(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024142990
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および照明システム
(51)【国際特許分類】
G06T 7/62 20170101AFI20241003BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20241003BHJP
G01B 11/28 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06T7/62
G06T7/60 110
G01B11/28 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055426
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高柳 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】高原 雄一郎
【テーマコード(参考)】
2F065
5L096
【Fターム(参考)】
2F065AA23
2F065AA24
2F065AA59
2F065FF04
2F065GG07
2F065JJ05
2F065LL10
2F065QQ31
2F065RR06
5L096CA05
5L096FA52
5L096FA70
5L096GA08
(57)【要約】
【課題】物体のサイズの推定精度を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および照明システムを提供すること。
【解決手段】実施形態に係る情報処理装置は、検出部、推定部とを具備する。検出部は、複数の照明装置それぞれに設置された複数のカメラであって、画角が重なる複数のカメラそれぞれで撮像した画像それぞれから物体を検出する。推定部は、画像それぞれから検出した物体に基づいて、物体のサイズを推定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の照明装置それぞれに設置された複数のカメラであって、画角が重なる複数のカメラそれぞれで撮像した画像それぞれから物体を検出する検出部と;
前記画像それぞれから検出した前記物体に基づいて、前記物体のサイズを推定する推定部と;
を具備する情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記画像における前記物体の座標を特定し、特定した前記座標に基づいて前記物体の体積を推定する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記座標に前記物体が存在する場合と、前記座標に前記物体が存在しない場合とにおける前記画像の比較結果に基づいて、前記体積を推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記比較結果に基づいて前記体積の変化があった場合に、前記画像に付加情報を付加する
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記物体の単位体積を予め設定しておき、推定した前記体積を前記単位体積で除することで前記物体の数量を推定する
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部は、
前記画像に移動体が含まれる場合には、当該画像を用いた前記物体の検出処理を禁止する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記カメラが設置された空間の収容可能サイズを予め設定しておき、推定した前記サイズに基づいて、前記収容可能サイズに対する前記物体の占有率を算出する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置によって実行される情報処理方法であって、
画角が重なる複数のカメラそれぞれで撮像した画像それぞれから物体を検出する検出工程と;
前記画像それぞれから検出した前記物体に基づいて、前記物体のサイズを推定する推定工程と;
を含む情報処理方法。
【請求項9】
画角が重なる複数のカメラそれぞれが設けられる複数の照明装置と;
前記複数のカメラそれぞれで撮像した画像それぞれから物体を検出し、前記画像それぞれから検出した前記物体に基づいて、前記物体のサイズを推定する情報処理装置と;
を具備する照明システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法および照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラ等を用いた物体検出技術において、検出した物体のサイズを推定する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、検出した物体までの距離と、床面までの距離の差からサイズを推定しているため、床面の傾斜やいびつな形状の物体では正確なサイズ推定ができないおそれがあった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、物体のサイズの推定精度を高めることができる情報処理装置、情報処理方法および照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る情報処理装置は、検出部と、推定部とを具備する。前記検出部は、複数の照明装置それぞれに設置された複数のカメラであって、画角が重なる複数のカメラそれぞれで撮像した画像それぞれから物体を検出する。前記推定部は、前記画像それぞれから検出した前記物体に基づいて、前記物体のサイズを推定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る照明システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下で説明する情報処理装置100は、検出部122と、推定部123とを具備する。検出部122は、複数の照明装置1それぞれに設置された複数のカメラ11であって、画角が重なる複数のカメラ11それぞれで撮像した画像それぞれから物体Oを検出する。推定部123は、画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する。
【0009】
以下で説明する推定部123は、画像における物体Oの座標を特定し、特定した座標に基づいて物体Oの体積を推定する。
【0010】
以下で説明する推定部123は、座標に物体Oが存在する場合と、座標に物体Oが存在しない場合とにおける画像の比較結果に基づいて、体積を推定する。
【0011】
以下で説明する推定部123は、比較結果に基づいて体積の変化があった場合に、画像に付加情報を付加する。
【0012】
以下で説明する推定部123は、物体Oの単位体積を予め設定しておき、推定した体積を単位体積で除することで物体Oの数量を推定する。
【0013】
以下で説明する検出部122は、画像に移動体が含まれる場合には、当該画像を用いた物体Oの検出処理を禁止する。
【0014】
以下で説明する推定部123は、カメラ11が設置された空間SPの収容可能サイズを予め設定しておき、推定したサイズに基づいて、収容可能サイズに対する物体Oの占有率を算出する。
【0015】
以下で説明する情報処理方法は、検出工程と、推定工程とを含む。検出工程は、複数の照明装置1それぞれに設置された複数のカメラ11であって、画角が重なる複数のカメラ11それぞれで撮像した画像それぞれから物体Oを検出する。推定工程は、画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する。
【0016】
以下で説明する照明システムSは、複数の照明装置1と、情報処理装置100とを具備する。複数の照明装置1は、画角が重なる複数のカメラ11それぞれが設けられる。情報処理装置100は、複数のカメラ11それぞれで撮像した画像それぞれから物体Oを検出し、画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する。
【0017】
以下、図面を参照して、実施形態に係る照明装置を説明する。実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0018】
図1は、実施形態に係る照明システムの構成例を示す図である。
図1に示す照明システムSは、例えば、工場等のような比較的大きく、多くの人流が生じる施設に配置され、複数の照明装置を個別に複雑に制御する際に好適である。また、本開示では、照明システムSは、物体のサイズを検出するため、例えば、工場における倉庫等に設置される。
【0019】
図1に示すように、照明システムSは、複数の照明装置1と、情報処理装置100と、端末装置200とを含む。
図1に示す照明システムSでは、照明装置1と、情報処理装置100と、端末装置200とは、例えばイーサネット(登録商標)等の通信ネットワークによって接続される。
【0020】
照明装置1は、施設等の所定の空間SPを照らす照明装置である。照明装置1は、例えば、天井面に直付けされ、天井から床面を照射する照明装置である。なお、
図1では、空間SPが、工場等の倉庫である場合を示し、空間SP内には資材等が梱包された段ボールである物体Oが載置されている。
【0021】
図1に示すように、照明装置1は、光源部10と、カメラ11とを備える。光源部10は、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子を備え、空間SPを天井から床面に向かって光を照射する。
【0022】
カメラ11は、空間SPを撮像するカメラであり、照明装置1に内蔵される。カメラ11は、空間SPを天井から床面方向に向いた画角を有する。なお、カメラ11は、例えば
魚眼レンズを備える。
【0023】
また、空間SPに設置された複数の照明装置1それぞれのカメラ11は、画角が重なるように設置される。つまり、空間SPにおける少なくとも一部の範囲については両方のカメラ11で撮像される。
【0024】
情報処理装置100は、情報処理方法を実行するサーバ装置である。情報処理装置100は、空間SPを有する施設内に設置されるサーバ装置であってもよく、施設外に設置されるサーバ装置であってもよい。また、情報処理装置100は、クラウドシステムによって実現してもよい。
【0025】
端末装置200は、空間SPを有する施設に設置された端末装置である。端末装置200は、例えば、施設の管理者や従業員等によって操作される。端末装置200は、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、デスクトップPC等の任意の端末装置を採用可能である。
【0026】
次に、
図1を用いて、照明システムSの動作例について説明する。
【0027】
具体的には、まず、複数の照明装置1それぞれは、カメラ11により空間SPを撮像し、撮像した画像を情報処理装置100へ送信する(ステップS1)。より具体的には、それぞれのカメラ11は、時刻同期して同じタイミングで一定間隔で連続して空間SPを撮像する。
【0028】
つづいて、情報処理装置100は、複数の照明装置1それぞれから取得した画像に基づいて、空間SPに存在する物体Oを検出する(ステップS2)。具体的には、情報処理装置100は、魚眼レンズで撮像した画像を平面画像に座標変換し、それぞれの平面画像について物体Oを検出する。そして、情報処理装置100は、それぞれの平面画像から検出した物体Oの位置(座標)が同じである場合に、物体Oを検出する。
【0029】
つづいて、情報処理装置100は、平面画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する(ステップS3)。具体的には、情報処理装置100は、物体Oを異なる方向から撮像したそれぞれの平面画像に基づいて、物体Oの縦、横、高さを推定し、推定した寸法情報に基づいて物体Oの体積を推定する。なお、情報処理装置100は、前の時刻の画像と比較して、空間SPに新たに運び込まれた物体Oのみサイズ推定し、前の時刻の画像において既にサイズ推定が完了している物体Oについてはサイズ推定を行わないが係る点の詳細については後述する。
【0030】
つづいて、情報処理装置100は、推定結果を端末装置200へ出力する(ステップS4)。例えば、情報処理装置100は、推定した物体Oの体積や、寸法情報(縦、横、高さの少なくとも1つ)、平面視(天井から床面を見た場合)の面積(縦×横)等のサイズを出力する。また、情報処理装置100は、例えば、空間SPの収納可能サイズに対する物体O(前の時刻で推定した物体Oを含む)の占有率を算出して推定結果として出力してもよい。
【0031】
このように、実施形態に係る情報処理装置100によれば、画角が重なる複数のカメラ11で撮像した画像に基づいて物体Oのサイズを推定するため、従来の物体までの距離に基づいてサイズを推定する方法に比べて、サイズの推定精度を高めることができる。さらに、カメラ11の撮像方向と、光源部10の照射方向とは同じ向きとなるため、光源部10の光により物体Oに生じる影が画像に映りこみにくくなることで、影の影響による物体Oの検出精度の低下を防ぐことができる。すなわち、サイズ推定を高精度に行うことができる。
【0032】
なお、情報処理装置100は、例えば、物体Oを運び込んだ人が画像に映っている場合には、ステップS2の物体検出処理を行わないようにできるが、かかる点の詳細については後述する。
【0033】
次に、
図2を用いて、照明装置1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る照明装置1の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、照明装置1は、光源部10と、カメラ11と、通信部12と、制御部20と、記憶部30とを備える。
【0034】
光源部10は、例えば、LED等の発光素子を有し、空間SPを照らす。
【0035】
カメラ11は、光源部10が照らす空間SPを撮像するカメラである。また、複数の照明装置1それぞれのカメラ11は、画角が少なくとも一部重なるように設定される。つまり、複数の照明装置1それぞれのカメラ11は、空間SPにおける同じ位置を異なる方向から撮像する。
【0036】
通信部12は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部12は、所定のネットワークを介して情報処理装置100との間で各種情報を送受信する。
【0037】
ここで、照明装置1は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0038】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20として機能する。
【0039】
また、制御部20が有する機能うち少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0040】
また、記憶部30は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、照明装置1は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0041】
制御部20は、他の照明装置1と時刻同期して、他の照明装置1のカメラ11と同じタイミングでカメラ11を制御して、一定間隔で連続して空間SPを撮像する。制御部20は、カメラ11で撮像した画像を通信部12を介して情報処理装置100へ送信する。
【0042】
次に、
図3を用いて、情報処理装置100の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを備える。制御部120は、取得部121と、検出部122と、推定部123と、出力部124とを備える。記憶部130は、空間情報131と、物体情報132とを記憶する。
【0043】
通信部110は、無線通信処理や有線通信処理を行うためのネットワークデバイスである。例えば、通信部110は、所定のネットワークを介して照明装置1や端末装置200との間で各種情報を送受信する。
【0044】
ここで、情報処理装置100は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0045】
コンピュータのCPUは、たとえば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部120の取得部121、検出部122、推定部123および出力部124として機能する。
【0046】
また、制御部20の取得部121、検出部122、推定部123および出力部124の少なくともいずれか一つまたは全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0047】
また、記憶部30は、たとえば、RAMやフラッシュメモリに対応する。RAMやフラッシュメモリは、空間情報131、物体情報132、各種プログラムの情報等を記憶することができる。なお、情報処理装置100は、有線や無線のネットワークで接続された他のコンピュータや可搬型記録媒体を介して上記したプログラムや各種情報を取得することとしてもよい。
【0048】
空間情報131は、空間SPに関する情報である。
図4は、空間情報131の一例を示す図である。
図4に示すように、空間情報131は、「空間ID」、「収容可能サイズ」、「検出物体」、「占有率」等の項目を有する。
【0049】
「空間ID」は、空間SPを識別する識別情報である。「収容可能サイズ」は、空間SPにおいて物体を収容可能な最大サイズ(最大容積)である。「検出物体」は、空間SPにおいて検出され、現在も空間SPに存在している物体Oの情報であり、
図5で後述する「物体ID」が入力される。「占有率」は、収容可能サイズに対して物体Oが占有する率であり、詳細には、「検出物体」における物体Oのサイズの合計を収容可能サイズで除した値である。
【0050】
物体情報32は、空間SPに存在する物体Oに関する情報である。
図5は、物体情報132の一例を示す図である。
図5に示すように、物体情報32は、「物体ID」、「物体種別」、「サイズ」、「位置情報」等の項目を有する。
【0051】
「物体ID」は、物体Oを識別する識別情報である。「物体種別」は、物体Oの種別であり、例えば、静止物か移動体(人等)や、物体の形状、物体の素材等である。「サイズ」は、物体Oのサイズである。「位置情報」は、空間SPにおける物体Oの位置(座標)である。
【0052】
次に、制御部120の機能(取得部121、検出部122、推定部123および出力部124)について説明する。
【0053】
取得部121は、複数の照明装置1それぞれから画像を取得する。具体的には、取得部121は、複数の照明装置1それぞれにおいて時刻同期して同じタイミングで撮像された画像を取得する。
【0054】
検出部122は、取得部121が取得した画像それぞれから空間SPに存在する物体Oを検出する。例えば、検出部122は、テンプレート画像を用いたテンプレートマッチングにより物体Oを検出する。また、検出部122は、検出した物体Oの位置(座標)を検出する。また、検出部122は、検出した物体Oとマッチするテンプレート画像に基づいて、物体Oの種別を検出する。
【0055】
検出部122は、物体Oの位置検出の結果に基づいて、それぞれの画像で検出された物体Oの同一性を判定する。具体的には、検出部122は、物体Oの位置がそれぞれの画像で同じ物体Oを同一の物体Oであると判定する。さらに、検出部122は、テンプレートマッチングに用いたテンプレート画像がそれぞれの画像で同じ物体Oについても同一の物体Oであると判定する。
【0056】
なお、検出部122は、画像に移動体(人や、車両等)を検出した場合には、物体Oの検出処理を行わないようにしてもよい。つまり、検出部122は、画像に移動体が含まれる場合、当該画像を用いた物体Oの検出処理を禁止する。これにより、移動体の存在により物体Oが隠れることで物体Oの検出精度が低下することを防ぐことができる。また、物体Oが移動体によって移動される場合に、物体Oの位置等の検出精度が低下することを防ぐことができる。
【0057】
検出部122は、検出結果を推定部123へ出力する。
【0058】
推定部123は、画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する。具体的には、推定部123は、物体Oを異なる方向から撮像したそれぞれの画像に基づいて、物体Oの縦、横、高さを推定し、推定した寸法情報に基づいて物体Oの体積を推定する。また、推定部123は、検出した寸法情報に基づいて、物体Oの平面視における面積(縦×横)を推定してもよい。
【0059】
なお、推定部123は、前の時刻の画像と比較して、空間SPに新たに運び込まれた物体Oのみサイズ推定し、前の時刻の画像において既にサイズ推定が完了している物体Oについてはサイズ推定を行わないようにしてもよい。具体的には、推定部123は、前の時刻の画像(検出した座標に物体が存在しない場合)と今回の時刻の画像(検出した座標に物体が存在する場合)とを比較し、差分画像の中で検出された物体Oのサイズを推定する。より具体的には、推定部123は、空間情報131および物体情報132を参照し、空間SPに既に存在しサイズ推定が完了している物体Oについてはサイズ推定処理を行わない。また、推定部123は、前の時刻の画像と今回の時刻の画像とを比較した結果、体積変化があった場合、すなわち、新たな物体Oが空間SPに存在することとなった場合に、かかる今回の画像に物体Oが追加されたことを示す付加情報を付加する。これにより、例えば、管理者が画像を見る場合に、物体Oの変化があった画像を容易に見つけることができるようになる。
【0060】
また、推定部123は、テンプレートマッチングに用いたテンプレート画像の物体よりも実際に検出された物体Oのサイズが大きい場合には、例えば、物体の単位体積を予め設定しておき、推定したサイズ(体積)を単位体積で除することで、物体Oの数量を推定してもよい。
【0061】
また、推定部123は、例えば、検出した物体Oの形状がいびつな形状(球体や、直方体ではない形状)である場合には、かかるいびつな形状の物体Oを直方体の梱包材で梱包した場合のサイズを推定結果としてもよい。具体的には、推定部123は、物体Oの縦、横、高さの最大値を梱包材のサイズとして推定する。
【0062】
また、推定部123は、空間SPにおける物体Oの占有率を算出する。具体的には、推定部123は、空間SPに存在するすべての物体Oのサイズの合計を空間SPの収容可能サイズで除した値を占有率として算出する。これにより、管理者等が空間SPの占有率をリアルタイムで把握することができる。
【0063】
なお、占有率は、空間SP全体の占有率に限らず、空間SPを複数のエリアに分割した各エリアの占有率や、置き場所毎(床置き、棚置き等)の占有率であってもよい。
【0064】
出力部124は、推定部123の推定結果を端末装置200へ出力する。具体的には、出力部124は、推定した物体Oの体積や、寸法情報(縦、横、高さの少なくとも1つ)、平面視(天井から床面を見た場合)の面積(縦×横)等のサイズを出力する。また、出力部124は、例えば、空間SPの収納可能サイズに対する物体O(前の時刻で推定した物体Oを含む)の占有率を出力してもよい。
【0065】
次に、
図6を用いて、実施形態に係る情報処理装置100が実行する処理の処理手順について説明する。
図6は、実施形態に係る情報処理装置100において実行される処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図6に示すように、制御部120は、複数の照明装置1それぞれからカメラ11で撮像された画像を取得する(ステップS101)。
【0067】
つづいて、制御部120は、それぞれの画像から物体Oを検出する(ステップS102)。
【0068】
つづいて、制御部120は、各画像から検出した物体Oの中に、同一物体が存在するか否かを判定する(ステップS103)。具体的には、制御部120は、パターンマッチングにより同じテンプレート画像とマッチする物体Oがそれぞれの画像に存在するか否かを判定する。
【0069】
制御部120は、同一物体が存在すると判定した場合(ステップS103:Yes)、空間SPにおける物体Oの位置(座標)を検出する(ステップS104)。
【0070】
つづいて、制御部120は、それぞれの画像から検出した物体Oの座標が一致するか否かを判定する(ステップS105)。
【0071】
制御部120は、座標が一致する場合(ステップS105:Yes)、それぞれの画像における物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する(ステップS106)。
【0072】
つづいて、制御部120は、空間SPの収容可能サイズと、推定した物体Oのサイズとに基づいて、空間SPにおける物体Oの占有率を算出する(ステップS107)。
【0073】
つづいて、制御部120は、各種処理結果に基づいて記憶部130の情報を更新する(ステップS108)。具体的には、制御部120は、物体Oの検出結果、物体Oのサイズ推定結果、占有率の算出結果により空間情報131および物体情報132を更新する。
【0074】
つづいて、制御部120は、各種処理結果に基づいた情報を端末装置200へ出力し(ステップS109)、処理を終了する。具体的には、制御部120は、検出した物体Oのサイズに関する情報や、占有率の情報を出力する。
【0075】
上述したように、実施形態に係る情報処理装置100は、検出部122と、推定部123とを具備する。検出部122は、複数の照明装置1それぞれに設置された複数のカメラ11であって、画角が重なる複数のカメラ11それぞれで撮像した画像それぞれから物体Oを検出する。前記推定部は、画像それぞれから検出した物体Oに基づいて、物体Oのサイズを推定する。これにより、物体Oのサイズの推定精度を高めることができる。
【0076】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0077】
1 照明装置
10 光源部
11 カメラ
12 通信部
20 制御部
30 記憶部
32 物体情報
100 情報処理装置
110 通信部
120 制御部
121 取得部
122 検出部
123 推定部
124 出力部
130 記憶部
131 空間情報
132 物体情報
200 端末装置
S 照明システム