からのアクセスを許可する処理を行う。なお、クライアントとしての画像形成装置10、サービス提供サーバー200がそれぞれ複数有る場合、各画像形成装置10と各サービス提供サーバー200との間の関連付けが行われる。このように、所定のサービスを享受するためには、管理サーバー100を介してサービス提供サーバー200と画像形成装置10を本接続する設定を行う必要がある。
【0023】
しかし、上記したPOSシステムサービスのように、サービス提供者が行うサービスによっては、サービス提供者の居所とサービス享受者の居所が異なる場合がある。この場合、送付された画像形成装置10のセットアップは、サービス享受者である画像形成装置10のユーザーが行わなければならない問題がある。例えばサービス享受者は、画像形成装置10のセットアップの方法に習熟しているとは限らず、サービス享受者にとって負担が大きい。また、例えばサービス享受者の居所へサービスマンを派遣して画像形成装置10をセットアップすることは、サービス提供者側の負担が大きい。このように、画像形成装置10を用いたサービスを展開の利便性が十分とは言えない。本実施形態の手法は、このような問題を解決し、画像形成装置10を用いたサービスの利便性を向上させるものである。以降の説明において、サービス享受者である画像形成装置10及び端末装置300のユーザーを単にユーザーと簡略して表記することがある。
【0024】
図2は、本実施形態の手法に係る処理の流れの例を説明する図である。なお、図2において、下向きの矢印が時間軸を示しているが、矢印の長さが具体的な時間の長さを示すものではない。また、図示はしていないが、管理サーバー100とサービス提供サーバー200との間の通信は既に確立しているものとする。例えば管理サーバー100とサービス提供サーバー200との間でクライアントサーバーシステムが既に成立しているものとしてもよいし、或いは管理サーバー100とサービス提供サーバー200との間で所定のセッションが確立されているものとしてもよい。所定のセッションは、例えば画像形成装置10の製造元がサービス提供者に対して所定の接続ソフトウェアーを提供することにより確立される。
【0025】
ユーザーは、画像形成装置10に対してネットワーク設定(ステップS20)を行う。なお、図2のステップS20は、説明の便宜上、画像形成装置10と端末装置300が接続するように図示しているが、画像形成装置10は端末装置300以外の外部機器と接続することもできる。例えば前述のように、サービス提供者はユーザー宛に、梱包された状態で画像形成装置10を送付する。なお、このとき、ステップS320で後述する、本接続を行うための認証情報を、サービス提供者からユーザー宛に送付してもよい。具体的には例えば、サービス提供者は、本接続を行うための認証情報が記載された紙面を、画像形成装置10と同梱してユーザー宛に送付してもよい。そして例えばユーザーは開梱した画像形成装置10に対して、例えばWi-Fiのインフラストラクチャーモード等による通信を確立させる、これにより、画像形成装置10と端末装置300等との間で通信できる状態を作ることができる。なお、画像形成装置10のネットワーク設定を簡単に行う手法が多数提案されていることから、ユーザーにとってステップS20に係る作業は大きな負担にならない。また、ここでの画像形成装置10と端末装置300との間で通信できる状態とは、画像形成装置10と端末装置300との間でネットワークアクセスが許可されているという意味である。
【0026】
その後ユーザーは、タイミングt1において、画像形成装置10と管理サーバー100との間で仮接続(ステップS100)を行う。仮接続とは、前述した本接続を行うために、管理サーバー100と画像形成装置10との間で一時的に確立された無線通信接続である。例えば仮接続に係るプログラムモジュールは、サービス提供者によって画像形成装置10に予め組み込まれた状態でユーザーに送付されている。ステップS100の詳細は後述するが、仮接続の処理が開始された後は、仮接続の確立まで自動的に完了するようになっている。つまり、仮接続(ステップS100)を行うことはユーザーにとって大きな負担にはならない。なお、複数の画像形成装置10と管理サーバー100との間で仮接続(ステップS100)が行われると、一の画像形成装置10と管理サーバー100との間に張られたセッションが別々に存在する。
【0027】
その後、タイミングt2において、サーバー処理部120は、サービス提供者によりサービス提供サーバー200を介して本接続リクエストを受信する(ステップS200)。なお、図2において、タイミングt2がタイミングt1の後のタイミングとなるように図示しているが、タイミングt1がタイミングt2の後のタイミングとなってもよい。サーバー処理部120は、後述するステップS130を、ステップS100とステップS200との両方が行われたことを条件に実行される。つまり、ステップS100が完了したタイミングで、サーバー処理部120は、後述するステップS130を実行し、画像形成装置10にURL情報を送信することも起こり得るが、それは構わない。また、タイミングt1は、例えばステップS20が完了したタイミングであってもよいが、例えばユーザーが任意に決定できるようにしてもよい。つまり、画像形成装置10のネットワーク設定が完了すると、画像形成装置10において自動的に仮接続用のプログラムが起動できるようにすることで、ステップS20が完了したタイミングをタイミングt1とすることができる。或いは、ユーザーが画像形成装置10の不図示の操作部を操作することによって仮接続用のプログラムが起動するようにすることで、ユーザーはタイミングt1を任意に決定できるようにしてもよい。
【0028】
その後サーバー処理部120は、後述する手法により、上記した仮接続のセッションを用いて画像形成装置10にURL情報を送信する(ステップS130)。つまり図2のA1の点線枠は仮接続のセッションであることを概念的に示している。URL情報は、後述するステップS320で用いられる、管理サーバー100のIPアドレスに対応する情報である。
【0029】
処理部12は、ステップS130により管理サーバー100から受信したURL情報に基づいてコード情報を形成し、出力する(ステップS40)。例えば処理部12は、URL情報からコード情報を形成するソフトウェアーとしての機能を果たす。コード情報は、例えば一次元コードでもよいし、二次元コードでもよい。二次元コードは、横方向にしか情報を持たない一次元コードに対し、例えば水平方向と垂直方向に情報を持つ表示方式のコードである。また、本実施形態の二次元コードの種類はスタック型でもよいし、マトリックス型でもよく、特に制限されないが、例えばQRコード(登録商標)を採用することができる。以降の説明及び図示において、コード情報は二次元コードを例示する。
【0030】
なお、ステップS40は、画像形成装置10から端末装置300に向かう矢印を便宜的に示しているが、画像形成装置10から端末装置300に対してコード情報を直接送信していなくてもよい。例えば、処理部12は、コード情報を表示または印刷する処理を行うことで、ステップS40を実現してもよい。より具体的には、例えば図3のA11に示すように、二次元コードが印刷された印刷媒体Pが印刷部から排出されるとともに、A12に示す二次元コードが表示部に表示される。なお、A11に示す二次元コードと、A12に示す二次元コードは同一の二次元コードである。そしてユーザーは、端末装置読取部を用いていずれかの二次元コードを読み取ることで、ステップS40が実現できる。なお、図3において、画像形成装置10は表示部と印刷部の両方を含むように図示しているが、いずれか一方があればよく、画像形成装置10の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば画像形成装置10がレシートプリンターである場合は、A11に示す二次元コードが印刷された印刷媒体Pが排出できればよい。
【0031】
このように、ステップS100、ステップS200、ステップS130の処理にユーザーは関与していない。特に、ステップS20で画像形成装置10のネットワークを設定するとともにステップS100が実行されるようにした場合、ユーザーは、ステップS20で画像形成装置10のネットワークを設定した後は、ステップS40でコード情報が表示または印刷されることを待てばよい。
【0032】
そして端末装置300は、ステップS40で出力されたコード情報を読み取る(ステップS310)。より具体的には、ユーザーが、端末装置300に含まれる不図示の端末装置撮像部が、当該コード情報を撮像することで、ステップS310が実現できる。より具体的には、端末装置300の端末装置表示部には、図4のA20の画面例に示すように、A21に示す二次元コードの画像が表示される。そして端末装置処理部は二次元CCDスキャナー等を制御して当該二次元コードの画像に基づく情報を復元する処理を行う。これにより、A20の画面例は例えばA30の画面例のように表示される。A30の画面例において、例えばA31で示すURL情報を含む画像が表示される。なお、A31に示すURL情報は例示であって、実在の組織等を示すものではない。そしてユーザーは、A30で示す画像を選択する操作を行うと、A40に示す画面例のように管理サーバー100のWebページが表示される。このようにすることで、図2に示すように、タイミングt3において、端末装置300から管理サーバー100へのアクセス(ステップS320)が行われる。つまり、ユーザーがA31に示すURL情報を含む画像を選択すると、端末装置処理部は、管理サーバー100に対して所定のWebページのデータを要求する処理と、Webブラウザーを起動する処理を行う。そしてWebブラウザーは取得したWebページのページデータを表示する処理を行う。そしてユーザーは、A40に示す画面において、画像形成装置10に同梱されていた紙面に記載の認証情報を、必要に応じて入力することで、管理サーバー100が画像形成装置10の所定のデータを収集することを許諾する。
【0033】
なお、図4のA40は、認証情報の入力を求める画面例であるが、本実施形態において認証情報の入力は省略可能である。その場合、図示は省略するが、例えばユーザーがA30の画像を選択する操作を行った場合、本接続が確立した旨のWebページが表示されるようにしてもよい。
【0034】
その後管理サーバー100は、本接続処理(ステップS140)を行う。ステップS140の詳細は図7で後述するが、サーバー処理部120は、ユーザーからの許諾を確認することで、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続を行う。つまり、A2に示す範囲でクライアントサーバーシステムが成立している。例えばサーバーとしての管理サーバー100は、クライアントとしての画像形成装置10からA3に示すデータを収集する。その後、A4に示すように、サーバーとしての管理サーバー100は、クライアントとしてのサービス提供サーバー200に、A3に示したデータと同様のデータを送信する。
【0035】
以上のように、本実施形態の管理サーバー100は、画像形成装置10及びサービス提供サーバー200と通信するサーバー通信部110と、サーバー処理部120と、を含む。サーバー処理部120は、画像形成装置10との仮接続による通信を確立する(ステップS100)。また、サーバー処理部120は、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続のリクエストをサービス提供サーバー200から受信した場合に、本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置10に送信する(ステップS130)。また、サーバー処理部120は、URL情報に基づいて画像形成装置10が形成したコード情報を読み取った端末装置300からアクセス(ステップS320)が有った場合に、本接続による通信を確立する(ステップS140)。
【0036】
このように、本実施形態の管理サーバー100は、サーバー通信部110を含むことから、画像形成装置10、サービス提供サーバー200、端末装置300と通信できる。また、管理サーバー100は、サーバー処理部120を含むことから、画像形成装置10と仮接続による通信を確立できる。このようにすることで、管理サーバー100と画像形成装置10との間で仮接続によるセッションが確立されていることから、本接続による通信を確立するためのURL情報を、管理サーバー100から画像形成装置10に送信できる。また、端末装置300から送信したURL情報に基づくアクセスが有った場合に、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続を確立することから、サービス享受者であるユーザーに高度な知識、作業等を要することなく、本接続を確立できる。
【0037】
これまで、画像形成装置10を用いたサービスにおいて、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続するにあたり、高度な知識を要することなく、少ない手順で接続を確立する手法については提案されていない。本実施形態においては、図2に示す各処理を通じて、ユーザーが行うべき最低限の作業は、ステップS20において画像形成装置10のネットワークを設定することと、ステップS310で端末装置300を用いてコード情報を読み取り、図4のA30の画面を選択することのみである。これにより、サービス提供者ではないサービス享受者は、高度な知識を要することなく、画像形成装置10とサービス提供サーバー200を適切に接続することができる。
【0038】
また、本実施形態の手法は画像形成装置10として実現してもよい。つまり本実施形態の画像形成装置10は、サービス提供サーバー200と通信接続する管理サーバー100と通信する通信部11と、処理部12と、を含む。処理部12は、管理サーバー100との仮接続による通信を確立する(ステップS100)。また処理部12は、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続の通信により管理サーバー100から受信したとき(ステップS130)に、URL情報を含むコード情報の印刷または表示をする(ステップS40)。このようにすることで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、本実施形態の手法は管理サーバーシステム1として実現してもよい。つまり、本実施形態の管理サーバーシステム1は、管理サーバー100と、画像形成装置10と、を含む。より具体的には、本実施形態の管理サーバーシステム1において、画像形成装置10は、サービス提供サーバー200と通信接続する管理サーバー100と通信する通信部11と、処理部12と、をさらに含む。サーバー処理部120は、画像形成装置10との仮接続による通信を確立する(ステップS100)。また、サーバー処理部120は、サービス提供サーバー200と画像形成装置10とを管理サーバー100を介して接続する本接続のリクエストをサービス提供サーバー200から受信(ステップS200)した場合に、本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置10に送信する(ステップS130)。また、処理部12は、URL情報を、仮接続の通信により管理サーバー100から受信したときに、URL情報を含むコード情報の印刷または表示を行う(ステップS40)。また、サーバー処理部120は、URL情報に基づいて画像形成装置10が形成したコード情報を読み取った端末装置300からアクセス(ステップS320)が有った場合に、本接続による通信を確立する(ステップS140)。このようにすることで、上記と同様の効果を得ることができる。
【0040】
次に、図5を用いて仮接続(ステップS100)の詳細について説明する。サーバー処理部120は、画像形成装置10から仮接続要求パケットを受信する(ステップS102)。そしてサーバー処理部120は、認証情報を含めた応答パケットを処理部12に送信する(ステップS104)。ここでの認証情報は、仮接続に必要な認証情報である。これにより、処理部12は、仮接続に必要な認証情報を取得する。その後処理部12は、受信した認証情報を含む要求パケットを送信する(ステップS106)。サーバー処理部120は、受信した認証情報に基づき、ステップS130に係る要求パケットを送信した画像形成装置10と、仮接続に係る通信方式によって仮接続を確立させる。これにより、画像形成装置10と管理サーバー100との間で仮接続が確立する。このように、本実施形態の管理サーバー100においてサーバー処理部120は、仮接続による通信を確立させるための認証情報に基づいて、画像形成装置10と仮接続による通信を確立する。このようにすることで、サーバー処理部120は、管理サーバー100との仮接続を要求する画像形成装置10に対して、確実に仮接続を行うことができる。例えば、ステップS130に係る要求パケットが、ユーザー以外の者が保有する画像形成装置10から管理サーバー100に送信される可能性がある。その点、本実施形態の手法を適用することで、サーバー処理部120は、当該要求パケットに認証情報が含まれていないと判断できるので、当該要求パケットを破棄する等の処理により、意図しない仮接続が行われることを回避できる。
【0041】
なお、ステップS102が行われると、ステップS104、ステップS106は自動的に行われる。そのため、例えばネットワーク設定(ステップS20)が完了したタイミングでステップS100が行われる場合は、ユーザーは何もすることなく、画像形成装置10と管理サーバー100との間で仮接続が確立する。または、ユーザーが画像形成装置10の所定の操作部を操作することにより仮接続(ステップS100)を開始させる場合、ユーザーが当該所定の操作部を操作した後は、自動的に画像形成装置10と管理サーバー100との間で仮接続が確立する。したがって、仮接続(ステップS100)に係るユーザーの負担は小さい。
【0042】
次に、図6を用いて、ステップS200とステップS130について詳細に説明する。A51に示すように、ステップS200に係る要求パケットには画像形成装置10の識別情報が含まれている。ここでの画像形成装置10の識別情報とは、例えばサービス提供サーバー200と本接続を行いたい画像形成装置10のシリアル番号等である。つまり、例えばサービス提供者は、前述のようにユーザーに画像形成装置10を送付するが、送付した画像形成装置10のシリアル番号を記録している。そしてサーバー処理部120が、当該画像形成装置10のシリアル番号を含む要求パケットを、サービス提供サーバー200から受信する処理がステップS200に相当する。このように、本実施形態の管理サーバー100においてサーバー処理部120は、本接続のリクエストとして、画像形成装置10の識別情報をサービス提供サーバー200から受信する。このようにすることで、サーバー処理部120は、仮接続を用いてURL情報を送信する画像形成装置10を特定できる。例えば前述のように、管理サーバー100は複数のサービス提供サーバー200と接続している可能性があり、同様に、管理サーバー100は複数の画像形成装置10と接続している可能性がある。つまり、前述した仮接続に係るセッションは複数張られている可能性がある。このような場合にステップS200が行われると、サーバー処理部120は、ステップS200に係るサービス提供サーバー200が、どの画像形成装置10に対して本接続を要求しているかについて判断できない可能性がある。その点、本実施形態の手法を適用することで、サーバー処理部120は、画像形成装置10の識別情報に基づいてサービス提供サーバー200と接続すべき画像形成装置10を特定できる。これにより、所望の組み合わせからなるサービス提供サーバー200と画像形成装置10とを、管理サーバー100を介した接続できる。なお、以降、A51の識別情報を「ABC001」と仮定して説明する。
【0043】
また、図6のA52に示すように、ステップS200に係る要求パケットには、本接続による通信を確立させるための認証情報を含んでもよい。つまり、サーバー処理部120は、本接続のリクエストとして、サービス提供サーバー200と画像形成装置10との本接続による通信を確立するための認証情報を、サービス提供サーバー200から受信する。このようにすることで、後述するように、ユーザー以外の者からのアクセスに基づいて本接続が行われることを防止できる。
【0044】
また、ステップS130に係るURL情報は、ハッシュ値を含むようにしてもよい。例えばサーバー処理部120は、A60に示すURL情報を、A70に示すURL情報に変換する処理を、以下の手法によって行う。A60に示すURL情報は、A61に示すパス情報を含む。A61に示すパス情報は画像形成装置10の識別情報に基づいている。つまり、サーバー処理部120は、管理サーバー100の不図示のサーバーメモリーの所定の領域に、ステップS200で受信した画像形成装置10の識別情報を関連付けている。そしてサーバー処理部120は、例えばA61に示すパス情報を所定のハッシュ関数でハッシュ化することによりA71に示すパス情報に変換し、当該パス情報に基づいてA70に示すURL情報を生成する。
【0045】
なお、サーバー処理部120が上記の処理を行うと、URL情報に含まれるパス情報は変更されているが、ホスト名は変更されていない。そのため、ステップS320において、端末装置処理部が不図示のDNSサーバーから取得するIPアドレスが変更されることはない。言い換えれば、A60のURL情報、A70のURL情報のどちらを用いても、後述するステップS320によって、端末装置300は同一の管理サーバー100にアクセスできる。
【0046】
また、A71に示したハッシュ値は、A61に示した識別情報とサーバー処理部120で生成した不図示の乱数とを組み合わせた文字列に、所定のハッシュ関数を用いてハッシュ化してもよい。また、当該識別情報と当該乱数のほかに、例えばサービス提供者に係る識別情報、ユーザーの識別情報等を組み合わせた文字列に、所定のハッシュ関数を用いてハッシュ化してもよい。同一の識別情報に同一のハッシュ関数を用いてハッシュ化すると同一のハッシュ値が生成されるが、識別情報に当該乱数等を適宜組み合わせることで、より多彩にハッシュ値を生成できる。これにより、ユーザー以外の者がハッシュ値を予測することはより困難となる。
【0047】
また、例えば、A71に示したハッシュ値に相当する文字列を複数種類含むテーブルを、不図示のサーバーメモリーに予め記憶させておいてもよい。そしてステップS130においてサーバー処理部120は、当該テーブルからランダムに一の文字列を選択し、選択した文字列、画像形成装置10の識別情報、Webページのアドレス等を関連付けてもよい。以上のことから、本実施形態の管理サーバー100において、サーバー処理部120は、ハッシュ値を含むURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置10に送信する。このようにすることで、サーバー処理部120は、ユーザー以外の者が予測困難なURL情報を、画像形成装置10に送信できる。例えばA61に示す画像形成装置10の識別情報は予測され得る文字列であるため、A60に示すURL情報もユーザー以外の者に予測される可能性がある。その点、本実施形態の手法を適用することで、A71に示すハッシュ値を含むURL情報を画像形成装置10に送信できる。これにより、ユーザー以外の者にURL情報を予測される可能性をさらに低くすることができる。これにより、後述するように、ユーザー以外の者が保有する端末装置300から管理サーバー100へのアクセスが許可される可能性をさらに低くすることができる。
【0048】
図7を用いて、本接続処理(ステップS140)について詳細に説明する。なお、図6のA52に示した本接続を行うための認証情報をステップS200の要求パケットに含めない場合、後述するステップS146とステップS148は省略可能である。まずサーバー処理部120は、画像形成装置10に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置300からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とを比較する(ステップS142)。このようにすることで、サーバー処理部120が、ユーザー以外の者が保有する端末装置300に基づくアクセスを許可する可能性をさらに低くすることができる。仮にユーザー以外の者がURL情報を予測して管理サーバー100にアクセスした場合、URL情報に係るハッシュ値が予測される可能性は極めて低い。
【0049】
そしてサーバー処理部120は、画像形成装置10に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置300からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合(ステップS144でNO)、所定のエラーを報知する(ステップS145)。このようにすることで、ユーザー以外の者に基づくアクセスが発生したことを速やかに報知する管理サーバーシステム1を構築できる。ステップS145は、例えば端末装置表示部にエラー表示する処理であるが、それに限らず、例えば画像形成装置10の製造元、サービス提供者、ユーザー等に対してユーザー以外の者からのアクセスが発生した旨を電子メール等で通知する処理であってもよく、適宜決定される。なお図7のステップS144の説明では、画像形成装置10に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置300からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値のことを、便宜的に「両者」と表記している。
【0050】
なお、サーバー処理部120は、画像形成装置10に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置300からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合(ステップS144でNO)、端末装置300からの再度のアクセスを、所定期間受け付けないようにしてもよい。このようにすることで、ユーザー以外の者が保有している蓋然性が高い端末装置300からのアクセスを受け付けない管理サーバーシステム1を構築できる。なお、所定期間に制限は無く、無期限であってもよい。言い換えれば、サーバー処理部120は、ステップS144でNOと判断した処理に係る端末装置300からの再度のアクセスを、以降無期限に拒否してもよい。
【0051】
一方、サーバー処理部120は、画像形成装置10に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置300からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とが一致した場合(ステップS144でYES)、サービス提供サーバー200から受信した認証情報と、端末装置300から受信した認証情報を比較する(ステップS146)。例えばサーバー処理部120は、ステップS144でYESと判断した場合、ステップS320により端末装置300からのアクセスを許可する。これにより、例えば端末装置表示部には、図4のA40で示した画面が表示される。そしてユーザーは、例えば画像形成装置10と同梱されていた紙面に記載された認証情報を入力等することにより、サーバー処理部120に認証情報を送信する。そしてサーバー処理部120は、図4のA40に示した画面を用いて送信された認証情報と、不図示のサーバーメモリーに記憶されている、ステップS200の要求パケットに含まれていた認証情報とを比較する。
【0052】
サーバー処理部120は、サービス提供サーバー200から受信した認証情報と、端末装置300から受信した認証情報が一致したと判断した場合(ステップS148でYES)、本接続を確立する(ステップS150)。なお、図7のステップS148の説明では、サービス提供サーバー200から受信した認証情報と、端末装置300から受信した認証情報のことを、便宜的に「両者」と表記している。ステップS150において、サーバー処理部120は、ステップS200に係るサービス提供サーバー200と、ステップS130に係る画像形成装置10を、管理サーバー100を介して接続する。このように、本実施形態の管理サーバー100においてサーバー処理部120は、サービス提供サーバー200から認証情報を受信した後、端末装置300から認証情報を受信したときに、本接続による通信を確立する。このようにすることで、ユーザー以外の者からのアクセスに基づいて本接続が行われることを、より確実に防止できる。
【0053】
一方、サーバー処理部120は、サービス提供サーバー200から受信した認証情報と、端末装置300から受信した認証情報が一致していないと判断した場合(ステップS148でNO)、所定のエラーを報知する(ステップS145)。例えばサーバー処理部120は、認証情報が正しくない旨の表示を含むWebページを表示させるコマンド等を端末装置300に送信する。
【0054】
また、フローチャートの図示は省略するが、サーバー処理部120は、例えばステップS130を行ったタイミングから一定期間を経過した後に、ステップS320によるアクセスが有った場合、当該アクセスを受け付けないようにしてもよい。例えばステップS40によってコード情報が印刷媒体Pに印刷される場合があるが、当該印刷媒体Pがユーザー以外の者に持ち去られることにより、当該ユーザー以外の者の端末装置300によってステップS320が行われる可能性がある。その点、ステップS40で発行したコード情報に有効期限を設けることにより、ユーザー以外からの者が保有する端末装置300からの意図しないアクセスを受け付けないようにできる。
【0055】
以上のように、本実施形態の管理サーバーは、画像形成装置及びサービス提供サーバーと通信するサーバー通信部と、サーバー処理部と、を含む。サーバー処理部は、画像形成装置との仮接続による通信を確立する。また、サーバー処理部は、サービス提供サーバーと画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続のリクエストをサービス提供サーバーから受信した場合に、本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置に送信する。また、サーバー処理部は、URL情報に基づいて画像形成装置が形成したコード情報を読み取った端末装置からアクセスが有った場合に、本接続による通信を確立する。
【0056】
このようにすることで、管理サーバーと画像形成装置との間で仮接続によるセッションが確立されていることから、本接続による通信を確立するためのURL情報を、管理サーバーから画像形成装置に送信できる。また、端末装置から送信したURL情報に基づくアクセスが有った場合に、サービス提供サーバーと画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続を確立することから、サービス享受者に高度な知識、作業等を要することなく、本接続を確立できる。
【0057】
サーバー処理部は、仮接続による通信を確立させるための認証情報に基づいて、画像形成装置と仮接続による通信を確立してもよい。
【0058】
このようにすることで、サーバー処理部は、管理サーバーとの仮接続を要求する画像形成装置に対して、確実に仮接続を行うことができる。
【0059】
サーバー処理部は、本接続のリクエストとして、画像形成装置の識別情報をサービス提供サーバーから受信してもよい。
【0060】
このようにすることで、サーバー処理部は、仮接続を用いてURL情報を送信する画像形成装置を特定できる。
【0061】
サーバー処理部は、本接続のリクエストとして、サービス提供サーバーと画像形成装置との本接続による通信を確立するための認証情報を、サービス提供サーバーから受信してもよい。
【0062】
このようにすることで、ユーザー以外の者からのアクセスに基づいて本接続が行われることを防止できる。
【0063】
サーバー処理部は、サービス提供サーバーから認証情報を受信した後、端末装置から認証情報を受信したときに、本接続による通信を確立してもよい。
【0064】
このようにすることで、ユーザー以外の者からのアクセスに基づいて本接続が行われることを、より確実に防止できる。
【0065】
サーバー処理部は、ハッシュ値を含むURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置に送信してもよい。
【0066】
このようにすることで、サーバー処理部は、ユーザー以外の者が予測困難なURL情報を、画像形成装置に送信できる。
【0067】
サーバー処理部は、画像形成装置に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とを比較してもよい。
【0068】
このようにすることで、サーバー処理部が、ユーザー以外の者が保有する端末装置に基づくアクセスを許可する可能性をさらに低くすることができる。
【0069】
サーバー処理部は、画像形成装置に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合、所定のエラーを報知してもよい。
【0070】
このようにすることで、ユーザー以外の者に基づくアクセスが発生したことを速やかに報知する管理サーバーシステムを構築できる。
【0071】
サーバー処理部は、画像形成装置に送信したURL情報に含まれるハッシュ値と、端末装置からのアクセスに基づくURL情報に含まれるハッシュ値とが一致しない場合、端末装置からの再度のアクセスを、所定期間受け付けなくてもよい。
【0072】
このようにすることで、ユーザー以外の者が保有している蓋然性が高い端末装置からのアクセスを受け付けない管理サーバーシステムを構築できる。
【0073】
また、本実施形態の画像形成装置は、サービス提供サーバーと通信接続する管理サーバーと通信する通信部と、処理部と、を含む。処理部は、管理サーバーとの仮接続による通信を確立し、サービス提供サーバーと画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続の通信により管理サーバーから受信したときに、URL情報を含むコード情報の印刷または表示をする。
【0074】
また、本実施形態の管理サーバーシステムは、管理サーバーと、画像形成装置と、を含む。
【0075】
また、本実施形態の管理サーバーシステムにおいて、画像形成装置は、サービス提供サーバーと通信接続する管理サーバーと通信する通信部と、処理部と、を含んでもよい。また、サーバー処理部は、画像形成装置との仮接続による通信を確立してもよい。また、サーバー処理部は、サービス提供サーバーと画像形成装置とを管理サーバーを介して接続する本接続のリクエストをサービス提供サーバーから受信した場合に、本接続による通信を確立するためのURL情報を、仮接続による通信により画像形成装置に送信してもよい。また、処理部は、URL情報を、仮接続の通信により管理サーバーから受信したときに、URL情報を含むコード情報の印刷または表示を行ってもよい。また、サーバー処理部は、URL情報に基づいて画像形成装置が形成したコード情報を読み取った端末装置からアクセスが有った場合に、本接続による通信を確立してもよい。
【0076】
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本実施形態の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本開示の範囲に含まれる。また管理サーバー、画像形成装置、及び管理サーバーシステム等の構成・動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0077】
1…管理サーバーシステム、10…画像形成装置、11…通信部、12…処理部、100…管理サーバー、100…サーバー通信部、120…サーバー処理部、200…サービス提供サーバー、300…端末装置、P…印刷媒体、t1,t2,t3…タイミング
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7