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特開2024-143221止水シャッター装置及び止水シャッター装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024143221
(43)【公開日】2024-10-11
(54)【発明の名称】止水シャッター装置及び止水シャッター装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 5/00 20060101AFI20241003BHJP
   E06B 9/06 20060101ALI20241003BHJP
   E06B 7/18 20060101ALI20241003BHJP
【FI】
E06B5/00 Z
E06B9/06 610Q
E06B7/18 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023055782
(22)【出願日】2023-03-30
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】上村 達也
(72)【発明者】
【氏名】安西 利樹
(72)【発明者】
【氏名】小縣 剛士
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 誠
【テーマコード(参考)】
2E036
2E239
【Fターム(参考)】
2E036AA01
2E036BA01
2E036HB08
2E036HC03
2E036HC07
2E239AC04
(57)【要約】
【課題】 開閉体を押圧する機構に過剰な負荷が加わるのを防ぐ。
【解決手段】 止水シャッター装置であって、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体10と、基部30aと、基部30aに支持された本体部51に相対し進退部52を所定量進退させるアクチュエータ50と、進退部52に接続された被接続部71aの進退により、閉鎖状態の開閉体10を不動部位G2に押圧したりこの押圧状態を解除したりする第二の開閉体押圧装置70と、基部30aに対し本体部51を、進退部52の進退方向に位置調整する位置調整機構60とを具備した。
【選択図】 図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、
基部と、
前記基部に支持された本体部に相対し進退部を所定量進退させるアクチュエータと、
前記進退部に接続された被接続部の進退により、閉鎖状態の前記開閉体を不動部位に押圧したりこの押圧状態を解除したりする開閉体押圧装置と、
前記基部に対し前記本体部を、前記進退部の進退方向に位置調整する位置調整機構とを具備したことを特徴とする止水シャッター装置。
【請求項2】
請求項1記載の止水シャッター装置の製造方法であって、
所定の後退位置にある前記進退部を前記被接続部に接続した後に、前記アクチュエータの前記本体部を前記基部に固定するようにしたことを特徴とする止水シャッター装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の止水シャッター装置の製造方法であって、
前記被接続部を後退させる工程と、
前記アクチュエータを前記位置調整機構によって位置調整して、所定の後退位置にある前記進退部を、後退した前記被接続部に接続する工程と、
前記アクチュエータの前記本体部を前記基部に固定するする工程とを含むことを特徴とする止水シャッター装置の製造方法。
【請求項4】
前記位置調整機構は、前記本体部を支持するとともに、前記進退部の進退方向に沿って移動するように前記基部に支持された可変支持部材を備え、
前記可変支持部材を、前記位置調整機構によって位置調整した後に、前記基部に固定するようにしたことを特徴とする請求項2記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項5】
前記位置調整機構は、前記基部と前記可変支持部材のうち、その一方に設けられた長孔と、他方及び前記長孔に挿通された止着具とを備え、
前記止着具を前記長孔内でスライドさせて前記可変支持部材を位置調整した後に、前記止着具を締め付けて、前記可変支持部材を前記基部に固定するようにしたことを特徴とする請求項4記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項6】
前記基部には、前記可変支持部材の移動方向側に位置するように固定ブロックが固定され、
前記可変支持部材と前記固定ブロックの間にスペーサを設け、このスペーサの着脱により、前記可変支持部材を位置調整するようにしたことを特徴とする請求項5記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項7】
前記基部には、前記可変支持部材の移動方向側に位置するように固定ブロックが固定され、
前記可変支持部材と前記固定ブロックの間には、スペーサが設けられ、
前記スペーサの厚みの調整により、前記可変支持部材を位置調整するようにしたことを特徴とする請求項5記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項8】
前記位置調整機構は、回転操作により回転するネジ状部材と、前記ネジ状部材に螺合するとともに前記本体部を支持するナット状支持部材とを備え、前記ネジ状部材の回転により前記ナット状支持部材及び前記本体部を位置調整することを特徴とする請求項2記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項9】
前記ネジ状部材に螺合するとともに前記ナット状支持部材に当接可能な固定用ナット状部材を備えることを特徴とする請求項8記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項10】
前記進退部が前記本体部に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部を備え、前記後退感知部による感知位置が、前記進退部の前記後退位置と同一又は前記後退位置よりも前方側に設定されていることを特徴とする請求項2~9何れか1項記載の止水シャッター装置の製造方法。
【請求項11】
前記進退部が前記本体部に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部を備え、前記進退部の後退を、前記進退部が機械的な後退限界位置になる前に、前記後退感知部により感知するようにしていることを特徴とする請求項2~9何れか1項記載の止水シャッター装置の製造方法。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水が流通しないように開口部を閉鎖する止水シャッター装置、及びこの止水シャッター装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の発明は、例えば特許文献1に記載されるように、上下方向へ積み重ねられる複数のパネルにより開口部を閉鎖した際に、前記複数のパネルを垂直圧迫手段により下方へ押圧して床面に押し付けるとともに、同複数のパネルを水平圧迫手段により水平方向に押圧してガイドレールに押し付けて、前記パネルと床面の間、及び前記パネルとガイドレールの間の水密性を保持するようにしたものがある。
前記水平圧迫手段は、ピストンロッドを下方向きに突出させるパワーシリンダと、前記パワーシリンダの下方向きの力を水平方向の力に変換する運動方向変換機構とを備え、前記水平方向の力により前記複数のパネルをガイドレール内の水密ゴム部材に押し付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-94774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術によれば、アクチュエータ(パワーシリンダ)の上下位置が、寸法誤差や組立誤差等に起因して設計寸法から外れていると、ピストンロッドを後退させた際に、その後退による過剰な引張負荷により、前記アクチュエータや前記水平圧迫手段が破損してしまうおそれがある。
詳細に説明すれば、例えばアクチュエータが設計寸法よりも上方寄りにずれて設置されることで、前記運動方向変換機構の構成部材の後退可能量よりも、前記ピストンロッドが後退しようとする量の方が大きくなると、これらの部材間に過剰な引張負荷が加わり、破損をまねくおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このような課題に鑑みて、本発明の一つは、以下の構成を具備するものである。
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、基部と、前記基部に支持された本体部に相対し進退部を所定量進退させるアクチュエータと、前記進退部に接続された被接続部の進退により、閉鎖状態の前記開閉体を不動部位に押圧したりこの押圧状態を解除したりする開閉体押圧装置と、前記基部に対し前記本体部を、前記進退部の進退方向に位置調整する位置調整機構とを具備したことを特徴とする止水シャッター装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、以上説明したように構成されているので、開閉体を押圧する機構に過剰な負荷が加わるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る止水シャッター装置の一例を屋外側から視た正面図である。
図2図1における(II)-(II)線に沿う縦断面図である。
図3図1における(III)-(III)線に沿う縦断面図である。
図4図1における(IV)-(IV)線に沿う横断面図である。
図5】同止水シャッター装置の要部を拡大して示す構造図であり、(a)は進退部を後退位置に保持した状態を示し、(b)は進退部の前進により開閉体を受部材に押圧した状態を示す。
図6】同止水シャッター装置の製造手順を示す図であり、(a)は進退部を被接続部に接続する前の状態を示し、(b)は被接続部を上方へ後退して進退部に近づけた状態を示す。
図7】同止水シャッター装置の製造手順を示す図であり、(c)はアクチュエータを下方へ前進させて進退部を被接続部に重ね合わせた状態を示し、(d)は固定ブロックと可変支持部材の間にスペーサを挿入した状態を示す。
図8】同止水シャッター装置の製造手順を示す図であり、(e)は進退部52を被接続部に接続した状態を示し、(f)は本体部を位置調整の方向に移動しないように固定した状態を示す。
図9】位置調整機構の他例を示す構造図である。
図10】位置調整機構の他例を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、本発明に係る実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
本明細書中、「開閉体厚さ方向」とは、閉鎖状態の開閉体の厚さ方向を意味する。また、「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、「開閉体開閉方向」とは、開閉体が開閉動作のために空間を仕切ったり開放したりするスライド方向を意味する。
【0009】
また、「開閉体幅方向外側」とは、開閉体幅方向に沿って開閉体の外側へ向かう方向側を意味する。例えば、向かって右側のガイドレールを基準にすると、開閉体幅方向外側は、右方向側になる。
また、「開閉体幅方向内側」とは、開閉体幅方向に沿って開閉体の内側へ向かう方向側を意味する。例えば、向かって右側のガイドレールを基準にすると、開閉体幅方向内側は、左方向側になる。
【0010】
<具体的な実施形態>
止水シャッター装置1は、空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体10と、開閉体10の幅方向の両端部をそれぞれ横断面凹状に囲んで閉鎖方向へ案内する左右のガイドレール20,20と、開閉体10を上方側で収納したり繰り出したりする収納部30と、全閉状態の開閉体10を押圧するアクチュエータ40,50とを備え(図1参照)、建物等の躯体開口部を開閉体10によって略水密に閉鎖する。
【0011】
開閉体10は、収納部30によって閉鎖方向へ順次に繰出される複数のパネル11,12によって構成される。複数のパネル11,12は、パネル連繋チェーン14(図2参照)によって開閉方向に繋がっている。
この開閉体10は、複数のパネル11,12を、下方側の不動部位G1(下枠や、床面、地面等の被当接面)に略垂直状に積み重ねて全閉状態になる。
また、同開閉体10は、垂直状に積み重ねられたパネル11,12を上方へ移動して収納部30に収納することで開放状態になる。
【0012】
パネル11,12の各々は、開閉体幅方向へ長尺な正面視矩形板状の部材である。各パネル11,12は、金属材料を引抜成形又は押出成形することで、上下に仕切られた空洞を有する縦断面枠状に形成される。
【0013】
複数のパネル11,12は、それぞれ、下端部を、開閉体幅方向の全長にわたって縦断面略V字状に突出しており、その突出する外面には、シール部16が一体的に設けられる(図2参照)。
【0014】
シール部16は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から、各パネル11,12下端に沿う縦断面V字状に形成され、各パネル11,12の下端部に開閉体幅方向の全長にわたって接合されている。
【0015】
また、各パネル11の上端部には、上方に重なり合うパネル11(又は12)のシール部16に嵌り合うように、開閉体幅方向の全長にわたって縦断面略V溝状の凹部11aが形成される。
【0016】
また、各パネル11,12の横幅方向の両端部には、開閉体幅方向へ突出するように、支持軸部13が設けられる。
【0017】
最上部のパネル12は、開閉体幅方向へ長尺状に連続する正面視矩形状を呈し、パネル11よりも高さ寸法が小さい。前記寸法は、開閉体10によって開閉される開口部の高さ寸法等に応じて適宜に設定される。
【0018】
支持軸部13は、各パネル11,12の幅方向の両端部から、それぞれ、開閉体幅方向外側へ突出している(図4参照)。
この支持軸部13は、パネル連繋チェーン14に挿通された軸状部材の先端側に、ローラを回転自在に支持してなる。
【0019】
パネル連繋チェーン14は、動力伝達用等に用いられる所謂ローラチェーンであり、その長さ方向において所定間隔置きに支持軸部13を挿通している。
このパネル連繋チェーン14は、上下方向のすべてのパネル11,12を、支持軸部13を介して連結し、その上端側が収納部30内のスプロケット31に掛けられている。
【0020】
ガイドレール20は、閉鎖状態の開閉体10の幅方向端部を囲むように、横断面凹状もしくはコ字状に形成される(図4参照)。このガイドレール20は、下方側の不動部位G1から収納部30へわたる長尺状に形成される。
ガイドレール20内には、閉鎖状態の開閉体10を屋外側から屋内側へ押圧する第二の開閉体押圧装置70(図3及び図4参照)が設けられる。さらにガイドレール20内には、第二の開閉体押圧装置70によって押動された開閉体10を屋内側から受ける受部材21が、上下方向へわたって連続的に設けられる。
受部材21及びガイドレール20は、略水平方向へ動作する第二の開閉体押圧装置70に相対し静止した不動部位G2である。
【0021】
受部材21は、閉鎖状態の開閉体10に対し、上下方向の全長にわたって接するようにした長尺状の部材である。この受部材21は、ゴムやエラストマー樹脂等の弾性材料から形成され、開閉体10の屋内側面に弾性的に接触して、開閉体10とガイドレール20の間を水密に保持する。
【0022】
収納部30は、開閉体10によって開閉される開口部の上方において、当該止水シャッター装置1の設置対象物である躯体等に固定される。
この収納部30は、図2に示すように、不動な基部30aに、パネル連繋チェーン14を掛け回したスプロケット31、スプロケット31等を双方向へ回転させる駆動機構32、パネル11,12を前後方向へ移送する収納レール33等を配設している。
【0023】
基部30aは、金属などの剛性材料より、例えば枠状や箱状に構成され、当該止水シャッター装置1の設置対象である躯体(例えば建築物等)に不動に固定される。
図5図10に一例を示す基部30aは、屋内側を開口した凹状の横断面を上下方向に連続した溝形鋼状の硬質部材である。この基部30aの両側壁の各々には、上下方向へわたる長孔64が設けられる。
【0024】
駆動機構32は、電動モータによってチェーン及びスプロケット31等を動作させ、パネル11,12を繰り出したり収納したりする機構である。
【0025】
収納レール33は、開閉体10の横幅方向の両側に設けられる。各収納レール33は、開閉体厚さ方向へ略水平に連続する長尺状の部材であり、支持軸部13を載置して転動させる。
【0026】
上記構成の収納部30は、閉鎖動作の際、駆動機構32を回転させることで、複数のパネル11,12を収納レール33に沿って一方向(図示例によれば屋外へ向かう方向)へ移送した後に下方へ繰り出す。
また、収納部30は、開放動作の際、駆動機構32を逆方向に回転させることで、複数のパネル11,12を、上方へ移動した後に収納レール33に沿って逆方向へ移送し、収納する。
【0027】
また、アクチュエータ40,50は、閉鎖状態の開閉体10を、水平方向及び垂直方向に押圧するための駆動源となる装置である。
【0028】
一方のアクチュエータ40は、基部30aに支持されたシリンダ状の本体部41と、本体部41に相対し進退自在に嵌り合ったロッド状の進退部42と、進退部42を前進させる駆動部(例えば、図示しない電動モータや歯車等)とを備え、前記駆動部の駆動により、基部30aに支持された本体部41に相対し、進退部42を所定量進退させる。
【0029】
アクチュエータ40は、左半部側と右半部側にそれぞれ複数(図1の一例によれば二つずつ)設けられる。
左半部側と右半部側のそれぞれにおいて、複数のアクチュエータ40の下方側には、開閉体10を上方側から押圧して下方側の不動部位G1に押し付ける第一の開閉体押圧装置45が設けられる。
【0030】
第一の開閉体押圧装置45は、複数のアクチュエータ40の進退部42に接続される押圧部材45a(被接続部)と、この押圧部材45aを、側面視円弧状に移動させるリンク機構45bとを備える。
この第一の開閉体押圧装置45は、左半部側又は右半部側の複数の進退部42の進退に伴い、押圧部材45aを円弧状に進退させ、この押圧部材45aにより閉鎖状態の開閉体10(パネル12)の上端部を下方へ押圧して、開閉体10を下方側の不動部位G1に押し付けたり、この押圧状態を解除したりする。
【0031】
各押圧部材45aは。水平片と垂直片を有するアングル状の部材であり、開閉体幅方向へ長尺状に延設されている。この押圧部材45aは、その下面を下方へ向けた状態に維持しながら、側面視円弧状の軌跡に沿って開閉体10の上端に近づき接触したり離隔したりする。
【0032】
他方のアクチュエータ50は、開閉体幅方向において複数のアクチュエータ40を間に置くようにして、その左側と右側に、それぞれ設けられる(図1参照)。
【0033】
各アクチュエータ50は、アクチュエータ40と略同様に、シリンダ状の本体部51と、本体部51に相対し進退自在に嵌り合ったロッド状の進退部52と、進退部52を前進させるための駆動部(例えば、図示しない電動モータや歯車等)と、進退部52が本体部51に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部(図示せず)とを備える。
【0034】
このアクチュエータ50は、前記駆動部の駆動により、基部30aに支持された本体部51に相対し進退部52を、所定の前進位置と所定の後退位置の間で、所定量進退させる。
ここで、前記所定の前進位置とは、進退部52を本体部51に相対し機械的な前進限界位置まで前進させた場合の位置である
また、前記所定の後退位置とは、進退部52を本体部51に相対し機械的な後退限界位置まで後退させた場合の位置である。
【0035】
前記後退感知部(図示せず)は、進退部52が前記前進位置から所定量後退したことを感知してその感知信号を出力するセンサであり、例えば、アクチュエータ50内に設けられたリミットスイッチ等により構成される。
この後退感知部による感知位置は、進退部52の前記後退位置と同一又は前記後退位置よりも前方側(図示例によれば下方側)に設定されている。
【0036】
止水シャッター装置1の制御回路(図示せず)は、進退部52を後退させた場合に、この後退を、前記後退感知部による感知信号があることを条件に停止する。
すなわち、進退部52の後退は、進退部52が例えば本体部51内の規制部(図示せず)に当接する等して機械的な後退限界位置になる前に、前記後退感知部による感知信号によって停止する。
【0037】
アクチュエータ50の本体部51は、位置調整機構60の可変支持部材61を介することで、基部30aに対し上下位置変更可能に支持される。
【0038】
位置調整機構60は、基部30aに対し本体部51を、進退部52の進退方向(図示例によれば、略上下方向)に位置調整する機構である。
図5図8に示す位置調整機構60は、アクチュエータ50の本体部51を支持するとともに進退部52の進退方向に沿って移動するように基部30aに対し移動可能に支持された可変支持部材61と、可変支持部材61の移動方向側に位置するように固定された固定ブロック62と、可変支持部材61と固定ブロック62の間に挿入されるスペーサ63と、基部30aに設けられた長孔64と、長孔64に挿通された止着具65とを具備して構成される。
【0039】
可変支持部材61は、凹溝状の基部30aに嵌り合って上下方向へスライド可能な部材である。この可変支持部材61は、基部30aから屋内側へ突出するように突片部61aが設けられる。この突片部61aには、アクチュエータ50における本体部51の後端部が、軸部材を介して回転可能に支持される。すなわち、アクチュエータ50は、この支持箇所を支点にして、下方へ向けられた進退部52を、前後方向へ円弧状に揺動可能である。
この可変支持部材61には、止着具65を挿通するための丸孔が設けられる。
【0040】
固定ブロック62は、凹溝状の基部30aの内面(例えば、底部)に、適宜な固定手段(例えば、溶接や、ネジ止め、リベット止め等)によって不動に固定される。
【0041】
スペーサ63は、板状もしくは立方体状の部材であり、上下方向の厚みの異なるものが複数種類用意される(図7(c)参照)。これら複数種類のスペーサ63は、適宜に選択され、可変支持部材61と固定ブロック62の間に挟まれる。
【0042】
長孔64は、上述したように、基部30aの両側壁に上下方向にわたって設けられる。この長孔64及び可変支持部材61に挿通される止着具65は、例えば、ボルトであり、その先端側にナットが螺合され締め付けられる。
【0043】
また、各アクチュエータ50の下方側には、進退部52の下方向きの力により、開閉体10を屋外側から厚さ方向に押圧して、受部材21(不動部位G2)に押し付ける第二の開閉体押圧装置70が設けられる。
【0044】
第二の開閉体押圧装置70は、上下方向スライド部材71の下方向きの押圧力を、リンク機構72によって開閉体厚さ方向の力に変換し、この力によって、上下方向へわたる当接部材73を屋内側へ移動して開閉体10に当接し、この開閉体10を、屋内側へ押動して不動部位G2である受部材21に水密に押し付ける(図5(a)(b)参照)。
【0045】
前記押し付け状態は、進退部52の上方への移動により解除される。すなわち、進退部52の上方への移動に伴い上下方向スライド部材71(被接続部71a)が上方へ移動すると、当接部材73が屋外側(図5によれば左側)へ移動し、開閉体10から離れる(図5(a)参照)。
【0046】
上下方向スライド部材71は、ガイドレール20の上下方向の略全長にわたる長尺杆状の部材である。ガイドレール20に対し上下方向へ所定量スライドするように支持される。
この上下方向スライド部材71の上端側の部分は、進退部52に接続される被接続部71aとして機能する。この被接続部71aは、進退部52の下端側に対し、軸状部材74によって回転自在に枢着される。
【0047】
また、リンク機構72は、上下方向に間隔を置いて複数設けられる。各リンク機構72は、上下方向スライド部材71の上下移動に連動して、当接部材73を押圧したり引っ張ったりする。
【0048】
当接部材73は、開閉体10の上下方向の略全長にわたるように、開閉体10の屋外側面に沿って上下方向へ連続する部材である。この当接部材73は、開閉体厚さ方向へ所定量移動するように支持される。
【0049】
なお、図2中の符号90は、開閉体幅方向の中央寄りへ可動柱91を移動させ、この可動柱91を開閉体10の屋内側面に押し付けて、開閉体10の撓みを抑制する撓み抑制装置である。
【0050】
<止水シャッター装置の製造方法>
次に、上記構成の止水シャッター装置1について、その製造方法上の好ましい特徴について詳細に説明する。
この止水シャッター装置1の製造方法には、上下方向スライド部材71(被接続部71a)を後退させる第一の工程と、アクチュエータ50を位置調整機構60によって位置調整して、所定の後退位置にある進退部52を、後退した上下方向スライド部材71の被接続部71aに接続する第二の工程と、アクチュエータ50の本体部51を基部30aに対し直接的又は間接的に固定するする第三の工程とを含む。
【0051】
詳細に説明すれば、先ず、図6(a)に示す初期状態において、第二の開閉体押圧装置70は、上下方向スライド部材71を下方寄りに静止しており、アクチュエータ50は、進退部52を、上記後退感知部(図示せず)よりも後方(図示例によれば上方)の所定の後退位置にて静止している。
【0052】
前記第一の工程では、作業者等が、当接部材73を屋外側へ押し動かすことで、上下方向スライド部材71を上方へ後退させる(図6(b)参照)。
すなわち、作業者等が当接部材73を屋外側へ押圧すると、リンク機構72によって上下方向スライド部材71が所定の上限位置まで押し上げられる。なお、この作業は、作業者等が、当接部材73を手で引き上げるようにして行うことも可能である。
【0053】
次に、前記第二の工程では、止着具65を緩めて、可変支持部材61を上下方向(図7(c)によれば下方)へスライドし、前記所定の後退位置にある進退部52の止め孔52aを、上下方向スライド部材71の止め孔71a1に重ね合わせる。
前記スライドの際、可変支持部材61と固定ブロック62の間に、厚みの異なる複数種類のスペーサ63を選択的に挟み込んだり着脱したりすることで(図7(c)(d)参照)、可変支持部材61及び位置調整機構60の上下方向の位置が微調整される。
【0054】
そして、進退部52の止め孔52aと上下方向スライド部材71の止め孔71a1に軸状部材74を挿入することで(図8(e)参照)、所定の後退位置にある進退部52に対し、後退状態(上限位置)の被接続部71aが枢着される。
【0055】
次に、第三の工程では、本体部51を、基部30aに対し可変支持部材61を介して間接的に固定する
すなわち、この第三の工程では、複数の止着具65を締め付けることで、可変支持部材61を基部30aに対し上下動不能に固定する(図8(f)参照)。これによって、アクチュエータ50の本体部51が上下方向に位置決めされる。
なお、他例としては、本体部51を、図示しない止着具等(例えば、ネジやボルト等)によって直接的に基部30aに固定することも可能である。
【0056】
よって、上記製造方法によれば、進退部52と被接続部71aを接続した直後の状態において、進退部52及び被接続部71aが、いずれも機械的な後退限界位置にある。
そして、この初期状態から、アクチュエータ50を作動させて進退部52を下方へ前進させると、この前進に伴って上下方向スライド部材71が下降し、リンク機構72によって当接部材73が屋内側へ移動し、この当接部材73によって開閉体10が屋内側へ押動され受部材21に対し水密に押圧される(図5(a)(b)参照)。
【0057】
この後、前記押圧状態を解除する場合、アクチュエータ50を逆方向へ作動させることで、進退部52を上方へ後退させる。
この後退は、進退部52が機械的な後退限界位置になる前に、アクチュエータ50内の後退感知部(図示せず)による感知信号によって停止する。
したがって、進退部52が機械的な後退限界位置になった後もアクチュエータ50の作動が継続して、アクチュエータ50から第二の開閉体押圧装置70にわたる動力伝達経路に過剰な負荷が加わるようなことを防ぐことができ、ひいては、アクチュエータ50及び第二の開閉体押圧装置70等の破損を防ぐことができる。
【0058】
<位置調整機構の他例1>
上記止水シャッター装置1において、位置調整機構60は、例えば図9図10等の例示するものに置換することが可能である。
【0059】
図9に示す位置調整機構80は、手動回転操作される操作ハンドル81と、この操作ハンドル81の回転操作により回転するネジ状部材82と、ネジ状部材82に螺合するとともに、アクチュエータ50の本体部51を支持するナット状支持部材83と、固定用ナット状部材84と備え、ネジ状部材82の回転によりナット状支持部材83を上下方向に位置調整する。
【0060】
操作ハンドル81は、上下方向の軸を中心に回転する略クランク軸状の部材であり、ネジ状部材82の一端側に一体回転可能に連結されている。
【0061】
ネジ状部材82は、両端側に軸受け部材を介することで、上下方向の軸を中心にして、基部30aに対し回転自在に支持される。
【0062】
ナット状支持部材83は、ネジ状部材82に螺合する雌ネジ孔を有する部材であり、凹溝上の基部30aの内面に対し遊びを有する状態で嵌り合うことで、基部30aに対し回転不能であって且つ上下移動可能に設けられる。
このナット状支持部材83は、本体部51を支持するとともに、進退部52の進退方向に沿って移動するように基部30aに支持された可変支持部材として機能する。
【0063】
ナット状支持部材83には、屋内側へ突出するように支持部83aが設けられ、この支持部83aに対し、本体部51の後端側が回転可能に枢着されている。
【0064】
固定用ナット状部材84は、ナット状支持部材83に対し上方又は下方((図示例によれば上方)に間隔を置いて設けられ、ネジ状部材82に螺合している。
【0065】
これらの構成によれば、上述した第二の工程においてアクチュエータ50を上下方向へ位置調整する作業を、位置調整機構80を用いて速やかに行うことができる。
すなわち、操作ハンドル81を一方向へ回せば、ナット状支持部材83及び本体部51を上方又は下方へ速やかに移動することができ、同操作ハンドル81を逆方向に回せば、同ナット状支持部材83及び本体部51を逆方向へ速やかに移動することができる。
【0066】
そして、前記移動により進退部52の止め孔52aと被接続部71aの止め孔71a1とを位置合わせした後は、上述した製造方法と同様に、進退部52と被接続部71aとを、これらに挿通される軸状部材74によって接続すればよい。
そして、この接続の後、固定用ナット状部材84をナット状支持部材83に当接させて締め付ければ、ナット状支持部材83を上下方向へ移動しないように固定することができる。
【0067】
よって、図9に示す位置調整機構80を具備した止水シャッター装置1においても、所定の後退位置にある進退部52を後退した被接続部71aに接続した後に、アクチュエータ50の本体部51を基部30aに固定することができ、ひいては、進退部52の後退によりアクチュエータ50から第二の開閉体押圧装置70にわたる動力伝達経路に過剰な負荷が加わるようなことを防ぐことができる。
【0068】
なお、ナット状支持部材83の上下位置を固定する手段は、固定用ナット状部材84を用いない他の手段であってもよい。例えば、ナット状支持部材83(可変支持部材)を、ボルト等の止着具により基部30aに止着するようにしてもよい。
【0069】
<位置調整機構の他例2>
図10に示す位置調整機構100は、基部30aに対し上下方向へ移動しないように固定された固定ブロック62’と、手動回転操作される操作摘み101と、この操作摘み101に対する回転操作により操作摘み101と一体回転するネジ状部材102と、ネジ状部材102に螺合するナット状支持部材103と、ナット状支持部材103に一体的に接続された可変支持部材61’と、固定用ナット状部材104とを備え、操作摘み101及びネジ状部材102の回転により、ナット状支持部材103、可変支持部材61’及び本体部51を上下方向に位置調整する。
【0070】
固定ブロック62’は、上述した固定ブロック62と略同様の部材であり、ネジ状部材102の上方側で、基部30aに対し不動に固定されている。
【0071】
操作摘み101は、その外周部を摘まんで回転操作可能な薄肉円柱状に形成される。この操作摘み101は、その上端面を、固定ブロック62’の下端面に摺接して回転する。
【0072】
ネジ状部材102は、操作摘み101と一体の下向き雄ネジ状の部材であり、操作摘み101の中心部から下方へ延設されている。
【0073】
ナット状支持部材103は、ネジ状部材102に螺合する雌ネジ孔を有する部材である。このナット状支持部材103の下端側は、可変支持部材61’に対し、一体的に接続される。この接続手段は、例えば、溶接やねじ止め、リベット止め等とすればよい。
【0074】
可変支持部材61’は、上述した可変支持部材61と略同様の部材であり、凹溝状の基部30aに対し、上下移動可能であって且つ上下方向の軸を中心にした回転をすることのないように嵌り合っている。
したがって、この可変支持部材61’に接続されたナット状支持部材103も、可変支持部材61’と略同様に、基部30aに対し上下方向へ移動可能であって回転不能である。
【0075】
よって、これらの構成によれば、上述した第二の工程においてアクチュエータ50を上下方向へ位置調整する作業を、位置調整機構100を用いて速やかに行うことができる。
すなわち、操作摘み101及びネジ状部材102を一方向へ回せば、ナット状支持部材103、可変支持部材61’及び本体部51を上方又は下方へ移動することができ、同操作摘み101及びネジ状部材102を逆方向に回せば、ナット状支持部材103、可変支持部材61’及び本体部51を逆方向へ移動することができる。
【0076】
そして、前記移動により進退部52の止め孔52aと被接続部71aの止め孔71a1とを位置合わせした後は、上述した製造方法と同様に、進退部52と被接続部71aとを、軸状部材74によって接続する。
この接続の後、固定用ナット状部材104をナット状支持部材103に当接させ締め付ければ、ナット状支持部材103、可変支持部材61’及び本体部51が、上下方向へ移動しなくなる。
【0077】
よって、図10に示す位置調整機構100においても、所定の後退位置にある進退部52を後退した被接続部71aに接続した後に、アクチュエータ50の本体部51を基部30aに固定することができ、ひいては進退部52の後退によりアクチュエータ50から第二の開閉体押圧装置70にわたる動力伝達経路に過剰な負荷が加わるようなことを防ぐことができる。
【0078】
<その他の変形例>
上記実施形態によれば、開閉体厚さ方向の押圧機構である第二の開閉体押圧装置70について、その被接続部71aに対し進退部52を接続する手順を特定したが、他例としては、上下方向の押圧機構である第一の開閉体押圧装置45について、その被接続部である押圧部材45aに対しアクチュエータ40の進退部42を接続する手順を特定するようにしてもよい。
すなわち、この他例では、アクチュエータ40を基部30aに対し上下位置変更可能に設け、所定の後退位置にある進退部42を、後退した押圧部材45a(被接続部)に接続した後に、アクチュエータ40の本体部41を上下移動不能に基部30aに固定する。
この他例によれば、進退部42の後退によりアクチュエータ40から第一の開閉体押圧装置45にわたる動力伝達経路に過剰な負荷が加わるようなことを防ぐことができる。
【0079】
上記実施形態によれば、位置調整機構60は位置調整のための長孔64を基部30aに設けたが、この位置調整機構の他例としては、位置調整のための長孔を可変支持部材61に設けることも可能である。
【0080】
上記実施形態によれば、可変支持部材61の上方側にスペーサ63及び固定ブロック62を設けたが、図示例以外の他例としては、可変支持部材61の下方側にスペーサ63及び固定ブロック62を設けるようにしてもよい。
【0081】
上記実施形態によれば、特に好ましい複数種類の位置調整機構60,80.100を例示したが、この位置調整機構は、同様に機能する図示例以外の構成とすることも可能である。すなわち、この位置調整機構の他例としては、アクチュエータ50の本体部51が、上下方向に並ぶ複数の止着孔に対し選択的に止着されるようにした態様や、本体部51がリニアガイド機構を介して上下方向へ位置調整されるようにした態様等とすることも可能である。
【0082】
上記実施形態によれば、進退部52が本体部51に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部を、例えばアクチュエータ50内に具備するリミットスイッチとしたが、この後退感知部の他例としては、進退部52を後退させる電動モータの負荷電流の変化により進退部52が所定の後退位置になったことを感知する構成とすることも可能である。
【0083】
また、本発明は上述した具体的構成に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
【0084】
<総括>
以上のとおり、上記実施形態では以下の発明を開示している。
(1)
空間を仕切るようにして閉鎖動作する開閉体と、基部と、前記基部に支持された本体部に相対し進退部を所定量進退させるアクチュエータと、前記進退部に接続された被接続部の進退により、閉鎖状態の前記開閉体を不動部位に押圧したりこの押圧状態を解除したりする開閉体押圧装置と、前記基部に対し前記本体部を、前記進退部の進退方向に位置調整する位置調整機構とを具備したことを特徴とする止水シャッター装置(図1図10参照)。
(2)
(1)に記載の止水シャッター装置の製造方法であって、所定の後退位置にある前記進退部を前記被接続部に接続した後に、前記アクチュエータの前記本体部を前記基部に固定するようにしたことを特徴とする止水シャッター装置の製造方法(図6図8参照)。
(3)
(1)に記載の止水シャッター装置の製造方法であって、前記被接続部を後退させる工程と、前記アクチュエータを前記位置調整機構によって位置調整して、所定の後退位置にある前記進退部を、後退した前記被接続部に接続する工程と、前記アクチュエータの前記本体部を前記基部に固定するする工程とを含むことを特徴とする止水シャッター装置の製造方法(図6図8参照)。
(4)
前記位置調整機構は、前記本体部を支持するとともに、前記進退部の進退方向に沿って移動するように前記基部に支持された可変支持部材を備え、前記可変支持部材を、前記位置調整機構によって位置調整した後に、前記基部に固定するようにしたことを特徴とする(2)又は(3)に記載の止水シャッター装置の製造方法(図6図8参照)。
(5)
前記位置調整機構は、前記基部と前記可変支持部材のうち、その一方に設けられた長孔と、他方及び前記長孔に挿通された止着具とを備え、前記止着具を前記長孔内でスライドさせて前記可変支持部材を位置調整した後に、前記止着具を締め付けて、前記可変支持部材を前記基部に固定するようにしたことを特徴とする(4)に記載の止水シャッター装置の製造方法(図6図8参照)。
(6)
前記基部には、前記可変支持部材の移動方向側に位置するように固定ブロックが固定され、前記可変支持部材と前記固定ブロックの間にスペーサを設け、このスペーサの着脱により、前記可変支持部材を位置調整するようにしたことを特徴とする(5)に記載の止水シャッター装置の製造方法(図7参照)。
(7)
前記基部には、前記可変支持部材の移動方向側に位置するように固定ブロックが固定され、前記可変支持部材と前記固定ブロックの間には、スペーサが設けられ、前記スペーサの厚みの調整により、前記可変支持部材を位置調整するようにしたことを特徴とする(4)または(5)に記載の止水シャッター装置の製造方法(図7参照)。
(8)
前記位置調整機構は、回転操作により回転するネジ状部材と、前記ネジ状部材に螺合するとともに前記本体部を支持するナット状支持部材とを備え、前記ネジ状部材の回転により前記ナット状支持部材及び前記本体部を位置調整することを特徴とする(2)~(5)のいずれかに記載の止水シャッター装置の製造方法(図9及び図10参照)。
(9)
前記ネジ状部材に螺合するとともに前記ナット状支持部材に当接可能な固定用ナット状部材を備えることを特徴とする(8)に記載の止水シャッター装置の製造方法。
(10)
前記進退部が前記本体部に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部を備え、前記後退感知部による感知位置が、前記進退部の前記後退位置と同一又は前記後退位置よりも前方側に設定されていることを特徴とする(2)~(9)のいずれかに記載の止水シャッター装置の製造方法。
(11)
前記進退部が前記本体部に相対し所定量後退したことを感知する後退感知部を備え、前記進退部の後退を、前記進退部が機械的な後退限界位置になる前に、前記後退感知部により感知するようにしていることを特徴とする(2)~(9)ののいずれかに記載の止水シャッター装置の製造方法。
【符号の説明】
【0085】
1:止水シャッター装置
10:開閉体
11,12:パネル
20:ガイドレール
21:受部材(不動部位G2)
30:収納部
30a:基部
40,50:アクチュエータ
41,51:本体部
42,52:進退部
45:第一の開閉体押圧装置
60:位置調整機構
61:可変支持部材
62:固定ブロック
63:スペーサ
64:長孔
70:第二の開閉体押圧装置
71:上下方向スライド部材
71a:被接続部
72:リンク機構
80:位置調整機構
81:操作ハンドル
82:ネジ状部材
83:ナット状支持部材
84:固定用ナット状部材
100:位置調整機構
101:操作摘み
102:ネジ状部材
103:ナット状支持部材
104:固定用ナット状部材
G1:下方側の不動部位
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10