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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143041
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電動機および換気扇
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/38 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
H02K3/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055513
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003568
【氏名又は名称】弁理士法人加藤国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲今▼井 淳文
【テーマコード(参考)】
5H604
【Fターム(参考)】
5H604BB01
5H604CC01
5H604PB03
5H604PB04
5H604PC01
(57)【要約】
【課題】アルミ線を用いることによってコイルの量が増えた場合でも、コイルと外郭との絶縁距離を確保できる電動機および換気扇を提供する
【解決手段】
アルミ線を巻回して形成されたコイル7と、コイル7が周方向に装着された鉄心6と、鉄心6の軸方向の両端から軸方向に突出したコイル7のコイルエンド7eにおける径方向の外周を覆う絶縁シート15と、コイル7、鉄心6および絶縁シート15を収納する外郭5と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミ線を巻回して形成されたコイル、
前記コイルが周方向に装着された鉄心、
前記鉄心の軸方向の両端から前記軸方向に突出した前記コイルのコイルエンドにおける径方向の外周を覆う絶縁シート、
前記コイル、前記鉄心および前記絶縁シートを収納する外郭、
を備えた電動機。
【請求項2】
前記コイルと前記鉄心との間に設けられ、かつ前記コイルエンドの一部を覆うカフス部を有する絶縁物を有し、
前記絶縁シートは、前記カフス部を覆う、
請求項1に記載の電動機。
【請求項3】
前記絶縁シートは、前記鉄心の前記軸方向の両端から前記軸方向に突出した前記コイルエンドの前記径方向の前記外周をそれぞれ覆う第一外周部および第二外周部と、前記第一外周部および前記第二外周部を連結する連結部と、からなる、
請求項1に記載の電動機。
【請求項4】
前記鉄心は、前記連結部を固定する切欠き部を有する、
請求項3に記載の電動機。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の電動機を備えた、
換気扇。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動機および換気扇に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電動機のコストを低減するため、銅線より安価なアルミ線がコイルに用いられている。アルミ線に用いられるアルミは、銅線に用いられる銅より導電率が低い。そのためアルミ線を用いて銅線と同じ電気特性を得るには、アルミ線の断面積を銅線の断面積の約1.6倍とする必要がある。このため、アルミ線を用いたコイルを、コイルに銅線を用いた場合の電動機の外郭に収容する場合は、コイルと外郭との絶縁距離の確保が問題となる。
【0003】
特許文献1には、端子台の上面に配置される端子台側部と、コイルの径方向の一部とモータ外郭の内面との間に配置されるコイル側部と、端子台側部とコイル側部とを繋ぐ連結部を有した絶縁シートにより、コイルの周囲を絶縁するモータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6246028号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されたモータは、コイルエンド外径が最も大きくなるコイルが多く重なり合う箇所を覆うように絶縁シートを配置している。そのため、コイルにアルミ線が多用される状況においては、コイル巻線と外郭との絶縁距離が確保できないといった課題が生じていた。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するものであり、アルミ線を用いることによってコイルの量が増えた場合でも、コイルと外郭との絶縁距離を確保できる電動機および換気扇を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる電動機は、アルミ線を巻回して形成されたコイルと、コイルが周方向に装着された鉄心と、鉄心の軸方向の両端から軸方向に突出したコイルのコイルエンドにおける径方向の外周を覆う絶縁シートと、コイル、鉄心および絶縁シートを収納する外郭と、を備えたものである。
【0008】
また本開示にかかる換気扇は、本開示にかかる電動機を備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、アルミ線を用いることによってコイルの量が増えた場合でも、コイルと外郭との絶縁距離を確保できる電動機および換気扇を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1にかかる電動機の分解斜視図である。
図2】実施の形態1にかかるステータを軸線方向から見た詳細上面図である。
図3】実施の形態1にかかるステータを径方向から見た詳細側面図であり、図2のA方向から見た詳細側面図である。
図4】実施の形態1にかかるステータのコイルを構成しているマグネットワイヤの構成を示す概略断面図である。
図5】実施の形態1にかかるステータを軸線方向から見た絶縁シートを巻き付けた状態を示す詳細上面図である。
図6】実施の形態1にかかる絶縁シートの展開図である。
図7】実施の形態1にかかるステータのコイルに対する絶縁シートの巻き付け方法の説明図である。
図8】実施の形態1にかかるステータのコイルに対する絶縁シートの巻き付け方法の説明図である。
図9】実施の形態1の変形例1における絶縁シートの展開図である。
図10】実施の形態1の変形例2における絶縁シートの展開図である。
図11】実施の形態2に係る電動機を備えた換気扇を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の対象を実施するための形態について添付の図を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。なお、本開示の対象は、以下の実施の形態に限定されることなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態の任意の構成要素の変形、または実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【0012】
実施の形態1.
図1から図5を参照し、実施の形態1にかかる電動機30の構成について説明する。図1は、実施の形態1にかかる電動機30の分解斜視図である。図2は、実施の形態1にかかるステータ1を軸方向から見た詳細上面図である。図1では、コイル7のコイルエンド7eを覆う絶縁シート15を除いて図示してある。図3は、実施の形態1にかかるステータ1を、径方向から見た状態を示す詳細側面図であり、図2のA方向から見た詳細側面図である。図3では、コイル7のコイルエンド7eを覆う絶縁シート15を除いて図示してある。図4は、実施の形態1にかかるステータ1のコイル7を構成しているマグネットワイヤの構成を示す概略断面図である。図5は、実施の形態1にかかるステータ1を軸方向から見た絶縁シート15を巻き付けた状態を示す詳細上面図である。以下の説明においては、図1に示した矢印の方向を用いて電動機30の構成を説明するが、これは電動機30の構成の理解を容易にするためのものであり、これにより本開示の対象を限定するものでない。
【0013】
図1に示す電動機30はインナーロータ型である。電動機30のステータ1は、ステータ1の中心である軸線A(回転軸と称する場合がある)で示した軸方向に円形の開口を有している。ステータ1の円形の開口の中には、回転軸を中心に回転可能なロータ2が設けられている。径方向におけるロータ2の中心には、軸方向にシャフト3が挿入されている。シャフト3には、軸方向においてロータ2を挟み込むように軸受4a、4bが取り付けられている。軸受4a、4bは、それぞれ外郭5a、5bに支持されている。外郭5a、5bは、例えば、ねじなどの不図示の固定具を用いて互いに固定されている。ステータ1とロータ2は、外郭5a、5bの中に収納されている。またシャフト3の一端は、径方向における外郭5aの中央に開口した孔から軸方向の外部に突出しており、例えば、羽根などの負荷に接続される。なお外郭5a、5bをまとめて外郭5と称する場合がある。
【0014】
図2および図3に示すように、ステータ1は、鉄心6、コイル7、および絶縁物8を有している。コイル7は、コイル7a、7b、7cおよび7dから構成されている。絶縁物8は、例えば、絶縁紙である。実施の形態1では、一例として、12相4極のステータ1を示している。
【0015】
鉄心6は、径方向の中心に向けて突出した24個のティース13と、隣り合うティース13の間に形成されたスロット9を有している。鉄心6は、軸方向に積層した薄板を、金型内でかしめ加工を行うことにより成形される。鉄心6は、径方向における外周の一部を切欠いた切欠き部14を有している。実施の形態1では、切欠き部14として、切欠き部14aおよび14bを有している。切欠き部14aは、中心にある軸線Aから径方向に等しい距離を有して、対向した2ヶ所に設けられている。また鉄心6は、各切欠き部14aから周方向に90°の間隔を空けた位置に、切欠き部14bを2ヶ所設けている。
【0016】
切欠き部14(14a、14b)の幅は、図2に示すように、回転軸である軸線Aを基準にして、径方向に30°程度の角度を有している。切欠き部14の幅は、実施の形態1のような24スロット、24ティースの場合においては2ティース分の幅に相当する。切欠き部14は、ステータ1にコイル7を巻回する際にステータ1を治具で固定するための固定部として用いられる。なお実施の形態1では、2ヶ所の切欠き部14aおよび2ヶ所の14bを示しているが、2ヶ所の切欠き部14aのみ設けてもよい。
【0017】
コイル7(7a、7b、7c、7d)に用いられるアルミ線としてのマグネットワイヤは、図4に示すように、アルミを主成分とした導体10と、導体10の外周に焼き付けられたエナメル絶縁被膜11で構成されている。
【0018】
鉄心6に対するコイル7の巻線方法としては、分布巻あるいは集中巻がある。ここでは分布巻を例として説明するが、集中巻でも、同様に適用可能である。
【0019】
コイル7は、図2および図3に示すように、鉄心6の複数のティース13を跨るようにして、スロット9内に装着されている。コイル7は、径方向の外側にコイル7aと7bが設けられ、コイル7aと7bの内側にコイル7cと7dが設けられている。またコイル7aと7bは、軸方向の外側にコイル7aが設けられ、コイル7aの内側にコイル7bが設けられている。またコイル7cと7dは、軸方向の外側にコイル7cが設けられ、コイル7cの内側にコイル7dが設けられている。コイル7a、7b、7cおよび7dは、それぞれ、周方向に4ヶ所設けられている。またコイル7aと7b、およびコイル7cと7dは、周方向に45°ずれた位置に設けられている。またコイル7は、図3のコイルエンド7eに示すように、鉄心6の軸方向の端から、軸方向に突出する部分を有している。コイルエンド7eは、鉄心6の軸方向の両端から、軸方向に突出している。コイルエンド7eは、分布巻の方が集中巻よりも鉄心6の軸方向の端から軸方向に突出する部分が大きい。また径方向におけるコイル7の外径(図7におけるD1)は、鉄心6の外径よりも小さい。
【0020】
絶縁物8は、鉄心6とコイル7の間を絶縁する。絶縁物8は、図2および図3に示すように、鉄心6とコイル7の間にあって、スロット9の内面に沿って設けられている。絶縁物8は、図3のカフス部8aに示すように、鉄心6の軸方向の端から、軸方向に突出している。カフス部8aは、鉄心6の軸方向の両端から、軸方向に突出している。軸方向におけるカフス部8aの高さは、コイルエンド7eの高さより低い。
【0021】
ステータ1は、さらに絶縁シート15を有している。絶縁シート15は、図5に示すように、コイル7の径方向の外周を覆うように設けられている。詳しくは、絶縁シート15は、少なくとも、鉄心6の軸方向の両端から軸方向に突出しているコイルエンド7eの外周を周回することで、コイルエンド7eの外周を覆うように設けられている。
【0022】
次に図6から図8を参照し、ステータ1のコイル7に対する絶縁シート15の巻き付け方法について説明する。図6は、実施の形態1にかかる絶縁シート15の展開図である。図7図8は、実施の形態1にかかるステータ1のコイル7に対する絶縁シート15の巻き付け方法の説明図である。
【0023】
絶縁シート15は、図6に示すように、鉄心6の軸方向の両端から軸方向に突出しているコイルエンド7eにおいて、径方向におけるコイルエンド7eの外周を覆うための、第一外周部15bおよび第二外周部15cを備えている。第一外周部15bおよび第二外周部15cは、コイルエンド7eの外周に巻き付け可能な帯形状である。また絶縁シート15は、第一外周部15bと第二外周部15cを連結する連結部15aを有している。絶縁シート15は、第一外周部15bの一方の端部15dと第二外周部15cの一方の端部15fを、連結部15aで連結したZ型の形状である。
【0024】
図6図7に示すように、絶縁シート15において、連結部15aの幅W1の寸法は、切欠き部14aの幅W3の寸法より短く設定される。連結部15aの高さH1の寸法は、鉄心6の高さH5の寸法と同じ、または長く設けられる。また連結部15aの高さH1の寸法は、絶縁距離を確保するために、カフス部8aと第一外周部15b、およびカフス部8aと第二外周部15cのいずれにおいても、軸方向において互いに3mm以上重なり合うように設定される。
【0025】
また絶縁シート15において、第一外周部15bおよび第二外周部15cの幅W2の寸法は、コイルエンド7eの周方向における外周の寸法に3mm以上加えた寸法に設定される。具体的には、コイルエンド7eの直径をD1としたときに、第一外周部15bおよび第二外周部15cの幅W2の寸法は、W2≧(π×コイルエンド7eの直径D1)+3mmの関係を有している。また第一外周部15bおよび第二外周部15cの軸方向の高さH2の寸法は、少なくとも、コイルエンド7eの高さH3の寸法を有していればよいが、より安定して絶縁するには、コイルエンド7eの高さH3の寸法に3mm以上加えた寸法(図7におけるH3+H4)に設定するのが望ましい。
【0026】
絶縁シート15は、まず、図7に示すように、絶縁シート15の連結部15aを鉄心6の切欠き部14aに固定する。切欠き部14aへの連結部15aの固定は、例えば、接着剤を使うことができる。連結部15aは、絶縁シート15の第一外周部15bおよび第二外周部15cが、コイルエンド7eの外周に沿って巻き付け可能となるように配置される。このように、絶縁シート15の連結部15aを切欠き部14aに固定することで、絶縁シート15が位置決めされる。そのため、第一外周部15bおよび第二外周部15cを精度よくコイルエンド7eの外周に巻き付けることができる。
【0027】
その後、絶縁シート15の第一外周部15bは、図8の矢印Sに示すように、絶縁物8を含むコイルエンド7eの外周に沿って巻き付けられる。同様に、絶縁シート15の第二外周部15cは、絶縁物8を含むコイルエンド7eの外周に沿って巻き付けられる。第二外周部15cをコイルエンド7eに巻き付ける方向は、図8で示した矢印Sの方向(図8における時計回りの向き)とは逆の方向(図8における反時計回りの向き)となる。
【0028】
最後に、コイルエンド7eの外周に沿って巻き付けられた第一外周部15bは、巻き始め部である一方の端部15dと巻き終わり部である他方の端部15eが重なり合う部分(図5に示すVの部分)を、例えば、接着剤により貼り合わせて固定する。同様に、コイルエンド7eの外周に沿って巻き付けられた第二外周部15cは、巻き始め部である一方の端部15fと巻き終わり部である他方の端部15gが重なり合う部分を、例えば、接着剤により貼り合わせて固定する。なお第一外周部15bの一方の端部15dと他方の端部15eが重なり合う部分、ならびに第二外周部15cの一方の端部15fと他方の端部15gが重なり合う部分は、絶縁距離を確保するため、3mm以上とするのが望ましい。以上により、ステータ1が完成する。
【0029】
なお実施の形態1では、図6および図7に図示したようなZ型形状の絶縁シート15を用いて説明したが、絶縁シート15は、コイルエンド7eの径方向の外周を覆うことができる形状であればよい。例えば、絶縁シート15の形状を、図9に示すようなコの字形状、図10に示すようなH型形状にしてもよい。コの字形状およびH型形状の絶縁シート15は、第一外周部15bおよび第二外周部15cに対する連結部15aの位置がZ型形状の絶縁シート15と相違するが、コイルエンド7eの径方向の外周を覆うことができる。
【0030】
以上のように、実施の形態1によれば、絶縁シート15がコイルエンド7eの径方向にある外周を周回して覆うようにしたので、アルミ線によるコイル7の量が増えた場合でも、コイル7と外郭5との絶縁距離を確保できる電動機30を得ることができる。
【0031】
また、アルミ線を用いたとしても、コイル7と外郭5の空間での距離が近くなった場合でも絶縁距離を確保できるので、電動機30の小型化に寄与することができる。また電動機30の小型化に寄与することで、電動機30のコストを低減することができる。
【0032】
さらに、コイル7と外郭5の間の絶縁距離を確保できるので、安価なアルミ線を積極的に利用することができる。そのため、電動機30のコストの低減に寄与することができる。
【0033】
また、絶縁シート15の連結部15a固定する切欠き部14aを設けたので、第一外周部15bおよび第二外周部15cを、コイルエンド7eの外周に精度よく巻き付けることができる。
【0034】
実施の形態2.
図11は、実施の形態1に係る電動機30を備えた換気扇21を示す構成図である。図11は、換気扇21を背面側から見たものである。図11に示すように、換気扇21は、四角形状の本体枠22と、本体枠22の背面に設けられた風洞23と、本体枠22の四隅から背面側に立ち上がる4本の支持脚24と、4本の支持脚24の先端に設けられた電動機ケース26を備えている。各支持脚24の基端にはそれぞれ取付部24aが設けられ、各支持脚24の取付部24aは本体枠22の四隅にボルトで固定されている。また換気扇21は、電動機ケース26内に固持された電動機30のシャフト3に固定され、電動機30の駆動によって風洞23内で回転する羽根車25を備えている。このように構成された換気扇21は、不図示の建物の壁面に設置され、室内の空気を排気して室内を換気し、あるいは室外の空気を吸気して室内に外気を導入する。
【0035】
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1で示した電動機30を換気扇21に備えている。電動機30は、コストを低減させることが可能であり、その結果、換気扇21のコストを低減することができる。
【0036】
以上、上記の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものである。実施の形態は、別の公知の技術と組み合わせることが可能である。本開示の要旨を逸脱しない範囲で、実施の形態の構成の一部を省略または変更することが可能である。
【0037】
以下に、本開示に含まれ得る態様の例について、付記として明記する。
(付記1)
アルミ線を巻回して形成されたコイル、
前記コイルが周方向に装着された鉄心、
前記鉄心の軸方向の両端から前記軸方向に突出した前記コイルのコイルエンドにおける径方向の外周を覆う絶縁シート、
前記コイル、前記鉄心および前記絶縁シートを収納する外郭、
を備えた電動機。
(付記2)
前記コイルと前記鉄心との間に設けられ、かつ前記コイルエンドの一部を覆うカフス部を有する絶縁物を有し、
前記絶縁シートは、前記カフス部を覆う、
付記1に記載の電動機
(付記3)
前記絶縁シートは、前記鉄心の前記軸方向の両端から前記軸方向に突出した前記コイルエンドの前記径方向の前記外周をそれぞれ覆う第一外周部および第二外周部と、前記第一外周部および前記第二外周部を連結する連結部と、からなる、
付記1に記載の電動機。
(付記4)
前記鉄心は、前記連結部を固定する切欠き部を有する、
付記3に記載の電動機。
(付記5)
付記1から4のいずれか1項に記載の電動機を備えた、
換気扇。
【符号の説明】
【0038】
1 ステータ、2 ロータ、3 シャフト、4a 軸受、4b 軸受、5 外郭、5a 外郭、5b 外郭、6 鉄心、7 コイル、7a コイル、7b コイル、7c コイル、7d コイル、7e コイルエンド、8 絶縁物、8a カフス部、9 スロット、10 導体、11 エナメル絶縁被膜、13 ティース、14 切欠き部、14a 切欠き部、14b 切欠き部、15 絶縁シート、15a 連結部、15b 第一外周部、15c 第二外周部、15d 一方の端部、15e 他方の端部、15f 一方の端部、15g 他方の端部、21 換気扇、22 本体枠、23 風洞、24 支持脚、24a 取付部、25 羽根車、26 電動機ケース、30 電動機。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11