(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143140
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】トレイ及びブランクシート
(51)【国際特許分類】
B65D 5/484 20060101AFI20241003BHJP
B65D 5/22 20060101ALI20241003BHJP
B65D 85/34 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
B65D5/484
B65D5/22 H
B65D85/34 100
B65D85/34 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055659
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】夏川 準司
【テーマコード(参考)】
3E060
3E096
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB18
3E060AB20
3E060BC02
3E060CC02
3E060CC03
3E060CC17
3E060CC19
3E060CC43
3E060CD04
3E060CD12
3E060DA07
3E060DA11
3E060DA30
3E060EA12
3E096AA03
3E096BA27
3E096BB08
3E096CA02
3E096CA06
3E096CB03
3E096DA01
3E096EA01X
3E096FA20
3E096FA28
3E096GA11
(57)【要約】
【課題】仕切り機能を好適に維持できるトレイ及びブランクシートを提供する。
【解決手段】トレイ1は、底壁10と、底壁10から立ち上げられた前後左右の周壁と、周壁に連設され、周壁の内面側に折り込まれた折込部と、折込部から延出し、底壁10の上面に立ち上げられた仕切り壁40,50と、を備えている。ブランクシートS1は、底壁10と、底壁10に連設された前後左右の周壁と、が形成され、周壁に連設され、周壁を底壁に対して立ち上げたときに、周壁の内面側に折り込まれる折込部と、折込部から延出し、折込部を周壁の内面側に折り込んだときに底壁の上面に立ち上げられる仕切り壁40,50と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底壁と、
前記底壁から立ち上げられた前後左右の周壁と、
前記周壁に連設され、前記周壁の内面側に折り込まれた折込部と、
前記折込部から延出し、前記底壁の上面に立ち上げられた仕切り壁と、を備えていることを特徴とするトレイ。
【請求項2】
前記周壁としての前後の端壁と、
前記周壁としての左右の側壁と、を備え、
前記側壁に連設され、前記端壁の内面側に配置された端壁内板と、
前記端壁内板の内面側に折り込まれた前記折込部としての端壁折込部と、
前記端壁折込部から前後方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記周壁としての前後の端壁と、
前記周壁としての左右の側壁と、を備え、
前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返された側壁内板と、
前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込まれた前記折込部としての側壁中板と、
前記側壁内板に形成されたスリットと、
前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項4】
前記周壁としての前後の端壁と、
前記周壁としての左右の側壁と、を備え、
前記側壁に連設され、前記端壁の内面側に配置された端壁内板と、
前記端壁内板の内面側に折り込まれた前記折込部としての端壁折込部と、
前記端壁折込部から前後方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、
前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返された側壁内板と、
前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込まれた前記折込部としての側壁中板と、
前記側壁内板に形成されたスリットと、
前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項5】
前記側壁の上縁部と前記端壁内板の上縁部との間、及び前記端壁内板の上縁部と前記端壁仕切り壁の上縁部との間を繋ぐ端壁桟板を備えていることを特徴とする請求項2または請求項4に記載のトレイ。
【請求項6】
前記端壁仕切り壁に設けられた係止受部と、
前記側壁仕切り壁に設けられ前記係止受部に係止可能な係止部と、を備えていることを特徴とする請求項4に記載のトレイ。
【請求項7】
底壁と、
前記底壁に連設された前後左右の周壁と、が形成され、
前記周壁に連設され、前記周壁を前記底壁に対して立ち上げたときに、前記周壁の内面側に折り込まれる折込部と、
前記折込部から延出し、前記折込部を前記周壁の内面側に折り込んだときに前記底壁の上面に立ち上げられる仕切り壁と、を備えていることを特徴とするブランクシート。
【請求項8】
前記周壁としての前後の端壁と、
前記周壁としての左右の側壁と、が形成され、
前記側壁に連設され、前記端壁を前記底壁に対して立ち上げたときに前記端壁の内面側に配置される端壁内板と、
前記端壁内板に連設され、前記端壁の内面側に前記端壁内板を配置したときに前記端壁内板の内面側に折り込み可能とされた前記折込部としての端壁折込部と、
前記端壁折込部から前後方向に延び、前記端壁内板の内面側に前記端壁折込部を折り込んだときに前記底壁の上面に立ち上げられる前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載のブランクシート。
【請求項9】
前記周壁としての前後の端壁と、
前記周壁としての左右の側壁と、が形成され、
前記側壁を前記底壁に対して立ち上げたときに前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返される側壁内板と、
前記側壁の内面側に前記側壁内板を折り返したときに、前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込み可能とされる前記折込部としての側壁中板と、
前記側壁内板に形成されたスリットと、
前記側壁と前記側壁内板との間に前記側壁中板を折り込んだときに、前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延びて前記底壁の上面に立ち上げられる前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることを特徴とする請求項7に記載のブランクシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイ及びブランクシートに関する。
【背景技術】
【0002】
青果物等の収容物を収容するための段ボール製のトレイとしては、底壁と、底壁に連設された前後左右の端壁及び側壁とからなるトレイ本体と、端壁及び側壁に取り付けられた仕切り壁とを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このトレイでは、トレイ本体と仕切り壁とが別体であるため、運搬時等の負荷を受けて仕切り壁が端壁や側壁から外れる可能性があった。
【0003】
一方、側壁に連設された仕切り壁が底壁の上面に立ち上げられたトレイも知られている(例えば、特許文献2参照)。このトレイでは、端壁に連設された連設壁を有している。この連設壁は、端壁から側壁の内側に延びており、側壁を通じてトレイの収容空間に引き出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-008164号公報
【特許文献2】特開2012-025462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2のトレイは、仕切り壁が側壁と一体であり、また、連設壁が側壁から引き出されて仕切りとなっているため、特許文献1のトレイに比べて強度が高い。一方、運搬時等において、収容物の移動等による負荷は、仕切り壁及び仕切り(連設壁)を介して側壁に集中的に作用する。このため、特許文献2のトレイは、仕切機能の安定性が損なわれる可能性があった。
【0006】
本発明は、前記した問題を解決し、仕切り機能を好適に維持できるトレイ及びブランクシートを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明のトレイは、底壁と、前記底壁から立ち上げられた前後左右の周壁と、前記周壁に連設され、前記周壁の内面側に折り込まれた折込部と、前記折込部から延出し、前記底壁の上面に立ち上げられた仕切り壁と、を備えている。
【0008】
本発明のトレイでは、折込部を介して周壁の内面側から仕切り壁が直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を仕切り壁を介して周壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、折込部を介して仕切り壁が設けられているので、仕切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能し、仕切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能する。これにより、仕切り壁を介して周壁に入力される負荷を低減させることができる。
【0009】
また、前記周壁としての前後の端壁と、前記周壁としての左右の側壁と、を備え、前記側壁に連設され、前記端壁の内面側に配置された端壁内板と、前記端壁内板の内面側に折り込まれた前記折込部としての端壁折込部と、前記端壁折込部から前後方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。
【0010】
この構成では、端壁の内面側から端壁仕切り壁が前後方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を端壁仕切り壁を介して端壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、端壁内板により端壁の少なくとも一部が二層壁構造となるので端壁及び端壁仕切り壁を補強できる。
また、収容物の移動等により端壁仕切り壁に入力された負荷を緩衝する緩衝部として端壁折込部が機能し、端壁仕切り壁から端壁内板及び端壁に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0011】
また、前記周壁としての前後の端壁と、前記周壁としての左右の側壁と、を備え、前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返された側壁内板と、前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込まれた前記折込部としての側壁中板と、前記側壁内板に形成されたスリットと、前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。
【0012】
この構成では、側壁の内面側から側壁仕切り壁が左右方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を側壁仕切り壁を介して側壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、側壁内板及び側壁中板により側壁の少なくとも一部が三層壁構造となるので、側壁及び側壁仕切り壁を補強できる。
また、収容物の移動等により側壁仕切り壁に入力された負荷を緩衝する緩衝部として側壁中板が機能し、側壁仕切り壁から側壁中板及び側壁に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0013】
また、前記周壁としての前後の端壁と、前記周壁としての左右の側壁と、を備え、前記側壁に連設され、前記端壁の内面側に配置された端壁内板と、前記端壁内板の内面側に折り込まれた前記折込部としての端壁折込部と、前記端壁折込部から前後方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。また、前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返された側壁内板と、前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込まれた前記折込部としての側壁中板と、前記側壁内板に形成されたスリットと、前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延び、前記底壁の上面に立ち上げられた前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。
【0014】
この構成では、端壁の内面側から端壁仕切り壁が前後方向に直接延びるとともに、側壁の内面側から側壁仕切り壁が左右方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を端壁仕切り壁及び側壁仕切り壁を介して端壁及び側壁の両方に好適に分散できる。つまり、端壁及び側壁の一方に入力された負荷が集中するのを防止できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、端壁内板により端壁の少なくとも一部が二層壁構造となるので端壁及び端壁仕切り壁を補強できるとともに、側壁内板及び側壁中板により側壁の少なくとも一部が三層壁構造となるので側壁及び側壁仕切り壁を補強できる。
また、端壁折込部を介して端壁仕切り壁が設けられ、側壁折込部を介して側壁仕切り壁が設けられているので、端壁仕切り壁から端壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として端壁折込部が機能し、側壁仕切り壁から側壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として側壁折込部が機能する。これにより、端壁仕切り壁及び側壁仕切り壁を介して端壁及び側壁に入力される負荷を低減させることができる。
【0015】
また、前記側壁の上縁部と前記端壁内板の上縁部との間、及び前記端壁内板の上縁部と前記端壁仕切り壁の上縁部との間を繋ぐ端壁桟板を備えていることが好ましい。
【0016】
この構成では、端壁桟板によって端壁内板及び端壁仕切り壁を補強できるので、結果として端壁を補強できる。
【0017】
また、前記端壁仕切り壁に設けられた係止受部と、前記側壁仕切り壁に設けられ前記係止受部に係止可能な係止部と、を備えていることが好ましい。
【0018】
この構成では、収容物を収容するための収容区画を係止により容易に形成することができる。また、端壁仕切り壁と側壁仕切り壁とが互いに支え合うようになるので、収容物の移動等による負荷の入力を、係止された端壁仕切り壁及び側壁仕切り壁を介して端壁及び側壁の両方に好適に分散できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0019】
前記課題を解決するため、本発明のブランクシートは、底壁と、前記底壁に連設された前後左右の周壁と、が形成され、前記周壁に連設され、前記周壁を前記底壁に対して立ち上げたときに、前記周壁の内面側に折り込まれる折込部と、前記折込部から延出し、前記折込部を前記周壁の内面側に折り込んだときに前記底壁の上面に立ち上げられる仕切り壁と、を備えている。
【0020】
本発明のブランクシートを用いてトレイを形成すると、折込部を介して周壁の内面側から仕切り壁が直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を仕切り壁を介して周壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、折込部を介して仕切り壁が設けられるので、切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能し、仕切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能する。これにより、仕切り壁を介して周壁に入力される負荷を低減させることができる。
【0021】
また、前記周壁としての前後の端壁と、前記周壁としての左右の側壁と、が形成され、前記側壁に連設され、前記端壁を前記底壁に対して立ち上げたときに前記端壁の内面側に配置される端壁内板と、前記端壁内板に連設され、前記端壁の内面側に前記端壁内板を配置したときに前記端壁内板の内面側に折り込み可能とされた前記折込部としての端壁折込部と、前記端壁折込部から前後方向に延び、前記端壁内板の内面側に前記端壁折込部を折り込んだときに前記底壁の上面に立ち上げられる前記仕切り壁としての端壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。
【0022】
このブランクシートを用いてトレイを形成すると、端壁の内面側から端壁仕切り壁が前後方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を端壁仕切り壁を介して端壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、端壁内板により端壁の少なくとも一部が二層壁構造となるので、端壁及び端壁仕切り壁を補強できる。
また、収容物の移動等により端壁仕切り壁に入力された負荷を緩衝する緩衝部として端壁折込部が機能し、端壁仕切り壁から端壁内板及び端壁に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0023】
また、前記周壁としての前後の端壁と、前記周壁としての左右の側壁と、が形成され、前記側壁を前記底壁に対して立ち上げたときに前記側壁の上縁部に連設され、前記側壁の内面側に折り返される側壁内板と、前記側壁の内面側に前記側壁内板を折り返したときに、前記側壁内板の下縁部に連設され、前記側壁と前記側壁内板との間に折り込み可能とされる前記折込部としての側壁中板と、前記側壁内板に形成されたスリットと、前記側壁と前記側壁内板との間に前記側壁中板を折り込んだときに、前記側壁中板の前後方向の縁部に連設され、前記スリットを通じて左右方向に延びて前記底壁の上面に立ち上げられる前記仕切り壁としての側壁仕切り壁と、を備えていることが好ましい。
【0024】
このブランクシートを用いてトレイを形成すると、側壁の内面側から側壁仕切り壁が左右方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を側壁仕切り壁を介して側壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイが得られる。
また、側壁内板及び側壁中板により側壁の少なくとも一部が三層壁構造となるので、側壁及び側壁仕切り壁を補強できる。
また、収容物の移動等により側壁仕切り壁に入力された負荷を緩衝する緩衝部として側壁中板が機能し、側壁仕切り壁から側壁中板及び側壁に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明のトレイ及びブランクシートによれば、仕切り機能を好適に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るトレイを示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るトレイのブランクシートを示す平面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るトレイを示す平面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係るトレイを示す側面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係るトレイを組み立てる際の手順を示す図であり、側壁に連設される構成要素を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るトレイを組み立てる際の手順を示す図であり、(a)は端壁折込部を折り込む際の手順を示す斜視図、(b)は端壁折込部を折り込んだ後に端壁内板を折り返した状態を示す斜視図である。
【
図7】本発明の第1実施形態に係るトレイを組み立てる際の手順を示す図であり、(a)は側壁内板に対して側壁中板を折り込み、さらに側壁中板に対して側壁仕切り壁を折り返した状態を示す斜視図、(b)は側壁中板を折り込んだ側壁内板を側壁に折り返して側壁仕切り壁を端壁仕切り壁に係止させた状態を示す斜視図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るトレイを示す斜視図である。
【
図9】本発明の第2実施形態に係るトレイのブランクシートを示す平面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係るトレイを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下の説明において、前後左右方向とは、本実施形態のトレイを説明する上で便宜上設定したものであり、トレイの構成や使用状態を限定するものではない。また、各実施形態において同一の部分には同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0028】
本実施形態のトレイ1は、青果物等の収容物、例えば、ブルーベリーやイチゴ、トマト(これらが詰められた小分け容器を含む)を収容物として収容するものである。なお、小分け容器としては、上面が開口した有底状の本体を有するプラスチック製のもの、有底状の本体に上蓋を取り付けたプラスチック製のものが挙げられる。
【0029】
本実施形態のトレイ1は、
図1に示すように、底壁10と、底壁10に連設された周壁としての前後の端壁20,20と、底壁10に連設された周壁としての左右の側壁30,30と、を備えている。また、底壁10上の収容空間には、仕切壁としての二枚の端壁仕切り壁40,40と、同じく仕切壁としての二枚の側壁仕切り壁50,50と、が配置されている。
【0030】
本実施形態のトレイ1は、
図2に示すように、段ボール製のシートを切り抜いたブランクシートS1を各折れ線において山折りまたは谷折りすることで形成される。
図2に示すブランクシートS1は、内面側が見えるように配置されている。ブランクシートS1は、一枚の略長方形状を呈している。
ブランクシートS1の折れ線は、ブランクシートS1の表面を線状に押し込んで形成された罫線(押罫)である。なお、罫線に断続的な切れ込みを形成してもよい。このようにすると、折れ線においてブランクシートS1を折り曲げ易くなる。
また、シートの表面のみを切断したハーフカットの切れ込みやシートを貫通した切れ込みを断続させて線状に形成することで折れ線を構成してもよい。
【0031】
本実施形態では、
図2におけるブランクシートS1の左側の側壁30及び右側の側壁30に対して、後記する端壁桟板41や側壁中板33等の構成要素を介して端壁仕切り壁40及び側壁仕切り壁50がそれぞれ連設されている。
底壁10は、
図1,
図2に示すように、四角形に形成されている。
底壁10の前縁部及び後縁部には、左右方向に間隔を空けて係止穴10b,10bがそれぞれ形成されている。また、底壁10の左縁部及び右縁部には、前後方向に間隔を空けて係止穴10a,10aがそれぞれ形成されている。さらに、底壁10の左縁部及び右縁部の中央部には、係合穴31bがそれぞれ形成されている。
【0032】
底壁10の前縁部には、
図2に示すように、折れ線を介して前側の端壁20が連設されている。前側の端壁20は、四角形の壁板であり、
図1に示すように、底壁10の前縁部から上方に向けて延びている。前側の端壁20は、底壁10に対して垂直に形成されている(
図4参照)。
【0033】
前側の端壁20の左右の側縁部には、折れ線を介して後側内方に向けて延びる左右の中間フラップ21,21が連設されている。左側の中間フラップ21は、
図5に示すように、左側の側壁30の内面に重ねられている。また、右側の中間フラップ21は、右側の側壁30(
図5では不図示)の内面に重ねられている。左右の中間フラップ21,21の下縁部には、下方に向けて突出する係止突部21a,21aが形成されている。係止突部21a,21aは、底壁10の前側における左右の係止穴10a,10aに係止されている(係止状態は不図示)。
【0034】
底壁10の後縁部には、
図1,
図2に示すように、折れ線を介して後側の端壁20が連設されている。後側の端壁20と前側の端壁20とは前後対称に形成されており、後側の端壁20の左右の側縁部にも前側内方に向けて延びる左右の中間フラップ21,21がそれぞれ連設されている。左右の中間フラップ21,21も同様に係止突部21a,21aを有しており、係止突部21a,21aは、底壁10の後側における左右の係止穴10a,10aに係止されている(
図5参照。
図5において右側の係止状態は不図示)。
【0035】
底壁10の左縁部には、折れ線を介して左側の側壁30が連設されている。左側の側壁30は、四角形の壁板であり、底壁10の左縁部から上方に向けて延びている。左側の側壁30は、底壁10に対して垂直に形成されている(
図5参照)。左側の側壁30の上縁部の中央部には、上方へ向けて突出する係合片31a(
図1参照)が形成されている。係合片31aは、複数のトレイ1を上下方向に積み重ねる際にトレイ1同士を位置決めして保持する保持片として機能する。左側の側壁30の上縁部には、
図1に示すように、係合片31aが突出することにより形成された穴部31cが開口している。
【0036】
左側の側壁30の上縁部には、
図1,3に示すように、前後方向に延びる二本の折れ線L1(
図2参照)を介して、前後2つの側壁内板32,32が連設されている。前後の側壁内板32,32は、
図2に示すように、スリット32sにより相互に分離された四角形の壁板であり、
図1に示すように、側壁30の内面側に重ねられている。スリット32sの間隔は、ブランクシートS1の厚さ程度となっている。スリット32sは、
図1に示すように、上下方向に延在しており、側壁30の内側からトレイ1の内部空間に側壁仕切り壁50を引き出すための挿通部として機能する。
【0037】
側壁内板32,32の下縁部には、下方へ向けて突出する係止突部32a,32aが形成されている(
図1において一部図示)。係止突部32a,32aは、底壁10の係止穴10a,10aに係止されている。つまり、係止穴10aには、側壁内板32の係止突部32a及び上記した中間フラップ21の係止突部21aの両方が係止されている。
【0038】
後側の側壁内板32の下縁部には、前後方向に延びる二本の折れ線L2(
図2参照)を介して折込部としての側壁中板33が連設されている。側壁中板33は、
図2に示すように、四角形の壁板である。側壁中板33は、
図7(a)(b)に示すように、側壁30と側壁内板32との間に折り込まれて重ねられている。側壁中板33は、側壁30の内面側に折り込まれる側壁折込部として機能する。側壁中板33の上縁部の前端には、上方へ向けて突出する係止突部33aが形成されている。係止突部33aは、側壁30の上縁部の穴部31cに挿入されている(
図1,
図3参照)。
【0039】
側壁中板33の前縁部には、
図5,
図7(a)に示すように、折れ線L3を介して左側の側壁仕切り壁50が連設されている。折れ線L3には、断続的な切れ込みが形成されている。なお、切れ込みは必須ではない。左側の側壁仕切り壁50は、
図2に示すように、四角形の壁板である。左側の側壁仕切り壁50は、
図1に示すように、前後の側壁内板32,32の間に形成されたスリット32sを通じてトレイ1の内部空間に延在し、底壁10上の収容空間に配置されている(
図1,
図3,
図7(b)参照)。つまり、左側の側壁仕切り壁50は、前後の側壁内板32,32の各縁部によって基端部分が挟持されている。
【0040】
左側の側壁仕切り壁50の先端部には、端壁仕切り壁40に係止するための係止部55が形成されている。係止部55は、側壁仕切り壁50の先端部の下縁部から上方へ向けて切り込まれた溝である。係止部55の下側開口縁は傾斜状に広がっている。
なお、
図2に示すブランクシートS1の状態において、左側の側壁仕切り壁50は、前側の側壁内板32の左縁部に切断線を介して配置されている。
【0041】
右側の側壁30の上縁部には、
図1,3に示すように、前後方向に延びる二本の折れ線L1を介して、前後2つの側壁内板32,32が連設されている。右側の側壁30の側壁内板32,32と左側の側壁30の側壁内板32,32とは、底壁10の中心点(不図示)を中心として点対称に形成されており、前側の側壁内板32にも二本の折れ線L2を介して側壁中板33が連設され、側壁中板33の後縁部にも折れ線L3を介して右側の側壁仕切り壁50が形成されている。
右側の側壁内板32,32、側壁中板33及び側壁仕切り壁50にも、左側と同様の係止突部32a,32a、係止突部33a及び係止部55が形成されている。
【0042】
以上のような左右の側壁30、側壁内板32、側壁中板33及び中間フラップ21には、
図2に示すように、複数の通気穴35が形成されている。
図1に示すように、トレイ1を組み立てた状態では、側壁30、側壁内板32、側壁中板33及び中間フラップ21の通気穴35(
図1では側壁30の通気穴35のみ図示)が連通している。そして、各通気穴35を通じてトレイ1の内部空間と外部空間とが通気するように構成されている。
【0043】
前後の端壁20,20の内側には、
図1,
図3に示すように、左右の端壁仕切り壁40,40を備える左右一対の端壁組立体40A,40Aが配置されている。左側の端壁組立体40Aは、左側の側壁30に連設されており、また、右側の端壁組立体40Aは右側の側壁30に連設されている。そして、左右の端壁仕切り壁40,40は、両端壁組立体40A,40Aにより、底壁10上の左右方向の中央部にて対向する壁面同士が当接する状態、すなわち、左右に重なる状態で底壁10上にそれぞれ立ち上げられている。
左右の端壁組立体40A,40Aは、左右対称に形成されているので、以下では、左側の端壁組立体40Aについて詳細に説明し、適宜、右側の端壁組立体40Aについて説明する。
【0044】
左側の端壁組立体40Aは、前後一対の端壁支持部40C,40Cと、両端壁支持部40C,40Cに連設される左側の端壁仕切り壁40と、を備えている。
前側の端壁支持部40Cは、
図2に示すように端壁桟板41と、端壁内板42と、折込部としての第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44とを備えている。また、前側の端壁支持部40Cは、組み立て時に端壁内板42、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44を一体的に保持する保持構造H(
図6(b)参照)を備えている。
【0045】
前側の端壁桟板41は、
図2に示すように、左側の側壁30の前端上縁部に、折れ線を介して連設されている。前側の端壁桟板41は、略四角形の桟板であり、
図1に示すように、前側の端壁20の上縁部に沿って右方へ延びている。前側の端壁桟板41は、底壁10に対して平行に形成されている。前側の端壁桟板41は、
図2に示すブランクシートS1の状態で、前側の側壁内板32の前縁部及び側壁仕切り壁50の前縁部に切断誘導線を介して配置されている。前側の端壁桟板41の左縁部は、端壁仕切り壁40の右縁部に折れ線を介して繋がっている。
なお、右側の端壁組立体40Aにおいて、前側の端壁桟板41は、右側の側壁30の前端上縁部に、折れ線を介して連設され、前側の端壁20の上縁部に沿って左方へ延びている。
【0046】
前側の端壁内板42は、前側の端壁桟板41の前縁部に折れ線L4を介して連設されている。折れ線L4には、断続的な切れ込みが形成されている。なお、切れ込みは必須ではない。前側の端壁内板42は、前側の端壁桟板41の前縁部から下方へ向けて延び、前側の端壁20の内面に重ねられている(不図示)。端壁内板42は、
図2に示すブランクシートS1の状態で、左側の中間フラップ21に対して切断誘導線を介して配置されている。
なお、右側の端壁組立体40Aにおいて、前側の端壁内板42は、左右が逆である点を除いて同様である。
【0047】
前側の第1端壁折込部43は、前側の端壁内板42の下部に折れ線L5を介して連設されている(
図6(a)参照)。折れ線L5は、前側の端壁桟板41の前縁部(折れ線L4)に対して略45度傾斜している。前側の第1端壁折込部43は、折れ線L5による傾斜縁部から上方へ向けて延び、前側の端壁内板42の内面に折り込まれて重ねられている。前側の第1端壁折込部43は、
図2に示すブランクシートS1の状態で、折れ線L5に連続する切断誘導線L6で前側の端壁内板42の前側に配置されている。
【0048】
前側の第2端壁折込部44は、
図6(a)に示すように、前側の第1端壁折込部43の上縁部に折れ線L7を介して連設されている。前側の第2端壁折込部44は、略四角形の壁板であり、前側の第1端壁折込部43の上縁部から下方に向けて延びている(
図6(b)参照)。前側の第2端壁折込部44は、前側の第1端壁折込部43の内面に重ねられている。つまり、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44は、いずれも端壁内板42の内側に折り込まれている。
【0049】
後側の端壁支持部40Cと前側の端壁支持部40Cとは、前後対称に形成されており、後側の端壁支持部40Cにも、
図2に示すように、端壁桟板41、端壁内板42、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44が備わる。また、後側の端壁支持部40Cにも、組み立て時に端壁内板42、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44を一体的に保持する保持構造H(
図6(b)参照)が備わる。
【0050】
右側の端壁組立体40Aと左側の端壁組立体40Aとは、左右対称に形成されており、右側の端壁組立体40Aの前後にも、端壁内板42,42、第1端壁折込部43,43及び第2端壁折込部44,44が備わるとともに、端壁仕切り壁40が備わる。
【0051】
左側の端壁仕切り壁40と右側の端壁仕切り壁40とは、トレイ1の収容空間において相互に重なり合う仕切り壁を構成している。そして、端壁仕切り壁40,40と側壁仕切り壁50,50とは、端壁仕切り壁40,40の係止受部45,45に対して側壁仕切り壁50,50の係止部55,55を係止させることによって、平面視略十字状に組み付けられている(
図3参照)。
【0052】
次に、
図6(a)(b)を参照して、保持構造Hについて説明する。
保持構造Hは、第2端壁折込部44の縁部に設けられた係合部材47と、第1端壁折込部43に設けられ係合部材47が挿通される溝部43aと、端壁内板42の面内に設けられ係合部材47が係合する開口部42aとを備えている。
【0053】
係合部材47は、上下の切断誘導線L47,L47と、切断誘導線L47,L47の端部を繋ぐ折れ線L46と、により区画され、先端の上縁部及び下縁部に上下方向に突出する突部47a,47aを備えている。溝部43aは、押し込まれた係合部材47を通過可能とする蟻溝状を呈している。開口部42aは、切断誘導線で区画された蓋部42bにより塞がれており、係合部材47が押し込まれることで開口するようになっている。
【0054】
このような保持構造Hでは、第2端壁折込部44の内面側から係合部材47を手指で押し込むと、係合部材47が溝部43aを通じて蓋部42bを押し開け、開口部42aの開口縁に係合部材47の上下の突部47a,47aが係合する。これにより、端壁内板42、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44が一体的に重ね合わせた状態で保持される。なお、保持構造Hとしては、種々の形態のものを採用することができる。また、保持構造Hは必ずしも設けなくてもよい。
【0055】
次に、本実施形態のトレイ1をブランクシートS1の状態から組み立てる際の手順について説明する。
はじめに、図示しない組立作業台等の上面にブランクシートS1を置き、底壁10の前縁部の折れ線に沿って前側の端壁20を底壁10に対して垂直に立ち上げる。そして、左右の側縁部の折れ線に沿って左右の中間フラップ21,21を後方内方に向けて折り曲げる。そして、左右の中間フラップ21,21の係止突部21a,21aを底壁10の係止穴10a,10aに係止する。そして、後側の端壁20も同様に、底壁10に対して垂直に立ち上げ、左右の中間フラップ21,21を前方内方に向けて折り曲げるとともに、係止突部21a,21aを底壁10の係止穴10a,10aに係止する。
【0056】
次に、
図5に示すように、底壁10の左縁部の折れ線に沿って左側の側壁30を立ち上げる。この場合、側壁30の上縁部に連設される左側の端壁支持部40C,40Cの構成要素も一緒に立ち上げる。そして、側壁仕切り壁50が連設されていない前側の側壁内板32を、折れ線L1に沿って右側に折り曲げ、中間フラップ21を覆うようにして側壁30の前側の内面に重ねる。そして、底壁10の係止穴10aに側壁内板32の係止突部33aを係止する。
【0057】
その後、前後の端壁支持部40C,40Cの構成要素を折り曲げて前後の端壁支持部40C,40Cを立体的に組み立てる。この場合、前後の端壁支持部40C,40Cは、前後の方向が違うだけで組み立て方は同様であるので、ここでは、
図6(a)(b)を参照して前側の端壁支持部40Cの組み立てについて説明する。なお、
図6(a)(b)では、組立作業台等の上面に、端壁支持部40Cの構成要素を平らに置いた状態から組み立てる様子を示しているが、これに限られず、
図5に示すように、端壁支持部40Cの構成要素が立ち上げられた状態のまま組み立てるようにしてもよい。
図6(a)(b)中の「上下」は、トレイ1が組み上がった状態を基準としている。
【0058】
組み立に際しては、まず、
図6(a)に示すように、端壁内板42と第1端壁折込部43との間の折れ線L5に沿って第1端壁折込部43を折り込み、端壁内板42の内面に第1端壁折込部43を重ねる。第1端壁折込部43を折り込むと、第1端壁折込部43に連設された第2端壁折込部44が第1端壁折込部43の折り込み動作により引っ張られ、端壁桟板41の上面に立ち上がってくる。その後、立ち上がってきた第2端壁折込部44が、第1端壁折込部43に対して垂直となるように、折れ線L7を谷折りする。また、折れ線L9に沿って、端壁仕切り壁40を第2端壁折込部44に対して直角に折り曲げる。
【0059】
その後、
図6(b)に示すように、折れ線L4に沿って端壁内板42を端壁桟板41に対して垂直に立ち上げ、第1端壁折込部43及び端壁内板42を第2端壁折込部44の外面に重ねる。
そして、保持構造Hを用いて、端壁内板42、第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44を一体的に係合する。この場合、第2端壁折込部44の係合部材47を端壁内板42に向けて手指で押し込み、係合部材47の上下の突部47a,47aを、第1端壁折込部43の溝部43aを通じて端壁内板42の開口部42aの縁部に係合する。
このような一連の組み立てを後側についても同様に行う。
【0060】
次に、底壁10の右縁部の折れ線に沿って右側の側壁30を立ち上げつつ、側壁30の上縁部に連設された構成要素を一緒に立ち上げ、側壁仕切り壁50が連設されていない後側の側壁内板32を、折れ線L1に沿って折り曲げ、左側の側壁30の内面側に重ねる。この場合にも、底壁10の係止穴10aに側壁内板32の係止突部32aを係止する。
その後、右側についても、前後一対の端壁支持部40C,40Cを立体的に組み立てて、端壁組立体40Aを組み立てる。
【0061】
左右の端壁組立体40A,40Aを組み立てたら、左側の側壁30の上縁部に沿って左側の端壁組立体40Aを底壁10上に向けて折り曲げるとともに、右側の側壁30の上縁部に沿って右側の端壁組立体40Aを底壁10上に向けて折り曲げる。そして、底壁10上の左右方向の中央部において、左右の端壁仕切り壁40,40の対向面同士を当接させる。
【0062】
その後、
図7(a)に示すように、左側の側壁中板33を折れ線L2に沿って折り込み、後側の側壁内板32に重ねる。このとき、左側の側壁中板33の係止突部33aを左側の側壁30の穴部31cに係止することにより、側壁中板33を折り込んだ状態で保持できる。
なお、左側の側壁中板33を折り込むと、側壁中板33に連設された側壁仕切り壁50も、前側の側壁内板32の上方に移動してくる。
【0063】
その後、側壁仕切り壁50を折れ線L3に沿って左側方に折り曲げ、側壁中板33に対して略直角となるように配置する。そして、左側の側壁30の上縁部の折れ線L1に沿って後側の側壁内板32を内側に折り曲げ、後側の側壁内板32及び側壁中板33を左側の側壁30の内面に重ねる。このとき、側壁内板32の係止突部32aを底壁10の係止穴10aに係止する。
【0064】
また、側壁内板32を内側に折り曲げる際に、左側の側壁仕切り壁50の係止部55を端壁仕切り壁40の係止受部45に係止する。これにより、左側の側壁仕切り壁50が端壁仕切り壁40に直交する状態に係止される。
【0065】
その後、同様に右側の側壁中板33を折れ線L2に沿って折り込み、前側の側壁内板32に重ねるとともに、側壁仕切り壁50を折れ線L3に沿って右側方に折り曲げ、側壁中板33に対して略直角となるように配置する。そして、右側の側壁30の上縁部の折れ線L1に沿って前側の側壁内板32を内側に折り曲げ、前側の側壁内板32及び側壁中板33を左側の側壁30の内面に重ねる。このとき、側壁内板32の係止突部32aを底壁10の係止穴10aに係止する。
【0066】
また、側壁内板32を内側に折り曲げる際に、同様に、右側の側壁仕切り壁50の係止部55を端壁仕切り壁40の係止受部45に係止する。これにより、右側の側壁仕切り壁50が端壁仕切り壁40に直交する状態に係止され、収容空間において、前後の端壁仕切り壁40,40と左右の側壁仕切り壁50,50とが平面視で略十字状に交差したトレイ1が組み立てられる。
【0067】
なお、組み立て時には、図示しないトレイ形状の組立用治具を用いてもよい。トレイ形状の組立用治具としては、底壁10がすっぽり載置される大きさの底板と、底板の前後左右の縁部から低く立ち上がる周壁とを備えていることが好ましい。この場合、周壁は、底壁10に対して端壁20,20及び側壁30,30を立ち上げる際の補助壁として機能する。
【0068】
以上説明した本実施形態のトレイ1によれば、折込部(第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44、側壁中板33)を介して周壁(端壁20、側壁30)の内面側から仕切り壁(端壁仕切り壁40、側壁仕切り壁50)が直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を仕切り壁を介して周壁に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイ1が得られる。
また、折込部を介して仕切り壁が設けられているので、仕切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能し、仕切り壁から周壁に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として折込部が機能する。これにより、仕切り壁を介して周壁に入力される負荷を低減させることができる。
これらの作用効果は、本実施形態のブランクシートS1を用いてトレイ1を形成した場合にも、同様に得られる。
【0069】
また、端壁20の内面側から端壁仕切り壁40が前後方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を端壁仕切り壁40を介して端壁20に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイ1が得られる。
また、端壁内板42により端壁20の少なくとも一部が二層壁構造となるので端壁20及び端壁仕切り壁40を補強できる。
また、収容物の移動等により端壁仕切り壁40に入力された負荷を緩衝する緩衝部として第1端壁折込部43及び第2端壁折込部44が機能し、端壁仕切り壁40から端壁内板42及び端壁20に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
これらの作用効果は、本実施形態のブランクシートS1を用いてトレイ1を形成した場合にも、同様に得られる。
【0070】
また、側壁30の内面側から側壁仕切り壁50が左右方向に直接延びるので、収容物の移動等により入力された負荷を側壁仕切り壁50を介して側壁30に好適に伝達できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイ1が得られる。
また、側壁内板32及び側壁中板33により側壁30の少なくとも一部が三層壁構造となるので、側壁30及び側壁仕切り壁50を補強できる。
また、収容物の移動等により側壁仕切り壁50に入力された負荷を緩衝する緩衝部として側壁中板33が機能し、側壁仕切り壁50から側壁中板33及び側壁30に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
これらの作用効果は、本実施形態のブランクシートS1を用いてトレイ1を形成した場合にも、同様に得られる。
【0071】
また、端壁20の内面側から端壁仕切り壁40が前後方向に直接延びることと、側壁30の内面側から側壁仕切り壁50が左右方向に直接延びることの相乗効果により、収容物の移動等により入力された負荷を端壁仕切り壁40及び側壁仕切り壁50を介して端壁20及び側壁30の両方に好適に分散できる。つまり、端壁20及び側壁30の一方に入力された負荷が集中するのを防止できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイ1が得られる。
この作用効果は、本実施形態のブランクシートS1を用いてトレイ1を形成した場合にも、同様に得られる。
【0072】
また、端壁桟板41によって端壁内板42及び端壁仕切り壁40を補強できる。これにより、端壁20を補強できる。
【0073】
また、係止受部45と係止部55との係止により、収容物を収容するための収容区画を容易に形成することができる。また、端壁仕切り壁40と側壁仕切り壁50とが互いに支え合うようになるので、収容物の移動等による負荷の入力を、係止された端壁仕切り壁40,40及び側壁仕切り壁50,50を介して前後の端壁20,20及び左右の側壁30,30の両方に好適に分散できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0074】
また、側壁30の内面側に側壁内板32及び側壁中板33が配置され、二層壁構造及び少なくとも一部が三層壁構造となるので、側壁30を補強できる。また、側壁30と側壁内板32との間に折り込まれる側壁中板33に側壁仕切り壁50が連設されているので、収容物の移動等による負荷の入力を側壁仕切り壁50から側壁内板32及び側壁30の両方に分散できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0075】
(第2実施形態)
次に、
図8~
図10を参照して第2実施形態のトレイについて説明する。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、左右の側壁仕切り壁50,50を前後方向に互い違いに端壁仕切り壁40,40に対して係止した点である。
【0076】
そのための構成として、
図8~
図10に示すように、トレイ1Aは、左右の側壁30,30に連設された側壁内板32,32を前後で異なる大きさに設定してある。左側の側壁30においては、前側の側壁内板32が後側の側壁内板32よりも小さくなっている。そして、左側の側壁中板33は、前側の側壁内板32に折れ線L2,L2を介して連設されている。つまり、側壁中板33に折れ線L3を介して連設される側壁仕切り壁50は、後側の側壁内板32と同様に、前後方向に大きなものとなっている。
このような構成とすることにより、左側の側壁仕切り壁50は、前後方向の中央部よりも前側寄りの位置にてスリット32sを通じてトレイ1Aの収容空間に引き出され、底壁10上に立ち上げられている。
【0077】
一方、右側の側壁30においては、後側の側壁内板32が前側の側壁内板32よりも小さくなっている。そして、右側の側壁中板33は、後側の側壁内板32に折れ線L2,L2を介して連設されている。つまり、側壁中板33に折れ線L3を介して連設される側壁仕切り壁50は、前側の側壁内板32と同様に、前後方向に大きなものとなっている。
このような構成とすることにより、右側の側壁仕切り壁50は、前後方向の中央部よりも後側寄りの位置にてスリット32sを通じてトレイ1Aの収容空間に引き出され、底壁10上に立ち上げられている。
【0078】
端壁仕切り壁40,40の係止受部45,45は、側壁仕切り壁50,50の係止部55,55に対応する位置に設けられている。
【0079】
なお、本実施形態では、
図8,
図10に示すように、前後左右の端壁内板42,42の上縁部に沿って、左右に分離された端壁桟板41a,41bをそれぞれ備えている。
左前側の端壁桟板41aは、左側の側壁30の前端上縁部に折れ線を介して連設されているとともに、左前側の端壁内板42の左端上縁部に折れ線を介して連設され、左側の側壁30と左前側の端壁内板42とを繋いでいる。また、左後側の端壁桟板41aは、左側の側壁30の後端上縁部に折れ線を介して連設されているとともに、左後側の端壁内板42の左端上縁部に折れ線を介して連設され、左側の側壁30と左後側の端壁内板42とを繋いでいる。
【0080】
同様に、右前側の端壁桟板41aは、右側の側壁30の前端上縁部に折れ線を介して連設されているとともに、右前側の端壁内板42の右端上縁部に折れ線を介して連設され、右側の側壁30と右前側の端壁内板42とを繋いでいる。また、右後側の端壁桟板41aは、右側の側壁30の後端上縁部に折れ線を介して連設されているとともに、右後側の端壁内板42の右端上縁部に折れ線を介して連設され、右側の側壁30と右後側の端壁内板42とを繋いでいる。
【0081】
すなわち、前後左右の4つの端壁桟板41bは、各端壁内板42の上縁部と、各端壁内板42に隣接する端壁仕切り壁40,40の上縁部とにそれぞれ架け渡されており、各端壁内板42と隣接する端壁仕切り壁40,40とを補強している。
【0082】
また、本実施形態の各第1端壁折込部43,43は、
図9に示すように、主として各第2端壁折込部44,44の面内に形成されており、各第2端壁折込部44,44から隣接する端壁仕切り壁40の端部に若干入り込むように形成されている。各第1端壁折込部43,43は、
図9に示すように、略三角形状を呈している。第1端壁折込部43は、例えば、
図8における右後側に示すように、端壁内板42の内面に重なるように第2端壁折込部44を折り込みつつ、第2端壁折込部44の内面に折り込まれるようにして端壁仕切り壁40に連設される部材である。ここで、第2端壁折込部44は、端壁内板42の側縁部に折れ線L7(
図9参照)を介して連設されており、折れ線L7(
図8では不図示)で谷折りされて、端壁内板42の内面に重ねられている。
【0083】
第1端壁折込部43は、折れ線L10と、折れ線L12と、切断誘導線L11とにより区画されている。折れ線L10は、
図8における右後側に配置される第1端壁折込部43を例にとって説明すると、端壁仕切り壁40の後端上部の角部付近を始端として第2端壁折込部44に延び、第2端壁折込部44の略中央部を終端としている。折れ線L10は、
図9に示すように、折れ線L7に対して略45度の角度で傾斜している。
【0084】
折れ線L12は、折れ線L10の始端から端壁仕切り壁40の後縁部に沿って延在している。折れ線L12は、折れ線L10と略同じ長さを有している。切断誘導線L11は、折れ線L10の終端と折れ線L12の終端とを繋ぐ切断線であり、弧状を呈している。
【0085】
このような第1端壁折込部43は、切断誘導線L11で第2端壁折込部44から切り離されるとともに、折れ線L10を介して第2端壁折込部44の内面に折り込まれた状態で、折れ線L12を介して端壁仕切り壁40を支持している。
【0086】
以上説明した本実施形態によれば、第1実施形態で説明した作用効果と同様の作用効果が得られる。すなわち、前後の端壁20,20の内側から端壁仕切り壁40,40が前後方向に直接延びるとともに、左右の側壁30,30の内側から側壁仕切り壁50,50が左右方向に直接延びるので、収容物の移動等による負荷を端壁仕切り壁40,40及び側壁仕切り壁50,50を介して前後の端壁20,20及び左右の側壁30,30の両方に好適に分散できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できるトレイ1Aが得られる。
【0087】
また、前後の第1端壁折込部43,43を介して端壁仕切り壁40,40が設けられ、側壁折込部として機能する側壁中板33,33を介して側壁仕切り壁50,50が設けられている。したがって、端壁仕切り壁40,40から前後の端壁20,20に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として第1端壁折込部43,43が機能し、側壁仕切り壁50,50から左右の側壁30,30に伝達される負荷を緩衝する緩衝部として側壁中板33,33が機能する。これにより、端壁仕切り壁40,40及び側壁仕切り壁50,50を介して前後の端壁20,20及び左右の側壁30,30に入力される負荷を低減させることができる。
【0088】
また、係止受部45と係止部55との係止により、収容物を収容するための収容区画を6つの区画とすることができる。この場合にも、収容物の移動等による負荷の入力を、係止された端壁仕切り壁40,40及び側壁仕切り壁50,50を介して前後の端壁20,20及び左右の側壁30,30の両方に好適に分散できる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0089】
また、本実施形態のブランクシートS2を用いてトレイ1Aを形成すると、端壁桟板41a,41bにより端壁内板42及び端壁仕切り壁40を補強できるので、結果として端壁20を補強できる。また、収容物の移動等により端壁仕切り壁40に入力された負荷を第1端壁折込部43で緩衝できるので、端壁仕切り壁40から端壁内板42及び端壁20に伝達される負荷を低減させることができる。したがって、仕切り機能を好適に維持できる。
【0090】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
前記各実施形態のトレイ1,1Aでは、端壁仕切り壁40,40に対して側壁仕切り壁50,50の両方を係止したが、これに限られることはなく、側壁仕切り壁50,50の一方を係止してもよい。また、端壁仕切り壁40,40に対して側壁仕切り壁50,50の両方を係止しない態様としてもよい。側壁仕切り壁50を係止しない場合には、側壁30と側壁内板32との間に、側壁仕切り壁50を収容することができるので、邪魔にならず、また、必要に応じて側壁内板32から引き出すこともできる。したがって、収容区画の変更が容易であり、収容物の汎用性に優れている。
また、側壁仕切り壁50,50同士を係止させる態様としてもよい。側壁仕切り壁50,50同士を係止させる場合には、一方の側壁仕切り壁50に係止部を設け、他方の側壁仕切り壁50に係止受部を設けてもよい。
【0091】
また、前記各実施形態のトレイ1,1Aでは、左右方向の中央部で端壁仕切り壁40,40同士を当接させる構成としたが、これに限られることはなく、中央部から左右方向に偏倚した位置で、端壁仕切り壁40,40同士を当接させるように構成してもよい。また、端壁仕切り壁40,40同士を当接させることなく、離間して配置した構成としてもよい。
また、端壁仕切り壁40や側壁仕切り壁50の底壁10に対向する部分に係止突部を設け、この係止突部が係止される係止穴を底壁10に設けて係止するように構成してもよい。このように構成することで、端壁仕切り壁40や側壁仕切り壁50を底壁10に対してより強固に固定できる。
【0092】
また、前記各実施形態のトレイ1,1AのブランクシートS1,S2は段ボール製であるが、各種公知の板紙によってブランクシートを形成してもよい。
【符号の説明】
【0093】
1,1A トレイ
10 底壁
20 端壁(周壁)
30 側壁(周壁)
32 側壁内板
32s スリット
33 側壁中板(側壁折込部、折込部)
40 端壁仕切り壁(仕切り壁)
40A 端壁組立体
41 端壁桟板
41a,41b 端壁桟板
42 端壁内板
43 第1端壁折込部(端壁折込部、折込部)
44 第2端壁折込部(端壁折込部、折込部)
45 係止受部
50 側壁仕切り壁(仕切り壁)
55 係止部
S1,S2 ブランクシート