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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143089
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】電子機器及び冷媒循環装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20241003BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20241003BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20241003BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20241003BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G09F9/00 350Z
H05K7/20 M
H05K5/02 A
H05K7/14 A
G09F9/00 309Z
G02F1/1333
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055584
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【弁理士】
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】村上 拓
(72)【発明者】
【氏名】濱野 晋佑
(72)【発明者】
【氏名】安藤 禎晃
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 大貴
(72)【発明者】
【氏名】野々村 尚也
【テーマコード(参考)】
2H189
4E360
5E322
5E348
5G435
【Fターム(参考)】
2H189AA53
2H189AA54
2H189AA55
2H189AA57
2H189AA59
2H189AA60
2H189AA62
2H189AA64
2H189AA70
2H189AA79
2H189AA84
2H189AA85
2H189AA87
4E360AB04
4E360AB05
4E360AB08
4E360BA03
4E360BB02
4E360BB12
4E360BC05
4E360BD02
4E360BD05
4E360EA14
4E360EA24
4E360EC14
4E360ED02
4E360ED17
4E360GA12
4E360GA32
4E360GA33
4E360GA35
4E360GB99
4E360GC02
4E360GC08
5E322AA05
5E322AA11
5E322BB03
5E322DA01
5E322DA04
5E322FA01
5E348AA06
5E348AA09
5E348AA21
5E348AA32
5G435AA16
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE13
5G435EE33
5G435LL01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ディスプレイへの静電気の影響が抑制された電子機器及び冷媒循環装置を提供する。
【解決手段】電子機器と、ポンプユニットとを備える冷媒循環装置において、冷媒循環装置の筐体に対し締結される電子機器は、開口28を有する導電性のパネル21と、画像を表示するディスプレイ22と、パネル21に固定され、電気絶縁性を有するスペーサ23と、を備える。スペーサ23は、ディスプレイ22を、開口28に交差する交差方向に開口28から離れた位置で支持し、パネル21から電気的に隔離する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一開口を有する導電性のパネルと、
画像を表示するディスプレイと、
前記パネルに固定され、電気絶縁性のスペーサと
を備え、
前記スペーサは、前記ディスプレイを、前記第一開口に交差する交差方向に前記第一開口から離れた位置で支持し、前記パネルから電気的に隔離する、電子機器。
【請求項2】
前記スペーサは、前記パネル及び前記ディスプレイの各々と直接接触する、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
回路基板と、
前記ディスプレイよりも前記第一開口から前記交差方向に離れた位置で前記回路基板を支持し、前記ディスプレイに設けられる基板支持部と
を更に備え、
前記回路基板は、前記パネルから電気的に隔離される、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記ディスプレイは、前記交差方向からの平面視で多角形であり、
前記スペーサは、前記多角形の対辺の一方及び他方の各々と当接して前記ディスプレイを支持する、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
前記ディスプレイは、表示領域を有し、
前記スペーサは、前記第一開口に面する前記パネルの内縁全域と、前記表示領域の外周全域との間に介在する、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項6】
前記スペーサは、前記スペーサを4分割した4個の分割スペーサからなり、
前記4個の分割スペーサは、前記内縁全域と、前記外周全域との間に介在する、請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記スペーサを前記パネルに固定する導電性の固定部材を更に備え、
前記固定部材は、前記スペーサを、前記交差方向の一方側から他方側に貫通しない、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項8】
前記スペーサを前記パネルに固定する電気絶縁性の固定部材を更に備える、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項9】
前記スペーサは、前記ディスプレイを前記交差方向の両側から挟み込んで支持する、請求項1又は請求項2に記載の電子機器。
【請求項10】
請求項1又は請求項2に記載の電子機器と、
冷媒の流路を有する筐体と、
前記流路内の前記冷媒を圧送するポンプユニットと
を備える、冷媒循環装置。
【請求項11】
前記筐体は、第二開口を更に有し、
前記パネルを、前記第二開口を閉塞する閉位置と、前記第二開口を開放する開位置との間で移動可能に支持するパネル支持部と
を更に備える、請求項10に記載の冷媒循環装置。
【請求項12】
前記パネル支持部は、前記パネルを、前記閉位置と、前記開位置との間で前記第二開口に沿う軸周りに回転可能に支持する、請求項11に記載の冷媒循環装置。
【請求項13】
前記電子機器は、前記第一開口から前記ディスプレイよりも前記交差方向に離れた位置で前記ディスプレイを覆うカバー部材を更に備える、請求項10に記載の冷媒循環装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及び冷媒循環装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術の電子機器は、金属製の上カバーと、下カバーと枠体とから構成されるケ-ス体を備える。ケース体には、液晶セルと回路基板とが収納される。液晶セルは、両面テープで枠体に接着される(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第一999/16020号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術では静電気対策が不十分であった。詳細には、金属製の上カバーと、液晶セルとが直接接触するため、静電気等に起因する放電により液晶セルの焼損又は誤動作を引き起こすおそれがある。
【0005】
本開示の目的は、ディスプレイへの静電気の影響が抑制された電子機器及び冷媒循環装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電子機器は、第一開口を有する導電性のパネルと、画像を表示するディスプレイと、前記パネルに固定され、電気絶縁性のスペーサとを備える。前記スペーサは、前記ディスプレイを、前記第一開口に交差する交差方向に前記第一開口から離れた位置で支持し、前記パネルから電気的に隔離する。
【0007】
本開示の別態様に係る冷媒循環装置は、前記電子機器と、ポンプユニットとを備える。前記筐体は、冷媒の流路を更に有する。前記ポンプユニットは、前記流路内の前記冷媒を圧送する。
【発明の効果】
【0008】
例示的な開示によれば、ディスプレイへの静電気の影響が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、冷却システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、閉状態の冷媒循環装置を示す斜視図である。
図3図3は、開状態の冷媒循環装置を示す斜視図である。
図4図4は、電子機器を前方斜め上方から視た斜視図である。
図5図5は、電子機器を後方斜め上方から視た斜視図である。
図6図6は、電子機器のディスプレイとスペーサとを後方斜め上方から視た斜視図である。
図7図7は、電子機器の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施形態に係る冷媒循環装置(以下、「CDU」と記載する。)について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0011】
図1は、CDU100の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、CDU100は、冷却装置200とともに使用されるが、独立して市場で流通する。
【0012】
冷却装置200は、分配マニホールド201と、複数のコールドプレート202と、複数の熱源203と、収集マニホールド204とを備えている。なお、冷却装置200は、分配マニホールド201と、収集マニホールド204とを備えていなくともよい。また、コールドプレート202及び熱源203の各個数は、少なくとも1つであればよい。
【0013】
CDU100、分配マニホールド201、複数のコールドプレート202、及び収集マニホールド204の間では、冷媒が複数の矢印A01~A05で示されるように循環する。冷媒は、例えば冷却液である。冷却液としては不凍液又は純水が例示される。不凍液の典型例は、エチレングリコール水溶液又はプロピレングリコール水溶液である。
【0014】
CDU100には、収集マニホールド204から高温の冷媒が流入する(矢印A01参照)。CDU100は、冷媒を冷却及び圧送する。冷媒が圧送されることで、冷却装置200及びCDU100の間で冷媒が循環する(矢印A01~A05参照)。詳細には、低温の冷媒は、分配マニホールド201を介して複数のコールドプレート202に流入し(矢印A04参照)、複数のコールドプレート202内を流通する。複数のコールドプレート202は、複数の熱源203と熱的に接触する。各熱源203は、典型的には、発熱する機器であり、実施形態ではコンピュータ装置の構成部品である。コンピュータ装置は、典型的にはラックマウントサーバである。コンピュータ装置は、ブレードサーバでも良い。熱源203としては、他にも、電解コンデンサ、電力用半導体モジュール又はプリント回路基板が例示される。
【0015】
各コールドプレート202は、流入口205Aと、流出口205Bとを有する。なお、図1では、都合上、参照符号「205A」及び「205B」は、一つのコールドプレート202のみに代表的に付されている。各流入口205Aには、分配マニホールド201の下流端206Aから冷媒が流入する(矢印A04参照)。冷媒は、各コールドプレート202内で流入口205Aから流出口205Bに向かって流れる。従って、熱源203で発生した熱は、各コールドプレート202内を流れる冷媒に移動する。その結果、冷媒が高温になる。高温の冷媒は、各流出口205Bから収集マニホールド204の各上流端207Aへと流出し、収集マニホールド204内を流れる(矢印A05参照)。
【0016】
CDU100は、大略的には、筐体1と、電子機器2と、回路基板3と、冷却部4と、少なくとも1つのポンプユニット5と、流路6とを備える。実施形態では、2つのポンプユニット5が例示される。
【0017】
筐体1は、冷媒の流入口11及び流出口12を有する。流入口11は、収集マニホールド204の下流端207Bと接続される。流入口11には、下流端207Bから冷媒が流入する。流出口12は、分配マニホールド201の上流端206Bと接続される。流出口12からは、上流端206Bへと冷媒が流出する。
【0018】
筐体1は、回路基板3と、冷却部4と、ポンプユニット5と、流路6とを収容する。即ち、筐体1は、冷媒の流路6を有する。
【0019】
回路基板3は、電源回路及び制御回路を有する。電源回路は、例えば商用電源から供給される交流電圧から、高電圧と低電圧とを生成する。高電圧は、例えば54Vであり、冷却部4とポンプユニット5とを駆動するために、それらに供給される。低電圧は、例えば3.3Vである。制御部は、マイコン及びメモリ等を有しており、低電圧により動作する。マイコンは、メモリに記憶されたプログラムに従って、CDU100の動作を制御する。
【0020】
冷却部4は、流路6を流れる冷媒を冷却する。冷却部4の種類は特に限定されない。冷却部4としては、空冷方式又は水冷方式を採用可能である。空冷方式の場合、冷却部4は、ラジエータと、ファンとを有する。ラジエータは、配管61の下流端と接続される。ラジエータには、配管61の下流端から高温の冷媒が流入する。ラジエータは、配管62の上流端と接続される。ラジエータは、自身の流入口から流入した冷媒を、自身の流出口に導く。その過程で、ラジエータ内で流れる冷媒は、ファンにより生成される気流で冷却される。その結果、ラジエータの流出口からは低温の冷媒が流出する。
【0021】
ポンプユニット5は、流路6内の冷媒を圧送する。詳細には、ポンプユニット5は、吸込口51と、吐出口52と、ポンプロータ53とを有する。吸込口51は、配管62の下流端と接続される。吐出口52は、配管63の上流端と接続される。ポンプロータ53が回転することにより、ポンプユニット5内の冷媒に圧力が加わる。その結果、配管62内の冷媒は、吸込口51から吸い込まれる。吸い込まれた冷媒は、吐出口52から配管63へと吐出される。
【0022】
なお、ポンプユニット5の種類は特に限定されない。即ち、ポンプユニット5としては、例えば遠心ポンプ、プロペラポンプ、粘性ポンプ又は回転ポンプを採用可能である。ポンプロータ53は、遠心ポンプ、プロペラポンプ、粘性ポンプ又はギヤポンプの場合、羽根車(インペラ)である。ポンプロータ53は、ねじポンプの場合、スクリューである。
【0023】
また、ポンプユニット5は、筐体1に対し挿抜可能であってもよいし、筐体1に対し据え付けられてもよい。
【0024】
流路6は、配管61~63を含む。配管61~63により、冷却部4と、各ポンプユニット5とは、流入口11と流出口12との間に、冷媒が流通するように接続される。詳細には、配管61の上流端は、流入口11に接続される。配管61の下流端は、冷却部4の流入口に接続される。配管62の上流端は、冷却部4の流出口と接続される。配管62の下流端は、各吸込口51と接続される。配管63の上流端は、各吐出口52と接続される。配管63の下流端は、流出口12に接続される。これにより、筐体1(即ち、CDU100)では、冷媒は、流入口11から、冷却部4及び各ポンプユニット5を順に経由して、流出口12へと流通可能となる(矢印A01~A03参照)。
【0025】
図2及び図3は、閉状態及び開状態のCDU100の要部をそれぞれ示す斜視図である。
【0026】
図2及び図3には、CDU100の前後方向X1、上下方向Z1及び左右方向Y1が示されている。
【0027】
実施形態では、前後方向X1は、開口15と交差する方向である。実施形態では、「交差」とは、線同士、面同士又は線及び面が互いに直角に交わることだけなく、微差(公差及び誤差等)の範囲で非直角に交わることも含む。前後方向X1は、前方向X11と、前方向X11とは反対向きの後方向X12とを含む。前方向X11は、開口15が開放されている向きである。
【0028】
上下方向Z1は、CDU100が使用可能な状態における鉛直方向と略平行である。上下方向Z1は、上方向Z11と、下方向Z12とを含む。上方向Z11は、鉛直上向きであり、下方向Z12は鉛直下向きである。
【0029】
左右方向Y1は、前後方向X1及び上下方向Z1の各々に交差し、左方向Y11と、左方向Y11とは反対向きの右方向Y12とを含む。左方向Y11は、開口15に向かって左手の方向である。
【0030】
図2及び図3に示されるように、筐体1は、略直方体であって、外壁13,14A,14Bを有する。外壁13は、前壁である。外壁14A,14Bは、左側壁及び右側壁である。外壁13は、第一平面視で略長方形であり、上下方向Z1及び左右方向Y1の各々に拡がっている。「第一平面視」は、前後方向X1からの平面視である。外壁14A,14Bは、外壁13の左端13A及び右端13Bから後方向X12に延びている。外壁14A,14Bの各々は、前後方向X1及び上下方向Z1の各々に拡がっている。
【0031】
筐体1は、開口15を更に有する(図3を参照)。開口15は、本開示における「第二開口」の一例である。詳細には、開口15は、図3に示されるように、外壁13において、左端13A及び右端13Bのうち、左端13Aに近い位置に形成されている。外壁13は、開口15に面する内縁16を有する。開口15及び内縁16は、第一平面視で略矩形形状である。内縁16は、対辺16A,16Bを有する。対辺16Aは、上下方向Z1に沿って延び、左右方向Y1に離れる一対の辺である。対辺16Bは、左右方向Y1に沿って延び、上下方向Z1に離れる一対の辺である。対辺16A,16Bは、それぞれを延長した場合に略直交する。実施形態では、外壁13において内縁16の左上隅付近及び左下隅付近の各々には、ネジ穴17A,17Bが形成されている。ネジ穴17A,17Bは、同一の仮想線L01上に形成される。仮想線L01は、外壁13に沿って上下方向Z1と略平行に延びる。
【0032】
図4は、電子機器2を前方斜め上方から視た斜視図である。図5は、電子機器2を後方斜め上方から視た斜視図である。図6は、電子機器2のディスプレイ22とスペーサ23とを後方斜め上方から視た斜視図である。図7は、電子機器2の分解図である。
【0033】
図4図7には、電子機器2の前後方向X2、上下方向Z2及び左右方向Y2が示されている。
【0034】
実施形態では、前後方向X2は、開口28と交差する方向である。前後方向X2は、前方向X21と、前方向X21とは反対向きの後方向X22とを含む。前方向X21は、開口28が開放されている向きである。前後方向X2は、CDU100が閉状態(図2参照)にあるとき、前後方向X1と実質的に平行である。開口28及び前後方向X2は、本開示における「第一開口」及び「交差方向」の一例である。
【0035】
上下方向Z2は、上下方向Z1と実質的に同じ方向であって、鉛直上向きの上方向Z21と、鉛直下向きの下方向Z22とを含む。
【0036】
左右方向Y2は、前後方向X2及び上下方向Z2の各々に交差し、左方向Y21と、左方向Y21とは反対向きの右方向Y22とを含む。左方向Y21は、開口28に向かって左手の方向である。
【0037】
図4図7に示されるように、電子機器2は、パネル21と、ディスプレイ22と、スペーサ23と、回路基板24(図5を参照)と、基板支持部25(図6図7を参照)と、複数の固定部材26(図4図7を参照)と、カバー部材27(図4図5を参照)とを備える。固定部材26は、本開示における「固定部材」の一例である。
【0038】
パネル21は、導電性であり、開口28を有する。詳細には、導電性材料としては、金属が例示される。実施形態では、パネル21の上下方向Z2及び左右方向Y1における各寸法は、開口15の上下方向Z1及び左右方向Y1における各寸法よりも若干大きい。従って、パネル21の面積は、開口15の面積よりも若干広い。パネル21の左上隅付近及び左下隅付近には、つまみネジ211A,211Bがそれぞれ取り付けられている。ディスプレイ22は、画像を表示する。画像は、文字、絵、図形及び写真の少なくとも一つを含む。ディスプレイ22は、例えば液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのようなフラットパネルディスプレイである。ディスプレイ22は、図7に示されるように、前後方向X2に薄い略直方体であって、表示パネル224と、制御部225とを有する(図7参照)。制御部225は、表示パネル224の後方向X22に位置し、表示パネル224への画像の表示を制御する。スペーサ23は、電気絶縁性であり、パネル21に固定される(図4図7を参照)。スペーサ23は更に、ディスプレイ22を、開口28から後方向X22に離れた位置で支持し(図4を参照)、パネル21から電気的に隔離する。従って、静電気のディスプレイ22への影響が抑制される。
【0039】
スペーサ23は、好ましくは、硬質の樹脂製であり、パネル21及びディスプレイ22の各々と直接接触する(図4を参照)。即ち、スペーサ23は、パネル21及びディスプレイ22の間に介在する。スペーサ23が硬質であり弾性変形し難いため、パネル21及びディスプレイ22の間の絶縁距離が安定する。なお、硬質樹脂としては、ポリプロピレン、ポリカーボネート、メタクリル樹脂又はポリイミドが例示される。
【0040】
回路基板24は、少なくともプリント基板と電子部品とを有する。プリント基板には、絶縁性材料で作製された基板上又は基板内に、導電性材料で形成された配線が形成されている。電子部品は、能動素子、受動素子及び集積回路から選ばれた少なくとも一種類を含み、プリント基板上又はプリント基板内に実装される。実施形態では、回路基板24は、プリント基板に、ディスプレイ22の表示制御回路及び/又は駆動回路を有する。
【0041】
基板支持部25は、ディスプレイ22よりも開口28から後方向X22に離れた位置で回路基板24を支持する(図5参照)。なお、図4図5とでは、基板支持部25は隠れている。基板支持部25は、ディスプレイ22が有する制御部225の背面に設けられる(図6図7を参照)。背面は、制御部225において後方向X22側の面である。基板支持部25は、電気絶縁性を有する樹脂性である。従って、回路基板24は、パネル21から電気的に隔離されるため、静電気から保護される。詳細には、基板支持部25は、実施形態では、4つのボスを含む。各ボスは、ネジスペーサとも呼ばれ、制御部225の背面に一体に設けられていてもよい。各ボスは、ディスプレイ22から後方向X22へと突出する。各ボスの先端には、前方向X21に延びるネジ穴が形成されている。回路基板24は、図示しないネジにより各ボスの先端に締結される。
【0042】
ディスプレイ22は、第二平面視で多角形である。「第二平面視」は、前後方向X2からの平面視である。詳細には、多角形は、典型的には矩形であるが、五角形以上でもよい。ディスプレイ22は、対辺221A,221Bを有する(図7を参照)。対辺221Aは、上下方向Z2に沿って延び、左右方向Y2に離れる一対の辺である。対辺221Bは、左右方向Y2に沿って延び、上下方向Z2に離れる一対の辺である。対辺221A,221Bは、それぞれを延長した場合に略直交する。
【0043】
スペーサ23は、例えば、対辺221Aの一方及び他方の各々と当接してディスプレイ22を支持する(図4図7を参照)。他にも、スペーサ23は、対辺221Bの一方及び他方の各々と当接してディスプレイ22を支持してもよい。ディスプレイ22は、対辺221Aの一方及び他方と当接することで、対辺221Aの一方と対辺221Bの一方と当接する場合と比較して安定的に支持される。
【0044】
ディスプレイ22において、表示パネル224は、画像が表示される領域(以下、「表示領域」と記載する。)222を有する(図4を参照)。即ち、ディスプレイ22は、表示領域222を有する。表示領域222は、第二平面視で略矩形状であって、ディスプレイ22において画像が表示される領域である。表示領域222の外周223は、図4において破線で示される。また、パネル21は、第二平面視で略矩形状の内縁212を有する(図4図7を参照)。内縁212は、開口28に面する(図4図7を参照)。図4に示されるように、表示領域222は、第二平面視で外周223が内縁212と一致し重なり合うように開口28内に位置する。スペーサ23は、内縁212の全域と、外周223の全域との間に介在する。従って、スペーサ23によって筐体1の外部から内部への異物の進入が防止される。
【0045】
スペーサ23は、好ましくは、分割スペーサ23A~23Dからなる(図7を参照)。分割スペーサ23A~23Dは、枠体のスペーサ23を4分割した形状を有する。従って、電子機器2の組立性が向上する。4個の分割スペーサ23A~23Dは、内縁212の全域と、外周223の全域との間に介在する。
【0046】
また、実施形態では、図6及び図7に示されるように、分割スペーサ23Bは、ディスプレイ22の右下隅の部分226Aと左下隅の部分226Bとを前後方向X2において挟み込む。左下隅は、下方向Z22及び左方向Y21の各々における端である。右下隅は、下方向Z22及び右方向Y22の各々における端である。
【0047】
電子機器2は、複数の固定部材227を更に備える。複数の固定部材227は、分割スペーサ23Bをディスプレイ22に固定する。実施形態では、各固定部材227は、ネジである。この場合、分割スペーサ23Bの右端と左端の各々には貫通孔231Bが形成される。ディスプレイ22も制御部225の背面において貫通孔231Bと概ね同じ位置にはボス(ネジスペーサ)228が形成される。貫通孔231Bと、ボスのネジ穴が位置合わせされた状態で、固定部材227としてのネジにより分割スペーサ23Bはディスプレイ22に固定される。
【0048】
分割スペーサ23Aは、ディスプレイ22の右上隅の部分226Cと左上隅の部分226Dとを、分割スペーサ23Bと同様の手法で前後方向X2において挟み込む。
【0049】
なお、分割スペーサ23A,23Bは、ディスプレイ22の隅以外の部分を前後方向X2において挟み込んでもよい。
【0050】
分割スペーサ23A,23Bと固定部材227とにより、ディスプレイ22が電子機器2内で安定的に支持される。
【0051】
複数の固定部材26は、スペーサ23をパネル21に固定する。実施形態では、各固定部材26は、ネジである。この場合、パネル21に貫通孔が形成される。スペーサ23の前面においてパネル21の貫通孔と概ね同じ位置には、ネジ穴が形成される。貫通孔とネジ穴が位置合わせされた状態で、固定部材26としてのネジによりスペーサ23はパネル21に固定される。
【0052】
固定部材26は、導電性である。この場合、スペーサ23を、前後方向X2における一方側(即ち前面)から他方側(即ち後面)へと貫通しないことが好ましい。これにより、導電性の固定部材26と、ディスプレイ22との間の絶縁性が確保される。即ち、静電気のディスプレイ22への影響が抑制される。
【0053】
固定部材26は、電気絶縁性であってもよい。なお、電気絶縁性の固定部材26は、スペーサ23を前後方向X2に貫通してもよいし、貫通しなくともよい。この場合も、静電気のディスプレイ22への影響が抑制される。また、固定部材26がネジの場合において、ネジがスペーサ23を貫通しない場合、ネジによる締結時に発生しうる切粉がCDU100内に飛散することが防止される。また、金属製のネジの場合、樹脂製のネジと比較して、高い強度が得られる。
【0054】
カバー部材27は、電気絶縁性であり、電子機器2において、ディスプレイ22及び回路基板24よりも後方向X12で上下方向Z2及び左右方向Y2の各々に拡がる平板である(図5を参照)。実施形態では、カバー部材27は、4つのネジスペーサ271を介してスペーサ23に取り付けられている。なお、ネジスペーサ271は、図4及び図5に2つのみ示されている。
【0055】
再度、図2及び図3を参照する。図2に示されるように、CDU100は、パネル支持部7を更に備える。パネル支持部7は、例えば1つのヒンジであり、電子機器2におけるパネル21を、開口15を閉塞する閉位置P01(図2参照)と、開口15を開放する開位置P02(図3参照)との間で移動可能に支持する。詳細には、パネル支持部7は、パネル21を閉位置P01と開位置P02との間で、開口15の内縁16に沿って上下方向Z2に延びる軸A06の周方向θ01に回転可能に支持する。
【0056】
パネル支持部7により、使い勝手の良いCDU100が提供可能となる。詳細には、パネル21が閉位置P01にあるとき、つまみネジ211A,211Bの各ネジ部がネジ穴17A,17Bに螺合する。その結果、電子機器2が筐体1に対し締結される。これにより、筐体1の外部から内部への異物進入が防止される。また、ユーザは、マニュアル操作により、つまみネジ211A,211Bを緩めた後、パネル21を閉位置P01から開位置P02に移動させる。即ち、CDU100は、状態を、閉状態及び開状態の間で相互に変更可能である。その結果、ユーザは、筐体1の内部にアクセス可能である。即ち、ユーザは、筐体1内の部品(回路基板3等)を確認したりメンテナンスしたりできる。また、電子機器2には静電気対策が施されているため、ユーザがマニュアル操作でパネル21を開閉する際において静電気のディスプレイ22への影響が抑制される。
【0057】
また、電気絶縁性のカバー部材27は、開口28よりもディスプレイ22から後方向X12に離れた位置でディスプレイ22を覆っている。従って、パネル21を開閉する際にユーザがカバー部材27に直接接触してディスプレイ22及び回路基板24への静電気の影響が抑制される。また、カバー部材27により、ユーザが回路基板24に直接接触することが防止されるため、回路基板24の破損が抑制される。
【0058】
また、図面は、本開示の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【0059】
実施形態では、基板支持部25は、ディスプレイ22に設けられていた。しかし、これに限らず、基板支持部25は、パネル21又はスペーサ23に設けられていてもよい。
【0060】
実施形態では、スペーサ23は、パネル21の内縁212全域と、表示領域222の外周223全域との間に介在していた。しかし、これに限らず、スペーサ23は、内縁212の一部と、外周223の一部との間に介在していてもよい。
【0061】
実施形態では、スペーサ23は、4分割されていた。しかし、これに限らず、スペーサ23は、分割されなくともよいし、4以外の数で分割されてもよい。
【0062】
実施形態では、ネジによりスペーサ23がパネル21に固定されていた。しかし、これに限らず、スペーサ23は、固定部材の他の例としての接着剤によりパネル21に固定されてもよい。
【0063】
実施形態では、パネル支持部7は、パネル21を、閉位置P01(図2参照)と、開位置P02(図3参照)との間で回転可能に支持していた。しかし、これに限らず、パネル支持部7は、パネル21を、左右方向Y1にスライド可能に支持してもよい。
【0064】
また、CDU100は、タッチスクリーン(タッチセンサ)を更に備えていてもよい。タッチスクリーンは、表示領域222を前方向X21側で覆っており、ユーザによって操作された表示領域222上の位置を検出する。タッチスクリーンは、ディスプレイ22とともにタッチパネルを構成する。タッチパネルにより、CDU100は所謂GUI(Graphical User Interface)を提供できる。従って、CDU100の使い勝手がよくなる。一方、タッチパネルにより、ユーザが電子機器2に接触する機会が増加する。しかし、スペーサ23により、接触機会が増加しても、静電気のディスプレイ22への影響が抑制される。
【0065】
なお、本技術は、以下のような構成を採用することも可能である。
【0066】
(1)第一開口を有する導電性のパネルと、
画像を表示するディスプレイと、
前記パネルに固定され、電気絶縁性のスペーサと
を備え、
前記スペーサは、前記ディスプレイを、前記第一開口に交差する交差方向に前記第一開口から離れた位置で支持し、前記パネルから電気的に隔離する、電子機器。
【0067】
(2)前記スペーサは、前記パネル及び前記ディスプレイの各々と直接接触する、上記(1)に記載の電子機器。
【0068】
(3)回路基板と、
前記ディスプレイよりも前記第一開口から前記交差方向に離れた位置で前記回路基板を支持し、前記ディスプレイに設けられる基板支持部と
を更に備え、
前記回路基板は、前記パネルから電気的に隔離される、上記(1)又は(2)に記載の電子機器。
【0069】
(4)前記ディスプレイは、前記交差方向からの平面視で多角形であり、
前記スペーサは、前記多角形の対辺の一方及び他方の各々と当接して前記ディスプレイを支持する、上記(1)から(3)のいずれかに記載の電子機器。
【0070】
(5)前記ディスプレイは、表示領域を有し、
前記スペーサは、前記第一開口に面する前記パネルの内縁全域と、前記表示領域の外周全域との間に介在する、上記(1)から(4)のいずれかに記載の電子機器。
【0071】
(6)前記スペーサは、前記スペーサを4分割した4個の分割スペーサからなり、
前記4個の分割スペーサは、前記内縁全域と、前記外周全域との間に介在する、上記(1)から(5)のいずれかに記載の電子機器。
【0072】
(7)前記スペーサを前記パネルに固定する導電性の固定部材を更に備え、
前記固定部材は、前記スペーサを、前記交差方向の一方側から他方側に貫通しない、上記(1)~(6)のいずれかに記載の電子機器。
【0073】
(8)前記スペーサを前記パネルに固定する電気絶縁性の固定部材を更に備える、上記(1)~(7)のいずれかに記載の電子機器。
【0074】
(9)前記スペーサは、前記ディスプレイを前記交差方向の両側から挟み込んで支持する、上記(1)~(8)に記載の電子機器。
【0075】
(10)上記(1)~(9)のいずれかに記載の電子機器と、
冷媒の流路を有する筐体と、
前記流路内の前記冷媒を圧送するポンプユニットと
を備える、冷媒循環装置。
【0076】
(11)前記筐体は、第二開口を更に有し、
前記パネルを、前記第二開口を閉塞する閉位置と、前記第二開口を開放する開位置との間で移動可能に支持するパネル支持部を更に備える、上記(10)に記載の冷媒循環装置。
【0077】
(12)前記パネル支持部は、前記パネルを、前記閉位置と、前記開位置との間で前記第二開口に沿う軸周りに回転可能に支持する、上記(10)又は(11)に記載の冷媒循環装置。
【0078】
(13)前記電子機器は、前記第一開口から前記ディスプレイよりも前記交差方向に離れた位置で前記ディスプレイを覆うカバー部材を更に備える、上記(10)~(12)のいずれかに記載の冷媒循環装置。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本開示に係る技術は、電子機器及び冷媒循環装置に好適であり、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0080】
100 :冷媒循環装置
1 :筐体
15 :開口
16 :内縁
2 :電子機器
21 :パネル
212 :内縁
22 :ディスプレイ
222 :表示領域
223 :外周
227 :固定部材
23 :スペーサ
23A~23D:分割スペーサ
24 :回路基板
25 :基板支持部
26 :固定部材
27 :カバー部材
28 :開口
5 :ポンプユニット
6 :流路
7 :パネル支持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7