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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143211
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】冷却用熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 1/00 20060101AFI20241003BHJP
   F28F 1/22 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
F28F1/00 E
F28F1/22 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055762
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000219602
【氏名又は名称】住友理工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001966
【氏名又は名称】弁理士法人笠井中根国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100103252
【弁理士】
【氏名又は名称】笠井 美孝
(74)【代理人】
【識別番号】100147717
【弁理士】
【氏名又は名称】中根 美枝
(72)【発明者】
【氏名】山田 裕志
(72)【発明者】
【氏名】木屋尾 祐太
(72)【発明者】
【氏名】鐘ヶ江 亮祐
(57)【要約】
【課題】大型の製造用設備を要することなく少ない製造工程数で簡単に製造可能であると共に、チューブとマニホールド部との接続部分におけるシール性等の接続態様の安定化も実現することが可能となる、新規な構造の冷却用熱交換器を提供すること。
【解決手段】冷却用熱交換器10であって、(a)冷却用の熱媒体が流れる複数のチューブ12と、(b)複数のチューブ12を保持する保持部材18と、(c)複数のチューブ12の端部と接続される複数の接続部22を有しており、冷却用の熱媒体の流路24,30を形成するマニホールド部16とを備え、保持部材18がマニホールド部16に対して連結されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷却用の熱媒体が流れる複数のチューブと、
該複数のチューブを保持する保持部材と、
該複数のチューブの端部と接続される複数の接続部を有しており、熱媒体の流路を形成するマニホールド部と、を備え、
該保持部材が該マニホールド部に対して連結されている冷却用熱交換器。
【請求項2】
前記マニホールド部には、前記複数の接続部と前記複数のチューブの端部との接続によって前記保持部材に係止されて、該複数の接続部と該複数のチューブの端部とを接続状態に保持する係止部が設けられている請求項1に記載の冷却用熱交換器。
【請求項3】
前記チューブの端部と前記マニホールド部の前記接続部とが内外挿状態で接続されており、前記係止部によって該チューブと該マニホールド部とが接続方向における内外挿端への当接状態に保持されるようになっている請求項2に記載の冷却用熱交換器。
【請求項4】
前記チューブの端部と前記マニホールド部の前記接続部とがシール部材を挟んで内外挿状態で接続されており、前記保持部材と該マニホールド部との連結によって該チューブの端部と該接続部とが内外挿された接続状態に保持されている請求項1又は2に記載の冷却用熱交換器。
【請求項5】
前記保持部材が扁平な環状とされており、前記複数のチューブが該保持部材に圧入されている請求項1又は2に記載の冷却用熱交換器。
【請求項6】
環状とされた前記保持部材の内面には、前記複数のチューブの外周面に押し当てられる押当突起が設けられている請求項5に記載の冷却用熱交換器。
【請求項7】
扁平な環状とされた前記保持部材は、軸方向一方に向けて短軸方向で幅狭となっており、軸方向一方の端部が該複数のチューブから離隔していると共に、軸方向他方の端部において前記複数のチューブを圧入保持している請求項5に記載の冷却用熱交換器。
【請求項8】
前記保持部材には、各一つの前記チューブを保持するチューブ保持部が複数設けられている請求項1又は2に記載の冷却用熱交換器。
【請求項9】
前記チューブ保持部は、前記チューブを挟持する一対の挟持片を含んで構成されている請求項8に記載の冷却用熱交換器。
【請求項10】
前記チューブ保持部は、前記チューブが圧入される圧入孔を備えており、該圧入孔の内周面において該チューブの外周面に対して面接触している請求項8に記載の冷却用熱交換器。
【請求項11】
前記複数のチューブが金属製とされており、前記マニホールド部が合成樹脂製とされている請求項1又は2に記載の冷却用熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両等に搭載される冷却用熱交換器であって、内部の流路を流れる熱媒体を利用する冷却用熱交換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両等に搭載される冷却装置の一種として内部を流動する熱媒体を利用した冷却用熱交換器を備えたものが知られている。例えば特開2020-017454号公報(特許文献1)には、アルミプレートを積層して重ね合わせ面間に熱媒体の流路を形成した構造の冷却用熱交換器が開示されている。
【0003】
一方、特開2021-131199号公報(特許文献2)に記載されているように、複数のパイプ(チューブ)が並設されており、それらパイプの内部を熱媒体が流動するようにした冷却用熱交換器も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-017454号公報
【特許文献2】特開2021-131199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような積層プレート構造の冷却用熱交換器では、大型のアルミプレートの重ね合わせ面をろう付けして流体密性を確保する必要があることから、アルミプレートの洗浄装置やろう付け装置などの製造設備が大型となって、製造が難しいだけでなく、流体密性などの信頼性の確保も難しかった。また、部分的な不具合に際して交換や補修等の対応が困難であるなどの問題もあった。
【0006】
また、特許文献2のような複数のパイプを並設した構造の冷却用熱交換器では、複数本のパイプの各両端をそれぞれのイン側とアウト側との各マニホールド部材へ位置合わせしてろう付けで接続固定する必要があった。それゆえ、かかる接続固定の作業が面倒であり、全てのパイプを略同等に安定して接続固定することが難しく、信頼性の確保も困難だった。
【0007】
本発明の解決課題は、上記の如き問題を解決することが可能とされた、新規な構造の冷却用熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
【0009】
第一の態様は、冷却用熱交換器であって、
冷却用の熱媒体が流れる複数のチューブと、
該複数のチューブを保持する保持部材と、
該複数のチューブの端部と接続される複数の接続部を有しており、該熱媒体の流路を形成するマニホールド部と、を備え、
該保持部材が該マニホールド部に対して連結されている
ものである。
【0010】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、複数のチューブがマニホールド部に接続されることによって、熱媒体が流れる流路が形成されていることから、積層プレート構造の冷却用熱交換器に比して、構成部品を小型とすることができる。それゆえ、製造が容易であると共に、大型の製造設備を必ずしも必要としない。また、大きなプレートの重ね合わせ面間を広範囲にわたってシールする必要がある積層プレート構造の冷却用熱交換器に比して、チューブとマニホールド部の接続部分をシールするだけでよく、シール部分が限定的であることから、流体密性の確保も比較的に容易である。
【0011】
複数のチューブがマニホールド部に接続された構造であることから、チューブ又はマニホールド部に不具合が生じた場合には、不具合のあるチューブ又はマニホールド部だけを交換又は修理するといった対応も可能となる。
【0012】
また、複数のチューブは、保持部材によって保持されており、相互に位置決めされた状態でマニホールド部の接続部に一括で接続することが可能とされている。それゆえ、複数のチューブを1本ずつマニホールド部にろう付けして接続固定する場合に比して、チューブとマニホールド部との接続作業が容易になる。
【0013】
また、複数のチューブを保持する保持部材がマニホールド部に対して連結されていることから、マニホールド部に対して1本ずつ接続された複数のチューブが、マニホールド部に対する接続部分で保持される場合に比して、複数のチューブをマニホールド部に対して略同等に安定して接続することが容易であり、接続部分の接続状態(例えば相互間の位置決めや流体密性)等の信頼性の確保も容易である。
【0014】
第二の態様は、第一の態様に記載された冷却用熱交換器において、前記マニホールド部には、前記複数の接続部と前記複数のチューブの端部との接続によって前記保持部材に係止されて、該複数の接続部と該複数のチューブの端部とを接続状態に保持する係止部が設けられているものである。
【0015】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、マニホールド部の係止部が保持部材に係止されて、保持部材とマニホールド部とが相互に連結されていることによって、保持部材で保持された複数のチューブとマニホールド部とが相互に位置決めされている。それゆえ、複数のチューブがマニホールド部から意図せずに抜けるのが防止されて、チューブとマニホールド部との接続状態の更なる安定化が図られる。
【0016】
しかも、マニホールド部の係止部は、チューブとマニホールド部の接続部との接続によって保持部材に係止されることから、チューブとマニホールド部の接続作業と、保持部材とマニホールド部の係止作業とを、同時に行うことができて、工程数の増加を防ぐことができる。
【0017】
第三の態様は、第二の態様に記載された冷却用熱交換器において、前記チューブの端部と前記マニホールド部の前記接続部とが内外挿状態で接続されており、前記係止部によって該チューブと該マニホールド部とが接続方向における内外挿端への当接状態に保持されるようになっているものである。
【0018】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、チューブとマニホールド部との相互間において係止部による接続状態の更なる安定化が図られる。特に、チューブとマニホールド部とが接続方向における内外挿端への当接状態に保持されることから、チューブとマニホールド部とをより精度よく相互に位置決めすることができる。
【0019】
第四の態様は、第一~第三の何れか1つの態様に記載された冷却用熱交換器において、前記チューブの端部と前記マニホールド部の前記接続部とがシール部材を挟んで内外挿状態で接続されており、前記保持部材と該マニホールド部との連結によって該チューブの端部と該接続部とが内外挿された接続状態に保持されているものである。
【0020】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、チューブとマニホールド部の接続部とを内外挿状態で簡単に接続することができる。しかも、チューブとマニホールド部の接続部との間にシール部材を設けることにより、チューブと接続部との内外挿状態での接続によって接続部分の流体密性を容易に確保することができる。このように、チューブと接続部との間が、接着やろう付けを要することなく、シール部材の介在によってシールされていることから、チューブを接続部に対して容易に取り外せる態様で接続することも可能である。それゆえ、例えば、チューブやマニホールド部といった構成部品の一部だけを交換等することも容易になる。
【0021】
複数のチューブを保持する保持部材とマニホールド部とが連結されることにより、チューブとマニホールド部の接続部とが接続方向で位置決めされて接続状態に保持されることから、チューブと接続部との位置ずれによってシール部材による流体密性が低下したり、接続部分のシールが意図せずに解除されることもない。
【0022】
第五の態様は、第一~第四の何れか1つの態様に記載された冷却用熱交換器において、前記保持部材が扁平な環状とされており、前記複数のチューブが該保持部材に圧入されているものである。
【0023】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、複数のチューブを保持部材への圧入によって簡単に位置決め保持することができる。特に、保持部材が扁平な環状とされていることから、保持部材の長軸方向(径寸法が大きい方向)へ複数のチューブを並べて圧入保持すれば、冷却対象に重ね合わされる冷却面を効率的に形成することができる。
【0024】
第六の態様は、第五の態様に記載された冷却用熱交換器において、環状とされた前記保持部材の内面には、前記複数のチューブの外周面に押し当てられる押当突起が設けられているものである。
【0025】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、押当突起がチューブの外周面に押し当てられることによって、チューブが保持部材に保持される。また、押当突起を外れた部分では、保持部材の内寸がチューブの外径よりも大きく、チューブが保持部材に対して内周側に離隔することから、チューブを保持部材の内周へ挿入し易く、押当突起の内周への圧入作業が容易になる。
【0026】
第七の態様は、第五の態様に記載された冷却用熱交換器において、扁平な環状とされた前記保持部材は、軸方向一方に向けて短軸方向で幅狭となっており、軸方向一方の端部において前記複数のチューブを圧入保持していると共に、軸方向他方の端部が該複数のチューブから離隔しているものである。
【0027】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、チューブを保持部材の軸方向他方側の開口から保持部材に対して挿入することにより、チューブを保持部材の内周へ容易に挿入することが可能であり、軸方向一方の端部におけるチューブの圧入固定が容易とされる。
【0028】
第八の態様は、第一~第七の何れか1つの態様に記載された冷却用熱交換器において、前記保持部材には、各一つの前記チューブを保持するチューブ保持部が複数設けられているものである。
【0029】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、保持部材が複数のチューブ保持部によって複数のチューブを一つずつ保持することから、例えば複数のチューブが環状の保持部材に圧入されて一括で保持される場合に比して、各チューブの保持部材による保持の安定化が図られる。また、複数のチューブを相対的に精度よく位置決め保持することが可能となって、例えばマニホールド部に対して一括で接続し易く、接続部分の安定した流体密性の確保などもより高度に実現され得る。
【0030】
第九の態様は、第八の態様に記載された冷却用熱交換器において、前記チューブ保持部は、前記チューブを挟持する一対の挟持片を含んで構成されているものである。
【0031】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、保持部材が一対の挟持片を有するチューブ保持部を複数備えていることから、チューブが一対の挟持片の間へ嵌め入れられることにより、複数のチューブが各独立したチューブ保持部によって精度よく位置決めされた状態で簡単に保持される。
【0032】
第十の態様は、第八の態様に記載された冷却用熱交換器において、前記チューブ保持部は、前記チューブが圧入される圧入孔を備えており、該圧入孔の内周面において該チューブの外周面に対して面接触しているものである。
【0033】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、複数のチューブが各一つの圧入孔に圧入されることによって、複数のチューブが相互に精度よく位置決めされた状態で保持部材によって保持される。また、圧入孔の内周面とチューブの外周面とが周方向と軸方向の両方において所定の長さに亘って接触した面接触とされていることから、チューブの保持部材による保持の安定化が図られる。
【0034】
第十一の態様は、第一~第十の何れか1つの態様に記載された冷却用熱交換器において、前記複数のチューブが金属製とされており、前記マニホールド部が合成樹脂製とされているものである。
【0035】
本態様に従う構造とされた冷却用熱交換器によれば、チューブが熱伝達率の高い金属製とされていることにより、チューブの内部を流れる熱媒体(冷媒)とチューブの外面に重ね合わされる冷却対象との間で熱が効率的に授受されて、優れた冷却性能を実現することができる。一方、マニホールド部が熱伝達率の低い合成樹脂製とされていることによって、マニホールド部の内部を流れる熱媒体と外気との間での熱の授受を制限することができて、熱媒体が外気によって不必要に温められるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0036】
本発明の冷却用熱交換器によれば、大型の製造用設備を要することなく少ない製造工程数で簡単に製造可能であると共に、チューブとマニホールド部との接続状態の安定化等も実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の第一の実施形態としての冷却用熱交換器を示す斜視図
図2図1の冷却用熱交換器の一部を冷却ユニットとマニホールド部との分離状態で示す斜視図
図3図2に示す冷却ユニットの断面図であって、図4のIII-III断面に相当する図
図4図3のIV-IV断面を拡大して示す図
図5図1に示す冷却用熱交換器を構成する中間マニホールド部の断面図
図6図1に示す冷却用熱交換器を構成する末端マニホールド部の断面図
図7A図2の冷却ユニットと図6の末端マニホールド部との接続工程を示す図であって、接続前の状態を示す図
図7B図2の冷却ユニットと図6の末端マニホールド部との接続工程を示す図であって、接続後の状態を示す図
図8】本発明の第二の実施形態としての冷却用熱交換器の一部を示す断面図
図9】本発明の第三の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニットの正面図
図10図9のX-X断面を拡大して示す図
図11】本発明の第四の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニットの一部を示す断面図
図12】本発明の第五の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニットの一部を示す断面図
図13】本発明の第六の施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニットの一部を示す断面図
図14】本発明の第七の実施形態としての冷却用熱交換器の一部を示す断面図
図15図14に示す冷却用熱交換器を構成する冷却ユニットの正面図
図16】本発明の第八の実施形態としての冷却用熱交換器の断面図
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0039】
図1には、本発明の第一の実施形態としての冷却用熱交換器10が示されている。冷却用熱交換器10は、図2にも示すように、複数のチューブ12を含んで構成された冷却ユニット14とマニホールド部16とが接続された構造を有している。
【0040】
チューブ12は、図3図4に示すように、略一定の円形断面で前後方向(図4中の左右方向)へ直線状に延びる円筒形状の直管とされており、熱媒体が流れる内孔を備えている。チューブ12の形成材料は、特に限定されず、合成樹脂等であってもよいが、好適には金属製とされている。チューブ12は、熱伝導率の高い材質とされていることが望ましく、好適には、例えば、アルミニウム合金、銅合金、鉄(ステンレス鋼)等によって形成されている。
【0041】
チューブ12は、図3に示すように、複数が左右方向(図3中の左右方向)に並んで並設されており、それら複数のチューブ12が保持部材18によって相互に位置決めされた状態で保持されている。保持部材18は、全体として環状であって、上下方向(図3中の上下方向)の径寸法が左右方向の径寸法よりも小さくされた扁平な環状とされている。そして、保持部材18の内周に複数のチューブ12が圧入されることにより、それら複数のチューブ12が相互に位置決めされている。本実施形態において、複数のチューブ12は、保持部材18に対して、上下方向で嵌合されていると共に、左右方向でも嵌合されているが、例えば、上下方向で嵌合されていると共に、左右方向では隙間を持って挿通されていてもよい。
【0042】
保持部材18は、複数のチューブ12における長さ方向の両端部付近にそれぞれ取り付けられており、複数のチューブ12が長さ方向の両側で保持部材18によって相互に位置決めされている。このように、複数のチューブ12が保持部材18,18によって相互に位置決めされた状態で保持されることにより、冷却ユニット14が構成されている。
【0043】
冷却ユニット14を構成するチューブ12の数は、特に限定されないが、後述するように、複数の冷却ユニット14を連結して冷却用熱交換器の大きさ等を調節することも可能であることから、冷却ユニット14に求められる最小面積や冷却ユニット14の取り回しなどを考慮して、10~200本の範囲内に設定されることが望ましく、より好適には20~60本の範囲内に設定される。また、チューブ12の外径寸法は、特に限定されないが、例えば3~15mmの範囲内で設定されており、より好適には5~10mmの範囲内で設定されている。また、チューブ12の管壁の厚さ寸法は、特に限定されないが、内部を流れる熱媒体と外面に接する冷却対象との間で熱を効率的に伝達させるためには薄肉であることが望ましく、例えば0.1~2mmの範囲内に設定されており、好適には0.3~1.5mmの範囲内に設定される。また、チューブ12の長さも特に限定されないが、一般的な車両の冷却対象を想定すれば、例えば250~2400mmの範囲内に設定され、より好適には700~1500mmの範囲内に設定される。
【0044】
冷却ユニット14には、図1に示すように、マニホールド部16が取り付けられている。マニホールド部16は、チューブ12と同様に金属で形成されていてもよいが、熱媒体と外気との間での熱伝達を抑えるために、金属よりも熱伝達率の低い合成樹脂によって形成されていることが望ましい。具体的には、例えば、マニホールド部16の材質は、ポリアミド、ポリプロピレン等とされ得る。マニホールド部16は、冷却ユニット14における複数のチューブ12の一方の端部に接続される中間マニホールド部16a(図5参照)と、複数のチューブ12の他方の端部に接続される末端マニホールド部16b,16b(図6参照)とを、含んで構成されている。
【0045】
マニホールド部16は、図2に示すように、左右方向に延びる主管路部20と、主管路部20から前後方向へ突出する複数の接続部22とを、備えている。主管路部20は、左右方向に直線状に延びる筒状とされており、図5図6に示すように、内孔が長さ方向(左右方向)に貫通して熱媒体が流れる第一流路24とされている。また、図1図2に示すように、主管路部20の一方の端部は、図示しない熱媒体の循環回路に接続されるコネクタ部26とされており、主管路部20の他方の端部は、別の冷却用熱交換器10のコネクタ部26に接続可能なノズル状部28とされている。コネクタ部26とノズル状部28は、何れも第一流路24が左右方向に貫通している。
【0046】
接続部22は、チューブ12の端部に挿入可能とされた筒状であって、本実施形態では、図5図6に示すように、主管路部20と一体形成されて、主管路部20の上下中央部分から前後方向で突出している。接続部22は、内孔が前後方向に貫通して熱媒体が流れる第二流路30とされており、主管路部20の第一流路24と接続部22の第二流路30とが相互に連通されている。従って、マニホールド部16の内部には、第一流路24と第二流路30とによって構成された熱媒体が流れる流路が設けられている。接続部22は、主管路部20に比して小径とされており、第二流路30の流路断面積が第一流路24の流路断面積よりも小さくされている。
【0047】
接続部22は、突出基端部分が略一定の外径とされていると共に、突出先端部分が先細形状とされており、先細の先端部分によって後述するチューブ12への挿入の容易化を図りながら、一定外径の基端部分によってチューブ12との接続の安定化が実現されている。接続部22の突出基端部分には、外周面に開口して周方向へ環状に延びる凹溝32が形成されており、凹溝32に対してシール部材としてのOリング34が嵌め付けられている。なお、接続部22は、冷却ユニット14を構成するチューブ12の数に合わせた複数が、主管路部20の長さ方向である左右方向で並列的に並んで設けられており、各チューブ12に挿入可能とされている。
【0048】
中間マニホールド部16aは、2つの冷却ユニット14,14の間に配設されており、それら冷却ユニット14,14の両方に接続可能とされている。従って、中間マニホールド部16aは、図5に示すように、主管路部20から前後方向の両側へ向けてそれぞれ接続部22が突出しており、主管路部20の前後両側において各複数の接続部22が左右方向に並んで設けられている。一方、末端マニホールド部16b,16bは、各一方の冷却ユニット14に接続されており、図6に示すように、主管路部20から前後方向の何れか一方側へ向けてのみ複数の接続部22が突出している。
【0049】
マニホールド部16には、係止部36が設けられている。係止部36は、図5図6に示すように、主管路部20の上下端部から前後方向で突出する弾性片38と、弾性片38の突出先端部分において上下内方へ向けて突出する係止爪40とを、一体的に備えている。弾性片38は、上下方向で薄肉とされた板状であって、上下方向での弾性的な撓み変形が許容されている。係止部36は、上下方向で相互に向かい合わせに配置されて組をなす2つの係止部36a,36bを含んでおり、図1図2に示すように、係止部36a,36bの複数組が主管路部20の長さ方向である左右方向で相互に離隔して設けられている。係止部36は、図5図6に示すように、主管路部20よりも上下外方へ突出しており、接続部22に対して上下外方に離れた位置に設けられている。
【0050】
マニホールド部16には、冷却ユニット14の複数のチューブ12が接続されている。即ち、図7Aに示すように、冷却ユニット14におけるチューブ12の端部が、マニホールド部16の上下一組の係止部36a,36bの上下間に差し入れられて、マニホールド部16の接続部22に対して突出先端側から接近させられる。そして、図7Bに示すように、チューブ12の端部とマニホールド部16の接続部22とが内外挿状態で接続されている。本実施形態では、チューブ12の端部の内周へマニホールド部16の接続部22が挿入されることによって、チューブ12とマニホールド部16の接続部22とが接続されている。
【0051】
冷却ユニット14を構成する複数のチューブ12は、保持部材18によって相互に位置決めされていることから、冷却ユニット14を構成する全てのチューブ12をマニホールド部16の複数の接続部22の各1つに対して同時に接続することができる。それゆえ、複数のチューブをマニホールド部に対して1つずつ接続する場合に比して、接続作業が容易になる。
【0052】
チューブ12の端部の内周面と接続部22の外周面との重ね合わせ面間には、Oリング34が配されており、Oリング34がチューブ12と接続部22との間で挟み込まれることによって、それらチューブ12と接続部22の間が流体密にシールされている。このように、チューブ12と接続部22の間にOリング34が配されていることにより、ろう付けなどの特別なシール工程を要することなく、チューブ12を接続部22に対して外挿状態で接続するだけで、チューブ12と接続部22の間の流体密性を簡単に確保することができる。
【0053】
複数のチューブ12を位置決め保持する保持部材18は、複数のチューブ12とマニホールド部16の接続部22との接続に際して、マニホールド部16における複数組の係止部36a,36bの間へ差し入れられる。保持部材18は、係止部36a,36bの係止爪40,40に当接して、弾性片38,38を撓ませて係止爪40,40間を押し広げながら、係止部36a,36bの間へ差し入れられる。そして、図7Bに示すように、保持部材18が係止爪40,40よりも奥方(係止部36a,36bの突出基端側)まで差し入れられて、保持部材18と係止爪40との当接が解除されると、弾性片38,38が元の形状に復元して、係止爪40,40が保持部材18に対して前後方向で係止される。これにより、保持部材18とマニホールド部16とが相互に連結されて位置決めされており、チューブ12の接続部22からの抜けが防止されて、チューブ12と接続部22とが接続状態に保持されている。本実施形態では、係止部36a,36bがスナップフィット構造とされており、チューブ12とマニホールド部16の接続部22との接続に伴って保持部材18が係止部36a,36bの間へ押し込まれることによって、保持部材18が係止部36a,36bと係止されて、保持部材18がマニホールド部16に連結される。複数組の係止部36a,36bは、保持部材18に対して一度に係止させることが可能とされている。
【0054】
本実施形態では、複数のチューブ12における接続方向の内外挿端である端面42が、マニホールド部16の主管路部20に対して接続部22の周囲で当接している。また、係止部36a,36bが保持部材18に係止されることによって、複数のチューブ12の接続側の端面42がマニホールド部16への当接状態に保持されている。従って、係止部36a,36bの係止爪40,40が保持部材18に当接状態で係止されていると共に、複数のチューブ12の接続側の端面42がマニホールド部16に突き当てられている。なお、保持部材18と係止部36a,36bとの係止は、図7Bに示すような係止爪40が保持部材18に予め当接した状態での係止に限定されず、例えば、係止爪40と保持部材18が前後方向で相互に離れており、保持部材18がマニホールド部16に対してチューブ12の抜け方向に移動することで、保持部材18が係止爪40に当接して係止されるようにしてもよい。
【0055】
図1に示すように、2つの冷却ユニット14,14をマニホールド部16a,16b,16bに接続することにより、本実施形態の冷却用熱交換器10が構成されている。尤も、冷却用熱交換器10を構成する冷却ユニット14の数は、特に限定されるものではなく、例えば、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。即ち、冷却ユニット14を1つだけ備えた冷却用熱交換器を構成する場合には、チューブ12の両端部にそれぞれ末端マニホールド部16b,16bを設ければよいし、冷却ユニットを3つ以上備えた冷却用熱交換器を構成する場合には、採用する冷却ユニット14の数に応じて中間マニホールド部16aの数を増やせばよい。このようにすれば、チューブ12の長さ方向(前後方向)において、チューブ12の長さを変更することなく、冷却用熱交換器10のサイズを変更することができる。
【0056】
また、図1に示した2つの冷却ユニット14からなる冷却用熱交換器10の複数を、マニホールド部16の主管路部20の長さ方向(左右方向)で相互に接続して、1つの冷却用熱交換器を構成することも可能である。即ち、一方の冷却用熱交換器10におけるマニホールド部16の主管路部20のコネクタ部26に対して、他方の冷却用熱交換器10におけるマニホールド部16の主管路部20のノズル状部28を挿入して、それらマニホールド部16,16の主管路部20,20を直列的に接続することにより、それら冷却用熱交換器10,10を接続して1つの冷却用熱交換器とすることができる。また、同様のコネクタ部26とノズル状部28との連結を繰り返せば、3つ以上の冷却用熱交換器10を接続して1つの冷却用熱交換器とすることもできる。このように冷却用熱交換器10に相当する構造体を複数連結することにより、チューブ12の配列方向(左右方向)において、マニホールド部16の主管路部20の長さを変更することなく、冷却用熱交換器のサイズを変更することができる。
【0057】
冷却用熱交換器10は、図示しない外部循環回路から中間マニホールド部16aの第一流路24へ供給された熱媒体(冷媒)が、各第二流路30を通じて複数のチューブ12の内孔へ流れ込む。これにより、チューブ12が熱媒体によって冷却されて、チューブ12に重ね合わされた図示しない冷却対象が冷却される。冷却対象は、特に限定されないが、例えば電気自動車用のバッテリーモジュール(蓄電池)等とされる。なお、複数のチューブ12の外周面で構成された冷却ユニット14の上面及び下面は、平坦ではなく凹凸を有しているが、例えば、熱伝導材によって凹部を埋めることによって、冷却対象に重ね合わされる上面(下面)を平坦化して、冷却対象との実質的な接触面積(熱伝導材を介した接触面積)を大きく得ることができる。熱伝導材は、例えば、ペースト状やシート状であって、例えば、銀等の金属粉末が熱伝導粒子として混合された導電性ペーストとされる。
【0058】
チューブ12内を通過して加温された熱媒体は、末端マニホールド部16b,16bの第一,第二流路24,30を通じて外部循環回路へ排出される。そして、冷却用熱交換器10から排出された熱媒体は、膨張弁等の冷却機構によって冷却された後、再び冷却用熱交換器10の中間マニホールド部16aの第一流路24へ供給される。このように、熱媒体は、冷却用熱交換器10を含んで構成された循環回路を循環して、チューブ12を冷却対象の冷却が可能な低温状態に維持する。なお、中間マニホールド部16aの第一流路24を流れる低温熱媒体の流動方向と、末端マニホールド部16b,16bの第一流路24,24を流れる高温熱媒体の流動方向とは、互いに逆向きとされている。また、左右方向の末端に位置するノズル状部28は、先端に開口する第一流路24の端部を塞ぐための図示しない蓋部材が装着されている。
【0059】
なお、冷却用熱交換器10(第一,第二流路24,30及びチューブ12の内孔)を含んで構成された循環回路を循環する熱媒体としては、特に限定されることなく熱媒体として公知の流体を採用することが可能であり、液相、気相、それらの混合状態の何れであってもよい。熱媒体としては、例えば、フロン、アンモニア、二酸化炭素の他、エチレングリコール等の不凍液なども採用され得る。
【0060】
このような本実施形態に従う構造とされた冷却用熱交換器10は、複数のチューブ12をマニホールド部16に接続した構造とされていることから、金属プレートの積層構造とされた冷却用熱交換器に比して、各構成部品が小さく、製造設備の小型化、各部品の取り回しの容易性による製造作業の簡単化などによって、容易に製造することができる。
【0061】
また、チューブ12をマニホールド部16の接続部22に内外挿状態で接続するだけで、Oリング34を用いたシール構造によって接続部分のシール性が確保されることから、積層面間の安定したシールが難しい積層構造の冷却用熱交換器に比して、安定したシール性能を簡単な構造で実現することができる。
【0062】
このような複数のチューブ12を用いた冷却用熱交換器10では、複数のチューブ12をマニホールド部16へ装着する作業が煩雑となり易いが、複数のチューブ12は、保持部材18によって保持されることで、相互に位置決めされた状態で冷却ユニット14を構成しており、冷却ユニット14をマニホールド部16に対して取り付けることで、複数のチューブ12をマニホールド部16の複数の接続部22に対して一括で接続することができる。それゆえ、複数のチューブ12とマニホールド部16との接続作業が容易であり、簡単に製造することができる。
【0063】
しかも、マニホールド部16に設けられた係止部36が冷却ユニット14の保持部材18に係止されることにより、マニホールド部16と保持部材18とが相互に連結されていることから、チューブ12のマニホールド部16の接続部22からの抜けが防止されて、チューブ12と接続部22の安定した接続状態の維持が実現される。特に、本実施形態では、係止部36で構成されたスナップフィット構造によって保持部材18とマニホールド部16とが相互に連結されることから、チューブ12を接続部22に接続する工程において、係止部36を保持部材18に係止する工程を同時に実行することができる。それゆえ、マニホールド部16を保持部材18に連結する工程を特別に設ける必要がなく、少ない製造工程数でマニホールド部16と保持部材18の連結による効果を得ることができる。
【0064】
マニホールド部16の係止部36が保持部材18に係止されて、チューブ12が接続部22に対して抜挿方向で位置決めされていることから、チューブ12と接続部22との間におけるOリング34によるシールが意図せずに解除されるのを防ぐことができる。それゆえ、チューブ12とマニホールド部16との接続部分におけるシールの安定化が図られて、信頼性の向上が実現される。特に、チューブ12の端面42がマニホールド部16への当接状態に保持されていることから、チューブ12とマニホールド部16(接続部22)との接続状態の更なる安定化、チューブ12のマニホールド部16からの抜けの防止が図られると共に、チューブ12とマニホールド部16との接続方向での位置決めが容易になることで接続作業の容易化と安定化も実現され得る。
【0065】
また、使用時にチューブ12の一部やマニホールド部16に損傷等の不具合が生じた場合には、不具合のあるチューブ12やマニホールド部16だけを選択的に交換又は修理することができる。特に本実施形態では、冷却ユニット14とマニホールド部16がチューブ12と接続部22の内外挿接続と保持部材18と係止部36との係止によって接続されており、接着やろう付け等による固定はされていないことから、冷却ユニット14とマニホールド部16とを分離させて何れか一方だけを交換又は修理することも容易である。同様に、冷却ユニット14を構成する複数のチューブ12は、保持部材18に対して非接着で取り付けられていることから、不具合のあるチューブ12だけを保持部材18から取り外して交換することができる。
【0066】
図8には、本発明の第二の実施形態としての冷却用熱交換器50の一部が示されている。冷却用熱交換器50は、冷却ユニット52がマニホールド部16に接続された構造を有している。以下の説明において、第一の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付して説明を省略する。
【0067】
冷却ユニット52は、複数のチューブ54が保持部材18によって保持された構造を有している。本実施形態のチューブ54は、長さ方向(前後方向)の中間部分が扁平断面形状の扁平当接部56とされている。より詳細には、チューブ54は、マニホールド部16の接続部22に内外挿状態で接続される両端部が略円形断面とされていると共に、中間部分は、上下方向の径寸法が左右方向の径寸法よりも小さくされた扁平断面形状の扁平当接部56とされている。このように、本実施形態のチューブ54は、長さ方向で断面形状が変化している。
【0068】
本実施形態では、チューブ54の扁平当接部56は、上面及び下面が上下方向と略直交して広がる平坦当接面58とされている。それゆえ、本実施形態では、複数のチューブ54の中間部分の上面と下面の少なくとも一方で構成された冷却ユニット52の冷却対象への重ね合わせ面(冷却面)は、上下方向に対して略直交して広がる平面状とされている。なお、扁平当接部56を備えるチューブ54は、例えば、全長に亘って略一定の円形断面とされたパイプ材の中間部分をプレス加工で潰すことによって得ることができる。
【0069】
本実施形態のように、中間部分が扁平断面形状の扁平当接部56とされたチューブ54を採用すれば、冷却対象に対する当接面であるチューブ54の上面及び下面をより平坦な形状とすることができて、チューブ54と冷却対象との間に介在する熱伝導材を少なくしながら、チューブ54と冷却対象の間での熱伝達を有効に生じさせることができる。特に本実施形態では、扁平当接部56の上下面が平坦当接面58,58とされていることから、冷却対象における冷却ユニット52への重ね合わせ面が略平面とされている場合に、より少ない熱伝導材の使用量で高い熱伝達効率を実現することができる。
【0070】
図9図10には、本発明の第三の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニット60が示されている。冷却ユニット60は、複数のチューブ12が保持部材62によって相互位置決め状態で保持された構造とされている。
【0071】
保持部材62は、第一の実施形態の保持部材18と同様に、上下方向の径寸法が左右方向の径寸法よりも小さくされた扁平な環状とされている。保持部材62には、内周へ突出する押当突起64が形成されている。押当突起64は、図10に示す縦断面において突出先端面が円弧状の湾曲形状とされており、突出先端に向けて前後方向で幅狭となっている。押当突起64は、保持部材62の軸方向の略中央に形成されており、軸方向で部分的に設けられていると共に、全周に亘って連続している。なお、押当突起64は、例えば、環状とされた保持部材62の軸方向中央部分を外周から内周へ向けて押し込むことによって形成される。
【0072】
そして、保持部材62には、複数のチューブ12が左右方向に並んで圧入されている。チューブ12は、外周面が押当突起64に押し当てられて、押当突起64の内周側へ圧入されていると共に、押当突起64を軸方向両外側へ外れた部分では保持部材62から内周へ離隔している。本実施形態では、押当突起64が保持部材62の軸方向の略中央に設けられていることから、チューブ12は、保持部材62に対して軸方向の中央部分で圧入保持されていると共に、軸方向両端部分では保持部材62との間に隙間を有している。
【0073】
本実施形態に示すように、保持部材62は、必ずしも軸方向の全長に亘ってチューブ12を保持している必要はなく、軸方向で部分的に保持する構造を採用することもできる。これによれば、チューブ12を保持部材62へ圧入する際の抵抗力が低減されて、圧入作業が簡単になる。また、軸方向端部において保持部材62の最小内径がチューブ12の外径よりも大きくされていることから、チューブ12を保持部材62の内周へ挿入し易く、圧入作業が簡単になる。
【0074】
なお、押当突起64は、軸方向の複数箇所に設けることも可能であり、それによってチューブ12の保持部材62に対する傾動が抑えられて、安定した保持態様を実現し易くなる。また、押当突起64の突出先端面が軸方向に所定の幅を有する形状とされていれば、押当突起64をチューブ12の外周面に面接触させて、保持部材62によるチューブ12の安定した保持を実現することができる。また、押当突起は、環状の保持部材において周方向で部分的に設けられていてもよく、例えば、保持部材の上下両側だけに設けられて、左右両側には設けられていない態様等も、採用可能である。
【0075】
図11には、本発明の第四の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニット70の一部が示されている。冷却ユニット70は、複数のチューブ12が環状の保持部材72に圧入されて保持された構造を有している。保持部材72は、外層部材74と内層部材76とを備えた二層構造とされている。外層部材74は、扁平な環状とされており、内径寸法が軸方向の全長に亘ってチューブ12の外径寸法よりも大きくされている。
【0076】
内層部材76は、外層部材74の内周面に固着された扁平な環状の部材であって、軸方向の中央部分において内周へ向けて突出する押当突起78を備えている。押当突起78は、第三の実施形態の押当突起64と同様に、軸方向で部分的に設けられており、突出先端面が縦断面において円弧状の湾曲形状とされている。内層部材76は、押当突起78を外れた部分での最小内径寸法がチューブ12の外径寸法よりも大きくされている。内層部材76は、外層部材74と同じ材質であってもよいが、本実施形態では合成樹脂で形成されており、金属製の外層部材74とは異なる材質とされている。また、内層部材76は、好適には弾性を有する樹脂エラストマとされており、変形が許容されている。
【0077】
そして、チューブ12は、押当突起78の内周へ圧入されることにより、保持部材72に保持されている。チューブ12は、押当突起78が形成された保持部材72の軸方向の中央部分において圧入されていると共に、押当突起78を外れた軸方向の両端部分において保持部材72に対して内周側へ離隔している。
【0078】
本実施形態に示すように、環状の外層部材74の内周面に押当突起78を備えた内層部材76を固着することによって、押当突起78を備えた内周面形状の保持部材72を簡単に得ることができる。特に、金属製の外層部材74の内周面に、合成樹脂製の内層部材76を形成することにより、保持部材72の変形剛性を確保しながら、所定形状の押当突起78を容易に且つ精度よく形成することができる。しかも、合成樹脂製の内層部材76によって押当突起78を形成すれば、押当突起78を大きな形状自由度で形成することができて、例えば軸方向に所定の幅で広がる突出先端面を備えた押当突起等も容易に形成することができる。本実施形態では、内層部材76が弾性を有する樹脂エラストマで形成されていることから、チューブ12の外径寸法の誤差が内層部材76の変形で許容されて、チューブ12が外径寸法の誤差によって押当突起78の内周へ圧入できなくなるのを防ぐことができる。
【0079】
なお、本実施形態の保持部材72は、金属製の外層部材74と合成樹脂製の内層部材76とを組み合わせた構造とされているが、例えば、保持部材72の全体を合成樹脂製とすることもできる。この場合、外層部材74と内層部材76は、相互に同じ合成樹脂材料であってもよいし、相互に異なる合成樹脂材料で二色成形等によって形成されていてもよい。
【0080】
図12には、本発明の第五の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニット80の一部が示されている。冷却ユニット80は、複数のチューブ12を保持する保持部材82を備えており、保持部材82が外層部材74と内層部材86によって構成された二層構造とされている。
【0081】
内層部材86は、内周面が軸方向中間の一部に向けて内周へ傾斜する傾斜面88a,88bで構成されており、それら傾斜面88a,88bを突出先端面とする押当突起90が、内周へ向けて突出して形成されている。押当突起90は、傾斜面88a,88bの境界において内周へ最も突出するピークを有しており、当該ピークにおいてチューブ12の外周面に押し当てられる。本実施形態では、傾斜面88aの軸方向長さが、傾斜面88bの軸方向長さよりも長くされており、傾斜面88aの前後方向に対する傾斜角度が傾斜面88bの傾斜角度よりも小さくされていると共に、押当突起90のピークが保持部材82の軸方向において中央からずれている。なお、内層部材86は、第四の実施形態の内層部材76と同様に、外層部材74と同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよいが、例えば、合成樹脂製とされており、より好適には弾性を有する樹脂エラストマで形成されている。
【0082】
このような本実施形態の構造によっても、前記第四の実施形態と同様の効果が発揮され得る。また、内層部材86の内周面が傾斜面88a,88bで構成されていることから、チューブ12の保持部材82への組付けに際して、チューブ12の端部が傾斜面88aによって案内されて、押当突起90の内周へ圧入される。従って、チューブ12の端部が押当突起90に引っ掛かることなくスムーズに圧入されて、圧入作業が容易になる。特に、保持部材82への圧入時にチューブ12の端部が接し得る傾斜面88aは、チューブ12の端部との接触が考慮されない傾斜面88bよりも傾斜角度が小さくされていることから、チューブ12の端部が傾斜面88aに接したとしても、チューブ12がより引っ掛かり難く、チューブ12の保持部材82への圧入作業をよりスムーズに行うことができる。
【0083】
また、内層部材86の内周面には、傾斜面88aだけでなく、傾斜面88bが設けられている。これにより、押当突起90がチューブ12に押し当てられる範囲が軸方向で限定されて、圧入力の調節が図られていると共に、押当突起90のチューブ12に対する押当部分(ピーク)が鈍角とされて、チューブ12への押し当てによる押当突起90の損傷が防止されている。
【0084】
図13には、本発明の第六の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニット100の一部が示されている。冷却ユニット100は、複数のチューブ12を保持する保持部材102を備えている。保持部材102は、扁平な環状とされており、上下方向の径寸法が軸方向一方(前方である図13中の左方)に向けて小さくなって、上下方向で幅狭となっている。これにより、保持部材102の上下両側部分の内周面は、軸方向他方(後方)から軸方向一方(前方)へ向けて上下方向の内側へ傾斜する案内面104,104とされている。
【0085】
そして、チューブ12が保持部材102の内周へ後方から差し入れられて、保持部材102の前端部において保持部材102に圧入されている。保持部材102は、前端部の上下両側が、チューブ12の外周面に押し当てられる嵌合部106,106とされていると共に、後端部の上下両側が、チューブ12の外周面から離隔している。
【0086】
本実施形態の構造によれば、保持部材102の後部開口が上下方向で大径とされていることから、保持部材102に対してチューブ12を後方から挿入する際に、挿入が容易になる。また、保持部材102の内周へ挿入されたチューブ12の端部は、保持部材102の案内面104によって、保持部材102の前端部である嵌合部106,106間へ案内されて圧入されることから、チューブ12の保持部材102に対する圧入作業が容易になる。
【0087】
図14には、本発明の第七の実施形態としての冷却用熱交換器110の一部が示されている。冷却用熱交換器110は、冷却ユニット112にマニホールド部114が接続された構造を有しており、冷却ユニット112は、複数のチューブ54を保持する保持部材116を備えている。
【0088】
保持部材116は、図15にも示すように、複数のチューブ54に対して下方に重ね合わされる長手板状の連結板部118と、各一つのチューブ54を保持する複数のチューブ保持部120とを、一体で備えている。
【0089】
チューブ保持部120は、連結板部118から上方へ突出する一対の挟持片122,122によって構成されている。挟持片122,122は、それぞれ左右方向で薄肉とされた板状であって、左右方向で相互に対向している。挟持片122,122は、左右方向において弾性的な撓み変形を許容されている。挟持片122は、基端部分124が左右方向に対して略直交して広がっていると共に、先端部分126が先端側へ向けて対向方向の内側へ傾斜している。従って、一対の挟持片122,122は、基端部分124,124において略一定の対向面間距離とされており、先端部分126,126において左右対向面間距離が上側へ向けて小さくなっている。対向面間距離が最小となる先端部分126,126の上端での離隔距離は、チューブ54の端部の外径よりも小さくされている。
【0090】
そして、挟持片122,122の左右対向間へ略円形断面とされたチューブ54の端部が上方から差し入れられる。チューブ54の端部は、外周面が挟持片122,122の先端部分126に押し当てられることによって、挟持片122,122を左右外方へ押し広げながら挟持片122,122の対向間へ挿入される。そして、チューブ54が、挟持片122,122の先端部分126,126の間を通過して、挟持片122,122と連結板部118とで囲まれた領域に差し入れられると、先端部分126,126が弾性による形状復元によって相互に接近方向へ移動し、チューブ54の上方への移動を制限する。このように、保持部材116に保持されたチューブ54は、挟持片122,122と連結板部118とによって、上下方向及び左右方向で位置決めされている。なお、挟持片122,122は、対向間にチューブ54が押し込まれることでチューブ54の外周面に係止されるスナップフィット構造とされている。
【0091】
複数のチューブ54を保持する保持部材116は、図14に示すように、連結板部118がマニホールド部114の係止部36に係止されている。マニホールド部114は、第一の実施形態のマニホールド部16に比して、上側の係止部36aが省略された構造とされている。そして、マニホールド部114の接続部22がチューブ54に挿入されて接続される際に、係止部36bがチューブ54に固定された保持部材116の連結板部118に係止される。これにより、チューブ54とマニホールド部114とが接続方向で位置決めされており、安定した接続状態で保持されている。
【0092】
このような本実施形態に係る冷却用熱交換器110では、冷却ユニット112において、保持部材116の複数のチューブ保持部120に対して各一つのチューブ54が嵌め付けられており、複数のチューブ54がそれぞれ独立して保持部材116に保持されている。それゆえ、複数のチューブ54が相互に精度よく位置決めされた状態で保持部材116によって保持されており、複数のチューブ54のマニホールド部114に対する一括での接続をより安定して実現することができる。
【0093】
また、本実施形態において、複数のチューブ54は、軸方向の圧入ではなく、一対の挟持片122,122の間へ軸直角方向で押し込まれることによって、保持部材116に組み付けられることから、チューブ54の保持部材116への組付け作業が容易であり、組付けに必要な力を比較的に小さくすることも可能となり得る。
【0094】
なお、本実施形態において示したように、保持部材とマニホールド部との連結構造は、第一の実施形態に示した上下一対の係止部36a,36bを用いたものに限定されず、係止部36aを用いることなく係止部36bだけを用いたものとすることもできる。この場合にも、チューブ54と接続部22との内外挿状態での接続との協働によって、冷却ユニット112とマニホールド部114との安定した連結状態が実現され得る。
【0095】
図16には、本発明の第七の実施形態としての冷却用熱交換器を構成する冷却ユニット130の一部が示されている。冷却ユニット130は、複数のチューブ12が保持部材132によって保持された構造とされている。
【0096】
保持部材132は、上下方向(図16中の上下方向)において薄肉とされた扁平な板状とされている。保持部材132には、前後方向(図16中の紙面直交方向)に貫通する複数の圧入孔134が形成されている。圧入孔134は、チューブ12の外周面に対応する略一定の円形断面で前後方向に直線状に延びている。圧入孔134は、複数が左右方向で相互に離れて形成されている。
【0097】
保持部材132には、左右方向で隣り合う圧入孔134,134を相互につなぐ空隙部136が形成されている。空隙部136は、保持部材132の上下方向の中央部分に設けられており、圧入孔134よりも小さな上下幅寸法で前後方向に直線的に延びて、保持部材132を前後方向に貫通している。空隙部136は、左右方向の両端部がそれぞれ異なる圧入孔134につながっており、左右方向で隣り合って配置された圧入孔134,134の間が空隙部136によって上下に二分されている。このような空隙部136が形成されていることにより、圧入孔134の内径寸法が調節可能とされており、チューブ12や保持部材132の寸法誤差による圧入不良が回避されている。
【0098】
保持部材132の複数の圧入孔134に対して、各一つのチューブ12が圧入されることにより、複数のチューブ12が保持部材132によって保持されている。本実施形態では、各一つのチューブ12を保持するチューブ保持部が、圧入孔134を備えた構造とされている。チューブ12の外周面は、圧入孔134の内面に対して、軸方向で所定の長さに亘って当接状態で重ね合わされており、チューブ12が圧入孔134に対して筒状の当接領域で接触した面接触状態で圧入されている。本実施形態では、複数のチューブ12は、左右方向において相互に離れて配されているが、左右方向で隣り合うチューブ12,12間の距離は特に限定されない。
【0099】
このような本実施形態の冷却ユニット130を備えた冷却用熱交換器によれば、複数のチューブ12が保持部材132に形成された複数の圧入孔134の各一つにそれぞれ圧入されることによって、複数のチューブ12が保持部材132に各別に保持されることから、複数のチューブ12を相互に精度よく位置決めすることができる。
【0100】
また、チューブ12の外周面と圧入孔134の内周面とが、保持部材132の軸方向全長に亘って当接しており、それらチューブ12の外周面と圧入孔134の内周面とが面接触状態で重ね合わされている。これにより、チューブ12の保持部材132による保持が安定して、チューブ12の保持部材132に対する傾動や軸方向の移動等が防止され易い。
【0101】
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、保持部材18は、前記第一の実施形態に示したようにチューブ12の両端部分にそれぞれ設けられていることが望ましいが、チューブ12に対して少なくとも1つが設けられていればよい。
【0102】
保持部材は、複数のチューブを保持し得る構造とされていれば、具体的な構造は特に限定されない。また、前記実施形態の保持部材18,62,72,82,102,116,132は、何れもチューブ12(54)とは別部品とされて、チューブ12(54)が圧入や係止(スナップフィット)によって取り付けられていたが、例えば、保持部材は、チューブの外周面に固着された状態で一体成形することもできる。即ち、保持部材の成形用金型に複数のチューブ12(54)をセットした状態で、保持部材を合成樹脂等で形成することにより、複数のチューブ12(54)を備える一体成形品として保持部材を形成することもできる。
【0103】
前記第一の実施形態では、マニホールド部16から延び出した係止部36が保持部材18に係止されることで、保持部材18とマニホールド部16とが相互に連結された構造を例示したが、例えば、保持部材からマニホールド部に向けて弾性片と係止爪とを有する係止部が延び出しており、当該係止部がマニホールド部に係止されることによって、保持部材とマニホールド部とが相互に連結されるようにしてもよい。なお、保持部材とマニホールド部との連結構造は、係止部による係止構造に限定されるものではなく、例えば、マニホールド部に設けられた筒状部に対して保持部材が圧入固定されるようにしてもよい。また、係止部として、例示の如き弾性変形可能な係止爪に限定されるものでなく、コイルばねなどによって突出して係止状態に保持される係止片や、係止ピンなどであっても良いし、また、係止状態を安定化させるために係止部に接着や溶着構造を追加的に併用することも可能であるし、凹凸係止構造をもって挿入方向で突部を乗り越えることで係止作用が発揮されるようになっている構造など、公知の係止態様が何れも採用可能である。
【0104】
マニホールド部の接続部は、チューブの端部に対して外挿状態で接続されていてもよく、その場合には、接続部の内周面とチューブの外周面との間に熱媒体の漏れを防ぐためのシール構造が設けられる。
【0105】
前記実施形態では、冷却対象として、電気自動車用のバッテリーモジュールを例示したが、冷却対象はバッテリーモジュールに限定されない。具体的には、例えば、バスバーなどの通電部材や、電動モータの作動を制御する制御装置等の発熱部材の冷却に適用することも可能である。
【0106】
また、冷却対象がバッテリーモジュールの場合に、冷却用熱交換器がバッテリーモジュールの何れの面を冷却するかは限定されない。例えば、バッテリーモジュールが冷却用熱交換器の冷却ユニット(チューブ)上に載置されて、バッテリーモジュールの下面が冷却されるようにしてもよいし、並設されたバッテリーモジュール間の隙間に冷却用熱交換器が配されて、両側のバッテリーモジュールを同時に冷却するようにしてもよい。更に、例えば、チューブを直管状ではなく屈曲部を有する管形状として、バッテリーモジュールの複数面を同時に冷却可能とすることもできるし、上下方向で所定の距離を隔てるようにチューブを2層に配して、それら2層のチューブによってバッテリーモジュールの両面を同時に冷却可能とすることもできる。
【符号の説明】
【0107】
10 冷却用熱交換器(第一の実施形態)
12 チューブ
14 冷却ユニット
16 マニホールド部
16a 中間マニホールド部
16b 末端マニホールド部
18 保持部材
20 主管路部
22 接続部
24 第一流路
26 コネクタ部
28 ノズル状部
30 第二流路
32 凹溝
34 Oリング(シール部材)
36 係止部
36a 係止部
36b 係止部
38 弾性片
40 係止爪
42 端面(内外挿端)
50 冷却用熱交換器(第二の実施形態)
52 冷却ユニット
54 チューブ
56 扁平当接部
58 平坦当接面
60 冷却ユニット(第三の実施形態)
62 保持部材
64 押当突起
70 冷却ユニット(第四の実施形態)
72 保持部材
74 外層部材
76 内層部材
78 押当突起
80 冷却ユニット(第五の実施形態)
82 保持部材
86 内層部材
88a 傾斜面
88b 傾斜面
90 押当突起
100 冷却ユニット(第六の実施形態)
102 保持部材
104 案内面
106 嵌合部
110 冷却用熱交換器(第七の実施形態)
112 冷却ユニット
114 マニホールド部
116 保持部材
118 連結板部
120 チューブ保持部
122 挟持片
124 基端部分
126 先端部分
130 冷却ユニット(第八の実施形態)
132 保持部材
134 圧入孔
136 空隙部
図1
図2
図3
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図5
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図7A
図7B
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図16