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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001430
(43)【公開日】2024-01-10
(54)【発明の名称】乗物用ドアトリム
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20231227BHJP
   B60J 5/04 20060101ALI20231227BHJP
【FI】
B60R13/02 B
B60J5/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022100062
(22)【出願日】2022-06-22
(71)【出願人】
【識別番号】000241500
【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸 健太
【テーマコード(参考)】
3D023
【Fターム(参考)】
3D023BB08
3D023BC01
3D023BD03
3D023BE09
3D023BE26
3D023BE31
(57)【要約】
【課題】取付工程における作業者の負担を低減可能な乗物用ドアトリムを提供する。
【解決手段】アームレスト8と、プルハンドル5と、スイッチベース3と、を備え、アームレスト8は、第1取付部84を備え、プルハンドル5は、本体部60と、第1取付部84に取り付けられる第2取付部63を有し、本体部60から延出した延出部61と、を備え、第1取付部84に第2取付部63が取り付けられた取付状態では、アームレスト8と延出部61とにより開口部Sが形成され、スイッチベース3は、第2取付部63に取り付けられる第3取付部3Bを備え、取付状態の第2取付部63に第3取付部3Bが取り付けられることで、開口部Sを塞ぐ構成とされる、ドアトリム100。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アームレストと、
プルハンドルと、
スイッチベースと、を備え、
前記アームレストは、第1取付部を備え、
前記プルハンドルは、
本体部と、
前記第1取付部に取り付けられる第2取付部を有し、前記本体部から延出した延出部と、を備え、
前記第1取付部に前記第2取付部が取り付けられた取付状態では、前記アームレストと前記延出部とにより開口部が形成され、
前記スイッチベースは、
前記第2取付部に取り付けられる第3取付部を備え、
前記取付状態の前記第2取付部に前記第3取付部が取り付けられることで、前記開口部を塞ぐ構成とされる、乗物用ドアトリム。
【請求項2】
前記第2取付部は、
前記第1取付部に嵌合する内側嵌合部と、
前記内側嵌合部の乗物室外側に位置し、前記第3取付部に嵌合する外側嵌合部と、を備える、請求項1に記載の乗物用ドアトリム。
【請求項3】
前記プルハンドルが取り付けられるトリム部を備え、
前記プルハンドルは、前記第2取付部において前記第3取付部に取り付けられる部分の乗物室外側に配され、前記トリム部への取付箇所となる第4取付部を備える、請求項1または請求項2に記載の乗物用ドアトリム。
【請求項4】
前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記取付状態の前記アームレストと前記プルハンドルとにより構成される取付体の角部に配されている、請求項1または請求項2に記載の乗物用ドアトリム。
【請求項5】
前記取付状態の前記アームレストと前記プルハンドルとにより構成される取付体が所定方向から取り付けられるトリム部を備え、
前記第2取付部は、前記第1取付部への取り付け方向が、前記所定方向に対し交わる方向とされる、請求項1または請求項2に記載の乗物用ドアトリム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、乗物用ドアトリムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗物用ドアトリムとして、特許文献1に記載の技術が知られている。具体的に、特許文献1には、自動車用ドアトリムにおいて車室側に張り出したアームレストが、ドアトリムの車室側に張出するように一体に形成されたアームレスト本体と、別体のプルハンドル片及びドアセンター片と、で構成されていることが開示されている。プルハンドル片は、棚状部の下面に下方に突出する一対の嵌合片が垂設され、この嵌合片の下面をアームレスト本体の膨出部上に当接させた状態で、ドアトリムにクリップ等を用いて取付けられている。ドアセンター片は、上壁の裏面及び側壁の裏面に配された横リブが、プルハンドル片の嵌合片に形成された嵌合溝に嵌合するように構成されている。ドアセンター片の側壁は、その下端部にクリップ座が突設されていて、このクリップ座に取付けたクリップ体をドアトリムのクリップ穴に挿着することによってドアトリムに装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-291848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の構成では、各部材の取付工程において作業者の負担を低減することが望まれる。また、取り付けられた部分の取付強度の向上や、より省スペース化が可能な取付構造が望まれる。
【0005】
本開示は上記のような事情に基づいて完成された技術であって、取付工程における作業者の負担を低減可能な乗物用ドアトリムを提供することを目的の一つとする。また、取付強度の向上や省スペース化が可能な乗物用ドアトリムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、アームレストと、プルハンドルと、スイッチベースと、を備え、前記アームレストは、第1取付部を備え、前記プルハンドルは、本体部と、前記第1取付部に取り付けられる第2取付部を有し、前記本体部から延出した延出部と、を備え、前記第1取付部に前記第2取付部が取り付けられた取付状態では、前記アームレストと前記延出部とにより開口部が形成され、前記スイッチベースは、前記第2取付部に取り付けられる第3取付部を備え、前記取付状態の前記第2取付部に前記第3取付部が取り付けられることで、前記開口部を塞ぐ構成とされる、乗物用ドアトリムである。
【0007】
このような乗物用ドアトリムによると、第1取付部に第2取付部が取り付けられた取付状態では、アームレストにプルハンドルが取り付けられた取付体を構成することができる。これにより、取付体を乗物用ドアトリムにおける他部材へ一括して取り付けたり、取付体の状態で輸送し、取付体を形成した場所とは異なる場所にて、取付体にスイッチベースを取り付けて乗物用ドアトリムの製造を完成させたりすることができる。また、スイッチベース(より具体的には、スイッチベースに取り付けられるスイッチ)に対し、開口部を通してハーネスを取り付け、取付状態の第2取付部に第3取付部を取り付けることで、スイッチベースが最終的に開口部を塞ぐようにして乗物用ドアトリムを製造することができる。以上により、各部材の取付工程をスムーズに行い、作業者の負担を低減可能な乗物用ドアトリムを提供することができる。さらに、各部材の取付箇所を1カ所に集約する(第2取付部が、第1取付部及び第3取付部に取り付けられた状態となる)ことで、取付強度の向上や省スペース化を実現することができる。
【0008】
上記構成において、前記第2取付部は、前記第1取付部に嵌合する内側嵌合部と、前記内側嵌合部の乗物室外側に位置し、前記第3取付部に嵌合する外側嵌合部と、を備えていてもよい。
【0009】
このような乗物用ドアトリムによると、第1取付部に第2取付部が取り付けられ、第2取付部に第3取付部が取り付けられた状態では、第1取付部、第2取付部、及び第3取付部を乗物室内外方向において集約することができ、より省スペース化を実現可能な乗物用ドアトリムとすることができる。また、第2取付部は、第1取付部との取り付けにより、第3取付部側に弾性変形し、第3取付部との取付により、第1取付部側に弾性変形することができるので、各取付部に互いに力が加わって外れにくくなり、取付強度をより向上させることができる。
【0010】
当該乗物用ドアトリムは、前記プルハンドルが取り付けられるトリム部を備え、前記プルハンドルは、前記第2取付部において前記第3取付部に取り付けられる部分の乗物室外側に配され、前記トリム部への取付箇所となる第4取付部を備えていてもよい。
【0011】
このような乗物用ドアトリムによると、各部材とトリム部との当接部分において生じる隙間を小さくすることができ、意匠性を向上させることができる。また、第1取付部、第2取付部、第3取付部、及び第4取付部を1カ所に集約することができるので、取付強度を一層向上してより効果的に省スペース化を実現することができる。
【0012】
上記構成において、前記第1取付部及び前記第2取付部は、前記取付状態の前記アームレストと前記プルハンドルとにより構成される取付体の角部に配されていてもよい。
【0013】
このような乗物用ドアトリムによると、アームレストとプルハンドルとの間に生じる隙間や、取付体が他部材(トリム部等)に取り付けられる場合は、取付体と他部材との当接部分において生じる隙間を、より小さくすることができる。
【0014】
当該乗物用ドアトリムは、前記取付状態の前記アームレストと前記プルハンドルとにより構成される取付体が所定方向から取り付けられるトリム部を備え、前記第2取付部は、前記第1取付部への取り付け方向が、前記所定方向に対し交わる方向とされていてもよい。
【0015】
このような乗物用ドアトリムによると、各取付部を種々の形状とすることができ、取付強度の向上や省スペース化の実現に寄与することができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、取付工程における作業者の負担を低減できる乗物用ドアトリムを提供することが可能となる。また、取付強度の向上や省スペース化が実現できる乗物用ドアトリムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態に係るドアトリムを車室内側上方から視た斜視図
図2】ドアトリムの分解斜視図
図3】取付体を車室内側上方から視た斜視図
図4】アームレストを車室外側上方から視た斜視図
図5】アームレストの第1取付部周辺を車室外側下方から視た斜視図
図6】プルハンドルを車室内側上方から視た斜視図
図7】プルハンドルの第2取付部周辺を前上方から視た斜視図
図8】プルハンドルの第2取付部周辺を車室内側後方から視た斜視図
図9】各取付部が取り付けられた状態を示す鉛直断面図
図10】各取付部が取り付けられた状態を示す水平断面図(図9におけるX-X線断面)
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
本開示の実施形態を図1から図10によって説明する。本実施形態では、自動車(乗物)のドアを構成し、ドアの外形をなす板金としてのドアパネルに対し、車室内側から取り付けられるドアトリム(乗物用ドアトリム)100を説明する。尚、矢印方向Fを前方、矢印方向Rを後方、矢印方向Uを上方、矢印方向Dを下方、矢印方向INを車室内側、矢印方向OUTを車室外側として各図を説明する。
【0019】
図1及び図2に示すように、ドアトリム100は、板状のロアボード1と、ロアボード1の上側に対し車室外側から取り付けられた板状のアッパーボード(トリム部)2と、アッパーボード2の下端部2Eから車室内側に立ち上がり、乗員が腕を載置可能なアームレスト8と、アームレスト8とアッパーボード2の下端部2Eとの間に配され、乗員が手指を入れてドアを開閉可能なプルハンドル5と、スイッチ(操作部)が取り付けられるスイッチ用開口部3Aを有する板状のスイッチベース3と、を備える。
【0020】
図1から図3に示すように、プルハンドル5は、外側部材6と、外側部材6の車室内側に配され、外側部材6に対し車室内側から取り付けられる内側部材7と、を備える。内側部材7は、車室内側に膨出した曲げ板状をなしている。プルハンドル5は、内側部材7が外側部材6に対し車室内側から取り付けられることで、外側部材6の本体底部60Bを底とする凹形状をなす凹部5A(図3参照)を形成している。
【0021】
アームレスト8の第1取付部84に外側部材6の第2取付部63が下方から(図3の所定方向D1に対し交わる方向D2に沿うように)取り付けられた取付状態では、アームレスト8とアームレスト8に取り付けられたプルハンドル5とにより取付体4が構成される。取付体4は、ロアボード1に対し車室外側から取り付けられる。また、ロアボード1に取り付けられた取付体4は、プルハンドル5に設けられた第4取付部69Dが、アッパーボード2の下端部2Eに設けられた孔部(第5取付部)2E1に対し、車室内側から挿通されることで、アッパーボード2に対し車室内側から(図3における所定方向D1の方向に沿うように)取り付けられる。取付体4はロアボード1とアッパーボード2との間に挟み込まれるように取り付けられる。
【0022】
アームレスト8にプルハンドル5を取り付けて取付体4を構成することを第1取付(第1取付状態にする、又はサブアッシー)と呼び、ロアボード1に取付体4とアッパーボード2とを順に取り付けることを第2取付(第2取付状態にする)と呼ぶ。また、図示しないドアパネルに、第2取付状態の構造体を車室内側から取り付けることを第3取付(第3取付状態にする)と呼び、第3取付状態の構造体にスイッチベース3を取り付けてドアトリム100を製造することを第4取付(第4取付状態にする)と呼ぶ。第4取付では、例えばパワーウィンドウのハーネスをドアパネル側(取付体4の車室外側)から、後述する開口部Sを経て、車室内側に引き出し、スイッチベース3(より具体的には、スイッチベース3に取り付けられる図示しないスイッチ)に当該ハーネスを取り付け、スイッチベース3で開口部Sを塞ぐ。これにより、ドアトリム100を製造することができる。
【0023】
図3から図5に示すように、アームレスト8は、後側部81と、後側部81の前方に位置し、後側部81よりも車室内外方向における長さが短い(幅が小さい)中間部82と、中間部82の前方に位置し、中間部82よりも車室内外方向における長さが短い(幅が小さい)前側部83と、を備える。後側部81及び中間部82は、その車室内側端部から下方に延在した(垂下した)複数の板状の片部81A,82A,82Bを備える。後側部81の車室外側端部からは、アッパーボード2が立ち上がっている(図1参照)。中間部82の車室外側には、プルハンドル5において本体底部60B(図2参照)を底とする凹形状部分(凹部5A)が位置している。
【0024】
前側部83は、中間部82の前端部から前方に延在したアームレスト延在部83Aと、アームレスト延在部83Aの前端部から車室外側に曲がった部分であって、アームレスト8の前側の壁部を構成する前壁部83Bと、を備える。アームレスト延在部83Aは、車室外側の縁部において、スイッチベース3に取り付けられる複数の爪部89を備える。前壁部83Bは、裏面83B1から後方(開口部S内)に突出し、上方に向かって先尖り状をなした第1取付部84を備える。前壁部83Bの先端部83B2は、上記第2取付状態では、アッパーボード2の下端部2E及びロアボード1の角部1A1に当接する(又は近接する)。
【0025】
図5に示すように、第1取付部84は、前壁部83Bの裏面83B1において、上下方向における位置が上端部83C側に寄った位置に設けられている。第1取付部84は、前壁部83Bの裏面83B1から後方に向かって垂直に立ち上がる壁をなす2つの立上壁部85,86を備える。2つの立上壁部85,86は、上方に向かうほど車室内側に傾斜した下側立上壁部86と、下側立上壁部86の上側において上下方向に延びた上側立上壁部85と、からなる。下側立上壁部86は、上側立上壁部85に対し車室外側下方に立ち上がった壁部とされる。下側立上壁部86は、先端面(車室外側面)86Aから車室外側に突出し、前後方向に延びた突条部86A1を備える。上側立上壁部85は、その厚み方向(車室内外方向)に貫通した四角形状の貫通孔85Aを備える。
【0026】
また、第1取付部84は、上側立上壁部85の後端部から車室外側に立ち上がり、下側立上壁部86の後端部に接続した壁部である後壁部87と、上側立上壁部85の上側に配され、上方に向かうほど車室内側に傾斜した壁部である傾斜壁部88と、を備える。後壁部87は、先端面(車室外側面)87Aから車室外側に突出し、上下方向に延びた突条部87A1を備える。傾斜壁部88は、下端部88Aが、上側立上壁部85よりも車室外側に延びている。下端部88Aは、上側立上壁部85の上端部から車室外側下方に向けて鉤状に返された部分とされる(図9参照)。図4及び図5に示すように、傾斜壁部88は、その上端部88Bが、前壁部83Bの上端部83Cと同等の高さとなるまで(又は上端部83Cよりも上方となる位置まで)延びている。
【0027】
図2及び図6に示すように、プルハンドル5の内側部材7は、上方視J字状をなすように曲がった板状の本体板部71と、本体板部71の前側に位置し、前方に向かうほど車室外側に傾斜した板状の傾斜板部72と、を備える。また、内側部材7は、本体板部71から車室内側やや下方に傾いて延びた円柱状の複数の当接部74A,74Bと、上部及び下部にそれぞれ配された複数の孔部75A,75Bと、傾斜板部72の前下部分においてL字状に切りかかれた切欠部73と、切欠部73の上方に配された孔部を有し、外側部材6に対しクリップ等の取付部材76Aを用いて車室内側から取り付けられた取付孔部76と、を備える。2つの当接部74A,74Bは、図3に示すように、アームレスト8の2つの片部81A,82Aの裏面(車室外側面)に対しそれぞれ車室外側から当接する。複数の孔部75Aは、アームレスト8における後側部81及び中間部82のそれぞれの車室外側の縁部81C,82Cの裏面(下面)に対し下方から当接する。孔部75Bは、外側部材6の孔部60B1(図2参照)と共に、ロアボード1の裏面に設けられた円柱状のボス(不図示)に挿通されて取り付けられる。
【0028】
図2及び図6に示すように、プルハンドル5の外側部材6は、板状の本体部60と、本体部60の前端部60Cから前方に延出した細長い板状の延出部61と、前端部60Cの下部から車室内側に立ち上がって延びた取付台部62と、を備える。また、外側部材6は、本体部60の後上部、延出部61の後端部61A、中央部61B、及び前端部61Cのそれぞれの裏面側において、車室外側に延びた円柱状の複数のボス69A,69B,69C,69Dを備える。複数のボス69A,69B,69C,69Dは、アッパーボード2の下端部2Eに設けられた複数の孔部にそれぞれ挿入され、カシメられることで、アッパーボード2に取り付けられる。本体部60は、前後方向に延び、前方に向かうほどやや車室内側に曲がった板状の本体板部60Aと、本体板部60Aの下端から車室内側に立ち上がり、凹部5Aの底を構成する本体底部60B(図2参照)と、を備える。プルハンドル5の凹部5Aは、外側部材6の本体板部60A及び本体底部60Bと、内側部材7の本体板部71及び傾斜板部72と、により構成されている。
【0029】
取付台部62は、内側部材7の切欠部73の前下側から車室内側に突き出すように延びている。取付台部62の車室内側の端部62Aには、貫通孔が設けられている。端部62Aは、図3に示すように、アームレスト8の片部82Bの裏面に対し車室外側から当接する。片部82Bには、貫通孔が設けられている。端部62A及び片部82Bに設けられたそれぞれの貫通孔には、ロアボード1の裏面から車室外側に延びた円柱状のボス(不図示)が挿通されて取り付けられる。
【0030】
延出部61は、中央部61Bの車室内側部分に設けられた2つの孔部61B1と、前端部61Cの車室内側部分に配され、第1取付部84に取り付けられる第2取付部63と、前端部61Cの車室外側部分に配され、アッパーボード2の下端部2E(図2参照)への取付箇所となるボス(第4取付部)69Dと、を備える。2つの孔部61B1には、スイッチベース3の下面側に設けられた複数の爪部が挿入されて取り付けられる。ボス69Dは、後述する外側嵌合部63B(第2取付部63において第3取付部3Bに取り付けられる部分)の車室外側に配されている。ボス69Dは、アッパーボード2の下端部2Eに設けられた孔部2E1(図2図9、及び図10参照)に対し車室内側から(図3における所定方向D1の方向に沿って)挿入され、その先端部分がカシメられることで、下端部2Eに取り付けられる。これにより、取付体4(より具体的には、ロアボード1に取り付けられた取付体4)がアッパーボード2に取り付けられた第2取付状態となる。
【0031】
図7及び図8に示すように、第2取付部63は、第1取付部84に嵌合する内側嵌合部63Aと、内側嵌合部63Aの車室外側に位置し、スイッチベース3の第3取付部3B(図9及び図10参照)に嵌合する外側嵌合部63Bと、を備える。外側嵌合部63Bは、その上部において上下方向に貫通し前後方向を長辺とする四角形状の取付開口部63B1を備える。
【0032】
内側嵌合部63Aは、取付開口部63B1と当該内側嵌合部63Aとを隔てる隔壁であって、上方に向かうほど車室外側に傾斜した隔壁部64と、隔壁部64の下端部から車室内側に延びた板状の底壁部66と、隔壁部64の後端部から車室内側に延びた板状の側壁部65と、隔壁部64の車室内側に配され、隔壁部64に対向する内壁部67と、を備える。内壁部67は、底壁部66の車室内側端部から上方に立ち上がった柱状をなし、上方に向かうほどやや車室内側に傾斜した2つの立上部67A1,67A2と、2つの立上部67A1,67A2の上端部を繋ぐ接続部67Bと、2つの立上部67A1,67A2の間に配され、接続部67Bの前後方向における中央部分から垂下した前方視三角形状をなす三角部67Cと、を備える。2つの立上部67A1,67A2のうち、後方に位置する立上部67A2は、側壁部65に接続している。
【0033】
接続部67Bは、接続下部67B1と、接続下部67B1の上側に位置し、内壁部67の先端部分を構成し、2つの立上部67A1,67A2や接続下部67B1よりも上方に向かうほど斜視内側へより傾斜した内壁先端部67B2と、を備える。三角部67Cは、下方に向かうほど2つの立上部67A1,67A2や接続部67Bよりも車室外側に突き出る形をなしている。三角部67Cの下端部67C1は、2つの立上部67A1,67A2や接続部67Bよりも車室外側に位置している。図8に示すように、内壁部67は、その車室内側面において、内壁先端部67B2、接続下部67B1、及び三角部67Cに跨る形で立設した板状のリブ68を備える。
【0034】
第2取付部63を第1取付部84の下方に位置させて、図3に示すように、第2取付部63を第1取付部84に対し上方へ(所定方向D1に交わる方向である取り付け方向D2の方向へ)移動させると、第1取付部84に第2取付部63が取り付けられ、第1取付状態となる。このとき、図9及び図10に示すように、隔壁部64と内壁部67との間に第1取付部84が挿入される。また、第2取付部63が第1取付部84に対して下方から近接することに伴い、三角部67Cが下側立上壁部86に当接して車室内側に弾性変形した後、三角部67Cの下端部67C1が上側立上壁部85の貫通孔85Aに陥入して車室外側に弾性復帰する(下端部67C1が貫通孔85Aに引っ掛かる)。これにより、内側嵌合部63Aは、第1取付部84に嵌合する。
【0035】
第1取付部84に第2取付部63が取り付けられた第1取付状態では、底壁部66の上方に下側立上壁部86が配され、突条部86A1が隔壁部64に対し車室内側から当接している。また、側壁部65の前方に後壁部87が配され、突条部87A1が隔壁部64に対し車室内側から当接している。また、図3に示すように、第1取付状態では、第1取付部84及び第2取付部63は、取付体4の車室外側であって前上側部分である角部4Aに配されている。
【0036】
図3に示すように、第1取付状態では、取付体4の前側部分において上下方向に開口した開口部Sが形成される。開口部Sは、プルハンドル5の外側部材6における延出部61と、アームレスト8の前側部83におけるアームレスト延在部83Aと、により形成されている。開口部Sは、延出部61とアームレスト延在部83Aとの間の間隙である。一方、図9及び図10に示すように、スイッチベース3は、車室外側端部の下面から下方に延びた爪部(第3取付部)3Bを備える。爪部3Bは、第2取付部63の外側嵌合部63Bにおける取付開口部63B1に挿入されて嵌合することにより、第2取付部63に取り付けられる。スイッチベース3は、第2取付状態(又は第3取付状態)の取付体4において、第2取付部63に爪部3Bが取り付けられることで、取付体4の開口部Sを上方から塞ぐ構成とされる(図1参照)。
【0037】
続いて、本実施形態の効果について説明する。本実施形態では、アームレスト8と、プルハンドル5と、スイッチベース3と、を備え、アームレスト8は、第1取付部84を備え、プルハンドル5は、本体部60と、第1取付部84に取り付けられる第2取付部63を有し、本体部60から延出した延出部61と、を備え、第1取付部84に第2取付部63が取り付けられた取付状態では、アームレスト8と延出部61とにより開口部Sが形成され、スイッチベース3は、第2取付部63に取り付けられる第3取付部3Bを備え、取付状態の第2取付部63に第3取付部3Bが取り付けられることで、開口部Sを塞ぐ構成とされる、ドアトリム100を示した。
【0038】
このようなドアトリム100によると、第1取付部84に第2取付部63が取り付けられた取付状態では、アームレスト8にプルハンドル5が取り付けられた取付体4を構成することができる。これにより、取付体4をドアトリム100における他部材(例えばロアボード1やトリム部2等)へ一括して取り付けたり、取付体4の状態で輸送し、取付体4を形成した場所とは異なる場所にて、取付体4にスイッチベース3を取り付けてドアトリム100の製造を完成させたりすることができる。また、スイッチベース3(より具体的には、スイッチベース3に取り付けられるスイッチ)に対し、開口部Sを通してハーネスを取り付け、取付状態の第2取付部63に第3取付部3Bを取り付けることで、スイッチベース3が最終的に開口部Sを塞ぐようにしてドアトリム100を製造することができる。以上により、各部材の取付工程をスムーズに行い、作業者の負担を低減可能なドアトリム100を提供することができる。さらに、各部材の取付箇所を1カ所に集約する(第2取付部63が、第1取付部84及び第3取付部3Bに取り付けられた状態となる)ことで、取付強度の向上や省スペース化を実現することができる。
【0039】
第2取付部63は、第1取付部84に嵌合する内側嵌合部63Aと、内側嵌合部63Aの車室外側に位置し、第3取付部3Bに嵌合する外側嵌合部63Bと、を備えている。
【0040】
このようなドアトリム100によると、第1取付部84に第2取付部63が取り付けられ、第2取付部63に第3取付部3Bが取り付けられた状態では、第1取付部84、第2取付部63、及び第3取付部3Bを車室内外方向において集約することができ、より省スペース化を実現可能なドアトリム100とすることができる。また、第2取付部63の隔壁部64は、第1取付部84との取り付けにより、第3取付部3B側に弾性変形し、第3取付部3Bとの取付により、第1取付部84側に弾性変形することができるので、各取付部に互いに力が加わって外れにくくなり、取付強度をより向上させることができる。
【0041】
ドアトリム100は、プルハンドル5が取り付けられるトリム部2を備え、プルハンドル5は、第2取付部63において第3取付部3Bに取り付けられる部分の車室外側に配され、トリム部2への取付箇所となる第4取付部69Dを備えている。
【0042】
このようなドアトリム100によると、各部材とトリム部2との当接部分において生じる隙間を小さくすることができ、意匠性を向上させることができる。また、第1取付部84、第2取付部63、第3取付部3B、及び第4取付部69Dを1カ所に集約することができるので、取付強度を一層向上してより効果的に省スペース化を実現することができる。
【0043】
第1取付部84及び第2取付部63は、取付状態のアームレスト8とプルハンドル5とにより構成される取付体4の角部4Aに配されている。
【0044】
このようなドアトリム100によると、アームレスト8とプルハンドル5との間に生じる隙間や、取付体4が他部材(トリム部2等)に取り付けられる場合は、取付体4と他部材との当接部分において生じる隙間を、より小さくすることができる。
【0045】
ドアトリム100は、取付状態のアームレスト8とプルハンドル5とにより構成される取付体4が所定方向D1から取り付けられるトリム部2を備え、第2取付部63は、第1取付部84への取り付け方向D2が、所定方向D1に対し交わる方向とされている。
【0046】
このようなドアトリム100によると、各取付部を種々の形状とすることができ、取付強度の向上や省スペース化の実現に寄与することができる。
【0047】
<他の実施形態>
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されず、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0048】
(1)上記実施形態以外にも、第1取付部、第2取付部、第3取付部、及び第4取付部の各形状は特に限定されない。例えば第3取付部が円柱状のボスであってもよく、第4取付部が爪形状をなしていてもよい。
【0049】
(2)上記実施形態以外にも、各部材を取り付ける順序は適宜変更可能である。例えば、取付体にスイッチベースを取り付けたものを、トリム部やドアパネルに取り付けてもよい。
【0050】
(3)上記実施形態以外にも、プルハンドルの構成は適宜変更可能である。プルハンドルは、外側部材と内側部材とに分割されていなくてもよい。例えば外側部材のような構造体のみがアームレストに対し取り付けられていることにより、プルハンドルの凹部が形成されるものであってもよい。また、内側嵌合部と外側嵌合部の車室内外方向における位置が、上記実施形態とは逆の位置であってもよい。
【0051】
(4)上記実施形態以外にも、開口部の位置や形は限定されない。例えば、開口部は、アームレストの中間部に配され、円形状や方形状をなしていてもよい。
【0052】
(5)上記実施形態で例示した乗物用ドアトリムは、車両用に限定されず、種々の乗物において提供されてもよい。例えば、地上の乗物としての列車や遊戯用車両、飛行用乗物としての飛行機やヘリコプター、海上や海中用乗物としての船舶や潜水艇などの乗物についても上記乗物用ドアトリムを適用することができる。
【符号の説明】
【0053】
1…ロアボード、2…アッパーボード(トリム部)、3…スイッチベース、3B…爪部(第3取付部)、4…取付体、4A…角部、5…プルハンドル、8…アームレスト、60…本体部、61…延出部、63…第2取付部、63A…内側嵌合部、63B…外側嵌合部、69D…ボス(第4取付部)、84…第1取付部、100…ドアトリム(乗物用ドアトリム)、S…開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10