IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大王製紙株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図1
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図2
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図3
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図4
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図5
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図6
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図7
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図8
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図9
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図10
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図11
  • 特開-テープ式使い捨ておむつ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143190
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】テープ式使い捨ておむつ
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/56 20060101AFI20241003BHJP
【FI】
A61F13/56 213
A61F13/56 211
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055727
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青地 晃平
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200CA02
3B200DE06
3B200DE07
(57)【要約】
【課題】ファスニングテープが前後方向に沿って裂ける横裂けの発生を抑制できるテープ式使い捨ておむつを提供すること。
【解決手段】おむつ本体10の背側部10Xの両側部に設けられ、使用時におむつ本体10の腹側部10Zに係止されるファスニングテープ20は、接合部28を介して基端部22がおむつ本体10に接合される基材シート21と、基材シート21の自由端部23に設けられて前後方向Lに沿って並列する複数の係止部24と、を備えている。そして、基材シート21には、外側縁21aから基端部22に向かって延び、最内貫通孔27aがおむつ本体10に重複するミシン目25が、係止部24の間に形成されている。接合部28は、一部がミシン目25を挟んで前後方向Lの両側に配置されると共に、基材シート21の引き裂き時に、基材シート21をおむつ本体10から剥離可能とする接合力で接合する構成とした。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背側部、股部、腹側部が前後方向に順に連なって一体に形成されたおむつ本体と、
前記背側部及び前記腹側部のいずれか一方の両側部に設けられ、前記おむつ本体の使用時に前記背側部及び前記腹側部のいずれか他方に係止されるファスニングテープと、を備え、
前記ファスニングテープは、接合部を介して前記おむつ本体に基端部が接合される基材シートと、前記基材シートの自由端部に設けられて前記前後方向に沿って並列する複数の係止部と、を備え、
前記基材シートは、前記前後方向に隣り合う前記係止部の間に、幅方向の外側縁から前記基端部に向かって延び、前記幅方向の最内端が前記おむつ本体に重複するミシン目が形成され、
前記接合部は、少なくとも一部が、前記ミシン目を挟んで前記前後方向の両側に配置されると共に、前記基材シートの引き裂き時に前記基材シートを前記おむつ本体から剥離可能とする接合力で前記基材シートを前記おむつ本体に接合する
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
【請求項2】
請求項1に記載されたテープ式使い捨ておむつにおいて、
前記ミシン目は、前記最内端を含む一方の端部が前記接合部に重複している
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
【請求項3】
請求項1に記載されたテープ式使い捨ておむつにおいて、
前記接合部は、前記ミシン目の前記最内端を含む一方の端部と重複する領域に切欠部が形成され、
前記ミシン目は、前記最内端を含む一方の端部が前記接合部に重複していない
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
【請求項4】
請求項3に記載されたテープ式使い捨ておむつにおいて、
前記接合部は、前記ミシン目を挟んで前記前後方向に対向する一対の縁部が、前記前後方向及び前記幅方向に対して傾いた斜め方向に沿って延び、
前記一対の縁部の前記前後方向の間隔は、前記基端部から前記自由端部に向かうほど広くなる
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたテープ式使い捨ておむつにおいて、
前記接合部は、前記おむつ本体の前記幅方向の外側縁よりも、前記幅方向の内方側に設けられている
ことを特徴とするテープ式使い捨ておむつ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テープ式使い捨ておむつに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、おむつ本体の背側部の両側部に基端部が接合される基材シートと、基材シートの外側縁から延在して前後方向に沿って並列する複数の係止部と、を有するファスニングテープを、係止部の間に形成されたミシン目に沿って引き裂いてからおむつ本体の腹側部に係止することで装着されるテープ式使い捨ておむつが知られている(例えば、特許文献1~特許文献3参照)。
【0003】
ここで、特許文献1には、外側縁から中間点までの引裂き強度が高く、中間点から内方端までの引裂き強度が低いミシン目が形成されたテープ式使い捨ておむつが記載されている。また、特許文献2には、切込み部が基材シートの外側縁から股下部の方向に斜めに傾いて延びているテープ式使い捨ておむつが記載されている。また、特許文献2には、切り込み部が基材シートのみだけでなくおむつ本体のファスニングテープを接合した部分にも形成されたテープ式使い捨ておむつが記載されている。さらに、特許文献3には、基材シートの外側縁から基端部側に延びるミシン目と、ミシン目の基端部側の内方端に隣接するスリット又は孔とが形成されたテープ式使い捨ておむつが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4683522号公報
【特許文献2】特開2004-57541号公報
【特許文献3】特開2020-103356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のテープ式使い捨ておむつでは、ミシン目の内方端まで基材シートが引き裂かれた際、過度な力がミシン目の内方端に作用すると、ミシン目の内方端を起点にして、ファスニングテープが前後方向に沿って裂ける横裂けが生じることがあった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ファスニングテープが前後方向に沿って裂ける横裂けの発生を抑制できるテープ式使い捨ておむつを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は、背側部、股部、腹側部が前後方向に順に連なって一体に形成されたおむつ本体と、前記背側部及び前記腹側部のいずれか一方の両側部に設けられ、前記おむつ本体の使用時に前記背側部及び前記腹側部のいずれか他方に係止されるファスニングテープと、を備え、前記ファスニングテープは、接合部を介して前記おむつ本体に基端部が接合される基材シートと、前記基材シートの自由端部に設けられて前記前後方向に沿って並列する複数の係止部と、を備え、前記基材シートは、前記前後方向に隣り合う前記係止部の間に、幅方向の外側縁から前記基端部に向かって延び、前記幅方向の最内端が前記おむつ本体に重複するミシン目が形成され、前記接合部は、少なくとも一部が、前記ミシン目を挟んで前記前後方向の両側に配置されると共に、前記基材シートの引き裂き時に前記基材シートを前記おむつ本体から剥離可能とする接合力で前記基材シートを前記おむつ本体に接合する構成とした。
【発明の効果】
【0008】
これにより、本発明のテープ式使い捨ておむつは、ファスニングテープが前後方向に沿って裂ける横裂けの発生を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1のテープ式使い捨ておむつを示す一部破断展開図である。
図2】実施例1のテープ式使い捨ておむつの着用状態を示す斜視図である。
図3図1におけるA部の拡大図である。
図4図3におけるB-B断面図である。
図5】実施例1のファスニングテープを使用する際の説明図である。
図6】ファスニングテープの横裂けを示す説明図である。
図7】基材シートの繊維方向とミシン目を引き裂く際の力の作用方向を示す説明図である。
図8】比較例のテープ式使い捨ておむつの要部断面図である。
図9】ファスニングテープの製造方法を示す説明図である。
図10】実施例1のファスニングテープを引き裂いた状態を示す要部斜視図である。
図11】第1変形例のテープ式使い捨ておむつの要部拡大図である。
図12】第2変形例のテープ式使い捨ておむつの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によるテープ式使い捨ておむつを実施するための形態は、図面に示す実施例1に基づいて以下のように説明される。
【0011】
実施例1におけるテープ式使い捨ておむつ1は、図1に示すように、背側部10Xと、股部10Yと、腹側部10Zとを有するおむつ本体10と、おむつ本体10に設けられたファスニングテープ20と、を備えている。そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、使用時、図2に示されたように、着用者Pの背中から股を介して腹に亘っておむつ本体10で着用者Pを覆い、ファスニングテープ20がターゲットシート16に係止されて背側部10Xの両側部が腹側部10Zに綴じ合わせられる。なお、テープ式使い捨ておむつ1は、内側にインナーパッドがセットされて使用されてもよい。
【0012】
以下の説明では、テープ式使い捨ておむつ1の背側部10X、股部10Y、腹側部10Zが順に連なる方向を前後方向Lとし、前後方向Lに直交する方向を幅方向Wとする。前後方向Lは、おむつ本体10の延在方向であり、前側が着用者Pの腹側に対応し、後側が着用者Pの背中側に対応する。また、以下の説明では、テープ式使い捨ておむつ1の着用者Pを基準として「上下」「内外」等の用語が用いられる。
【0013】
実施例1のおむつ本体10は、図1に示すように、背側部10Xと、腹側部10Zと、背側部10Xと腹側部10Zとの間の股部10Yとが一体に連なって形成されている。なお、背側部10Xと股部10Yの間や、腹側部10Zと股部10Yの間には、境界や構造的な差異があるわけではない。そして、おむつ本体10は、トップシート11と、バックシート12と、吸収体13と、ギャザーシート14と、を備えている。
【0014】
トップシート11は、内側(着用者Pの身体側)に配置され、おむつ本体10の幅方向Wの中央部に位置するシート材である。トップシート11は、液体を透過する特性である液透過性を有し、例えば、液透過性の不織布等で形成されている。トップシート11は、吸収体13に向けて、体液を速やかに通過させることができる。
【0015】
バックシート12は、外側(衣類側)に配置されたシート材である。バックシート12は、液体を透過させない特性である液不透過性を有し、例えば、内側に配置された樹脂フィルム製の内側シートと、外側に配置された不織布製の外側シートとの二層構造等で構成されている。バックシート12は、吸収体13が保持した体液の透過を阻止して、衣類等を濡らさないようにする。バックシート12は、トップシート11よりも大きい外形を有している。
【0016】
吸収体13は、トップシート11とバックシート12との間に積層された液体吸収材であり、おむつ本体10の中央部に配置される。吸収体13は、吸収性ポリマー粒子とパルプ繊維を含んで構成されている。吸収体13は、クレープ紙や不織布等からなる図示しないコアラップシートによって包まれていてもよい。また、吸収体13は、トップシート11及びバックシート12より、小さい外形を有している。このため、おむつ本体10の外周部分には、全周にわたって吸収体13が存在していない。
【0017】
ギャザーシート14は、おむつ本体10の幅方向Wの両側にそれぞれ配置され、トップシート11よりも内側に固定された前後方向Lに延びる細長いシート材である。ギャザーシート14は、例えば、撥水性又は液不透過性の不織布等によって形成されている。ギャザーシート14の幅方向Wの外方端部は、例えばホットメルト等の接着剤や超音波溶着等によってトップシート11及びトップシート11からはみ出たバックシート12に固定される。ギャザーシート14の幅方向Wの内方端部は、少なくとも前後方向Lの中央部がトップシート11に固定されていない。
【0018】
ギャザーシート14の幅方向Wの内方端部には、前後方向Lに延在し、幅方向Wに並列された複数の第1弾性伸縮部材15aが所定の伸張状態で設けられている。第1弾性伸縮部材15aは、例えば、糸状又は帯状の合成ゴム等によって構成される。ギャザーシート14の幅方向Wの内方端部は、第1弾性伸縮部材15aの伸縮力によって伸縮し、内側(着用者Pの身体側)に起立して排泄物の横漏れを防止する。
【0019】
さらに、おむつ本体10は、着用時に着用者Pの足周りを囲む領域に、複数の第2弾性伸縮部材15bが所定の伸張状態で設けられている。第2弾性伸縮部材15bは、例えば、糸状又は帯状の合成ゴム等によって構成され、前後方向Lに延在し、幅方向Wに並列されている。第2弾性伸縮部材15bは、第1弾性伸縮部材15aよりも幅方向Wの外側に配置され、おむつ本体10の幅方向Wの外側縁に沿って延在されている。おむつ本体10(ギャザーシート14及びバックシート12)は、第2弾性伸縮部材15bの伸縮力によって伸縮し、着用者Pの足周りにおけるおむつ本体10のフィット感を向上させる。
【0020】
そして、おむつ本体10は、腹側部10Zのバックシート12の外側(衣類側)の表面に、ターゲットシート16(図2参照)が設けられている。ターゲットシート16は、ファスニングテープ20の後述する係止材24bを剥離可能に係止するシートである。ターゲットシート16は、例えば、係止材24bが係止突起を有するフックテープの場合、シート表面にフックテープが絡まるようなループ糸が多数設けられたものを用いることができる。ターゲットシート16は、例えば、係止材24bが粘着材の場合、表面が平滑なシートの表面に剥離処理を施したものを用いることができる。なお、バックシート12の外側(衣類側)の表面が不織布からなる場合には、係止材24bをフックテープによって構成し、ターゲットシート16を省略してもよい。この場合、ファスニングテープ20は、フックテープからなる係止材24bをバックシート12の繊維に絡ませて係止される。
【0021】
ファスニングテープ20は、図1に示すように、おむつ本体10の背側部10Xにおいて、おむつ本体10の幅方向Wの両側部にそれぞれ設けられている。各ファスニングテープ20は、基材シート21と、複数(ここでは二つ)の係止部24と、を有している。以下の説明では、図3及び図4に示されたように、図1に示された平面視で右側に配置されたファスニングテープ20について説明するが、ファスニングテープ20は、左右で同一の構造を有している。このため、平面視で左側に配置されたファスニングテープ20についての詳細な説明は省略する。
【0022】
基材シート21は、例えば、不織布、プラスチックフィルム、ポリエチレンの薄膜で不織布の表面を覆ったポリラミ不織布、紙、これらの複合素材等からなるシート材である。基材シート21は、使用中の不要な破れや伸びを防止するため、トップシート11やバックシート12等よりも高目付の素材が用いられる。そのため、基材シート21の一般部の引き裂き強度は、トップシート11やバックシート12等の引き裂き強度よりも高い。ここで、「基材シート21の一般部」とは、基材シート21のうち、後述するミシン目25が形成されていない領域である。また、「引き裂き強度」とは、基材シート21をシート面に平行な方向に沿って互いに反対向きに引っ張る力に対する強度と、基材シート21をシート面に垂直な方向に沿って互いに反対向きに引っ張る力に対する強度の少なくとも一方を含む。
【0023】
基材シート21は、幅方向Wの一方の端部におむつ本体10に固定された基端部22を有し、幅方向Wの他方の端部におむつ本体10に固定されない自由端部23を有している。基端部22は、ギャザーシート14とバックシート12との間に挟まれ、接合部28を介しておむつ本体10(ギャザーシート14及びバックシート12)に接合される。基端部22は、ギャザーシート14とバックシート12との間に挟まれるため、おむつ本体10と重複する。一方、自由端部23は、おむつ本体10よりも幅方向Wの外方側に延在されており、おむつ本体10には重複しない。
【0024】
実施例1の接合部28は、ホットメルト等の接着剤や、超音波溶着等の接合構造によって基材シート21をおむつ本体10、すなわちギャザーシート14及びバックシート12の双方に接合する領域である。接合部28は、平面視で、幅方向Wに所定の長さを有すると共に前後方向Lに延びる帯状を呈している。
【0025】
また、接合部28は、バックシート12の幅方向Wの外側縁12aよりも、幅方向Wの内方側に設定されている(図4参照)。なお、「幅方向Wの内方側」とは、幅方向Wの中央に近い位置を意味する。このため、バックシート12は、外側縁12aと接合部28の外方縁28aとの間に、基材シート21に重複しているものの、基材シート21に接合されていない余剰領域12bを有している。さらに、接合部28は、ギャザーシート14の幅方向Wの外側縁14aよりも、幅方向Wの内方側に設定されている。このため、ギャザーシート14は、外側縁14aと接合部28の外方縁28aとの間に、基材シート21に重複しているものの、基材シート21に接合されていない余剰領域14bを有している。
【0026】
さらに、実施例1の接合部28は、後述するミシン目25に沿って基材シート21が引き裂かれたときに、基材シート21をおむつ本体10(ギャザーシート14及びバックシート12)から剥離可能とする接合力で、基材シート21をおむつ本体10に接合する。ここで、「剥離可能」とは、ミシン目25に沿って基材シート21を引き裂く程度の力によって、基材シート21と、ギャザーシート14又はバックシート12とが、互いに離れる方向に相対的に引っ張られたとき、各シートが破損することなく剥離することを意味する。
【0027】
複数(二つ)の係止部24は、基材シート21の自由端部23に形成され、前後方向Lに沿って並列している。各係止部24は、基材シート21の外側縁21aからさらに幅方向Wの外方に突出したフラップ部24aと、フラップ部24aに設けられた係止材24bと、を有している。
【0028】
フラップ部24aは、基材シート21の一部を延長することで構成され、基材シート21と一体である。
【0029】
係止材24bは、フラップ部24aの内側面に設けられ、例えば、メカニカルファスナー(面ファスナー)のフックテープや、粘着材等を用いることができる。なお、フラップ部24aの内側面は、テープ式使い捨ておむつ1の使用時にターゲットシート16に対向する面である。また、係止材24bは、ターゲットシート16に対し、係止と剥離を繰り返すことが可能であれば材質や形状等は問わない。
【0030】
そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1におけるファスニングテープ20は、基材シート21にミシン目25が形成されている。ミシン目25は、一定の間隔で間欠的に並ぶと共に、基材シート21を貫通する複数の貫通孔25aによって構成されている。なお、貫通孔25aは、開口面積を有する穴(開口)や、開口面積を有さないスリット(切れ目)を含み、円形や細長い楕円の穴、線状のスリット等任意の形状に設定可能である。実施例1の貫通孔25aは、幅方向Wに沿う長軸を有するオーバル形状に設定されている。そして、ミシン目25は、前後方向Lに隣り合う一対の係止部24の間に配置されている。さらに、ミシン目25は、基材シート21の幅方向Wの外側縁21aから基端部22に向かって直線状に延びている。
【0031】
また、実施例1では、ミシン目25の基端部22側の内方端部26は、おむつ本体10に重複する。なお、「ミシン目25の内方端部26」とは、ミシン目25を構成する複数の貫通孔25aのうち、幅方向Wの最内端(最も内側の一端)に位置する貫通孔(以下、「最内貫通孔27a」という)を含む基端部22側の貫通孔である。内方端部26は、複数の最内貫通孔27aを含む複数の貫通孔群を意味してもよいし、図3に示されたように、最内貫通孔27aのみを内方端部26としてもよい。
【0032】
実施例1では、ミシン目25の内方端部26がおむつ本体10に重複するため、言い換えれば、ミシン目25は、図4に示されたように、基材シート21のうち、ギャザーシート14とバックシート12とで挟まれた領域まで延びている。
【0033】
また、実施例1では、最内貫通孔27aは、基端部22側の端部が大径の環状に切り欠かれている。これにより、最内貫通孔27aは、内縁に作用した力を分散することができる。なお、最内貫通孔27aは、基端部22側の端部が大径の環状に切り欠かれず、他の貫通孔25aと同形状であってもよい。
【0034】
また、実施例1では、図3に示されたように、ミシン目25を構成する複数の貫通孔25aのうち、幅方向Wの最外端に位置する貫通孔(以下、「最外貫通孔27b」という)は、基材シート21の外側縁21aに重なり、外側縁21aを破断する。
【0035】
さらに、実施例1では、ミシン目25の内方端部26が、基材シート21をおむつ本体10に接合する接合部28に重複している。これにより、実施例1の接合部28は、少なくとも一部が、ミシン目25を挟んで前後方向Lの両側に配置される。さらに、実施例1の接合部28は、幅方向Wの外方縁28aが、ミシン目25の最内端である最内貫通孔27aよりも自由端部23に近い位置に設けられる。
【0036】
なお、ミシン目25は、図4に示されたように、基材シート21のみに形成されており、バックシート12及びギャザーシート14にミシン目25は形成されていない。バックシート12及びギャザーシート14は、基材シート21の基端部22に重なっているだけであり、基材シート21に形成されたミシン目25は、バックシート12及びギャザーシート14によって覆われている。
【0037】
実施例1のテープ式使い捨ておむつ1の作用は、以下のように説明される。
【0038】
テープ式使い捨ておむつ1を使用する際、まず、介助者は、おむつ本体10を図1に示された状態に広げる。このとき、ファスニングテープ20の基材シート21は、ミシン目25を構成する複数の貫通孔25aの間のアンカット部分が引き裂かれておらず、一枚のシート状になっている。
【0039】
次に、介助者は、おむつ本体10を所定の位置(例えば、仰臥状態の着用者Pの下)に置き、その後、ファスニングテープ20を引き裂く。すなわち、介助者は、図5に示されたように、基材シート21の背側の側縁部を例えば右手RHで把持し、腹側の側縁部を左手LHで把持する。そして、介助者は、基材シート21の前後方向Lの両側縁部を、前後方向Lやおむつ本体10の厚さ方向等に沿って互いに反対方向に引っ張り、複数の貫通孔25aの間のアンカット部分を引き裂く。これにより、ファスニングテープ20は、ミシン目25に沿って引き裂かれる。
【0040】
そして、ファスニングテープ20がミシン目25に沿って引き裂かれることで、結果的にファスニングテープ20は前後方向Lに二つに分割され、第1テープ20aと第2テープ20bが形成される(図2参照)。
【0041】
そして、介助者は、おむつ本体10によって着用者Pの下腹部を覆い、ファスニングテープ20の係止部24をターゲットシート16に係止して背側部10Xと腹側部10Zを綴じ合わせる。このとき、ファスニングテープ20は、例えばクロス止め(図2参照)される。「クロス止め」とは、第1テープ20aの自由端部23が上側に引き上げられた状態でターゲットシート16に係止され、第2テープ20bの自由端部23が下側に引き下げられた状態でターゲットシート16に係止され、第1テープ20aと第2テープ20bがターゲットシート16上でほぼX字状に交差する止め方である。なお、介助者は、ファスニングテープ20をターゲットシート16に係止する際、止め方を調整することで、おむつ本体10の大きさを着用者Pの体格に合わせることができる。
【0042】
ここで、例えば、ミシン目25の最内端である最内貫通孔27aが接合部28よりも自由端部23側に位置している場合、ファスニングテープ20は、最内貫通孔27aに至るまでミシン目25に沿って引き裂かれた後、図6に示されたように、最内貫通孔27aを起点にして前後方向Lに沿って基材シート21が裂ける、いわゆる「横裂け」が発生することがある。
【0043】
この「横裂け」は、主に、以下の理由によって生じる。第1の理由は、図7に示されたように、ミシン目25を引き裂く際の力の作用方向S2が、基材シート21の繊維方向S1と同じ方向になることである。第2の理由は、基材シート21の製造時に施した微細なエンボスによって、最内貫通孔27aの周縁の一部に脆弱部が生じていることである。第3の理由は、図8に示されたように、ファスニングテープ20がおむつ本体10に接合されているため、ファスニングテープ20に強度差が生じていることである。
【0044】
なお、「横裂け」は、上記の第1~第3の理由が、すべて揃っていなくとも発生することもある。また、「横裂け」は、上記の第1~第3の理由が複合的に関係して発生することもある。さらに、「横裂け」は、上記の第1~第3の理由以外の理由によって発生することもある。
【0045】
以下、第1の理由について詳述する。ファスニングテープ20を製造するには、図9に示されたように、例えば、繊維方向S1が長さ方向に沿った帯状のシート材100が連続的に繰り出され、シート材100の幅方向中央部に、長さ方向に延びる係止材24bが連続的に設けられる。そして、係止材24bが設けられた後、係止材24bを交互に横切ると共に、シート材100の長さ方向に連続する波状の周期曲線101によって、シート材100が幅方向に分割される。さらに、シート材100は、ファスニングテープ20の形状となる所定の位置で、シート材100の長さ方向に直交する水平切断線102によって分割され、この結果、個々のファスニングテープ20が得られる。また、ミシン目25は、シート材100の所定の位置に、シート材100の長さ方向に直交する幅方向に沿って形成される。なお、ミシン目25は、周期曲線101によってシート材100を切断するタイミング、又は、水平切断線102によってシート材100を切断するタイミング等の任意のタイミングで、シート材100に形成される。
【0046】
そして、ファスニングテープ20がこのように製造されるため、複数(二つ)の係止部24は、シート材100の長さ方向、つまり基材シート21の繊維方向S1に沿って並ぶ。そして、ミシン目25は、幅方向、つまり基材シート21の繊維方向S1に直交する方向に延びる。そのため、ミシン目25を引き裂くときに、介助者が基材シート21を前後方向Lに沿って引っ張ると、図7に示されたように、ミシン目25を引き裂く際の力の作用方向S2は、基材シート21の繊維方向S1と同じ方向になる。そして、ミシン目25を引き裂く際の力の作用方向S2が、基材シート21の繊維方向S1と同じ方向になることで、基材シート21は、繊維方向S1に沿って容易に破断してしまう。
【0047】
このように、繊維方向S1が長さ方向に沿った帯状のシート材100によってファスニングテープ20が形成されたときには、ミシン目25を引き裂く際の力の作用方向S2が、基材シート21の繊維方向S1と同じ方向になることで、過度な力がかからなくても横裂けが生じることがある。
【0048】
以下、第2の理由について詳述する。ファスニングテープ20は、上記のように、帯状のシート材100を切断することで形成される。ここで、シート材100は、不織布やプラスチックフィルム等からなるが、強度を高めるために、一般的に全面に微細なエンボス加工が施されている。そのため、シート材100には、厚さ方向に凹凸が生じている。そして、シート材100に凹凸が生じていることで、ミシン目25を構成する複数の貫通孔25aの周縁には、応力が集中することで破断しやすい部分(脆弱部)が発生する。最内貫通孔27aの周縁にも脆弱部が発生するため、基材シート21が最内貫通孔27aに至るまで引き裂かれた後、基材シート21は、脆弱部を起点にして破断することがある。
【0049】
このように、シート材100にエンボス加工が施されたときには、最内貫通孔27aの周縁の一部に生じた脆弱部を起点にして、横裂けが生じることがある。
【0050】
以下、第3の理由について詳述する。ファスニングテープ20は、図8に示されたように、基材シート21の基端部22がバックシート12とギャザーシート14との間に挟まれた状態で、接合部28を介しておむつ本体10に固定される。そのため、ファスニングテープ20のうち、接合部28を介しておむつ本体10に固定されていない領域R1は、一枚の基材シート21だけで構成されている。一方、ファスニングテープ20のうち、接合部28を介しておむつ本体10に固定された領域R2は、バックシート12と基材シート21とギャザーシート14との三枚のシートが積層されて構成されている。
【0051】
つまり、領域R1と領域R2とでは、積層されたシートの数に差がある。このため、ファスニングテープ20の引き裂き強度は、領域R1では、基材シート21を一枚引き裂くために必要な強さであるが、領域R2では、バックシート12と基材シート21とギャザーシート14の三枚のシート材を引き裂くために必要な強さとなる。
【0052】
そして、図8に示されたように、ミシン目25の最内端である最内貫通孔27aが、接合部28よりも自由端部23側に位置している場合、最内貫通孔27aは、引き裂き強度が低い領域R1に形成されることになる。このとき、ミシン目25に沿って基材シート21を引き裂く勢いが最内貫通孔27aで止まらないと、そのままミシン目25の延長線上に沿って基材シート21は引き裂かれる。しかしながら、領域R2は、領域R1よりも引き裂き強度が高い。そのため、基材シート21は、ミシン目25の延長線上に沿って引き裂かれず、領域R1と領域R2との境界に沿って破断し、結果的に最内貫通孔27aを起点にした横裂けが生じることがある。
【0053】
これに対し、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20の基材シート21に形成されたミシン目25のうち、最内端に位置する最内貫通孔27aを含む内方端部26が、接合部28に重複している。そして、これにより、接合部28は、ミシン目25を挟んで前後方向Lの両側に配置される。
【0054】
このため、少なくとも、基材シート21は、横裂けの起点になりやすい最内貫通孔27aの前後方向Lの両側が、接合部28を介しておむつ本体10に接合される。この結果、ミシン目25の内方端部26は、バックシート12と基材シート21とギャザーシート14の三枚のシートが積層された領域に設定される。これにより、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、少なくとも、最内貫通孔27aが形成された位置の前後方向Lの両側におけるファスニングテープ20の引き裂き強度を、基材シート21だけで構成される領域(領域R1)の引き裂き強度よりも高くすることができる。そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、最内貫通孔27aを起点にして前後方向Lに基材シート21を引っ張る力が作用しても、基材シート21の横裂けの発生を抑制することができる。
【0055】
さらに、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、基材シート21を挟むバックシート12及びギャザーシート14には、ミシン目25が形成されていない。また、実施例1の接合部28は、基材シート21の引き裂き時に、基材シート21をおむつ本体10(ギャザーシート14及びバックシート12)から剥離可能とする接合力で、基材シート21をおむつ本体10に接合している。
【0056】
そのため、基材シート21がミシン目25に沿って引き裂かれると、基材シート21が引っ張られる方向に応じて、図10に示されたように、接合部28において、バックシート12の一部の領域41が基材シート21から剥離する。また、基材シート21の一部の領域42が、ギャザーシート14から剥離する。これにより、バックシート12及びギャザーシート14は、いずれも破断されることはなく、一枚のシート材の形状を維持する。
【0057】
さらに、基材シート21がミシン目25に沿って引き裂かれたときでも、接合部28において、基材シート21とおむつ本体10(バックシート12又はギャザーシート14)が剥離した領域41及び領域42以外の領域では、基材シート21がおむつ本体10(バックシート12及びギャザーシート14)に接合された状態が維持される。
【0058】
これにより、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、ファスニングテープ20を引き裂く勢いを、バックシート12及びギャザーシート14によって弱めることができる。この結果、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、ファスニングテープ20を引っ張る力を抑制し、基材シート21の横裂けを防止することができる。
【0059】
そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20の横裂けを防止できることから、ファスニングテープ20を目付の低いシート材によって形成することができる。そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、ファスニングテープ20を柔らかくすることができると共に、コストダウンを図ることが可能になる。さらに、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、ミシン目25の内方端(最内貫通孔27a)の形状に、裂けにくくするための工夫(例えば、基端部22側の端部を環状に切り欠く等)が不要となり、製造設備を簡素化することができる。
【0060】
なお、接合部28の接合力が、基材シート21の引き裂き時に、基材シート21をおむつ本体10(ギャザーシート14及びバックシート12)から剥離可能とする程度に設定されたことで、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20の引き裂きがおむつ本体10によって阻害されることはない。
【0061】
また、例えば、ミシン目25がファスニングテープ20だけでなく、ファスニングテープ20に重複したバックシート12及びギャザーシート14にも形成された場合では、ファスニングテープ20が引き裂かれるとき、バックシート12及びギャザーシート14もファスニングテープ20と一体になって破断される。この場合では、バックシート12やギャザーシート14によって、ファスニングテープ20を引き裂く勢いを抑制することができない。その結果、基材シート21の横裂けが発生したり、バックシート12やギャザーシート14も、ファスニングテープ20と一体的に横裂けしたりするおそれもある。
【0062】
そして、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、最内貫通孔27aに接合部28が重複している。このため、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、最内貫通孔27aの周縁部において、基材シート21(シート材100)に生じた厚さ方向の凹凸の内側にホットメルト等の接着剤を充填したり、基材シート21やバックシート12等が超音波溶着で溶けたりする。これにより、最内貫通孔27aの周縁部が平坦になり、最内貫通孔27aの周縁に脆弱部が生じにくくなる。このため、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、最内貫通孔27aの周縁の一部に生じた脆弱部を起点にした横裂けの発生を抑制することができる。
【0063】
また、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、接合部28が、バックシート12の幅方向Wの外側縁12a及びギャザーシート14の幅方向Wの外側縁14aよりも、幅方向Wの内方側に設定されている。そして、バックシート12は、外側縁12aと接合部28との間に、基材シート21に接合されていない余剰領域12bを有している。また、ギャザーシート14は、外側縁14aと接合部28との間に、基材シート21に接合されていない余剰領域14bを有している。
【0064】
そのため、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20を引き裂く際、バックシート12の外側縁12a及びギャザーシート14の外側縁14aには、基材シート21を引っ張る力がかからない。これにより、バックシート12やギャザーシート14は、基材シート21と一体とになって破断されにくくなり、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1は、バックシート12及びギャザーシート14によって、ファスニングテープ20を引き裂く勢いを弱めて、横裂けの発生を抑制することができる。
【0065】
以上、本発明のテープ式使い捨ておむつを実施例1に基づいて説明してきたが、具体的な構成については、実施例1に限られるものではなく、各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0066】
実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、接合部28がミシン目25の内方端部26に重複する例が示された。しかしながら、接合部28は、少なくとも一部が、ミシン目25を挟んで前後方向Lの両側に配置されればよい。そのため、例えば、図11に要部が示された第1変形例のテープ式使い捨ておむつのように、ミシン目25の内方端部26に、接合部28Aが重複していなくてもよい。
【0067】
この場合、接合部28Aは、ミシン目25の内方端部26に重なる部分に切欠部29が形成されており、ミシン目25にはホットメルト等の接合構造が施されない。なお、切欠部29の縁部29aは、最内貫通孔27aの周縁にできる限り近接して設けられることが望ましい。つまり、最内貫通孔27aと接合部28Aとは、重複しないものの、近接している方が好ましい。
【0068】
図11に示されたように、接合部28Aに切欠部29が形成されて、ミシン目25の内方端部26に接合部28Aが重複していない場合、基材シート21のミシン目25に沿った領域では、引き裂き強度に差が生じ得ない。一方、ミシン目25の内方端部26の周囲は、接合部28Aによって基材シート21の引き裂き強度が増加されている。そのため、第1変形例のテープ式使い捨ておむつでは、基材シート21の横裂けの発生を抑制することができる。
【0069】
また、第1変形例のテープ式使い捨ておむつでは、基材シート21のミシン目25に沿った領域において引き裂き強度に差が生じないため、介助者は、ファスニングテープ20を円滑に引き裂くことができる。
【0070】
さらに、第1変形例のテープ式使い捨ておむつにおいて、図11に拡大して示されたように、接合部28Aは、ミシン目25を挟んで前後方向Lに対向する一対の縁部29aが、前後方向L及び幅方向Wの双方に対して斜め方向に沿って延び、一対の縁部29aの前後方向Lの間隔L1が、基材シート21の基端部22側から自由端部23側に向かうほど広くなることが望ましい。
【0071】
これにより、例えば、最内貫通孔27aの周縁と接合部28Aとの間の基材シート21に横裂けが生じても、第1変形例のテープ式使い捨ておむつは、横裂けが前後方向Lに沿って長く延びてしまう前に接合部28Aに干渉させ、横裂けを規制することができる。また、第1変形例のテープ式使い捨ておむつは、一対の縁部29aの前後方向Lの間隔L1を、基端部22から自由端部23に向かうほど広くすることで、例えば、ミシン目25に沿って矩形状に接合部28Aを切り欠く場合よりも、接合部28Aを形成する位置の精度管理を緩和することができる。
【0072】
また、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、接合部28が前後方向Lに沿って帯状に延びている例が示された。しかしながら、接合部28の形状はこれに限らない。例えば、図12に示された第2変形例のテープ式使い捨ておむつのように、平面視で矩形状の面積を有する複数の接合部28Bが、前後方向Lに沿って間欠的に並び、ミシン目25を挟んで前後方向Lの両側に配置されていてもよい。
【0073】
この場合であっても、第2変形例のテープ式使い捨ておむつでは、最内貫通孔27aの周縁と接合部28Bとの間の基材シート21に生じた横裂けが、前後方向Lに沿って延びる前に接合部28Bに干渉する。これにより、第2変形例のテープ式使い捨ておむつは、横裂けを規制することができる。
【0074】
また、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20が前後方向Lに並列した二つの係止部24を有する例が示された。しかしながら、係止部24の数は二つ以上であればよい。また、係止部24が三つ以上設けられた場合には、ファスニングテープ20は、前後方向Lに三分割以上に分割可能とする。
【0075】
また、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20がおむつ本体10の背側部10Xの両側部に設けられ、腹側部10Zに留められる例が示された。しかしながら、ファスニングテープ20は、おむつ本体10の腹側部10Zの両側部に設けられ、背側部10Xに留められるものであってもよい。
【0076】
また、実施例1のテープ式使い捨ておむつ1では、ファスニングテープ20がおむつ本体10のバックシート12とギャザーシート14との間に挟まれた例が示された。しかしながら、ファスニングテープ20は、おむつ本体10に接合されていればよい。そのため、ファスニングテープ20は、バックシート12の外側でバックシート12のみに接合されもよいし、ギャザーシート14の内側でギャザーシート14のみに接合されてもよい。さらに、ファスニングテープ20は、バックシート12及びギャザーシート14以外の、おむつ本体10を構成するシート材に接合されてもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 テープ式使い捨ておむつ
10 おむつ本体
10X 背側部
10Z 腹側部
20 ファスニングテープ
21 基材シート
21a 外側縁
22 基端部
23 自由端部
24 係止部
25 ミシン目
27a 最内貫通孔
28 接合部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12