IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特開2024-143102医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム
<>
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図1
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図2A
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図2B
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図3
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図4A
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図4B
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図5
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図6
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図7
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図8
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図9
  • 特開-医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143102
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/60 20180101AFI20241003BHJP
【FI】
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055603
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中森 洋
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA21
(57)【要約】
【課題】クラウド上に設けられたストレージに対して画像データを効率的に保管することができる医療情報保管システム等を提供する。
【解決手段】医療情報保管システム10は、画像データをクラウドC上に設けられた標準ストレージ220に保管する保管手段と、指定された条件に合致する画像データを、標準ストレージ220からクラウドC上に設けられかつ標準ストレージ220よりも読み出し時間が遅い低価格ストレージ230に移動させる移動手段と、画像データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段と、ステータスを出力する出力手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段と、
前記ステータスを出力する出力手段と、
を備える、医療情報保管システム。
【請求項2】
前記条件は、患者の検査日及び検査の受信日のうち少なくとも一つである、
請求項1に記載の医療情報保管システム。
【請求項3】
前記条件は、患者の最新の検査登録から一定期間経過したこと又は患者の来院から一定期間経過したことである、
請求項1に記載の医療情報保管システム。
【請求項4】
前記条件は、患者が死亡したこと又は患者が完治したことである、
請求項1に記載の医療情報保管システム。
【請求項5】
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段と、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力手段と、
を備える、医療情報保管システム。
【請求項6】
施設内に設けられ、前記医療データの前記ステータスを管理するための第1のデータベースと、
前記クラウド上に設けられ、前記医療データの前記ステータスを管理するための第2のデータベースと、を備え、
前記管理手段は、第1のデータベースの前記医療データの前記ステータスと、第2のデータベースの前記医療データの前記ステータスとを同期させる、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項7】
前記出力手段は、施設に設けられた情報処理装置及び前記クラウド上に設けられた情報処理装置のそれぞれに、前記ステータス又は前記警告情報を出力する、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項8】
前記移動手段は、前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記第2のストレージに保管されている前記医療データを前記第1のストレージに複製し、
前記保管手段は、前記第1のストレージに複製された前記医療データを、ユーザーにより設定された期間に応じて削除する、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項9】
前記出力手段は、前記第1のストレージに複製された前記医療データを当該第1のストレージから削除する削除予定時間を出力する、
請求項8に記載の医療情報保管システム。
【請求項10】
前記医療データは、医用画像データを含み
前記移動手段は、前記医用画像データと当該医用画像データのデータ量を縮小した縮小データとを有する場合、前記医用画像データのみを前記第2のストレージに移動させる、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項11】
前記移動手段は、前記第2のストレージに前記医療データを移動させる場合、複数の前記医療データを一つのファイルにまとめて前記第2のストレージに移動させる、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項12】
前記出力手段は、前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記第1のストレージに復元される前記医療データの復元予定時間を出力する、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項13】
前記出力手段は、前記第1のストレージへの前記医療データの複製が完了した場合、参照要求を送信した外部装置に対して復元した前記医療データを自動で出力する、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項14】
前記出力手段は、前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元後に当該医療データをダウンロードするか否かを選択するための選択情報を出力する、
請求項1又は5に記載の医療情報保管システム。
【請求項15】
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管工程と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動工程と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理工程と、
を有する、医療情報保管方法。
【請求項16】
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管工程と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動工程と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理工程と、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力工程と、
を有する、医療情報保管方法。
【請求項17】
コンピューターを、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピューターを、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医用画像データのバックアップやアーカイブ等を目的として、医用画像データをクラウド上のストレージに保管して管理するシステムが利用されている。これにより、医療施設内に限定されることなく、遠隔の地域医療や在宅医療等で利用される外部装置からも所望の医用画像を参照できるようになっている。
【0003】
クラウド上のストレージサービスは、データの読み込み速度や書き出し速度等によって、複数に分類されている。例えば、読み込み速度や書き出し速度が速くかつ価格も高い高速ストレージ、読み込み速度や書き出し速度が遅く復元が必要で価格が安い低速ストレージ等のサービスが提供されている。
【0004】
特許文献1には、複数のストレージを用いて医療情報を管理する技術が記載されている。具体的には、患者のステータスとストレージレベル情報とに基づいて、アクセス速度の異なる複数のストレージ部間で医療情報を移動させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-76159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、アクセス速度の異なる複数のストレージ部間で医療情報を移動させているが、病院施設内に複数のストレージを配置することを想定している。そのため、クラウド上のストレージを利用する場合におけるクラウド特有の課題、例えば低速ストレージではファイルの復元に時間がかかる等の課題が考慮されていない。
【0007】
そこで、本発明は、上記課題を解決するために、クラウド上に設けられたストレージに対して画像データを効率的に保管することができる医療情報保管システム、医療情報保管方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る医療情報保管システムは、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段と、
前記ステータスを出力する出力手段と、を備える。
【0009】
本発明に係る医療情報保管システムは、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段と、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力手段と、を備える。
【0010】
本発明に係る医療情報保管方法は、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管工程と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動工程と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理工程と、を有する。
【0011】
本発明に係る医療情報保管方法は、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管工程と、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動工程と、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理工程と、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力工程と、を有する。
【0012】
本発明に係るプログラムは、
コンピューターを、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段、として機能させる。
【0013】
本発明に係るプログラムは、
コンピューターを、
医療に関する医療データをクラウド上に設けられた第1のストレージに保管する保管手段、
指定された条件に合致する前記医療データを、前記第1のストレージからクラウド上に設けられかつ前記第1のストレージよりも読み出し時間が遅い第2のストレージに移動させる移動手段、
前記医療データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段、
前記第2のストレージに保管されている前記医療データが参照される場合、前記医療データの復元に関する警告情報を出力する出力手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1のストレージ及び第2のストレージにおける画像データのステータスを出力するので、ユーザーは参照する画像データの保管状態を確認でき、クラウド上の第1のストレージ及び第2のストレージに対して効率的に画像データを保管、管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本実施の形態に係る医療情報保管システムの概略構成の一例を示す図である。
図2A】本実施の形態に係るクラウド側の管理テーブルの構成の一例を示す図である。
図2B】本実施の形態の管理テーブルで使用するステータスコードの一覧を示す図である。
図3】本実施の形態に係る医用画像管理装置のブロック図である。
図4A】本実施の形態に係る病院施設側の管理テーブルの構成の一例を示す図である。
図4B】本実施の形態の管理テーブルで使用するステータスコードの一覧を示す図である。
図5】本実施の形態に係る情報処理装置のブロック図である。
図6】本実施の形態に係るクラウド上の標準ストレージに保管されている画像データを低価格ストレージに移動させる場合における医療情報保管システムのシーケンス図である。
図7】病院施設内のユーザーの参照要求に応じて、クラウド上の低価格ストレージに保管されている画像データを標準ストレージに復元する場合における医療情報保管システムのシーケンス図である。
図8】本実施の形態に係る情報処理装置の表示部に表示される警告情報の一例を示す図である。
図9】病院施設の外部のユーザーの参照要求に応じて、クラウド上の低価格ストレージに保管されている画像データを標準ストレージに復元する場合における医療情報保管システムのシーケンス図である。
図10】病院施設の外部のユーザーの参照要求に応じて、クラウド上の低価格ストレージに保管されている画像データを標準ストレージに復元する場合における医療情報保管システムのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0017】
[医療情報保管システム10の構成例]
図1は、本実施の形態に係る医療情報保管システム10の概略構成の一例を示す図である。
図1に示すように、医療情報保管システム10は、医用画像撮影装置100と、撮影制御装置110と、医用画像管理装置120と、情報処理装置150と、管理装置210と、標準ストレージ220と、低価格ストレージ230と、データベース240とを備える。標準ストレージ220は、第1のストレージとして機能する。低価格ストレージ230は、コールドストレージとも呼ばれ、第2のストレージとして機能する。データベース240は、第2のデータベースとして機能する。
【0018】
医用画像撮影装置100、撮影制御装置110、医用画像管理装置120及び情報処理装置150は、例えば病院施設F内に設けられている。医用画像撮影装置100、撮影制御装置110、医用画像管理装置120及び情報処理装置150は、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク190により互いに接続されている。ネットワーク190は、有線であっても無線であってもよい。管理装置210、標準ストレージ220、低価格ストレージ230及びデータベース240は、クラウドC上に設けられている。病院施設F側とクラウドC側とは、ネットワークNを介して互いに接続されている。ネットワークNとしては、例えばインターネットやWAN(Wide Area Network)等が挙げられる。なお、本実施の形態においてクラウドCとは、インターネット等のネットワークN上でハードウェアやソフトウェアを用いて所定のサービスを提供するコンピューターの利用形態を意味する。
【0019】
医用画像撮影装置(モダリティー)100は、患者(被検体)の医用画像を撮影し、撮影した患者の医用画像の画像データを生成する。医用画像は、静止画であってもよいし、複数のフレームからなる動態画像であってもよい。画像データは、医療データ及び医用画像データの一例である。医用画像撮影装置100としては、例えば、CR(Computed Radiography)、DR(Digital Radiography)、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、US(Ultra Sonography)、NM(Nuclear Medicine:核医学検査)、内視鏡検査であるES(Endoscope)等が挙げられる。医用画像撮影装置100は、撮影した医用画像に対して、当該医用画像に係る属性情報を付帯する。属性情報には、例えば、患者ID、患者氏名、年齢、検査装置、検査部位、検査日等が含まれる。医用画像撮影装置100は、生成した医用画像の画像データ及び画像データに付帯する属性情報を医用画像管理装置120に送信する。
【0020】
撮影制御装置110は、医用画像撮影装置100から静止画像や動態画像に応じた画像データを受信する。撮影制御装置110は、コンピューター等で構成され、コンソールの機能を有する。撮影制御装置110は、RIS等から送信されるオーダー情報等に基づいて医用画像撮影装置100等に撮影条件を設定する。撮影条件には、例えば、例えば、管電圧[kV]、管電流[mA]、照射時間[ms]、曝射線量[mAs]、撮影距離(SID)[cm]及び付加フィルターの有無やフィルターの種類が含まれる。
【0021】
医用画像管理装置120は、医用画像撮影装置100により生成された医用画像に応じた画像データ及び属性情報等を保管、管理する。医用画像管理装置120は、画像データのバックアップやアーカイブ等を目的として、クラウドC上に設けられた標準ストレージ220及び低価格ストレージ230に画像データを保管する。医用画像管理装置120は、画像データに、属性情報、画像データの保管状態を示すステータス等を対応付けて管理するデータベース124を有する。医用画像管理装置120は、例えば、画像保存通信システム(PACS(Picture Archiving and Communication System))、画像診断ワークステーション等として機能する。
【0022】
情報処理装置150は、病院施設F内において読影医や診察医等のユーザーによって使用されるコンピューター等である。情報処理装置150は、例えば、ユーザーによる所定の医用画像の参照要求に応じて、医用画像管理装置120に保管されている画像データを読み出して表示する。なお、情報処理装置150は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
【0023】
管理装置210は、例えば医用画像管理装置120の制御に基づいて、標準ストレージ220及び低価格ストレージ230の少なくとも一方に画像データを保管するとともに、保管した画像データの管理を行う。具体的には、管理装置210は、医用画像管理装置120から送信される画像データを標準ストレージ220に保管する。管理装置210は、指定された条件を満たす画像データを、標準ストレージ220から低価格ストレージ230に移動させる。管理装置210は、所定の画像データの参照要求があった場合でこの画像データが低価格ストレージ230に保管されている場合、参照要求があった画像データを低価格ストレージ230から標準ストレージ220に復元する。管理装置210は、後述する医用画像管理装置120と同様に、CPU等のプロセッサーやメモリー等を有する。
【0024】
標準ストレージ220は、低価格ストレージ230よりもデータの読み出し速度及び書き出し(書き込み)速度が速い。標準ストレージ220は、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリーにより構成してもよい。また、SSD以外のストレージを採用することもできる。標準ストレージ220は、例えばバス等のインターフェースを介して管理装置210及び低価格ストレージ230に接続されている。標準ストレージ220は、管理装置210の指示に基づいて、画像データを保管、削除等する。
【0025】
低価格ストレージ230は、標準ストレージ220よりもデータの読み出し速度及び書き出し(書き込み)速度が遅く復元が必要であり、標準ストレージ220よりも低価格である。低価格ストレージ230は、例えばHDD(Hard Disk Drive)により構成してもよいし、光学式ディスクドライブや磁気テープ等により構成してもよいし、これらの組み合わせであってもよい。低価格ストレージ230は、例えばバス等のインターフェースを介して管理装置210及び標準ストレージ220に接続されている。低価格ストレージ230は、管理装置210の指示に基づいて、画像データを保管するとともに、標準ストレージ220に複製(コピー)等する。
【0026】
本実施の形態では、医用画像管理装置120に保管される画像データは、バックアップやアーカイブを目的として、クラウドC上の標準ストレージ220に保管される。標準ストレージ220に保管された画像データは、指定された条件(以下、指定条件という)を満たす場合に、低価格ストレージ230に移動される。ここで、指定条件としては、例えば、患者の検査日又は検査の受信日が挙げられる。他の指定条件とは、例えば、患者の最新の検査登録から一定期間経過したこと又は患者の来院から一定期間経過したことが挙げられる。さらに、他の指定条件としては、例えば、患者が死亡したこと又は患者が完治したことが挙げられる。
【0027】
低価格ストレージ230に保管された画像データは、ユーザーによる参照要求があった場合に標準ストレージ220に移動、復元される。標準ストレージ220に移動、復元された画像データは、参照要求のあった情報処理装置150等にダウンロードされる。ここで、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に画像データを移動させる場合の処理方法としては例えば2種類ある。第1の方法は、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に画像データを一時的に複製して復元する。低価格ストレージ230には、画像データが残る。一方、標準ストレージ220に復元した画像データは、ユーザーにより設定された指定期間の経過後に削除される。第2の方法は、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に画像データを複製する。低価格ストレージ230の画像データは、複製完了後に削除される。標準ストレージ220には、複製した画像データが保管される。
【0028】
データベース240は、医用画像撮影装置100により生成された画像データを、例えば検査情報や患者情報を含む属性情報及び画像データの保管状態を示すステータス等に対応付けて管理するための管理テーブル240aを有する。
図2Aは、管理テーブル240aの構成の一例を示している。管理テーブル240aには、例えば、患者ID、患者氏名、年齢、検査装置、検査部位、検査日、ステータスコードが記憶される。ここで、ステータスコードとは、クラウドC上の標準ストレージ220及び低価格ストレージ230における画像データの保管状態を示す情報である。保管状態には、例えば、画像データの保管場所や画像データの移動、復元等の状態が含まれる。
【0029】
図2Bは、本実施の形態で使用するステータスコードの一覧を示している。図2Bでは、ステータスコードと、ステータスコードの意味とを対応付けて図示している。医用画像管理装置120の制御部121等は、標準ストレージ220及び低価格ストレージ230における画像データの保管状態に応じて、データベース124の管理テーブル124aのステータスコードを更新する。クラウドC側のデータベース240では、例えば、ステータスコードとして「0,1,10,13,14,20」等が用いられる。
【0030】
[医用画像管理装置120の構成例]
図3は、医用画像管理装置120のブロック図である。
医用画像管理装置120は、図3に示すように、制御部121と、ストレージ122と、通信部123と、データベース124とを備える。データベース124は、第1のデータベースとして機能する。制御部121、ストレージ122、通信部123及びデータベース124は、バス129を介して互いに接続されている。なお、図3では説明していないが、医用画像管理装置120に表示部や操作部を設けてもよい。
【0031】
制御部121は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサー及びRAM(Random Access Memory)等のメモリーを少なくとも有する。制御部121のCPUはストレージ122に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0032】
本実施の形態において、制御部121は、プログラムの実行により以下の処理を実現する。制御部121は、画像データをクラウドC上に設けられた標準ストレージ220に保管させる保管手段及び保管工程として機能する。制御部121は、指定条件に合致する画像データを、標準ストレージ220からクラウドC上に設けられかつ標準ストレージ220よりも読み出し時間が遅い低価格ストレージ230に移動させる移動手段及び移動工程として機能する。制御部121は、画像データの保管状態を示すステータスを管理する管理手段及び管理工程として機能する。制御部121は、画像データのステータスを情報処理装置150の表示部154等に出力する出力手段及び出力工程として機能する。制御部121は、低価格ストレージ230に保管されている画像データが参照される場合、画像データの復元に関する警告情報を出力する出力手段及び出力工程としても機能する。なお、上述した保管手段、移動手段、管理手段及び出力手段のうち少なくとも一つの機能を、他の装置、例えば管理装置210や後述するウェブサーバー160,260、情報処理装置等が協働して実行するようにしてもよい。
【0033】
ストレージ122は、半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)及び光ディスク記憶装置等の少なくとも一つを有する。ストレージ122は、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶する。ストレージ122は、医用画像撮影装置100等により生成された医用画像の画像データを記憶する。
【0034】
通信部123は、通信モジュール等で構成される。通信部123は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部装置との間で各種信号や各種データを送受信する。外部装置には、医用画像撮影装置100、撮影制御装置110、情報処理装置150及び管理装置210等が含まれる。
【0035】
データベース124は、医用画像撮影装置100により生成された画像データを、属性情報及び画像データの保管状態を示すステータス等に対応付けて管理するための管理テーブル124aを有する。図4Aは、管理テーブル124aの構成の一例を示している。管理テーブル124aには、例えば、患者ID、患者氏名、年齢、検査装置、検査部位、検査日、ステータスコードが記憶される。ここで、ステータスコードとは、上述したように、クラウドC上の標準ストレージ220及び低価格ストレージ230における各画像データの保管状態を示す情報である。保管状態には、例えば、画像データの保管場所や画像データの移動、復元等の状態が含まれる。
【0036】
図4Bは、本実施の形態で使用するステータスコードの一覧を示している。図4Bでは、ステータスコードと、ステータスコードの意味とを対応付けて図示している。医用画像管理装置120の制御部121は、標準ストレージ220及び低価格ストレージ230での画像データの保管状態に応じて、データベース124の管理テーブル124aのステータスコードを更新する。病院施設F側のデータベース124では、例えば、ステータスコードとして、「0,1,10,11,12,13,14,20,21,22」等が用いられる。
【0037】
[情報処理装置150の構成例]
図5は、情報処理装置150のブロック図である。
情報処理装置150は、図5に示すように、制御部151と、ストレージ152と、通信部153と、表示部154と、操作部155とを備える。制御部151、ストレージ152、通信部153、表示部154及び操作部155は、バス159を介して互いに接続されている。なお、表示部154は、表示装置として機能する。
【0038】
制御部151は、CPU等のプロセッサー及びRAM等のメモリーを少なくとも有する。制御部151のCPUはストレージ152に記憶されているシステムプログラムや各種処理プログラムを読み出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行する。
【0039】
ストレージ152は、半導体メモリー、HDD(Hard Disk Drive)及び光ディスク記憶装置等の少なくとも一つを有する。ストレージ152は、各種処理プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメーターやファイル等を記憶する。
【0040】
通信部153は、通信モジュール等で構成される。通信部153は、通信ネットワークNを介して有線又は無線で接続された外部装置との間で各種信号や各種データを送受信する。外部装置には、医用画像撮影装置100、撮影制御装置110、医用画像管理装置120及び管理装置210等が含まれる。
【0041】
表示部154は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(ElectroLuminescence)又はCRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイを有する。表示部154は、制御部151の表示出力制御に基づいて、医用画像撮影装置100により撮影された医用画像や画像データの復元等の参照要求を行うための管理テーブル124aに応じたワークリスト等を表示する。なお、表示部104は、上述したように、操作部103であるタッチパネルを組み合わせたものであってもよい。
【0042】
操作部155は、例えば、カーソルキー、文字・数字入力キー及び各種機能キー等を含むキーボードやマウス等のポインティングデバイス等を有する。操作部155は、ユーザーによるキーボード等の操作により入力された各種指示を受け付け、受け付けた指示に応じた操作信号を制御部151に出力する。操作部155がタッチパネルの機能を含む場合、操作部155はユーザーの指等によるタッチ操作の位置に応じた指示を受け付ける。
【0043】
[医療情報保管システム10の動作例]
(第1のシーケンス)
次に、標準ストレージ220に保管されている画像データを低価格ストレージ230に移動させる場合の流れについて説明する。図6は、本実施の形態に係る標準ストレージ220に保管されている画像データを低価格ストレージ230に移動させる場合における医療情報保管システム10のシーケンス図である。
【0044】
まず、医用画像管理装置120の制御部121は、バックアップ及びアーカイブを目的として、医用画像撮影装置100により生成された医用画像の画像データをネットワークNを介してクラウドC上の標準ストレージ220に保管する。制御部121は、保管手段として機能する。
【0045】
医用画像管理装置120の制御部121は、予め設定された指定条件に合致する画像データが標準ストレージ220に保管されているかをデータベース124の管理テーブル124aを参照して確認する。制御部121は、指定条件に合致する画像データに関する合致情報を管理テーブル124aから抽出する(ステップS100)。
【0046】
制御部121は、合致情報に基づいて指定条件に合致する画像データがある場合、対象となる画像データ(以下、対象画像データという)のデータベース124のステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS101)。対象画像データは、単数であっても複数であってもよい。更新指示には、標準ストレージ220に保管されている対象画像データを低価格ストレージ230に移動させることを示すステータスコード「1:ストレージ移動中」が含まれる。データベース124は、制御部121から更新指示を受けると、管理テーブル124aのステータスコードを「0:標準ストレージ」から「1:ストレージ移動中」に更新する。
【0047】
制御部121は、標準ストレージ220に保管されている対象画像データを低価格ストレージ230に移動させるための移動指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS102)。制御部121は、移動手段として機能する。このとき、クラウドC上の管理装置210等にアクセスする条件として、認証鍵発行サービスを用いてもよい。
【0048】
管理装置210は、医用画像管理装置120から移動指示を受信すると、標準ストレージ220に対して対象画像データを低価格ストレージ230に移動するための移動指示を出力する(ステップS103)。標準ストレージ220は、管理装置210から移動指示を受けると、対象画像データを読み出して低価格ストレージ230に移動させる。
【0049】
同様に、管理装置210は、低価格ストレージ230に対して標準ストレージ220から読み出された対象画像データを保管するための保管指示を出力する(ステップS104)。低価格ストレージ230は、管理装置210から保管指示を受けると、標準ストレージ220から読み出された対象画像データを保管する。
【0050】
医用画像管理装置120の制御部121は、対象画像データの移動状態の確認するための確認指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS105)。管理装置210は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、標準ストレージ220から低価格ストレージ230に対象画像データの移動が完了したか又は移動中であるかを確認する。管理装置210は、標準ストレージ220から低価格ストレージ230に対象画像データの移動が完了した場合、対象画像データの移動完了の応答を、ネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS106)。
【0051】
制御部121は、管理装置210から対象画像データの移動完了の応答を受信すると、データベース124の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS107)。制御部121は、管理手段として機能する。更新指示には、対象画像データの標準ストレージ220から低価格ストレージ230への移動が完了したことを示すステータスコード「10:ストレージ移動完了」が含まれる。データベース124は、制御部121から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスコードを「1:ストレージ移動中」から「10:ストレージ移動完了」に更新する。
【0052】
制御部121は、病院施設F内のデータベース124のステータスの更新が完了すると、クラウドC上のデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をネットワークNを介してウェブサーバー260に送信する(ステップS108)。更新指示には、対象画像データの標準ストレージ220から低価格ストレージ230への移動が完了したことを示すステータスコード「10:ストレージ移動完了」が含まれる。
【0053】
ウェブサーバー260は、医用画像管理装置120から更新指示を受信すると、クラウドC上のデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS109)。データベース240は、ウェブサーバー260から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスコードを「0:標準ストレージ」から「10:ストレージ移動完了」に更新する。クラウドC上のデータベース240の管理テーブル240aは、この段階でステータスが更新され、病院施設F内のデータベース124の対象画像データのステータスと同期する。
【0054】
ウェブサーバー260は、データベース240の対象画像データのステータスの更新が完了すると、更新完了の応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS110)。
【0055】
医用画像管理装置120の制御部121は、ウェブサーバー260から更新完了の応答を受信すると、管理テーブル124aの対象画像データのステータスコードを「22:ストレージクラウド同期完了」に更新する(ステップS111)。
【0056】
(第2のシーケンス)
次に、病院施設F内のユーザーからの参照要求に応じて、上述した第1のシーケンスでクラウドC上の低価格ストレージ230に保管された画像データを標準ストレージ220に復元する場合の流れの一例について説明する。図7は、病院施設F内のユーザーの参照要求に応じて、クラウドC上の低価格ストレージ230に保管されている画像データを標準ストレージ220に復元する場合における医療情報保管システム10のシーケンス図である。なお、第2のシーケンスでは、病院施設F内に画像データの参照要求等を受け付け可能なウェブサーバー160を設けている。
【0057】
ウェブサーバー160は、病院施設F内の情報処理装置150から所定の画像データの参照要求を受け付けると、対象画像データの復元要求指示を医用画像管理装置120の制御部121に送信する(ステップS200)。例えば、ウェブサーバー160は、医用画像管理装置120の制御部121の表示制御に基づいて、情報処理装置150の表示部154にワークリストを表示させる。ワークリストは、画像データに関する検査情報や患者情報を含む属性情報や、画像データの保管状態を示すステータス等が一覧表示されたリストであり、例えば管理テーブル124aに基づいて作成される。ユーザーは、ワークリストから自身が参照したい画像データを確認、選択できる。なお、本実施の形態において、医用画像管理装置120の制御部121及びウェブサーバー160は、出力手段として機能する。
【0058】
ここで、対象画像データのステータスコードが図4Bに示す「0」、「11」で、かつ、復元要求日が復元削除予定の日付より前の場合、対象画像データは標準ストレージ220に保管されている。この場合、対象画像データを復元する必要がないので、ユーザーはワークリストから対象画像データの参照要求を入力することで、対象画像データを標準ストレージ220からダウンロードできる。
【0059】
対象画像データのステータスコードが図4Bに示す「1」等の場合、対象画像データは低価格ストレージ230に保管されている。この場合、ワークリストの対象画像データに対して、低価格ストレージ230に保管中であることを示すマークを表示してもよい。また、低価格ストレージ230に保管されている画像データを標準ストレージ220に復元する場合には、相当の時間がかかる。そのため、医用画像管理装置120は、ユーザーに対して復元に相当の時間がかかる旨を警告表示してもよい。図8は、情報処理装置150の表示部154に表示される警告の一例を示している。医用画像管理装置120の制御部121は、図8に示すように、対象画像データの復元に一定の時間を要する旨のメッセージ(警告情報)及びユーザーにダウンロードするかを選択するためのボタン(選択情報)を表示部154に表示させる。ここで、制御部121は、出力手段として機能する。例えば、実行ボタンが選択されると、対象画像データの参照要求がウェブサーバー260から医用画像管理装置120に送信される。医用画像管理装置120又はウェブサーバー260は、例えば、実行ボタンが選択された場合、標準ストレージ220に復元される対象画像データの復元予定時刻を、情報処理装置150の表示部154に表示してもよい。これにより、ユーザーは、対象画像データの復元時間を把握できるので、作業の効率化を図ることができる。
【0060】
医用画像管理装置120の制御部121は、ウェブサーバー160から対象画像データの復元要求を受信すると、データベース124のステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS201)。更新指示には、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元する要求があったことを示すステータスコード「13:ストレージ復元要求中」が含まれる。データベース124は、ウェブサーバー160から復元要求指示を受けると、管理テーブル124aのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」に更新する。
【0061】
制御部121は、データベース124に対して確認要求(ポーリング)し、復元要求のあった対象画像データに関する復元対象情報を管理テーブル124aから抽出する(ステップS202)。復元対象情報には、例えば患者情報、検査情報、ステータスコード等が含まれる。
【0062】
制御部121は、抽出した復元対象情報に基づいて、データベース124の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS203)。更新指示には、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元中であることを示すステータスコード「14:ストレージ復元中」が含まれる。データベース124は、制御部121からの更新指示を受けると、対象画像データのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」から「14:ストレージ復元中」に更新する。
【0063】
制御部121は、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に対象画像データを復元させるための復元要求指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS204)。制御部121は、管理手段として機能する。このとき、クラウドC上の管理装置210等にアクセスする条件として、認証鍵発行サービスを用いてもよい。
【0064】
管理装置210は、医用画像管理装置120からの復元要求指示を受信すると、低価格ストレージ230に対して標準ストレージ220に対象画像データを移動させるための復元指示を出力する(ステップS205)。低価格ストレージ230は、管理装置210からの復元指示に基づいて対象画像データを読み出して標準ストレージ220に移動させる。
【0065】
同様に、管理装置210は、標準ストレージ220に対して対象画像データを一時的に保管させるための復元指示を出力する(ステップS206)。標準ストレージ220は、管理装置210からの復元指示に基づいて低価格ストレージ230から読み出された対象画像データを保管する。本実施の形態では、管理装置210は、標準ストレージ220への対象画像データの複製、保管が完了した場合、参照要求を送信した情報処理装置150に対して復元した対象画像データを自動で出力することができる。管理装置210は、出力手段として機能する。管理装置210は、例えば、標準ストレージ220に保管された対象画像データをユーザーにより設定された期間に応じて削除してもよい。この場合、管理装置210は、医用画像管理装置120やウェブサーバー160等を介して、標準ストレージ220から対象画像データが削除される削除予定時刻を情報処理装置150の表示部154に表示することができる。これにより、ユーザーは、標準ストレージ220に復元された対象画像データがいつ削除されるかを確認できる。
【0066】
例えば、画像データが低価格ストレージ230から標準ストレージ220に復元中の段階で、他のユーザーの端末からワークリストの更新要求がウェブサーバーや医用画像管理装置120に送信される場合がある。この場合、ウェブサーバー160等は、データベース124から管理テーブル124aに応じた最新のワークリストを他のユーザーの端末の表示部に表示させる。この段階では、ワークリストの対象画像データのステータスには、「14:ストレージ復元中」が表示される。
【0067】
医用画像管理装置120の制御部121は、対象画像データの復元状態を確認するための確認指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS207)。確認指示は、1回でもよいし、所定期間に複数回実施してもよい。管理装置210は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、低価格ストレージ230から標準ストレージ220への対象画像データの復元が完了したか又は復元中であるかを確認する。管理装置210は、対象画像データの復元が完了した場合、対象画像データの復元完了の応答を、ネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS208)。
【0068】
医用画像管理装置120の制御部121は、対象画像データの削除予定を確認するための確認指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS209)。管理装置210は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、対象画像データの削除予定に関する情報を含む応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS210)。
【0069】
制御部121は、管理装置210から対象画像データの削除予定の応答を受信すると、データベース124上の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS211)。制御部121は、管理手段、出力手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230から標準ストレージ220への対象画像データの復元が完了したことを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」が含まれる。更新指示には、標準ストレージ220から対象画像データが削除される期間等を示すステータスコード「22:削除予定」が含まれる。データベース124は、制御部121からの更新指示を受けると、対象画像データのステータスコードを「14:ストレージ復元中」から「20:ストレージ復元完了」に更新する。ステータスコードに「22:削除予定」を追加する。
【0070】
制御部121は、病院施設F内のデータベース124の更新が完了すると、クラウドC上のデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をネットワークNを介してウェブサーバー260に送信する(ステップS212)。更新指示には、対象画像データの復元が完了したことを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」等が含まれる。
【0071】
ウェブサーバー260は、医用画像管理装置120から更新指示を受信すると、クラウドCのデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS213)。データベース240は、ウェブサーバー260から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスコードを「0:標準ストレージ」から「20:ストレージ復元完了」に更新する。これにより、クラウドCのデータベース240の対象画像データのステータスは、病院施設F内のデータベース124の対象画像データのステータスと同期する。
【0072】
ウェブサーバー260は、データベース240上のステータスの更新が完了すると、ステータスの更新完了の応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS214)。
【0073】
医用画像管理装置120の制御部121は、ウェブサーバー260から更新完了の応答を受けると、管理テーブル124aのステータスコードを「22:ストレージクラウド同期完了」に更新する(ステップS215)。
【0074】
(第3のシーケンス)
次に、病院施設Fの外部のユーザーの参照要求に応じて、上述した第1のシーケンスでクラウドC上の低価格ストレージ230に保管された画像データを標準ストレージ220に復元する場合の流れの一例について説明する。この例では、クラウドCのデータベース240と病院施設F内のデータベース124とを同期させる場合について説明する。
【0075】
図9は、病院施設Fの外部のユーザーの参照要求に応じて、クラウドC上の低価格ストレージ230に保管されている画像データを標準ストレージ220に復元する場合における医療情報保管システム10のシーケンス図である。なお、第3のシーケンスでは、クラウドC上にデータベース240を管理等するウェブサーバー260を設けている。病院施設Fの外部に設けられる情報処理装置は、例えば図5に示した情報処理装置150と同一の構成及び機能を有する。
【0076】
ウェブサーバー260は、病院施設Fの外部の情報処理装置から所定の対象画像データの参照要求を受け付ける(ステップS300)。ユーザーは、表示部に表示されるワークリストから自身が参照したい画像データを確認、選択できる。この場合、上述したように、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元する場合には、図8に示したように、ユーザーに対して復元に相当の時間がかかる旨の警告情報及びダウンロードの有無を選択する選択情報を表示してもよい。
【0077】
ウェブサーバー260は、病院施設Fの外部の情報処理装置から対象画像データの復元要求を受信すると、クラウドC上のデータベース240のステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS301)。ウェブサーバー260は、管理手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元させることを示すステータスコード「13:ストレージ復元要求中」が含まれる。データベース240は、制御部121から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」に更新する。
【0078】
病院施設F内の医用画像管理装置120の制御部121は、データベース240に対して画像データの復元要求があるかを確認(ポーリング)するための確認指示を、クラウドC上のウェブサーバー260に送信する(ステップS302)。
【0079】
ウェブサーバー260は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、データベース240の管理テーブル240aを検索する(ステップS303)。ウェブサーバー260は、復元要求のあった対象画像データに関するステータス等の復元対象情報を抽出する(ステップS303)。
【0080】
ウェブサーバー260は、データベース240の確認指示に基づいて、データベース240から抽出した復元対象情報を含む応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS304)。
【0081】
制御部121は、ウェブサーバー260から復元対象情報を受信すると、病院施設F内のデータベース124の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS305)。ここで、制御部121は、管理手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元中であること示すステータスコード「14:ストレージ復元中」が含まれる。データベース124は、制御部121から更新指示を受けると、管理テーブル124aのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」から「14:ストレージ復元中」に更新する。
【0082】
制御部121は、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に対象画像データを復元させるための復元要求指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS306)。このとき、クラウドC上の管理装置210等にアクセスする条件として、認証鍵発行サービスを用いてもよい。
【0083】
管理装置210は、医用画像管理装置120からの復元要求指示を受信すると、低価格ストレージ230に対して対象画像データを標準ストレージ220に移動させるための復元指示を出力する(ステップS307)。低価格ストレージ230は、管理装置210から復元指示を受けると、対象画像データを読み出して標準ストレージ220に移動させる。
【0084】
同様に、管理装置210は、標準ストレージ220に対して対象画像データを復元させるための復元指示を出力する(ステップS308)。標準ストレージ220は、管理装置210から復元指示を受けると、低価格ストレージ230から読み出された対象画像データを保管する。本実施の形態では、管理装置210は、標準ストレージ220への対象画像データの複製、保管が完了した場合、参照要求を送信した情報処理装置150に対して復元した対象画像データを自動で出力するようにしてもよい。管理装置210は、例えば、標準ストレージ220に保管された対象画像データをユーザーにより設定された期間に応じて削除してもよい。この場合、標準ストレージ220から対象画像データが削除される削除予定時刻を情報処理装置150の表示部154に表示してもよい。
【0085】
医用画像管理装置120の制御部121は、対象画像データの復元状態を確認するための確認指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS309)。確認指示は、1回で終了する場合もあるし、複数回で終了する場合もある。なお、この場合に、上述した確認指示に、図7に示したように、対象画像データの削除予定を確認するための確認指示を含めてもよい。
【0086】
管理装置210は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、低価格ストレージ230から標準ストレージ220への対象画像データの復元が完了したか又は復元中であるかを確認する。管理装置210は、対象画像データの復元が完了した場合、対象画像データの復元完了の応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS310)。
【0087】
制御部121は、管理装置210から対象画像データの復元完了の応答を受信すると、データベース124の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に出力する(ステップS311)。制御部121は、管理手段、出力手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に対象画像データの復元が完了したことを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」が含まれる。データベース124は、制御部121から更新指示を受けると、管理テーブル124aのステータスコードを「14:ストレージ復元中」から「20:ストレージ復元完了」に更新する。なお、この場合に、対象画像データの削除予定に関するステータスコードを追加してもよい。
【0088】
制御部121は、管理装置210から対象画像データの復元完了応答を受信すると、クラウドC上のデータベース240上の対象画像データのステータスを更新させるための更新指示をネットワークNを介してウェブサーバー260に送信する(ステップS312)。更新指示には、対象画像データの復元が完了したことを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」等が含まれる。
【0089】
ウェブサーバー260は、医用画像管理装置120からの更新指示を受信すると、クラウドC上のデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース240に送信する(ステップS313)。データベース240は、ウェブサーバー260から更新指示を受けると、対象画像データのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」から「20:ストレージ復元完了」等に更新する。この段階で、クラウドC上のデータベース240の対象画像データのステータスは、病院施設F内のデータベース124の対象画像データのステータスと同期する。
【0090】
ウェブサーバー260は、クラウドCのデータベース240のステータスの更新が完了すると、更新完了の応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS314)。
【0091】
医用画像管理装置120の制御部121は、ウェブサーバー260から更新完了の応答を受信すると、管理テーブル124aのステータスコードを「22:ストレージクラウド同期完了」に更新する(ステップS315)。
【0092】
(第4のシーケンス)
次に、病院施設Fの外部のユーザーの参照要求に応じて、上述した第1のシーケンスでクラウドC上の低価格ストレージ230に保管された画像データを標準ストレージ220に復元する場合の流れの一例について説明する。この例では、クラウドCのデータベース240と病院施設F内のデータベース124とを同期させない場合について説明する。
【0093】
図10は、病院施設Fの外部のユーザーの参照要求に応じて、クラウドC上の低価格ストレージ230に保管されている画像データを標準ストレージ220に復元する場合における医療情報保管システム10のシーケンス図である。なお、第4のシーケンスでは、クラウドC上にデータベース240を管理等するウェブサーバー260を設けている。病院施設Fの外部に設けられる情報処理装置は、図5に示した情報処理装置150と同一の構成及び機能を有する。
【0094】
ウェブサーバー260は、病院施設Fの外部の情報処理装置から所定の画像データの参照要求を受け付ける(ステップS400)。ユーザーは、表示部に表示されるワークリストから自身が参照したい画像データを確認、選択できる。この場合、上述したように、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元する場合には、図8に示したように、ユーザーに対して復元に相当の時間がかかる旨の警告情報及びダウンロードの有無を選択する選択情報を表示してもよい。
【0095】
ウェブサーバー260は、病院施設Fの外部の情報処理装置から対象画像データの復元要求を受け付けると、クラウドC上のデータベース240のステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS401)。ウェブサーバー260は、管理手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230に保管されている対象画像データを標準ストレージ220に復元させることを示すステータスコード「13:ストレージ復元要求中」が含まれる。データベース240は、ウェブサーバー260から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」に更新する。
【0096】
ウェブサーバー260は、データベース240に対して確認要求(ポーリング)し、復元要求のあった対象画像データに関する復元対象情報をデータベース240から抽出する(ステップS402)。
【0097】
ウェブサーバー260は、復元要求があった対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS403)。更新指示には、対象画像データを低価格ストレージ230から標準ストレージ220に復元中であること示すステータスコード「14:ストレージ復元中」が含まれる。データベース240は、ウェブサーバー260から更新指示を受けると、対象画像データのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」から「14:ストレージ復元中」に更新する。
【0098】
ウェブサーバー260は、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に対象画像データを復元させるための復元要求指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS404)。このとき、クラウドC上の管理装置210等にアクセスする条件として、認証鍵発行サービスを用いてもよい。
【0099】
管理装置210は、ウェブサーバー260から復元要求指示を受信すると、低価格ストレージ230に対して標準ストレージ220に対象画像データを復元させるための復元指示を出力する(ステップS405)。低価格ストレージ230は、管理装置210から移動指示を受けると、対象画像データを読み出して標準ストレージ220に移動させる。
【0100】
同様に、管理装置210は、標準ストレージ220に対して対象画像データを復元させるための復元指示を出力する(ステップS406)。標準ストレージ220は、管理装置210から復元指示を受けると、低価格ストレージ230から読み出された対象画像データを保管する。本実施の形態では、管理装置210は、標準ストレージ220への対象画像データの複製、保管が完了した場合、参照要求を送信した情報処理装置150に対して復元した対象画像データを自動で出力するようにしてもよい。管理装置210は、例えば、対象画像データの出力後、標準ストレージ220に保管された対象画像データをユーザーにより設定された期間に応じて削除してもよい。この場合、標準ストレージ220から対象画像データが削除される削除予定時刻を情報処理装置150の表示部154に表示してもよい。
【0101】
ウェブサーバー260は、対象画像データの復元状態の確認するための確認指示を、ネットワークNを介して管理装置210に送信する(ステップS407)。確認指示は、1回で終了する場合もあるし、複数回で終了する場合もある。なお、この場合に、上述した確認指示に、図7に示したように、対象画像データの削除予定を確認するための確認指示を含めてもよい。
【0102】
管理装置210は、医用画像管理装置120から確認指示を受信すると、低価格ストレージ230から標準ストレージ220への対象画像データの復元が完了したか又は復元中であるかを確認する。管理装置210は、対象画像データの復元が完了した場合、対象画像データの復元完了の応答を、ネットワークNを介してウェブサーバー260に送信する(ステップS408)。
【0103】
ウェブサーバー260は、管理装置210から対象画像データの復元完了の応答を受信すると、クラウドCのデータベース240の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース240に出力する(ステップS409)。ウェブサーバー260は、管理手段、出力手段として機能する。更新指示には、低価格ストレージ230から標準ストレージ220に対象画像データの復元が完了したことを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」が含まれる。データベース240は、管理装置210から更新指示を受けると、管理テーブル240aのステータスを「14:ストレージ復元中」から「20:ストレージ復元完了」に更新する。この段階では、病院施設F側のデータベース124との同期は行われない。
【0104】
例えば、病院施設F内においても、上述した対象画像データの参照要求を受ける場合もある。この場合、医用画像管理装置120の制御部121は、対象画像データに関するステータス等の復元対象情報をデータベース124から抽出する(ステップS410)。
【0105】
制御部121は、データベース124の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をデータベース124に送信する(ステップS411)。データベース124は、制御部121から更新指示を受けると、対象画像データのステータスコードを「13:ストレージ復元要求中」に更新する。
【0106】
制御部121は、クラウドC上のデータベース240上の対象画像データのステータスを更新するための更新指示をネットワークNを介してウェブサーバー260に送信する(ステップS412)。更新指示には、対象画像データを復元中であることを示すステータスコード「20:ストレージ復元完了」が含まれる。
【0107】
ウェブサーバー260は、医用画像管理装置120から更新指示を受信すると、クラウドのデータベース240の対象画像データのステータスを確認する(ステップS413)。本実施の形態では、この段階で、対象画像データが低価格ストレージ230から標準ストレージ220に復元されている。
【0108】
ウェブサーバー260は、データベース240の対象画像データのステータスが復元済み状態であることを示す応答をネットワークNを介して医用画像管理装置120に送信する(ステップS414)。
【0109】
医用画像管理装置120の制御部121は、ウェブサーバー260から復元済み状態の応答を受信すると、対象画像データのステータスコードを「22:ストレージクラウド同期完了」に更新する(ステップS415)。このように、病院施設F側から同一の対象画像データに対して復元要求があった場合に、病院施設F側のデータベース124の対象画像データのステータスをクラウドC側のデータベース240の対象画像データのステータスと同期させる。
【0110】
以上説明したように、本実施の形態によれば、クラウドC上の低価格ストレージ230に保管されている画像データが参照要求された場合に、その画像データの保管状態を示すステータス等をワークリストに表示させる。これにより、ユーザーは、参照したい対象画像データのステータスを正確に把握することができる。例えば、ユーザーは、対象画像データが低価格ストレージ230にある場合、読み出しに時間がかかる、費用が発生する等のクラウドCにおける特有の課題を、対象画像データのダウンロード前に確認できる。その結果、クラウドC上の標準ストレージ220や低価格ストレージ230に保管されている画像データを効率的に管理できる。
【0111】
本実施の形態によれば、例えば画像データが低価格ストレージ230にある場合、復元に時間がかかる等の警告が表示されるので、その段階で画像データの参照、復元を停止するか又は継続するかを判断することができる。これにより、コストや作業時間等を重視する場合には、画像データの復元を停止することで、コストの削減を図ることができるとともに、作業時間の短縮化を図ることができる。
【0112】
本実施の形態によれば、病院施設Fの外部のクラウドC側からも、病院施設F内と同様に、参照したい画像データのステータスを表示部の画面から確認することができる。これにより、ユーザーは、参照したい画像データのステータスを把握することができ、クラウドC上の標準ストレージ220及び低価格ストレージ230に対して効率的に画像データを管理できる。また、例えば画像データが低価格ストレージ230にある場合、復元に時間がかかる等の警告が表示されるので、その段階で画像データの参照、復元を停止するか又は継続するかを判断することができる。
【0113】
本実施の形態によれば、一定期間参照されない画像データや今後参照される可能性の低い画像データを指定条件を予め設定することで、標準ストレージ220から低価格ストレージ230に移動させる。これにより、画像データをより効率的に管理することができると同時にコスト削減も図ることができる。
【0114】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例、改良を施したものは、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0115】
医用画像管理装置120等は、画像データとこの画像データのデータ量を縮小した縮小データとを有する場合、縮小データを標準ストレージ220に保管し、画像データのみを低価格ストレージ230に移動させてもよい。縮小データとしては、例えば、サムネイル画像データ等が挙げられる。これにより、効率的にストレージ管理を行うことができる。医用画像管理装置120等は、標準ストレージ220から低価格ストレージ230に画像データを移動させる場合、複数の画像データを一つのファイルにまとめて低価格ストレージ230に移動させてもよい。これにより、データ送信の効率化を図ることができる。
病院施設Fの外部の情報処理装置等から低価格ストレージ230に保管されている画像データを参照する場合についても、病院施設F内の情報処理装置150と同様の表示制御を提供できる。具体的には、病院施設Fの外部の情報処理装置等から画像データの参照要求があった場合、標準ストレージ220に復元される対象画像データの復元予定時刻を、表示画面に警告表示するようにしてもよい。さらに、画像データが標準ストレージ220に復元された場合に、復元後の画像データが標準ストレージ220から削除される削除予定時間を表示画面に表示してもよい。これにより、ユーザーは、対象画像データの復元時間を把握できるので、作業の効率化を図ることができる。
医用画像管理装置120等は、標準ストレージ220への画像データの複製が完了した場合、参照要求を送信した情報処理装置150等に対して復元した画像データを自動でダウンロードするように制御してもよい。また、画像データの復元後に画像データをダウンロードするか否かを選択するための選択情報を情報処理装置150の表示部154に表示するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0116】
10 医療情報保管システム
120 医用画像管理装置
121 制御部
124 データベース(第1のデータベース)
150 情報処理装置
154 表示部(表示装置)
210 管理装置
220 標準ストレージ(第1のストレージ)
230 低価格ストレージ(第2のストレージ)
240 データベース(第2のデータベース)
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10