(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014308
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システム
(51)【国際特許分類】
B62J 45/421 20200101AFI20240125BHJP
B62J 45/411 20200101ALI20240125BHJP
B62J 45/413 20200101ALI20240125BHJP
B62M 6/50 20100101ALI20240125BHJP
【FI】
B62J45/421
B62J45/411
B62J45/413
B62M6/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117029
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】青木 寿明
(57)【要約】
【課題】人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車のクランクの位置が第1所定相対位置にある場合に第1検出値を検出する第1検出装置が、前記第1検出値を検出する第1検出時間と、前記クランクに対する前記人力駆動車のペダルの位置が第2所定相対位置にある場合に第2検出値を検出する第2検出装置が、前記第2検出値を検出する第2検出時間との検出間隔をモニタリングするように構成される制御部を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車のクランクの位置が第1所定相対位置にある場合に第1検出値を検出する第1検出装置が、前記第1検出値を検出する第1検出時間と、前記クランクに対する前記人力駆動車のペダルの位置が第2所定相対位置にある場合に第2検出値を検出する第2検出装置が、前記第2検出値を検出する第2検出時間との検出間隔をモニタリングするように構成される制御部を備える、制御装置。
【請求項2】
前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されており、
前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている、請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記検出間隔に関する表示情報を表示可能な表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記表示情報を表示させるように、前記表示部を制御するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
基準間隔を記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔とに基づいて、前記表示情報を作成するように構成される、請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔の平均値とに基づいて、前記表示情報を作成するように構成される、請求項6に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔との差に基づいて、前記表示情報を作成するように構成される、請求項6に記載の制御装置。
【請求項9】
前記記憶部は、前記基準間隔を変更可能に記憶する、請求項6から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
外部装置への情報の送信が可能な出力部をさらに備え、
前記制御部は、前記検出間隔を含む情報を前記外部装置に出力するように前記出力部を制御するように構成される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記第1検出装置と接続され、前記第1検出値が入力される第1入力部と、
前記第2検出装置と接続され、前記第2検出値が入力される第2入力部と、をさらに備える、請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
人力駆動車用の検出装置であって、
前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車のクランクの位置が第1所定相対位置である場合を検出する第1検出装置と、
前記クランクに対する前記人力駆動車のペダルの位置が第2所定相対位置である場合を検出する第2検出装置と、を備え、
前記第1検出装置は、第1検出部、および、第1被検出部を含み、
前記第1検出部、および、前記第1被検出部の一方は、前記フレームに設けられ、
前記第1検出部、および、前記第1被検出部の他方は、前記クランクに設けられ、
前記第1検出部は、前記第1検出部から前記第1被検出部までの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出するように構成され、
前記第2検出装置は、第2検出部、および、第2被検出部を含み、
前記第2検出部、および、前記第2被検出部の一方は、前記クランクに設けられ、
前記第2検出部、および、前記第2被検出部の他方は、前記ペダルに設けられ、
前記第2検出部は、前記第2検出部から前記第2被検出部までの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出するように構成される、検出装置。
【請求項13】
前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている、請求項12に記載の検出装置。
【請求項14】
前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている、請求項12に記載の検出装置。
【請求項15】
前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている、
前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている、請求項12に記載の検出装置。
【請求項16】
前記第1検出部は、第1磁気検出部を含み、
前記第1被検出部は、第1磁石を含む、請求項12に記載の検出装置。
【請求項17】
前記第1検出部は、第1光検出部を含む、請求項12に記載の検出装置。
【請求項18】
前記第2検出部は、第2磁気検出部を含み、
前記第2被検出部は、第2磁石を含む、請求項12に記載の検出装置。
【請求項19】
前記第2検出部は、第2光検出部を含む、請求項12に記載の検出装置。
【請求項20】
前記クランクは、クランクアームを含み、
前記第1検出部および前記第2検出部は、それぞれ前記クランクアームに設けられ、
前記第1検出部は、前記第2検出部とは別体に構成される、請求項12から19のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項21】
前記クランクは、クランクアームを含み、
前記第1検出部および前記第2検出部は、それぞれ前記クランクアームに設けられ、
前記第1検出部は、前記第2検出部と一体に構成される、請求項12から19のいずれか一項に記載の検出装置。
【請求項22】
人力駆動車用の制御システムであって、
請求項1に記載の人力駆動車用の制御装置と、
請求項12に記載の人力駆動車用の検出装置と、を備える、制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される人力駆動車用の制御装置は、人力駆動車用の検出装置によって検出される単位時間あたりのクランクの回転速度に応じて、アシストモータを制御するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車のクランクの位置が第1所定相対位置にある場合に第1検出値を検出する第1検出装置が、前記第1検出値を検出する第1検出時間と、前記クランクに対する前記人力駆動車のペダルの位置が第2所定相対位置にある場合に第2検出値を検出する第2検出装置が、前記第2検出値を検出する第2検出時間との検出間隔をモニタリングするように構成される制御部を備える。
第1側面の制御装置によれば、制御部は、第1検出時間と第2検出時間との検出間隔をモニタリングするため、検出間隔の変化を検出できる。検出間隔は人力駆動車のライダのペダリングと対応するため、制御部は、人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている。
第2側面の制御装置によれば、第1所定相対位置は、クランクの各回転に1か所定義されているため、制御部は、クランクの各回転に1回だけ検出される第1検出値に基づいて検出間隔をモニタリングできる。第2側面の制御装置によれば、第1検出値は、クランクの各回転に1回だけ検出されるため、第1検出装置の構成を簡便にできる。
【0007】
本開示の第1側面に従う第3側面の制御装置において、前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている。
第3側面の制御装置によれば、第2所定相対位置は、ペダルの各回転に1か所定義されているため、制御部は、ペダルの各回転に1回だけ検出される第2検出時間に基づく検出間隔をモニタリングできる。第3側面の制御装置によれば、第2検出値は、ペダルの各回転に1回だけ検出されるため、第2検出装置の構成を簡便にできる。
【0008】
本開示の第1側面に従う第4側面の制御装置において、前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されており、前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている。
第4側面の制御装置によれば、クランクの各回転に1回だけ検出される第1検出値と、ペダルの各回転に1回だけ検出される第2検出時間とに基づく検出間隔をモニタリングできる。第4側面の制御装置によれば、第1検出装置および第2検出装置の構成を簡便にできる。
【0009】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記検出間隔に関する表示情報を表示可能な表示部をさらに備え、前記制御部は、前記表示情報を表示させるように、前記表示部を制御するように構成される。
第5側面の制御装置によれば、制御部は、表示情報を表示させるように表示部を制御するため、ユーザが表示情報を把握できる。
【0010】
本開示の第5側面に従う第6側面の制御装置において、基準間隔を記憶する記憶部をさらに備え、前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔とに基づいて、前記表示情報を作成するように構成される。
第6側面の制御装置によれば、ユーザは、基準間隔と検出間隔とに基づく表示情報を把握できる。
【0011】
本開示の第6側面に従う第7側面の制御装置において、前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔の平均値とに基づいて、前記表示情報を作成するように構成される。
第7側面の制御装置によれば、ユーザは、基準間隔と検出間隔の平均値とに基づく表示情報を把握できる。
【0012】
本開示の第6または第7側面に従う第8側面の制御装置において、前記制御部は、前記基準間隔と、前記検出間隔との差に基づいて、前記表示情報を作成するように構成される。
第8側面の制御装置によれば、ユーザは、基準間隔と、検出間隔との差に基づく表示情報を把握できる。
【0013】
本開示の第6から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記記憶部は、前記基準間隔を変更可能に記憶する。
第9側面の制御装置によれば、記憶部は基準間隔を変更可能に記憶するため、制御部は好適な基準間隔を用いて表示情報を作成できる。
【0014】
本開示の第1から第9側面のいずれか1つに従う第10側面の制御装置において、外部装置への情報の送信が可能な出力部をさらに備え、前記制御部は、前記検出間隔を含む情報を前記外部装置に出力するように前記出力部を制御するように構成される。
第10側面の制御装置によれば、出力部によって、検出間隔を含む情報が外部装置に好適に出力される。
【0015】
本開示の第1から第10側面のいずれか1つに従う第11側面の制御装置において、前記第1検出装置と接続され、前記第1検出値が入力される第1入力部と、前記第2検出装置と接続され、前記第2検出値が入力される第2入力部と、をさらに備える。
第11側面の制御装置によれば、第1入力部と第2入力部とによって、好適に第1検出値および第2検出値を取得できる。
【0016】
本開示の第12側面に従う検出装置は、人力駆動車用の検出装置であって、前記人力駆動車のフレームに対する前記人力駆動車のクランクの位置が第1所定相対位置である場合を検出する第1検出装置と、前記クランクに対する前記人力駆動車のペダルの位置が第2所定相対位置である場合を検出する第2検出装置と、を備え、前記第1検出装置は、第1検出部、および、第1被検出部を含み、前記第1検出部、および、前記第1被検出部の一方は、前記フレームに設けられ、前記第1検出部、および、前記第1被検出部の他方は、前記クランクに設けられ、前記第1検出部は、前記第1検出部から前記第1被検出部までの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出するように構成され、前記第2検出装置は、第2検出部、および、第2被検出部を含み、前記第2検出部、および、前記第2被検出部の一方は、前記クランクに設けられ、前記第2検出部、および、前記第2被検出部の他方は、前記ペダルに設けられ、前記第2検出部は、前記第2検出部から前記第2被検出部までの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出するように構成される。
第12側面の検出装置によれば、第1検出部から第1被検出部までの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出する第1検出部と、第2検出部から第2被検出部までの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出する第2検出部とによって、人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる。
【0017】
本開示の第12側面に従う第13側面の検出装置において、前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている。
第13側面の検出装置によれば、第1所定相対位置は、クランクの各回転に1か所定義されているため、クランクの各回転に1回だけ第1検出値を検出できる。第13側面の制御装置によれば、第1検出値は、クランクの各回転に1回だけ検出されるため、第1検出装置の構成を簡便にできる。
【0018】
本開示の第12側面に従う第14側面の検出装置において、前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている。
第14側面の検出装置によれば、第2所定相対位置は、ペダルの各回転に1か所定義されているため、ペダルの各回転に1回だけ第2検出値を検出できる。第14側面の制御装置によれば、第2検出値は、ペダルの各回転に1回だけ検出されるため、第2検出装置の構成を簡便にできる。
【0019】
本開示の第12側面に従う第15側面の検出装置において、前記第1所定相対位置は、前記クランクの各回転に1か所定義されている、前記第2所定相対位置は、前記ペダルの各回転に1か所定義されている。
第15側面の検出装置によれば、クランクの各回転に1回だけ第1検出値を検出し、かつ、ペダルの各回転に1回だけ第2検出値を検出できる。第15側面の制御装置によれば、第1検出装置、および、第2検出装置の構成を簡便にできる。
【0020】
本開示の第12から第15側面のいずれか1つに従う第16側面の検出装置において、前記第1検出部は、第1磁気検出部を含み、前記第1被検出部は、第1磁石を含む。
第16側面の検出装置によれば、第1検出部は、磁気によって、好適に第1所定相対位置を検出できる。
【0021】
本開示の第12から第15側面のいずれか1つに従う第17側面の検出装置において、前記第1検出部は、第1光検出部を含む。
第17側面の検出装置によれば、第1検出部は、光によって好適に第1所定相対位置を検出できる。
【0022】
本開示の第12から第17側面のいずれか1つに従う第18側面の検出装置において、前記第2検出部は、第2磁気検出部を含み、前記第2被検出部は、第2磁石を含む。
第18側面の検出装置によれば、第2検出部は、磁気によって、好適に第2所定相対位置を検出できる。
【0023】
本開示の第12から第17側面のいずれか1つに従う第19側面の検出装置において、前記第2検出部は、第2光検出部を含む。
第19側面の検出装置によれば、第2検出部は、光によって好適に第2所定相対位置を検出できる。
【0024】
本開示の第12から第19側面のいずれか1つに従う第20側面の検出装置において、前記クランクは、クランクアームを含み、前記第1検出部および前記第2検出部は、それぞれ前記クランクアームに設けられ、前記第1検出部は、前記第2検出部とは別体に構成される。
第20側面の検出装置によれば、第1検出部および第2検出部は、それぞれクランクアームに設けられるため、第1検出部および第2検出部を近接して設けることができる、または、単一の検出部として設けることができる。
【0025】
本開示の第12から第19側面のいずれか1つに従う第21側面の検出装置において、前記クランクは、クランクアームを含み、前記第1検出部および前記第2検出部は、それぞれ前記クランクアームに設けられ、前記第1検出部は、前記第2検出部と一体に構成される。
第21側面の検出装置によれば、第1検出部および第2検出部が一体に構成されるため、部品点数を削減できる。
【0026】
本開示の第22側面に従う制御システムは、人力駆動車用の制御システムであって、第1から第11側面のいずれか1つに記載の人力駆動車用の制御装置と、第12から第21側面のいずれか1つに記載の人力駆動車用の検出装置と、を備える。
第22側面の検出装置によれば、制御装置と検出装置とを備える制御システムにおいて、人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる。
【発明の効果】
【0027】
本開示の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムは、人力駆動車のライダのペダリングに関する情報を好適に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】第1実施形態の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図1の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図3】
図2の人力駆動車用の検出装置の模式図である。
【
図4】
図2の制御部が行うモニタリングに関する第1例のタイミングチャートである。
【
図5】
図2の制御部が行うモニタリングに関する第2例のタイミングチャートである。
【
図6】第1変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図7】第2変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図8】第3変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】第4変更例の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】第5変更例の人力駆動車用の検出装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
<実施形態>
図1から
図5を参照して、人力駆動車用の制御装置60、人力駆動車用の検出装置80、および、人力駆動車用の制御システム50が説明される。人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、それぞれの実施形態において、人力駆動車は、自転車として説明される。
【0030】
本明細書において、以下の方向を示す用語「前(フロント)」、「後ろ(リア)」、「前方」、「後方」、「左」、「右」、「横」、「上方」、および、「下方」、並びに任意の他の類似の方向を示す用語は、人力駆動車の基準位置(例えば、サドルまたはシート上)においてハンドルバーを向いたライダを基準に決定されるそれらの方向を指す。
【0031】
図1に示されるように、人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪12と、車体14と、を含む。少なくとも1つの車輪12は、前輪12F、および、後輪12Rを含む。車体14は、フレーム16を含む。例えば、フレーム16にはサドル16Aが取り付けられる。人力駆動車10は、例えば、人力駆動力が入力されるクランク18をさらに含む。クランク18は、例えば、クランクアーム20を含む。クランク18は、例えば、フレーム16に対して回転可能なクランク軸22をさらに含む。クランクアーム20には、例えば、ペダル24が連結される。クランク18は、例えば、第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bを含む。ペダル24は、例えば、第1ペダル24Aおよび第2ペダル24Bを含む。
【0032】
人力駆動車10は、ペダル24をクランクアーム20に接続するペダル軸24Cをさらに含む。ペダル軸24Cは、第1ペダル24Aを第1クランクアーム20Aに接続するペダル軸24Cと、第2ペダル24Bを第2クランクアーム20Bに接続するペダル軸24Cと、を含む。ペダル軸24Cは、クランクアーム20に対して回転不能にクランクアーム20に接続されてもよく、クランクアーム20に対して回転可能にクランクアーム20に接続されてもよい。ペダル軸24Cが、クランクアーム20に対して回転不能にクランクアーム20に接続される場合、ペダル24は、例えば、ペダル軸24Cまわりに回転可能にペダル軸24Cに接続される。ペダル軸24Cが、クランクアーム20に対して回転可能にクランクアーム20に接続される場合、ペダル24は、例えば、ペダル軸24Cと一体に回転可能にペダル軸24Cに接続される。
【0033】
第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bのそれぞれは、例えば、クランク軸22の軸方向の端部にそれぞれ設けられる。第1クランクアーム20Aには第1ペダル24Aが連結される。第2クランクアーム20Bには、例えば、第2ペダル24Bが連結される。第1クランクアーム20Aおよび第1ペダル24Aは、例えば、人力駆動車10の左側面に設けられる。第2クランクアーム20Bおよび第2ペダル24Bは、例えば、人力駆動車10の右側面に設けられる。
【0034】
フレーム16には、フロントフォーク26が接続される。フロントフォーク26には、前輪12Fが取り付けられる。フロントフォーク26には、ハンドルバー28がステム30を介して連結される。後輪12Rは、フレーム16に支持される。本実施形態では、クランク18は、駆動機構32によって後輪12Rと連結される。後輪12Rは、クランク軸22が回転することによって駆動される。前輪12Fおよび後輪12Rの少なくとも1つが、駆動機構32によってクランク18に連結されてもよい。
【0035】
駆動機構32は、クランク軸22に連結される第1回転体34を含む。第1回転体34は、例えば、フロントスプロケットを含む。第1回転体34は、プーリ、または、ベベルギアを含んでいてもよい。クランク軸22は、フロントスプロケットと、ワンウェイクラッチを介して連結されてもよい。
【0036】
駆動機構32は、第2回転体36および伝達部材38をさらに含む。伝達部材38は、第1回転体34の回転力を第2回転体36に伝達するように構成される。伝達部材38は、例えば、チェーンを含む。伝達部材38は、ベルト、または、シャフトを含んでいてもよい。第2回転体36は、例えば、リアスプロケットを含む。第2回転体36は、プーリ、または、ベベルギアを含んでもよい。チェーンは、例えば、フロントスプロケットおよびリアスプロケットに巻き掛けられる。第2回転体36は、例えば、後輪12Rに連結される。後輪12Rは、例えば、第2回転体36の回転にともなって回転するように構成される。
【0037】
人力駆動車10は、人力駆動車用のバッテリ40をさらに含んでいてもよい。バッテリ40は、例えば、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、例えば、充電池を含む。バッテリ40は、例えば、制御部62に電力を供給するように構成される。バッテリ40は、例えば、制御部62と、有線または無線によって通信可能に接続される。バッテリ40は、例えば、電力線通信(PLC;Power Line Communication)によって制御部62と通信可能に構成される。バッテリ40は、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によって制御部62と通信可能に構成されてもよい。
【0038】
図2に示されるように、人力駆動車用の制御システム50は、人力駆動車用の制御装置60と、人力駆動車用の検出装置80と、を備える。制御システム50は、例えば、人力駆動車10のライダのペダリングに関する情報を検出可能に構成される。人力駆動車10のライダのペダリングに関する情報は、例えば、第1検出時間と第2検出時間との検出間隔および検出間隔の変化の少なくとも1つを含む。第1検出時間は、例えば、フレーム16に対するクランク18の位置が第1所定相対位置である場合に第1検出値が検出される時間である。第2検出時間は、例えば、クランク18に対するペダル24の位置が第2所定相対位置である場合に第2検出値が検出される時間である。人力駆動車10のライダのペダリングに関する情報は、ペダリング時におけるライダの足首の角度を含んでいてもよい。
【0039】
制御システム50は、例えば、ペダリング時における、クランク軸22の第1中心軸心C1まわりのクランク18の回転角度と、ペダル24のペダル軸24Cの第2中心軸心C2まわりの回転角度との関係のモニタリング等を行うためのシステムである。ペダル24のペダル軸24Cの第2中心軸心C2まわりの回転角度は、例えば、ライダの足首の角度と対応する。ペダリング時における、クランク軸22の第1中心軸心C1まわりのクランク18の回転角度と、ライダの足首の角度との関係は、例えば、ライダのペダリングと関係する。制御システム50において、制御装置60は、検出装置80から受信した検出信号に基づいて人力駆動車10のライダのペダリングに関する情報を算出する。
【0040】
人力駆動車用の検出装置80は、第1検出装置82と、第2検出装置84と、を備える。第1検出装置82は、人力駆動車10のフレーム16に対する人力駆動車10のクランク18の位置が第1所定相対位置である場合を検出する。
【0041】
本実施形態では、第1所定相対位置は、例えば、クランク18の各回転に1か所定義されている。第1検出装置82は、人力駆動車10のフレーム16に対する人力駆動車10のクランク18の位置が第1所定相対位置にある場合に第1検出値を検出する。第1検出値は、例えば、クランク18の各回転に1回検出される。第1検出値は、例えば、フレーム16に対するクランク18の位置が第1所定相対位置にある場合の、第1検出装置82の出力値と対応する。出力値は、例えば、電圧値および電流値の少なくとも1つを含む。
【0042】
第1検出装置82は、第1検出部86、および、第1被検出部88を含む。第1検出部86、および、第1被検出部88の一方は、フレーム16に設けられる。第1検出部86、および、第1被検出部88の他方は、クランク18に設けられる。第1検出部86は、例えば、フレーム16に設けられ、第1被検出部88はクランクアーム20に設けられる。
【0043】
第1検出部86は、例えば、フレーム16のうちのクランクアーム20の少なくとも一部と対向する部分に設けられる。第1検出部86は、例えば、フレーム16の左側面に設けられる。第1検出部86は、フレーム16の右側面に設けられてもよい。第1検出部86は、フレーム16の両側面に設けられてもよい。
【0044】
第1被検出部88は、例えば、クランクアーム20のうちの第1検出部86と対向可能な位置に設けられる。第1被検出部88は、例えば、フレーム16に対するクランク18の位置が第1所定相対位置にある場合に第1検出部86と対向する位置に設けられる。第1検出部86がフレーム16の左側面に設けられる場合、例えば、第1被検出部88は、第1クランクアーム20Aに設けられる。第1検出部86がフレーム16の右側面に設けられる場合、例えば、第1被検出部88は、第2クランクアーム20Bに設けられる。第1検出部86がフレーム16の両側面に設けられる場合、例えば、第1被検出部88は、第1クランクアーム20Aおよび第2クランクアーム20Bの両方に設けられる。
【0045】
第1検出部86は、第1検出部86から第1被検出部88までの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出するように構成される。第1検出部86から第1被検出部88までの第1距離が、第1所定距離以内の場合は、フレーム16に対するクランク18の位置が第1所定相対位置にある場合を含む。
【0046】
第1検出部86は、例えば、第1磁気検出部86Aを含む。第1被検出部88は、例えば、第1磁石88Aを含む。第1磁気検出部86Aは、例えば、第1磁石88Aの磁力強度に応じた信号を出力する。第1磁気検出部86Aは、例えば、リードスイッチを含む。第1磁気検出部86Aは、ホールICを含んでもよい。第1磁気検出部86Aは、第1磁気検出部86Aから第1磁石88Aまでの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出するように構成される。第1所定距離は、例えば、第1磁気検出部86Aが、第1磁石88Aから、第1磁力強度以上の磁力を検出できるような距離を含む。
【0047】
第2検出装置84は、クランク18に対する人力駆動車10のペダル24の位置が第2所定相対位置である場合を検出する。本実施形態では、第2所定相対位置は、例えば、ペダル24の各回転に1か所定義されている。第2検出装置84は、クランク18に対する人力駆動車10のペダル24の位置が第2所定相対位置にある場合に第2検出値を検出する。
【0048】
第2検出値は、例えば、ペダル24の各回転に1回検出される。第2検出値は、例えば、クランク18に対するペダル24の位置が第2所定相対位置にある場合の、第2検出装置84の出力値と対応する。出力値は、例えば、電圧値および電流値の少なくとも1つを含む。
【0049】
第2検出装置84は、第2検出部90、および、第2被検出部92を含む。第2検出部90、および、第2被検出部92の一方は、クランク18に設けられる。第2検出部90、および、第2被検出部92の他方は、ペダル24に設けられる。本実施形態では、第2検出部90は、クランクアーム20に設けられ、第2被検出部92は、ペダル24に設けられる。
【0050】
第2検出部90は、例えば、クランクアーム20のうちのペダル24の少なくとも一部と対向する部分に設けられる。第2被検出部92は、例えば、ペダル24のうちの第2検出部90と対向可能な位置に設けられる。第2被検出部92は、例えば、クランク18に対するペダル24の位置が第2所定相対位置にある場合に、第2検出部90と対向する位置に設けられる。
【0051】
第2検出部90は、第2検出部90から第2被検出部92までの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出するように構成される。第2検出部90から第2被検出部92までの第2距離が、第2所定距離以内の場合は、クランク18に対するペダル24の位置が第2所定相対位置にある場合を含む。
【0052】
第2検出部90は、例えば、第2磁気検出部90Aを含む。第2被検出部92は、例えば、第2磁石92Aを含む。第2磁気検出部90Aは、例えば、第2磁石92Aの磁力強度に応じた信号を出力する。第2磁気検出部90Aは、例えば、リードスイッチを含む。第2磁気検出部90Aは、ホールICを含んでもよい。第2磁気検出部90Aは、第2磁気検出部90Aから第2磁石92Aまでの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出するように構成される。第2所定距離は、例えば、第2磁気検出部90Aが、第2磁石92Aから、第2磁力強度以上の磁力を検出できるような距離を含む。
【0053】
図3を参照して、ライダがペダリングする場合の、クランクアーム20の回転およびペダル24の回転が説明される。クランクアーム20は、クランク軸22の第1中心軸心C1を中心にフレーム16に対して回転する。ペダル24は、ペダル24のペダル軸24Cの第2中心軸心C2を中心にクランクアーム20に対して回転する。
【0054】
人力駆動車10を前進させるために、ライダがペダリングする場合、例えば、クランクアーム20は第1回転方向X1に回転し、ペダル24は第2回転方向X2に回転する。第1回転方向X1および第2回転方向X2の一方は、時計回りであり、他方は反時計回りである。クランクアーム20が第1回転方向X1に回転する場合、第1検出部86は、第1距離が、第1所定距離以内になると、第1検出値を検出する。ペダル24が第2回転方向X2に回転する場合、第2検出部90は、第2距離が、第2所定距離以内になると、第2検出値を検出する。
【0055】
制御装置60は、例えば、サイクルコンピュータを含む。制御装置60は、スマートデバイスを含んでいてもよい。スマートデバイスは、例えば、スマートフォン、腕時計型デバイス、および、タブレットコンピュータの少なくとも1つを含む。人力駆動車用の制御装置60は、制御部62を備える。制御部62は、例えば、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部62は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部62は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。
【0056】
制御装置60は、例えば、記憶部64をさらに備える。記憶部64は、例えば、制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報を記憶する。記憶部64は、例えば、不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。記憶部64は、例えば、制御部62と、有線または無線によって通信可能に構成される。
【0057】
制御装置60は、例えば、第1入力部66と、第2入力部68と、をさらに備える。第1入力部66は、例えば、第1検出装置82と接続され、第1検出値が入力される。第1入力部66は、例えば、制御部62と接続される。制御部62と第1検出装置82とは、例えば、第1入力部66を介して接続される。制御部62と第1検出装置82とが有線によって接続される場合、第1入力部66は、例えば、ケーブルおよびコネクタの少なくとも1つを含む。制御部62と第1検出装置82とが無線によって接続される場合、第1入力部66は、例えば、無線通信部を含む。
【0058】
第2入力部68は、例えば、第2検出装置84と接続され、第2検出値が入力される。第2入力部68は、例えば、制御部62と接続される。制御部62と第2検出装置84とは、例えば、第2入力部68を介して接続される。制御部62と第2検出装置84とが有線によって接続される場合、第2入力部68は、例えば、ケーブルおよびコネクタの少なくとも1つを含む。制御部62と第2検出装置84とが無線によって接続される場合、第2入力部68は、例えば、無線通信部を含む。
【0059】
制御部62は、第1検出装置82が、第1検出値を検出する第1検出時間と、第2検出装置84が、第2検出値を検出する第2検出時間との検出間隔をモニタリングするように構成される。制御部62は、例えば、基準間隔と検出間隔との差に応じて、ライダの疲労を判定するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、基準間隔と検出間隔との差が所定差以上の場合に、ライダが疲労していると判定する。
【0060】
基準間隔は、例えば、ライダが理想とするペダリング、および、ライダが疲れていない場合のペダリングの少なくとも1つと対応する検出間隔を含む。基準間隔は、制御部62によって人力駆動車10の走行状態および人力駆動車10の走行環境の少なくとも1つに応じて算出されてもよい。基準間隔は、人力駆動車10のユーザによって設定されてもよい。
【0061】
記憶部64は、例えば、基準間隔を記憶する。基準間隔は、例えば、通常のペダリング、または、理想のペダリングの場合の検出間隔と対応する。通常のペダリングは、例えば、ライダが疲労していない状態かつライダの負荷が所定範囲内の場合のペダリングである。理想のペダリングは、例えば、プロのライダのペダリングに基づいて設定される。
【0062】
記憶部64は、例えば、基準間隔を変更可能に記憶する。基準間隔は、複数の基準間隔のうちの1つであってもよい。記憶部64は、例えば、複数の基準間隔を記憶し、複数の基準間隔のうちの少なくとも1つを変更可能に記憶してもよい。制御装置60は、基準間隔を更新するための操作部を備えてもよい。制御部62は、外部装置42から基準間隔に関する情報を受信し、記憶部64に記憶される基準間隔を変更するように構成されてもよい。制御部62は、基準間隔を設定する設定モードを選択可能に構成されてもよい。制御部62は、設定モードが選択されている場合の検出間隔に基づいて、基準間隔を設定するように構成されてもよい。
【0063】
制御装置60は、例えば、検出間隔に関する表示情報を表示可能な表示部70をさらに備える。表示部70は、例えば、ディスプレイを含む。ディスプレイは、例えば、液晶ディスプレイを含む。ディスプレイは、セグメントディスプレイまたは有機ELディスプレイを含んでいてもよい。表示部70は、LED(Light-Emitting Diode)等の発光部を含んでいてもよい。表示情報は、例えば、グラフ、数値、ゲージ、文字、および、光の少なくとも1つを含む。
【0064】
制御部62は、表示情報を表示させるように、表示部70を制御するように構成される。表示部70は、例えば、表示情報をディスプレイに表示する。表示部70は、例えば、制御部62と有線または無線によって通信可能に構成される。
【0065】
制御部62は、例えば、基準間隔と、検出間隔とに基づいて、表示情報を作成するように構成される。制御部62は、基準間隔と、検出間隔の平均値とに基づいて、表示情報を作成するように構成されてもよい。制御部62は、基準間隔と、検出間隔との差に基づいて、表示情報を作成するように構成されてもよい。
【0066】
制御部62は、例えば、基準間隔と検出間隔の平均値との差に基づいて、表示情報を作成するように構成されてもよい。制御部62は、例えば、複数の基準間隔のうちの1つ基準間隔と検出間隔の平均値との差に基づいて、表示情報を作成するように構成されてもよい。検出間隔の平均値は、例えば、検出間隔が少なくとも2回にわたってモニタリングされる場合の、検出間隔の平均値である。
【0067】
表示情報は、例えば、ユーザがペダリングに関する情報を把握しやすいように表示部70に表示される。表示情報は、例えば、基準間隔と検出間隔との差が大きい場合に異常なペダリングであるとユーザが把握可能なグラフ、数値、ゲージ、文字、音、および、光の少なくとも1つによって表示される。表示情報は、例えば、基準間隔と、検出間隔との差を段階によって表示するように構成されてもよい。ライダが疲労すると、基準間隔と検出間隔との差が生じやすい。例えば、ライダが疲労すると、クランク18の回転角度と、ライダの足首の角度との関係が通常のペダリングの状態から変化する。したがって、表示情報は、ユーザがライダの疲労を把握しやすいように表示されてもよい。
【0068】
制御部62は、例えば、第1検出値が検出されてから第2検出値が検出されるまでの時間をカウントすることによって、検出間隔をモニタリングする。制御部62は、例えば、検出間隔を記憶部64に記憶することによって、検出間隔をモニタリングする。制御部62は、例えば、検出間隔と基準間隔とを検出間隔が算出されるごとに比較することによって、検出間隔をモニタリングする。制御部62が、検出間隔と基準間隔とを検出間隔が算出されるごとに比較することによって、検出間隔をモニタリングする場合、検出間隔は記憶部64に記憶されなくてもよい。
【0069】
図4および
図5を参照して、制御部62によるモニタリングの一例が説明される。
図4では、検出間隔が第1検出間隔T1の場合が説明される。第1検出間隔T1は、例えば、ライダの通常のペダリング時における検出間隔と対応する。
図4では、ライダは一定の調子においてペダリングを行っている。
図4における第1検出間隔T1は、例えば、基準間隔と実質的に一致する。
図5では、検出間隔が第2検出間隔T2の場合が説明される。
図5では、ライダは一定の調子においてペダリングを行っている。第2検出間隔T2は、例えば、
図4の時刻t15よりも後であって、ライダが疲労した場合のペダリング時における検出間隔と対応する。
図5における第2検出間隔T2は、第1検出間隔T1よりも短い。
図5における第2検出間隔T2は、基準間隔とずれている。
【0070】
時刻t10は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t10は、第1検出時間と対応する。時刻t10において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0071】
時刻t11は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t12は、第2検出時間と対応する。時刻t11において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第1検出間隔T1を記憶部64に記憶する。時刻t11において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0072】
時刻t12は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t12は、第1検出時間と対応する。時刻t12において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0073】
時刻t13は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t13は、第2検出時間と対応する。時刻t13において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第1検出間隔T1を記憶部64に記憶する。時刻t13において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0074】
時刻t14は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t14は、第1検出時間と対応する。時刻t14において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0075】
時刻t15は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t15は、第2検出時間と対応する。時刻t15において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第1検出間隔T1を記憶部64に記憶する。時刻t15において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0076】
時刻t20は、例えば、時刻t15よりも後であって、ライダが疲労している場合の時刻を示す。時刻t20は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t20は、第1検出時間と対応する。時刻t20において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0077】
時刻t21は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t21は、第2検出時間と対応する。時刻t21において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第2検出間隔T2を記憶部64に記憶する。時刻t21において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0078】
時刻t22は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t22は、第1検出時間と対応する。時刻t22において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0079】
時刻t23は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t23は、第2検出時間と対応する。時刻t23において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第2検出間隔T2を記憶部64に記憶する。時刻t23において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0080】
時刻t24は、第1検出装置82によって、第1検出値が検出される時刻を示す。時刻t24は、第1検出時間と対応する。時刻t24において、制御部62は、検出間隔のカウントを開始する。
【0081】
時刻t25は、第2検出装置84によって、第2検出値が検出される時刻を示す。時刻t25は、第2検出時間と対応する。時刻t25において、制御部62は、例えば、検出間隔のカウント結果である第2検出間隔T2を記憶部64に記憶する。時刻t25において、制御部62は、検出間隔のカウンタをリセットする。
【0082】
図4および
図5に示されるように、第2検出間隔T2は、第1検出間隔T1より短い。例えば、ライダに疲労が蓄積すると、ペダリング時にライダのかかとが下がるため、第2検出間隔T2は、第1検出間隔T1より短くなる。制御部62は、例えば、検出間隔をモニタリングすることによって、検出間隔の変化を検出できる。制御部62は、例えば、検出間隔の変化に応じて、ライダの疲労を判定できる。制御部62は、例えば、検出間隔と基準間隔との差に応じて、ライダの疲労を判定できる。
【0083】
制御装置60は、ペダル24の各回転に1か所定義されている第2所定回転位置を検出する第2検出装置84を用いて検出間隔をモニタリングする。したがって、例えば、ペダル24の回転角度に応じた信号を出力する検出装置80を用いて、クランク18の回転角度とペダル24の回転角度との関係を検出する場合よりも、簡便な構造の第2検出装置84を用いることができる。
【0084】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の検出装置、および、人力駆動車用の制御システムは、例えば、以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明が省略される。
【0085】
・
図6に示されるように、制御装置60は、外部装置42への情報の送信が可能な出力部72をさらに備えていてもよい。制御装置60が出力部72を備える場合、表示部70は省略されてもよい。外部装置42は、例えば、スマートデバイスを含む。外部装置42は、サイクルコンピュータを含んでいてもよい。出力部72は、外部装置42と有線または無線によって通信可能に構成される。制御部62は、例えば、検出間隔を含む情報を外部装置42に出力するように出力部72を制御するように構成される。制御部62は、例えば、表示情報を外部装置42に出力するように出力部72を制御するように構成されてもよい。
【0086】
・
図7に示されるように、第1検出部86は、第1光検出部86Bを含んでいてもよい。第1検出部86が第1光検出部86Bを含む場合、第1磁気検出部86Aは省略されてもよい。第1検出部86が第1光検出部86Bを含む場合、例えば、第1被検出部88は、第1発光部88Bを含む。第1光検出部86Bは、例えば、受光量に応じた信号を出力する。第1光検出部86Bは、第1光検出部86Bから第1発光部88Bまでの第1距離が、第1所定距離以内の場合に、第1検出値を検出するように構成される。
【0087】
・
図8に示されるように、第2検出部90は、第2光検出部90Bを含んでいてもよい。第2検出部90が第2光検出部90Bを含む場合、第2磁気検出部90Aは省略されてもよい。第2検出部90が第2光検出部90Bを含む場合、例えば、第2被検出部92は、第2発光部92Bを含む。第2光検出部90Bは、例えば、受光量に応じた信号を出力する。第2光検出部90Bは、第2光検出部90Bから第2発光部92Bまでの第2距離が、第2所定距離以内の場合に、第2検出値を検出するように構成される。
【0088】
・
図9に示されるように、第1検出装置82は、第1磁気検出部86Aおよび第1磁石88Aに代えて、第1光検出部86Bおよび第1発光部88Bを含み、かつ、第2検出装置84は、第2磁気検出部90Aおよび第2磁石92Aに代えて、第2光検出部90Bおよび第2発光部92Bを含んでもよい。
【0089】
・
図10に示されるように、第1検出部86および第2検出部90は、それぞれクランクアーム20に設けられてもよい。例えば、第1検出部86は、第2検出部90と一体に構成される。第1検出部86が、第2検出部90と一体に構成される場合、第1検出部86および第2検出部90のそれぞれは、単一のハウジングに設けられる各別のセンサを含んでもよい。第1検出部86が、第2検出部90と一体に構成される場合、第1検出部86および第2検出部90は、単一のセンサによって構成されてもよい。第1検出部86は、第2検出部90とは別体に構成されてもよい。第1検出部86が、第2検出部90とは別体に構成される場合、例えば、第1検出部86および第2検出部90は、各別のハウジングに設けられてもよい。
【0090】
・第1所定相対位置は、クランク18の各回転に複数か所定義されていてもよい。第1所定相対位置がクランク18の各回転に複数か所定義されている場合、例えば、第1検出値は、クランク18の各回転に複数回検出される。第1所定相対位置がクランク18の各回転に複数か所定義される場合、例えば、第1被検出部88は第1所定相対位置に対応して設けられる。
【0091】
・第2所定相対位置は、ペダル24の各回転に複数か所定義されていてもよい。第2所定相対位置がペダル24の各回転に複数か所定義されている場合、例えば、第2検出値は、ペダル24の各回転に複数回検出される。第2所定相対位置がペダル24の各回転に複数か所定義される場合、例えば、第2被検出部92は、第2所定相対位置に対応して設けられる。
【0092】
・表示部70は、ディスプレイに代えてまたは加えて、スピーカを含んでいてもよい。スピーカは、例えば、音によって表示情報を表示する。表示部70がスピーカを含む場合、表示情報は、例えば、音声、メロディ、および、ビープ音等を含む。
【0093】
・制御部62は、検出間隔のモニタリングの結果を表示情報の作成以外にも用いてもよい。制御部62は、例えば、検出間隔のモニタリングの結果に基づいて人力駆動車用のコンポーネントを制御するように構成される。
【0094】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0095】
10…人力駆動車、16…フレーム、18…クランク、20…クランクアーム、24…ペダル、42…外部装置、50…制御システム、60…制御装置、62…制御部、64…記憶部、66…第1入力部、68…第2入力部、70…表示部、72…出力部、80…検出装置、82…第1検出装置、84…第2検出装置、86…第1検出部、86A…第1磁気検出部、86B…第1光検出部、88…第1被検出部、88A…第1磁石、90…第2検出部、90A…第2磁気検出部、90B…第2光検出部、92…第2被検出部、92A…第2磁石。