(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143161
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】方法、通信システム、および、サーバ
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20241003BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241003BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241003BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
G06F3/12 339
G06F3/12 303
G06F3/12 329
G06F3/12 331
G06F3/12 336
G06F3/12 385
B41J29/38 202
G03G21/00 396
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055691
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001058
【氏名又は名称】鳳国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AS02
2C061HJ08
2C061HN04
2C061HN05
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ12
2H270KA59
2H270KA60
2H270KA61
2H270KA62
2H270LA60
2H270MF17
2H270MF19
2H270NA01
2H270NB22
2H270NC02
2H270NC08
2H270NC26
2H270NC28
2H270ND02
2H270ND06
2H270ND11
2H270ND14
2H270ND21
2H270ND27
2H270PA80
2H270QB13
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC23
5C062AC38
5C062AF14
(57)【要約】
【課題】第1プリンタに関する情報を第2プリンタに引き継ぐ。
【解決手段】サーバは、第2プリンタからの要求に応じて特定情報を生成し、特定情報と第2プリンタ識別情報とを対応付けて記憶し、特定情報を第2プリンタに送信する。第2プリンタは、特定情報をユーザに通知する。第1プリンタは、特定情報を取得すると、特定情報をサーバに送信する。サーバは、特定情報に基づいて第2プリンタを引継先として特定し、第1プリンタの設定情報を第2プリンタに送信する。第1プリンタの設定情報は、ユーザの端末装置と第1プリンタとの通信において端末装置が第1プリンタを識別するための特定識別情報を含む。第1プリンタは、特定識別情報を用いた端末装置との通信を停止させるための停止処理を実行する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プリンタと、前記第1プリンタに代えて使用されるべき第2プリンタと、前記第1プリンタおよび前記第2プリンタと通信可能なサーバとで実行される方法であって、
前記サーバが、前記第2プリンタからの要求に応じて特定情報を生成する生成工程と、
前記サーバが、前記特定情報と前記第2プリンタを識別する第2プリンタ識別情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、
前記サーバが、前記特定情報を前記第2プリンタに送信する第1送信工程と、
前記第2プリンタが、前記特定情報をユーザに通知する通知工程と、
前記第1プリンタが、前記特定情報を取得すると、前記特定情報を前記サーバに送信する第2送信工程と、
前記サーバが、前記特定情報に基づいて前記第2プリンタを引継先として特定する引継先特定工程と、
前記サーバが、前記第1プリンタの設定情報を前記サーバのメモリに格納する第1格納工程であって、前記第1プリンタの前記設定情報は、ユーザの端末装置と前記第1プリンタとの通信において前記端末装置が前記第1プリンタを識別するための特定識別情報を含む、前記第1格納工程と、
前記サーバが、前記第1プリンタの設定情報を引継先として特定済みの前記第2プリンタに送信する第3送信工程と、
前記第2プリンタが、前記第1プリンタの設定情報を前記第2プリンタの設定情報として前記第2プリンタのメモリに格納する第2格納工程と、
前記第1プリンタが、前記特定識別情報を用いた前記端末装置との通信を停止させるための停止処理を実行する停止工程と、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第2プリンタが、前記第2格納工程が完了したことを示す完了通知を前記サーバに送信する第4送信工程と、
前記サーバが、前記完了通知を受信した後に、前記停止処理の実行指示を前記第1プリンタに送信する第5送信工程と、
を備え、
前記停止工程では、前記第1プリンタが、前記実行指示を受信することに応じて、前記停止処理を実行する、方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、
前記停止工程は、前記第1プリンタが前記特定識別情報を変更または削除する工程である、方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法であって、
前記サーバは、前記完了通知を受信しない場合に、前記実行指示を前記第1プリンタに送信しない、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記第1プリンタを識別する第1プリンタ識別情報と、特定の印刷サービスに関するサービス情報と、が対応付けられている場合に、前記引継先特定工程の後に、前記サーバが、前記第2プリンタを識別する第2プリンタ識別情報と前記サービス情報とを対応付ける対応付工程を備える、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記サーバは、前記サービス情報と対応付けられるユーザ識別情報と、プリンタ識別情報と、を対応付けて管理するデータベースを備え、
前記対応付工程は、
前記データベースに、前記第1プリンタ識別情報が前記特定のユーザ識別情報と対応付けて記録されている場合に前記第2プリンタ識別情報を前記特定のユーザ識別情報と対応付けて前記データベースに記録する工程である、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法であって、
前記第1プリンタ識別情報と前記サービス情報とが対応付けられていない場合に、前記対応付工程は、実行されない、方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、さらに、
前記サーバと前記第2プリンタとの間で、前記サーバが任意のタイミングで前記第2プリンタにデータを送信可能な常時接続を確立する接続確立工程を備え、
前記第3送信工程は、前記サーバが、前記常時接続を用いて、前記第1プリンタの設定情報を前記第2プリンタに送信する工程である、方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、
前記第1プリンタと前記第2プリンタとは、同一のローカルエリアネットワークに接続されている、方法。
【請求項10】
通信システムであって、
第1プリンタと、
前記第1プリンタに代えて使用されるべき第2プリンタと、
前記第1プリンタおよび前記第2プリンタと通信可能なサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記第2プリンタからの要求に応じて特定情報を生成し、
前記特定情報と前記第2プリンタを識別する第2プリンタ識別情報とを対応付け、
前記特定情報を前記第2プリンタに送信し、
前記第2プリンタは、
前記特定情報をユーザに通知し、
前記第1プリンタは、
前記特定情報をユーザから取得し、
前記特定情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、
前記特定情報に基づいて前記第2プリンタを引継先として特定し、
ユーザの端末装置と前記第1プリンタとの通信において前記端末装置が前記第1プリンタを識別するための特定識別情報を含む前記第1プリンタの設定情報を前記サーバのメモリに格納し、
前記第1プリンタの設定情報を引継先として特定済みの前記第2プリンタに送信し、
前記第2プリンタは、
前記第1プリンタの設定情報を前記第2プリンタの設定情報として前記第2プリンタのメモリに格納し、
前記第1プリンタは、
前記特定識別情報を用いた前記端末装置との通信を停止するための停止処理を実行する、通信システム。
【請求項11】
第1プリンタと、前記第1プリンタに代えて使用されるべき第2プリンタと、通信可能に接続されるサーバであって、
前記第2プリンタからの要求に応じて特定情報を生成する生成部と、
前記特定情報と前記第2プリンタを識別する第2プリンタ識別情報とを対応付けて記憶する記憶処理部と、
前記特定情報を前記第2プリンタに送信する特定情報送信部と、
前記第1プリンタから送信される前記特定情報を受信する受信部と、
前記特定情報に基づいて前記第2プリンタを引継先として特定する引継先特定部と、
ユーザの端末装置と前記第1プリンタとの通信において前記端末装置が前記第1プリンタを識別するための特定識別情報を含む前記第1プリンタの設定情報を前記サーバのメモリに格納する格納処理部と、
前記第1プリンタの設定情報を引継先として特定済みの前記第2プリンタに送信する設定情報送信部と、
前記特定識別情報を用いた前記端末装置と前記第1プリンタとの通信を停止させるための停止処理の実行指示を前記第1プリンタに送信する指示送信部と、
を備える、サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、プリンタとサーバとで実行される方法、プリンタとサーバとを含む通信システム、および、プリンタと通信可能なサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信システムにおいて、定額サービスの情報を、一のプリンタから他のプリンタに移行する技術が開示されている。例えば、一のプリンタからの移行コード要求に応じてサーバは、一のプリンタに移行コードを送信する。ユーザは、一のプリンタに表示された移行コードを他のプリンタに入力する。他のプリンタが、ユーザによって入力された移行コードをサーバに送信すると、サーバは、定額サービスの情報を他のプリンタのIDと対応付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書は、第1プリンタに関する情報を第2プリンタに引き継ぐための新たな技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]第1プリンタと、前記第1プリンタに代えて使用されるべき第2プリンタと、前記第1プリンタおよび前記第2プリンタと通信可能なサーバとで実行される方法であって、前記サーバが、前記第2プリンタからの要求に応じて特定情報を生成する生成工程と、前記サーバが、前記特定情報と前記第2プリンタを識別する第2プリンタ識別情報とを対応付けて記憶する記憶工程と、前記サーバが、前記特定情報を前記第2プリンタに送信する第1送信工程と、前記第2プリンタが、前記特定情報をユーザに通知する通知工程と、前記第1プリンタが、前記特定情報を取得すると、前記特定情報を前記サーバに送信する第2送信工程と、前記サーバが、前記特定情報に基づいて前記第2プリンタを引継先として特定する引継先特定工程と、前記サーバが、前記第1プリンタの設定情報を前記サーバのメモリに格納する第1格納工程であって、前記第1プリンタの前記設定情報は、ユーザの端末装置と前記第1プリンタとの通信において前記端末装置が前記第1プリンタを識別するための特定識別情報を含む、前記第1格納工程と、前記サーバが、前記第1プリンタの設定情報を引継先として特定済みの前記第2プリンタに送信する第3送信工程と、前記第2プリンタが、前記第1プリンタの設定情報を前記第2プリンタの設定情報として前記第2プリンタのメモリに格納する第2格納工程と、前記第1プリンタが、前記特定識別情報を用いた前記端末装置との通信を停止させるための停止処理を実行する停止工程と、を備える、方法。
【0007】
上記構成によれば、サーバが、特定情報に基づいて第2プリンタを引継先として特定し、該第2プリンタに特定情報を含む第1プリンタの設定情報を送信する。この結果、第2プリンタは、第1プリンタの設定を引き継ぐことができる。例えば、ユーザの端末装置は、特定識別情報を用いて、第1プリンタとの間で行っていた通信と同様の通信を、第2プリンタとの間で実行可能になり、例えば、第2プリンタに印刷を実行させることが可能になる。また、第1プリンタが特定識別情報を用いた端末装置と第1プリンタとの通信を停止するための停止処理を実行するので、特定識別情報が第1プリンタと第2プリンタとの両方で有効になる不都合を抑制できる。
【0008】
第1プリンタと第2プリンタとが同一のローカルエリアネットワークに接続されている環境では、特定識別情報が第1プリンタと第2プリンタとの両方で有効になる場合に不都合が発生し得るが、上記構成によれば、このような不都合の発生を抑制できる。
【0009】
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、通信システム、方法、サーバ、プリンタ、これらの装置、システム、方法を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】管理データベースDBと第1プリンタ100Aの設定情報データベースSB(SBa)の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
A.実施例
A1.システム1000の構成
図1は、システム1000の構成を示すブロック図である。システム1000は、第1プリンタ100Aと、第2プリンタ100Bと、第1サーバ200と、第2サーバ300と、端末装置400と、を備える。
【0012】
第1プリンタ100Aは、印刷材としてインクを消費して印刷を行うデバイスである。第1プリンタ100Aは、第1プリンタ100Aのコントローラとして、CPU110と、DRAMなどの揮発性記憶装置120と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置130と、を備えている。また、第1プリンタ100Aは、画像を表示する液晶ディスプレイなどの表示部140と、ユーザによる操作を取得するためのボタンやタッチパネルなどの操作部150と、印刷機構170と、通信インタフェース(IF)180と、を備えている。
【0013】
通信IF180は、インターネットITに接続するためのインタフェース、例えば、イーサネット(登録商標)に準拠した有線のインタフェースや、Wi-Fi規格に準拠した無線のインタフェースである。
【0014】
CPU110は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置120は、CPU110が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置130には、第1プリンタ100Aを制御するためのコンピュータプログラムPGpと、後述する各種のサービス情報や設定情報が記録される設定情報データベースSBと、が格納されている。
【0015】
コンピュータプログラムPGpは、本実施例では、第1プリンタ100Aの製造時に不揮発性記憶装置130に予め格納されて提供される。これに代えて、コンピュータプログラムPGpは、例えば、インターネットITを介して接続されたサーバからダウンロードされる形態、あるいは、CD-ROMなどに記録された形態で提供され得る。
【0016】
CPU110は、コンピュータプログラムPGpを実行することによって、第1プリンタ100Aを制御する各種の処理を実行する。例えば、第1プリンタ100A(CPU110)は、印刷機構170を制御して画像を印刷する。また、第1プリンタ100Aは、コンピュータプログラムPGpを実行することによって、第2プリンタ100Bやサーバ300と通信して、後述する設定引継処理を実行する。
【0017】
印刷機構170は、CPU110の制御に従って、印刷を実行する。本実施例の印刷機構170は、複数種類のインク、例えば、シアン(C)とマゼンタ(M)とイエロ(Y)とブラック(K)との4種類のインクを用いて、画像を記録媒体に印刷するインクジェット方式の印刷機構である。これに代えて、印刷機構170は、トナーカートリッジに収容されたトナーを色材として用いて、画像を記録媒体に印刷する電子写真方式の印刷機構であっても良い。
【0018】
第2プリンタ100Bは、例えば、上述した第1プリンタ100Aに故障等の不具合が発生した場合に、第1プリンタ100Aに代えて使用されるべきプリンタである。第2プリンタ100Bは、第1プリンタ100Aと同様の構成110~180を備えている。第2プリンタ100Bの構成の説明は省略する。なお、第1プリンタ100Aの設定情報データベースSBと、第2プリンタ100Bの設定情報データベースSBとを、区別するために、第1プリンタ100Aの設定情報データベースSBを設定情報データベースSBaとも呼び、第2プリンタ100Bの設定情報データベースSBを設定情報データベースSBbとも呼ぶ。
【0019】
第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとは、例えば、ローカルエリアネットワークLNに接続され、ローカルエリアネットワークLNを介してインターネットITと接続される。なお、第2プリンタ100Bは、第1プリンタ100Aと通信可能に接続される必要はない。このために、第2プリンタ100Bは、同じローカルエリアネットワークLNに接続される必要はなく、別のローカルエリアネットワークを介して、インターネットITと接続されても良い。
【0020】
第1サーバ200と第2サーバ300とは、例えば、第1プリンタ100Aおよび第2プリンタ100Bの製造や販売を行う事業者が運営する計算機、例えば、クラウドサーバである。第2サーバ300は、プリンタ100A、100BをクライアントとするWEBサーバとして機能し、プリンタ100A、100Bに様々の機能をWEBアプリケーションとして提供することができる。本実施例では、後述するように、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bに引き継ぐ機能をWEBアプリケーションとして実現する。第1サーバ200は、主として、プリンタ100A、100Bとの間で常時接続を確立し、該常時接続を用いて、他のサーバ(例えば、第2サーバ300や、図示しない別のサービスを提供するサーバ)とプリンタ100A、100Bとの通信を中継する。これによって、他のサーバは、第1サーバ200を介して、プリンタ100A、100Bからの要求を受信しなくても、任意のタイミングで、ローカルエリアネットワークLNのファイアウォールを越えて、プリンタ100A、100Bと通信できる。
【0021】
第1サーバ200は、第1サーバ200のコントローラとしてのCPU210と、DRAMなどの揮発性記憶装置220と、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置230と、インターネットITに接続するための有線または無線の通信IF280と、を備えている。第1サーバ200は、インターネットITに接続されている。これによって、第1サーバ200は、インターネットITを介して、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および、第2サーバ300とのそれぞれと通信可能である。
【0022】
CPU210は、データ処理を行う演算装置(プロセッサ)である。揮発性記憶装置220は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域を提供する。不揮発性記憶装置230には、コンピュータプログラムPGaと、管理データベースDBと、が格納されている。
【0023】
コンピュータプログラムPGaは、例えば、第1サーバ200を運用する事業者によってアップロードされる形態で提供される。第1サーバ200(CPU210)は、コンピュータプログラムPGaを実行することによって、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および、第2サーバ300と協働して、設定引継処理を実行する。管理データベースDBには、設定引継処理に必要な後述するデータが格納される。
【0024】
第2サーバ300は、第1サーバ200と同様の構成、すなわち、CPU310と、揮発性記憶装置320と、不揮発性記憶装置330と、通信IF380と、を備えている。第2サーバ300は、インターネットITに接続されている。これによって、第2サーバ300は、インターネットITを介して、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および、第1サーバ200とのそれぞれと通信可能である。
【0025】
不揮発性記憶装置330には、コンピュータプログラムPGaとは異なるコンピュータプログラムPGbが格納されている。コンピュータプログラムPGbは、例えば、第2サーバ300を運用する事業者によってアップロードされる形態で提供される。第2サーバ300(CPU310)は、コンピュータプログラムPGbを実行することによって、第1プリンタ100A、第2プリンタ100B、および、第1サーバ200と協働して、設定引継処理を実行する。
【0026】
端末装置400は、プリンタ100A、100Bのユーザの計算機であり、例えば、パーソナルコンピュータである。端末装置400は、図示しないCPUや記憶装置などを備えている。ユーザは、例えば、端末装置400を操作して、端末装置400からプリンタ100Aに印刷ジョブを送信することで、プリンタ100Aに印刷を実行させている。
【0027】
A2.管理データベースDBと設定情報データベースSB
第1サーバ200の不揮発性記憶装置230に格納される管理データベースDBと、プリンタ100A、100Bの不揮発性記憶装置130に格納される設定情報データベースSB(SBa、SBb)と、について説明する。
図2は管理データベースDBと第1プリンタ100Aの設定情報データベースSB(SBa)の説明図である。
【0028】
管理データベースDBは、
図2(A)に示すように、ユーザのアカウントIDと、該ユーザのプリンタのデバイスIDと、を対応付けて記録するデバイス管理テーブルDTを含んでいる。本実施例では、デバイス管理テーブルDTには、第1サーバ200を介した通信を利用する印刷サービスを利用するユーザのアカウントIDと、該印刷サービスに用いるプリンタのデバイスIDと、が対応付けて記録されている。印刷サービスに用いられないプリンタのデバイスIDは、デバイス管理テーブルDTには記録されるが、アカウントIDとは対応付けられていない。
【0029】
印刷サービスは、例えば、インクなどのプリンタの印刷材の残量を管理し、印刷材の消耗に応じて該印刷材をユーザに配送する印刷材管理サービスや、ユーザの携帯端末から送信される画像ファイルを用いて印刷ジョブを生成してプリンタに送信することによって、プリンタに印刷を行わせるリモート印刷サービスである。これらの印刷サービスを提供するサーバ(図示省略)は、第1サーバ200とインターネットITを介して接続されており、第1サーバ200とプリンタ(例えば、第1プリンタ100A)との間に確立される常時接続を利用して、プリンタからの印刷材の残量情報の取得や、プリンタへの印刷ジョブの送信等を実行する。
【0030】
なお、印刷サービスを提供する他のサーバ(図示省略)において、ユーザのアカウントIDに対応付けて、印刷サービスに関する様々なサービス情報が記憶されている。これらのサービス情報は、例えば、印刷材をユーザに配送する配送先を示す住所情報や、ユーザの連絡先を示すメールアドレスや、ユーザのクレジットカード番号などの決済情報を含む。管理データベースDBのデバイス管理テーブルDT(
図2(A))は、ユーザのアカウントIDを介して、これらのサービス情報と、印刷サービスの対象となるプリンタのデバイスIDと、を対応付けている。
【0031】
第1プリンタ100Aの設定情報データベースSBaは、第1プリンタ100Aに関連する様々な設定情報が記録されるデータベースである。設定情報データベースSBは、
図2(B)に示すように、サービス情報SIと、ポート名PNと、印刷設定情報PSと、を含み得る。
【0032】
サービス情報SIは、例えば、ユーザが、第1プリンタ100Aを用いて印刷サービスの提供を受けている場合に記録される、印刷サービスに関連する情報である。サービス情報SIは、例えば、印刷サービスを提供する図示しないサーバと通信するための認証情報や印刷サービスの利用状況を示す情報(例えば、印刷枚数)等を含む。
【0033】
ポート名PNは、デバイスIDとは異なる識別子であり、ユーザの端末装置400と第1プリンタ100Aとの通信において端末装置400が第1プリンタ100Aを識別するために用いる識別子である。例えば、端末装置400は、ポート名PNを指定して、印刷ジョブを送信することによって、該ポート名PNを有する第1プリンタ100Aに印刷ジョブを送信できる。1つの通信相手を正しく指定できるように、ポート名PNは、ローカルエリアネットワークLNに接続される装置間で重複しないように設定される。本実施例では、ポート名PNは、MACアドレスに基づいて作成される。例えば、MACアドレスに所定の文字列を付加した文字列がポート名PNとして用いられる。ポート名PNは、例えば、端末装置のOS(operating system)がWindows(登録商標)である場合に用いられ、「NetBIOS名」とも呼ばれる
【0034】
印刷設定情報PSは、印刷に関連する設定情報である。印刷設定情報PSは、例えば、ユーザによって設定された用紙、印刷ノード、印刷モード等に関連する様々な設定情報を含む。
【0035】
設定情報データベースSBaには、図示は省略するが、他の様々な設定情報、具体的には、ローカルエリアネットワークLNやインターネットITとの接続に関するネットワーク設定等を含み得る。
【0036】
第2プリンタ100Bの設定情報データベースSBbは、上述した第1プリンタ100Aの設定情報データベースSBa(
図2(A))と同様の設定情報を格納し得るが、後述の設定引継処理の開始時点では、初期状態である。初期状態では、設定情報データベースSBbには、例えば、印刷設定情報PS等の初期設定を示す情報が格納され、ポート名PNやサービス情報SI等の未設定の情報は格納されていない。
【0037】
A3.設定引継処理
例えば、ユーザは、現在利用している第1プリンタ100A(現デバイスとも呼ぶ)と置き換えて利用するために、新たに第2プリンタ100B(新デバイスとも呼ぶ)を購入したとする。このような場合に、ユーザは、第1プリンタ100Aの設定情報を、第2プリンタ100Bに引き継ぎたい場合がある。また、ユーザが、第1プリンタ100Aを用いて印刷サービス(上述の印刷材管理サービスやリモート印刷サービス等)を利用している場合には、第2プリンタ100Bを用いて、引き続き、該印刷サービスを利用したい場合がある。以下では、第1プリンタ100A(現デバイス)から第2プリンタ100B(新デバイス)に、設定情報やサービス情報を引き継ぐ設定引継処理について説明する。
【0038】
ユーザは、購入した第2プリンタ100Bを第1サーバ200および第2サーバ300と通信可能にセットアップする。具体的には、第2プリンタ100Bは、ローカルエリアネットワークLNに接続され、ローカルエリアネットワークLNとインターネットITを介してサーバ200、300と通信可能にされる。ユーザは、その上で、第2プリンタ100Bの電源を投入する。
【0039】
図3~
図6は、設定引継処理のシーケンス図である。ユーザは、第2プリンタ100Bの操作部150を操作して、第2サーバ300との常時接続を利用した通信を有効化するための有効化指示を第2プリンタ100Bに入力する。
【0040】
第2プリンタ100Bは、有効化指示を取得すると、S12にて、有効化要求を第2サーバ300に送信する。なお、第2プリンタ100Bと第2サーバ300との間の通信は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)を用いて実行される。第2プリンタ100Bから第2サーバ300へ送信されるデータは、HTTPリクエストとして送信され、第2サーバ300から第2プリンタ100Bへ送信されるデータは、直前に受信されたHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスとして送信される。
【0041】
第2サーバ300は、有効化要求を受信すると、S14にて、常時接続指示を第2プリンタ100Bに送信する。第2プリンタ100Bは、常時接続指示を受信すると、S16にて、第1サーバ200と通信して、第2プリンタ100Bと第1サーバ200との間の常時接続を確立する。常時接続は、例えば、XMPP(eXtensible Messaging and Presence Protocol)に従う接続である。これによって、第1サーバ200は、第2プリンタ100Bに、任意のタイミングでデータを送信することができる。なお、該常時接続は、第2プリンタ100Bと第2サーバ300との間の通信とは別のスレッドにて確立される。以降では、第2プリンタ100Bと第1サーバ200との間の通信は、本ステップで確立された常時接続を用いて行われる。
【0042】
S16の常時接続を確立する処理の過程で、第1サーバ200は、第2プリンタ100Bを識別するデバイスID(新デバイスID「DID_b」とも呼ぶ)を生成し、該デバイスIDを管理データベースDBに記録する。また、第1サーバ200は、該デバイスIDを第2プリンタ100Bに送信し、第2プリンタ100Bは該デバイスIDを自身の設定情報データベースSBbに記録する。
【0043】
第2プリンタ100Bと第1サーバ200との間の常時接続が確立されると、第2プリンタ100Bは、S18にて、有効化完了通知を第2サーバ300に送信する。第2サーバ300は、有効化完了通知を受信すると、S20にて、メニュー画面データを第2プリンタ100Bに送信する。
【0044】
第2プリンタ100Bは、メニュー画面データを受信すると、S22にて、該メニュー画面データを用いて、メニュー画面(図示省略)を表示部140に表示する。メニュー画面は、ワンタイムコードの発行指示を入力するためのワンタイムコードボタンを含んでいる。ユーザは、ワンタイムコードボタンを押下する。
【0045】
ワンタイムコードボタンが押下されると、第2プリンタ100Bは、S24にて、ワンタイムコードの発行を要求するワンタイムコード要求を第2サーバ300に送信する。第2サーバ300は、ワンタイムコード要求を受信すると、S26にて、デバイストークンを取得することを指示するトークン取得指示を第2プリンタ100Bに送信する。
【0046】
第2プリンタ100Bは、トークン取得指示を受信すると、S28にて、デバイストークンの発行を要求するデバイストークン要求を第1サーバ200に送信する。第1サーバ200は、デバイストークン要求を受信すると、S29にて、第2プリンタ100Bのためのデバイストークン「DTb」を生成し、該デバイストークン「DTb」を管理データベースDBに記録する。デバイストークン「DTb」は、
図3に示すように、S16にて常時接続を確立する際に生成された第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)と対応付けて記録される。デバイストークン「DTb」は、例えば、所定個数の文字を含む文字列であり、第1サーバ200と通信するための認証情報として用いられる。
【0047】
S30では、第1サーバ200は、生成済みのデバイストークン「DTb」を第2プリンタ100Bに送信する。第2プリンタ100Bは、デバイストークン「DTb」を受信すると、S32にて、該デバイストークン「DTb」を第2サーバ300に送信する。
【0048】
第2サーバ300は、デバイストークン「DTb」を受信すると、S34にて、ワンタイムコード発行指示を第1サーバ200に送信する。ワンタイムコード発行指示には、デバイストークン「DTb」が含められる。第1サーバ200は、ワンタイムコード発行指示を受信すると、S36にて、ワンタイムコード「OC」を生成し、該ワンタイムコード「OC」を管理データベースDBに記録する。第2サーバ300は、ワンタイムコード発行指示に含まれるデバイストークン「DTb」と対応付けて記録された第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)を特定し、ワンタイムコード「OC」を新デバイスID「DID_b」と対応付けて記録する(
図4)。ワンタイムコードは、例えば、ランダムに生成される所定個数の数字である。
【0049】
S38では、第1サーバ200は、ワンタイムコード「OC」と新デバイスID「DID_b」とを第2サーバ300に送信する。第2サーバ300は、ワンタイムコード「OC」と新デバイスID「DID_b」とを受信すると、S40にて、ワンタイムコード「OC」と新デバイスID「DID_b」とを対応付けて、不揮発性記憶装置330に記録する(
図4)。
【0050】
S42では、第2サーバ300は、ワンタイムコードを印刷するためのコード印刷データの生成と保存とを実行する。
図7は、設定引継処理の説明図である。
図7(A)には、コード印刷データによって示される印刷画像PIの一例が示されている。この印刷画像PIは、ワンタイムコードを用いて設定情報を引き継げることを説明するメッセージMS1と、ワンタイムコード「OC」を示す数字NIと、を含んでいる。コード印刷データは、コード印刷データの所在を示すURL(Uniform Resource Locator)と対応付けて、不揮発性記憶装置330に保存される。
【0051】
第2サーバ300は、印刷画像PIを印刷させるための印刷指示を、第1サーバ200を経由して第2プリンタ100Bに送信する。具体的には、S44にて、第2サーバ300は、コード印刷データの所在を示すURLと、印刷画像PIを印刷するための印刷設定と、S38にて第1サーバ200から受信した第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)と、を含む印刷指示を第1サーバ200に送信する。印刷設定は、例えば、用紙のサイズや印刷モードを指定する情報である。
【0052】
第1サーバ200は、印刷指示を受信すると、S46にて、該印刷指示を第2プリンタ100Bに送信する。具体的には、第1サーバ200は、受信した印刷指示に含まれる第2プリンタ100BのデバイスIDに基づいて、印刷指示の送信先が第2プリンタ100Bであることを認識する。第1サーバ200は、上述のURLと印刷設定とを含む印刷指示を第2プリンタ100Bに送信する。
【0053】
第2プリンタ100Bは、印刷指示を受信すると、S48にて、印刷指示に含まれるURLを送信先として印刷データ要求を送信する。これによって印刷データ要求は、第2サーバ300に送信される。第2サーバ300は、印刷データ要求を受信すると、S50にて、URLと対応付けて保存済みのコード印刷データを第2プリンタ100Bに送信する。
【0054】
第2プリンタ100Bは、コード印刷データを受信すると、S52にて、該コード印刷データを用いて、印刷画像PI(
図7(A))を用紙に印刷する。ユーザは、印刷画像PIが印刷された用紙を見ることで、ワンタイムコードを知得する。
【0055】
ユーザは、ワンタイムコードを知得すると、現在使用中の第1プリンタ100A(現デバイス)の操作部150を操作して、設定引継指示を入力する(
図5)。
【0056】
第1プリンタ100Aは、設定引継指示を取得すると、S62にて、自身の設定情報を他のプリンタに引き継ぐことを要求する設定引継要求を第2サーバ300に送信する。なお、第1プリンタ100Aと第2サーバ300との間の通信は、上述した第2プリンタ100Bと第2サーバ300との間の通信と同様に、HTTPを用いて実行される。すなわち、第1プリンタ100Aから第2サーバ300へ送信されるデータは、HTTPリクエストとして送信され、第2サーバ300から第1プリンタ100Aへ送信されるデータは、直前に受信されたHTTPリクエストに対するHTTPレスポンスとして送信される。
【0057】
第2サーバ300は、設定引継要求を受信すると、S64にて、コード入力画面データを第1プリンタ100Aに送信する。第1プリンタ100Aは、コード入力画面データを受信すると、S66にて、該コード入力画面データを用いて、コード入力画面DWを表示部140に表示する。
【0058】
図7(B)のコード入力画面DWは、ワンタイムコードの入力を促すメッセージMS2と、ワンタイムコードを入力するための入力欄IBと、メンテナンスコードを入力するためのボタン群NPと、を含んでいる。ユーザは、コード入力画面DWにおいてボタン群NPを操作して、知得済みのワンタイムコードを入力欄IBに入力する。第1プリンタ100Aは、ワンタイムコードを取得すると、S68にて、該ワンタイムコードと第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID)とを第2サーバ300に送信する。
【0059】
第2サーバ300は、ワンタイムコードと現デバイスIDとを受信すると、S70にて、現デバイスIDを有するプリンタ(すなわち、第1プリンタ100A)が印刷サービスの対象の装置であるか否かを判断する。換言すれば、第1プリンタ100Aを用いて印刷材管理サービスやリモート印刷サービスなどの印刷サービスが提供されているか否かが判断される。例えば、第1プリンタ100Aは、ワンタイムコードと現デバイスIDとに加えて、印刷サービスの対象の装置であるか否かを示す情報を第2サーバ300に送信する。第2サーバ300は、第1プリンタ100Aから受信する情報に基づいて、第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置であるか否かを判断する。これに代えて、例えば、第2サーバ300は、印刷サービスの対象の装置であるか否かを第1サーバ200に問い合わせても良い。この場合には、例えば、第1サーバ200は、デバイス管理テーブルDTにおいて第1プリンタ100AのデバイスIDがアカウントIDと対応付けられている場合には、第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置であると判断して、その旨を第2サーバ300に通知しても良い。
【0060】
第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置である場合には(S70:YES)、第2サーバ300は、サービス引継指示を第1サーバ200に送信する。サービス引継指示は、印刷サービスの対象の装置を第1プリンタ100A(現デバイス)から第2プリンタ100B(新デバイス)に変更する指示である。サービス引継指示には、S72にて受信済みのワンタイムコードと、第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID)と、が含められる。
【0061】
第1サーバ200は、引継指示を受信すると、S74にて、第1プリンタ100AのユーザのアカウントIDと、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)と、を特定する。具体的には、デバイス管理テーブルDTにて、サービス引継指示に含まれる第1プリンタ100AのデバイスID「DID_a」(
図2(A))が検索され、デバイスID「DID_a」に対応付けられたアカウントID「AC_a」が特定される。また、サービス引継指示に含まれるワンタイムコード「OC」と対応付けて記録済みの新デバイスID「DID_b」(
図4のS36参照)、すなわち、第2プリンタ100BのデバイスID「DID_b」が特定される。
【0062】
S76では、第1サーバ200は、デバイス管理テーブルDTにおいて、特定済みのアカウントID「AC_a」と、第2プリンタ100BのデバイスID「DID_b」と、を対応付けて記録する。これまで、アカウントID「AC_a」と対応付けられていた第1プリンタ100AのデバイスID「DID_a」は、デバイス管理テーブルDTから削除される。これによって、ユーザが、アカウントID「AC_a」を用いて利用していた印刷サービスの対象の装置は、第1プリンタ100Aから第2プリンタ100Bに変更される。
【0063】
S78では、第1サーバ200は、引継完了通知を第2サーバ300に送信する。引継完了通知には、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)が含められる。S78の後は、
図6のS82に処理が進められる。
【0064】
第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置でない場合には(S70:NO)、第2サーバ300は、S80にて、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)を特定する。具体的には、S68にて第1プリンタ100Aから受信済みのワンタイムコード「OC」と対応付けて記録済みの新デバイスID「DID_b」(
図4のS40参照)、すなわち、第2プリンタ100BのデバイスID「DID_b」が特定される。S78の後は、
図6のS82に処理が進められる。
【0065】
S82では、第2サーバ300は、設定情報の送信を指示する設定情報送信指示を第1プリンタ100Aに送信する。第1プリンタ100Aは、設定情報送信指示を受信すると、S84にて、自身の設定情報データベースSBaに格納済みの設定情報を第2サーバ300に送信する。送信される設定情報は、設定情報データベースSBaに格納された全ての設定情報でも良いし、予め定められた一部の設定情報でも良い。本実施例では、例えば、
図2(B)のサービス情報SIとポート名PNと印刷設定情報PSとを含む設定情報が設定情報データベースSBaから読み出されて、第2サーバ300に送信される。
【0066】
第2サーバ300は、第1プリンタ100Aの設定情報を受信すると、S85にて、第1プリンタ100Aの設定情報を、自身のメモリ(例えば、不揮発性記憶装置330)に格納する。
【0067】
第2サーバ300は、第1サーバ200を経由して設定情報を含む設定情報書込指示を第2プリンタ100Bに送信する。第1サーバ200を経由することで、常時接続を用いて、設定情報書込指示を第2プリンタ100Bに送信できる。これにより、第2プリンタ100BからHTTPリクエストを受信していなくても、設定情報書込指示を直ちに第2プリンタ100Bに送信できる。具体的には、S86にて、第2サーバ300は、第1プリンタ100Aの設定情報と、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)と、を含む設定情報書込指示を第1サーバ200に送信する。第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)は、
図5のS78またはS80にて取得されている。
【0068】
第1サーバ200は、設定情報書込指示を受信すると、S88にて、該設定情報書込指示を第2プリンタ100Bに送信する。具体的には、第1サーバ200は、受信した書込指示に含まれる第2プリンタ100BのデバイスIDに基づいて、印刷指示の送信先が第2プリンタ100Bであることを認識する。第1サーバ200は、第1プリンタ100Aの設定情報を含む設定情報書込指示を第2プリンタ100Bに送信する。
【0069】
第2プリンタ100Bは、設定情報書込指示を受信すると、S90にて、該設定情報書込指示に含まれる設定情報を、自身のメモリ(不揮発性記憶装置130)に格納する。具体的には、第2プリンタ100Bは、不揮発性記憶装置130に格納される設定情報データベースSBbに第1プリンタ100Aのサービス情報SI、ポート名PN、印刷設定情報PS等を含む設定情報を記録する。これによって、第1プリンタ100Aの設定情報は、第2プリンタ100Bの設定情報として第2プリンタ100Bに引き継がれる。
【0070】
ここで、ポート名PNが第2プリンタ100Bに設定情報として記録されたことによって、ユーザの端末装置400は、第1プリンタ100Aを識別するために用いていたポート名PNを、第2プリンタ100Bを識別するためのポート名PNとして用いることができる。
【0071】
S92では、第2プリンタ100Bは、設定情報が設定情報データベースSBbに記録されたことを示す書込完了通知を第1サーバ200に送信する。第1サーバ200は、書込完了通知を受信すると、S94にて、該書込完了通知を第2サーバ300に送信する。
【0072】
第2サーバ300は、書込完了通知を受信すると、S96にて、ポート名PNの変更を指示するポート名変更指示を第1プリンタ100Aに送信する。なお、第2サーバ300は、所定期間が経過しても書込完了通知を受信しない場合には、ポート名変更指示を第1プリンタ100Aに送信せずに、設定引継処理を中断する。この場合には、図示は省略するが、第2サーバ300は、設定引継処理が中断されたことを示す中断通知を第1プリンタ100Aに送信する。第1プリンタ100Aは、中断通知を表示部140に表示して、設定引継処理が中断されたことをユーザに通知する。この場合には、ユーザは、例えば、第2プリンタ100Bにおいてワンタイムコードボタンを押下して、
図3のS24から設定引継処理を再度実行させる。
【0073】
第1プリンタ100Aは、ポート名変更指示を受信すると、S98にて、設定情報データベースSBaに記録されている設定中のポート名PNを別のポート名に変更する。例えば、第1プリンタ100Aは、現在のポート名PNに所定の文字列を付加することや、現在のポート名PNの一部の文字列を別の文字列に置き換えることによって別のポート名を生成し、設定情報データベースSBaに記録する。この結果、この後に、ユーザの端末装置400から、元のポート名PNを宛先として指定した印刷ジョブが第1プリンタ100Aに送信されたとしても、第1プリンタ100Aは、該印刷ジョブを受信しない。S99では、第1プリンタ100Aは、ポート名PNの変更が完了したことを示す変更完了通知を第2サーバ300に送信する。
【0074】
第2サーバ300は、変更完了通知を受信すると、S100にて、上述した
図5のS70と同様に、第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置であるか否かを判断する。第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置でない場合には(S100:NO)、第2サーバ300は、S150にて、第1サーバ200と第2プリンタ100Bとの間の常時接続の解除を指示する常時接続解除指示を第1サーバ200に送信する。
【0075】
第1サーバ200は、常時接続解除指示を受信すると、S110にて、第2プリンタ100Bと通信して、第2プリンタ100Bとの間の常時接続を解除する常時接続解除処理を実行する。これによって、
図3のS16にて確立された第1サーバ200と第2プリンタ100Bとの間の常時接続が解除される。常時接続が解除されると、引継処理は終了される。
【0076】
第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置である場合には(S100:YES)、第2サーバ300は、常時接続を維持したまま、設定引継処理を終了する。第1サーバ200と第2プリンタ100Bとの間の常時接続は、このまま、第2プリンタ100Bを用いた印刷サービスの提供のために用いられる。例えば、第1プリンタ100Aから第2プリンタ100Bに印刷材管理サービスの対象が引き継がれた場合には、例えば、第2プリンタ100Bは、常時接続を用いて、インクの残量情報を定期的に第1サーバ200に送信する。
【0077】
以上説明した本実施例によれば、第2サーバ300は、第2プリンタ100Bからの要求(
図3のS24)に応じて、ワンタイムコード「OC」を生成する(
図4のS36)。サーバ200、300は、ワンタイムコード「OC」と第2プリンタ100Bを識別するデバイスID(新デバイスID「DID_b」)とを対応付け記憶する(
図4のS36、S40)。第2サーバ300は、ワンタイムコード「OC」を第2プリンタ100Bに送信する(
図4のS50)。
【0078】
第2プリンタ100Bは、ワンタイムコード「OC」を含む印刷画像PIを印刷することによって、ワンタイムコード「OC」をユーザに通知する(
図4のS52)。第1プリンタ100Aは、ワンタイムコード「OC」を取得すると、ワンタイムコード「OC」を第2サーバ300に送信する(
図5のS68)。第2サーバ300は、ワンタイムコード「OC」に基づいて第2プリンタ100Bを引継先として特定する(
図5のS78、S80)。
【0079】
第2サーバ300は、第1プリンタ100Aの設定情報を自身のメモリ(不揮発性記憶装置330)に格納する(
図6のS85)。第1プリンタ100Aの設定情報は、ポート名PNを含む(
図2(B))。サーバ200、300は、第1プリンタ100Aの設定情報を引継先として特定済みの第2プリンタ100Bに送信する(
図6のS86、S88)。
【0080】
第2プリンタ100Bは、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bの設定情報として第2プリンタ100Bのメモリ(不揮発性記憶装置130)に格納する(
図6のS90)。第1プリンタ100Aは、ポート名PNを用いた端末装置400との通信を停止させるための停止処理(具体的には、ポート名PNの変更)を実行する(
図6のS98)。
【0081】
この結果、第2プリンタ100Bは、第1プリンタ100Aの設定を引き継ぐことができる。例えば、ユーザの端末装置400は、ポート名PNをそのまま用いて、第1プリンタ100Aとの間で行っていた通信と同様の通信を、第2プリンタ100Bとの間で実行可能になる。従って、例えば、端末装置400において、新たなポート名の設定などの処理を行うことなく、第2プリンタ100Bに印刷ジョブを送信して、第2プリンタ100Bに印刷を実行させることが可能になる。また、第1プリンタ100Aが、元のポート名PNを用いた端末装置400と第1プリンタ100Aとの通信を停止するための停止処理を実行するので、ポート名PNが第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとの両方で有効になる不都合を抑制できる。
【0082】
さらに、本実施例では、第1プリンタ100Aの設定情報は、サーバ200、300から第2プリンタ100Bに送信される。このために、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとは互いに通信する必要がない。このために、例えば、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとが、互いに異なるローカルエリアネットワークに接続されている等によって互いに通信できない状態であってとしても、設定情報の引継を行うことができる。
【0083】
設定引継処理には、端末装置400は関与しないので、端末装置400に、例えば、設定引継ツール等のアプリケーションをインストールする必要もない。さらには、第1プリンタ100Aや第2プリンタ100Bは、第2サーバ300と通信し、第2サーバ300からの指示に従って、第2サーバ300や第1サーバ200と必要な情報を送受信するだけで良い。このために、第1プリンタ100Aや第2プリンタ100Bにも、設定引継処理のためのアプリケーションをインストールする必要もない。
【0084】
さらに、本実施例によれば、第2プリンタ100Bは、
図6のS90にて設定情報を設定情報データベースSBbに格納した後に、書込完了通知を第1サーバ200に送信する(
図6のS92)。第2サーバ300は、第1サーバ200を経由して書込完了通知を受信した(
図6のS94)後に、停止処理の実行指示(具体的には、ポート名変更指示)を第1プリンタ100Aに送信する(
図6のS96)。第1プリンタ100Aは、該実行指示を受信することに応じて、停止処理(具体的にはポート名PNの変更)を実行する(
図6のS98)。この結果、ポート名PNの引き継ぎを含む設定情報の引継を確実に実行できる。例えば、仮にポート名PNを含む設定情報が第2プリンタ100Bの設定情報データベースSBbに格納することに失敗しているにも拘わらずに、第1プリンタ100Aのポート名PNが変更されるとする。この場合には、元のポート名PNが失われるので、再度、元のポート名PNを第2プリンタ100Bに設定することができない可能性がある。本実施例では、このような不具合の発生を抑制できる。
【0085】
さらに、本実施例によれば、上述のように、停止処理は、第1プリンタ100Aが、ポート名PNを変更する処理である(
図6のS98)。この結果、元のポート名PNが第2プリンタ100Bに設定された後に、元のポート名PNを用いて端末装置400と第1プリンタ100Aとの通信が行われることを適切に停止させることができる。
【0086】
さらに、本実施例によれば、第2サーバ300は、書込完了通知を受信しない場合に、停止処理の実行指示(具体的には、ポート名変更指示)を第1プリンタ100Aに送信しない。この結果、ポート名PNを含む設定情報が第2プリンタ100Bの設定情報データベースSBbに格納することに失敗しているにも拘わらずに、第1プリンタ100Aのポート名PNが変更されることを抑制できる。この場合には、再度、設定引継処理が実行されることで、ポート名PNを含む設定情報の引き継ぎを完了させ得る。
【0087】
さらに、本実施例によれば、第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID)と、印刷サービスに関するサービス情報と、が対応付けられている場合に、第1サーバ200は、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)と、該サービス情報とを対応付けることができる。具体的には、第1サーバ200は、サービス情報と対応付けられるアカウントIDとデバイスIDとを対応付けて管理するデバイス管理テーブルDTを含む管理データベースDBを備えている(
図1、
図2(A))。第1サーバ200は、第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID「DID_a」)がユーザのアカウントID「AC_a」と対応付けて記録されている場合に、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID「DID_b」)を該アカウントID「AC_a」と対応付けて管理データベースDBに記録する(
図5のS76)。これによって、アカウントID「AC_a」に対応付けられたサービス情報を、第2プリンタ100Bに適切に引き継ぐことができる。したがって、設定引継処理後に、ユーザは、第1プリンタ100Aを用いて利用していた印刷サービスを、第2プリンタ100Bを用いて引き続き利用することができる。
【0088】
さらに、本実施例によれば、第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置でない場合(
図5のS70にてNO)、換言すれば、アカウントIDを介して、第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID「DID_a」)とサービス情報とが対応付けられていない場合に、
図5のS76の対応付けは、実行されない。この場合には、サービス情報の引継を行わず、設定情報の引継だけを行うことができる。
【0089】
さらに、本実施例によれば、第1サーバ200と第2プリンタ100Bとの間で、常時接続を確立する常時接続確立処理が実行される(
図3のS16)。第2サーバ300は、、第1サーバ200と第2プリンタ100Bとの間で確立される常時接続を用いて、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bに送信する(
図6のS86、S88)。この結果、第2サーバ300は、例えば、第1プリンタ100Aの設定情報を取得した後に、速やかに、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bに送信することができる。例えば、常時接続を用いない場合には、第2サーバ300は、第2プリンタ100BからのHTTPリクエストを受信しない限り、ローカルエリアネットワークLNのファイアウォールを超えて設定情報を第2プリンタ100Bに送信することはできない。このために、常時接続を用いない場合には、例えば、ユーザに第2プリンタ100Bに対して何らかの指示を入力させることによって、第2プリンタ100Bから第2サーバ300へHTTPリクエストを送信させる必要がある。本実施例では、常時接続を用いることによって、例えば、ユーザの操作を必要とすることなく、速やかに設定情報を第2プリンタ100Bに送信することができる。
【0090】
さらに、本実施例によれば、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとは、同一のローカルエリアネットワークLNに接続されている(
図1)。この場合には、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bのポート名PNが重複すると、端末装置400とプリンタとの通信に不具合が生じるが、本実施例では、このような通信の不具合が発生することを抑制できる。
【0091】
以上の説明から解るように、上記実施例の第1プリンタ100AのデバイスID(現デバイスID)は、第1プリンタ識別情報の例であり、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)は、第2プリンタ識別情報の例であり、アカウントIDは、ユーザ識別情報の例である。また、上記実施例のワンタイムコードは、特定情報の例であり、ポート名PNは、特定識別情報の例である。
【0092】
B.変形例
(1)上記実施例では、第1プリンタ100Aは、第2サーバ300からの設定情報送信指示に応じて、第1プリンタ100Aの設定情報を第2サーバ300に送信する(
図6のS84)。これに代えて、第1プリンタ100Aは、例えば、設定引継処理よりも前に、予め第1プリンタ100Aの設定情報を第2サーバ300に送信しても良い。例えば、第1プリンタ100Aは、例えば、故障発生等に備えて、定期的に第1プリンタ100Aの設定情報を第2サーバ300に送信しても良い。この場合には、第2サーバ300は、設定引継処理において、
図6のS82、S84を省略して、
図6のS86、88にて、予め不揮発性記憶装置330に格納済みの第1プリンタ100Aの設定情報を、第1サーバ200を経由して第2プリンタ100Bに送信しても良い。
【0093】
(2)上記実施例では、生成されたワンタイムコードは、ワンタイムコードを含む印刷画像PIを示すコード印刷データの形態で第2プリンタ100Bに送信される(
図4のS50)。これに限らず、生成されたワンタイムコードは、テキストデータの形態で第2プリンタ100Bに送信されても良いし、表示部140に表示するための画面データや、音声データの形態で第2プリンタ100Bに送信されても良い。
【0094】
(3)第2プリンタ100Bは、ワンタイムコードを含む印刷画像PIを印刷する形態で、ワンタイムコードをユーザに通知している。これに限らず、第2プリンタ100Bは、表示部140に表示する形態や音声で出力する形態で、ワンタイムコードをユーザに通知しても良い。
【0095】
(4)上記実施例では、ポート名PNを用いた端末装置400との通信を停止させる停止処理として、第1プリンタ100Aは、ポート名PNを変更する処理を実行している(
図6のS98)。これに限らず、第1プリンタ100Aは、停止処理として、ポート名PNを設定情報データベースSBaから削除する処理を実行しても良い。また、第1プリンタ100Aは、停止処理として、端末装置400などの外部機器との通信を禁止する処理や、印刷ジョブの受信を禁止する処理を実行しても良い。
【0096】
(5)上記実施例では、第1プリンタ100Aは、ポート名PNの用いた通信を停止する停止処理(具体的にはポート名の変更)を、第2サーバ300からの実行指示(具体的にはポート名変更指示)を受信することに応じて実行している(
図6のS96、S98)。これに代えて、例えば、第1プリンタ100Aは、ポート名PNを含む設定情報を第2サーバ300に送信した(
図6のS)後に、直ちに停止処理を実行しても良い。
【0097】
(6)上記実施例では、設定引継処理において、デバイス管理テーブルDT(
図2)において、第2プリンタ100BのデバイスID(新デバイスID)を、ユーザのアカウントIDに対応付けることによって、サービス情報の引き継ぎを行っている(
図5のS76)。これに代えて、第1プリンタ100Aが印刷サービスの対象の装置であっても、サービス情報の引き継ぎ(
図5のS76)は実行せずに、設定情報の引き継ぎ(
図6のS82~S99)だけを実行しても良い。
【0098】
(7)上記実施例では、第2サーバ300は、第2プリンタ100Bと第1サーバ200との間の常時接続を用いて、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bに送信している。これに代えて、第2サーバ300は、例えば、
図6のS84とS85との間に、第2プリンタ100Bから第2サーバ300にHTTPリクエストを送信させ、該HTTPリクエストに対する応答として、第1プリンタ100Aの設定情報を第2プリンタ100Bに送信しても良い。例えば、第2サーバ300は、第1プリンタ100Aに表示指示を送信することで、第1プリンタ100Aの表示部140に、第2プリンタ100Bに対して所定の操作を行うことを促すメッセージを表示する。該メッセージに従って、ユーザが所定の操作を第2プリンタ100Bに対して行うことに応じて、第2プリンタ100Bは、HTTPリクエストを第2サーバ300に送信する。
【0099】
(8)上記実施例では、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとは、同一のローカルエリアネットワークLNに接続している。これに代えて、第1プリンタ100Aと第2プリンタ100Bとは、互いに異なるローカルエリアネットワークに接続され、互いに通信できない状態であっても良い。
【0100】
(9)第1プリンタ100A、100Bの少なくとも一方は、印刷機構170に加えて、スキャナを備える、いわゆる複合機であっても良い。
【0101】
(10)上記実施例の設定引継処理にて、2つのサーバ200、300が実行する処理を、1つのサーバが実行しても良い。あるいは、上記実施例の設定引継処理にて、2つのサーバ200、300が実行する処理を、互いに通信可能な3以上のサーバが役割を分担して実行しても良い。
【0102】
(9)上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
【0103】
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
【符号の説明】
【0104】
1000…システム,100A…第1プリンタ,100A…プリンタ,100B…第2プリンタ,110…CPU,110…構成,120…揮発性記憶装置,130…不揮発性記憶装置,140…表示部,150…操作部,170…印刷機構,180…通信IF,200…第1サーバ,210…CPU,220…揮発性記憶装置,230…不揮発性記憶装置,280…通信IF,300…第2サーバ,310…CPU,320…揮発性記憶装置,330…不揮発性記憶装置,380…通信IF,400…端末装置,DB…管理データベース,DT…デバイス管理テーブル,DW…コード入力画面,IT…インターネット,LN…ローカルエリアネットワーク,PGa,PGb,PGp…コンピュータプログラム,PN…ポート名,SB(SBa,SBb)…設定情報データベース