(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143038
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】管理情報の設定方法、管理情報の設定プログラム、および、管理装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20241003BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20241003BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
H04N7/18 E
H04N23/63
H04N23/60 300
H04N7/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055506
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 雄一
(72)【発明者】
【氏名】緒方 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】西垣 英則
(72)【発明者】
【氏名】高柳 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 靖弘
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 諒
(72)【発明者】
【氏名】木村 祐二
(72)【発明者】
【氏名】菊田 紗耶香
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
5C054CC02
5C054EA01
5C054EA05
5C054EA07
5C054FC12
5C054FE18
5C054FF02
5C054GB01
5C054GB05
5C054HA19
5C122DA11
5C122EA55
5C122FA18
5C122FH11
5C122FH14
5C122FK42
5C122GC52
5C122GG00
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】 複数のカメラの配置を容易に特定できる管理情報の設定方法、管理情報の設定プログラム、および、管理装置を提供する。
【解決手段】 実施形態によれば、管理情報の設定方法は、空間に並べて設置された複数のカメラが撮影する撮影範囲において人物を検出し、各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し、空間における人物の所定の移動経路と各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて空間における各カメラの配置を特定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間に並べて設置された複数のカメラが撮影する撮影範囲において人物を検出し;
各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し;
前記空間における人物の所定の移動経路と各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラの配置を特定する;
管理情報の設定方法。
【請求項2】
さらに、前記特定した前記空間における各カメラの配置を示す情報を各カメラに設定されるアドレスに対応づけた管理情報を記憶部に保存する;
請求項1に記載の管理情報の設定方法。
【請求項3】
さらに、前記特定した前記空間における各カメラの配置に応じて各カメラが撮影する映像を配置した画面を表示部に表示する;
請求項1又は2の何れか1項に記載の管理情報の設定方法。
【請求項4】
複数のカメラに接続されるコンピュータに、
空間に並べて設置された複数のカメラが撮影する撮影範囲における人物を検出し;
各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し;
前記空間における人物の所定の移動経路と各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラの配置を特定する;
処理を実行させる管理情報の設定プログラム。
【請求項5】
さらに、前記特定した前記空間における各カメラの配置を示す情報を各カメラに設定されるアドレスに対応づけた管理情報を記憶部に保存する処理を実行させる;
請求項4に記載の管理情報の設定プログラム。
【請求項6】
さらに、前記特定した前記空間における各カメラの配置に応じて各カメラが撮影する映像を配置した画面を表示部に表示する処理を実行させる;
請求項4又は5の何れか1項に記載の管理情報の設定プログラム。
【請求項7】
空間に並べて設置された複数のカメラと通信する通信部と;
前記通信部により通信する各カメラから各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を取得し、各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻を記憶する記憶部と;
前記空間における人物の所定の移動経路と前記記憶部に記憶した各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラの配置を特定する制御部と;
を有する管理装置。
【請求項8】
前記制御部は、さらに、前記特定した前記空間における各カメラの配置を示す情報と各カメラに設定されるアドレスとを対応づけた管理情報を前記記憶部に保存する;
請求項7に記載の管理装置。
【請求項9】
さらに、前記制御部により特定した前記空間における各カメラの配置に応じて各カメラが撮影する映像を配置した画面を表示する表示部を有する;
請求項7又は8の何れか1項に記載の管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、管理情報の設定方法、および、管理情報の設定プログラム、管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のカメラが撮影した複数の映像を管理装置が1つの表示画面に並べて配置して表示するシステムがある。1つのフロアなどの空間に複数のカメラを設置する場合、各カメラが撮影する映像を実際のカメラの配置に応じて1つの画面に並べて表示することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、管理装置は、新規に設置された複数のカメラがネットワーク経由で接続された場合に各カメラのIPアドレスを取得できるが、カメラの設置位置を示す情報を取得することが難しい。例えば、新築の室内空間の天井に複数のカメラを設置する場合、多くのカメラは、同一空間の床を撮影することになるため、カメラが撮影した映像からそのカメラの設置位置を特定(推定)することが難しい。このように、従来の技術では、管理装置にネットワークを介して接続する複数のカメラを設置する場合、各カメラのIPアドレスとカメラの実際の配置とを紐づける作業に多くの時間および手前が掛かるという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数のカメラの配置を容易に特定できる管理情報の設定方法、管理情報の設定プログラム、および、管理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、管理情報の設定方法は、空間に並べて設置された複数のカメラが撮影する撮影範囲において人物を検出し、各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し、空間における人物の所定の移動経路と各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて空間における各カメラの配置を特定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数のカメラの配置を容易に特定できる管理情報の設定方法、管理情報の設定プログラム、および、管理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る管理装置としての通信装置と複数のカメラとしてのカメラ付き照明装置を含む照明システムの構成例を概略的に説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係わるカメラとしてのカメラ付き照明装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係わる管理装置としての通信装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る照明システムにおけるカメラとしてのカメラ付き照明装置を複数設置した場合の配置例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る管理装置としての通信装置が生成するカメラの管理情報を格納した管理テーブルの例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る管理装置としての通信装置の表示部に複数のカメラが撮影した映像を表示した表示例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係わる管理装置としての通信装置に接続される複数のカメラを設置した空間における移動経路の設定例を示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る管理装置としての通信装置が生成するカメラの管理情報を格納した管理テーブルの例を示す図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る管理装置としての通信装置の表示部に複数のカメラが撮影した映像を表示した表示例を示す図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る管理装置としての通信装置が実行する設定プログラムによる動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の管理情報の設定方法は、空間に並べて設置された複数のカメラ(3)が撮影する撮影範囲において人物を検出し、各カメラ(3)の撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し、前記空間における人物の所定の移動経路と各カメラ(3)の撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラ(3)の配置を特定する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の配置を容易に特定することができる。
【0010】
実施形態の管理情報の設定方法は、さらに、前記特定した前記空間における各カメラ(3)の配置を示す情報を各カメラ(3)に設定されるアドレスに対応づけた管理情報を記憶部(52)に保存する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の管理情報としてIPアドレスと実際に配置された位置を示す情報とを対応づけた情報を容易に設定することができる。
【0011】
実施形態に係る管理情報の設定方法は、さらに、前記特定した前記空間における各カメラ(3)の配置に応じて各カメラ(3)が撮影する映像を配置した画面を表示部(54)に表示する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)が実際に配置されている位置に応じた表示位置で各カメラ(3)が撮影する映像を表示することができる。
【0012】
実施形態の管理情報の設定プログラムは、複数のカメラ(3)に接続されるコンピュータ(5)に、空間に並べて設置された複数のカメラ(3)が撮影する撮影範囲における人物を検出し、各カメラ(3)の撮影範囲において人物を検出した検出時刻を保存し、前記空間における人物の所定の移動経路と各カメラ(3)の撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラ(3)の配置を特定する処理を実行させる。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の配置を容易に特定することができる。
【0013】
実施形態の管理情報の設定プログラムは、さらに、前記特定した前記空間における各カメラ(3)の配置を示す情報を各カメラ(3)に設定されるアドレスに対応づけた管理情報を記憶部(52)に保存する処理を前記コンピュータ(5)に実行させる。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の管理情報としてIPアドレスと実際に配置された位置を示す情報とを対応づけた情報を容易に設定することができる。
【0014】
実施形態の管理情報の設定プログラムは、さらに、前記特定した前記空間における各カメラ(3)の配置に応じて各カメラ(3)が撮影する映像を配置した画面を表示部(54)に表示する処理を前記コンピュータ(5)に実行させる。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)が実際に配置されている位置に応じた表示位置で各カメラ(3)が撮影する映像を表示することができる。
【0015】
実施形態の管理装置(5)は、通信部(53)と記憶部(52)と制御部(51)とを有する。通信部(53)は、空間に並べて設置された複数のカメラ(3)と通信する。記憶部(52)は、前記通信部(53)により通信する各カメラ(3)から各カメラ(3)の撮影範囲において人物を検出した検出時刻を取得し、各カメラ(3)の撮影範囲における人物の検出時刻を記憶する。制御部(51)は、前記空間における人物の所定の移動経路と記憶部(52)に記憶した各カメラ(3)の撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて前記空間における各カメラ(3)の配置を特定する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の配置を容易に特定することができる。
【0016】
実施形態の管理装置(5)では、前記制御部(51)は、さらに、前記特定した前記空間における各カメラ(3)の配置を示す情報と各カメラ(3)に設定されるアドレスとを対応づけた管理情報を前記記憶部(52)に保存する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)の管理情報としてIPアドレスと実際に配置された位置を示す情報とを対応づけた情報を容易に設定することができる。
【0017】
実施形態の管理装置(5)は、さらに、表示部(54)を有する。表示部(54)は、前記制御部(51)により特定した前記空間における各カメラ(3)の配置に応じて各カメラ(3)が撮影する映像を配置した画面を表示する。これにより、複数のカメラ(3)が設置された場合に各カメラ(3)が実際に配置されている位置に応じた表示位置で各カメラ(3)が撮影する映像を表示することができる。
【0018】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る照明システム1の構成例を概略的に説明するための図である。
図1に示す構成例において、照明システム1は、DALI(登録商標)システム(照明制御システム)2、カメラ付き照明装置(カメラ)3、ハブ4、および、通信装置(管理装置、コンピュータ)5を有する。
【0019】
DALI(Digital Adressable Lighting Interface)システム2は、国際標準規格のIEC62386として認定を受けている照明制御システムである。DALIシステム2は、DALIコントローラ21とDALI器具22とを有する。DALIコントローラ21とDALI器具22とは、マスタとスレーブとして双方向通信を行う。
【0020】
DALIシステム2において、それぞれのDALI器具22にはDALIシステム用のアドレス(DALIアドレス)が割り振られる。DALIコントローラ21は、システムに接続されたDALIに対応する各器具に対してそれぞれアドレス(DALIアドレス)を割り振る。DALIコントローラ21は、DALIアドレスを指定することにより特定のDALI器具22と通信する。
【0021】
例えば、DALIコントローラ21は、DALIアドレスで指定するDALI器具22又はグループ化した複数のDALI器具22に対して制御指示を供給する。また、DALIコントローラ21は、DALI器具22から情報を取得し、DALI器具22の動作状態を監視する。
【0022】
なお、DALIシステム2では、DALIアドレスが個々のDALI器具に対して自動的に付与される。このため、各DALI器具の設置場所を管理する場合、DALIアドレスで指定されるDALI器具について設置されている設置場所を特定する作業(処理)が必要となる。
【0023】
DALI器具22は、DALIコントローラ21と双方向の通信を行う。DALI器具22は、例えば、照明器具である。また、DALI器具22は、センサなどの入力機器も含まれる。DALI器具22としての照明器具(DALI照明)は、DALIコントローラ21からの制御情報に応じて制御される。例えば、DALI照明は、DALIコントローラ21からの設定情報(DALI設定情報)に応じて照明の点灯、消灯および照度などが制御される。また、DALI器具22は、センサとして機能する器具(DALIセンサ)から取得する情報に基づいて動作を制御することも可能とする。
【0024】
カメラ付き照明装置3は、通信機能を有するカメラを搭載した照明装置である。カメラ付き照明装置3は、DALIシステム2から見ると、DALIセンサ(DALIシステム2用の入力器具)とDALI電源とを搭載しているDALI器具と認識される。また、カメラ付き照明装置3は、ハブ4を介して通信装置5に接続される。
【0025】
カメラ付き照明装置3は、通信装置5と通信するためのIPアドレスが設定される。また、カメラ付き照明装置3は、DALI器具22又はDALIコントローラ21などのDALIシステム2と通信するためのDALIアドレスが通信される。すなわち、カメラ付き照明装置3は、IPアドレスで指定される通信機器としての機能とDALIシステム2においてDALIアドレスで指定されるDALI器具としての機能とを備える。
【0026】
通信装置5は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)におけるスイッチングハブであるハブ4を介してカメラ付き照明装置3と通信する。通信装置5は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット型のPC、あるいは、スマートフォンなどのアプリケーションプログラムを実行できる情報処理装置(コンピュータ)である。通信装置5は、カメラ付き照明装置3などの管理情報を設定するアプリケーションプログラム(管理情報の設定プログラム)がインストールされるものとする。
【0027】
通信装置5は、管理情報の設定プログラム(以下、設定プログラムとも称する)の機能によってカメラ付き照明装置3(カメラ)に対するIPアドレスと配置場所を示す情報とを対応づけて管理するための管理情報を保持(記憶)する。また、通信装置5は、設定プログラムによって、カメラ付き照明装置3のIPアドレスに対応づけてDALI器具としてのアドレス(DALIアドレス)などの設定情報を記憶するようにしても良い。
【0028】
次に、実施形態に係る照明システム1におけるカメラ付き照明装置3の構成について説明する。
図2は、実施形態に係わるカメラ付き照明装置3における制御系の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、カメラ付き照明装置3は、制御ユニット31、モジュールカメラ32、LED33、および、照明用電源34などを備える。
【0029】
制御ユニット31は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御ユニット31において、プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、および、DSP(Digital Signal processor)などで構成される。プロセッサは、記憶部に記憶されたプログラムを実行することにより制御ユニットとしての各種の処理を実現する。
【0030】
制御ユニット31において、メモリは、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、NVM(Non-Volatile Memory)などの記憶装置により構成される。インターフェースは、DALIシステムと通信するための通信インターフェース、および、モジュールカメラに接続する内部インターフェースなどを含む。
【0031】
モジュールカメラ32は、カメラ(撮像部)、処理部、記憶部および通信部として機能する構成を備える。すなわち、モジュールカメラ32は、所定の撮影範囲における画像を撮像する撮像部としてのカメラだけでなく、処理部としてのプロセッサ、記憶部としてのメモリおよび通信部としての通信インターフェースなどを備える。モジュールカメラ32は、CPUなどのプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより各種の処理機能を実現する。
【0032】
例えば、モジュールカメラ32におけるプロセッサは、カメラの撮影画像から撮影範囲(検知エリア)における人の有無を検出する機能(在不在センサとしての機能)を実現する。また、モジュールカメラ32におけるプロセッサは、カメラの撮影画像から撮影範囲における光の照度を検出する機能(照度センサとしての機能)なども実現する。モジュールカメラ32は、制御ユニット31によりDALIシステム2としての通信することにより在不在センサあるいは照度センサなどのDALI器具(DALIセンサ)としても機能する。
【0033】
また、モジュールカメラ32は、IPアドレスで特定される通信デバイスとして通信装置5と通信するための通信インターフェースを有する。モジュールカメラ32におけるプロセッサは、カメラが撮影した画像、カメラの撮影範囲における人物の検出結果、および、人物の検出時刻などの情報を通信インターフェースによって通信装置5へ出力する機能を有する。
【0034】
なお、カメラ付き照明装置3が備えるカメラの撮影範囲における人物の検出機能は、モジュールカメラ32がカメラの撮影画像から人物を検出するものに限定されるものではなく、撮影範囲における人物の有無を検知する人感センサによって実現されるものであっても良い。
【0035】
LED33は、照明用電源34から供給される電力により発光する。LED33および照明用電源34は、カメラ付き照明装置3が備える照明器具として機能する。LED33および照明用電源34は、制御ユニット31によりDALIシステム2としての通信が可能なDALI器具(DALI照明)として動作する。
【0036】
次に、実施形態に係る照明システム1における管理装置としての通信装置5の構成について説明する。
図3は、実施形態に係わる管理装置としての通信装置5における制御系の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、通信装置5は、制御部51、記憶部52、通信部53、表示部54、および、操作部55などを備える。
【0037】
制御部51は、プロセッサ、メモリおよびインターフェースなどを備える。制御部51において、プロセッサは、例えば、CPUなどで構成される。制御部51のメモリは、例えば、ROM、RAM、NVMなどの記憶装置により構成される。制御部51のプロセッサは、制御部51内のメモリや記憶部52に記憶されたプログラムを実行することにより各種の処理を実現する。例えば、制御部51は、プロセッサが記憶部52に記憶した管理情報の設定プログラムを実行することにより後述する各処理機能を実現する。
【0038】
記憶部52は、ハードディスクドライブ(HDD)、ソリッドステートドライブ(SSD)などの書き換え可能な不揮発メモリにより構成される。例えば、記憶部52は、カメラ付き照明装置3などに関する管理情報を記憶する。また、記憶部52は、カメラ付き照明装置3がモジュールカメラ32のカメラで撮影した撮影画像を記憶する。記憶部52は、設定プログラムなどのプログラムのデータおよび設定データなどを記憶するようにしても良い。なお、通信装置5は、通信接続される外部装置の記憶装置に情報を記憶するようにしても良い。この場合、本実施形態で説明する記憶部52に記憶する情報の一部又は全部は、通信装置5に接続される外部装置の記憶装置に記憶しても良い。
【0039】
通信部53は、カメラ付き照明装置3と通信するための通信インターフェースである。通信部53は、カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32が備える外部通信用のインターフェースに対応するインターフェースを含む。制御部51は、カメラ付き照明装置3(カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32)のIPアドレスを指定することにより通信部53を用いてカメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32と通信する。
【0040】
表示部54は、情報を表示するディスプレイである。表示部54は、例えば、液晶ディスプレイあるいは有機ELデバイスなどで構成される。例えば、表示部54は、カメラ付き照明装置3から取得するモジュールカメラ32のカメラで撮影した映像を表示する。また、表示部54は、複数のカメラ付き照明装置3のカメラで撮影した映像を並べた画面を表示する。操作部55は、オペレータが操作指示を入力するための入力機器などで構成される。
【0041】
次に、実施形態に係る照明システム1における複数のカメラに対する管理情報の設定方法について説明する。
本実施形態において、管理装置としての通信装置5にネットワーク接続される複数のカメラとしてのカメラ付き照明装置3は、ある空間に並べて配置されるものとする。例えば、ビルや工場などの建屋内におけるフロアの天井に複数のカメラ付き照明装置3が並べて配置されることを想定する。
【0042】
図4は、ある空間に9個のカメラ付き照明装置3を設置した例を示す図である。
ここで、空間に配置する複数(9個)のカメラ付き照明装置3は、それぞれ予めIPアドレスが付与されている。IPアドレスが付与されている複数のカメラ付き照明装置3は、設置空間において任意の順番で配置され、LANなどのネットワークを介して通信装置5に接続される。
【0043】
図4に示す例では、空間における9か所の設置位置にランダムに配置されたカメラ付き照明装置3のIPアドレスを示している。ここでは、
図4に示す例において、
図4中に示すx方向とy方向とを定義し、左上の設置位置を(1、1)、上段中央の設置位置を(2、1)、右上の設置位置を(3、1)、中段左の設置位置を(1、2)、中段中央の設置位置を(2、2)、中段右の設置位置を(3、2)、左下の設置位置を(1、3)、下段中央の設置位置を(2、3)、右下の設置位置を(3、3)と示すものとする。
【0044】
通信装置5は、ネットワーク経由で接続された各カメラ付き照明装置3から各カメラ付き照明装置3に付与されているIPアドレスを取得する。ここで、通信装置5は、各カメラ付き照明装置3のIPアドレスを取得できるが、各カメラ付き照明装置3の配置(設置位置)を特定できない。つまり、通信装置5は、配置が不明のカメラ付き照明装置3のIPアドレスを取得する。通信装置5の制御部51は、カメラ付き照明装置3のIPアドレスを取得すると、各カメラ付き照明装置3の管理情報としてIPアドレスを記憶部52に記憶する。
【0045】
図5は、実施形態に係る管理装置としての通信装置5に接続された各カメラ付き照明装置3の管理情報を格納する管理テーブルの例を示す図である。
図5に示す管理テーブルは、記憶部52に記憶される。通信装置5の制御部51は、ネットワークに接続された各カメラ付き照明装置3から取得したIPアドレスを管理テーブルに登録する。ここでは、各カメラ付き照明装置3について、IPアドレスが登録されるが、検出時刻および配置が未登録となる。なお、
図5に示す順番は、対応するIPアドレスのカメラ付き照明装置3の配置を示す情報ではなく、配置に関係なく通信装置5が取得したIPアドレスをランダムに並べた順番を示す。
【0046】
図6は、
図5に示す状態の管理テーブルの情報に基づいて複数のカメラ付き照明装置3が撮影した映像をランダムに並べて表示部54に表示した例を示す図である。
図6に示す表示例によれば、
図5に示す管理テーブルで任意の順番で並べてられたIPアドレスの各カメラ付き照明装置3のカメラが撮影した映像が並べて表示される。すなわち、配置が特定されていない場合、各カメラ付き照明装置(カメラ)3が撮影した映像は、ランダムに並べられて表示部54に表示される。また、各カメラの撮影範囲が床などの均一な画像である場合、表示部54に表示される各カメラの映像からも各カメラ付き照明装置3の配置を判定することが困難である。
【0047】
ここで、各カメラ付き照明装置3のカメラの撮影範囲を含む空間を人物が
図7に示すような所定の移動経路で移動するものとする。カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32は、カメラ(撮像部)が撮影した画像における人物の有無を検知する機能を有する。このため、カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32は、カメラ(撮像部)の撮影範囲に人物が入ると当該人物を検出する。
【0048】
カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32は、時刻を計時するクロックを有し、人物を検出した場合に人物の検出時刻を通信装置5へ送信する。通信装置5は、各カメラ付き照明装置3のモジュールカメラ32から人物の検出時刻を取得する。従って、人物の移動経路を予め設定しておけば、通信装置5は、予め設定した移動経路の通りに移動する人物の検出結果に基づいて各カメラの設置位置が特定できる。
【0049】
例えば、
図7に矢印で示す経路を所定の移動経路とすれば、通信装置5は、各カメラ付き照明装置から取得する人物の検出時刻を所定の移動経路に沿って順番に並べると、
図9に示すような各カメラ付き照明装置3の配置を特定できる。
【0050】
通信装置5の制御部51は、各カメラ付き照明装置3から所定の移動経路を移動する人物の検出時刻を取得すると、各カメラ付き照明装置3の管理情報を格納する管理テーブルの情報を更新する。通信装置5の制御部51は、カメラ付き照明装置3から人物の検出時刻を取得すると、カメラ付き照明装置3のIPアドレスに対応づけて人物の検出時刻を記憶する。さらに、通信装置5の制御部51は。人物の検出時刻の順番に管理テーブルの管理情報をソートする。
【0051】
図8は、各カメラのIPアドレスに対応づけて人物の検出時刻および配置を示す情報を登録した管理テーブルの例を示す図である。
【0052】
各カメラ付き照明装置3から人物の検出時刻を取得するごと、通信装置5の制御部51は、IPアドレスに対応づけて人物の検出時刻を管理テーブルに登録してソートする。これにより、全てのカメラ付き照明装置3から人物の検出時刻を取得した場合、通信装置5の制御部51は、全てのカメラ付き照明装置3のIPアドレスに対応づけた人物の検出時刻を順番に並べた管理テーブルを生成する。全てのカメラ付き照明装置3を人物の検出時刻の順番に並べると、制御部51は、所定の移動経路における設置位置に基づいて各カメラ付き照明装置3の配置を特定する。
【0053】
例えば、
図7に示すように移動経路が左上(1、1)から右上(3、1)、中央右(3、2)から中央左(1、2)、左下(1、3)から右下(3、3)に設定されている場合、各カメラ付き照明装置3の配置は、検出時刻の順番に、(1、1)、(2、1)、(3、1)、(3、2)、(2、2)、(1、2)、(1、3)、(2、3)、(3、3)となる。以上により、通信装置5の制御部51は、
図8に示すように、各カメラ付き照明装置3のIPアドレス、検出時刻および配置に登録した管理テーブルを生成する。
【0054】
図9は、
図8に示す状態の管理テーブルの情報に基づいて複数のカメラ付き照明装置3の配置に応じてカメラの映像を配置した表示例を示す図である。
図9に示す表示例によれば、各カメラ付き照明装置3のカメラが撮影した映像は、表示画面において、
図8の管理テーブルに示す配置に対応した表示位置に表示される。これにより、管理者は、表示部54に表示された各カメラの映像によって、各カメラ(カメラ付き照明装置)が配置された場所を視認できる。
【0055】
次に、実施形態に係る管理装置としての通信装置5が実行する管理情報の設定プログラムによる処理の流れについて説明する。
図10は、実施形態に係る管理装置としての通信装置5による処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、移動経路が設定されている空間においてIPアドレスが付与されている複数のカメラ付き照明装置(ここでは、単にカメラと称する)3が設置され、ネットワークを介して通信装置5に接続されたものとする。
【0056】
通信装置5の制御部51は、管理情報の設定プログラムを起動し、ネットワークに接続されたカメラ3からIPアドレスを取得する(ステップST11)。例えば、制御部51は、記憶部52に設けた各カメラの管理情報を格納する管理テーブルに任意の順番で各カメラ3のIPアドレスを登録する。管理テーブルに配置場所が登録されていない状態で各カメラ3が撮影した映像を表示する場合、制御部51は、各カメラ3からの映像を任意の順番で表示部54に表示する(ステップST12)。
【0057】
また、通信装置5の制御部51は、各カメラ3の配置を特定する場合、所定の移動経路を移動する人物を各カメラ3の撮影範囲で検出する処理を実行する。例えば、制御部51は、各カメラ3に対して、撮影範囲における人物の検出を実行し、人物を検出した時刻を示す情報を送信することを要求する。カメラ3は、撮影範囲における人物の検出を実行し、人物を検出した場合に人物の検出時刻を示す情報を通信装置5へ送信する。
【0058】
制御部51は、何れかのカメラ3が人物を検出すると、通信部53により人物を検出したカメラ3から人物の検出時刻を受信する(ステップST13)。制御部51は、人物の検出時刻を受信すると、人物の検出時刻の送信元であるカメラのIPアドレスを特定する。制御部51は、管理テーブルにおいてIPアドレスに対応づけて検出時刻を登録し、管理テーブルにおける各カメラの管理情報を検出時刻でソートする(ステップST14)。これにより、記憶部52における管理テーブルには、人物の検出時刻の順番に並び変えられた管理情報が格納される。
【0059】
制御部51は、全てのカメラ3から人物の検出時刻を取得したか否かにより人物の検出が終了したか否かを判断する(ステップST15)。人物の検出が終了していない場合、つまり、人物を検出していないカメラ3がある場合(ステップST15、NO)、制御部51は、ステップST13へ戻り、カメラ3からの人物の検出時刻の取得および登録を実施する。
【0060】
また、人物の検出が終了したと判断した場合(ステップST15、YES)、制御部51は、所定の移動経路と人物の検出時刻とに基づいて各カメラ3の配置を特定する(ステップST16)。例えば、通信装置5の制御部51は、所定の移動経路にある複数の設置位置を人が移動する順番に並べ、人物の検出時刻の順番に並べたカメラ3と対応づけることにより各カメラ3の配置を特定する。
【0061】
各カメラ3の配置を特定すると、制御部51は、記憶部52の管理テーブルに各カメラのIPアドレスに対応づけて配置(設置位置)を示す情報を登録する(ステップST17)。制御部51は、全てのカメラ3の配置を登録すると、カメラ3の設置位置に応じて各カメラ3が撮影する映像を配置した表示画面を表示部54に表示する(ステップST18)。例えば、制御部51は、各カメラ3の設置位置と表示画面における各カメラ3の映像の表示位置とをリングさせて表示部54に表示する。これにより、通信装置5を操作する管理者は、表示部54に表示された各カメラ3の映像を設置位置を認識しながら視認することができる。
【0062】
以上のように、実施形態に係る管理装置としての通信装置は、ネットワークを介して接続される複数のカメラをIPアドレスした後、各カメラの撮影範囲において人物を検出した検出時刻を取集し、人物の移動経路と各カメラの撮影範囲における人物の検出時刻とに基づいて実際のカメラを配置を特定する。これにより、カメラのIPアドレスとカメラの配置とを容易に紐づけることができ、複数のカメラの設置に伴う設定作業を容易にすることができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0064】
1…照明システム、
2…DALIシステム、
3…カメラ付き照明装置(カメラ)、
4…ハブ、
5…通信装置(管理装置、コンピュータ)、
21…DALIコントローラ、
22…DALI器具、
31…制御ユニット、
32…モジュールカメラ、
33…LED、
34…照明用電源、
51…制御部、
52…記憶部、
53…通信部、
54…操作部
55…表示部。