IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エミウム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-制御装置、制御方法、及びプログラム 図1
  • 特開-制御装置、制御方法、及びプログラム 図2
  • 特開-制御装置、制御方法、及びプログラム 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024014312
(43)【公開日】2024-02-01
(54)【発明の名称】制御装置、制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240125BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20240125BHJP
   A61C 13/38 20060101ALI20240125BHJP
【FI】
G06Q30/06
G16H10/00
A61C13/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022117038
(22)【出願日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】520456402
【氏名又は名称】エミウム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】稲田 雅彦
【テーマコード(参考)】
5L049
5L099
【Fターム(参考)】
5L049BB23
5L049BB58
5L099AA00
(57)【要約】
【課題】歯科技工物の製作に関する効率をより向上させることが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択し、前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼する、制御部を備え、前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、前記制御部は、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択する、制御装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択し、
前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼する、
制御部を備え、
前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、
前記制御部は、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、
複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択する、
制御装置。
【請求項2】
前記第1製作装置の製作能力は、前記第1製作装置の製作精度、製作可能な歯科技工物の技工種別、又は歯科技工物の製作に使用可能な材料の少なくともいずれか1つを含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の稼働スケジュール、前記第1製作装置の稼働コスト、前記第1歯科技工所の属性情報、前記第1歯科技工所が過去に製作した歯科技工物の履歴、前記第1歯科技工所が過去に製作した歯科技工物が受けた評価、前記第1歯科技工所の売り上げ、又は前記第1歯科技工所の受注状況の少なくともいずれか1つを含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記製作依頼の依頼元の情報にさらに基づいて、前記第2製作装置を選択し、
前記依頼元の情報は、前記依頼元の属性情報、前記依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物の履歴、前記依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物に付与した評価、又は前記第2歯科技工所に対して前記依頼元が要求する条件の少なくともいずれか1つを含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
前記製作依頼は、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する際に満たすべき1つ以上の製作条件にさらに基づいて、第2製作装置を選択し、
前記製作条件は、前記製作依頼に係る歯科技工物の、納期、品質、信頼性、又は価格の少なくともいずれか1つに関する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、一部の前記製作条件が指定された場合に、指定可能な他の前記製作条件を示す情報を生成し、前記製作依頼の依頼元に提示する、
請求項5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1歯科技工所に所属する歯科技工士の情報を含み、
前記歯科技工士の情報は、前記歯科技工士の能力、前記歯科技工士の適性、前記歯科技工士の稼働コスト、又は前記歯科技工士の稼働スケジュールの少なくともいずれか1つを含む、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工士を選択する、
請求項7に記載の制御装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物を、前記第2歯科技工所が保有する切削済みの材料を切削して製作するよう前記第2歯科技工所に依頼する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物と、ひとつ以上の他の製作依頼に係る歯科技工物とを、1つの切削加工用の材料を切削して製作するよう前記第2歯科技工所に依頼する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項11】
前記製作依頼は、前記製作依頼に係る患者の情報を含み、
前記患者の情報は、前記患者の口腔内の3次元データ、前記製作依頼に係る歯科技工物の3次元データ、又は前記患者の属性情報の少なくともいずれか1つを含み、
前記制御部は、前記患者の情報に基づいて、前記製作依頼の内容を変更し、及び/又は前記第2製作装置を選択する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項12】
歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択することと、
前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼することと、
を含み、
前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、
前記第2製作装置を選択することは、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択することを含む、
コンピュータにより実行される制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、
歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択し、
前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼する、
制御部として機能させ、
前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、
前記制御部は、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、
複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、歯科技工物の製作のスマート化が進んでいる。例えば、3次元(Dimension)カメラ、CT(Computed Tomography)スキャナ、又はCAD/CAM(Computer-Aided Design/Computer-Aided Manufacturing)装置等を用いて、歯科技工物を設計及び製作することが普及している。
【0003】
歯科技工物の製作を発注する歯科医院又は歯科技工所と、発注を受けて歯科技工物を製作する歯科技工所と、の間のコミュニケーションに関してもスマート化が進みつつある。例えば、下記特許文献1では、歯科技工物のWEB受発注システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6441419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で向上の余地が残されている。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、歯科技工物の製作に関する効率をより向上させることが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択し、前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼する、制御部を備え、前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、前記制御部は、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択する、制御装置が提供される。
【0008】
前記第1製作装置の製作能力は、前記第1製作装置の製作精度、製作可能な歯科技工物の技工種別、又は歯科技工物の製作に使用可能な材料の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0009】
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の稼働スケジュール、前記第1製作装置の稼働コスト、前記第1歯科技工所の属性情報、前記第1歯科技工所が過去に製作した歯科技工物の履歴、前記第1歯科技工所が過去に製作した歯科技工物が受けた評価、前記第1歯科技工所の売り上げ、又は前記第1歯科技工所の受注状況の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0010】
前記制御部は、前記製作依頼の依頼元の情報にさらに基づいて、前記第2製作装置を選択し、前記依頼元の情報は、前記依頼元の属性情報、前記依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物の履歴、前記依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物に付与した評価、又は前記第2歯科技工所に対して前記依頼元が要求する条件の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0011】
前記製作依頼は、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する際に満たすべき1つ以上の製作条件にさらに基づいて、第2製作装置を選択し、前記製作条件は、前記製作依頼に係る歯科技工物の、納期、品質、信頼性、又は価格の少なくともいずれか1つに関していてもよい。
【0012】
前記制御部は、一部の前記製作条件が指定された場合に、指定可能な他の前記製作条件を示す情報を生成し、前記製作依頼の依頼元に提示してもよい。
【0013】
前記第1歯科技工所の情報は、前記第1歯科技工所に所属する歯科技工士の情報を含み、前記歯科技工士の情報は、前記歯科技工士の能力、前記歯科技工士の適性、前記歯科技工士の稼働コスト、又は前記歯科技工士の稼働スケジュールの少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。
【0014】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工士を選択してもよい。
【0015】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物を、前記第2歯科技工所が保有する切削済みの材料を切削して製作するよう前記第2歯科技工所に依頼してもよい。
【0016】
前記制御部は、前記製作依頼に係る歯科技工物と、ひとつ以上の他の製作依頼に係る歯科技工物とを、1つの切削加工用の材料を切削して製作するよう前記第2歯科技工所に依頼してもよい。
【0017】
前記製作依頼は、前記製作依頼に係る患者の情報を含み、前記患者の情報は、前記患者の口腔内の3次元データ、前記製作依頼に係る歯科技工物の3次元データ、又は前記患者の属性情報の少なくともいずれか1つを含み、前記制御部は、前記患者の情報に基づいて、前記製作依頼の内容を変更し、及び/又は前記第2製作装置を選択してもよい。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択することと、前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼することと、を含み、前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、前記第2製作装置を選択することは、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択することを含む、コンピュータにより実行される制御方法が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、歯科技工物の製作を依頼する情報である製作依頼と、歯科技工物を製作可能な第1製作装置を運用する複数の第1歯科技工所の情報と、に基づいて、前記製作依頼に係る歯科技工物を製作する第2製作装置を選択し、前記製作依頼に係る歯科技工物を前記第2製作装置が製作するよう前記第2製作装置を運用する第2歯科技工所に依頼する、制御部として機能させ、前記製作依頼を、歯科技工指示書の情報を含み前記第1歯科技工所の情報は、前記第1製作装置の製作能力を示す情報を含み、前記制御部は、前記第2製作装置が満たすべき製作能力を、前記製作依頼に基づいて抽出し、複数の前記第1製作装置のうち抽出した製作能力を満たす前記第1製作装置を前記第2製作装置として選択する、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、歯科技工物の製作に関する効率をより向上させることが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。
図2】本実施形態に係るシステムにより実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて端末装置10A、10B及び10Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、端末装置10A、10B及び10Cを特に区別する必要が無い場合には、単に端末装置10と称する。
【0024】
<1.概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の概要を説明するための図である。図1に示すように、システム1は、複数の端末装置10(10A~10C)、制御装置20、及び複数の歯科技工所30(30A~30C)を含む。端末装置10と制御装置20、並びに制御装置20と歯科技工所30とは、インターネット等のネットワークを介して接続される。
【0025】
端末装置10は、製作依頼を入力するユーザ操作を受け付ける情報処理装置である。製作依頼とは、歯科技工物の製作を依頼する情報である。端末装置10を操作するユーザは、歯科医師、又は歯科医師の監督の元に作業する、歯科技工士又は看護師等のスタッフである。端末装置10は、歯科医院に配置される。端末装置10は、UI(User Interface)画面を表示して、患者の口腔に装着される歯科技工物に関する製作依頼を入力するユーザ操作を受け付ける。そして、端末装置10は、入力された製作依頼を制御装置20へ送信する。
【0026】
歯科技工所30は、歯科技工物を製作する施設である。歯科技工所30は、1つ以上の製作装置31を運用する。例えば、歯科技工所30Aは、複数の製作装置31(31A及び31B等)を運用する。製作装置31を運用することは、製作装置31を所有することの他、製作装置31を借りて使用すること、及び製作装置31を使用する下請けに外注することを指していてもよい。製作装置31は、歯科技工物を製作する装置である。製作装置31としては、3Dプリンタ及びミリングマシン等が挙げられる。歯科技工所30には、1人以上の歯科技工士が所属しており、製作装置31を操作したり、製作装置31により製作された歯科技工物に対し研磨等の加工を施したりして、最終的な歯科技工物を製作する。製作装置31と歯科技工士が協働して歯科技工物を製作することを、製作装置31が歯科技工物を製作する、歯科技工士が歯科技工物を製作する、又は歯科技工所30が歯科技工物を製作する、とも称する。歯科技工所30は、歯科技工物の材料を保有する。ここでの材料とは、歯科材料(dental material(s))を指す。また、材料とは、歯科技工物を製作するために製作装置31にセットされる物体を指し、メーカー、シェード(即ち、色)、及び大きさ等が特定された物体であるものとする。材料は、メーカー及び商品名等から成る識別情報により、一意に識別され得る。歯科技工所30は、製作依頼に基づいて、歯科技工物を製作する。そして、歯科技工所30は、製作した歯科技工物を、依頼元(即ち、端末装置10が配置された歯科医院)へ送付する。製作依頼に基づいて製作される歯科技工物を、以下では製作依頼に係る歯科技工物とも称する。
【0027】
制御装置20は、システム1の全体を制御する情報処理装置である。制御装置20は、端末装置10に入力された製作依頼を、任意の歯科技工所30へ送信する。製作依頼を送信することは、歯科技工物を発注することを兼ねていてもよい。その場合、歯科技工所30は、受信した製作依頼に基づいて歯科技工物を製作し、依頼元へ送付する。
【0028】
制御装置20は、歯科医院と歯科技工所30とを、製作依頼ごとにマッチングする。詳しくは、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物の製作を依頼する歯科技工所30を選択し、選択した歯科技工所30へ製作依頼を送信する。かかる構成によれば、複数の歯科技工所30のうち最適な歯科技工所30に、歯科技工物の製作を依頼することが可能となる。
【0029】
従来の歯科技工物のWEB受発注システムでは、特定の歯科技工所に歯科技工物を発注する等、硬直的なマッチングが行われていた。そのため、多数存在する歯科技工所のリソースを効率的に活用することが困難であった。そこで、本実施形態では、歯科医院と歯科技工所とのマッチングをより効率的に実施することが可能な仕組みを提供する。
【0030】
<2.技術的特徴>
(1)マッチングの概要
制御装置20は、制御装置20が記憶した、若しくは端末装置10又は歯科技工所30から取得した各種情報に基づいて、マッチングを行う。
【0031】
具体的には、制御装置20は、複数の歯科技工所30から、製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工所30を選択する。複数の歯科技工所30(第1歯科技工所に相当)のうち、製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30(第2歯科技工所に相当)とも称する。そして、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物を製作するよう、製作担当の歯科技工所30へ依頼する。具体的には、制御装置20は、選択した製作担当の歯科技工所30へ、製作依頼を送信する。かかる構成によれば、適切な歯科技工所30に、製作依頼に係る歯科技工物を製作させることが可能となる。
【0032】
製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工所30を選択することは、製作依頼に係る歯科技工物を製作する製作装置31を選択することを含んでいてもよい。即ち、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物を製作する製作装置31を選択してもよい。複数の製作装置31(第1製作装置に相当)のうち、製作依頼に係る歯科技工物を製作する製作装置31を、製作担当の製作装置31(第2製作装置に相当)とも称する。制御装置20は、製作担当の製作装置31を選択した場合、製作依頼に係る歯科技工物を製作担当の製作装置31が製作するよう、製作担当の製作装置31を運用する製作担当の歯科技工所30へ依頼する。かかる構成によれば、適切な製作装置31に、製作依頼に係る歯科技工物を製作させることが可能となる。
【0033】
さらに、製作依頼に係る歯科技工物を製作することは、製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工士を選択することを含んでいてもよい。即ち、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工士を選択してもよい。製作依頼に係る歯科技工物を製作する歯科技工士を、製作担当の歯科技工士とも称する。制御装置20は、製作担当の歯科技工士を選択した場合、製作依頼に係る歯科技工物を製作担当の歯科技工士が製作するよう、製作担当の歯科技工士が所属する製作担当の歯科技工所30へ依頼する。かかる構成によれば、適切な歯科技工士に製作依頼に係る歯科技工物を製作させることが可能となる。
【0034】
端末装置10が制御装置20へ送信する製作依頼と、制御装置20が歯科技工所30へ送信する製作依頼とは、同一であってもよい。例えば、制御装置20は、端末装置10から受信した製作依頼をそのまま、製作担当の歯科技工所30へ送信してもよい。端末装置10が制御装置20へ送信する製作依頼と、制御装置20が歯科技工所30へ送信する製作依頼とは、異なっていてもよい。一例として、制御装置20は、端末装置10から受信した製作依頼に対し、患者の個人情報を削除したり、足りない情報を補ったりする等の変更を施した上で、製作担当の歯科技工所30へ送信してもよい。他の一例として、制御装置20は、製作担当の製作装置31及び製作担当の歯科技工士を指定する情報を、製作依頼に追加した上で、製作担当の歯科技工所30へ送信してもよい。
【0035】
以下、図2を参照しながら、マッチングに係る処理の流れの一例を説明する。
【0036】
図2は、本実施形態に係るシステム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、端末装置10、制御装置20、及び歯科技工所30が関与する。
【0037】
図2に示すように、まず、端末装置10は、製作依頼の入力を受け付ける(ステップS102)。例えば、端末装置10は、所定のUI(User Interface)画面を表示して、表示したUI画面において製作依頼の入力を受け付ける。
【0038】
次いで、端末装置10は、入力された製作依頼を制御装置20へ送信する(ステップS104)。
【0039】
制御装置20は、製作依頼を受信すると、受信した製作依頼、及びその他の各種情報に基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択する(ステップS106)。その際、制御装置20は、製作担当の製作装置31、及び製作担当の歯科技工士を選択してもよい。
【0040】
次いで、制御装置20は、製作依頼を、製作担当の歯科技工所30へ送信する(ステップS108)。
【0041】
そして、歯科技工所30は、受信した製作依頼に基づいて、製作依頼に係る歯科技工物を製作する(ステップS110)。例えば、歯科技工所30において、製作担当の歯科技工士が、製作担当の製作装置31を操作して、製作依頼に係る歯科技工物を製作する。
【0042】
その後、歯科技工所30は、製作依頼に係る歯科技工物を依頼元へ送付する(ステップS112)。
【0043】
そして、端末装置10は、受け取った歯科技工物に対する評価を、制御装置20へ送信する(ステップS114)。例えば、端末装置10は、歯科医師から評価の入力を受け付け、入力された評価を制御装置20へ送信する。
【0044】
次いで、制御装置20は、受信した評価を記憶する(ステップS116)。例えば、制御装置20は、評価を付与した歯科医師と、評価を受けた歯科技工物の情報と、当該歯科技工物を製作した歯科技工所30、製作装置31、及び歯科技工士とを、対応付けて記憶する。
【0045】
以上、マッチングに係る処理の流れの一例を説明した。具体的なマッチング方法は多様に考えられる。以下では、マッチング方法の具体例を説明する。
【0046】
(2)歯科技工指示書の情報に基づくマッチング
製作依頼は、歯科技工指示書の情報を含む。歯科技工指示書とは、歯科医師から歯科技工所へ受け渡される書類であって、歯科技工物の製作指示が記載される書類である。歯科技工指示書には、患者の氏名、歯科技工物の設計(歯科技工物の技工種別を含む)、歯科技工物の製作方法、歯科技工物に使用する材料及び発行した歯科医師の氏名等が記載される。歯科技工指示書の情報は、電子データとして生成された歯科技工指示書であってもよいし、紙の歯科技工指示書をスキャンしたデータであってもよい。また、歯科技工指示書の情報は、歯科技工指示書に対しOCR(Optical Character Recognition)又は自然言語解析等を適用することで得られた情報であってもよい。
【0047】
制御装置20は、歯科技工指示書において指示された歯科技工物を製作可能な歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択する。かかる構成によれば、歯科技工指示書を発行した歯科医師が望む歯科技工物を、適切に製作し、納品することが可能となる。
【0048】
(3)歯科技工所の情報に基づくマッチング
制御装置20は、システム1に含まれる複数の歯科技工所30の情報に基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択する。歯科技工所30の情報は、制御装置20に記憶されていてもよいし、歯科技工所30から取得されてもよい。かかる構成によれば、より適切なマッチングが可能となる。
【0049】
-製作装置31の情報に基づくマッチング
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30が運用するひとつ以上の製作装置31の情報を含んでいてもよい。とりわけ、歯科技工所30の情報は、歯科技工所30が運用するひとつ以上の製作装置31の各々の製作能力を示す情報を含む。製作装置31の製作能力は、製作装置31の製作精度、製作可能な歯科技工物の技工種別、又は歯科技工物の製作に使用可能な材料の少なくともいずれか1つを含む。製作装置31の製作精度とは、例えば、製作装置31が切削装置であれば切削加工の精度を指し、製作装置31が3DプリンタであればXY方向の解像度及びZ方向の積層ピッチを指す。歯科技工物の技工種別としては、矯正、補綴、インプラント、及び義歯(即ち、入れ歯)が挙げられる。補綴の中の技工種別として、クラウン、アンレー、インレー、及びポンティックが挙げられる。
【0050】
制御装置20は、製作担当の製作装置31が満たすべき製作能力を、製作依頼に基づいて抽出する。そして、制御装置20は、複数の製作装置31のうち抽出した製作能力を満たす製作装置31を、製作担当の製作装置31として選択する。一例として、制御装置20は、歯科技工指示書において指示された技工種別の歯科技工物を製作可能な製作装置31を、製作担当の製作装置31として選択する。他の一例として、制御装置20は、歯科技工指示書において指示された材料を使用可能な製作装置31を、製作担当の製作装置31として選択する。かかる構成によれば、製作依頼に係る歯科技工物を適切に製作可能な製作装置31を、製作担当の製作装置31として選択することが可能となる。
【0051】
ここで、製作装置31の製作能力を示す情報は、製作装置31のメーカー及び型番であってもよい。その場合、制御装置20は、製作装置31のメーカー及び型番に基づいて、仕様としての製作装置31の製作能力を取得する。
【0052】
さらに、製作装置31の製作能力を示す情報は、製作装置31の運用方針を含んでいてもよい。製作装置31は、メンテナンスコストを低下させる等の目的で、使用可能な材料のうち一部の材料のみを使用する等、仕様の範囲内で限定的に運用される場合がある。製作装置31の運用方針とは、このような限定的な運用の方針を指す。制御装置20は、製作装置31のメーカー及び型番に基づいて取得された仕様としての製作装置31の製作能力と、製作装置31の運用方針と、に基づいて、実際の製作装置31の製作能力を取得する。そして、制御装置20は、製作依頼により示される必要な製作能力を、実際の製作能力として有する製作装置31を、製作担当の製作装置31として選択する。かかる構成によれば、製作装置31の運用方針を考慮したマッチングが可能となる。
【0053】
製作装置31の情報は、製作装置31の稼働コストを含んでいてもよい。稼働コストとは、単位時間当たりに、又は歯科技工物をひとつ製作する際に消費されるコストであり、時間的コスト、又は金銭的コストの少なくともいずれか1つを含む概念である。例えば、制御装置20は、稼働コストがより低い製作装置31を、製作担当の製作装置31として優先的に選択してもよい。
【0054】
製作装置31の情報は、製作装置31の稼働スケジュールを含んでいてもよい。製作装置31の稼働スケジュールとは、製作装置31が稼働する予定の時間帯、製作装置31が稼働しない予定の時間帯、及び製作装置31が稼働しない予定の時間帯のうち稼働可能な時間帯等を含む。例えば、制御装置20は、稼働可能な時間帯がより多い製作装置31を、製作担当の製作装置31として優先的に選択してもよい。
【0055】
-歯科技工士の情報の情報に基づくマッチング
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30に所属する歯科技工士の情報を含んでいてもよい。そして、制御装置20は、歯科技工士の情報に基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。とりわけ、制御装置20は、歯科技工士の情報に基づいて、製作担当の歯科技工士を選択してもよい。かかる構成によれば、適切な歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として選択することが可能となる。
【0056】
歯科技工士の情報は、歯科技工士の能力を示す情報を含んでいてもよい。歯科技工士の能力とは、歯科技工物の製作に関する習熟度を指す。制御装置20は、歯科技工士が過去に製作した歯科技工物、歯科技工士が過去に使用した製作装置31、及び過去に製作した歯科技工物に対して付与された評価等に基づいて、歯科技工士の能力を推定し得る。歯科技工士の能力は、技工種別及び製作装置31ごとに推定されてもよい。そして、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物に関する能力がより高い歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として優先的に選択してもよい。
【0057】
歯科技工士の情報は、歯科技工士の適性を示す情報を含んでいてもよい。歯科技工士の適性としては、歯科技工士が得意な技工種別、得意な材料、取り扱いに慣れた製作装置31等が挙げられる。制御装置20は、歯科技工士が過去に製作した歯科技工物、過去に使用した材料、過去に使用した製作装置31、及び過去に製作した歯科技工物に対して付与された評価に基づいて、歯科技工士の適性を推定し得る。そして、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物に適性があり、製作担当の製作装置31に適性がある歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として優先的に選択してもよい。
【0058】
歯科技工士の情報は、歯科技工士の稼働コストを含んでいてもよい。例えば、制御装置20は、稼働コストがより低い歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として選択してもよい。
【0059】
歯科技工士の情報は、歯科技工士の稼働スケジュールを含んでいてもよい。歯科技工士の稼働スケジュールとは、歯科技工士が稼働する予定の時間帯、歯科技工士が稼働しない予定の時間帯、及び歯科技工士が稼働しない予定の時間帯のうち稼働可能な時間帯等を含む。例えば、制御装置20は、稼働可能な時間帯がより多い歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として優先的に選択してもよい。
【0060】
-その他の情報に基づくマッチング
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30の属性情報を含んでいてもよい。歯科技工所30の属性情報の一例は、歯科技工所30の住所、運用する製作装置31の数、所属する歯科技工士の数、及び年間で製作可能な歯科技工物の数である。一例として、制御装置20は、依頼元から地理的に近い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。他の一例として、制御装置20は、歯科技工所30が運用する製作装置31の数、所属する歯科技工士の数、及び年間で製作可能な歯科技工物の数に基づいて歯科技工所30の製作余力を推定してもよい。そして、制御装置20は、製作余力がより多い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。
【0061】
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30が過去に製作した歯科技工物の履歴を含んでいてもよい。例えば、歯科技工所30が過去に製作した技工種別ごとの歯科技工物の数は、歯科技工所30に蓄積した技工種別ごとのノウハウに対応する。そこで、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物の技工種別について特にノウハウが蓄積された歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0062】
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30が過去に製作した歯科技工物が受けた評価を含んでいてもよい。例えば、制御装置20は、歯科技工所30が過去に製作した歯科技工物が受けた評価に基づいて、歯科技工所30が製作する歯科技工物の品質及び信頼性を推定する。そして、制御装置20は、推定した品質及び信頼性が高い歯科技工物を製作する歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。さらに、制御装置20は、依頼元が良い評価を付与した歯科技工物を製作した歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0063】
ここで、歯科技工所30が過去に製作した歯科技工物が受けた評価は、当該歯科技工物を製作した製作装置31に対応付けられていてもよい。その場合、制御装置20は、製作装置31が過去に製作した歯科技工物が受けた評価に基づいて、製作装置31が製作する歯科技工物の品質及び信頼性を推定する。そして、制御装置20は、推定した品質及び信頼性が高い歯科技工物を製作する製作装置31を、製作担当の製作装置31として優先的に選択してもよい。さらに、制御装置20は、依頼元が良い評価を付与した歯科技工物を製作した製作装置31を、製作担当の製作装置31として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0064】
同様に、歯科技工所30が過去に製作した歯科技工物が受けた評価は、当該歯科技工物を製作した歯科技工士に対応付けられていてもよい。その場合、制御装置20は、歯科技工士が過去に製作した歯科技工物が受けた評価に基づいて、歯科技工士が製作する歯科技工物の品質及び信頼性を推定する。そして、制御装置20は、推定した品質及び信頼性が高い歯科技工物を製作する歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として優先的に選択してもよい。さらに、制御装置20は、依頼元が良い評価を付与した歯科技工物を製作した歯科技工士を、製作担当の歯科技工士として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0065】
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30の売り上げを含んでいてもよい。例えば、制御装置20は、売り上げが低い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、経営の厳しい歯科技工所30を支援することが可能となる。
【0066】
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30の受注状況を含んでいてもよい。例えば、歯科技工所30の情報は、歯科技工所30の月ごとの受注数を含んでいてもよい。歯科技工所30の月ごとの受注数が過度に多い場合、歯科技工士の稼働スケジュールが過密になる結果、製作される歯科技工物の品質が低下し得る。そこで、制御装置20は、歯科技工所30の月ごとの受注数が平準化するように、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。かかる構成によれば、歯科技工所30が製作する歯科技工物の品質を高く維持することが可能である。
【0067】
(4)製作条件に基づくマッチング
製作依頼は、製作依頼に係る歯科技工物を製作する際に満たすべき1つ以上の製作条件を含んでいてもよい。製作条件は、製作依頼に係る歯科技工物の、納期、品質、信頼性、又は価格の少なくともいずれか1つに関する。納期は、例えば、歯科技工物が依頼元に到着する日時である。品質は、例えば、歯科技工物の精度及び審美性である。信頼性は、例えば、歯科技工物の耐用年数である。価格は、例えば、依頼元が支払う金額である。
【0068】
制御装置20は、製作依頼に含まれる製作条件にさらに基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択する。制御装置20は、製作条件を満たすことが可能な歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択する。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0069】
歯科技工物の納期は、製作装置31の稼働スケジュール、歯科技工士の稼働スケジュール、並びに歯科技工所30における材料の在庫及び仕入れ予定等に基づいて、推定され得る。そこで、制御装置20は、これらの情報に基づいて推定した歯科技工物の納期が、製作条件として指定された納期を満たす歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択する。
【0070】
歯科技工物の品質及び信頼性は、製作装置31の情報に基づいて取得可能な製作装置31の加工精度と、歯科技工士の情報に基づいて推定可能な歯科技工士による仕上げの精度と、歯科技工指示書において指定された材料と、により推定され得る。そこで、制御装置20は、これらの情報に基づいて推定した歯科技工物の品質及び信頼性が、製作条件として指定された品質及び信頼性を満たす歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30を選択する。
【0071】
歯科技工物の価格は、歯科技工指示書において指定された材料と、製作装置31の稼働コストと、歯科技工士の稼働コストと、に基づいて推定され得る。そこで、制御装置20は、これらの情報に基づいて推定した歯科技工物の価格が、製作条件として指定された価格を満たす歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択する。
【0072】
(5)依頼元の情報に基づくマッチング
制御装置20は、依頼元の情報に基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。依頼元の情報は、制御装置20に記憶されていてもよいし、製作依頼に含まれてもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度をより向上させることが可能となる。
【0073】
依頼元の情報は、依頼元の属性情報を含んでいてもよい。依頼元の属性情報の一例は、依頼元の住所である。例えば、制御装置20は、依頼元の属性情報に基づいて製作依頼に係る歯科技工物の納期を計算して、納期がより早い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度をより向上させることが可能となる。
【0074】
依頼元の情報は、依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物の履歴を含んでいてもよい。一例として、制御装置20は、依頼元が過去に依頼した歯科技工物を製作した経験が多い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元と製作担当の歯科技工所30とのコミュニケーションコストを低下させることが可能となる。
【0075】
依頼元の情報は、依頼元が過去に製作を依頼した歯科技工物に付与した評価を含んでいてもよい。例えば、制御装置20は、依頼元が良い評価を付与した歯科技工物を製作した歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0076】
依頼元の情報は、製作担当の歯科技工所30に対して依頼元が要求する条件を含んでいてもよい。依頼元が要求する条件の一例は、個人経営の歯科技工所30を避けることである。例えば、制御装置20は、依頼元が要求する条件を満たす歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、依頼元の満足度を向上させることが可能となる。
【0077】
(6)患者の情報に基づくマッチング
制御装置20は、製作依頼に係る患者の情報に基づいて、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。製作依頼に係る患者とは、製作依頼に係る歯科技工物が装着される予定の患者である。患者の情報は、制御装置20に記憶されていてもよいし、製作依頼に含まれてもよい。かかる構成によれば、患者の満足度をより向上させることが可能となる。
【0078】
患者の情報は、患者の属性情報を含んでいてもよい。患者の属性情報の一例は、患者の年齢、及び性別である。一例として、制御装置20は、患者の年齢及び性別に基づいて製作依頼に係る歯科技工物の大きさを推定し、適切な大きさの材料を選択してもよい。ハイブリッドレジンブロック等のブロック状の材料に関して言えば、歯科技工物を製作するための必要十分な大きさの材料を選択することで、材料効率を向上させることが可能となる。他の一例として、制御装置20は、患者と同一の年齢及び性別の他の患者に装着される歯科技工物を製作した経験が多い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、患者の満足度を向上させることが可能となる。
【0079】
患者の情報は、患者の口腔内の3次元データを含んでいてもよい。また、患者の情報は、製作依頼に係る歯科技工物の3次元データを含んでいてもよい。3次元データは、STL(Stereolithography)データであってもよい。STLデータは、3次元の立体形状を、ポリゴンとも称される小さな三角形の集合体で表現したデータである。3次元データは、PLY(Polygon File Format)データであってもよい。PLYデータは、3次元の立体形状を、頂点と面との組み合わせにより表現したデータである。PLYデータは、STLデータと異なり、立体表面の色等の他の情報を含み得る。
【0080】
一例として、制御装置20は患者の口腔内のPLYデータに基づいて、製作依頼に係る歯科技工物の大きさ及び適切なシェードを推定し、適切な大きさ及びシェードの材料を選択してもよい。かかる構成によれば、材料効率を向上させ、患者の満足度を向上させることが可能となる。
【0081】
他の一例として、制御装置20は、患者の口腔内の3次元データ、又は製作依頼に係る歯科技工物の3次元データに基づいて、製作担当の製作装置31が満たすべき製作能力を抽出し、抽出した製作能力を満たす製作装置31を製作担当の製作装置31として選択してもよい。歯科技工物が装着される位置(即ち、前歯か奥歯か等)、歯科技工物のシェード、歯科技工物の大きさ、及び歯科技工物の審美性に応じて、歯科技工物に要される品質及び信頼性が変化し得る。この点、かかる構成によれば、材料効率を向上させ、患者の満足度を向上させることが可能となる。
【0082】
他の一例として、製作依頼が、患者の口腔内の3次元データを含む一方で、製作依頼に係る歯科技工物の3次元データを含まない場合があり得る。その場合、制御装置20は、患者の口腔内の3次元データに基づいて製作依頼に係る歯科技工物の3次元データを生成するサービスを提供する歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択してもよい。かかる構成によれば、製作依頼に係る歯科技工物の3次元データを自前で準備することが困難な歯科医院であっても、歯科技工物を発注することが可能となる。
【0083】
(7)製作依頼の変更
上記説明したように、制御装置20は、端末装置10から受信した製作依頼を変更した上で、製作担当の歯科技工所30へ送信してもよい。以下、製作依頼の変更方法の一例を説明する。
【0084】
例えば、制御装置20は、製作条件に基づいて、歯科技工指示書の情報を変更してもよい。歯科技工指示書において指定された材料では、製作条件において指定された品質を満たすことが困難な場合があり得る。そのような場合、制御装置20は、歯科技工指示書において指定された材料を、製作条件において指定された品質を満たすことが可能な材料に変更してもよい。
【0085】
例えば、制御装置20は、患者の情報に基づいて、製作依頼の内容を変更してもよい。一例として、制御装置20は、患者の情報に基づいて製作依頼に係る歯科技工物の大きさを推定し、推定した大きさに過不足ない材料を使用するよう、製作依頼において指定された材料を変更してもよい。かかる構成によれば、材料効率を向上させることが可能となる。他の一例として、制御装置20は、歯科技工指示書において指定された材料を、患者の口腔内のPLYデータに基づいて取得した患者の他の歯のシェードに一致するシェードの材料に、変更してもよい。かかる構成によれば、大きすぎる材料を使用することが防止されたり、既存の歯と歯科技工物との間のシェードの不一致に伴う歯科技工物の作り直しが防止されたりする等、歯科技工物の製作に関する効率を向上させることが可能となる。
【0086】
ここで、制御装置20は、製作依頼の変更に関し、依頼元に了承を得てもよい。そして、制御装置20は、依頼元が了承した場合に限定して、製作依頼を変更してもよい。例えば、依頼元は、一部の製作条件を指定し、他の製作条件を指定しない場合がある。その場合、制御装置20は、指定可能な他の製作条件を示す情報を生成し、依頼元に提示してもよい。そして、制御装置20は、依頼元が同意した製作条件に基づいて、マッチングを行ってもよい。例えば、依頼元が納期及び価格を指定した場合、制御装置20は、依頼元が指定した納期及び価格を満たしつつ、達成可能な品質及び信頼性の候補を抽出して、依頼元に提示する。このような指定可能な製作条件の候補の抽出は、エキスパートモデル又は強化学習により実現され得る。かかる構成によれば、依頼元は、優先度の高い製作条件については明示的に指定しつつ、優先度の低い製作条件については提示された候補の中から許容可能な候補を選択する、といった柔軟な依頼が可能となる。
【0087】
<3.ハードウェア構成例>
以下では、図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成について説明する。図3は、本実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。なお、図3に示す情報処理装置900は、例えば、図1に示した端末装置10、制御装置20、又は歯科技工所30に配置され制御装置20と通信する情報処理装置を実現し得る。本実施形態に係る端末装置10、制御装置20、又は歯科技工所30に配置された情報処理装置による情報処理は、ソフトウェアと、以下に説明するハードウェアとの協働により実現される。
【0088】
図3に示すように、情報処理装置900は、CPU(Central Processing Unit)901、ROM(Read Only Memory)902、RAM(Random Access Memory)903及びホストバス904aを備える。また、情報処理装置900は、ブリッジ904、外部バス904b、インタフェース905、入力装置906、出力装置907、ストレージ装置908、及び通信装置909を備える。
【0089】
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、各種プログラムに従って情報処理装置900内の動作全般を制御する。情報処理装置900は、CPU901に代えて、又はこれとともに、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)若しくはASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の電気回路を有してもよい。ROM902は、CPU901が使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶する。RAM903は、CPU901によるプログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。CPU901は、例えば、端末装置10の動作全般を制御する制御部を構成し得る。また、CPU901は、例えば、制御装置20の動作全般を制御する制御部を構成し得る。また、CPU901は、例えば、歯科技工所30に配置された情報処理装置の動作全般を制御する制御部を構成し得る。
【0090】
CPU901、ROM902及びRAM903は、CPUバスなどを含むホストバス904aにより相互に接続されている。ホストバス904aは、ブリッジ904を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス904bに接続されている。なお、必ずしもホストバス904a、ブリッジ904及び外部バス904bを分離構成する必要はなく、1つのバスにこれらの機能を実装してもよい。
【0091】
入力装置906は、ユーザから情報が入力される装置である。そのような装置としては、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ及びレバー等が挙げられる。他にも、入力装置906は、音声入力を受け付けるマイクロフォン、又はジェスチャ入力を受け付けるカメラを含んでいてもよい。情報処理装置900のユーザは、入力装置906を操作することにより、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理の実行を指示したりすることができる。入力装置906は、例えば、端末装置10においてユーザ操作の入力を受け付ける。
【0092】
出力装置907は、情報をユーザに対して出力する装置である。そのような装置として、ディスプレイ及びプロジェクタ等の視覚情報を出力する装置、スピーカ等の聴覚情報を出力する装置、並びに偏心モータ等の触覚情報を出力する装置等が挙げられる。出力装置907は、例えば、情報処理装置900が行った各種処理により得られた結果を出力する。出力装置907は、例えば、端末装置10において、製作依頼の入力のためのUI画面を表示する。
【0093】
ストレージ装置908は、データを格納する装置である。そのような装置としては、HDD等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、及び光磁気記憶デバイス等が挙げられる。ストレージ装置908は、記憶媒体、記憶媒体にデータを記録する記録装置、記憶媒体からデータを読み出す読出し装置及び記憶媒体に記録されたデータを削除する削除装置などを含んでもよい。ストレージ装置908は、例えば、制御装置20において、マッチングのための各種情報を記憶する。
【0094】
通信装置909は、有線又は無線で他の装置と通信する装置である。通信装置909は、例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、LTE(Long Term Evolution)、LPWA(Low Power Wide Area)、又はUSB(Universal Serial Bus)等の任意の通信規格に準拠した通信を行う。
【0095】
以上、本実施形態に係る情報処理装置900の機能を実現可能なハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて実現されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより実現されていてもよい。従って、本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0096】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0097】
(1)第1の変形例
1つの材料から、複数の歯科技工物を製作可能な場合がある。そのような材料としては、ジルコニアディスク及びハイブリッドレジンディスク等のディスク状の材料が挙げられる。切削済みの材料であって、他の歯科技工物を切削可能な余白を残す材料は、材料在庫として保有され得る。
【0098】
歯科技工所30の情報は、歯科技工所30が保有する切削済みの材料の情報を含んでいてもよい。例えば、歯科技工所30が保有する切削済みの材料の情報は、切削済みの材料の識別情報、及び当該切削済みの材料における他の歯科技工物を切削可能な余白の形状及び大きさを示す情報を含む。そして、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物を、製作担当の歯科技工所30が保有する切削済みの材料を切削して製作するよう、製作担当の歯科技工所30に依頼してもよい。一例として、制御装置20は、製作担当の歯科技工所30を選択した後、製作依頼に係る歯科技工物を切削可能な余白を有する切削済みの材料が製作担当の歯科技工所30に保有されているか否かを判定する。そして、制御装置20は、保有されていると判定した場合に、当該切削済みの材料を使用するよう指示する情報を製作依頼に追加してもよい。他の一例として、制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物を切削可能な余白を有する材料が保有されている歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として優先的に選択してもよい。かかる構成によれば、材料の効率的な活用が可能となる。
【0099】
制御装置20は、製作依頼に係る歯科技工物と、ひとつ以上の他の製作依頼に係る歯科技工物とを、1つの切削加工用の材料を切削して製作するよう製作担当の歯科技工所30に依頼してもよい。一例として、制御装置20は、近しいタイミングで到来した複数の製作依頼に係る複数の歯科技工物の各々について、切削加工用の材料のうち製作に要する領域の形状及び大きさを推定する。次いで、制御装置20は、複数の製作依頼に係る複数の歯科技工物について推定した製作に要する領域を、1つの切削加工用の材料において配置可能か否かを判定する。そして、制御装置20は、1つの切削加工用の材料において製作に要する領域を配置可能と判定した複数の製作依頼に係る複数の歯科技工物を、1つの切削加工用の材料を切削して製作するよう指示する情報を、製作依頼に追加してもよい。さらに、制御装置20は、複数の製作依頼に係る複数の歯科技工物の製作に要する領域を、1つの切削加工用の材料においてどのように配置するべきかを示す情報を、製作依頼に追加してもよい。かかる構成によれば、材料の効率的な活用が可能となる。
【0100】
(2)第2の変形例
上記で説明した、複数のマッチング方法の各々は単体で使用されてもよいし、任意の2以上のマッチング方法が組み合わせて使用されてもよい。マッチングすることは、最適化問題を解くこととして捉えられてもよい。最適化問題における制約条件の一例は、歯科技工指示書に記載された事項である。最適化問題における目的関数の一例は、納期、品質、信頼性、又は価格である。即ち、制御装置20は、納期が早い、品質が高い、信頼性が高い、又は価格が安い歯科技工所30を、製作担当の歯科技工所30として選択してもよい。製作依頼において、納期、品質、信頼性、及び価格の優先順位が指定されてもよく、制御装置20は、指定された優先順位に従って目的関数を設定し、最適解を探索してもよい。また、制御装置20は、患者の情報又は依頼元の情報等に基づいて、目的関数を設定してもよい。例えば、依頼元が納期を重視する傾向にある場合、制御装置20は、納期に重み付けした目的関数を設定してもよい。
【0101】
また、制御装置20は、AI(artificial intelligence)を用いて、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。例えば、制御装置20は、歯科技工指示書の情報、製作条件、依頼元の情報、患者の情報、及び歯科技工所30の情報を入力とし、製作担当の歯科技工所30を示す情報を出力とするニューラルネットを用いて、製作担当の歯科技工所30を選択してもよい。もちろん、制御装置20は、これらの入出力データを、次回の学習時の学習データとして利用してもよい。
【0102】
(3)その他
上記実施形態では、制御装置20が製作依頼を歯科技工所30に送信することで、歯科技工物を発注する例を説明した。歯科技工物を発注することは、歯科技工物の製作を開始させることを意味していてもよい。即ち、製作装置31による歯科技工物の製作は、歯科技工所30における歯科技工士による操作に基づいて開始される他に、制御装置20からの信号受信に基づいて開始されてもよい。
【0103】
上記実施形態では、歯科医院が歯科技工所に歯科技工物を発注する例を用いて説明したが、歯科技工所が他の歯科技工所に歯科技工物を発注してもよい。即ち、端末装置10は、歯科技工所に配置されてもよい。
【0104】
上記実施形態において説明した複数の歯科技工所30のうち少なくとも一部は、経営母体が同一であってもよい。経営母体が同一である複数の歯科技工所30も、場所が異なれば別々のものとして取り扱われるものとする。また、制御装置20を運用する経営母体が、ひとつ以上の歯科技工所30を運用していてもよい。
【0105】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASICのような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。
【0106】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【符号の説明】
【0107】
1 システム
10 端末装置
20 制御装置
30 歯科技工所
31 製作装置
図1
図2
図3