(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143043
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】無人飛行体
(51)【国際特許分類】
B64U 20/83 20230101AFI20241003BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20241003BHJP
【FI】
B64U20/83
B64U50/19
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055518
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】冨山 和也
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有輝
(72)【発明者】
【氏名】閨谷 渉
(57)【要約】
【課題】ライティングダクトへの機器の取付け等を実行可能で、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能な無人飛行体を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、無人飛行体は、飛行駆動部、機器搭載部、動作駆動部及びコネクタ部を備える。飛行駆動部は、飛行動作が行われる状態に駆動可能であり、機器搭載部には、機器を搭載可能である。動作駆動部は、機器搭載部に搭載された機器をライティングダクトに取付ける動作が行われる状態に駆動可能である。コネクタ部がライティングダクトに接続されることにより、ライティングダクトから電力を供給可能になるとともに、ライティングダクトからの電力を用いて飛行駆動部及び動作駆動部を駆動可能になる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の供給によって、飛行動作が行われる状態に駆動可能な飛行駆動部と;
ライティングダクトに取付け可能な機器を搭載可能な機器搭載部と;
電力の供給によって、前記機器搭載部に搭載された前記機器を前記ライティングダクトに取付ける動作が行われる状態に駆動可能な動作駆動部と;
前記ライティングダクトに接続可能であり、前記ライティングダクトに接続されることにより、前記ライティングダクトから電力を供給可能にするとともに、前記ライティングダクトからの前記電力を用いて前記飛行駆動部及び前記動作駆動部を駆動可能にするコネクタ部と;
を具備する、無人飛行体。
【請求項2】
前記ライティングダクトから前記コネクタ部を介して供給される前記電力を蓄電可能であり、蓄電されている電力を前記飛行駆動部及び前記動作駆動部に供給可能なバッテリをさらに具備する、請求項1の無人飛行体。
【請求項3】
前記機器搭載部及び前記コネクタ部が形成される上面と;
前記上面とは反対側を向く底面と;
をさらに具備する、請求項1又は2の無人飛行体。
【請求項4】
前記コネクタ部が形成される上面と;
前記上面とは反対側を向き、前記機器搭載部が形成される底面と;
をさらに具備する、請求項1又は2の無人飛行体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無人飛行体に関する。
【背景技術】
【0002】
照明器具等の機器において、ライティングダクトに取付けて使用される機器が存在する。このような機器が用いられる環境において施工又はレイアウト変更等が行われる場合、ライティングダクトに機器を取付ける作業、及び、ライティングダクトから機器を取外す作業等を行う必要がある。ライティングダクトへの機器の取付け、及び、ライティングダクトからの機器の取外しにおいては、高い場所で作業者が作業を行う手間を省略する観点等から、ドローン等の無人飛行体を用いて、機器の取付け及び取外しを実行可能にすることが、求められている。
【0003】
また、無人飛行体では、飛行動作において電力を消費する。そして、無人飛行体を用いてライティングダクトへの機器の取付け等を行う場合は、機器を取り付ける動作においても、電力を消費する。このため、無人飛行体を用いて機器の取付け等を行う場合、無人飛行体の動作に必要な電力を容易かつ適切に確保することが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-120752号公報
【特許文献2】特開2022-7372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ライティングダクトへの機器の取付け等を実行可能で、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能な無人飛行体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、無人飛行体は、飛行駆動部、機器搭載部、動作駆動部及びコネクタ部を備える。飛行駆動部は、電力の供給によって、飛行動作が行われる状態に駆動可能であり、機器搭載部には、ライティングダクトに取付け可能な機器を搭載可能である。動作駆動部は、電力の供給によって、機器搭載部に搭載された機器をライティングダクトに取付ける動作が行われる状態に駆動可能である。コネクタ部は、ライティングダクトに接続可能であり、コネクタ部がライティングダクトに接続されることにより、ライティングダクトから電力を供給可能になるとともに、ライティングダクトからの電力を用いて飛行駆動部及び動作駆動部を駆動可能になる。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ライティングダクトへの機器の取付け等を実行可能で、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能な無人飛行体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る無人飛行体について、機器が搭載された状態で示す概略図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る無人飛行体について、ライティングダクトから電力が供給されている状態で示す概略図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る無人飛行体の電気系統及び制御系統の一例を概略的に示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る無人飛行体を用いて行われる作業の一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る無人飛行体を用いて行われる作業の
図4とは別の一例を示す概略図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る無人飛行体の動作の一例を示す概略図である。
【
図7】
図7は、ある変形例に係る無人飛行体について、機器が搭載された状態で示す概略図である。
【
図8】
図8は、
図7の変形例に係る無人飛行体について、ライティングダクトから電力が供給されている状態で示す概略図である。
【
図9】
図9は、
図7の変形例に無人飛行体おいて、ライティングダクトから電力が供給されている状態の一例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態の無人飛行体(1)は、飛行駆動部(15)、機器搭載部(7)、動作駆動部(16)及びコネクタ部(12)を備える。飛行駆動部(15)は、電力の供給によって、飛行動作が行われる状態に駆動可能であり、機器搭載部(7)には、ライティングダクト(11)に取付け可能な機器(8)を搭載可能である。動作駆動部(16)は、電力の供給によって、機器搭載部(7)に搭載された機器(8)をライティングダクト(11)に取付ける動作が行われる状態に駆動可能である。コネクタ部(12)は、ライティングダクト(11)に接続可能であり、コネクタ部(12)がライティングダクト(11)に接続されることにより、ライティングダクト(11)から電力を供給可能になるとともに、ライティングダクト(11)からの電力を用いて飛行駆動部(15)及び動作駆動部(16)を駆動可能になる。これにより、ライティングダクト(11)への機器(8)の取付け等を無人飛行体(1)が実行可能になるとともに、無人飛行体(1)の動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能となる。
【0010】
実施形態の無人飛行体(1)は、バッテリ(21)をさらに備える。バッテリ(21)は、ライティングダクト(11)からコネクタ部(12)を介して供給される電力を蓄電可能であり、蓄電されている電力を飛行駆動部(15)及び動作駆動部(16)に供給可能である。これにより、ライティングダクト(11)からコネクタ部(12)を介して供給される電力を、一旦バッテリ(21)に蓄電した後に、バッテリ(21)から飛行駆動部(15)及び動作駆動部(16)に電力を供給可能となる。
【0011】
実施形態の無人飛行体(1)は、上面(5)及び底面(6)をさらに備える。上面(5)には、機器搭載部(7)及びコネクタ部(12)が形成され、底面(6)は、上面(5)とは反対側を向く。これにより、単一のライティングダクト(11)において、ライティングダクト(11)に機器(8)を取付けたまま、機器(8)の取付け位置を変更可能になる。
【0012】
実施形態の無人飛行体(1)は、上面(5)及び底面(6)をさらに備え、上面(5)には、コネクタ部(12)が形成される。底面(6)は、上面(5)とは反対側を向き、底面(6)には、機器搭載部(7)が形成される。これにより、機器搭載部(7)に機器(8)が搭載された無人飛行体(1)をライティングダクト(11)に沿って移動させながら、ライティングダクト(11)から無人飛行体(1)へ電力を供給可能となる。
【0013】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施形態)
まず、実施形態の一例として、第1の実施形態について説明する。
図1及び
図2は、第1の実施形態に係る無人飛行体1を示す。
図1及び
図2に示すように、無人飛行体1では、高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)が、規定される。無人飛行体1では、高さ方向の一方側が上側(矢印Z1側)となり、高さ方向について上側とは反対側が下側(矢印Z2側)となる。
【0015】
無人飛行体1は、プロペラ3を1つ以上備え、
図1及び
図2の一例では、複数のプロペラ3が、無人飛行体1に設けられる。プロペラ3のそれぞれは、回転可能である。無人飛行体1では、プロペラ3が回転することにより、揚力が発生する。そして、無人飛行体1は、プロペラ3の回転に起因する揚力によって、浮遊し、飛行可能となる。ある一例では、無人飛行体1は、ドローン、ヘリコプター及び無人航空機等のいずれかである。
【0016】
また、
図1及び
図2の一例では、無人飛行体1は、高さ方向の上側を向く上面5、及び、高さ方向の下側を向く底面6を備える。底面6は、上面5の反対面となり、上面5とは反対側を向く。また、無人飛行体1では、上面5に、機器搭載部7が形成される。機器搭載部7には、ライティングダクト11に取付け可能な機器8を搭載可能である。機器8としては、例えば、ライティングダクト11に取付け可能な照明器具が挙げられる。
【0017】
なお、
図1は、機器搭載部7に機器8が搭載された状態を示し、機器8が搭載された無人飛行体1が飛行している状態を示す。また、ある一例では、無人飛行体1に把持アーム等の把持部(図示しない)が設けられ、把持部は、機器搭載部7に搭載されている機器8を把持する。把持部によって機器8が把持されることにより、無人飛行体1が飛行している状態等において、機器搭載部7からの機器8の落下等が、有効に防止される。
【0018】
図2等に示すように、ライティングダクト11では、長手方向(矢印L示す方向)が、規定される。機器8は、長手方向に沿って移動可能な状態で、ライティングダクト11に取付けられる。また、機器8がライティングダクト11に取付けられることにより、ライティングダクト11から機器8に電力を供給可能になる。ライティングダクト11に取付けられた機器8は、ライティングダクト11からの電力によって動作する。例えば、ライティングダクト11に機器8として照明器具が取付けられる場合、ライティングダクト11からの電力によって、照明器具の発光素子が発光し、照明器具は、発光した光を照射する照明動作を行う。
【0019】
また、無人飛行体1では、上面5に、ライティングダクト11に接続可能なコネクタ部12が形成される。コネクタ部12がライティングダクト11に接続されることにより、ライティングダクト11から無人飛行体1に電力を供給可能となる。そして、無人飛行体1は、ライティングダクト11から供給された電力を、飛行動作等を含む無人飛行体1の動作での消費電力として、使用可能である。なお、
図2は、ライティングダクト11にコネクタ部12が接続されている状態を示し、ライティングダクト11から無人飛行体1に電力が供給されている状態を示す。
【0020】
図3は、無人飛行体1の電気系統及び制御系統の一例を、ブロック図で概略的に示す。
図3等に示すように、無人飛行体1は、飛行駆動部15及び動作駆動部16を備える。飛行駆動部15及び動作駆動部16のそれぞれは、電力の供給によって、駆動される。また、飛行駆動部15及び動作駆動部16のそれぞれは、電力の供給状態に対応して、駆動状態が変化する。電力の供給によって飛行駆動部15が駆動されることにより、プロペラ3が回転し、無人飛行体1が飛行可能になる。したがって、飛行駆動部15は、電力の供給によって、無人飛行体1の飛行動作が行われる状態に、駆動可能である。
【0021】
また、無人飛行体1では、ライティングダクト11への機器8の取付け、及び、ライティングダクト11からの機器8の取外しは、例えば、アーム及び工具等の動作部(いずれも図示しない)を用いて行われる。本実施形態では、電力の供給によって動作駆動部16が駆動されることにより、機器8の取付け及び取外しに用いられる動作部が、動作可能となる。
【0022】
このため、動作駆動部16が駆動されることにより、無人飛行体1は、機器搭載部7に搭載された機器8をライティングダクト11に取付ける動作、及び、ライティングダクト11から機器8を取外す動作等を、実行可能となる。したがって、動作駆動部16は、電力の供給によって、機器8をライティングダクト11に取付ける動作が無人飛行体1において行われる状態に、駆動可能である。そして、動作駆動部16は、電力の供給によって、機器8をライティングダクト11から取外す動作が無人飛行体1において行われる状態に、駆動可能である。
【0023】
また、機器搭載部7に搭載されている機器を把持部によって把持可能な構成では、電力の供給によって動作駆動部16が駆動されることにより、把持部が、動作可能となる。すなわち、動作駆動部16は、電力の供給によって、機器搭載部7に搭載された機器8を把持部によって把持する動作が無人飛行体1において行われる状態に、駆動可能である。
【0024】
また、無人飛行体1は、制御回路等である制御部20を備える。制御部20は、プロセッサ又は集積回路、及び、メモリ等の記憶媒体から構成される。制御部20を構成するプロセッサ又は集積回路は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイコン、FPGA(Field Programmable Gate Array)、及び、DSP(Digital Signal processor)等のいずれかを含む。制御部20は、集積回路等を1つのみ備えてもよく、集積回路等を複数備えてもよい。また、制御部20は、記憶媒体を1つのみ備えてもよく、記憶媒体を複数備えてもよい。
【0025】
制御部20は、飛行駆動部15への電力の供給を制御することより、飛行駆動部15の駆動状態を制御し、プロペラ3のそれぞれの回転動作を制御する。これにより、無人飛行体1の飛行(飛行動作)が制御される。この際、制御部20は、プロペラ3のそれぞれの回転方向及び回転速度等を調整することにより、飛行本体2の移動方向、移動速度及び飛行姿勢等を調整する。
【0026】
制御部20は、動作駆動部16への電力の供給を制御することより、動作駆動部16の駆動状態を制御し、機器8の取付け及び取外し等に用いられる動作部の動作を制御する。このため、制御部20は、機器搭載部7に搭載されている機器8をライティングダクト11に取付ける動作が行われる状態に、アーム及び工具等の動作部を制御可能である。そして、制御部20は、機器8をライティングダクト11から取外す動作が行われる状態に、アーム及び工具等の動作部を制御可能である。
【0027】
また、
図3の一例では、無人飛行体1は、バッテリ21及び駆動回路22を備える。バッテリ21は、充電可能かつ放電可能である。したがって、バッテリ21を充電することにより、バッテリ21に電力が蓄電される。そして、バッテリ21を放電することにより、バッテリ21に蓄電された電力を供給可能となる。バッテリ21は、駆動回路22を間に介して、飛行駆動部15及び動作駆動部16に電気的に接続され、駆動回路22を間に介して、コネクタ部12に電気的に接続される。
【0028】
制御部20は、駆動回路22の駆動を制御することにより、バッテリ21の充電及び放電を制御するとともに、飛行駆動部15及び動作駆動部16への電力の供給を制御する。例えば、制御部20は、駆動回路22の駆動を制御することにより、バッテリ21に蓄電された電力を、飛行駆動部15及び動作駆動部16のいずれかに供給する。この際、駆動回路22は、必要ならば、バッテリ21からの直流電力に対して変圧及びDC/AC変換等の電力変換を行い、電力変換した電力を飛行駆動部15及び/又は動作駆動部16に供給する。したがって、バッテリ21に蓄電されている電力は、飛行駆動部15及び動作駆動部16に供給可能であり、無人飛行体1の飛行動作、及び、機器8をライティングダクト11に取付ける動作等での消費電力として、使用可能である。
【0029】
また、ライティングダクト11にコネクタ部12が接続された状態では、制御部20は、駆動回路22の駆動を制御することにより、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、バッテリ21に蓄電する。この際、駆動回路22は、必要ならば、ライティングダクト11からの電力に対して変圧及びAC/DC変換等の電力変換を行い、電力変換した直流電力をバッテリ21に供給する。したがって、ライティングダクト11から供給される電力によって、バッテリ21を充電可能である。
【0030】
また、ライティングダクト11にコネクタ部12が接続された状態では、制御部20は、駆動回路22の駆動を制御することにより、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、飛行駆動部15及び動作駆動部16のいずれかに供給する。この際、駆動回路22は、必要ならば、ライティングダクト11からの電力に対して電力変換を行い、電力変換した電力を飛行駆動部15及び/又は動作駆動部16に供給する。また、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力は、一旦バッテリ21に蓄電された後に、バッテリ21から飛行駆動部15及び動作駆動部16のいずれかに供給されてもよい。
【0031】
前述のように飛行駆動部15及び動作駆動部16への電力の供給等が制御されるため、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を用いて、飛行駆動部15及び動作駆動部16を駆動可能である。したがって、ライティングダクト11からの電力は、飛行駆動部15及び動作駆動部16に供給可能であり、無人飛行体1の飛行動作、及び、機器8をライティングダクト11に取付ける動作等での消費電力として、使用可能である。
【0032】
また、
図3の一例では、制御部20は、バッテリ21及びコネクタ部12のそれぞれに、電気的に接続される。そして、制御部20には、バッテリ21に蓄電されている電力、及び、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、供給可能である。制御部20に電力が供給されることにより、制御部20が起動され、制御部20は、前述した処理を実行可能である。ただし、制御部20は、バッテリ21及のみに電気的に接続される構成であってもよい。
【0033】
図4は、本実施形態に係る無人飛行体1を用いて行われる作業の一例を示す。
図4の一例では、レイアウト変更等において、ライティングダクト11Aに取付けられている機器8を、別のライティングダクト11Bに取付けられる状態に、配置変更される。
図4の一例の作業では、状況α1,α2,α3及びα4の順に、状況が変化する。
図4の一例では、状況α1において、無人飛行体1のコネクタ部12を、ライティングダクト11Aに接続することにより、ライティングダクト11Aからの電力が、コネクタ部12を介して無人飛行体1に供給される。そして、ライティングダクト11Aから供給される電力によって、バッテリ21が充電される。
【0034】
そして、バッテリ21の充電が終了すると、無人飛行体1を移動させ、状況α2のように、ライティングダクト11Aに取付けられている機器8に高さ方向の下側から隣接する位置に、無人飛行体1を位置させる。そして、動作駆動部16を駆動することにより、無人飛行体1は、機器8をライティングダクト11Aから取外す動作を行い、上面5に形成される機器搭載部7に、取外した機器8を搭載する。そして、機器搭載部7に機器8を搭載した状態で、無人飛行体1をライティングダクト11Bに向かって移動させる。
【0035】
そして、状況α3のように、機器8が搭載された無人飛行体1を、ライティングダクト11Bに高さ方向の下側から隣接する位置に、位置させる。そして、動作駆動部16を駆動することにより、無人飛行体1は、機器8をライティングダクト11Bに取付ける動作を行う。ライティングダクト11Bへの機器8の取付けが終了すると、状況α4のように、無人飛行体1のコネクタ部12を、ライティングダクト11Bに接続することにより、ライティングダクト11Bからの電力が、コネクタ部12を介して無人飛行体1に供給される。そして、ライティングダクト11Bから供給される電力によって、バッテリ21が充電される。
【0036】
したがって、本実施形態では、
図4の一例のように、無人飛行体1を用いて、ライティングダクト11(11A,11B)に取付け可能な機器8の取付け位置を、変更可能である。また、本実施形態では、
図4の一例のように、機器8の取付け位置を変更する作業において、ライティングダクト11(11A,11B)から無人飛行体1に容易かつ適切に電力を供給可能であり、作業における無人飛行体1の動作に必要な電力を、容易かつ適切に確保可能である。
【0037】
なお、単一のライティングダクト11(例えば11A)において機器8の取付け位置を変更する作業でも、
図4の一例と同様に無人飛行体1を動作させることにより、機器8の取付け位置を変更可能である。この際、例えば、
図3の一例と同様のタイミング等で、ライティングダクト11にコネクタ部12を接続する等して、機器8の取付け位置を変更が行われるライティングダクト11から無人飛行体1に、電力を供給可能である。
【0038】
図5は、本実施形態に係る無人飛行体1を用いて行われる作業の
図4とは別の一例を示す。
図5の一例では、2つの機器8A,8Bをライティングダクト11に取付ける作業について、示される。
図5の一例の作業では、状況β1,β2,β3,β4及びβ5の順に、状況が変化する。
図5の一例では、状況β1において、機器8Aを、無人飛行体1の機器搭載部7に搭載する。機器8Aの搭載は、例えば、地表面又は床面等で行われる。そして、機器搭載部7に機器8Aを搭載した状態で、無人飛行体1を飛行させ、ライティングダクト11に向かって無人飛行体1を移動させる(上昇させる)。
【0039】
そして、状況β2のように、機器8Aが搭載された無人飛行体1を、ライティングダクト11に高さ方向の下側から隣接する位置に、位置させる。そして、動作駆動部16を駆動することにより、無人飛行体1は、機器8Aをライティングダクト11に取付ける動作を行う。ライティングダクト11への機器8Aの取付けが終了すると、状況β3のように、無人飛行体1のコネクタ部12を、ライティングダクト11に接続することにより、ライティングダクト11からの電力が、コネクタ部12を介して無人飛行体1に供給される。そして、ライティングダクト11から供給される電力によって、バッテリ21が充電される。
【0040】
バッテリ21の充電が終了すると、ライティングダクト11から離れる状態に無人飛行体1を移動させ、地表面又は床面等に向かって、無人飛行体1を移動させる(降下させる)。そして、状況β4のように、地表面又は床面等において、機器8Bを、無人飛行体1の機器搭載部7に搭載する。そして、機器搭載部7に機器8Bを搭載した状態で、無人飛行体1を飛行させ、ライティングダクト11に向かって無人飛行体1を移動させる(上昇させる)。そして、状況β5のように、機器8Bが搭載された無人飛行体1を、ライティングダクト11に高さ方向の下側から隣接する位置に、位置させる。そして、動作駆動部16を駆動することにより、無人飛行体1は、機器8Bをライティングダクト11に取付ける動作を行う。
【0041】
したがって、本実施形態では、
図5の一例のように、無人飛行体1を用いて、複数の機器8(8A,8B)をライティングダクト11に取付け可能である。また、本実施形態では、
図5の一例のように、複数の機器8をライティングダクト11に取付ける作業において、機器8が取付けられるライティングダクト11から無人飛行体1に容易かつ適切に電力を供給可能であり、作業における無人飛行体1の動作に必要な電力を、容易かつ適切に確保可能である。
【0042】
前述のように本実施形態では、飛行駆動部15は、飛行動作が行われる状態に駆動可能であり、機器搭載部7には、ライティングダクト11に取付け可能な機器8を搭載可能である。そして、動作駆動部16は、機器搭載部7に搭載された機器8をライティングダクト11に取付ける動作が行われる状態に、駆動可能である。したがって、無人飛行体1が動作することにより、ライティングダクト11への機器8の取付け等を実行可能となる。
【0043】
また、本実施形態では、コネクタ部12がライティングダクト11に接続されることにより、ライティングダクト11から無人飛行体1に電力を供給可能になる。そして、無人飛行体1では、ライティングダクト11からの電力を用いて、飛行駆動部15及び動作駆動部16を駆動可能である。したがって、無人飛行体1において、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能となる。
【0044】
また、本実施形態では、バッテリ21は、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、蓄電可能である。そして、バッテリ21は、蓄電されている電力を、飛行駆動部15及び動作駆動部16に供給可能である。したがって、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、一旦バッテリ21に蓄電した後に、バッテリ21から飛行駆動部15及び動作駆動部16に電力を供給可能となる。
【0045】
図6は、本実施形態の無人飛行体1の動作の一例を示す。前述のように、本実施形態では、無人飛行体1の上面5に、機器搭載部7が形成される。このため、
図6等に示すように、機器8がライティングダクト11に取付けられている状態で、無人飛行体1の機器搭載部7に機器8を搭載可能である。すなわち、ライティングダクト11から機器8を取外すことなく、機器8を機器搭載部7に搭載可能である。
【0046】
図6の一例では、ライティングダクト11に取付けられたまま機器搭載部7に搭載された機器8を、把持アーム等の把持部(図示しない)によって、把持する。そして、機器8を把持部によって把持した状態で、ライティングダクト11の長手方向に沿って無人飛行体1を移動させる(矢印A1)。この際、例えば、一点鎖線で示す位置から実線へ示す位置へ、無人飛行体1を移動させる。無人飛行体1の移動に対応して、機器搭載部7に搭載された機器8も、ライティングダクト11に取付けられた状態のまま、ライティングダクト11の長手方向に沿って移動する。したがって、本実施形態では、単一のライティングダクト11において、ライティングダクト11に機器8を取付けたまま、すなわち、ライティングダクト11から機器8を取外すことなく、機器8の取付け位置を変更可能である。
【0047】
(変形例)
図7及び
図8に示すある変形例でも、無人飛行体1は、プロペラ3を備え、無人飛行体1では、上面5及び底面6が規定される。そして、ライティングダクト11に接続可能なコネクタ部12が、上面5に設けられる。ただし、本変形例の無人飛行体1では、機器8を搭載可能な機器搭載部7は、底面(下面)6に設けられる。すなわち、機器搭載部7は、高さ方向についてコネクタ部12から離れて、形成される。ここで、
図7は、機器搭載部7に機器8が搭載された状態を示し、機器8が搭載された無人飛行体1が飛行している状態を示す。また、
図8は、ライティングダクト11にコネクタ部12が接続されている状態を示し、ライティングダクト11から無人飛行体1に電力が供給されている状態を示す。
【0048】
本変形例では、底面6に、把持アーム等の把持部23が、取付けられる。そして、把持部23は、機器搭載部7に搭載されている機器8を把持する。把持部23によって機器8が把持されることにより、無人飛行体1が飛行している状態等において、機器搭載部7からの機器8の落下等が、有効に防止される。本変形例では、動作駆動部16は、電力の供給によって、機器搭載部7に搭載された機器8を把持部23によって把持する動作が無人飛行体1において行われる状態に、駆動可能である。
【0049】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。すなわち、本変形例でも、無人飛行体1が動作することにより、ライティングダクト11への機器8の取付け等を実行可能となるとともに、無人飛行体1において、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能となる。また、本変形例でも、ライティングダクト11からコネクタ部12を介して供給される電力を、一旦バッテリ21に蓄電した後に、バッテリ21から飛行駆動部15及び動作駆動部16に電力を供給可能となる。
【0050】
図9は、本変形例においてライティングダクト11から無人飛行体1へ電力を供給している状態の一例を示す。前述のように、本変形例では、無人飛行体1において、上面5にコネクタ部12が形成され、底面6に機器搭載部7が形成される。このため、
図8及び
図9等に示すように、機器8が機器搭載部7に搭載された状態で、コネクタ部12をライティングダクト11に接続可能であり、ライティングダクト11から無人飛行体1に電力を供給可能である。
【0051】
また、
図9の一例では、機器8を機器搭載部7に搭載した状態において、ライティングダクト11へのコネクタ部12の接続を維持したまま、ライティングダクト11の長手方向に沿って無人飛行体1が移動する(矢印A2)。この際、例えば、一点鎖線で示す位置から実線へ示す位置へ、ライティングダクト11へのコネクタ部12の接続を維持したまま、無人飛行体1が移動する。したがって、本変形例では、機器搭載部7に機器8が搭載された無人飛行体1をライティングダクト11に沿って移動させながら、ライティングダクト11から無人飛行体1へ電力を供給可能となる。
【0052】
これら少なくとも一つの実施形態によれば、機器搭載部に、ライティングダクトに取付け可能な機器を搭載可能であり、動作駆動部は、電力の供給によって、機器搭載部に搭載された機器をライティングダクトに取付ける動作が行われる状態に駆動可能である。そして、コネクタ部がライティングダクトに接続されることにより、ライティングダクトから電力を供給可能になるとともに、ライティングダクトからの電力を用いて飛行駆動部及び動作駆動部を駆動可能になる。ライティングダクトへの機器の取付け等を実行可能で、動作に必要な電力を容易かつ適切に確保可能な無人飛行体を提供することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1…無人飛行体、3…プロペラ、5…上面、6…底面、7…機器搭載部、8(8A,8B)…機器、11(11A,11B)…ライティングダクト、12…コネクタ部、15…飛行駆動部、16…動作駆動部、20…制御部、21…バッテリ。