(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143034
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】駐車支援システム、機械式駐車設備、および方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/14 20060101AFI20241003BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20241003BHJP
E04H 6/40 20060101ALI20241003BHJP
E04H 6/42 20060101ALI20241003BHJP
E04H 6/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G08G1/14 A
G08G1/09 F
E04H6/40 A
E04H6/42 C
E04H6/18 606B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055502
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 三樹矢
(72)【発明者】
【氏名】田中 優
(72)【発明者】
【氏名】福田 祥也
(72)【発明者】
【氏名】難波 政浩
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC14
5H181KK02
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL17
(57)【要約】
【課題】車両や機械式駐車設備と障害物とがより確実に接触しないようにすることが可能な駐車支援システム、機械式駐車設備、および方法を得る。
【解決手段】実施形態の駐車支援システムは、車両に搭載される情報処理装置と、駐車場の機械式駐車設備に設けられ駐車場での車両の移動のために動作する可動部、を制御する駐車場制御装置と、を備える。情報処理装置は、車両に搭載され車両の周辺の情報を取得する車両側センサの出力に基づいて車両と可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、障害物検出信号を駐車場制御装置に送信する。駐車場制御装置は、可動部の動作中に情報処理装置から障害物検出信号を受信した場合に、可動部の動作を停止させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される情報処理装置と、
駐車場の機械式駐車設備に設けられ前記駐車場での前記車両の移動のために動作する可動部、を制御する駐車場制御装置と、
を備える駐車支援システムであって、
前記情報処理装置は、前記車両に搭載され前記車両の周辺の情報を取得する車両側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、障害物検出信号を前記駐車場制御装置に送信し、
前記駐車場制御装置は、前記可動部の動作中に前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記可動部の動作を停止させる、
駐車支援システム。
【請求項2】
前記可動部は、ターンテーブルである、
請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項3】
前記駐車場制御装置は、前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記機械式駐車設備に設けられた出力装置によって警報を発する、
請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項4】
前記機械式駐車設備は、前記駐車場内の前記車両の周辺の情報を取得する駐車場側センサを備え、
前記駐車場制御装置は、前記駐車場側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、前記可動部の動作を停止させる、
請求項1に記載の駐車支援システム。
【請求項5】
駐車場の機械式駐車設備であって、
前記駐車場での車両の移動のために動作する可動部と、
前記可動部を制御する駐車場制御装置と、
前記車両から送信され前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物が有る旨を示す障害物検出信号を受信可能な受信装置と、
を備え、
前記駐車場制御装置は、前記可動部の動作中に前記受信装置によって前記障害物検出信号が受信された場合、前記可動部の動作を停止させる、
機械式駐車設備。
【請求項6】
前記可動部は、ターンテーブルであり、
前記駐車場制御装置は、前記受信装置によって前記車両からの動作許可信号が受信された場合、前記可動部の動作を開始させる、
請求項5に記載の機械式駐車設備。
【請求項7】
前記可動部は、ターンテーブルであり、
前記駐車場制御装置は、前記受信装置によって前記車両からの動作終了信号が受信された場合、前記可動部の動作を終了させる、
請求項6に記載の機械式駐車設備。
【請求項8】
車両に搭載される情報処理装置と、
前記車両が駐車可能な駐車場の機械式駐車設備に設けられ前記車両の移動のために動作する可動部、を制御する駐車場制御装置と、
を備える駐車支援システムで実行される方法であって、
前記情報処理装置が、前記車両に搭載され前記車両の周辺の情報を取得する車両側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、障害物検出信号を前記駐車場制御装置に送信し、
前記駐車場制御装置が、前記可動部の動作中に前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記可動部の動作を停止させる、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、駐車支援システム、機械式駐車設備、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両を搬送するパレットやターンテーブル等の可動部を備えた機械式駐車設備がある。
【0003】
この種の機械式駐車設備には、パレット側面のスイッチおよびこのスイッチと連動するスカートを有した接触式の障害物センサにより、パレット動作時に障害物を検出した場合に警告を行うものが知られている(例えば、特許文献1)。上記障害物センサは、動作中のパレットと障害物との衝突を防止または軽減するために設置されている。
【0004】
また、駐車車両の旋回領域に障害が存在するかどうかを検出する旋回障害検知センサと、旋回障害検知センサの検出信号を取り込んで障害が存在しないことを判定する障害判定部とを備えた機械式駐車設備が知られている(例えば、特許文献2)。この機械式駐車設備は、障害判定部により障害が存在しないとことを判定したときに、ターンテーブルを旋回するようにしている。
【0005】
また、障害物を検出するセンサが機械式駐車設備に設けられていない構成では、例えば、人が、車両および機械式駐車設備のターンテーブルと接触の可能性のある人等の障害物が有るかを判断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008-248586号公報
【特許文献2】特開2015-214841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような従来の機械式駐車設備を備えた駐車場では、機械式駐車設備の障害物センサの有無に拘わらず、車両や機械式駐車設備と障害物とが接触する虞がある。
【0008】
そこで、実施形態の課題の一つは、車両や機械式駐車設備と障害物とがより確実に接触しないようにすることが可能な駐車支援システム、機械式駐車設備、および方法を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の駐車支援システムは、車両に搭載される情報処理装置と、駐車場の機械式駐車設備に設けられ前記駐車場での前記車両の移動のために動作する可動部、を制御する駐車場制御装置と、を備える駐車支援システムであって、前記情報処理装置は、前記車両に搭載され前記車両の周辺の情報を取得する車両側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、障害物検出信号を前記駐車場制御装置に送信し、前記駐車場制御装置は、前記可動部の動作中に前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記可動部の動作を停止させる。
【0010】
上記の駐車支援システムによれば、駐車場制御装置が、可動部の動作中に情報処理装置から障害物検出信号を受信した場合に、可動部の動作を停止させるので、機械式駐車設備の障害物センサの有無に拘わらず、車両と可動部との少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【0011】
前記駐車支援システムでは、例えば、前記可動部は、ターンテーブルである。
【0012】
上記の駐車支援システムによれば、車両とターンテーブルとの少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【0013】
前記駐車支援システムでは、例えば、前記駐車場制御装置は、前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記機械式駐車設備に設けられた出力装置によって警報を発する。
【0014】
上記の駐車支援システムによれば、警報が発せられるので、車両と可動部との少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【0015】
前記駐車支援システムでは、例えば、前記機械式駐車設備は、前記駐車場内の前記車両の周辺の情報を取得する駐車場側センサを備え、前記駐車場制御装置は、前記駐車場側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、前記可動部の動作を停止させる。
【0016】
上記の駐車支援システムによれば、駐車場制御装置が、駐車場側センサの出力に基づいて車両と可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、可動部の動作を停止させるので、車両と可動部との少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【0017】
実施形態の機械式駐車設備は、駐車場の機械式駐車設備であって、前記駐車場での車両の移動のために動作する可動部と、前記可動部を制御する駐車場制御装置と、前記車両から送信され前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物が有る旨を示す障害物検出信号を受信可能な受信装置と、を備え、前記駐車場制御装置は、前記可動部の動作中に前記受信装置によって前記障害物検出信号が受信された場合、前記可動部の動作を停止させる。
【0018】
上記の機械式駐車設備によれば、駐車場制御装置が、可動部の動作中に情報処理装置から障害物検出信号を受信した場合に、可動部の動作を停止させるので、機械式駐車設備の障害物センサの有無に拘わらず、車両と可動部との少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【0019】
前記機械式駐車設備では、例えば、前記可動部は、ターンテーブルであり、前記駐車場制御装置は、前記受信装置によって前記車両からの動作許可信号が受信された場合、前記可動部の動作を開始させる。
【0020】
上記の機械式駐車設備によれば、車両とターンテーブルとの少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。また、受信装置によって車両からの動作許可信号が受信された場合、可動部の動作を開始させることができる。
【0021】
前記機械式駐車設備では、例えば、前記可動部は、ターンテーブルであり、前記駐車場制御装置は、前記受信装置によって前記車両からの動作終了信号が受信された場合、前記可動部の動作を終了させる。
【0022】
上記の機械式駐車設備によれば、車両とターンテーブルとの少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。また、受信装置によって車両からの動作終了信号が受信された場合、可動部の動作を終了させることができる。
【0023】
実施形態の方法は、車両に搭載される情報処理装置と、前記車両が駐車可能な駐車場の機械式駐車設備に設けられ前記車両の移動のために動作する可動部、を制御する駐車場制御装置と、を備える駐車支援システムで実行される方法であって、前記情報処理装置が、前記車両に搭載され前記車両の周辺の情報を取得する車両側センサの出力に基づいて前記車両と前記可動部とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出した場合に、障害物検出信号を前記駐車場制御装置に送信し、前記駐車場制御装置が、前記可動部の動作中に前記情報処理装置から前記障害物検出信号を受信した場合に、前記可動部の動作を停止させる。
【0024】
上記の方法によれば、駐車場制御装置が、可動部の動作中に情報処理装置から障害物検出信号を受信した場合に、可動部の動作を停止させるので、機械式駐車設備の障害物センサの有無に拘わらず、車両と可動部との少なくとも一方と障害物とがより確実に接触しないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、実施形態にかかる駐車システムの一例を示した例示的かつ模式的な図である。
【
図2】
図2は、実施形態にかかる機械式駐車設備のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる車両制御システムのシステム構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる駐車場制御装置および車両制御装置の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態にかかる車両制御装置による障害物の検出を説明するための例示的かつ模式的な図である。
【
図6】
図6は、実施形態において駐車場制御装置および車両制御装置が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0027】
<駐車システム1>
図1は、実施形態にかかる駐車システム1の一例を示した例示的かつ模式的な図である。
図1に示されるように、駐車システム1は、駐車場Pと、駐車場Pに駐車可能な車両102と、を備える。
【0028】
駐車場Pは、機械式駐車設備101を備えた機械式駐車場である。機械式駐車設備101は、ターンテーブル311と、パレット321と、ゲート331と、を備える。機械式駐車設備101は、ターンテーブル311およびパレット321によって車両102を所定の駐車位置に移動させて駐車させることができる。また、機械式駐車設備101は、駐車位置に駐車させた車両102をターンテーブル311およびパレット321によって出庫させることができる。すなわち、ターンテーブル311およびパレット321は、車両102を搬送することができる。ターンテーブル311、パレット321、およびゲート331は、駐車場Pでの車両102の移動のために動作するものである。
【0029】
また、機械式駐車設備101と車両102とは、無線通信によって互いに通信可能に構成されている。本実施形態では、機械式駐車設備101は、車両102から送信される情報に基づいて、ターンテーブル311、パレット321、およびゲート331の動作を制御することができる。
【0030】
<機械式駐車設備101>
図2は、実施形態にかかる機械式駐車設備101のハードウェア構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
【0031】
図2に示されるように、機械式駐車設備101は、ターンテーブル装置310と、パレット装置320と、ゲート装置330と、センサ340と、表示装置341と、スピーカ342と、駐車場制御装置300と、通信インターフェース304(
図2では通信I/F)と、入出力インターフェース305(
図2では入出力I/F)と、SSD306(Solid State Drive)と、を備える。通信インターフェース304は、受信装置の一例である。スピーカ342は、出力装置の一例である。
【0032】
ターンテーブル装置310は、ターンテーブル311と、ターンテーブル駆動部312と、を有する。ターンテーブル311は、円板状に形成され、上下方向に沿う回転中心軸回りに回転可能である。ターンテーブル311は、回転中心軸回りの一方向と他方向との両方向に回転可能である。ターンテーブル311は、上面に車両を搭載可能である。ターンテーブル駆動部312は、モータ等の駆動源と、駆動源の動力をターンテーブル311に伝達する伝達機構と、を備え、駆動源の動力にってターンテーブル311を回転させる。ターンテーブル311は、可動部の一例である。ターンテーブル311は、搬送部とも称される。
【0033】
パレット装置320は、パレット321と、パレット駆動部322と、を有する。パレット321は、平面視で四角形に形成され、水平方向と上下方向とのうち少なくとも一方に移動可能である。パレット321の移動可能方向は、水平方向と上下方向との両方であってもうよいし一方だけであってもよい。パレット321は、上面に車両を搭載可能である。パレット駆動部322は、モータ等の駆動源と、駆動源の動力をパレット321に伝達する伝達機構と、を備え、駆動源の動力にってパレット321を移動させる。パレット321は、搬送部とも称される。
【0034】
ゲート装置330は、ゲート331と、ゲート駆動部332と、を有する。ゲート331は、パレット321とターンテーブル311との間に設置されている。ゲート331は、パレット321とターンテーブル311との間を隔てる閉位置と、パレット321とターンテーブル311との間を開放する開位置との間で移動可能である。パレット321が閉位置に位置した場合には、パレット321に対して車両102の出し入れが不可能であり、パレット321が開位置に位置した場合には、パレット321に対して車両102の出し入れが可能である。ゲート駆動部332は、モータ等の駆動源と、駆動源の動力をパレット321に伝達する伝達機構と、を備え、駆動源の動力にってゲート331を移動させる。
【0035】
センサ340は、駐車場P内の車両102の周辺の情報を取得するものである。センサ340は、例えば、ターンテーブル311上の車両102の周辺の情報を取得可能に、ターンテーブル311やターンテーブル311の周囲に設置されている。センサ340は、例えば、カメラである。カメラは、単眼カメラであってもよいし、双眼カメラであってもい。また、カメラは、カメラと撮像物との間の距離を測定可能なものであってもよい。センサ340によって得られた画像データは、ターンテーブル311上の車両102の周辺の状況の監視(障害物の検出も含む)に使用される。センサ340は、得られた画像データを駐車場制御装置300に出力する。センサ340は、路面を含む車両102の周辺を撮像した周辺情報を収集して駐車場制御装置300に出力する。駐車場制御装置300は、センサ340が収集した周辺情報に基づいて、車両102の周辺の障害物等の有無、およびその障害物等の位置を検出することができる。なお、センサ340は、接触式センサであってもよい。また、センサ340は、一つであってもよいし複数であってもよい。
【0036】
表示装置341は、例えば、ターンテーブル311の周囲に配置されている。表示装置341は、各種の画像を表示可能である。
【0037】
スピーカ342は、例えば、ターンテーブル311の周囲に配置されている。スピーカ342は、音声を出力可能である。
【0038】
駐車場制御装置300は、PC(Personal Computer)などといった一般的な情報処理装置と同様のコンピュータ資源を有する。具体的には、駐車場制御装置300は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM(Read Only Memory)302と、RAM(Random Access Memory)303と、SSD306と、を有する。
【0039】
CPU301は、機械式駐車設備101を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU301は、ROM302などに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
【0040】
ROM302は、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
【0041】
RAM303は、CPU301の作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
【0042】
CPU301、ROM302、RAM303、通信インターフェース304と、入出力インターフェース(I/F)305と、SSD306とは、データバス350を介して互いに接続されている。
【0043】
通信インターフェース304は、駐車場制御装置300と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース304は、駐車場制御装置300と車両102(車両制御システム103)との間の無線通信による信号の送受信を実現する。
【0044】
入出力インターフェース305は、駐車場制御装置300と外部装置との接続を実現するインターフェースである。外部装置としては、たとえば、駐車場制御装置300のオペレータが使用する入出力デバイスなどが考えられる。
【0045】
SSD306は、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、補助記憶装置として、SSD306に替えて(またはSSD306に加えて)、HDD(Hard Disk Drive)が設けられてもよい。
【0046】
<車両102>
図3は、実施形態にかかる車両制御システム103のシステム構成を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図3に示されるように、車両102は、車両制御システム103を備える。車両制御システム103は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、測距センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース407(
図3では通信I/F)と、車載カメラ408と、モニタ装置409と、車両制御装置410と、車載ネットワーク450と、を有する。車両制御装置410は、情報処理装置の一例である。
【0047】
制動システム401は、車両102の減速を制御する。制動システム401は、制動部401aと、制動制御部401bと、制動部センサ401cと、を有する。
【0048】
制動部401aは、たとえば、ブレーキペダルなどを含んだ、車両102を減速させるための装置である。
【0049】
制動制御部401bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECU(Electronic Control Unit)である。制動制御部401bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、制動部401aを作動させることで、車両102の減速度合を制御する。
【0050】
制動部センサ401cは、制動部401aの状態を検出するための装置である。たとえば、制動部401aがブレーキペダルを含む場合、制動部センサ401cは、制動部401aの状態として、ブレーキペダルの位置または当該ブレーキペダルに作用している圧力を検出する。制動部センサ401cは、検出した制動部401aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
【0051】
加速システム402は、車両102の加速を制御する。加速システム402は、加速部402aと、加速制御部402bと、加速部センサ402cと、を有する。
【0052】
加速部402aは、たとえば、アクセルペダルなどを含んだ、車両102を加速させるための装置である。
【0053】
加速制御部402bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。加速制御部402bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、加速部402aを作動させることで、車両102の加速度合を制御する。
【0054】
加速部センサ402cは、加速部402aの状態を検出するための装置である。たとえば、加速部402aがアクセルペダルを含む場合、加速部センサ402cは、アクセルペダルの位置または当該アクセルペダルに作用している圧力を検出する。加速部センサ402cは、検出した加速部402aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
【0055】
操舵システム403は、車両102の進行方向を制御する。操舵システム403は、操舵部403aと、操舵制御部403bと、操舵部センサ403cと、を有する。
【0056】
操舵部403aは、たとえば、ステアリングホイールやハンドルなどを含んだ、車両102の転舵輪を転舵させる装置である。
【0057】
操舵制御部403bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。操舵制御部403bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、操舵部403aを作動させることで、車両102の進行方向を制御する。
【0058】
操舵部センサ403cは、操舵部403aの状態を検出するための装置である。たとえば、操舵部403aがステアリングホイールを含む場合、操舵部センサ403cは、ステアリングホイールの位置または当該ステアリングホイールの回転角度を検出する。なお、操舵部403aがハンドルを含む場合、操舵部センサ403cは、ハンドルの位置または当該ハンドルに作用している圧力を検出してもよい。操舵部センサ403cは、検出した操舵部403aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
【0059】
変速システム404は、車両102の変速比を制御する。変速システム404は、変速部404aと、変速制御部404bと、変速部センサ404cと、を有する。
【0060】
変速部404aは、たとえば、シフトレバーなどを含んだ、車両102の変速比を変更するための装置である。
【0061】
変速制御部404bは、たとえば、CPUなどといったハードウェアプロセッサを有したコンピュータにより構成されるECUである。変速制御部404bは、車両制御装置410からの指示に基づいてアクチュエータ(不図示)を駆動し、変速部404aを作動させることで、車両102の変速比を制御する。
【0062】
変速部センサ404cは、変速部404aの状態を検出するための装置である。たとえば、変速部404aがシフトレバーを含む場合、変速部センサ404cは、シフトレバーの位置または当該シフトレバーに作用している圧力を検出する。変速部センサ404cは、検出した変速部404aの状態を車載ネットワーク450に出力する。
【0063】
測距センサ405は、車両102の周囲に存在しうる障害物に関する情報を検出するための装置である。測距センサ405は、例えば車両102の外周部に設けられ、超音波等の音波を検出波として送信して、車両102の周辺に存在する障害物等の対象物が反射した検出波を捉えるソナーである。なお、測距センサ405は、レーザ光等の検出波を送信するライダー、またはミリ波レーダー等であってもよい。
【0064】
測距センサ405は、車両102の周辺の情報である周辺情報を収集して車両制御装置410に出力する。測距センサ405は、例えば検出波を送信してから受信するまでの時間である応答時間を、対象物と車両102との距離を特定するための周辺情報として収集する。車両制御装置410は、測距センサ405が収集した周辺情報に基づいて、車両102の周辺の障害物等の有無、およびその障害物までの距離を検出することができる。
【0065】
走行状態センサ406は、車両102の走行状態を検出するための装置である。走行状態センサ406は、たとえば、車両102の車輪速を検出する車輪速センサや、車両102の前後方向または左右方向の加速度を検出する加速度センサや、車両102の旋回速度(角速度)を検出するジャイロセンサなどを含んでいる。走行状態センサ406は、検出した走行状態を車載ネットワーク450に出力する。
【0066】
通信インターフェース407は、車両制御システム103と外部装置との間の通信を実現するインターフェースである。たとえば、通信インターフェース407は、車両制御システム103と駐車場制御装置300との間の無線通信による信号の送受信や、車両制御システム103と端末装置との間の無線通信による信号の送受信などを実現する。端末装置は、例えば、スマートフォン等の携帯電話である。
【0067】
車載カメラ408は、車両102の周辺の状況を撮像するための装置である。たとえば、車載カメラ408は、車両102の前方、後方、および側方(左右両方)の路面を含む領域を撮像するように複数設けられる。車載カメラ408によって得られた画像データは、車両102の周辺の状況の監視(障害物の検出も含む)に使用される。車載カメラ408は、得られた画像データを車両制御装置410に出力する。車載カメラ408は、路面を含む車両102の周辺を撮像した周辺情報を収集して車両制御装置410に出力する。車両制御装置410は、車載カメラ408が収集した周辺情報に基づいて、車両102の周辺の障害物等の有無、およびその障害物等の位置を検出することができる。なお、以下では、車載カメラ408から得られる画像データと、車両制御システム103に設けられる上述した各種のセンサから得られるデータと、を総称してセンサデータと記載することがある。車載カメラ408は、単眼カメラであってもよいし、双眼カメラであってもよい。また、車載カメラ408は、車載カメラ408と障害物等の撮像物との間の距離を測定可能なものであってもよい。
【0068】
モニタ装置409は、車両102の車室内のダッシュボードなどに設けられる。モニタ装置409は、表示部409aと、音声出力部409bと、操作入力部409cと、を有する。
【0069】
表示部409aは、車両制御装置410の指示に応じて画像を表示するための装置である。表示部409aは、たとえば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescent Display)などによって構成される。
【0070】
音声出力部409bは、車両制御装置410の指示に応じて音声を出力するための装置である。音声出力部409bは、たとえば、スピーカによって構成される。
【0071】
操作入力部409cは、車両102内の乗員の入力を受け付けるための装置である。操作入力部409cは、たとえば、表示部409aの表示画面に設けられるタッチパネルや、物理的な操作スイッチなどによって構成される。操作入力部409cは、受け付けた入力を車載ネットワーク450に出力する。
【0072】
車両制御装置410は、車両制御システム103を統括的に制御するための装置である。車両制御装置410は、CPU410aや、ROM410b、RAM410cなどといったコンピュータ資源を有したECUである。車両制御装置410は、駐車場制御装置300とともに、駐車支援システム10を構成している。駐車支援システム10は、駐車監視システムとも称される。
【0073】
より具体的に、車両制御装置410は、CPU410aと、ROM410bと、RAM410cと、SSD410dと、表示制御部410eと、音声制御部410fと、を有する。
【0074】
CPU410aは、車両制御装置410を統括的に制御するハードウェアプロセッサである。CPU410aは、ROM410bなどに記憶された各種の制御プログラム(コンピュータプログラム)を読み出し、当該各種の制御プログラムに規定されたインストラクションにしたがって各種の機能を実現する。
【0075】
ROM410bは、上述した各種の制御プログラムの実行に必要なパラメータなどを記憶する不揮発性の主記憶装置である。
【0076】
RAM410cは、CPU410aの作業領域を提供する揮発性の主記憶装置である。
【0077】
SSD410dは、書き換え可能な不揮発性の補助記憶装置である。なお、実施形態にかかる車両制御装置410においては、補助記憶装置として、SSD410dに替えて(またはSSD410dに加えて)、HDDが設けられてもよい。
【0078】
表示制御部410eは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、車載カメラ408から得られた画像データに対する画像処理や、モニタ装置409の表示部409aに出力する画像データの生成などを司る。
【0079】
音声制御部410fは、車両制御装置410で実行される各種の処理のうち、主として、モニタ装置409の音声出力部409bに出力する音声データの生成などを司る。
【0080】
車載ネットワーク450は、制動システム401と、加速システム402と、操舵システム403と、変速システム404と、測距センサ405と、走行状態センサ406と、通信インターフェース407と、モニタ装置409の操作入力部409cと、車両制御装置410と、を通信可能に接続する。
【0081】
<駐車支援システム10の動作例>
図4は、実施形態にかかる駐車場制御装置300および車両制御装置410の機能を示した例示的かつ模式的なブロック図である。
図4に示される機能は、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現される。つまり、
図4に示される例において、駐車場制御装置300の機能は、CPU301がROM302などに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現され、車両制御装置410の機能は、CPU410aがROM410bなどに記憶された所定の制御プログラムを読み出して実行した結果として実現される。なお、実施形態では、
図4に示される駐車場制御装置300および車両制御装置410の一部または全部が専用のハードウェア(回路)のみによって実現されてもよい。
【0082】
図4に示されるように、駐車場制御装置300は、機能的構成として、センサデータ取得部511と、障害物検出部512と、障害物情報受信部513と、駐車制御部514と、を有する。
【0083】
センサデータ取得部511は、駐車場P内に設けられるセンサ340や各種のセンサ(不図示)などから上述したセンサデータを取得する。
【0084】
障害物検出部512は、センサデータ取得部511によって取得されたセンサデータに基づいて、既知の方法により、車両102の周辺の障害物等の有無、障害物の位置、障害物の形状、障害物の大きさ、および障害物までの距離等を検出する。
【0085】
障害物情報受信部513は、車両制御装置410から送信される障害物検知信号等のい信号を、通信インターフェース304を介して受信する。
【0086】
駐車制御部514は、ターンテーブル駆動部312、パレット駆動部322、およびゲート駆動部332を制御する。すなわち、駐車制御部514は、ターンテーブル駆動部312、パレット駆動部322、およびゲート駆動部332を介して、ターンテーブル311、パレット321、およびゲート331を制御する。
【0087】
一方、
図4に示されるように、車両制御装置410は、機能的構成として、センサデータ取得部521と、障害物検出部522と、障害物情報送信部523と、動作検出部524と、動作情報送信部525と、走行制御部526と、を有する。
【0088】
センサデータ取得部521は、車載カメラ408によって得られる画像データと、車両制御システム103に設けられる各種のセンサから出力されるデータと、を含むセンサデータを取得する。
【0089】
障害物検出部522は、センサデータ取得部521は、センサデータ取得部によって取得されたセンサデータに基づいて、既知の方法により、車両102の周辺の障害物等の有無、障害物の位置、障害物の形状、障害物の大きさ、および障害物までの距離等を検出する。障害物検出部522は、上記の検出において、車載カメラ408の画像データを用いてもよいし、測距センサ405の検出結果を用いてもよいし、その両方を用いてもよい。
【0090】
また、障害物検出部522は、ターンテーブル311上に車両102が搭載され、ターンテーブル311とともに回転する車両102と接触する可能性の有る障害物を検出する。例えば、障害物検出部522は、センサデータ取得部521によって取得されたセンサデータに基づいて、車両102と障害物との間の距離を検出(算出)する。障害物検出部522は、車両102と障害物との間の距離が閾値を超える場合には、車両102と障害物とが接触する可能性が無いと判定する。障害物検出部522は、車両と障害物との間の距離が閾値以下の場合には、車両102と障害物とが接触する可能性が有ると判定する。
【0091】
ここで、
図5は、実施形態にかかる車両制御装置410による障害物の検出を説明するための例示的かつ模式的な図である。具体的には、
図5は、ターンテーブル311上に搭載された車両102の周囲の障害物B(例えば、人)が車両102に近づく様子を示している。
図5中には、各車載カメラ408の撮像範囲R(センシング領域)が一点鎖線で示されている。
図5の(a)は、車両102と障害物Bとの間の距離が閾値を超えている例を示しており、この場合には、障害物検出部522は、障害物Bはターンテーブル311とともに回転する車両102と接触する可能性が無いと判断する。
図5の(b)は、車両102と障害物Bとの間の距離が閾値以下の例を示しており、この場合には、障害物検出部522は、障害物Bはターンテーブル311とともに回転する車両102と接触する可能性が有ると判断する。
【0092】
障害物検出部522は、別例として、ターンテーブル311上に車両102が搭載された状態で、回転するターンテーブル311と接触する可能性の有る障害物を検出してもよいし、車両102とターンテーブルとの両方に接触する可能性の有る障害物を検出してもよい。すなわち、障害物検出部522は、車両102とターンテーブル311とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物を検出してよい。ターンテーブル311と障害物との間の距離は、例えば、センサデータに含まれる画像データに基づいて算出される。障害物の接触可能性を判断する対象(車両102やターンテーブル311)は、対象物と称される。
【0093】
図4に戻って、障害物情報送信部523は、障害物検出部522によって、車両102に接触する可能性の有る障害物Bが検出された場合、障害物検出信号を駐車場制御装置300に通信インターフェース407によって送信する。障害物検出信号は、車両102と接触する可能性の有る障害物が検出された旨を示す信号である。障害物検出信号を受信した駐車場制御装置300は、ターンテーブル311を緊急停止する。また、障害物情報送信部523は、障害物検出信号を送信した後に、障害物検出部522によって、車両102に接触する可能性の有る障害物Bが検出されなくなった場合、動作許可信号を通信インターフェース304によって駐車場制御装置300に送信する。動作許可信号は、ターンテーブル311の動作を許可する旨を表す信号である。動作許可信号を受信した駐車場制御装置300は、ターンテーブル311の回転を再開する。
【0094】
動作検出部524は、センサデータ取得部によって取得されたセンサデータに基づいて、車両102を搭載したターンテーブル311の動作(回転)を検出する。例えば、動作検出部524は、画像データやジャイロセンサの検出結果に基づいて、ターンテーブル311の動作(回転)を検出する。動作検出部524は、例えば、画像データやジャイロセンサの検出結果に基づいて、ターンテーブル311の動作(回転)を検出する。
【0095】
動作検出部524は、画像データに基づいて、車両102の正面にゲートの中央部が位置したこと、すなわち車両102の正面にゲート331の中央部が位置する状態にターンテーブル311が回転したことを検出することができる。また、動作検出部524は、例えば、ジャイロセンサの検出結果に基づいて、ターンテーブル311の回転量(回転角度)を検出することができる。
【0096】
動作検出部524は、例えば、ターンテーブル311の回転量(回転角度)が、車両102の正面にゲート331の中央部が位置する回転量に達したことを検出することができる。すなわち、動作検出部524は、車両102の正面にゲートの中央部が位置した状態を検出することができる。動作検出部524は、上記の検出結果に基づいて、車両102を回転させるのためのターンテーブル311の回転が完了したかを判断することができる。例えば、動作検出部524は、車両102の正面にゲート331が位置しない初期位置から、車両102の正面にゲート331の中央部が位置する完了位置に車両102が回転した場合に、ターンテーブル311の回転が完了したと判断する。一方、動作検出部524は、車両初期位置から完了位置に車両102への回転が完了していない場合に、ターンテーブル311の回転は完了してないと判断する。
【0097】
動作情報送信部525は、動作検出部524の検出結果を駐車場制御装置300に送信する。また、動作情報送信部525は、動作検出部524によって、車両102の正面にゲート331の中央部が位置する状態までターンテーブル311が回転したことが検出された場合、すなわち車両102の正面にゲートの中央部が位置した状態を検出された場合には、動作終了信号を駐車場制御装置300に送信する。動作終了信号を受信した駐車場制御装置300は、ターンテーブル311の動作を終了(停止)する。
【0098】
走行制御部526は、制動システム401や加速システム402、操舵システム403、変速システム404などを制御することで、駐車場P内外の車両102の走行を制御可能である。例えば、走行制御部526は、車両102の自動駐車を含む自動走行を制御可能である。
【0099】
次に、
図6を参照して、実施形態にかかる駐車システムで実行される処理について説明する。
図6は、実施形態において駐車場制御装置300および車両制御装置410が実行する処理の流れを示した例示的かつ模式的なフローチャートである。
【0100】
図6に示される処理は、例えば、車両102の入庫において、車両102がターンテーブル311に搭載された状態で、駐車場のオペレータが機械式駐車設備に所定の開始操作することで、開始される。なお、手動運転の場合には、車両102の乗員は乗車したままであるが、自動運転の場合は、乗員は車両102に乗車している必要はない。所定の開始操作が行われると、駐車場制御装置300と車両制御装置410とが通信を確立する。例えば、識別情報(ID)の送受信による認証等や、駐車場制御装置300の監視下での自動走行を実現するための運行権限の譲受などが実行される。
【0101】
通信が確立すると、駐車場制御装置300の駐車制御部514が、S101において、ターンテーブル311の回転を開始させるとともに、車両制御装置410が、S201において、車両102の周辺の監視を開始する。車両102の周辺の監視は、センサデータ取得部521と障害物検出部522が行う。
【0102】
障害物検出部522は、車両102が障害物Bと接触する可能性が有るかを判断する(S202)。障害物検出部522が、車両102が障害物Bと接触する可能性が有ると判断した場合、すなわち車両と接触する可能性の有る障害物Bを検出した場合(S202:Yes)、障害物情報送信部523が、通信インターフェース407を介して、障害物検出信号を駐車場制御装置300に送信する(S203)。別の言い方をすると、障害物情報送信部523は、車両102と障害物Bとの衝突の可能性が有る旨を駐車場制御装置300に通知する。一方、障害物検出部522が、車両102が障害物Bと接触する可能性が無いと判断した場合、すなわち車両102と接触する可能性の有る障害物Bを検出しない場合(S202:No)、車両制御装置410は、S206に進む。
【0103】
駐車場制御装置300では、障害物情報受信部513が、通信インターフェース304を介して障害物検出信号を受信すると(S102)、駐車制御部514が、ターンテーブル311の回転を一時的に停止させる(S103)。また、この場合、駐車制御部514が、スピーカ342によって警報を発する。警報は、車両102と障害物Bとの衝突の可能性が有る旨を表す。
【0104】
S203の後、車両制御装置410の障害物検出部522が、車両102が障害物Bと接触する可能性が無しとなったかを判断する(S204)。障害物検出部522が、車両102が障害物Bと接触する可能性が無しとなった判断した場合、すなわち車両102と接触する可能性の有る障害物Bが検出しなくなった場合(S204:Yes)、障害物情報送信部523が、通信インターフェース407を介して、動作許可信号を駐車場制御装置300に送信する(S205)。別の言い方をすると、障害物情報送信部523は、車両102と障害物Bとの衝突の可能性が無い旨を駐車場制御装置300に通知する。障害物検出部522が、車両102が障害物Bと接触する可能性が無しと判断しない場合(S204:No)、動作許可信号は送信されない。車両制御装置410は、S205の後、S206に進む。
【0105】
駐車場制御装置300では、障害物情報受信部513が、通信インターフェース304を介して動作許可信号を受信すると(S104)、駐車制御部514が、ターンテーブル311の回転を再開させる(S105)。
【0106】
S206において、車両制御装置410の動作検出部524が、ターンテーブル311の回転が完了したか判断する(S206)。動作検出部524が、ターンテーブル311の回転が完了したと判断した場合(S206:Yes)、車両制御装置410の動作情報送信部525が、動作終了信号を駐車場制御装置300に通信インターフェース407を介して送信する(S207)。別の言い方をすると、動作情報送信部525が、ターンテーブル311の回転終了の指示を駐車場制御装置300に対して行う。動作検出部524が、ターンテーブル311の回転が完了していないと判断した場合(S206:No)、車両制御装置410は、S202に戻る。
【0107】
駐車場制御装置300は、動作終了信号を通信インターフェース304を介して受信すると(S106)、駐車制御部514が、ターンテーブル311の回転を終了させる(S107)。なお、
図6の処理において、例えば、駐車場制御装置300は、車両制御装置410の障害物検出部522の検出結果と、機械式駐車設備101におけるセンサ340の出力に基づく障害物検出部512の検出結果とのなくとも一方が、車両102が障害物Bと接触する可能性が有ることを示す場合、ターンテーブル311の回転を停止させてもよい。また、駐車場制御装置300は、車両制御装置410の障害物検出部522の検出結果と、機械式駐車設備101におけるセンサ340の出力に基づく障害物検出部512の検出結果とのなくとも一方が、車両102が障害物Bと接触する可能性が無しとなったことを示す場合、ターンテーブル311の回転を再開させてもよい。
【0108】
以上の処理は、入庫時の場合を説明したが、出庫時にも上記処理と同様の処理を行うようにしてよい。ただし、出庫時のターンテーブル311の回転は、初期位置と完了位置とが逆となる。
【0109】
<概括>
以上のように、駐車支援システム10は、車両102に搭載される車両制御装置410(情報処理装置)と、駐車場Pの機械式駐車設備101に設けられ駐車場Pでの車両102の移動のために動作するターンテーブル311(可動部)、を制御する駐車場制御装置300と、を備える。車両制御装置410は、車両102に搭載され車両102の周辺の情報を取得する車載カメラ408(車両側センサ)の出力に基づいて車両102とターンテーブル311とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物Bを検出した場合に、障害物検出信号を駐車場制御装置300に送信する。駐車場制御装置300は、ターンテーブル311の動作中に車両制御装置410から障害物検出信号を受信した場合に、ターンテーブル311の動作を停止させる。
【0110】
このような構成によれば、駐車場制御装置300が、ターンテーブル311の動作中に車両制御装置410から障害物検出信号を受信した場合に、ターンテーブル311の動作を停止させるので、機械式駐車設備101に障害物センサの有無に拘わらず、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。例えば、機械式駐車設備101に障害物センサが有る場合、その検出結果を用いて車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとが接触しないようにできるとともに、上記障害物検出信号を用いて検出結果を用いて車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとが接触しないようにできるので、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。また、機械式駐車設備101に障害物センサがない場合、上記障害物検出信号を用いて検出結果を用いて車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとが接触しないようにできるので、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。また、この場合、例えば、ターンテーブル311の停止を人が行う場合よりも障害物検出信号を用いた場合の方がより迅速に行うことができる。
【0111】
以上のように、本実施形態では、車載カメラ408(車両側センサ)を用いて、障害物Bを検出して、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとが接触しないようにするので、駐車場Pをより安全にすることができる。
【0112】
また、本実施形態では、車載カメラ408(車両側センサ)を用いて、障害物Bを検出するので、例えば、ターンテーブル311から車両102がはみ出している状態であっても、車両102の周囲の障害物Bをより確実に検出することができる。
【0113】
また、駐車場制御装置300は、車両制御装置410から障害物検出信号を受信した場合に、機械式駐車設備101に設けられたスピーカ342(出力装置)によって警報を発する。
【0114】
このような構成によれば、警報が発せられるので、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。
【0115】
また、機械式駐車設備101は、駐車場P内の車両102の周辺の情報を取得するセンサ340(駐車場側センサ)を備える。駐車場制御装置300は、センサ340の出力に基づいて車両102とターンテーブル311とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物Bを検出した場合に、ターンテーブル311の動作を停止させる。
【0116】
このような構成によれば、駐車場制御装置300が、センサ340の出力に基づいて車両102とターンテーブル311とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物Bを検出した場合に、ターンテーブル311の動作を停止させるので、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。
【0117】
また、機械式駐車設備101は、駐車場Pでの車両102の移動のために動作するターンテーブル311と、ターンテーブル311を制御する駐車場制御装置300と、車両102から送信され車両102とターンテーブル311とのうち少なくとも一方に接触する可能性の有る障害物Bが有る旨を示す障害物検出信号を受信可能な通信インターフェース304(受信装置)と、を備える。駐車場制御装置300は、ターンテーブル311の動作中に前記通信インターフェース304によって障害物検出信号が受信された場合、ターンテーブル311の動作を停止させる。
【0118】
このような構成によれば、駐車場制御装置300が、ターンテーブル311の動作中に車両制御装置410から障害物検出信号を受信した場合に、ターンテーブル311の動作を停止させるので、機械式駐車設備101の障害物センサの有無に拘わらず、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。
【0119】
また、駐車場制御装置300は、通信インターフェース304によって車両102からの動作許可信号が受信された場合、ターンテーブル311の動作を開始させる。
【0120】
このような構成によれば、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。また、通信インターフェース304によって車両102からの動作許可信号が受信された場合、ターンテーブル311動作を開始させることができる。
【0121】
また、駐車場制御装置300は、通信インターフェース304によって車両102からの動作終了信号が受信された場合、ターンテーブル311の動作を終了させる。
【0122】
このような構成によれば、車両102とターンテーブル311との少なくとも一方と障害物Bとがより確実に接触しないようにすることができる。また、通信インターフェース304によって車両102からの動作終了信号が受信された場合、ターンテーブル311の動作を終了させることができる。
【0123】
なお、上記実施形態では、可動部としてターンテーブル311の例が示されたが、これに限定されない。例えば、可動部は、パレット321やゲート331であってもよい。
【0124】
また、上記実施形態では、車両側センサとして車載カメラ408の例が示されたが、これに限定されない。例えば、車両側センサは、測距センサ405であてってもよいし、測距センサ405と車載カメラ408との両方であってもよい。
【0125】
また、上記実施形態では、受信装置として、一つの通信インターフェース304の例が示されたが、これに限定されない。受信装置は、複数の通信インターフェースを有していてもよい。この場合、複数の通信インターフェースは、互いに異なる信号を受信する構成であってよい。
【0126】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上述した実施形態はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上述した新規な実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上述した実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
10…駐車支援システム
101…機械式駐車設備
102…車両
300…駐車場制御装置
304…通信インターフェース(受信装置)
311…ターンテーブル(可動部)
342…スピーカ(出力装置)
340…センサ(駐車場側センサ)
408…車載カメラ(車両側センサ)
410…車両制御装置(情報処理装置)
B…障害物
P…駐車場