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特開2024-143097管理システム、管理装置、管理プログラム、端末装置、及び情報提示プログラム
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  • 特開-管理システム、管理装置、管理プログラム、端末装置、及び情報提示プログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143097
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】管理システム、管理装置、管理プログラム、端末装置、及び情報提示プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/00 20230101AFI20241003BHJP
【FI】
G06Q10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055596
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】居嶋 正幸
(72)【発明者】
【氏名】森谷 真樹子
(72)【発明者】
【氏名】金児 寛子
(72)【発明者】
【氏名】鹿釜 稔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雄貴
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA21
5L049AA21
(57)【要約】
【課題】収納場所を適切に管理する技術を提供する。
【解決手段】管理システム1は、物品を収納するための収納場所を管理する管理装置100と、管理装置100から提供される情報を提示する端末装置200と、を備える。管理装置100は、複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、複数の収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、収納場所情報保持部に保持された複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、収納状況取得部により取得された収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、算出された複数の収納場所のそれぞれの収納率を端末装置に提供する収納率提供部と、を備える。端末装置200は、管理装置から提供された複数の収納場所のそれぞれの収納率を提示する提示部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納するための収納場所を管理する管理装置と、
前記管理装置から提供される情報を提示する端末装置と、
を備え、
前記管理装置は、
複数の前記収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む前記収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、
複数の前記収納場所のそれぞれにおける前記物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、
前記収納場所情報保持部に保持された複数の前記収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、前記収納状況取得部により取得された前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、
算出された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を前記端末装置に提供する収納率提供部と、
を備え、
前記端末装置は、
前記管理装置から提供された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を提示する提示部
を備える
管理システム。
【請求項2】
前記収納状況取得部は、複数の前記収納場所のそれぞれに収納された物品に付された識別情報を取得することにより、複数の前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況を取得する
請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記収納状況取得部は、複数の前記収納場所のそれぞれの撮像画像を取得することにより、複数の前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況を取得する
請求項1に記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理装置は、前記収納場所の物品の収納可能量を増加させることが可能な収納用品を推奨する収納用品推奨部を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項5】
前記収納率算出部は、前記収納用品が前記収納場所に設置されたときの収納場所の収納率を算出し、
前記提示部は、前記収納用品が前記収納場所に設置されたときの収納場所の収納率を提示する
請求項4に記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記収納場所に収納された物品の移動、売却、又は廃棄を提案する提案部を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記管理装置は、複数の前記収納場所への物品の収納状況を診断する診断部を備える
請求項1から3のいずれか1項に記載の管理システム。
【請求項8】
複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む前記収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、
複数の前記収納場所のそれぞれにおける前記物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、
前記収納場所情報保持部に保持された前記複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、前記収納状況取得部により取得された前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、
算出された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を提供する収納率提供部と、
を備える管理装置。
【請求項9】
コンピュータを、
複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む前記収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、
複数の前記収納場所のそれぞれにおける前記物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、
前記収納場所情報保持部に保持された前記複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、前記収納状況取得部により取得された前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、
算出された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を提供する収納率提供部と、
として機能させるための管理プログラム。
【請求項10】
複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、複数の前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて算出された、複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を取得する収納率取得部と、
前記収納率取得部により取得された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を前記収納場所ごとに提示する提示部と、
を備える端末装置。
【請求項11】
コンピュータを、
複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、複数の前記収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて算出された、複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を取得する収納率取得部と、
前記収納率取得部により取得された複数の前記収納場所のそれぞれの収納率を前記収納場所ごとに提示する提示部と、
として機能させるための情報提示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物品を収納するための収納場所を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
商品の在庫管理を行う技術として、例えば特許文献1には、エリア内の物品に取り付けられ、固有のタグ識別情報を記憶し、周囲の電波からエネルギーを得て動作する無線タグと、無線タグと通信可能な無線装置と、無線装置と通信可能であり、エリア内の物品を識別する物品情報を、物品に取り付けられている無線タグのタグ識別情報と対応付けて記憶する情報処理装置とを含み、無線タグは、タグ識別情報を含むパケットを周囲に送信し、情報処理装置は、無線装置を介して受信したパケットに含まれるタグ識別情報に基づいて、エリア内に存在する物品を特定する物品管理システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-109749号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人が居住する居住空間においては、商品を販売するための店舗とは異なり、物を収納するための収納場所を小さく抑えることにより、人が活動するための空間を最大限確保したいという要求がある。しかし、人が生活していく中で物が増加していくと、収納場所があふれ、人の活動空間に物を置かざるを得ない状況になりうる。したがって、居住空間において収納場所を適切に管理する技術が求められる。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、収納場所を適切に管理する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の管理システムは、物品を収納するための収納場所を管理する管理装置と、管理装置から提供される情報を提示する端末装置と、を備える。管理装置は、複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、複数の収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、収納場所情報保持部に保持された複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、収納状況取得部により取得された収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、算出された複数の収納場所のそれぞれの収納率を端末装置に提供する収納率提供部と、を備える。端末装置は、管理装置から提供された複数の収納場所のそれぞれの収納率を提示する提示部を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、管理装置である。この装置は、複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量を含む収納場所に関する情報を保持する収納場所情報保持部と、複数の収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況を取得する収納状況取得部と、収納場所情報保持部に保持された複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、収納状況取得部により取得された収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて、複数の収納場所のそれぞれの収納率を算出する収納率算出部と、算出された複数の収納場所のそれぞれの収納率を提供する収納率提供部と、を備える。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、端末装置である。この装置は、複数の収納場所のそれぞれの物品の収納可能量と、複数の収納場所のそれぞれにおける物品の収納状況とに基づいて算出された、複数の収納場所のそれぞれの収納率を取得する収納率取得部と、収納率取得部により取得された複数の収納場所のそれぞれの収納率を収納場所ごとに提示する提示部と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る管理装置の構成を示す図である。
図3】収納率の算出方法を説明するための図である。
図4】実施の形態に係る端末装置の構成を示す図である。
図5】実施の形態に係る端末装置により提示される画面の例を示す図である。
図6】実施の形態に係る端末装置により提示される画面の例を示す図である。
図7】実施の形態に係る端末装置により提示される画面の例を示す図である。
図8】実施の形態に係る管理方法の手順を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
居住空間に物品を収納するための収納場所が複数設けられている場合、ユーザは、収納場所の容積、形状、他の設備や機器などとの位置関係などに応じて、所有する物品を複数の収納場所に分けて収納する。本開示の実施の形態の管理システムは、複数の収納場所のそれぞれの収納率を算出してユーザに提示する。これにより、居住空間に収納場所が複数存在する場合であっても、ユーザは、複数の収納場所のそれぞれの収納率を総合的に考慮しつつ、複数の収納場所を効率的かつ効果的に使用して物品を収納することができる。
【0012】
図1は、実施の形態に係る管理システム1の構成を示す。管理システム1は、衣類などの物品4を収納する収納場所3を管理する管理装置100と、管理装置100から提供される情報を提示する端末装置200と、それらを通信可能に接続する通信網2を備える。
【0013】
複数の収納場所3のそれぞれに、複数の物品4が収納される。物品4には、物品4の識別情報を格納するタグ5が添付される。タグ5は、バーコードなどの二次元コードであってもよいし、RFタグなどの通信可能なタグであってもよい。タグ5は、物品4を一意に識別可能な識別情報を格納する。タグ5は、物品4の種類、サイズ、色、価格、収納方法などを更に格納してもよい。
【0014】
タグリーダー7は、タグ5に格納された物品4の識別情報を読み取る。タグリーダー7は、二次元コードを読み取るための装置であってもよいし、RFタグと通信してRFタグに格納された情報を読み取る通信装置であってもよい。タグリーダー7は、収納場所3の内部に設けられ、収納場所3に収納された物品4の識別情報を読み取ってもよい。タグリーダー7は、収納場所3の扉や開口部などに設けられ、収納場所3に出し入れされる物品4の識別情報を読み取ってもよい。タグリーダー7は、読み取った情報を無線LANなどの通信方式により管理装置100に送信する。
【0015】
撮像装置6は、収納場所3の内部を撮像する。撮像装置6は、収納場所3の内部の頂面、側面、底面などに設けられてもよいし、収納場所3の扉の内側に設けられてもよいし、収納場所3の外部に設けれてもよい。撮像装置6は、複数設けられてもよい。例えば、撮像装置6は、収納場所3の内部の頂面、側面、及び底面の少なくとも2箇所に設けられてもよい。撮像装置6は、撮像した撮像画像を無線LANなどの通信方式により管理装置100に送信する。
【0016】
管理装置100は、タグリーダー7により読み取られた物品4の識別情報をタグリーダー7から取得する。管理装置100は、撮像装置6により撮像された収納場所3の内部の撮像画像を撮像装置6から取得する。管理装置100は、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を算出し、端末装置200へ提供する。端末装置200は、管理装置100から提供された複数の収納場所3のそれぞれの収納率を提示する。
【0017】
図2は、実施の形態に係る管理装置100の構成を示す。管理装置100は、通信装置101、処理装置160、及び記憶装置170を備える。管理装置100は、収納場所3に内蔵されてもよいし、外部に独立して設けられてもよい。前者の場合、管理装置100は、マイクロプロセッサなどであってもよい。後者の場合、管理装置100は、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよいし、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよい。
【0018】
通信装置101は、通信網2を介した他の装置との間の通信を制御する。通信装置101は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。
【0019】
記憶装置170は、処理装置160により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置170は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置170は、収納場所情報保持部171、物品情報保持部172、及び撮像画像保持部173を備える。
【0020】
収納場所情報保持部171は、ユーザの居住空間に設置された複数の収納場所3のそれぞれに関する情報を保持する。収納場所情報保持部171は、ユーザの居住空間に設置された収納場所3の数、位置、他の設備や機器などとの位置関係、それぞれの収納場所3の容積、形状、物品4の収納可能量、それぞれの収納場所3に備えられた収納用品の種類、数、サイズ、物品4の収納可能量などの情報を保持する。
【0021】
物品情報保持部172は、収納場所3に収納される物品4に関する情報を保持する。物品情報保持部172は、ユーザが所有する物品4の持ち主、種類(カテゴリー、季節など)、ブランド、数、識別情報、サイズ、形状、色、入手日、入手価格、使用履歴、オークションやフリーマーケットなどにおける市場価格、物品4に添付されたタグ5の種類、添付位置などの情報を保持する。
【0022】
撮像画像保持部173は、撮像装置6により撮像された撮像画像を保持する。撮像画像保持部173は、撮像装置6の識別情報、撮像日時などの情報を撮像画像と対応付けて保持する。
【0023】
処理装置160は、収納場所情報取得部161、物品情報取得部162、撮像画像取得部163、収納状況取得部164、収納率算出部165、収納率提供部166、収納用品推奨部167、提案部168、及び診断部169を備える。これらの構成は、ハードウエアとしては、任意の回路、コンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現される。これらの構成は、ソフトウエアとしては、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、又はハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0024】
収納場所情報取得部161は、ユーザの居住空間に設置された複数の収納場所3のそれぞれに関する情報を取得して、収納場所情報保持部171に格納する。収納場所情報取得部161は、ユーザの端末装置200から収納場所3に関する情報を取得してもよい。収納場所情報取得部161は、居住空間の設計書などから収納場所3に関する情報を取得してもよい。収納場所情報取得部161は、撮像装置6により撮像された撮像画像を解析することにより、収納場所3の容積、形状、物品4の収納可能量、収納場所3に備えられた収納用品の種類、数、サイズ、物品4の収納可能量などの情報を取得してもよい。
【0025】
物品情報取得部162は、収納場所3に収納される物品4に関する情報を取得して、物品情報保持部172に格納する。物品情報取得部162は、ユーザの端末装置200やタグリーダー7から物品4に関する情報を取得してもよい。物品情報取得部162は、物品4に関する情報を提供する情報提供サーバなどから物品4に関する情報を取得してもよい。物品情報取得部162は、撮像装置6により撮像された撮像画像を解析することにより、物品4の種類、識別情報、サイズ、形状、色、物品4に添付されたタグ5の種類、添付位置などの情報を取得してもよい。
【0026】
撮像画像取得部163は、撮像装置6により撮像された撮像画像を撮像装置6から取得して、撮像画像保持部173に格納する。
【0027】
収納状況取得部164は、複数の収納場所3のそれぞれにおける物品4の収納状況を取得する。収納状況取得部164は、タグリーダー7により読み取られた物品4の識別情報に基づいて、収納場所3に収納されている物品4を識別し、それらの物品4の情報を物品情報保持部172から読み出すことにより、収納場所3に収納されている物品4の種類、数、サイズ、形状などを取得してもよい。収納状況取得部164は、撮像装置6により撮像された撮像画像に基づいて、収納場所3に収納されている物品4の収納態様や収納位置を取得してもよい。例えば、収納状況取得部164は、撮像画像に写っている物品4の形状を解析することにより、ハンガーに掛けられた衣類の長さ、厚み、折り畳まれた衣類のサイズ、厚み、形状などを取得してもよい。また、収納状況取得部164は、撮像画像に写っている物品4の位置を解析することにより、収納場所3における物品4の収納位置を取得してもよい。収納位置は、例えば、ハンガーパイプ、棚、引き出しなどであってもよい。収納状況取得部164は、撮像装置6により撮像された撮像画像に基づいて、収納場所3において物品4により占められた領域や空き領域の容積、形状、位置などを取得してもよい。
【0028】
収納率算出部165は、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を算出する。収納率算出部165は、複数の収納場所3のそれぞれについて、収納場所情報保持部171から読み出した収納場所3の容積や物品4の収納可能量と、収納状況取得部164により取得された収納場所3に収納されている物品4の量から、収納場所3の収納率を算出する。収納率算出部165は、収納場所3における物品4の収納可能数と収納場所3に収納されている物品4の数から収納場所3の収納率を算出してもよい。収納率算出部165は、収納場所3の容積と収納場所3に収納されている複数の物品4のそれぞれのサイズから収納場所3の収納率を算出してもよい。収納率算出部165は、収納場所3に収納されている物品4の収納態様に更に基づいて収納場所3の収納率を算出してもよい。収納率算出部165は、撮像装置6により撮像された収納場所3の撮像画像に基づいて収納場所3の収納率を算出してもよい。収納率算出部165は、収納状況取得部164により取得された収納場所3における物品4の占有領域や空き領域の容積などに基づいて収納場所3の収納率を算出してもよい。収納率算出部165は、収納場所3における収納位置ごとに収納率を算出してもよい。
【0029】
図3は、収納率の算出方法を説明するための図である。収納率算出部165は、収納場所3を構成する収納部材ごとに収納率を計算し、その総和を部材数で割った平均値を収納場所3全体の収納率としてもよい。例えば、ハンガーパイプが2本備えられたクローゼットの収納率を算出する場合、ハンガーパイプaの長さをLa、ハンガーパイプbの長さをLb、種類Aの衣類の厚みをtA、種類Bの衣類の厚みをtB、ハンガーパイプaに収納されている種類Aの衣類の数をnaA、ハンガーパイプaに収納されている種類Bの衣類の数をnaB、ハンガーパイプbに収納されている種類Aの衣類の数をnbA、ハンガーパイプbに収納されている種類Bの衣類の数をnbBとすると、
ハンガーパイプaの収納率ra=(tA×naA+tB×naB)/La×100
ハンガーパイプbの収納率rb=(tA×nbA+tB×nbB)/Lb×100
クローゼット全体の収納率=(ra+rb)/2
と算出される。部材数が3以上である場合も同様である。
【0030】
収納率提供部166は、収納率算出部165により算出された複数の収納場所3のそれぞれの収納率を端末装置200へ提供する。
【0031】
収納用品推奨部167は、収納場所3に設置可能な収納用品を推奨する。収納用品推奨部167は、収納率算出部165により算出された収納率が所定値を超えた収納場所3における物品4の収納可能量を増加させるための収納用品を推奨してもよい。収納用品推奨部167は、収納場所3の容積、形状、物品4の収納可能量、収納場所3の空き領域の容積、形状、位置、収納場所3に既に備えられている収納用品の種類、数、サイズ、物品4の収納可能量、収納場所3に収納されている物品4の種類、数、サイズ、形状などと、推奨される収納用品との対応関係を記憶装置170に保持しておき、その対応関係を参照して収納用品を推奨してもよい。収納用品推奨部167は、推奨される収納用品の情報を端末装置200へ提供する。
【0032】
提案部168は、収納場所3に収納されている物品4の移動、売却、廃棄などを提案する。提案部168は、収納率算出部165により算出された収納率が所定値を超えた場合に、その収納場所3に収納されている物品4を別の収納場所3に収納可能であるか否かを判定し、収納可能であると判定された場合は、その物品4を別の収納場所3に移動させることを提案してもよい。収納可能でないと判定された場合は、提案部168は、その収納場所3に収納されている物品4を、オークションやフリーマーケットなどにおいて売却したり、廃棄したりすることを提案してもよい。
【0033】
診断部169は、収納場所3への物品4の収納状況を診断する。診断部169は、収納場所3の容積、形状、物品4の収納可能量、収納場所3の空き領域の容積、形状、位置、収納場所3に既に備えられている収納用品の種類、数、サイズ、物品4の収納可能量、収納場所3に収納されている物品4の種類、数、サイズ、形状などに基づいて、収納場所3への物品4の収納状況を診断する。診断部169は、これらの情報を入力し、収納場所3への物品4の収納状況の良否を表す指標を出力するニューラルネットワークなどにより構成された診断アルゴリズムを用いて、収納場所3への物品4の収納状況を診断してもよい。この診断アルゴリズムは、上記の入力情報と、ユーザや評価者による収納場所3への物品4の収納状況の評価結果とを学習データとして事前に学習され、記憶装置170に格納されてもよい。診断部169は、ユーザが所有する物品4を様々な収納パターンで複数の収納場所3に収納するシミュレーションを実行し、それぞれの収納パターンを診断アルゴリズムにより診断することにより、最適な収納パターンを探索してもよい。診断部169は、診断結果を端末装置200へ提供する。
【0034】
図4は、実施の形態に係る端末装置200の構成を示す。端末装置200は、通信装置201、表示装置202、入力装置203、処理装置260、及び記憶装置270を備える。端末装置200は、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよいし、パーソナルコンピュータなどの装置であってもよい。
【0035】
通信装置201は、通信網2を介した他の装置との間の通信を制御する。通信装置201は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置202は、処理装置260により生成される画面を表示する。表示装置202は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置203は、端末装置200の使用者による指示入力を処理装置260に伝達する。入力装置203は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置202及び入力装置203は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0036】
記憶装置270は、処理装置260により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置270は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。
【0037】
処理装置260は、収納率取得部261、収納用品情報取得部262、提案情報取得部263、診断結果取得部264、及び提示部265を備える。これらの構成は、ハードウエアとしては、任意の回路、コンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現される。これらの構成は、ソフトウエアとしては、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、又はハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0038】
収納率取得部261は、管理装置100から提供される複数の収納場所3のそれぞれの収納率を取得する。
【0039】
収納用品情報取得部262は、管理装置100から推奨される収納用品の情報を取得する。
【0040】
提案情報取得部263は、管理装置100から提供される提案を取得する。
【0041】
診断結果取得部264は、管理装置100から提供される診断結果を取得する。
【0042】
提示部265は、収納率取得部261により取得された複数の収納場所3のそれぞれの収納率や、収納用品情報取得部262により取得された収納用品の情報や、提案情報取得部263により取得された提案の内容や、診断結果取得部264により取得された診断結果を表示装置202に表示する。
【0043】
図5は、実施の形態に係る端末装置200により提示される画面の例を示す。端末装置200の提示部265は、管理装置100の収納率算出部165により算出された複数の収納場所3のそれぞれの収納率を、収納場所3ごとに提示する。これにより、ユーザは、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を把握することができるので、所有する物品を効率的に収納することができ、限られた収納場所3を有効活用することができる。
【0044】
提示部265は、管理装置100から提案された物品の移動、廃棄、売却などを提示する。これにより、ユーザは、使用していない物品などを廃棄したり売却したりすることができるので、限られた収納場所3を有効活用することができる。また、収納率の高い収納場所3から収納率の低い収納場所3へ物品4を移動することができるので、複数の収納場所3を有効活用することができる。
【0045】
図6は、実施の形態に係る端末装置200により提示される画面の例を示す。端末装置200の提示部265は、管理装置100から提供された収納場所3に収納された物品の種類と構成を提示する。この詳細画面も、収納場所3ごとに提示されてもよい。さらなる詳細情報として、収納場所3に収納された物品4のサイズ、厚さ、数などの情報を提示してもよい。これにより、ユーザは、収納場所3の収納状況を把握することができるので、所有する物品を効率的に収納することができ、限られた収納場所3を有効活用することができる。
【0046】
図7は、実施の形態に係る端末装置200により提示される画面の例を示す。端末装置200の提示部265は、管理装置100の診断部169により診断された結果を提示する。これにより、ユーザは、所有する物品の種類、数、サイズなどに合った収納プランを知ることができるので、所有する物品を効率的に収納することができ、限られた収納場所3を有効活用することができる。
【0047】
図8は、実施の形態に係る管理方法の手順を示すシーケンス図である。端末装置200は、収納場所3に関する情報を管理装置100に送信する(S10)。管理装置100の収納場所情報取得部161が、居住空間の設計書などから収納場所3に関する情報を取得する場合や、撮像装置6により撮像された撮像画像を解析することにより収納場所3に関する情報を取得する場合は、ステップS10は省略されてもよい。
【0048】
管理装置100の収納状況取得部164は、複数の収納場所3のそれぞれの収納状況を取得する(S12)。収納率算出部165は、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を算出する(S14)。収納率提供部166は、収納率算出部165により算出された複数の収納場所3のそれぞれの収納率を端末装置200に送信する(S16)。端末装置200の提示部265は、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を収納場所3ごとに提示する(S18)。
【0049】
収納用品推奨部167は、収納場所3に設置可能な収納用品を推奨する(S20)。提案部168は、収納場所3に収納されている物品4の移動、売却、廃棄などを提案する(S22)。診断部169は、収納場所3への物品4の収納状況を診断する(S24)。管理装置100は、これらの情報を端末装置200に送信する(S26)。提示部265は、これらの情報を提示する(S28)。
【0050】
ユーザが収納用品を購入して収納場所3に設置したり、収納場所3をリフォームしたりして、収納場所3が変更されると(S32)、端末装置200は、変更後の収納場所3に関する情報を管理装置100に送信する(S34)。収納率算出部165は、新しく取得した収納場所3に関する情報に基づいて、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を算出する(S36)。収納率提供部166は、収納率算出部165により算出された複数の収納場所3のそれぞれの収納率を端末装置200に送信する(S38)。提示部265は、複数の収納場所3のそれぞれの収納率を更新表示する(S40)。
【0051】
ステップS12~ステップS40の手順は、所定のタイミングで繰り返し実行されてもよい。例えば、毎日決まった時刻に実行されてもよいし、所定の時間間隔で定期的に実行されてもよい。
【0052】
以上、実施の形態に基づき本開示を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0053】
実施の形態では、主に、居住空間に設置された収納場所に衣類などの物品を収納する場合について説明したが、本開示の技術は、居住空間以外の空間に設置された収納場所を管理するためにも利用可能である。また、収納場所に収納される物品は、衣類に限らず、任意の商品や物品であってもよい。
【0054】
実施の形態では、管理装置100と端末装置200が別個の装置である場合について説明したが、別の例では、管理装置100と端末装置200は1台の装置により実現されてもよい。この場合、管理装置100と端末装置200はスマートフォンやタブレットなどの装置により実現されてもよい。
【0055】
実施の形態では、管理システム1が撮像装置6とタグリーダー7の双方を備える場合について説明したが、管理システム1は撮像装置6とタグリーダー7のうち少なくとも一方を備えていればよい。管理システム1は撮像装置6とタグリーダー7のうちいずれか一方のみを備えてもよい。
【0056】
実施の形態では、管理装置100が1台の装置により実現される場合について説明したが、別の例では、管理装置100は複数の装置により実現されてもよい。この場合、管理装置100を構成する複数の装置は、収納場所3に内蔵された装置と、収納場所3の外部に独立して設けられた装置とを含んでもよい。例えば、収納場所情報取得部161、物品情報取得部162、撮像画像取得部163、収納状況取得部164などが収納場所3に内蔵された装置に設けられ、収納率算出部165、収納率提供部166、収納用品推奨部167、提案部168、診断部169などが外部のサーバ装置に設けられてもよい。この場合、それぞれの装置は、通信装置101を介して必要な情報を送受信してもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 管理システム、2 通信網、3 収納場所、4 物品、5 タグ、6 撮像装置、7 タグリーダー、100 管理装置、161 収納場所情報取得部、162 物品情報取得部、163 撮像画像取得部、164 収納状況取得部、165 収納率算出部、166 収納率提供部、167 収納用品推奨部、168 提案部、169 診断部、171 収納場所情報保持部、172 物品情報保持部、173 撮像画像保持部、200 端末装置、261 収納率取得部、262 収納用品情報取得部、263 提案情報取得部、264 診断結果取得部、265 提示部。
図1
図2
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図5
図6
図7
図8