(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143026
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/29 20060101AFI20241003BHJP
A61K 8/89 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/27 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/19 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20241003BHJP
A61K 8/37 20060101ALI20241003BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20241003BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/89
A61K8/27
A61K8/19
A61K8/891
A61K8/37
A61Q1/12
A61Q1/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055488
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】592042750
【氏名又は名称】株式会社アルビオン
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 勝行
(72)【発明者】
【氏名】南條 利貴
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA072
4C083AA112
4C083AA162
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB211
4C083AB212
4C083AB231
4C083AB232
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC342
4C083AC352
4C083AC372
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC582
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC862
4C083AC902
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD262
4C083AD332
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD672
4C083BB11
4C083CC12
4C083CC14
4C083DD17
4C083DD21
4C083EE01
4C083EE03
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】金属酸化物を配合した固形粉末化粧料において、凝集を抑制し、肌への付着性の高さ、また、なめらかな伸び広がり(なめらかな使用感)を維持しつつ、耐衝撃性を向上させた、固形粉末化粧料を提供する。
【解決手段】次の成分(A)~(D);(A)辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子、およびその表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種、(B)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンおよびポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種、(C)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種(成分(A)は除く)、(D)油剤を含み、成分(C)の含有量が5~40質量%である、固形粉末化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(D);
(A)辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子、およびその表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種
(B)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンおよびポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種
(C)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種(成分(A)は除く)
(D)油剤
を含み、成分(C)の含有量が5~40質量%である、固形粉末化粧料。
【請求項2】
前記成分(D)が、成分(D1)シリコーン油を少なくとも1種以上含む、請求項1に記載の固形粉末化粧料。
【請求項3】
成分(A)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(A)が0.01~10である、請求項1または2に記載の固形粉末化粧料。
【請求項4】
成分(D)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(D)が0.01~1である、請求項1または2に記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
前記成分(B)が、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーである、請求項1または2に記載の固形粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
固形粉末化粧料は、通常粉体成分および油性成分を含む固形形態の化粧料であり、ファンデーション、アイカラー、パウダーアイブロウ等の形態がある。
【0003】
固形粉末化粧料は、粉体成分により化粧効果を発揮する。粉体成分として、酸化チタンや酸化亜鉛の金属酸化物には、紫外線防御効果や肌への付着性向上といった効果があるため、これらの金属酸化物は固形粉末化粧料に汎用の材料である。
【0004】
これらの金属酸化物を配合した化粧料は肌にとまったようなきしみ感を感じ、なめらかに伸び広がらないといった問題がある。
【0005】
このような問題に対して、例えば、特許文献1では、辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する棒状粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μmであるルチル型酸化チタン凝集粒子が化粧料に使用した場合に肌になめらかに塗布することができ、肌へのきしみ感やざらつき感がなく、酸化チタンと組み合わせた場合にも、当該ルチル型酸化チタン凝集粒子のなめらかな感触や肌へのきしみ感・ざらつきがない特徴を保持できるとある。
【0006】
また、別のアプローチとして、滑りのよさを向上させるために球状粉体を配合する技術がある(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008-56535号公報
【特許文献2】特公平06-096495号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のように、ルチル型酸化チタン凝集粒子を配合した系に酸化チタンを組み合わせた場合、依然として化粧料を肌に塗布した際に十分になめらかな感触が得られない場合があった。
【0009】
また、固形粉末化粧料においては、指や塗布具(例えば、マット)への化粧料のとれ(指や塗布具などに化粧料が適量付着すること)も重要な項目となる。しかしながら、特許文献1に記載のルチル型酸化チタン凝集粒子を用いた場合であっても、化粧料のとれについては改善の余地があった。
【0010】
さらには、固形粉末化粧料は、特に金属酸化物を配合した系においては、粉体の凝集物が生成しやすい。粉体の凝集物は肌に伸ばした際にも崩れにくく、化粧膜を形成しにくいため、化粧効果を減ずる原因にもなる。
【0011】
さらに、固形粉末化粧料は、固形状であるために、運搬時の衝撃や使用時の落下などにより化粧料表面にひびなどの割れが生じたり、容器から化粧料が飛び出したりする場合がある。このため、固形粉末化粧料には「耐衝撃性」が高いことが求められる。しかしながら、化粧料になめらかな伸び広がりを付与することを期待して金属酸化物に球状粉体を配合した場合、金属酸化物の配合量の増加に伴い、球状粉体の配合量も増加し、耐衝撃性に問題が生ずる場合があった。
【0012】
そこで本発明は、金属酸化物を配合した固形粉末化粧料において、固形粉末化粧料中の凝集物が少なく、化粧料のとれ、肌への付着性、およびなめらかな伸び広がりが良好で、耐衝撃性の高い、固形粉末化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明に固形粉末化粧料は、以下の構成を有する。
1.次の成分(A)~(D);
(A)辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子、およびその表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種
(B)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンおよびポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種
(C)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種(成分(A)は除く)
(D)油剤
を含み、成分(C)の含有量が5~40質量%である、固形粉末化粧料。
2.前記成分(D)が、成分(D1)シリコーン油を少なくとも1種以上含む、1.に記載の固形粉末化粧料。
3.成分(A)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(A)が0.01~10である、1.または2.に記載の固形粉末化粧料。
4.成分(D)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(D)が0.01~1である、1.~3.のいずれかに記載の固形粉末化粧料。
5.前記成分(B)が、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーである、1.~4.のいずれかに記載の固形粉末化粧料。
【発明の効果】
【0014】
本発明の固形粉末化粧料によれば、固形粉末化粧料中の凝集物が少なく、化粧料のとれ、肌への付着性、およびなめらかな伸び広がりが良好で、耐衝撃性が高い。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X~Y」は、XおよびYを含み、「X以上Y以下」を意味する。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20~25℃)/相対湿度45~55%RHの条件で行う。
【0016】
本発明の第一実施形態は、次の成分(A)~(D);
(A)辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子、およびその表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種
(B)(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンおよびポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種
(C)酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種(成分(A)は除く)
(D)油剤
を含み、成分(C)の含有量が5~40質量%である、固形粉末化粧料である。以下、固形粉末化粧料を単に化粧料とも称する場合もある。
【0017】
なお、本発明における固形粉末化粧料とは、粉体(粉末、粒子)を主成分として構成される固形状化粧料である。なお、ここで主成分とは、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であることを指す。すなわち、本実施形態においては、成分(A)、成分(C)およびその他の粉体を含めた粉体(表面処理粉体を含む)の合計量が、化粧料に対して50質量%以上(上限は化粧料全量から成分(B)、成分(D)の含有量を除いた質量%)であり、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは、80~99質量%である。
【0018】
以下、本実施形態を構成する各成分について説明する。
【0019】
(成分(A):辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.1~5.0μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子(以下、単にルチル型酸化チタン凝集粒子または、凝集粒子とも称する)、ルチル型酸化チタン凝集粒子の表面処理粉体)
凝集粒子は、辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する棒状粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子の凝集体である。これにより、粒子表面には微細な空隙が無数に存在しており、この空隙に余分な皮脂や汗を徐々に吸収することで化粧持ちが良好となる。ここで、辺の大きさ、厚さは、電子顕微鏡観察で測定される。
【0020】
凝集粒子の平均粒径は0.1~5.0μmである。凝集粒子の平均粒径が0.1μmより小さくなると、肌へ塗り延ばす際にきしみ感が発現するため好ましくない。また、5.0μmよりも大きくなると肌への密着性が弱くなり、化粧料が肌に付着しにくくなるため好ましくない。凝集粒子の平均粒径は、好ましくは0.1~1.0μm、より好ましくは0.1~0.5μm、さらに好ましくは0.2~0.4μmである。また、凝集粒子の平均粒径は、レーザー回折/散乱法によって、例えばエタノールを分散媒として測定される体積平均粒子径とする。
【0021】
凝集粒子の形状は球状である方が、肌への滑らかさをいっそう良好とするので好ましい。ここでいう球状とは、毬藻状や毬栗状のものも含まれる。
【0022】
凝集粒子の平均摩擦係数(MIU値)は0.2以上0.7未満である。凝集粒子の平均摩擦係数が0.7以上になると、なめらかな感触がなくなり、肌へ塗り延ばす際にきしみ感が発生するため好ましくなく、また、平均摩擦係数が0.2未満になると肌への密着姓が良くないので好ましくない。平均摩擦係数の測定は、例えば、カトーテック(株)製摩擦感テスター KES-SEを使用し、測定粉末を人工皮革上に1mg/cm2となるように指で均一に塗り広げ、荷重25gの条件で求めることができる。
【0023】
以上の、ルチル型酸化チタン粒子の辺の大きさ、厚さ方向、凝集粒子の平均粒径、平均摩擦係数(MIU値)は、凝集粒子が2種以上併用される場合には、個々の凝集粒子の特性を指す。
【0024】
このような凝集粒子は、例えば、特開2008-56535号公報に記載の方法により得ることができる。
【0025】
具体的には、凝集粒子は、10℃以下の温度で硫酸チタニル溶液をアルカリ中和して得られたオルソチタン酸に10℃以下の温度で塩酸を添加してオルソチタン酸を完全に溶解した後、加熱して加水分解を行うことにより得られる。その時のTiO2濃度は、好ましくは50~140g/L、より好ましくは70~120g/L、塩酸濃度は、好ましくは70~170g/L、より好ましくは90~160g/Lである。また、加水分解の温度は25~60℃が好ましく、より好ましくは30~55℃である。
【0026】
また、ルチル型酸化チタン凝集粒子は、オルソチタン酸の他に四塩化チタン溶液やメタチタン酸をアルカリで処理したチタン酸のアルカリ塩を塩酸にて加水分解が起こらない温度において溶解した溶液を用いて加水分解を行っても得ることができる。このように、凝集粒子は、全く焼成工程を経ないことで得ることができ、焼結粒子がないため、通常の酸化チタンと比較して分散性に優れる。
【0027】
ルチル型酸化チタン凝集粒子には、化粧料を製造する際の分散媒体中での分散安定性および耐久性向上のため、表面処理を施してもよい。すなわち、成分(A)は、ルチル型酸化チタン凝集粒子の表面処理粉体であってもよい。具体的には、凝集粒子表面にアルミニウム、珪素、亜鉛、チタニウム、ジルコニウム、鉄、セリウム及びスズ等の金属の含水酸化物又は酸化物を被覆することができる。これらの表面処理は、単独であっても2種以上を併用してもよい。中でも、本発明の効果が一層奏されることから、成分(A)が、水酸化アルミニウム処理、およびシリカ処理からなる群から選択された少なくとも1種で表面された凝集粒子であることが好ましい。更に、これらの表面処理に加えて、または代えて、凝集粒子にあらかじめ撥水及び/又は撥油化処理を施すことが有用である。撥水及び/又は撥油化処理は、ルチル型酸化チタン凝集粒子表面を、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン化合物、シラン系、アルミニウム系、チタニウム系およびジルコニウム系等のカップリング剤、パーフルオロアルキルリン酸化合物等のフッ素化合物、炭化水素、レシチン、アミノ酸、ポリエチレン、ロウ、ステアリン酸などの金属石けん等を処理することにより行う。これらの、撥水及び/又は撥油化処理は、単独であっても2種以上を併用してもよい。
【0028】
凝集粒子に対する表面処理剤の処理量は未処理凝集粒子に対して0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.5~20質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%である。
【0029】
成分(A)としては、本発明の効果が一層奏されることから、少なくとも水酸化アルミニウム処理されたルチル型酸化チタン凝集粒子であることが好ましく、化粧料のとれ、なめらかな使用感の点から、成分(A)がステアリン酸および水酸化アルミニウム処理されたルチル型酸化チタン凝集粒子を含むことがより好ましい。
【0030】
成分(A)の含有量(成分(A)が2種以上の場合は合計量)は、固形粉末化粧料中、0.1~40質量%であることが好ましく、1~30質量%であることがより好ましい。また、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりの観点からは、成分(A)の含有量は、固形粉末化粧料中、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であってもよい。さらに、肌への付着性、なめらかな伸び広がりの観点からは、成分(A)の含有量は、固形粉末化粧料中、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましい。成分(A)の含有量は、固形粉末化粧料中、3~25質量%であることがさらに好ましく、3~20質量%であることがさらにより好ましい。
【0031】
成分(A)は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0032】
(成分(B):(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンおよびポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種)
成分(B)を含有することで、化粧料のとれ、なめらかな使用感が顕著に向上する。(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーン、ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、親水性部分(アクリルポリマー、ポリオキシアルキレン変性、ポリグリセリン変性)を有し、さらに、アルキル部、シリコーン部を有するという共通の構造を有する。詳細なメカニズムは不明であるが、このような構造に起因して、本願発明の効果が奏されると予想される。固形粉末化粧料中の凝集物が一層低減されることから、成分(B)は、(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーであることが好ましい。
【0033】
(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマーとは、アクリルポリマーとジメチルポリシロキサンからなるグラフト共重合体であり、アクリル樹脂とシリコーンの両方の特長を有するものである。INCI名(International Nomenclature Cosmetic Ingredient labeling names)で表すと、ACRYLATES/ETHYLHEXYL ACRYLATE/DIMETHICONE METHACRYLATE COPOLYMERである。性状としては、特に限定されないが、25℃で液状であるものを用いることがより好ましい。市販品としては、KP-578(信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0034】
ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、主鎖としてポリジメチルシロキサン構造を持ち、その一部が分岐又は架橋していてもよく、主鎖の一部がポリオキシアルキレンおよびアルキルで変性されている構造を有する。ポリオキシアルキレンとしてはポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、又はそれらの混合物が挙げられる。アルキルとしては炭素数が1~30が好ましく、より好ましくは炭素数3~20であり、特に好ましくは8~18であり、その一部が分岐していてもよい。主鎖の一部が架橋したものの例としてはPEG-10ラウリルジメチコンクロスポリマー、PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマーなどが挙げられる。これらが含有された市販品としてKSG-310、KSG-320、KSG-330、KSG-340(いずれも信越化学工業社製)などが挙げられる。主鎖の一部が分岐したものの例としてはラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどが挙げられ、市販品としてはKF-6038(信越化学工業社製)が挙げられる。本発明の効果が一層奏されることから、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性シリコーンは、主鎖の一部が分岐した構造であることが好ましく、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンであることがより好ましい。
【0035】
ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、主鎖としてポリジメチルシロキサン構造を持ち、その一部が分岐又は架橋していてもよく、主鎖の一部がポリグリセリンおよびアルキルで変性されている構造を有する。グリセリンの重合度としては2~10が好ましく特に好ましくは3~5である。主鎖の一部が架橋したものの例としては(ラウリルジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマーなどが挙げられる。これらが含有された市販品としてKSG-710、KSG-810、KSG-820、KSG-830、KSG-840(いずれも信越化学工業社製)などが挙げられる。主鎖の一部が分岐したものの例としてはラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン等の名称が知られており、市販品としてKF-6105(信越化学工業社製)が挙げられる。ポリグリセリン・アルキル共変性シリコーンは、主鎖の一部が分岐した構造であることが好ましく、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコンであることがより好ましい。
【0036】
成分(B)の含有量(成分(B)が2種以上の場合は合計量)は、化粧料のとれの点から、化粧料に対して0.05~20質量%であることが好ましく、0.1~10質量%であることがより好ましく、肌への付着性、なめらかな伸び広がりの点から、0.2~5質量%であることがさらにより好ましく、0.5~3質量%であることがさらにより好ましい。
【0037】
成分(A)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(A)は、化粧料のとれ、凝集物の抑制、耐衝撃性の点から、0.01以上であることが好ましく、肌への付着性、なめらかな伸び広がりの点から、0.02以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。また、成分(A)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(A)は、化粧料のとれ、肌への付着性、耐衝撃性の点から、10以下であることが好ましく、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりの点から5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。成分(A)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(A)は、0.01~10であることが好ましく、0.02~5であることがより好ましく、0.05~1であることがさらに好ましい。
【0038】
(成分(C):酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種、以下、単に成分(C)の金属酸化物とも称する)
成分(C)としての、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄は、これらの一種又は二種以上を併用して用いることができる。成分(C)としては、凝集物の抑制、耐衝撃性の点から、成分(C2)酸化チタン、酸化亜鉛、およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましく、酸化チタン、およびこの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましい。
【0039】
酸化鉄としては、下記微粒子酸化鉄の他、赤(色)酸化鉄(ベンガラ)、水酸化鉄、γ-酸化鉄、黄(色)酸化鉄、黒(色)酸化鉄等が挙げられる。
【0040】
なお、成分(C):酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄とは、粉体母体(粉体中の含有量が50質量%超の粉体)が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄であることを指し、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄の複合粉体(母体が酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄以外の粉体で、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄で被覆されている粉体)は、ここでいう成分(C)の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄には含まれない。
【0041】
成分(C)として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄の表面処理粉体を用いてもよい。表面処理としては、公知の粉体の表面処理方法を用いることができ、フッ素化合物処理、シリカ処理(含水シリカ処理を含む)、アルミナ処理、水酸化アルミニウム処理、シリコーン処理(メチコン処理、ハイドロゲンジメチコン処理など)、シリコーン樹脂処理、トリアルコキシアルキルシラン処理、アルキルチタネート処理、シラン処理、油剤処理、ポリアクリル酸処理、ステアリン酸処理などの金属石鹸処理、アクリル樹脂処理、リン脂質処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、N-アシルアミノ酸(エステル)処理、フッ素化合物処理などが挙げられる。これらの表面処理は、単独であっても2種以上を併用してもよい。また、表面処理粉体は、一種又は二種以上を併用して用いることができ、さらには、未処理の酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄と組み合わせてもよい。
【0042】
シリコーン処理におけるシリコーンとしては、例えば、低重合度ジメチルポリシロキサン、高重合度ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン類、シリコーンリン酸トリエステル、アモジメチコン等のアミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン等の変性シリコーン類、トリメチルシロキシケイ酸やアクリレートシリコーン等のシリコーン樹脂類、シリコーンゴム類、部分又は全架橋オルガノポリシロキサン類、各種シリル化剤類などが挙げられる。
【0043】
トリアルコキシアルキルシラン処理におけるトリアルコキシアルキルシランは、ケイ素原子に三つのアルコキシ基と一つのアルキル基が結合した化合物であり、該アルコキシ基が粉体表面の水酸基等と反応することにより、粉体表面を化学的に被覆する化合物である。該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルコキシ基は、炭素数1~3であるメトキシ、エトキシ、プロポキシ等が好ましい。また、該トリアルコキシアルキルシランにおける、アルキル基は、炭素数6~18のアルキル基であるヘキシル基、オクチル基、デシル基、オクタデシル基等が好ましい。このようなトリアルコキシアルキルシランは、例えば、トリメトキシヘキシルシラン、トリメトキシオクチルシラン、トリメトキシデシルシラン、トリメトキシオクタデシルシラン、トリエトキシヘキシルシラン、トリエトキシオクチルシラン(トリエトキシカプリリルシラン)、トリエトキシデシルシラン、トリエトキシオクタデシルシランなどが挙げられる。
【0044】
アルキルチタネート処理におけるアルキルチタネートとしては、例えば、長鎖カルボン酸型、ピロリン酸型、亜リン酸型、アミノ酸型等のアルキルチタネートが挙げられる。具体的には、長鎖カルボン酸型のアルキルチタネートとして、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が挙げられ、ピロリン酸型アルキルチタネートとして、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等が挙げられ、亜リン酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられ、アミノ酸型アルキルチタネートとして、イソプロピルトリ(N-アミドエチル・アミノエチル)チタネートなどが挙げられる。
【0045】
N-アシルアミノ酸処理におけるN-アシルアミノ酸としては、具体的には、例えば、ラウロイルグルタミン酸、ミリストイルグルタミン酸、ステアロイルグルタミン酸、オレイリルグルタミン酸、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸、ラウロイルアスパラギン酸、ミリストイルアスパラギン酸、オレイリルアスパラギン酸、ヤシ油脂肪酸アスパラギン酸、ジラウロイルグルタミン酸リシン、ラウロイルリシン、パルミトイルサルコシンならびにこれらの塩などが挙げられる。
【0046】
表面処理に用いられる表面処理剤の処理量は未処理粉体に対して0.1~30質量%が好ましく、より好ましくは0.5~20質量%であり、さらに好ましくは1~10質量%である。
【0047】
表面処理の方法は従来公知の方法を用いることができる。
【0048】
また、成分(C)の金属酸化物の粒子径は特に限定されないが、化粧効果および本発明の効果が一層得られやすいことから、平均粒子径が1~500nmの範囲のものが好ましい。なお、成分(C)の平均粒子径とは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置を用いた積算体積50%の平均粒径値をいう。また、成分(C)が複数用いられている場合には、成分(C)の金属酸化物の粒子径とは、それぞれの平均粒子径を指す。
【0049】
本発明の好適な一態様は、肌への付着性の点から、成分(C)が、平均粒子径が100nm以下、さらには5~100nmの金属酸化物を含む。以下、平均粒子径が100nm以下の粒子を、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等とも称し、平均粒子径が100nmを超えるもの(特には平均粒子径が1000μm以下のもの)について、顔料級酸化チタン、顔料級酸化亜鉛等とも称する。成分(C)としては市販品を用いてもよく、例えば、微粒子酸化亜鉛として、FINEX-50(堺化学工業社製)、XZ-100F(堺化学工業社製)、ZnO-350(住友大阪セメント社製)、酸化亜鉛FZO-50(石原産業社製)、MZ-500、MZ-300、MZ-200、MZ-150(テイカ社製)、微粒子酸化チタンとして、MT-700B、MT-500B、MT-500SA、MT-N1(以上、全てテイカ社製)等のMTシリーズ;TTO-55(A)(石原産業社製)、SMT-500SAS(テイカ社製)、SMT-500SAM(テイカ社製)、ST-605EC、ST-405EC(チタン工業社製)、STR-100A(堺化学工業社製)等が挙げられる。
【0050】
成分(C)の含有量(成分(C)が2種以上の場合は合計量)は、固形粉末化粧料に対して5~40質量%である。成分(C)が5質量%未満であると、化粧料の肌への付着性が十分ではない。成分(C)が40質量%を超えると、マットへのとれ、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりの点で十分ではない。さらには、好適な一態様は、平均粒子径が100nm以下(さらには5~100nmの金属酸化物)の含有量が、固形粉末化粧料に対して5~40質量%である。
【0051】
本発明の一態様によれば、固形粉末化粧料が、成分(C2)酸化チタン、酸化亜鉛およびこれらの表面処理粉体からなる群から選択される少なくとも1種を含み、成分(C2)の含有量(合計量)は、固形粉末化粧料に対して5~40質量%である。
【0052】
成分(A)に対する成分(C)の質量含有比率 (C)/(A)は、例えば、0.1~10であり、肌への付着性、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりの点から、0.5~5であってもよい。
【0053】
(成分(D):油剤)
油剤は、成分(B)とともに配合されることで、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりに寄与する。なお、ここでいう油剤とは、単独で固形粉末化粧料中に配合されるものを指し、表面処理剤としての油剤はここに含まれない。
【0054】
本明細書において、油剤とは、水に不溶(難溶性)の油溶性化合物を指し、例えば、水への溶解度(1013.25hPa、20℃)が2g/100gH2O未満の物質を指す。
【0055】
油剤としては、イソドデカン、イソヘキサデカン、軽質イソパラフィン、流動パラフィン(ミネラルオイル)、スクワラン、スクワレン、α-オレフィンオリゴマー、ポリブテン、流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、ポリイソブチレン、水添ポリイソブテン等の炭化水素類、アブラナ種子油、アボカド油、アルモンド油、アンズ核油、エゴマ油、オレンジ油、オリーブ油、キウイ種子油、ブドウ種子油、ゴマ油、小麦胚芽油、米胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、セージ油、大豆油、チャ種子油、トウモロコシ油、ナタネ油、月見草油、ツバキ油、パーシック油、ハトムギ油、ピーナッツ油、ひまわり油、ひまわり種子油、ブドウ種子油、メドウフォーム油、ローズマリー油、ホホバ油、ホホバ種子油、マカデミアナッツ油、ラベンダー油、ローズヒップ油、ミンク油等の動植物油;トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル(トリエチルヘキサノイン)、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、デカイソステアリン酸デカグリセリル(デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10)、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、トリイソステアリン酸ポリグリセリル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、デカイソステアリン酸ポリグリセリル-10、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット(テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル)、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリトリット、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、炭酸ジアルキル、トリメリト酸トリトリデシル、シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、安息香酸アルキル(C12-15)、ポリヒドロキシステアリン酸等のエステル類;オレイン酸、イソステアリン酸等の脂肪酸類;オレイルアルコール、2-オクチルドデカノール、2-デシルテトラデカノール、イソステアリルアルコール、2-ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;シリコーン油類;パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類;酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体類;パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、サリチル酸エチルヘキシル、2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ポリシリコーン-15等の紫外線吸収剤;ゼアキサンチン、カンタキサンチン、アスタキサンチン、フコキサンチン、ルテイン、α-カロテン、β-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、リコペン等のカロテン類およびそれらの誘導体、α-トコフェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロール、δ-トコフェロール、α-トコトリエノール、β-トコトリエノール、γ-トコトリエノール、δ-トコトリエノール、酢酸トコフェロールなどのビタミンE類またはその誘導体、レチノール又はその誘導体、パルミチン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル等のアスコルビン酸の油溶性誘導体、セラミドなどの油溶性成分;カカオ脂、シアバター、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、水添ヤシ油、ワセリン、モノステアリン酸硬化ヒマシ油、モノヒドロキシステアリン酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸ジ(フィトステリル・2-オクチルドデシル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-ジ(オクチルドデシル/コレステリル/ベヘニル)、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等のペースト状の油剤;パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ミツロウ等のワックス類;ステアリン酸、ベヘン酸等の脂肪酸類;セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ホホバアルコールなどの高級アルコール類;パルミチン酸セチル、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、トリベヘン酸グリセリル、コレステロール、フィトステロール、ステアリル変性ポリシロキサン、硬化油、パーム油、香料等が挙げられる。これらの油剤は1単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
【0056】
中でも、化粧料のとれ、凝集物の抑制の点から、成分(D)が、成分(D1)シリコーン油を少なくとも1種以上含むことが好ましく、凝集物の抑制をさらに高める点から、フェニル変性シリコーン油を含むことがより好ましい。成分(D)が、成分(D1)シリコーン油を少なくとも1種以上含むことで、さらには、フェニル変性シリコーン油を含むことで、成分(B)との相溶性が高くなり、成分(B)の機能が発揮されやすくなると考えられる。成分(D1)の固形粉末化粧料中の含有量は、上記効果の観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1~20質量%であることがより好ましく、1~10質量%であることがさらにより好ましく、1~5質量%であることがさらにより好ましい。
【0057】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン(ジメチコン)、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメチコン、シクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン;テトラメチルテトラフェニルシクロテトラシロキサン、ジフェニルジメチコン、メチルフェニルポリシロキサン(ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン)、フェニルトリメチコン等のフェニル変性シリコーン油;テトラメチルテトラトリフロロプロピルシクロテトラシロキサン、ペンタメチルペンタトリフロロプロピルシクロペンタシロキサン等のフッ素変性シリコーン油;ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、オレイル変性ジメチルポリシロキサン、ポリビニルピロリドン変性ジメチルポリシロキサン、アルキル変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。
【0058】
成分(D)は1種単独で用いても2種以上併用してもよい。
【0059】
成分(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がり等の観点から、固形粉末化粧料に対して1質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましい。また、凝集物の抑制の観点からは、固形粉末化粧料に対して、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、凝集物の抑制、なめらかな伸び広がりの点から15質量%以下であることがさらに好ましい。
【0060】
成分(D)に対する成分(B)の質量含有比率 (B)/(D)が0.01~1であることが好ましい。(B)/(D)がこのような範囲にあることで、化粧料のとれ、肌への付着性が良好となる。凝集物の生成抑制の観点から、(B)/(D)が0.02~1であることがより好ましく、なめらかな伸び広がりの点から、(B)/(D)が0.05~0.7であることがさらに好ましく、0.05~0.5であることがさらにより好ましい。
【0061】
(その他の粉体)
本実施形態の固形粉末化粧料は、感触調整などの観点から、成分(A)および成分(C)以外の粉体を含んでいてもよい。
【0062】
粉体としては、板状、紡錘状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、有色顔料類、複合粉体類、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層末などが挙げられる。
【0063】
無機粉体類としては、カーボンブラック、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化クロム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、雲母(マイカ)、合成雲母、セリサイト、合成セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、窒化ホウ素、シリカなどが挙げられる。
【0064】
光輝性粉体類としては、オキシ塩化ビスマス、雲母チタン(酸化チタン被覆雲母)、酸化鉄処理雲母、酸化鉄処理雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、二酸化珪素・酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆ガラス末、酸化鉄酸化チタン被覆ガラス末、アルミニウムパウダーなどが挙げられる。
【0065】
有機粉体類としては、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸マグネシウム、ミリスチン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム等の金属石鹸粉体、N-アシルリジン、ナイロン、ポリメチルシルセスキオキサン、架橋型オルガノポリシロキサン重合体、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチルなどのポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチルとポリイソプレンの複合体、ポリアクリル酸エステル、アクリロニトリル-メタクリル酸共重合体パウダー、ポリテトラフルオロエチレンなどが挙げられる。架橋型オルガノポリシロキサン重合体としては、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマーなどの部分架橋型メチルフェニルポリシロキサン、ジメチコンコポリオールクロスポリマーなどの部分架橋型ポリエーテル変性シリコーン、部分架橋型アルキル変性シリコーン、例えば、INCI名称で、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/フェニルビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、(ジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等が挙げられる。なお、架橋型オルガノポリシロキサン重合体は、架橋型オルガノポリシロキサン重合体と溶媒とからなるシリコーンゲルの状態で化粧料に含有させてもよい。このようなシリコーンゲルは市販品を使用することができ、例えば、KSG-18A、KSG-16、KSG-15AP(以上、信越シリコーン社製)、エラストマーブレンドDC9045(東レ・ダウコーニング社製)などを挙げることができる。
【0066】
有色顔料類としては、チタン酸鉄等の無機赤色顔料、無機褐色系顔料、黄土等の無機黄色系顔料、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をアルミニウムなどでレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、およびこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体などが挙げられる。タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号などが挙げられる。
【0067】
複合粉体類としては、硫酸バリウム被覆雲母チタン、有機顔料処理雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン被覆二酸化珪素、酸化亜鉛被覆二酸化珪素などが挙げられる。
【0068】
粉体は、1種または2種以上の表面処理剤を用いて表面処理を施してもよい。表面処理としては、シリコーン処理、トリアルコキシアルキルシラン処理、アルキルチタネート処理、油剤処理、フッ素化合物処理、リン脂質処理、脂肪酸処理などが挙げられる。
【0069】
処理量は粉体に対して0.5~30質量%が好ましく、より好ましくは1~20質量%のである。
【0070】
その他の粉体として、少なくともアミノプロピルトリエトキシシランで処理した粉体、さらには、アミノプロピルトリエトキシシランおよびジメチコノールで処理した粉体を含む態様は好ましい態様である。当該粉体を含むことで、本願の系においては、耐衝撃性がさらに向上する。特に、球状粉体を固形粉末化粧料中、5質量%以上、さらには10質量%以上含むような、耐衝撃性が低下しやすい場合であっても、耐衝撃性を維持することができる。このような効果を奏する詳細なメカニズムは不明であるが、成分(B)および成分(D)が存在することの相乗効果であると考えられる。
【0071】
なお、特に限定されるものではないが、固形粉末化粧料における補正材料(成分(A)~(D)の他、顔料などの化粧効果を付与する機能材料以外の材料)としては、タルク、マイカ、合成雲母およびこれらの表面処理粉体を用いることができる。これらの補正材料は、固形粉末化粧料中、例えば20~90質量%であり、30~80質量%であってもよい。
【0072】
(任意成分)
本実施形態の固形粉末化粧料は、上記成分の他、通常化粧料に使用される油性ゲル化剤、高級アルコール、界面活性剤、高分子、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、酸化防止剤、アルコール類、美容成分等を本発明の効果を妨げない範囲で適宜含有することができる。
【0073】
本実施形態の固形粉末化粧料は、特に限定されないが、ファンデーション、下地、アイカラー、アイライナー、頬紅、白粉、コンシーラー、アイブロウ等のメーキャップ化粧料に好適に用いられる。特に、本実施形態の固形粉末化粧料は、なめらかに伸び広がることから、ファンデーション、下地、アイカラー、頬紅、白粉の形態が好適である。
【0074】
本実施形態の固形粉末化粧料の製造方法は、特に限定されず、例えば、化粧料基材を金皿等の容器に充填し圧縮する乾式製法、化粧料基材を溶媒と混合したものを容器に充填した後溶媒を除去する湿式製法が挙げられる。
【実施例0075】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いる場合があるが、特に断りがない限り、「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
【0076】
製造例1:
特開2008-056535号公報の製造実施例2にしたがって成分(A)のルチル型酸化チタン凝集粒子を製造した。具体的には以下のとおりである。
【0077】
160g/Lの炭酸ナトリウム溶液中に洗浄メタチタン酸を硫酸で溶解した硫酸チタニル溶液を、液温が10℃を超えないようにゆっくりと滴下し、pHが10.0になった時、硫酸チタニルの滴下を止めた。この中和で得られたオルソチタン酸の白色沈殿をろ過し、十分洗浄した。
【0078】
次に、10℃以下に冷却しながら濃塩酸中に洗浄したオルソチタン酸ケーキを添加し、オルソチタン酸が完全に溶解するまで撹拌した。
【0079】
得られたオルソチタン酸の塩酸溶解液を、TiO2濃度80g/L、塩酸濃度100g/Lに調整し、撹拌しながら加温し55℃に液温を合わせ、20時間撹拌して加水分解を行った。得られたルチル型酸化チタンを中和・洗浄・乾燥した。得られた粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、辺の大きさが0.06~0.12μm、厚さが0.02~0.06μmの扇状ルチル型酸化チタン粒子が凝集した平均粒径0.23μmの球状ルチル型酸化チタン凝集粒子であり、摩擦感テスターによる平均摩擦係数は0.54であった。
【0080】
得られた球状ルチル型酸化チタン凝集粒子について、水酸化アルミニウム処理を行って水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子(平均粒子径 0.25μm)を得た。
【0081】
実施例1~18、比較例1~8:ファンデーション
下記表1に示す処方のファンデーションを調製した。
【0082】
(製造方法)
(1)成分1~3、成分8~14、および成分18を混合攪拌し、混合物を得た。
(2)成分4~7と成分15~17を混合後、(1)で得られた混合物に加え混合した。
(3)(2)で得られた混合物を粉砕処理し、粉末状の化粧料を得た。
(4)(3)で得られた粉末状のバルクを水添ポリイソブテンと混合し、スラリーを得た。
(5)(4)で得られたスラリーを容器に充填成型した後、水添ポリイソブテンを除去することにより固形粉末化粧料(ファンデーション)を得た。
【0083】
(評価方法)
評価1:塗布具への付着量の適量性(マットへのとれ)
各試料について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対評価にて4段階に評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。具体的には各試料を化粧パフ(マット)に取り、そのパフに付着する試料が多すぎず、少なすぎず適量であるかどうかを評価した。
(評価基準)
(評点):(評価)
3 :塗布具への付着量が適切である
2 :塗布具への付着量がわずかに多い、もしくはわずかに不足している
1 :塗布具への付着量が多い、もしくは付着量が不足している
0 :塗布具への付着量が多過ぎる、もしくは全くつかない
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ 2.5点以上
〇 2点以上2.5点未満
△ 1点以上2点未満
× 1点未満
【0084】
評価2:凝集物の抑制
各試料について、ファンデーション用マットを用いて固形粉末化粧料を10回擦った時に、化粧料表面にできる、または見つけられる粉体の凝集体(ブツ)を目視にて確認した。なお、△以上であれば、凝集物の抑制効果があると考えられる。
<判定基準>
◎:凝集体が全くない
〇:凝集体が試料中、1~2個ある
△:凝集体が試料中、3~5個ある
×:凝集体が試料中、6個以上ある
【0085】
評価3:肌への付着性
各試料について、専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対基準にて4段階に評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。具体的には、各試料を肌上にファンデーション用マットを用いて1回伸び広げた際に、化粧料の肌への付着力の高さ(化粧膜の形成性の高さ)を評価した。なお、△以上であれば、肌への付着性効果があると考えられる。
(評価基準)
(評点):(評価)
3 非常に感じる
2 感じる
1 やや感じる
0 感じない
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ 2.5点以上
〇 2点以上2.5点未満
△ 1点以上2点未満
× 1点未満
【0086】
評価4:なめらかな使用感(なめらかな伸び広がり、肌へのひっかかりのなさ)
各試料について専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記絶対基準にて4段階に評価し、パネル全員の評点合計からその平均値を算出し、下記判定基準により判定した。具体的には各試料を肌に適量塗布し、塗布時の肌への引っかかりのなさ(キシミ感のない、なめらかな伸び広がり)を評価した。なお、△以上であれば、なめらかな使用感の効果があると考えられる。
(評価基準)
3 非常に感じる
2 感じる
1 やや感じる
0 感じない
<判定基準>
(判定):(評点の平均点)
◎ 2.5点以上
〇 2点以上2.5点未満
△ 1点以上2点未満
× 1点未満
【0087】
評価5:耐衝撃性
各試料についてプラスチック製タイルに40cmの高さから2度落下させた後、その状態を判定した(N=5)。評価は落下後、崩壊の程度を確認し以下の評価基準に従って評価し、各5サンプルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
(評価基準)
(評点):(評価結果)
3 :変化なし
2 :欠けや隙間が僅かに観察される
1 :欠けや隙間がはっきり観察される
0 :抜け、割れが発生
<判定基準>
(評点の平均点) :(判定)
2.5点以上 : ◎
2点以上2.5点未満: ○
1点以上2点未満 : △
1点未満 : ×
【0088】
各評価結果を表1に示す。
【0089】
【0090】
*1 ST-705SA(チタン工業株式会社製)(辺の大きさが0.05~0.2μm、厚さ方向が0.02~0.1μmの寸法を有する粒子が集合及び/又は結合した扇状のルチル型酸化チタン粒子が更に凝集して形成され、その凝集粒子の平均粒径が0.2~0.3μm、平均摩擦係数(MIU値)が0.2以上0.7未満である、ルチル型酸化チタン凝集粒子のステアリン酸・水酸化アルミニウム処理粉体)
*2 KP-578(信越化学工業株式会社製)
*3 KF-6038(信越化学工業株式会社製)
*4 KF-6105(信越化学工業株式会社製)
*5 KF-6028P(信越化学工業株式会社製)
*6 MT-500SA(テイカ株式会社製)
*7 SMT-500SAM(テイカ株式会社製)
*8 MT-N1(テイカ株式会社製)
*9 MZ-500(テイカ株式会社製)
*10 CR-50(石原産業株式会社製)
*11 XZ-300F(堺化学工業株式会社製)
*12 KF-96A-6CS(信越化学工業株式会社製)
*13 KF-56A(信越化学工業株式会社製)
【0091】
【0092】
【0093】
上記実施例のパウダーファンデーションは、比較例のパウダーファンデーションと比較して、凝集物が抑制され、耐衝撃性が高いとともに、マットへのとれ、肌への付着性およびなめらかな使用感が向上した。
【0094】
これに対して、成分(A)を含有していない比較例1は、凝集物の抑制、なめらかな使用感が顕著に低下し、さらに、比較例3、4は、化粧料のとれも顕著に低下した。成分(A)の代わりに球状粉体を配合した比較例2は、肌への付着性、耐衝撃性が顕著に低下した。成分(B)を含有していない比較例5、成分(B)の代わりに、アルキル部を有していないPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを用いた比較例6はなめらかな使用感が顕著に低下し、さらに、成分(B)を含有していない比較例5は、マットへのとれも顕著に低下した。成分(C)を含有していない比較例7は、肌への付着性が顕著に低下した。成分(D)を含有していない比較例8は、凝集物の抑制、なめらかな使用感が顕著に低下した。
【0095】
実施例:パウダーファンデーション
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸・水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子
(平均粒子径 0.25μm)(成分(A))(*1) 5.0%
2.水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子(製造例1)
(平均粒子径0.25μm)(成分(A)) 5.0%
3.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(成分(B))(*2) 0.5%
4.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(成分(B))(*3)
0.3%
5.ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(成分(B))
(*4) 0.2%
6.水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径 0.035μm)
(成分(C))(*6) 0.5%
7.ジメチコン・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン
(平均粒子径 0.035μm)(成分(C))(*7) 3.0%
8.ステアリン酸・水酸化Al処理酸化チタン(平均粒子径 0.008μm)
(成分(C);成分(C1))(*8) 1.0%
9.酸化亜鉛(平均粒子径 0.025μm) (成分(C))(*9)
0.5%
10.酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)(成分(C))
(*10) 1.0%
11.酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)(成分(C))(*11)
3.0%
12.赤酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.15%
13.黄酸化鉄(成分(C)、顔料級) 1.5%
14.黒酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.2%
15.窒化ホウ素(*15) 2.5%
16.窒化ホウ素(*16) 2.5%
17.合成金雲母(*17) 2.0%
18.ジメチコン処理合成金雲母(*18) 2.0%
19.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(*19)
5.0%
20.アモジメチコン処理マイカ(*20) 3.0%
21.マイカ(*21) 残量
22.ジメチコン処理タルク(*22) 2.0%
23.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*23)
5.0%
24.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(*24) 2.0%
25.ナイロン-12(*25) 1.0%
26.シリカ(*26) 2.0%
27.シリカ(*27) 2.0%
28.シリカ(*28) 1.0%
29.シリカ(*29) 1.0%
30.ポリメタクリル酸メチル(*30) 1.0%
31.(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー・シリカ(*31)
1.0%
32.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(*32) 2.0%
33.結晶セルロース(*33) 0.5%
34.グリシン 0.1%
35.テアニン 0.1%
36.セリン 0.1%
37.BHT 0.01%
38.ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル 0.1%
39.ミネラルオイル(成分(D)) 0.2%
40.スクワラン(成分(D)) 0.2%
41.イソノナン酸イソトリデシル(成分(D)) 0.3%
42.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1))
(*13) 2.0%
43.ジフェニルジメチコン(成分(D);成分(D1)) 1.0%
44.フェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1)) 0.5%
45.ジメチコン(成分(D);成分(D1))(*12) 0.5%
46.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5%
47.セスキオレイン酸ソルビタン 0.5%
48.トコフェロール(成分(D)) 0.1%
49.香料(成分(D)) 0.2%
50.フェノキシエタノール 0.3%
51.1,3-ブチレングリコール 0.05%
52.エタノール 0.15%
53.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、およびアセチルグルタミン酸の混合物(美容成分の混合物)
1.0%
(*15)SHP-3(水島合金鉄株式会社製)
(*16)CCS102-JA BORON NITRIDE POWDER(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
(*17)PDM-10L(トピー工業株式会社製)
(*18)SA-PDM-10L(三好化成株式会社製)
(*19)SE-MA-23(三好化成株式会社製)
(*20)マイカ Y-2300WA3(株式会社ヤマグチマイカ製)
(*21)マイカ Y-2300X(株式会社ヤマグチマイカ製)
(*22)SA-タルク JA-46R(三好化成株式会社製)
(*23)SE-TA-13(三好化成株式会社製)
(*24)ミクロマイカ MK-200(片倉コープアグリ株式会社製)
(*25)東レ ナイロン SP-500(東レ株式会社製)
(*26)シリカマイクロビードP-1505(日揮触媒化成株式会社製)
(*27)COSMESILICA CQ 4(富士シリシア化学株式会社製)
(*28)ゴッドボール D11-796C(鈴木油脂工業株式会社製)
(*29)ゴッドボール E2-824C(鈴木油脂工業株式会社製)
(*30)マツモトマイクロスフェアー M101(松本油脂製薬株式会社製)
(*31)CS-400(東色ピグメント株式会社製)
(*32)KSP-100(信越化学工業株式会社製)
(*33)セオラス PH-F20JP(旭化成ケミカルズ株式会社製)
(製造方法)
A.成分1~2、6~38を混合して混合物を得た。
B.成分3~5、39~49を混合して、混合物を得た。
C.成分50~53を混合し、Bで得られた混合物に加えた。
D.Cで得られた混合物をAで得られた混合物に加え、混合し混合物を得た。
E.Dで得られた混合物を粉砕処理し、粉末状の組成物を得た。
F.Eで得られた粉末状の組成物を水添ポリイソブテンと混合し、スラリーを得た。
G.Fで得られたスラリーを容器に充填成型した後、水添ポリイソブテンを除去することで固形粉末化粧料を得た。
【0096】
(評価)
実施例のファンデーションは、マットへのとれ、凝集物の抑制、肌への付着性、なめらかな使用感(肌へのひっかかりのなさ)、耐衝撃性に優れることが確認された。
【0097】
ここで、成分(A)の総量は10.0%であった。また成分(B)の総量は1.0%であった。また成分(C)の総量は10.85%であった。また成分(D)の総量は6.0%であり、成分(D1)の総量は4.0%であった。したがって、重量比の関係は次のとおりであった。(B)/(A)は、0.1であった。(B)/(D)は0.16であった。
【0098】
実施例:パウダーファンデーション
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸・水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子(平均粒子径 0.25μm)(成分(A))(*1) 2.0%
2.水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子(製造例1)
(平均粒子径0.25μm)(成分(A)) 3.0%
3.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(成分(B))(*2) 0.5%
4.ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(成分(B))(*3)
0.5%
5.水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径 0.035μm)
(成分(C))(*6) 0.5%
6.ジメチコン・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン
(平均粒子径 0.035μm)(成分(C))(*7) 4.5%
7.酸化亜鉛(平均粒子径 0.025μm)(成分(C))(*9) 5.0%
8.水酸化Al処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)(成分(C))
(*10) 0.5%
9.トリエトキシカプリリルシラン処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C))(*34) 1.0%
10.トリイソステアリン酸イソプロピルチタン処理酸化チタン
(平均粒子径 0.25μm)(成分(C))(*35) 1.0%
11.ラウロイルグルタミン酸リシンNa・リシン・塩化マグネシウム処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)(成分(C))(*36) 5.0%
12.レシチン0.5%処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C)) 4.5%
13.ジメチコン2%・水酸化Al処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C)) 1.0%
14.顔料級酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)(成分(C))(*11)
1.0%
15.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)
(成分(C))(*37) 3.0%
16.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径 1.0μm)
(成分(C))(*38) 2.0%
17.赤酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.2%
18.黄酸化鉄(成分(C)、顔料級) 1.8%
19.黒酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.2%
20.窒化ホウ素(*15) 5.0%
21.窒化ホウ素(*16) 3.0%
22.合成金雲母(*17) 1.0%
23.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(*19)
3.0%
24.マイカ(*21) 残量
25.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*23)
8.0%
26.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(*24) 8.0%
27.ナイロン-12(*25) 1.0%
28.シリカ(*27) 5.0%
29.ポリメタクリル酸メチル(*30) 2.0%
30.(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー・シリカ(*31)
1.0%
31.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(*39) 3.0%
32.結晶セルロース(*33) 0.5%
33.グリシン 0.1%
34.テアニン 0.1%
35.セリン 0.1%
36.BHT 0.01%
37.ベヘンジモニウムエチルリン酸ステアリル 0.1%
38.イソステアリン酸(成分(D)) 0.1%
39.ミネラルオイル(成分(D)) 0.2%
40.スクワラン(成分(D)) 0.2%
41.イソノナン酸イソトリデシル(成分(D)) 0.6%
42.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1))
2.0%
43.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(成分(D)) 7.0%
44.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル)(成分(D))(*40) 0.5%
45.ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)(成分(D))(*41) 0.2%
46.ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)(成分(D))
(*42) 0.2%
47.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)
(成分(D))(*43) 0.1%
48.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5%
49.セスキステアリン酸ソルビタン 0.5%
50.トコフェロール(成分(D)) 0.1%
51.香料(成分(D)) 0.2%
52.フェノキシエタノール 0.3%
53.1,3-ブチレングリコール 0.5%
54.ジプロピレングリコール 3.0%
55.エタノール 0.1%
56.セイヨウニワトコ花エキス、チャ葉エキス、テンチャエキス、マツリカ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
(*34)OTS-2 TiO2 CR-50(大東化成工業株式会社製)
(*35)ITT-2 TiO2 CR-50(大東化成工業株式会社製)
(*36)ASL-1 TiO2 CR-50(大東化成工業株式会社製)
(*37)XZ-300F-LP(堺化学工業株式会社製)
(*38)XZ-1000F-LP(堺化学工業株式会社製)
(*39)KSP-101(信越化学工業株式会社製)
(*40)コスモール 168ARV(日清オイリオグループ株式会社製)
(*41)Plandool-H(日本精化株式会社製)
(*42)エルデュウ PS-203(味の素株式会社製)
(*43)エルデュウ PS-304(味の素株式会社製)
(製造方法)
A.成分1~2、5~37を混合して混合物を得た。
B.成分3~4、38~51を70℃で加熱混合し、混合物を得た。
C.成分52~56を混合し、Bで得られた混合物に加えた。
D.Cで得られた混合物をAで得られた混合物に加え、混合し混合物を得た。
E.Dで得られた混合物を粉砕処理し、粉末状の組成物を得た。
F.Eで得られた粉末状の組成物を精製水と混合し、スラリーを得た。
G.Fで得られたスラリーを容器に充填成型した後、前記精製水を除去することで固形粉末化粧料を得た。
【0099】
(評価)
実施例のファンデーションは、マットへのとれ、凝集物の抑制、肌への付着性、なめらかな使用感(肌へのひっかかりのなさ)、耐衝撃性に優れることが確認された。
【0100】
ここで、成分(A)の総量は5.0%であった。また成分(B)の総量は1.0%であった。また成分(C)の総量は31.20%であった。また成分(D)の総量は12.40%であり、成分(D1)の総量は2.0%であった。したがって、重量比の関係は次のとおりであった。(B)/(A)は、0.2であった。(B)/(D)は0.08であった。
【0101】
実施例:パウダーファンデーション
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸・水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子(平均粒子径 0.25μm)(成分(A))(*1) 10.0%
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー(成分(B))(*2) 0.2%
3.ジメチコン・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径0.035μm)(成分(C))(*7) 7.0%
4.酸化亜鉛(平均粒子径 0.025μm)(成分(C))(*9)
1.0%
5.ラウロイルグルタミン酸リシンNa・リシン・塩化マグネシウム処理酸化チタン
(平均粒子径 0.25μm)(成分(C))(*36) 8.0%
6.レシチン0.5%処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C)) 2.0%
7.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)(成分(C))(*37) 5.0%
8.赤酸化鉄(成分(C)) 0.18%
9.黄酸化鉄(成分(C)) 1.6%
10.黒酸化鉄(成分(C)) 0.18%
11.窒化ホウ素(*15) 3.0%
12.合成金雲母(*17) 5.0%
13.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(*19)
20.0%
14.タルク 残量
15.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*23)
10.0%
16.(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)(*24) 3.0%
17.ナイロン-12(*25) 2.0%
18.シリカ(*27) 3.0%
19.ポリメタクリル酸メチル(*30) 2.0%
20.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(*39) 5.0%
21.グリシン 0.1%
22.テアニン 0.1%
23.セリン 0.1%
24.BHT 0.01%
25.ミネラルオイル(成分(D)) 0.1%
26.スクワラン(成分(D)) 0.1%
27.イソノナン酸イソトリデシル(成分(D)) 0.3%
28.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1))
1.5%
29.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル(成分(D)) 5.0%
30.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2%
31.セスキステアリン酸ソルビタン 0.3%
32.トコフェロール(成分(D)) 0.1%
33.香料(成分(D)) 0.2%
34.フェノキシエタノール 0.3%
35.1,3-ブチレングリコール 0.5%
36.エタノール 0.1%
37.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 1.0%
(製造方法)
A.成分1、3~24を混合して混合物を得た。
B.成分2、25~33を70℃で加熱混合し、混合物を得た。
C.成分34~37を混合し、Bで得られた混合物に加えた。
D.Cで得られた混合物をAで得られた混合物に加え、混合し混合物を得た。
E.Dで得られた混合物を粉砕処理し、粉末状の組成物を得た。
F.Eで得られた粉末状の組成物を容器に充填成型し、固形粉末化粧料を得た。
【0102】
(評価)
実施例のファンデーションは、マットへのとれ、凝集物の抑制、肌への付着性、なめらかな使用感(肌へのひっかかりのなさ)、耐衝撃性に優れることが確認された。
【0103】
ここで、成分(A)の総量は10.0%であった。また成分(B)の総量は0.20%であった。また成分(C)の総量は24.96%であった。また成分(D)の総量は7.80%であり、成分(D1)の総量は1.50%であった。したがって、重量比の関係は次のとおりであった。(B)/(A)は、0.02であった。(B)/(D)は0.026であった。
【0104】
実施例:プレストパウダー(白粉)
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸・水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子
(平均粒子径 0.25μm)(成分(A))(*1) 3.0%
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(成分(B))(*2) 1.0%
3.ジメチコン・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン(平均粒子径0.035μm)
(成分(C))(*7) 0.5%
4.酸化亜鉛(平均粒子径 0.025μm) (成分(C))
(*12) 0.5%
5.レシチン0.5%処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C)) 1.3%
6.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)
(成分(C);成分(C))(*37) 2.7%
7.赤酸化鉄(成分(C)) 1.0%
8.赤226 1.5%
9.窒化ホウ素(*15) 5.0%
10.合成金雲母(*17) 5.0%
11.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(*19)
10.0%
12.タルク 残量
13.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*23)
20.0%
14.酸化チタン(16%)被覆ホウケイ酸(Ca/Al) 0.5%
15.ナイロン-12(*25) 2.0%
16.シリカ(*27) 3.0%
17.ポリメタクリル酸メチル(*30) 5.0%
18.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(*39) 10.0%
19.グリシン 0.1%
20.テアニン 0.1%
21.セリン 0.1%
22.BHT 0.01%
23.スクワラン(成分(D)) 1.5%
24.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル)(成分(D))(*40) 0.5%
25.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1))
1.5%
26.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.2%
27.セスキステアリン酸ソルビタン 0.3%
28.トコフェロール(成分(D)) 0.1%
29.香料(成分(D)) 0.3%
30.フェノキシエタノール 0.2%
31.1,3-ブチレングリコール 0.5%
32.マツリカ花エキス、ブドウ葉エキス、セイヨウハッカ葉エキス、ビフィズス菌培養溶解質、サトザクラ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物) 1.0%
(製造方法)
A.成分1、3~22を混合して混合物を得た。
B.成分2、23~29を70℃で加熱混合し、混合物を得た。
C.成分30~32を混合し、Bで得られた混合物に加えた。
D.Cで得られた混合物をAで得られた混合物に加え、混合し混合物を得た。
E.Dで得られた混合物を粉砕処理し、粉末状の組成物を得た。
F.Eで得られた粉末状の組成物を容器に充填成型し、固形粉末化粧料を得た。
【0105】
(評価)
実施例のプレストパウダー(白粉)は、マットへのとれ、凝集物の抑制、肌への付着性、なめらかな使用感(肌へのひっかかりのなさ)、耐衝撃性に優れることが確認された。
【0106】
ここで、成分(A)の総量は3.0%であった。また成分(B)の総量は1.0%であった。また成分(C)の総量は6.0%であった。また成分(D)の総量は4.40%であり、成分(D1)の総量は1.50%であった。したがって、重量比の関係は次のとおりであった。(B)/(A)は、0.33であった。(B)/(D)は0.23であった。
【0107】
実施例:アイカラー
(成分) (質量%)
1.ステアリン酸・水酸化アルミニウム処理球状ルチル型酸化チタン凝集粒子
(平均粒子径0.25μm)(成分(A))(*1) 1.0%
2.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー
(成分(B))(*2) 1.0%
3.ジメチコン・水酸化Al・含水シリカ処理酸化チタン
(平均粒子径 0.035μm)(成分(C))(*7) 0.1%
4.酸化亜鉛(平均粒子径 0.025μm) (成分(C))
(*9) 0.1%
5.レシチン0.5%処理酸化チタン(平均粒子径 0.25μm)
(成分(C):成分(C)1) 3.8%
6.ハイドロゲンジメチコン処理酸化亜鉛(平均粒子径 0.3μm)
(成分(C))(*37) 2.0%
7.赤酸化鉄(成分(C)、顔料級) 1.0%
8.黄酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.5%
9.黒酸化鉄(成分(C)、顔料級) 0.3%
10.赤226 1.0%
11.赤202 1.0%
12.黄4 0.5%
13.窒化ホウ素(*15) 1.0%
14.合成金雲母(*17) 10.0%
11.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理マイカ(*19)
5.0%
12.タルク 残量
13.ジメチコノール・アミノプロピルトリエトキシシラン処理タルク(*23)
15.0%
14.酸化チタン(16%)被覆ホウケイ酸(Ca/Al) 5.0%
15.酸化チタン(20%)被覆ホウケイ酸(Ca/Al) 2.0%
16.酸化チタン(11%)被覆ホウケイ酸(Ca/Al) 3.0%
17.酸化チタン(13%)被覆合成金雲母 3.0%
18.酸化チタン(55%)被覆マイカ 7.0%
19.酸化チタン(55%)・シリカ(12%)被覆マイカ 3.0%
20.シリカ(*27) 3.0%
21.ポリメタクリル酸メチル(*30) 2.0%
22.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー
(*39) 1.0%
23.グリシン 0.1%
24.テアニン 0.1%
25.セリン 0.1%
26.BHT 0.01%
27.スクワラン(成分(D)) 2.5%
28.リンゴ酸ジイソステアリル(成分(D)) 0.5%
29.トリメリト酸トリトリデシル(成分(D)) 0.5%
30.ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン(成分(D);成分(D1))
2.5%
31.ジメチコン(成分(D);成分(D1)) 0.5%
32.セスキイソステアリン酸ソルビタン 0.5%
33.セスキステアリン酸ソルビタン 1.0%
34.トコフェロール(成分(D)) 0.1%
35.香料(成分(D)) 0.4%
36.フェノキシエタノール 0.3%
37.1,3-ブチレングリコール 0.8%
38.セイヨウニワトコ花エキス、チャ葉エキス、テンチャエキス、マツリカ花エキス、ポリクオタニウム-51、ノイバラ果実エキス、ハマナス花エキス、イザヨイバラエキス、水溶性コラーゲン、ローヤルゼリーエキス、トウキ根エキス、センチフォリアバラ花エキス、ダマスクバラ花水、ローズマリー葉エキス、アセロラ果実エキス、アセチルグルタミン酸、加水分解ヒアルロン酸、およびヒアルロン酸Naの混合物(美容成分の混合物)
1.0%
(製造方法)
A.成分1、3~26を混合して混合物を得た。
B.成分2、27~35を70℃で加熱混合し、混合物を得た。
C.成分36~38を混合し、Bで得られた混合物に加えた。
D.Cで得られた混合物をAで得られた混合物に加え、混合し混合物を得た。
E.Dで得られた粉末状の組成物を水添ポリイソブテンと混合し、スラリーを得た。
F.Eで得られたスラリーを容器に充填成型した後、水添ポリイソブテンを除去することで固形粉末化粧料を得た。
【0108】
(評価)
実施例のアイカラーは、マットへのとれ、凝集物の抑制、肌への付着性、なめらかな使用感(肌へのひっかかりのなさ)、耐衝撃性に優れることが確認された。
【0109】
ここで、成分(A)の総量は1.0%であった。また成分(B)の総量は1.0%であった。また成分(C)の総量は7.80%であった。また成分(D)の総量は8.50%であり、成分(D1)の総量は3.0%であった。したがって、重量比の関係は次のとおりであった。(B)/(A)は、1.0であった。(B)/(D)は0.12であった。
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